「宮城県警察緊急治安対策推進計画」 推 進 結 果

「宮城県警察緊急治安対策推進計画」
推
進
結
果
宮城県警察本部
「宮城県警察緊急治安対策推進計画」推進結果について
第1
はじめに
本 県 の 治 安 情 勢 は 、刑 法 犯 認 知 件 数 が 平 成 3 年 を 境 と し て 年 々 増 加 の 一 途 を た ど り 、
平成13年及び平成14年には、昭和期の2倍以上となる年間5万件に近い過去最高
水準の認知件数を記録した。
さらには、県民が身近に不安を感じる街頭犯罪・侵入犯罪の多発に加え、深刻化す
る少年問題、来日外国人や暴力団による組織的犯罪の増加、国際テロ、サイバーテロ
等の新たな脅威、凶暴化・粗暴化する暴走族に対する対策、悲惨な交通死亡事故の多
発など、対処すべき治安課題が山積みとなり、治安情勢は極めて厳しい局面を迎えて
いた。
このような現状から、本県警察では、犯罪の増加基調に歯止めをかけ、治安の復活
を図ることを喫緊の課題として、平成15年8月に警察庁において策定された「緊急
治安対策プログラム」に基づき、同年11月、おおむね3年を目途として緊急かつ重
点的に取り組むべき、
○
犯罪抑止のための総合対策
○
組織犯罪対策と来日外国人犯罪対策
○
テロ対策とカウンターインテリジェンス(諜報事案対策)
○
サイバー犯罪とサイバーテロ対策
○
新たな政府目標の達成に向けた総合的な交通事故防止対策
○
治安基盤の確立
を 柱 と し た 「 宮 城 県 警 察 緊 急 治 安 対 策 推 進 計 画 」( 以 下 「 対 策 計 画 」 と い う 。) を 策 定
し、組織の総力を挙げて治安対策に取り組み、年度ごとに推進状況を検証しつつ、当
該年度の推進計画を策定し、平成18年度を「総仕上げの年」として位置付け、同計
画を完結させたところである。
よって、ここに平成15年度から実施された対策計画の進捗結果を検証し、総括と
して取りまとめたものである。
[対策計画の総合成果]
○
全刑法犯
・
認 知 件 数 ( -17,563件 ・ -35.7% )
平 成 14年 : 49,261件
・
平 成 18年 : 31,698件
検挙率
平 成 14年 : 21.1%
○
→
→
平 成 18年 : 29.7%(+8.6%)
交 通 事 故 死 亡 者 数 ( -65人 ・ -35.9% )
平 成 14年 : 181人
→
平 成 18年 : 116人
-1-
◎
過去10年間の宮城県における刑法犯認知件数・検挙件数の推移
刑法犯認知・検挙件数等の推移
60,000
30.7%
50,000
38,821 25.8%
35,854
40,000
42,820
35.0%
49,887
47,207
49,261
43,376 27.6%
23.1%
29.7% 30.0%
29.4%
40,211 26.2%
33,357
21.1%
20.2%
19.2%
30,000
認知件数
検挙件数
検挙率
25.0%
31,698
20.0%
15.0%
20,000
11,003
10,030
9,871
10,000
9,045
10,081
10,412
11,976
10,516
9,819
10.0%
9,410
5.0%
0.0%
0
H9
◎
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
過去10年間の宮城県における交通事故発生状況
交通事故発生状況
人身事故
死亡者数
200
16,000
177
14,000
12,000
167
11,853
164
12,232
177
12,789
11,062
12,651
156
181
12,864
14,081
13,320
14,016
13,632
180
160
134
10,000
130
140
138
116
120
8,000
100
6,000
80
60
4,000
40
2,000
20
0
0
H9
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
第2 「宮城県警察緊急治安対策推進計画」推進結果
1
(1)
犯罪抑止のための総合対策
街頭犯罪・侵入犯罪抑止総合対策の推進
平成15年度に設置した「宮城県警察街頭犯罪総合対策室」を中心として、街頭
犯罪及び侵入犯罪の発生分析と抑止・検挙対策を強力に推進した結果、刑法犯認知
件数は、平成15年から平成17年まで3年連続で減少するなど一定の成果が見ら
れた。一方、治安指数の改善に比べ、県民の体感治安が改善していない現状にあっ
た こ と か ら 、平 成 1 8 年 4 月 1 日 、
「 宮 城 県 警 察 街 頭 犯 罪 総 合 対 策 室 」を 発 展 的 に 解
消して、
「 宮 城 県 警 察 安 全 安 心 推 進 室 」を 設 置 し 、街 頭 犯 罪 の 抑 止 対 策 や 女 性 ・ 子 ど
もを守る施策及び歓楽街対策等の犯罪抑止総合対策の推進を図るとともに、地域警
察官によるパトロール活動及び検挙活動をより一層強化した。
ま た 、自 治 体 や 地 域 住 民 と 連 携 ・ 協 働 し た 安 全 ・ 安 心 ま ち づ く り を 推 進 す る た め 、
-2-
「犯罪のないみやぎ安全・安心まちづくり条例」や「仙台市安全安心まちづくり条
例」に基づく基本計画等を策定し、安全・安心まちづくりを県民運動として展開す
るための基盤整備を図った。
[対策計画策定以降の結果]
街 頭 犯 罪 ( 強盗・強姦・恐喝・ひったくり・強制わいせつ・自動車盗・オートバイ盗・自転車盗・車上ねらい・部品ねらい)
○
・
認 知 件 数 ( -12,220件 ・ -50.6% )
平 成 14年 : 24,129件
・
平 成 18年 : 11,909件
検挙率
平 成 14年 : 5.5%
○
→
→
平 成 18年 : 9.8%(+4.3%)
侵入窃盗
・
認 知 件 数 ( -2,006件 ・ -33.2% )
平 成 14年 : 6,050件
・
平 成 18年 : 4,044件
検挙率
平 成 14年 : 32.9%
○
→
→
平 成 18年 : 51.5%(+18.6%)
街頭犯罪、侵入窃盗とも認知件数が大幅に減少し、検挙率が上昇するなど、街頭
犯罪・侵入犯罪抑止総合対策の成果が見られた。
◎
過去10年間の宮城県内における街頭犯罪認知・検挙件数の推移
街頭犯罪認知・検挙件数の推移(宮城県)
30,000
26,843
25,000
20,000
認知件数
検挙件数
30.0%
検挙率
27,595
24,129
23,300
25.0%
21,056
20,044
19,527
20.0%
15,989
15,000
15.0%
12.8%
12,352
11,909
11.1%
10,000
9.8%
7.0%
6.2%
5,000
1,413
6.1%
4.7%
1,297
5.5%
4.4%
1,203
1,627
1,084
5.0%
2,498
1,316
1,369
1,058
1,163
0
0.0%
H9
◎
10.0%
6.6%
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
過去10年間の宮城県内における侵入窃盗認知・検挙件数の推移
侵 入 窃 盗 認 知 ・検 挙 件 数 の 推 移 (宮 城 県 )
認知件数
検挙件数
検 挙 率
7,000
6,000
5,681
76.7%
80.0%
5,755
5,282
5,408
5,307
5,000
5,246
70.0%
5,140
61.5%
4,358
90.0%
6,050
4,519
59.7%
60.0%
4,044
4,000
51.5%
3,540
3,154
43.3%
3,000
36.5%
34.7%
2,340
1,935
2,000
40.0%
37.5%
27.9%
32.9%
1,988
2,084
1,786
50.0%
30.0%
1,694
20.0%
1,462
1,000
10.0%
0.0%
0
H9
H 10
H11
H12
H 13
H 14
-3-
H 15
H 16
H 17
H 18
(2)
深刻化する少年犯罪への対応
本県における非行少年等の検挙・補導数は、昭和63年をピークに減少傾向にあ
ったが、平成4年以降増加に転じ、平成8年からは昭和63年のピーク時に次ぐ、
2 万 人 台 を 突 破 し 高 原 状 態 で 推 移 し て い た 。本 県 警 察 で は 、少 年 非 行 防 止 対 策 は「 治
安 対 策 の 鍵 」と と ら え 、
「 み や ぎ 児 童 生 徒 サ ポ ー ト 制 度 」を 基 軸 と し た 児 童 生 徒 の 再
非行防止、立ち直り支援、犯罪被害の防止を学校と緊密に連携して推進するなど、
児童生徒対策を効果的に推進した。
また、仙台市教育委員会との相互人事交流を図るとともに、少年警察補導員、少
年 補 導 員( 少 年 警 察 ボ ラ ン テ ィ ア )等 で 構 成 す る「 声 か け よ く し 隊 」、大 学 生 健 全 育
成ボランティア「ポラリス宮城」等との連携により、少年非行防止・保護総合対策
を推進した。
[対策計画策定以降の結果]
○
非 行 少 年 等 の 検 挙 ・ 補 導 総 数 ( -8,679人 ・ -33.1% )
平 成 14年 : 26,181人
○
→
平 成 18年 : 17,502人
刑 法 犯 少 年 の 総 数 ( -2,045人 ・ -53.8% )
平 成 14年 : 3,802人
○
→
平 成 18年 : 1,757人
全刑法犯に占める少年の割合
平 成 14年 : 50.0%
○
→
平 成 18年 : 30.3%( -19.7% )
非行少年等の検挙・補導数及び刑法犯少年の総数が大幅に減少するとともに、全
刑法犯に占める少年の割合についても、昭和52年以来25年振りに50%を下回
った平成15年以降も4年連続して減少しており、一定の歯止めがかかった。
過去10年間の宮城県内における非行少年等の検挙・補導総数の推移
◎
◎
過去10年間の宮城県内における刑法犯少年の推移
刑 法 犯 少 年 の 推 移 (宮 城 県 )
非 行 少 年 等 の 推 移 (宮 城 県 )
3 5 ,0 0 0
検 挙 ・補 導 人 員
全刑法犯に占め る割合
4 ,5 0 0
4 ,1 3 6
4 ,0 0 0
3 0 ,0 0 0
9 0 .0 %
3 ,8 0 2
2 8 ,2 7 5 2 8 ,6 1 0
3 ,5 8 0
2 6 ,1 8 1
1 0 0 .0 %
4 ,0 6 1
3 ,5 0 0
8 0 .0 %
3 ,4 2 6
3 ,2 5 8 3 ,2 5 8
2 4 ,1 6 2
2 5 ,0 0 0
2 3 ,0 0 3 2 2 ,8 9 2
2 2 ,0 6 4 2 2 ,5 7 4
2 2 ,2 4 7
7 0 .0 %
3 ,0 0 0
2 0 ,0 0 0
6 3 .7 % 6 2 .4 %
5 7 .4 %
2 ,5 0 0
1 7 ,5 0 2
2 ,6 9 3
6 0 .0 %
5 3 .8 % 5 3 .7 %
2 ,0 9 6
5 0 .0 %
2 ,0 0 0
1 5 ,0 0 0
3 4 .7 %
1 ,5 0 0
5 0 .0 %
1 ,7 5 7
4 2 .3 %
1 0 ,0 0 0
1 ,0 0 0
5 ,0 0 0
2 0 .0 %
500
1 0 .0 %
0 .0 %
0
0
H9
(3)
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H9
H18
4 0 .0 %
3 1 .8 % 3 0 .33%0 .0 %
H1 0
H1 1
H1 2
H1 3
H1 4
H1 5
H1 6
H1 7
H1 8
重要犯罪等に対する捜査の強化
本県においては、重要犯罪認知件数が平成13年に424件と過去最高値を記録
した後、おおむね減少傾向に転じたものの、依然として高原状態で推移しており、
社会的反響の大きい凶悪事件が散見されている。
こうした情勢を踏まえ、広域化・悪質化する犯罪への対応を図る観点から、自動
車ナンバー自動読取システムの増設整備やDNA型鑑定システムの積極的・効果的
-4-
な運用を行うとともに、発生実態に応じたよう撃捜査による検挙活動の推進を図っ
た。
また、人質立てこもり事件に対応するため、捜査第一課、機動隊、機動捜査隊等
との合同による実戦的訓練、学校教養における射撃訓練の実施等、重要犯罪等への
対応強化を図った。
[対策計画策定以降の結果]
重 要 犯 罪 (殺人・強盗・放火・強姦・略取誘拐・強制わいせつ)
○
・
認 知 件 数 ( -28件 ・ -7.8% )
平 成 14年 : 361件
・
平 成 18年 : 333件
→
平 成 18年 : 69.7%(+28.4%)
検挙率
平 成 14年 : 41.3%
◎
→
過去10年間の宮城県内における重要犯罪認知・検挙件数の推移
重要犯罪認知・検挙件数の推移(宮城県)
450
91.4%
91.0%
400
361
351
350
200
62.2%
210
192
185
156
150
258
297
65.6%
278
41.3%
174
149
142
61.2%
232
60.0%
50.0%
199
45.1%
40.0%
134
115
90.0%
69.7% 70.0%
49.6%
185
100.0%
80.0%
333
325
71.7%
300
250
認知件数
検挙件数
検挙率
424
30.0%
100
20.0%
50
10.0%
0
0.0%
H9
(4)
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
犯罪被害者対策の充実強化
平成16年4月、全国初となる「宮城県犯罪被害者支援条例」が施行され、その
定着化を図るため、被害者支援の実施状況を県議会に報告するとともに、ホームペ
ージ等を通じて、県内の被害者支援の現状・取組みを広く県民に広報した。
また、民間被害者支援団体として平成12年に開設された「社団法人みやぎ犯罪
被害者支援センター」が「犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律」に基づき、
東北初となる「犯罪被害者等早期援助団体」として宮城県公安委員会から指定され
たことから同センターに対する情報提供を行い、被害者等の求めに応じた被害者支
援活動を実施した。
さらに、
「 宮 城 県 犯 罪 被 害 者 支 援 条 例 」に 基 づ き 設 置 し た「 宮 城 県 犯 罪 被 害 者 支 援
連絡協議会」の構成機関・団体数を53に拡充するとともに、警察署単位における
被害者支援ネットワークの開催、広報用パンフレット「宮城県における犯罪被害者
支援」の作成・配布、犯罪被害者の遺族による後援会等を含む「犯罪被害者週間・
県民のつどい」の開催など、犯罪被害者対策の定着を図った。
このほか、死傷者が多数となった「仙台市青葉区のアーケード街におけるトラッ
-5-
ク 暴 走 事 件 」、「 多 賀 城 市 に お け る 高 校 生 多 数 被 害 に か か る 危 険 運 転 致 死 傷 事 件 」 等
の重大事案等に対しては、早期危機介入を実施し、遺族及び被害者等の経済的・精
神的被害の軽減・回復に効果を上げた。
2
組織犯罪対策と来日外国人犯罪対策
犯罪情勢悪化の要因の一つに、来日外国人組織による犯罪、組織的なけん銃及び薬
物の密輸・密売事件、暴力団による犯罪など、組織を背景として行われる犯罪の深刻
化があり、特に来日外国人犯罪については、県内における検挙件数が、平成16年に
過去最高を記録するなど全国と同様に増加傾向にあった。
このような情勢を踏まえ、平成16年度組織機構改編により刑事部内に組織犯罪対
策室(現:組織犯罪対策局)を新設するとともに、同室内に組織犯罪対策課を設け、
生活安全部から銃器薬物対策課、刑事部から暴力団対策課をそれぞれ移管した。
これにより、組織犯罪情報の集約と共有、戦略的な捜査調整を図ることとし、組織
犯罪対策室各課の担当者で構成する「情報官会議」を基軸として、暴力団、銃器・薬
物の密輸・密売組織、国際犯罪組織等の犯罪組織にかかる情報の一元化を図った。
さらに、平成17年4月、部門間の緊密な連携を図るため、警察本部長を長とし、
41所属の長で構成する「宮城県警察組織犯罪対策推進本部」を設置し、総合的な組
織犯罪対策を推進した結果、
「中国人等犯罪組織による偽造クレジットカード原料密輸
事 件 」、「 中 国 人 等 に よ る 広 域 屋 内 緊 縛 強 盗 事 件 」、「 暴 力 団 に よ る 覚 せ い 剤 等 違 法 薬 物
広域密売事件」等を検挙した。
[過去3年間の検挙状況]
3
○
暴力団の検挙状況
検 挙 件 数 : 1,290件
検 挙 人 員 : 751人
○
薬物事犯の検挙状況
検挙件数:
668件
検 挙 人 員 : 444人
○
けん銃事犯の検挙状況
検挙人員:
13人
○
来日外国人犯罪の検挙状況
検挙件数:
490件
押収量:
16丁
検 挙 人 員 : 376人
テロ対策とカウンターインテリジェンス(諜報事案対策)
国際情勢が緊迫している中、国際テロ組織が“日本はテロの標的”である”と表明
するなど、国際テロの脅威は一層高まりを見せている。
こうした情勢に伴い、国際テロ等各種違法行為の未然防止を図るため、仙台空港及
び港湾(仙台塩釜港、石巻港、気仙沼港)における水際対策・危機管理体制の強化を
目 的 と し て 、 主 要 関 係 施 設 ご と に 「 危 機 管 理 (副 )担 当 官 」 を 設 置 し 、 関 係 機 関 と の 連
携を強化した。また、テロ対処能力の向上を図るため、仙台空港及び県内の国際港湾
に設置された保安委員会を中心として、仙台入国管理局、第二管区海上保安本部、仙
台空港税関支署をはじめとする各関係機関との各種会議の開催や合同テロ訓練を実施
するなど、関係機関等との緊密な連携による国際テロ対策を推進するとともに、効果
的なマスコミ公表等によりテロの脅威に対する県民の不安感の払拭を図った。
-6-
4
サイバー犯罪及びサイバーテロ対策
情報通信ネットワークのめざましい発展により、インターネット等のコンピュータ
・ネットワークの利用が生活の中に急速に普及した。その利便性が高まる中、不正ア
クセス事犯など新たな形態の犯罪や犯行手段としてインターネット等の情報通信を悪
用したサイバー犯罪が社会問題化しており、本県においてもサイバー犯罪に関する相
談件数が大幅に増加した。
こうした情勢を踏まえ、宮城県警察サイバー犯罪対策室を中心として、サイバーパ
トロールを行うなどサイバー犯罪の取締りを強化した。
また、国内外を問わず重大な被害を発生させているサイバーテロへの脅威に対処す
るため、
「 東 北 管 区 サ イ バ ー フ ォ ー ス 」及 び「 宮 城 県 警 察 サ イ バ ー テ ロ 対 策 プ ロ ジ ェ ク
ト」の合同による各種訓練等を実施するとともに、仙台市ガス局等の県内重要インフ
ラ 事 業 者 等 の 参 加 に よ る 「 情 報 セ キ ュ リ テ ィ ー セ ミ ナ ー 」、「 サ イ バ ー テ ロ 対 策 合 同 訓
練」を実施するなど官民一体となったサイバーテロ対策の強化を図った。
[検挙状況等]
○
サ イ バ ー 犯 罪 検 挙 件 数 ( +101件 )
平 成 14年 : 9件
○
→
サ イ バ ー 犯 罪 の 相 談 件 数 ( +515件 )
平 成 14年 : 415件
◎
平 成 18年 : 110件
→
平 成 18年 : 930件
平成13年以降の宮城県内におけるサイバー犯罪検挙・相談件数の推移
サ イ バ ー 犯 罪 検 挙 ・相 談 件 数 の 推 移 (宮 城 県 )
120
検挙件数
相談受理件数
110
894
1000
930
98
100
800
779
700
80
650
600
500
60
415
40
400
288
300
28
22
20
200
15
9
100
0
0
H13
5
900
H14
H1 5
H16
H17
H1 8
新たな政府目標の達成に向けた総合的な交通事故防止対策
10年間で交通事故死者数を5,000人以下とする平成15年の政府目標を受け
て本県警察においては、
「 あ ん し ん 歩 行 エ リ ア 」(県 内 2 0 か 所 )、
「交通バリアフリー」
(仙 台 市 内 4 地 区 )、
「 事 故 危 険 箇 所 」(県 内 2 9 か 所 )等 に 対 す る 対 策 と し て 、信 号 機 の
新設、各種標識の設置、歩車分離化等の整備を実施するとともに、交通情報の収集・
提供装置を整備するなど交通安全施設のIT化や信号の高度改良等を推進した。さら
に、関係機関・団体が連携した交通安全運動を展開するための「一自治体一交通安全
運 動 」 (一 つ の 自 治 体 が 交 通 施 策 を 一 つ 取 り 上 げ て 交 通 安 全 施 策 を 展 開 し て い く 運 動 )
を積極的に働きかけ、交通安全思想の普及徹底を図った。このほか、飲酒運転をはじ
めとする悪質・危険違反を重点とした交通指導取締りの推進、
「宮城県警察暴走族対策
-7-
室」を中心とした暴走族対策を強化するなど、総合的な交通事故防止対策を推進した
結果、平成18年の交通事故死者数については、昭和60年以来21年振りに110
人台の死者数に減少し、暴走行為参加人員についても大幅に減少した。
[対策計画策定以降の結果]
○
交 通 事 故 死 者 数 ( -65人 ・ -35.9% )
平 成 14年 : 181人
○
→
平 成 18年 : 116人
暴走族参加人員等
・
暴 走 族 参 加 人 員 ( -14,644人 ・ -97.6% )
平 成 14年 : 14,997人
・
平 成 18年 : 353人
暴 走 族 に 関 す る 110番 受 理 件 数 ( -5267件 ・ -93.0% )
平 成 14年 : 5,663件
◎
→
→
平 成 18年 : 396件
過去10年間の宮城県内における交通事故死者数・人身事故件数の推移
交通事故死者数・人身事故件数の推移
200
177
180
167
160
11,853
11,062
177
12,789
164
12,232
交通事故死者数
人身事故件数
16,000
181
156 12,651
14,081
13,320
14,016
13,632
14,000
12,864
134
140
130
12,000
138
116
120
10,000
100
8,000
80
6,000
60
4,000
40
2,000
20
0
0
H9
○
H10
H11
H12
H13
H14
H15
H16
H17
H18
平 成 14年 以 降 の 宮 城 県 に お け る 暴 走 族 参 加 人 員 ・暴 走 族 に 関 す る 110番 受 理 件 数 の 推 移
暴走族参加人員
・暴走族に関する110番受理件数の推移
16,000
14,000
○ 暴走族参加人員
○ 暴走族に関する110番受理件数
14,997
5663
6000
5000
12,000
4000
10,000
3000
8,000
4,4592303
6,000
4,000
2000
2,237
929
2,000
714582
353396
H17
H18
0
H14
H15
H16
-8-
1000
0
6
(1)
治安基盤の確立
人的基盤の強化等
警察庁、総務省等に対する地方警察官の増員要望を継続的に実施した結果、平成
19年度地方警察官の増員で、本県警においては60人が認められ、平成13年度
からの合計では、392人の地方警察官の増員を実現することができ、一定の人的
基盤の強化が図られた。
また、平成17年度に策定した警察署再編整備計画に基づき、平成18年4月、
小 牛 田 警 察 署 と 涌 谷 警 察 署 を 統 合 し て 遠 田 警 察 署 を 設 置 し た ほ か 、「 捜 査 第 三 課 」、
「 宮 城 県 警 察 安 全 安 心 推 進 室 」、「 宮 城 県 警 察 国 際 テ ロ リ ズ ム 対 策 室 」 等 を 新 設 す る
など、治安情勢に応じた人的・組織的基盤の強化を図った。
(2)
留置施設の整備等
護送による業務負担を軽減し、警察力のより効率的な運用を図るため、本部留置
管理課護送係による集中護送エリアを拡大し、警察署における護送要員の負担軽減
を図り、平成18年の仙台地検への被護送者のうち、94.8%を集中護送で対応
した。
また、平成17年2月、仙台中央警察署に女性専用留置場を設置の上、集中護送
エリア内の警察署における女性留置者の集中留置を実施し、適正かつ効率的な留置
業務を推進した。
(3)
治安関係機関との連携
仙 台 地 方 検 察 庁 と 協 議 を 重 ね 、平 成 1 6 年 9 月 、
「 警 察 ・ 検 察 意 見 交 換 会 」の 発 足
以降、
「 事 件 送 致 関 係 事 務 担 当 者 協 議 会 」及 び「 司 法 制 度 改 革 に 伴 う 情 報 交 換 会 」を
開催し、意見・要望等を相互に提出して連携を図った。
また、仙台入国管理局、横浜税関仙台塩釜税関支署、宮城海上保安部等で構成す
る「組織犯罪水際対策連絡会議」をより効果的に運営するため、実務担当者レベル
の会議を開催するなど更なる機能強化を図った。
(4)
警察の業務の在り方の見直し等
各所属にプロジェクトチームを発足させ、所管業務の合理化・効率化の検討を行
っ た ほ か 、警 部 補( 同 相 当 職 含 む 。)以 上 の 職 員 を 提 案 対 象 者 と し て 、第 一 線 警 察 署
の事務負担軽減に資する提案事項を集約・検討した。
そ の ほ か 、県 下 各 警 察 署 に お い て「 警 察 署 協 議 会 」を 毎 年 度 開 催( 延 べ 2 8 4 回 )
し、委員からの意見・要望等を踏まえた警察業務の推進に努めた。
また、地域における自主防犯ボランティアの結成及び活動を支援するなど、パト
ロール活動のアウトソーシングを推進したほか、安全情報提供システム「みやぎ
security テ レ ホ ン 」 及 び 「 み や ぎ security メ ー ル 」 の 導 入 等 に よ り 、 県 民 に 対 す る タ
イムリーな治安情報の提供を促進し、地域社会との協働による治安対策の定着化を
推進した。
-9-
第3
おわりに
平成15年度から平成18年度にわたり、組織を挙げて対策計画を推進し、緊急治
安対策に取り組んできた結果、刑法犯認知件数は5年連続で減少し、平成14年より
35.7パーセント減少するなど、犯罪の減少傾向が定着しつつある。
また、県内における交通事故についても、4年連続で交通事故死亡者数が減少し、
平成18年の交通事故死者数は、昭和60年以来21年振りに110人台になるなど
治安指数は顕著な成果を上げた。
その一方で、昭和49年ころと比較すると刑法犯認知件数は約2倍という高水準で
推移しているほか、子どもが被害者となる事件や少年による社会を震撼させる事件が
発生するなど、県民の体感治安は依然として厳しい状況にある。
こうしたことから、県民が真に安全・安心を実感できる社会を実現するという共通
認識を、県警察職員一人一人が強く自覚し、今後も引き続き県警察の総合力を発揮す
るとともに、関係機関、地域住民等との連携・協働による治安対策を強力に推進して
いくものである。
- 10 -