授業のエキスパート養成事業(第4学年音楽科)授業実践記録

授業のエキスパート養成事業(第4学年音楽科)授業実践記録
学 校 名
新居浜市立新居浜小学校
職・氏名
教 諭
髙 橋
1 日 地
平成22年1月28日(木) 第5校時(13:30~14:15)
2 題材名
音の重なりを楽しもう(8時間扱い)[A表現:歌唱イ・エ、B鑑賞:イ]
3
目
○
章 子
標
旋律の特徴や音の重なりに関心をもって、進んで聴いたり表現したりしている。
【関心・意欲・態度】
○
旋律の特徴や音の重なりを感じ取って、表現方法を工夫している。
【感受・表現の工夫】
○
曲の特徴を生かし、美しく重なり合う響きを意識しながら、音程や発声に気を付けて歌っている。
【表現の技能】
○
4
旋律の特徴や音の重なりを感じ取って聴いている。
【鑑賞の能力】
指導観
⑴
児童について
本学級の児童(男子13名、女子13名)は、とても明るく、友達と歌声を合わせて歌うことに積極
的に取り組む。4年生以上の希望者で成る合唱隊には、本学級から8名の児童が参加しており、10
月に行ったアンケートでは、ほとんどの児童が歌唱活動を好きと答えている。音程が不安定で、自
信をもって歌えない児童もいるが、全体的には無理のない声で伸び伸びと歌うことができる。
これまでに、3年生で「バード
ウォッチング」、4年生で「子どもの世界」の2曲のパートナ
ーソングを取り上げ、さらに2学期には、初めての二部合唱として「もみじ」を学習したが、自分
のパートを歌うのが精一杯で、音の重なりを感じて楽しむまでには至っていない。
鑑賞領域では、音楽を聴いて感動する経験を積んできているが、音楽を形づくっている要素を聴
き取り、楽曲の構造に気を付けて聴く活動については十分とは言えない。
⑵
題材について
本題材は、旋律の特徴や互いの響きを感じ取りながら、表現力を高めていくことをねらいとして
いる。
「パレード
ホッホー」
「ファランドール」
「空に雲に」の3曲は、美しく重なり合う響きや、
音を重ねる楽しさを味わうことができ、高学年の「音の重なりや和声の響き」へとつないでいくの
に適した教材である。
「パレード
ホッホー」は、曲の前半と後半の旋律を重ねて響きを楽しむパートナーソングであ
る。前半は弱起で始まり、スタッカートやシンコペーションのリズムが使われ、弾んだ感じが特徴
的な旋律である。これに対し、後半は緩やかなリズムで伸び伸びとした旋律である。前半と後半の
旋律の曲想の違いに気付いたり、旋律が重なるおもしろさを感じ取ったりすることができる。
鑑賞曲「ファランドール」は、勇壮で力強い曲想の「王の行進」の旋律が演奏され、プロバンス
太鼓の軽快なリズムに乗った明るい曲想の「馬のダンス」の旋律が奏でられる。そして、「王の行
進」と「馬のダンス」の旋律が交互に演奏され、最後にはこの二つの旋律が重なってダイナミック
に幕を閉じる。身体表現を通して、二つの対照的な旋律の違いや音の重なりを主体的に感じ取るこ
とができると考える。
「空に雲に」は、前半が斉唱、後半が対位的な重なりと和声的な重なりの部分二部合唱の曲であ
る。前半の生き生きとした躍動感のあるシンコペーションのリズムの特徴や、後半の流れるような
旋律を感じ取って、歌い方を工夫したり響きを味わって合唱したりすることができる。
⑶
指導について
指導に当たっては、表現と鑑賞の関連を図りながら、二つの旋律が重なり合うおもしろさと、和
声的な音の重なりの響きの美しさを味わわせたい。
「空に雲に」では、8~9名のグループで、歌詞の内容や旋律の特徴から「自分たちのグループ
は『空に雲に』をこういう感じで歌いたい」というイメージをもたせ、表現を工夫させる。本校の
研究主題でもある「意欲的に取り組み、豊かに表現できる児童の育成」を踏まえて、少人数で心を
合わせて、音を重ねて歌う喜びを体験させ、主体的に音楽とかかわらせたい。また、音の重なりに
ついては図形資料を活用し、視覚的に理解させたい。
自分たちの思い描いた音楽に迫るために、音楽を形づくっている要素(まほうの調味料)のうち、
音の重なり・旋律・リズム・音色・強弱に着目させ、曲の後半は互いの歌声が一つになったり、重
なり合ったりする響きの変化を味わいながら、特に強弱の工夫をすることで音の重なりを楽しむ活
動にしたい。
さらに、自分たちの工夫した表現を発表したり聴き合ったりする中で、言語活動を充実させ、表
現力を高めていきたい。その際に自分たちの表現しようとすることが、聴く人に伝わるよう意識し
て取り組ませたい。
5
題材の評価規準
ア
音楽への関心・意
イ
音楽的な感受や
ウ
表現の技能
エ
鑑賞の能力
題材の評価規準
欲・態度
表現の工夫
旋律の特徴や音の
旋律の特徴や音の
曲の特徴を生か
旋律の特徴や音の
重なりに関心をもっ
重なりを感じ取っ
し、美しく重なり合
重なりを感じ取って
て、進んで聴いたり表
て、表現方法を工夫
う響きを意識して、
聴いている。
現したりしている。
している。
音程や発声に気を付
けて歌っている。
①
旋律の特徴に関
①
身体表現を通し
①
旋律の特徴を生
①
二つの旋律の特
学習活動における具体の評価規準
て、旋律の特徴や
かし、出だしや音
徴を感じ取って聴
ったり聴いたりし
音の重なりを感じ
程に気を付けて歌
いている。
ている。
取っている。
っている。
②
心をもち、進んで歌
音の重なりに関
②
音楽を特徴付け
②
②
音や旋律の重な
互いの響きを聴
り合う響きを感じ
ている要素に気付
き合いながら歌っ
取って聴いてい
ったり聴いたりし
き、それを生かし
ている。
る。
ている。
た表現方法を工夫
③
心をもち、進んで歌
している。
自分たちの思い
③
曲の特徴を生か
し、美しく重なり
旋律の特徴や音
合う響きを意識し
意見を出し合い、友
の重なりを感じ取
て、音程や発声に
達と協力して活動
りながら、互いの
気を付けて歌って
している。
演奏のよさや課題
いる。
を表現するために、 ③
を見付けることが
できる。
6
指導と評価の計画(8時間扱い)
ねらい・学習活動
第一次(2時間)
☆
○
ア-① ( 観 察 ・ 演 奏 の 聴 取 )
ウ-① ( 観 察 ・ 演 奏 の 聴 取 )
旋律
リズム
音色
ア-① ( 観 察 )
エ-① ( 観察 )
第二次(2時間)
旋律の重なり合う響きを感じ取って、歌ったり、聴いたりする。
「ファランドール」の旋律の重なり合い
を感じ取る。
・ 二つのカードを使った身体表現を通し
て、旋律の重なり合いを感じ取って聴く。
○ 「パレード ホッホー」を互いの響きを
感じながら歌う。
・ 二つの旋律の重なり合う響きを感じな
がら歌う。
○
第三次(4時間)本時その3
7
「パレード ホッホー」の旋律の特徴を
感じ取り、様子を思い浮かべながら歌う。
○
☆
共通事項
旋律の特徴を感じ取って、歌ったり、聴いたりする。
○ 「ファランドール」の旋律を口ずさみな
がら旋律の特徴を感じ取って聴く。
☆
具体の評価規準(評価方法 )
ア-② ( 観 察 )
イ-① ( 身 体 表 現 の 観 察 )
エ-② ( 観 察・ワ ー ク シ ー ト )
ア-② ( 観 察 )
ウ-② ( 観 察 ・ 演 奏 の 聴 取 )
旋律
音の重な
り
リズム
強弱
音色
旋律の特徴を生かしたり、重なり合う響きを感じたりしながら表現する。
「空に雲に」の旋律の特徴や重なり合う
響きを感じ取って歌う。
・ 歌詞を理解し、歌詞唱や階名唱をする。
・ 音程に気を付けて歌い、重なり合う音
の響きの美しさを味わう。
○ 歌詞や旋律の感じを生かし、音の重なり
を感じながら、グループごとの表現を工夫
する。
・ 強弱、音の重なり、旋律、音色、リズ
ム、バランスを工夫しながら、自分たち
の思い描く音楽づくりをする。
○ グループごとに発表し合い、旋律の重な
りや、グループの思いが表現できているか
意見を発表する。
○ 前時のアドバイスを基に、グループの歌
を仕上げ、発表し合う。
○ クラスの「空に雲に」を仕上げる。
ア-①②( 観察・演 奏 の 聴 取 )
ウ-② ( 演 奏 の 聴 取 )
ア-③ ( 観 察 ・ ワ ー ク シ ー
旋律
音の重な
り
リズム
強弱
音色
ト・ふり返りカ
ード)
イ-② ( 観 察 ・ 演 奏 の 聴 取 )
イ-③ ( 観 察 ・ 発 言 )
ウ-③ ( 演 奏 の 聴 取 )
ア-③ ( 観 察 )
イ-③( 感 想 の カ ー ド・発 言 )
ウ-③ ( 演 奏 の 聴 取 )
本時の指導
目
標
音の重なりを楽しみながら表現し、互いの演奏のよさに気付くことができる。
⑵ 本時の指導に当たって
前時では、グループで歌詞や〔共通事項〕を手掛かりに意見を出し合い、表現を工夫す
る活動を行った。
本時は、発表し合い聴き合うことにより、互いのよさを認め合ったり、表現しようとす
ることが聴き手に伝わっているか意見を交換したりすることで、表現力を高めることにつ
なげていきたい。
⑴
(3)
展
開
学習の流れ
1
○指導上の留意点
◎評価(評価方法)
本時のめあてを確認する。
音の重なりを楽しみながら、自分たちの「空に雲に」を歌おう。
『グループの演奏のよさを見付けよう。』
2
発表に向けて、表現の工夫を確認しなが
ら、グループ練習する。
3
グループごとに発表し、音の重なりの美し
さや、グループが表現しようとしていること
が聴く人に伝わっているか、また、どのよう
に歌えばよりよい演奏になるか、意見を出し
合う。
○
自信をもって発表できるように、発表
の仕方を確認する。
○ 自分たちの表現しようとしているこ
とが、聴いている人に伝わるように、ま
た、音の重なっている部分が響き合って
いるか、気を付けて練習するよう促す。
○ 音程が不安な児童が自信をもって歌
えるように支援する。
○ 自分たちの思いが聴き手に伝わるよ
うに、発表させる。
◎
発表し合い、よかったところや表現しよう
としているところが伝わったか聴き合う。
(感じ取る)
・
旋律の特徴や音の重なりを感じ取り
ながら、互いの演奏のよさや課題を見付
けることができる。
(観察 ・ 発言)
感じたことを意見交換し練り合う。
(深める)
○
よりよい表現の工夫をするために、感
じたことを自分の言葉で発表させる。
アドバイスを参考に次のめあてを見付ける。
(見付ける)
○
他のグループの演奏やアドバイスを
参考に、次の時間のめあてを見付けさせ
る。
○
次時の課題を確認して意欲付けをす
る。
4
8
強弱、音の重なり、旋律、音色、リズム、
◎
バランスの工夫。
曲の特徴を生かし、美しく重なり合う
響きを意識して、音程や発声に気を付け
て歌っている。
(観察・演奏の聴取)
本時のまとめをし、次時の学習内容を知
る。
・ 次時はグループの歌を仕上げ、発表する
ことを知る。
授業評価の視点
○ 授業構成力
自分たちが表現の工夫したことを発表し合ったり、工夫したことが聴く人に伝わったか
どうかを聴き合ったりして、意見を出し合うことが、児童の表現力を高めていくことにつ
ながったか。
○ 授業実践力
児童が思考を深めたり、表現を工夫したりするための教師の言葉掛けは適切であったか。
9 授業の実際
時刻
教師の主な発問・支援
13:30
○
児童の主な反応・活動
今まで音の重なりを楽しみなが ・
〔めあて〕を読んで課題の確認をした。
ら、自分達の「空に雲に」を工夫し
てきました。
更によい演奏にするために、グループの演奏のよさを見付けましょう。
13:32
○
今から5分間、音の重なっている
(グループ練習)
部分が響き合っているかを確認し
ながら、また聴いている人に自分た
ちの「空に雲に」が伝わるように、
練習しましょう。
13:40
○
工夫をどうするか、迷っているグ
ループがあるようですが、みんなで
発表し合って聴き合いましょう。
聴き方のポイントは次の2点です。
①音の重なりが響き合っているか
②工夫していることが伝わってくるか
じっくり聴いて、いっぱいよかったところを見付けてください。ここはこ
うするともっとよくなるよ、というところも言ってください。
(1番目のグループ発表)
○
よかったところ、ここをもっとこ ・
のところが工夫されていた。
うするとよくなるよ、というところ
を発表してください。
大きい声が出ていてよかった。
「おはよう」
・ 両端に声の大きな男子がいたのでよく響い
ていた。
○
○
・
天秤の様に高音と低音が釣り合っていた。
・
響き合っていたので聞こえやすかった。
・
低音と高音が重なり合って、とてもいい声
だった。
先生は練習の時の方がよかった
と 思 う の で 、「 朝 の 」 か ら も う 一 回
(「朝の」から再度歌う。)
歌ってみてください。
・
最後がうまくいかなかった。
・
音の強さはよかった。
「おはよう」の部分は、支えがな
くなるのかな。ここを工夫するとよ
くなると思うよ。
○
音の強さはどうかな。じゃあここ
が変わると、更にグレードアップだ
ね。
(2番目のグループ発表)
13:47
○
よかったところ、ここをもっとこ ・
うするとよくなるよ、というところ
を発表してください。
・
高音と低音がとても響き合っていた。
きれいに響き合っていたけど2回目の「お
はよう」が小さかったので大きくしたらいい
と思う。
・
○
途中でパートを変わった人がいる。
高音パート4人、低音3人で、休
んでいる人がいるから、バランスを
考えるのが難しかったね。もっと上
手にできると思うから、パートの分
担を相談して、もう一回歌ってみて
ください。ぜひ最後のところ、大き
くしてほしいな。
○
(再度歌う。)
聴いている人にも聞いてみよう。 ・
みんなよかった。最後のところが言葉にで
きないけど・・よかった。
○
先 生 は M 君 の 言 い た い こ と が 分 ・ 2回目はちょっと速くなっていたので気を
か る よ 。( 挙 手 を し て い る ) ○ ○ 君
言ってみてください。
○
ここを今度の課題にしようね。
付けたらいい。
・
最後が息切れみたいだった。
・
がんばってみます。(歌ったグループ)
せ ん
(付箋 をはる。)
13:58
(3番目のグループ発表)
・
低音がきれいでよかった。
・
幸せな気分で歌っていた。
・ 低音の人の人数が少ないのによく声が出て
いた。
・
私達のグループはできてなかったけど、最
後を大きくするのができていた。
○
だんだん大きくしていくのが上
(再度歌う。)
手だったね。もう一度歌ってみて。
14:05
次の時間の〔めあて〕をグループで決めて発表しましょう。
・ 人の歌を聴きながら歌いたい。2回目の「お
はよう」を強くして強弱を変化させたい。
・
みんなの声の大きさを合わせて歌いたい。
強くする所に気を付けたい。
・
追っかけているところを、他の人の声を聴
いて歌いたい。
○
最後にどこかのグループで歌い
・
好評の2班がいい。
たいと思いますが、どのグループが
・
3班は、さっきうまくできなかったところ
いい。
が、悔しいと思うのでみんなで歌って終わり
たい。(3班の歌い方で全員合唱)
10
研究協議の記録
項
目
授業改善の視点と自己評
1
価
2
グループ協議
⑴ 自分たちが表現の工夫
をしたことを発表し合っ
たり、工夫したことが聴
く人に伝わったかどうか
を聴き合ったりして、意
見を出し合うことが、児
童の表現力を高めていく
ことにつながったか。
(授業構成力)
⑵
児童が、思考を深めた
り、表現を工夫したりす
るための教師の言葉掛
けは適切であったか
(授業実践力)
協
議
内
容
・
意
見
事前授業で、授業展開についての多くの課題が見つかった
ため、グループ編成を工夫するとともに、活動内容を精選し
て臨んだが、まだまだ改善の余地がある。
○ 児童が友達の演奏を聴き合ったり、感じたことを発表し合
ったりしながら、表現力を高めることをねらいとした。表現
を高めるために、児童の発言に対して、どのように切り返し、
どのような言葉を掛けることが大切かを、更に研修したい。
○ 本時のねらいは「強弱」を変化させることで「音の重なり」
を意識させることであった。第4学年の学習ということを考
え る と 、「 音 の 重 な り 」 の 楽 し さ を 感 じ 取 ら せ る た め 、 ほ か
にも様々な方法が考えられる。御参加の先生方から、多くの
意見を伺いたい。
○
○
指導者と児童との温かい人間関係が築かれており、子ども
の思いを大切にした活動が展開されていた。
・ 教師の笑顔と話すテンポがよく、児童と一体化した感じ
があり引き込まれていった。
・ グループごとに聴き合い、評価することで表現力が高ま
った。
・ 児童の発言の内容が具体的で、語彙 が豊富である。
・ 言語活動を取り入れることで、漠然としていたことが明
確になり、児童の理解も深まった。
・ グループ発表でうまくいかなかったことを、どのように
練習をしたらよくなるか問い返し、考えを深めさせると、
活動がより充実する。
○ 〔共通事項〕が児童の言葉での表現力を高めている。
・ 〔共通事項〕を「まほうの調味料」と呼び、児童の言葉
で表されている。学級ごとの「まほうの調味料」があり、
音楽の要素の学習が、音楽活動の中に自然に取り入れられ
ている。
○ 「音の重なり」について、掘り下げた発問を工夫すること
により、児童の発言を更に焦点化できたのではないか。
○ 大きい声がよい、ととらえている発言があった。美しく響
き合っている状態を、児童がどのようにとらえているか、確
認する必要がある。
○ グループ発表の後、よかった点だけでなく、課題に気付か
せることで、更に学習が深まるだろう。
○ 音程が不確かな児童に対しての支援が必要である。
・ 教師の指導や、グループ活動の中でキーボードを使って
音程を再確認する時間を確保する。
・ 音の重なりをねらうのであれば、音程を確実に、高音と
低音が響き合う感覚を確かめることが必要である。
○ 授業の最後に、曲の最後「おはよう」の部分を取り出して
練習し「音の重なり」を再確認すると、本時の学習を振り返
ることができたのではないか。
○ 児童の思いを大切にした授業であったが、教師がフレーズ
の終わり方や音の長さ、休符の感じ方等について指導する場
面も、必要だったのではないか。
○ 本時の指導を参考に、子どもにやる気を起こさせる言葉掛
けをしていきたい。
い
3
項
目
全体での話合い
⑴ 教師の言葉掛けについ
て
⑵
児童の思いを表現につ
なげる工夫について
⑶
学習活動の工夫につい
て
協
議
内
容
・
意
見
○
各グループのよさを見付け、伝え合う活動ができていた。
児童に任せる部分と、指導する部分を明確にするとよい。
○ 「 響 き 合 い 」「 重 な り 合 い 」 に つ い て 、 と ら え 方 が あ い ま
いであるので、教師の指導により、確認することが大切であ
る。
○ 教師が範唱をして高い理想を示すことで、児童の豊かな表
現力が育っている。
○ イ メ ー ジ を も っ て 取 り 組 む こ と が 大 切 で あ る が 、「 さ わ や
かな様子」「明るい雰囲気」「楽しい様子」を表現したいとき
に、具体的にどのように歌うと聴く人に伝わるかを、指導す
る必要がある。
○ 自分たちの声を聴きながら練習できる場所を確保し、音の
響き合いが感じ取れるよう配慮が必要である。それにより、
自分たちの課題や具体的な目標が明確になり、より充実した
グループ練習を行うことができる。
○ 歌声が育っている。
・ 児童が生き生きとした表情で、歌うことを楽しんでいる。
・ リーダーが育っており、自分たちの合唱をよりよくしよ
うとする姿勢がある。
○ 学習環境が整っている。
・ グループごとの拡大楽譜が、効果的に活用されている。
・ 板書や掲示物により、学習の流れ、活動の様子が分かる。
・ 指導に役立つ、手作りの小道具が充実している。
○ 学習訓練など、日々の丁寧な指導の積み重ねが大切であ
る。
・ 友達からの意見や感想に対して「ありがとう」と答える
場面は、さわやかで印象的であった。
・ グループ活動において、全員に役割があるため、児童一
人一人に活躍の場があり、責任をもって活動していた。
○ 人間関係作り、思いやりのある集団作りが大切である。
・ 自由に意見を発表できる支持的な雰囲気の学級集団
・ 一人一人を大切にした学習指導の積み重ね
・ 褒める、認める、温かな言葉掛け
・ 児童の集団の中での存在感
授業改善のポイント
○
児童の思いを大切にすることは、児童の活動すべてを容認するものではない。教師
の適切な指導によって、児童の思いが更に深まり、次の学習への意欲につながる。児
童の思いを大切にすると同時に、教師主導の指導が必要である。
○ 児童が自分の思いを表現する際、要素の変化や、要素どうしのかかわりを感じ取ら
せ る な ど 、〔 共 通 事 項 〕 を 表 現 の 工 夫 の 窓 口 と す る 。 発 達 段 階 に 応 じ て 、 児 童 に 分 か
り や す い 言 葉 で 示 し 、〔 共 通 事 項 〕 が 学 習 の 中 に 自 然 に 取 り 入 れ ら れ る よ う に 工 夫 を
する。
○ 児童の発言や、教師の適切な言葉掛けが、児童の思考を深める。児童どうしのコミ
ュニケーションを図り、伝え合い、聴き合う活動を積極的に取り入れる。
○ 教師がイメージをどれだけ言葉にできるか、教師の感性を高めること、日々の自己
研修が大切である。