第2章 水道事業の概要 第2章 1 水道事業の概要 徳島市の概要 徳島市は四国東部に位置し、市域は、東西 16.4km、南北 19.45km に及び、市 域面積は 191.39km 2 となっています。日本三大暴れ川の一つであり四国三郎の異 名を持つ吉野川をはじめとして、大小 138 本の河川が市内を流れ、それらの河口 の三角州に市域が拡がっています。 徳島市は比較的温暖な気候に恵まれ、市中心部には市のシンボル的存在である眉 山、市の南側には多くの山々が存在しており、自然が多く残されています。 徳島市は明治22年10月に市制が施行されて以来、徳島県の県庁所在都市とし て、政治経済をはじめ、産業や文化等、様々な分野において発展してきました。 産業は、吉野川が運ぶ豊かな土壌や温暖な気候に恵まれ、サツマイモ、ネギ、ス ダチ等の栽培が盛んに行われ、それらは全国に供給されています。また昭和 38 年 に徳島県が策定した新産業都市開発構想により、近代的な工業中核地域として発展 してきました。 一方、徳島市の産業構造をみると、この 20 年間で第一次およびニ次産業の就業 者数が減少する一方、第三次産業の就業者数が増加しており、産業のサービス化が 進んでいます。 周辺の道路網は、大鳴門橋が昭和60年に、明石海峡大橋が平成10年に開通し、 徳島自動車道が平成12年に全通しており、徳島市は近畿圏や四国圏内との交流が 拡大しています。 毎年8月に開催される阿波踊りは、全国から多くの観光客が訪れ、日本の代表的 な夏祭りの一つに数えられています。 このような状況から徳島市は、今後も中核的都市として、また「四国の東玄関都 市」として発展が期待されています。 4 第2章 徳島市水道事業の概要 2.1 沿革 徳島市の水道事業は、大正10年(1921 年)1月に水道布設認可を受け、大正 15年(1926 年)9月1日に市内給水を開始し、今年で給水 83 年目を迎えます。 この間、近隣町村との合併による市域の拡張、人口の著しい増加、生活様式の変 化や経済・産業の発展により、水需要が大きく増加したため、水道事業は4次におよ ぶ拡張事業を行ってきました。 第1期拡張事業(昭和24年5月〜29年3月)では、第2水源および第3水源 (いずれも地下水)等を、第2期拡張事業(昭和35年4月〜41年3月)では、 第十水源地等を整備し、徳島城跡に城山配水池を、それぞれ整備しました。 第3期拡張事業(昭和44年4月〜54年3月)では、住宅等の建設により使用 水量が飛躍的に増加したことから、計画1日最大給水量をそれまでの 63,000 m 3 / 日から 153,000m 3 /日へと 2.4 倍に拡張しました。この需要増に対応するため、 多くの施設(西覚円取水場、第十浄水場、西の丸配水場、法花谷配水場)や管路(送 水管や市内幹線)を整備しており、これらは現在の主要施設となっています。 第4期拡張事業(平成2年4月〜)では、市民皆水道を掲げて、簡易水道事業の 統合、給水区域の拡張を行い、計画1日最大給水量を 193,900m 3 /日(石井町へ の分水量 15,000m 3 /日を含む。)として施設整備を行っています。 このような取り組みにより、渇水時等においても、大規模な断水や給水制限をす ることなく、市民のみなさまに、安定した給水を続けております。 平成19年度末の給水人口は 242,258 人、1日最大給水量は 111,798m 3 /日 (石井町への分水を除く。)、給水普及率は 91.9%となっています。 拡張事業の計画諸元 250,000 350,000 計画1日 最大給水量 300,000 297,000 300,000 計画 給水人口 200,000 193,900 250,000 210,000 153,000 150,000 200,000 112,000 100,000 80,000 150,000 63,000 計画給水人口(人) 3 ) (m 3 /日 計画1日最大給水量(m /日) 2 水道事業の概要 100,000 50,000 50,000 25,200 8,800 0 0 創 設 第1期拡張 第2期拡張 事業名 5 第3期拡張 第4期拡張 ※ (石井町分15,000m 3 /日含む) 第2章 水道事業の概要 2.2 水源・水道施設の概要 現在、水源は7施設、浄水場は1施設(第十浄水場)、配水池は 14 施設、配水場 は 13 施設を有しており、配水管は全長 1,061km となっています。 なお佐古配水場にある旧ポンプ棟は、昭和60年5月に「近代水道百選」に選定 され、平成9年に県内で初めて、国の登録有形文化財に登録されました。 第十浄水場 西覚円取水場 佐古配水場 眉山配水池 西の丸配水場 徳島市役所 国府配水池 一宮配水場 法花谷配水場 多家良配水場 徳島市の主な水道施設位置図 第十浄水場 佐古配水場(登録有形文化財) 6 第2章 水道事業の概要 水源と浄水方法(第4期拡張事業計画) 第十浄水場 浄水能力 (m3/日) 水源種別 浄水場名 第4水源 伏流水 40,000 第5水源 地下水 7,250 第6水源 表流水 145,000 第7水源 地下水 7,250 計 浄水方法 除鉄・除マンガン+塩素消毒 塩素消毒 凝集沈澱+急速ろ過+塩素消毒 塩素消毒 199,500 注)これら以外に、予備水源として第1〜3水源(地下水)があります。 2.3 組織の概要 徳島市水道局の組織体制は現在、7課で構成され、職員数は全体で 167 人とな っています。内訳は事務職員 65 人、技術職員 102 人です。 (平成20年4月 1 日現在、管理者、再任用職員は除く。) 水道局の組織体制 総務課 経営企画課 水道局 総務係、職員係、契約係、管財係 広報企画係、財務係 営業課 料金係、電子計算係、収納係、窓口サービス係、計量係、調査係 工務課 管理係、計画係、設計係、耐震対策係、工事相談係、給水装置係 維持課 管理係、工事設計係、工事係、漏水防止係、巡回指導係、量水器係 浄水課 管理係、浄水設計係、浄水計画係、浄水施設係 水質検査室 拡張事務所 第十浄水場 浄水係 建設課 7 第2章 3 水道事業の概要 水需要の動向 3.1 人口 行政区域内人口は平成19年度で 260,642 人となっており、平成12年度以降 減少傾向にあり、給水区域内人口もほぼ同様の状況にあります。 人口の動態を見ると、社会動態は平成11年度以降、転出者数が転入者数を上回 る状況にあり、自然動態は平成17年度以降、死亡数が出生数を上回る状況にあり ます。これらから徳島市においても人口減少時代が到来しているといえます。 一方、給水人口は給水普及に努めた結果、平成19年度は 238,791 人と、過去 9 年間で 9,282 人増加していますが、最近はほぼ横ばい状態にあります。 今後は少子高齢化や大都市圏への人口流出の影響等により、行政区域内人口の減 少は続くと考えられます。しかし、国府地区を中心に、まだ多くの井戸利用者がお られ、これらの方の上水道への加入が進むと考えられるため、給水人口は行政区域 内人口のように減少しないものと推定されます。 人口の推移(住民基本台帳人口) 300,000 行政区域内・給水区域内・給水人口(人) 行政区域内人口 給水区域内人口 給水人口 280,000 260,000 240,000 220,000 200,000 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 年度 自然動態 社会動態 3,000 14,000 出生数 死亡数 転入者数 転入者数及び転出者数(人) 出生数及び死亡数(人) 転出者数 12,000 2,500 2,000 1,500 1,000 500 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 0 H10 H11 H12 H13 H14 年度 H15 H16 H17 H18 H10 H19 各年の集計は、1〜12月とする。 8 H11 H12 H13 H14 年度 H15 H16 H17 H18 H19 各年の集計は、1〜12月とする。 第2章 水道事業の概要 3.2 給水量 給水量は多少増減はあるものの、基本的に減少傾向にあり、平成19年度の1日 最大給水量は 111,798 m 3 /日で、1日平均給水量は 98,567m 3 /日となっていま す。(石井町への分水を除く。) 過去9年間で給水人口が増加傾向にあるにもかかわらず、給水量が減少している 要因としては、長引く構造不況の中での地域経済の低迷に加え、節水型水使用機器 の普及(洗濯機、食器洗い機、水洗トイレ等)や市民のみなさまの節水意識の向上 等が挙げられます。今後も給水量の減少は続くものと考えられます。 給水量の推移 (m 3 /日3/日) ) 一日平均給水量・一日最大給水量(m 150,000 一日最大給水量 一日平均給水量 120,000 90,000 60,000 30,000 0 H10 H11 H12 H13 H14 H15 年度 9 H16 H17 H18 H19 ※石井町への分水を除く。
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