2012/3/4 12月14日(水)モーニングカンファ 頭部MRIの見方 沖縄協同病院脳卒中内科 兼子宜之 外来・救急で行う頭の検査 頭部CT • 速い • 被爆する • (撮影は)水平断のみ • 出血はよく分かる • 梗塞は時間が経たないと分からない 1 2012/3/4 頭部MRI • 時間がかかる • 被爆しない • 体内金属やペースメーカーがあると撮れない • 任意の方向から撮影できる • 条件次第で映るものが変わる T1, T2, DWI, FLAIR, SWI, MRA, BPAS etc. 頭部MRI画像の種類 • T1強調 脂肪を高信号、水を低信号に描出 解剖学的構造の描出 造影もある • T2強調 水を高信号、脂肪を低信号に描出 病変の描出 2 2012/3/4 • 拡散強調(Diffusion weighted image:DWI) 水分子の拡散運動を画像化 急性期病変(主として脳梗塞)の描出 • FLAIR(Fluid Attenuated Inversion Recovery) 水を抑制したT2強調画像 脳室周囲や白質の病変、陳旧性病変の描出 閉塞血管の描出(intra arterial sign) 3 2012/3/4 • 磁化率強調(Susceptibility weighted image:SWI)/T2 star強調(T2 star weighted image:T2 STIR/T2*WI) ヘム鉄を検出 出血や静脈血、血管内の血栓(Susceptibility vessel sign)を描出 • MRA(MR angiography) 造影剤を使わずに血管撮影が出来る 血流の信号を検出して映像化しているため、 信号が弱いと流れていても映らない(実際以 上に狭窄があるようにみえる) 元画像にも注意 4 2012/3/4 • Basiparallel Anatomic Scanning(BPAS) 椎骨脳底動脈を解剖学的に描出する 閉塞していても解剖学的に血管が存在すれ ば描出されれる(椎骨動脈が閉塞しているの か、低形成なのか?動脈解離の診断にも) どんなときに何を撮るか1 急性期脳血管障害を疑ったら・・・ 神経所見からありうる病巣を疑っておく • まず頭部CTで出血ではないのを確認する • MRIは、DWI, FLAIR, SWI, MRAが基本 • 脳幹の障害を疑ったら、DWIの冠状断とBPAS を加えると確実性が増す 5 2012/3/4 どんなときに何を撮るか2 慢性期の脳血管障害 • 先ずは頭部CTでもよいが、慢性期には出血と 梗塞の区別が付きにくい • MRIでDWIは必須ではない。FLAIR,SWI,MRA。 T1, T2も加えるとよりよい。 どんなときに何を撮るか3 脳血管障害以外(意識障害、てんかん等)も疑う • 先ずは頭部CT。脳挫傷、脳膿瘍、多くの脳腫 瘍などはわかる • MRIでは、T1, T2,DWI, FLAIR, SWI, MRAも。必 要ならば造影MRI 6 2012/3/4 何に注意して見るか DWIとFLAIR • 病巣は単独か多発しているか • 病巣は血管支配領域に一致しているか • 病巣は腫脹しているか、萎縮しているか • 両者を比較する SWI • 静脈の拡張や血管支配に一致しない出血は 静脈洞血栓症を疑う • 脳血管障害を疑う場合とそうでない場合では 対応が全く変わります • 何を想定してMRIを撮るのかを考えてオー ダーしましょう • FLAIRは情報が沢山あって便利ですが、あり すぎて何だか分からないときも多いです • 偶然動脈瘤が見つかることもありますので注 意してください 7
© Copyright 2024 Paperzz