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Molly‘s Journal
vol.2
スーパーサイズ
今週は私が気付いたアメリカと日本の大きな違いについて書きたいと思います。日本に来てからわずか6週間で、
二国間の沢山ある違いの中のいくつかにまだ気付き始めたばかりというところですが。一番はっきりと感じた違い
は、日本は本当に自然災害が多いようだということです!先週、谷口先生から「自然災害の国へようこそ!」とい
われましたが、まんざら冗談でもなかったのですね。クリーブランドやワシントン DC に住んでいた時、地震や台
風を心配する必要はありませんでしたので、先日来の地震や台風は全くの初体験です。今日のテーマは、より重要
な相違点、人々の食べ方の違いと「太ったアメリカ人」という固定観念についてです。
アメリカにいる多くの人々が太りすぎだというのは事実です。しかし私はアメリカしか見ていないときには、そ
のことに気付いていませんでした。日本への旅行から帰って来た時と、フランス留学から帰って来た時に、アメリ
カには太りすぎの人がたくさんいる、ということに気付いたのです。多くの人が肥満であるにもかかわらず、アメ
リカでは、肥満の人は、あまりいい待遇を受けず、そのサイズのために差別されることもあります。日本で標準よ
りも太っていると見なされている人でさえ、アメリカでは太っているとは思われないでしょう。
今年、アメリカで“Super Size Me.”(僕をスーパーサイズにして)という面白い映画が公開されました。これは
1ヶ月間、毎食マクドナルドばかり食べる男の人のドキュメンタリー映画です。その映画は、いかに早く彼が太り、
病気になったかを見せていますが、またアメリカの肥満に関するより大きな問題をも考察しています。私はこの映
画をとても面白いと思います。それはどうやってファーストフードの会社が子ども達にアピールし、小さいうちに
子ども達を忠実な顧客にしていくかを見せているからです。こうして子ども達が成長する頃には、彼らはファース
トフードを食べることに慣れ、日常的に食べ続けるようになります。たいていの人は、ファーストフードを頻繁に
食べることが不健康だということに気付くべきなのですが、時には気付かないのです。世界中の誰もがそうである
ように、アメリカ人も、何を食べるかという選択が、健康にいかに重大な影響を及ぼすかについて、真剣に考える
ことが大切です。
私の家では、キャンディーやお菓子は特別な場合に食べるものであって、毎日食べるようなものではありません
でした。両親は、健康でいるためには果物や野菜、体にいい食品をとることが大切だと強調していました。また私
は子どもの頃からずっとスポーツをしていましたので、健康でいるためには何をするべきかはわかっていたと思い
ます。そうしていても日本にきてから私は痩せてしまいました。いつもと同じ量の食事を取っているのにです。た
だ食べているのは日本料理で、ご飯をたくさん食べているのですが…。このことからわかるのは、アメリカ人に肥
満が多いのは、食べる量だけではなく、何を食べるのか、ということも原因だということです。
かつて女性は外で働かずに家に居て、家族のために食事を作っていました。女性解放運動の後、多くの女性が家
の外での仕事を持つようになりました。今は男性も女性も働いているので、多くの家族が家で料理をする時間をと
りたがらず、しばしば外食をします。また添加物が多量に入り、栄養価の低い、インスタント食品ですませてしま
うこともよくあります。こうした食事では、たくさん食べても満足感を得ることはできないだろうと思います。も
しもっとアメリカ人が家で新鮮な食品を調理する時間をもったら、肥満の問題は減少するだろうと思います。また
不健康な食品の方が安いという問題もあります。経済的に苦しい家庭にとっては、食料品店に行って健康的なもの
を家で調理するのに買うよりも、マクドナルドへ行く方が安上がりになることがあるのです。このことから、アメ
リカの肥満問題は富裕層だけに限ったものではありません。アメリカ人はお金持ちであればあるほど健康になりま
す。健康的な食事をする余裕があるし、ジムに行ってエクササイズする時間もあるからです。お金のない人々は、
働くのに精一杯で、安いけれども不健康な食事へ手を伸ばさざるを得ないのです。
今アメリカでは、肥満問題と、いかに社会を変えてより健康になるか、が大きな議論となっています。多くの
人々がダイエットをして、減量のための最新の方法を試しています。食べられなくするために胃を手術する人もい
ます。実際胃を小さくした人は、胃のサイズ的には少量の食事しかできなくなくなります。しかし、こうした手術
を受けるような人は、それまでお腹がすいたから食べていたのではなく、食べたいから食べていたケースが多いと
思いますので、たとえ胃が小さくなっても、たくさん食べたくなるでしょう。もし本当に減量したいと思うなら、
胃を手術するのではなく、健康的に食べ、エクササイズを始める意志を持つのが大切だと思います。肥満はアメリ
カ人にとって難しい問題です。そして世界の他の地域でも大きな問題になってきています。早く痩せられる簡単な
方法を求めている人も多いのですが、そういう考え方では減量がうまくいかないと、以前の不健康な食生活へと戻
るだけです。肥満問題の解決のためには、考え方を変えるべきで、早く痩せる方法に安易に飛びつくよりも、健康
的なライフスタイルを身に付ける努力をするのがまず大切であると思います。
これはとても複雑な問題です。この問題を解決するための簡単な方法があるとは思いません、より健康になるた
めには、人々の習慣を変えるようにしなければなりませんし、それは難しいことだからです。私には日本で肥満は
大きな問題ではないように思います。多分、日本の方は健康的な生活への意識が高いからではないでしょうか。皆
さんは、私の考えについてどう思われますか?日本に来てから数週間しか経っていませんので、おそらく私が気付
いていない問題もたくさんあることと思います。皆さんの意見を聞かせていただければ嬉しいです。