電子運動量密度分布測定のための 高エネルギー非弾性散乱ビームライン

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1
4
放射光第 11 巻第 2 号
SRI'97
(1998年)
特集
電子運動量密度分布測定のための
高エネルギー非弾性散乱ビームライン
楼井吉晴
理化学研究所*
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はじめに
ープや安全管理室のスタッフおよび多くのユーザーの方々
SRI'97 の開催から早くも半年近くが過ぎてしまった。
この半年間には,多くの方々がご存知のように SPring・8
の並々ならぬ努力がこの半年に凝集したからである。
コンブトン散乱実験では,高強度,高エネルギー X 線
の供用が開始された。約 3 ヶ月間の試行運転期間に各ゼ
を必要とし,また磁気コンブトン散乱実験ではさらに円偏
ームラインにおいて予想以上の成果が出されたことは,
光した X 線を必要とする。放射光はこれらの要求を満た
1998 年 1 月に姫路工業大学,理学部で開催された放射光
す光源として 1980 年代から注目され,その後の蓄積リン
学会のプログラムから読み取ることができる。 SPring-8
グの高エネルギー化とともに測定対象試料の幅を徐々に広
供用開始時に,ユーザー実験をスタートさせたのは 10本
げるかたちで発展してきた。放射光専用施設として世界最
のビームラインであり,本解説で取り上げる“高エネルギ
高レベルである 8GeV 蓄積リングの SPring-8 は,高エネ
ー非弾性散乱ビームライン (BL08W)" もそのうちの一
ルギ -x 線を必要とするコンブトン散乱にとって最適な
つである。 BL08W は,蛋白質結晶構造解析ビームライン
放射光施設の一つである。逆に言うと,コンブトン散乱は
(BL41XU)
SPring-8 の特徴を生かした実験手法とも言える。
とともに,パイロットビームラインとして一
番早く建設に向けてスタートしたビームラインであった。
BL08W はコンブトン散乱による物質の電子構造および
その後,後発のビームラインにどんどん追い越されはした
磁気構造を研究するためのビームラインである。 2 つの実
が,何とか制限時間内にゴールができた。これは,挿入光
300keV 門備光 X 線を利用した
磁気コンプトン散乱用のステーション A と 100-150 keV
源,フロントエンド,輸送部,制御などの各建設担当グル
*理化学研究所
千 678-1201
験ステーションがあり,
兵庫県赤穂郡上郡町金出地 SPring-8
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(C) 1998 The Japanese Society for Synchrotron Radiation Research
放射光第 11 巻第 2 号
1
1
5
(1998年)
れている。本解説では,続く 2 章ではのコンブト γ散乱
ω
しれ
X 線を用いた高分解能実験用のステーション B が用意さ
k2 , ω2
Photon
法の概略について述べ, 3 章では最近の高分解能コンブト
q
関の研究に有用であること紹介したい。 4 章では,
る。本解説では割愛したが, Ge 半導体検出器による高統
BL08W の主要実験テーマである。磁気コンブトン散乱は
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BL08W の概要,研究のターゲット,現状について述べ
計精度磁気コンブトン散乱実験は高分解能実験とともに
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ン散乱実験の結果を紹介し,向手法がフェルミ面や電子相
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磁性電子の運動量分和をとおして物資の磁気構造を研究す
るユニークな手法として注告されている。磁気コンブトン
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散乱の概要と最近の研究例については, SAKAI による詳
P
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しい解説がある 1) 。
2
.
コンブトン散乱の概要
P
z
Fig.l に示したように,コンブトン散乱はエネルギー
hω1 ,波数ベクトル k1 の入射光子が物質中の電子系によ
ってエネルギー hω2 ,波数ベクト jレ k2 の光子に散乱され,
P
F:
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電子系にエネルギー hω =ñ(ω1-ω2) と運動量 ñq=ñ(k 1
-k 2 ) を与える散乱現象である。コンブトン散乱断面積は
非相対論の範囲で,
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>
1
態であり,
J(pz) 口 Hn(川y, P神x伶
1/> はエネルギー Ef を持つ終状態である。エ
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大きい場合には,インパルス近似2) が成り立ち,
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準粒子波動関数であり, Nb (孟)は準粒子の占有関数であ
る。また,コンブトンプロファイルは
(
2
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に J(pz) めz=N,
(
4
)
となる。 n(p) は電子運動量密度であり, n(p) の二重積分
がコンブトンプロファイル J(pz) である。コンブトン散乱
という規格化ができ,理論と定量的な比較が可能になる。
実験では J(pz) が観測量になる。 pz は散乱ベクトル q 方
ここで N は 1 原子当たりの電子数である。
向にとる。自由電子気体の場合, n(p) は Fig.2 に示すよ
以上がコンブトン散乱を用いた物質の電子構造研究の基
うにフェルミ運動量討を半径とする球内に電子が完全に
礎である。(1) -(4) 式が示すようにコンブトン散乱実験で
詰まった状態であり,
J(Pz)
は下に示したようにパラボラ
は,基底電子状態の運動量分布を直接測定できるため,ブ
ェ jレミ面の直接観測が原理的に可能になる。また,膨大な
形状になる。
数の電子が相互作用しながら運動している圏体の電子状態
金属の場合,一般に電子運動量密度以p) は
を理解する上で,まず占有関数を 1 か O の値を持つステ
ボ十五 II
gJk ,
b 仙xp (-ip.ω1
2
Nb(k)
ω
ップ関数とした独立粒子近似でスタートし,この近似に対
して電子相関効果をどのように取り込むかが重要なポイン
トとなる。コンブトン散乱の観測対象は準粒子であり,
で与えられ,
gJk , b(r) はバンド指標 b ,波数ベクトル k の
験により求めたコンブトンプロファイル J (pz) と独立粒子
-37-
1
1
6
放射光第 11 巻第 2 号
(1998年)
品と l 次元位量検出器の組み合わせで Loupias と Petiau
1
.
5
によって LURE-DCI で最初に行われた5) 。彼女らの実験
は 10keV 付近で行われてたが,その後入射 X 線の高エ
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ネルギー化が放射光の発展とともに進み, DESY の
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5
keV , KEK の AR-NE1 8 ) と ESRF9) では 60keV の X 線を
用いた実験が行われている。ただし, ESRF では角度分
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散型スベクトロメータを採用している。 60keV の場合,
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.
0
は,経験的に 3d 元素までの物質である。 BL08W では,
100-150keV の X 線を用いた高分解能コンブトン散乱を
、
、
0
.
5
計画しており,これによって測定対象は 4f 元素まで拡大
され,重い電子系 Ce 化合物や錦酸化物高温超伝導体など
、
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フェルミ面の直接観測や電子相関効果の測定が可能なの
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に応用が可能になると期待される。
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. 最近の高分解能コンブトン散乱研究例
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本章では,フェルミ面と電子相関研究例として,最近の
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Be と Li の研究成果を紹介し,また高分解能磁気コンブト
近似に基づく精密なバンド計算により求められる J(pz) と
を紹介する。
ン散乱実験による MAJORITY-, MINORITY
-SPIN バン
ド別の電子運動量分布測定例として Fe-5.8 at%Si の結果
の差は,同バンド計算に取り込まれていない電子相関効果
によると考えられる。 J (pz) は定量的比較が可能であり,
3
.
1 Be
これは電子相関効果のバンド理論への取り込みに関しても
F
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.4~こ Be の第 1 , 2 フリルアンゾーンとフェルミ面
定量的な評価が可能になる。自由電子気体の占有関数 N
を示す。 Be のフェ lレミ面は宝冠状のホール面 (coronet)
(pz) は Fig.3 上に示すフェルミ運動量 (pz=l) 以下では
と葉巻状の電子面 (cigar) からなることが知られている。
1,それ以上では O であるが,電子関相互作用を導入する
Be は単位胞当たり 4 僧の髄電子を持つ。これらは,原理
と破線で示すようにブェルミ運動量以下の N(pz) は l よ
的には完全に満たされた 2 つのバンドに収容されるわけ
り小さくなり,またブェルミ運動量よりょの N(pz) も O
であるが,現実は第 3 バンドが部分的に占有され葉巻状
でなくなり,高 pz 側にテールを引くようになる。自由電
電子部を形成し,第 2 バンドにはホールができ宝冠状の
子気体の場合に比べて,電子間相互作用を導入した系の J
ホール面を形成する o
(pz) は, pz=O 近傍で小さくなり,高 pz 側で大きくなる。
コンブトン散乱による物質の電子構造の研究は意外に古
最近, Itou らは 0.08 au の分解能で Be の [OOOlJ と
[1120J 方位について J(pz) を測定し,局所密度近年{
く, 1920年後半から 1930年代にかけて, DuMond らによ
(LDA) に基づく精密な KKR バンド計算より求めた理論
って測定が行われている。彼は Be の J(pz) を測定し,国
プ口ファイルと比較した 10) 0 F
i
g
.5 と Fig.6 にそれぞ
体中の電子は古典的な Maxwell-Bolzmann 統計分布では
れ,
なく, Fermi-Dirac 統計分布に従うことを実証している 3) 。
ファイルは半値幅 0.08 au のガウス関数でコンボリューシ
その後 , y 線源や回転対陰極型 X 線発生装罷と半導体検
ョンされている。
J(pz)
とその l 階微分プロファイルを示す。理論プ口
出器を用いた実験4) が行われ,コンプトンプロファイルの
最初に, Fig.6 の 1 階徴分プロファイ Jレを見てみる。
全体的な広がりから電子相関効果を取り込むことの重要性
このプロファイルには,フェルミ面やブリルアンゾーンな
が指摘されたが,ブェ lレミ菌の直接観測や電子相関による
どに起罰した微細構造(記号 A-F で示めしてある)がみ
フェルミ面のボケを捕らえるには分解能 ("'0.5 au)
られる。バンド計算より, A と C は電子酉,
と統
計精度の点で足りず,それには放射光を利用した高分解能
実験を待たなければならなかった。
B は電子酉
とホール面, D はホール面, E は電子面, F はブリルアン
ゾーンによる構造であることが判明している。実験結果は
高分解能コンブトン散乱実験では 10 12 photons/s 以上
の強度を持つ高エネルギー X 線を必要とする。また,金
E を除いてバンド計算とほぼ一致している。例えば,
Fig.4 で K 点にある葉巻型電子面に着目すると,微細構
属のフェルミ面や電子相関効果によるフェ lレミ面のボケを
造 C と E はこの葉巻型電子面のそれぞれく 1120) とく0001)
0
.
1au 以下の分解能を必要とする。放
軸方向のサイズを反映している。微細構造 C はその按暢
射光を利用した高分解能実験は,エネルギー分散型分光結
を別にして位置に関してバンド計算と実験は一致はよい
直接観測するには,
-38-
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1
1
7
(1998年)
が, E は振踊,位霞とも一致は悪い。これは,この電子酉
く 0001>
のく0001>方向へのサイズがバンド計算と実験では異なっ
ているためと考えられる。このように,高分解能コンブト
ンブ口ファイル J(pz) は Be の電子商とホール酉をとらえ
ており,高分解能コンブトン散乱がフェルミ面の直接観測
に有用であることを示している。
Fig.5 の J(pz) において,実験結果はバンド計算と比べ
て低 pz 領域で低く,高 pz 側で逆に高くなっていることが
T
観測されている。これは , y 線と半導体検出器を用いた実
験11) や Loupias と Petiau の高分解能実験5) で既に指摘さ
れていたことであるが,バンド理論計算では占有関数 N b
く 1120>
(k) はフェルミ面内では 1 ,以外では O を仮定しているた
めであり,実際の系では占有関数は電子相関によって O
と 1 の中間の値をとっていると考えられる。また,同様
<1010>
に電子相関効果は,一階徴分プロファイルにも現われ,
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放射光第 11 巻第 2 号
はバンド計算に比べて実験結果はかなり丸くなっている。
(1998年)
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1
1
1
]
これは,高分解能実験で始めて確認されたことである。基
底電子状態の運動量分布を定量的に再現するには,電子相
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.
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関効果を適切にバンド計算に取り込む必要がある。
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一一ー LDA“ FLAPW
(N吋AU)
3
.
2L
i
Be を例にとって,電子相関効果をバンド計算に取り込
むことの重要性を指摘した。ここでは Li を例にとり,
一一一 GWん FLAPW
0
.
5
GW 近似による電子多体効果の取り込みで電子運動量分
布を十分うまく記述できることを紹介する。コンブトンプ
ロファイル J (pz) を得るには,次の方程式を解いて得られ
0
.
0
0
.
0
る準粒子状態九, b(r) を求めなくてはならない。
0
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Vext+V仇
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r
ここで,
(伶3)
Vext , VH
は電子一原子核問相互作用,ハートレー
ポテンシャルで,
2:: (r , r' , E
k
.b) は自己エネルギー演算子
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J
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GW-approximationc
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.
(
6
)
Jmag(pz) 口 J同 (pz) … Jmin (pz) ,
である。 Li に関して,最近 Kubo は自己エネルギーに関
するダイソン方程式を摂動展開し,第 l 項をとりだして
である。 Jmaj (pz) と J江山 (pz) は MAJORITY-SPIN バンド
電子相関効果を取り込むという GW 近似で自己エネルギ
と開INORITY…SPIN バンドのコンブトンプロファイル
ーと占有関数を求め,コンブトンプロファイル J(pz) を計
である。すなわち,実験によつて得られる磁気コンプトン
算した。 Fig.7 に, GW 近似 FLAPW バンド計算と局所
プ口フアイ lルレ Jr訂ma
密度近似 (LDA) FLAPW バンド計算による J (pz) を示
から,
す 12) 。また,同図には Sakurai ら 13) と Schuelke ら 14) によ
コンブトンプロファイルが得られることを示している。
る実験結果を示してある。局所密度近似バンド計算と実験
結果の間には, Be の場合と同様に低 pz 領域では実験結果
at%Si
の全コンブトンプロファイルと MAJORITY-, M
INORIュ
が低く,高 pz 傑で逆に高くなっているが,電子相関を取
TY-SPIN バンドコンブトンプロファイルを示す 15) 。測定
り入れた GW 近似バンド計算は実験結果とかなり良い一
試料は 5.8 at% の Si を含んでいるので,直接の比較はでき
MAJORITY-SPIN , MINORITY-SPIN バンド別の
Fig.8 に 0.13 au の分解能で測定された Fe-5.8
致を示す。これは,バンド理論における電子相関効果の取
ないが,純鉄の FLAPW バンド計算の結果も一緒に示し
り込む方法として GW 近似は有望な方法であることを示
てある。これは,従来の Ge 半導体検出器を用いた実験
している。電子相関効果について電子運動量分布の観点か
(分解能 0.5-1. 0 au)
ら検討を加えることは有用であり,そのための実験手法と
細な構造が見えて来ており,磁性金属,合金の MAJORI­
と比べて統計精度は劣るものの,微
して高分解能コンブトン散乱法は有益であることを示して
TY-, MINORITY-SPIN ノ t ンド別のフェ Jレミ面,電子多
いる。
体効果の研究に道を拓くものと期待される。
3
.
3 F
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5
.8at%Si の高分解能磁気コンブトン散乱
4
.
入射 X 線が円偏光している場合,式 (2) のコンブトン散
(1)
BL08W の概要と現状
研究ターゲット
Fig.9 には,最近行われたの高分解能コンブトン散乱
乱断面積は
実験と SPring-8 で可能になる実験を,横軸を入射 X 線の
哉氏(乏)chzge(2)J(川凱in
エネルギー,縦軸を測定試料の平均原子番号でプロットし
たものである。 BL08W では,
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0
0
1
5
0keV
の X 線を使
用し,フェルミ面研究と電子相関の研究対象を銅酸化物高
X (::) J
m
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g
(
p
z
)
温超伝導体,重い電子系 Ce 化合物た 4d , 4f 金属及び合金
に拡張される。 3d, 4f 磁性金属や合金の高分解能磁気コン
となり,
ブトン散乱実験についても,磁気効果の増加やバックグラ
ウンドの少ない測定が期待でき,新たな研究対象になる。
J(
p
z
)=J附 (pz) 十 Jmin (pz) ,
(
5
)
本解説では触れなかったが,磁気コンブトン散乱実験は
-40-
放射光第 11 巻第 2 号
1
1
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(1998年)
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eSPring欄 8.
100
BL08W の大きな柱である。 Fig.10 には Ge 半導体検出器
を用いた高統計精度,中程度分解能 (0.5-0.8 au) の磁気
弘山
ω
ぷコ
コンブトン散乱実験について同様にプロットしたものであ
E
2
0
なり,また後方散乱の場合コンブトン散乱 X 線は 140
~ 50
keV 近傍にあるので,いかなる蛍光 X 線にも邪魔されず
・ゐ幽,
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ω
0)
に効率のよい測定が可能になる。
(2)
Gd
コ
る。 60keV に比べて, 300keV の場合磁気効果は 5 倍に
r
,_o
挿入光源とフロントエンド
ω
塁審 Fe 塁審
>
<
挿入光源は,周期長 12 crn ,全長4.5 rn の楕円偏光ウイ
グラー 16) で,最小ギャップ (20 rnrn 時)に臨界エネルギ
-42.6keV ,全放射パワー 18.7kW になる。 SPECTRA
0
10
で計算した全フラックスを Fig.10 に示す。また,フロン
トエンド部には,グラファイトと Al フィルターを置き,
放射光の低エネルギー部分を吸収し,モノク口メータの熱
負荷を低減している。 Fig. 11 にはグラファイト 15
mrn ,
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さらに A115 rnrn 後方でのブラックススペクトルを示して
あるが,このフィルタ一系で 100 keV 以上の X 線の強度
1e+16
を低下させずに,モノクロメータの熱負荷を制御できる程
1e+15
度に低減している
(3)
31e+14
光学系 17, 18) と実験ステーション
ポ
51e什 3
Fig.12 には実験ホール側のビームラインの図を示す。
ω
2 つの実験ステーションがあり,ステーション A は 300
g
_1e+11
ン散乱実験用で,ステーション B は 100-150 keVX 線を
仏
当 1e什 O
用いた 0.1 au 以下の分解能の高分解能実験用である。それ
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ぞれのステーション用のモノク口メータは光学ハッチ
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cJohann 型モノクロメータ (Si771 反射,非対称角 1 )
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イln
1e+8
して試料位置で縦 3rnrnX 横 0.5 rnrn に集光する asymrnet­
OB
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(
O
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sHutch) に設置されている。ステーション A 用と
を,ステーション B 用として doubly bent 型モノクロメ
ゃ AI , 15mm
1e+12
0
keV 円偏光 X 線を用い, 0
.
5au の分解能の磁気コンブト
ータ (Si400反射)を設置されている。
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実験ステーション A には,
10 素子 Ge 半導体検出器,
器からなり,コンブトン研究グループで KEK,
AR-NE1
超伝導マグネットと試料用冷凍器からなるスペクトロメー
に建設したものをベースに改良を行ったものを設置する。
タが設置されている。超伝導マグネットの最大磁場は 3
平成 10年度後半に立ち上げ,調整を行う予定である。
T で, 5 秒で磁場反転可能である。また,蒸発した He を
再液化する装置を備えており,
1 ヶ月以上のメンテナンス
フリー運転を試行実験期間で実証している。
4
.
まとめ
最近の研究は,高分解能コンブトン散乱はブェルミ面と
本解説の主題である高分解能コンブトン散乱実験は実験
電子相関効果の研究においてきわめて有効な実験手法であ
ステーション B で行われる。 Fig.13 に示すように,高分
ることを示している。 SPring-8 では,
解能スベクトロメータは Cauchois 型分光結品と位霞検出
線を用いることで, 4f 元素までが測定可能な範囲になる
-42-
1
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5
0keV
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放射光第 11 巻第 2 号
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2
1
(1998年)
と期待される。4f元素までがターゲットになるとすると,
重い電子系 Ce 化合物,銅酸化物高温超伝導体のフェルミ
面及び電子相関研究の実験手法として,高分解能コンブト
ン散乱の応用が可能になり,新たな知見をもたらすと期待
される。
5
.
謝辞
ここで紹介した高分解能コンブトン散乱実験は, Li の
Schuelke らのデータを除いて,全て KEK, AR-NEl で行
われた。これらの研究において,多くの議論をして頂いた
塩谷亘弘教授(東水大) ,坂井信彦教授(姫工大) ,久保康
則教授(日大), Bansil 教授 (Northeastern 大)の各氏に
感謝いたします。また, BL08W ビームラインの建設にお
いて,モノクロメータのデザインに関して助言と協力を頂
いた河田洋助教授(物講研) ,モノクロメータの立ち上げ
を担当してくれた山間人志研究員(理研) ,ビームライン
建設を現場で指揮した水牧仁一郎研究員(JASRI) に感
謝します。また,ユーザーの立ち場で,建設に深く関わっ
て頂いた小泉昭久助手(姫工大)および坂井研の皆様に深
く感謝いたします。そして, SPring-8 建設に参加された
多くの方々に感謝の意を表します。
参考文献
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フェ}(..ミ面
結晶中ゎ 1 電子エネノレギーは,波数ベクトノレ匙の関数と
準粒子
準粒子の定義にはいくつかあるが,ここではランダウのフ
して En(k) と表せる。ここで n はバンド指標である。金属
ェノレミ液体論の定義による。相互作用している電子系では,
の場合,ブ z ノレミ準位 εF はあるエネノレギーバンドの中にあ
ある 1 舗の電子は常に他の電子の影響を受け,かつ屑顕の
り,ブェルミ面は EnC註F)=eF を満たす波数空間の等エネノレ
(乱れ)を与えながら運動する。この電子と周囲
ギー詣である。ブェノレミ菌は物質の電気,磁気,光学的性質
の乱れの運動の総体を 1 個の準粒子の運動とみなす。準粒
を決める重要な要素の一つであるため,フェノレミ面研究は
子の総数は考えている電子系の電子数に等ししまた粒子間
Fermiology として一つの研究分野を形成している。実験的
相互作用を O にすると準粒子は電子そのものに帰着する。
なブェノレミ面の測定手段として,
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eHaasvanAlpfen 効果ま
たは磁気抵抗効果による観測,光電子分光,陽電子治波法な
どが古くから知られているが,最近,放射光利用の進展とと
もにコンブトン散乱法によるフェノレミ面研究例も増えてきて
し、る。
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