水の都・大阪

水の都・大阪
1年生
南
亮輔
はじめに
私は、塩路ゼミのフィールドワークで大阪周遊パスを購入し「水の都・大阪」をテーマに水が
関係している大阪の町を巡りました。ゼミ内で2つのグループを作り、それぞれ違うところを周
りました。私のグループは、
「道頓堀」
、
「なにわの海の時空館」、
「海遊館付近」の3つを周り、そ
こにはどのようなものがあるか、また文化や歴史などを見学しました。ここでは、私のグループ
が周遊パスを使い訪れたところについて報告します。
1.
道頓堀
道頓堀では道頓堀川で町紹介している「トンボリリバークルーズ」に乗る予定でしたが、当日
はあいにくの雨で運行休止でした。大阪周遊パスを最大限に活かすために、近くでパスを使って
無料で何か体験できるところを探した結果、ひっかけ橋を少し外れたところにあるお笑いライブ
「ZAZA」を見に行くことにしました。
「ZAZA」は「HOUSE」と「POCKET’S」の2ホールがあ
り、観劇をしながら飲食が出来る空間です。
(写真:中座くいだおれビル)
収容人数約 100 名の「HOUSE」では、定期的に大衆演劇が公演され、収容人数約 70 名の
「POCKET’S」では、ほぼ毎日ワンコインでお笑いライブを見ることができます。 5 組の芸人の
タマゴたちが登場しました。若手お笑い芸人たちが自ら企画、演出、客寄せまでするお笑いステ
ージが、500 円で見られるということです。将来のスターを発掘できるかもしれません。まず私
が驚いたのは今からライブでネタをするお笑い芸人がひっかけ橋や人の多いところで、お客さん
を勧誘していたところです。まだ無名のお笑い芸人だったのでまったく気付かなくて、ライブを
見ているときに勧誘している人がネタをしていて初めてわかりました。自分のネタを見てもらい
たいから自らお客さんを勧誘してネタを見せるという必死さや行動に心を打たれるところがあり
ました。自分のネタを見せたいがために勧誘する、多くの人に笑ってほしい、そこが大阪の「お
笑い」という文化だと思いました。ライブというのは私自身のなかでお笑いライブとはいえ「飲
食禁止」が絶対だと思っていたのですが、「ZAZA」では飲食禁止ではなかった点は驚きました。
大阪人は何か食べてテレビを見たい気持ちが他県の人よりも強いのでお笑いライブなどでは可能
になったのでしょうか。
「ZAZA」の近くにはたこ焼きなど、テイクアウトできる店がたくさんありました。お笑いラ
イブがたくさんあることで大阪のお笑い文化が成り立ち、大阪人の「笑い」に対するハードルが
高いのだと思いました。
2.
なにわの海の時空館
「ZAZA」のつぎは「なにわの海の時空館」に行きました。そこでは入場するときのコインが
昔の銭の形に作られていいました。もちろん大阪周遊パスを使って入れるので無料です。中に入
ってから本館までは少し歩かないといけなかったのですが、移動する道が海の下、地下にあり途
中に海の底が見えるように天窓があり魚などが見られるようになっていました。しかし雨の影響
で水が濁り1匹も魚が見えませんでした。なにわの海の時空館は、海や港とともに発展してきた
大阪の歴史をはじめ、広く人と港とのかかわりなどについて、楽しく詳しく理解するために誕生
した海洋博物館です。
展示は実物大に復元された菱垣廻船(ひがきかいせん)“浪華丸”を中心に、4F「海がつなぐ
世界の文化」3F「大阪みなとの繁栄」2F「船」1F「海への誘い」を 4 つのフロアで展開してい
ます。また、館内には開放感溢れる空間が広がり、ゆったりとした時間の中で船の行きかう景色
を楽しめました。
1階から4階までを少し詳しく説明していきたいと思います。まず1階はキッズルームなどが
あり、2階には外国との貿易に使っていた船やどのようなものが貿易で送られていたのかなど
たくさん展示したりしていました。実際に貿易に使われていた船や実物大に再現した船まで展示
してありスケールがとても大きかったです。またほかにも、なにわの海の時空館の近くにある小
学校の生徒が書いた海をテーマにした絵が展示してありました。海の近くの小学校ならではのこ
とだと思います。貿易船がどのような仕組になっているか、どこに何を積んでいるかを再現した
大きな船があり中に入って体験できました。中は迷路みたいで、真っ暗でほとんど見えませんで
した。
ほかにも60キロの米俵の重さを体験できるコーナーもすぐ近くにありました。私も体験して
みましたが、想像以上に重くて肩で担ぐだけでかなりの体力を使いました。考えてみると昔の人
は米俵をもって暗くてほとんど見えない船の中に運んでいたとなるとかなり危ないと思います。
(写真:大阪市立海洋博物館-なにわの海の時空館)
なにか灯りがあったとしても狭いのでかなり困難だと思います。ほかにも渡海船という船もあり
ました。渡海船はさまざまな形や大きさがありますがその多くは小型船でした。小渡海船とも呼
ばれていました。尼崎、西宮、大阪付近の港と大阪との間を定期的に旅客や荷物を運送していま
した。3階には昔の大阪の街なみや現代と昔では街がどれだけ変わったかなどを模型で再現して
いました。今は埋め立て地になっているところが昔はどうなっていたかなど忠実にされていまし
た。ほかにもボタンを押すと音声で模型の紹介をするなど、いろいろな工夫がされていました。
昔の船や大阪の街のことについてまったく詳しくない私でも、わかりやすいぐらい機械が音声で
丁寧に説明してくれました。
また、驚いたのは、建物はフランス人建築家ポール・アンドルーにより設計され、平成 12 年
に竣工し、オープン 2 周年を迎えた時(平成 14 年)には、英国構造技術者協会から「Structural
Special Award 2002」を受賞したことです。これは卓越した建築物、構造物に対して贈られる賞
で、歴代の代表的は受賞建築物としてはオペラハウス(シドニー)やポンピドゥー・センター(パ
リ)があります。これは、
「なにわの海の時空館」が世界的に著名な建築物として評価された証拠
といえます。
3.
天保山・海遊館付近
つぎは天保山に行き「サンタマリア号」に乗る予定でしたが、サンタマリア号の最後の運行時
間が4時半だったので断念しました。少し早い時間でしたが「天保山大観覧車」に乗ることにし
ました。海沿いなので風が強くて心配しましたが、さすがに頑丈にできているらしく、安心して
乗れました。天保山大観覧車は世界最大級の高さ 112.5m を誇り 1997 年 7 月 12 日につくられま
した。大観覧車は晴れていれば、大阪のまちを一望できるのですが雨で視界が悪く、まったく遠
くまで見えませんでした。晴れた日であれば、東は生駒山系、西は明石海峡大橋、南は関西国際
空港、北は六甲山系まで、ぐるっと一望できます。夜は、60 台のキャビンと回転軸がイルミネー
ションに輝いて、30 分毎に時報を知らせる打ち上げ花火のようなショーが楽しめるそうです。
(写真:大阪ベイエリア|HP【天保山大観覧車】より)
また、気温と明日の天気予報も、イルミネーションで知らせています。大阪港をカラフルに彩
る光は、いまでは大阪の夜の名物のひとつだといえます。大観覧車は一周15分かかりキャビン
の中では、日本語と英語で景色の説明が放送されます。カップルが乗客のほとんどをしめていま
した。大観覧車ももちろん大阪周遊パスで無料です。
観覧車に乗った後は2グループが集まり、近くにあるショッピングセンターの中にある「なに
わ横丁」というところで夕食を食べました。
「なにわ横丁」では大阪名物を食べることができる店
がたくさんありました。ふつうの店と比べて少し値段は高いけれど、ほんとうにおいしかったで
す。なにわ横丁のエリアの周りには、おもちゃ屋や忍者屋敷、期間によっては似顔絵を描いてく
れるところも。決して大きなショッピングセンターではないですが、いろんな店がたくさんあっ
てどんな人が訪れても飽きないようになっていると思いました。家族連れ、友達、カップル、親
戚と一緒に来ても大丈夫なようにかなり工夫してありました。
終わりに
初めて大阪周遊パスを買って大阪の街を散策しました。最初は地下鉄乗り放題だけだと思って
いましたが、それ以外にも無料で体験でき予想以上に楽しめました。でも1つ大切なことが分か
りました。それはしっかりと下調べをしておかないといけないということです。初めに行こうと
した「トンボリリバークルーズ」は時間はしっかり調べていたのですが、雨の日の運行状況など
を調べていませんでした。もし雨が降った時のことを考えていたら、トンボリリバークルーズ以
外に行く場所を考えていたと思います。そこで時間を無駄にしていなかったら「サンタマリア号」
にも乗れたかもしれないのです。なにわの海の時空間も駅から本館までバスが出ているのは調べ
ていましたが、大阪周遊パスを使って乗れるかどうかまでは調べていませんでした。
結局はすべて準備不足だったといえます。今回で準備の大切さがわり、時間の使い方がとても大
事であると思いました。今回、私たちが失敗した点を失敗のまま終わらせず、次のフィールドワ
ークに活かしていきたいと思います。