平成26年度成田市農業委員会先進地視察研修報告書(PDF)

平成26年度成田市農業委員会先進地視察研修報告書
1.視察日程
平成26年11月4日(火)~11月6日(木)
2.視察先及び視察内容
(1) 大分県農業協同組合野津地域事業部
『甘太くん』の産地育成とその取組みについて
・産地育成と販売戦略について
・選果・貯蔵施設等について
(2) 大分県豊後大野市
道の駅及び農産物直売所の管理運営等について
・道の駅の管理運営を行う指定管理者について
・農産物直売所の運営団体について
・農産物直売所での販売方法について
(3) おばしゃんの店「清流」
女性による農業の六次産業化の取組みについて
・「清流」の運営について
・農産物及び加工品の生産・販売について
3.参加者
会
長:根本喜久治
第1小委員長:川﨑
貞男
第2小委員長:髙木
勲
第3小委員長:若松
義幸
第1小委員会:根本
秀夫
第1小委員会:齊藤
均
第1小委員会:瀧澤きみ子
第1小委員会:朝倉けい子
第1小委員会:佐藤
芳明
第1小委員会:石原喜久勇
第3小委員会:岩澤
貞男
第3小委員会:大隅
英樹
第3小委員会:伊藤
勝
第3小委員会:荒居
和惠
随
行:矢﨑
光二
随
1
行:石橋恵美子
視察テーマ
『甘太くん』の産地育成とその取組みについて
視察日時
平成26年11月4日(火) 14:00~15:30
視
察
先
大分県農業協同組合野津地域事業部(2階会議室)
対
応
者
野津地域事業部
高橋事業副部長、原田営農課長
大分県中部振興局
渡辺氏
大分県農業協同組合野津地域事業部・高
橋事業副部長のあいさつ、本市根本農業委
員会長のあいさつ後、研修に入る。
・当JAの主品目は「甘太くん」と西
日本一の生産量である夏秋ピーマン、
その他にら、イチゴになる。
・臼杵市と豊後大野市で甘藷 88ha程系
統販売しているが、その他を含めても
100ha位の作付けである。
・収穫はトラクター等による鋤掘りで、ポテカルゴはほとんどない。
・「甘太くん」は、べにはるかを 40 日間貯蔵、畑毎に糖度検査し、25 度以上になっ
たものを 12 月 1 日から出荷する。(糖度が上がらない場合は待つ)
・検査方法は、40 日過ぎたものから畑毎に 3 本抽出し、蒸し芋にして糖度検査を行
う。
・市場への出荷のほか、3 年前から市場が間に入り、ローソン(九州のみ)で焼いも
を販売。(M・Lクラス)
・1 日の出荷量が決っているので、引き合いに対応できない。4月半ば位まで出荷期
間を延ばし対応している。
・徐々に栽培面積が増えており、共選・共販体制を維持するが厳しくなってきている
ため、将来的には個選が必要となってい
る。1 日の出荷量は 5kg箱で 2,000 ケー
ス。
(※参考:成田市多良貝支部 1 日 5,000
ケース)
・ロット数が少ないため関西までしか出
荷できない。系統出荷は「べにはるか」
のみ。土佐紅、ベニアズマを生産して
いる人はいますが扱っていない。
貯蔵庫内で熟成中の「甘太くん」
2
・甘藷の選果・貯蔵庫施設は、葉タバコ転
換緊急事業として 2 億円をかけ建設。
温度 13 度、湿度 85%で貯蔵。
主な質疑
〇苗はウィルスフリー苗か。
苗は、ウィルスフリー苗とウィルスフ
リー苗を翌年種イモにして苗をとる方法
(半々くらい)
。来年からはウィルスフリー苗 100%で実施する予定。
〇「べにはるか」を栽培することになった経緯は。
葉タバコの廃作が決り、その代替えとして作付するものを検討した結果、広い面
積をこなせる甘藷を導入するに至った。べにはるかを 3 年ほど試験栽培し、全農を
通じ消費者を対象にアンケートを実施したところ、若い人は粘質性を好み、年配の
人はホクホクした芋を好む傾向であったため、べにはるかを導入した。
〇ローソンで販売されたことにより、どのような効果があったか。
ローソンについては、
「甘太くん」の売上というよりは、宣伝効果が大きい。
(当
初は大分県の 10 店舗、今は九州全県で販売。)
〇共選・共販に対する手数料は何パーセントか。
個人貯蔵の場合、JAが貯蔵庫まで取りに行って、洗浄・選果・販売までの経費
は 50%程度(手数料、箱代、運賃等)。この地域は昔から共選・共販でやっている
が、今後は個選を進めていきたい。
〇冬場の対応はどうしているのか。
この地域の特産であるピーマンと組み合わせる作付体系が主流であるが、冬場の
作物として増えてきたのが白ネギである。
〇どのような後継者対策を実施しているのか、またその効果は。
徐々にではあるが、「甘太くん」とピーマンの作付けなどにより、若い人が就農
するようになってきた。ただ、地元ではなく県外・市外からの新規就農者が多い(150
万円の関係もあり)。ピーマン(雨除け)と甘藷で平均年収は 500 万~600 万円位。
担い手確保のため、来年 1 月から行政と協力してピーマン学校を開設し、ピーマン
の生産ができるように1年間指導し、就農支援をする予定である。
〇企業の進出はあるか。
企業 2 社が利用権設定により大きく土地を借りて、お茶・大麦若葉の生産を行な
っている。市が荒廃予防のため企業誘致を行なったので、現在はあまり条件の良い
農地は残っていない。
3
視察テーマ
道の駅及び農産物直売所の管理運営等について
視察日時
平成26年11月 5 日(水)
視
察
先
豊後大野市役所(4階会議室)
対
応
者
農業委員会
後藤会長、衛藤総括主幹兼農地係長
商工観光課
後藤地域経済振興係長
農業振興課
佐藤農業振興係長
9:30~11:00
豊後大野市・後藤農業委員会長のあい
さつ、本市根本農業委員会長のあいさつ
後、研修に入る。
1.豊後大野市農業委員会について
・2ha 以下の農地転用について、県から
権限移譲されている。
・独自に 3 つの委員会(農地委員会、農
政委員会、促進委員会)を設置してい
る。
・平成 17 年 3 月市町村合併により面積が広大となり細かい審議が出来なくなったた
め、旧町村毎に総会前に事前審査を行っている。
・農業委員は、選挙委員 30 名、選任委員 7 名、うち女性委員は 5 名となっている。
事務局職員は事務局長を含め 6 名体制である。
・報酬(月額)は、会長 32,833 円、副会長 27,000 円、委員 24,000 円。
主な質疑
〇協力員を委嘱していますが、どのような役割を担っているのか。
区域が非常に広いため、利用状況調査に協力をいただいている。
〇新規就農者数が多いがどのような理由か。
「インキュベーションファーム」事業により、毎年 3 組を研修生として受け入れ
ている。研修期間 2 年。ピーマン栽培を研修し、研修後、施設は 20a、露地は 50
aの農地を斡旋する。
〇新規参入者は市外の方が多いのか。
農業大学があるので卒業者もいます。
4
2
豊後大野市の農業について
・施設野菜では、ピーマンは西日本一の産地を誇っている。
・露地野菜は、さといも、廃たばこ対策として「甘太くん」が主である。
・認定農業者 400 名のうち、年間農業所得 400 万円以上かつ年間労働時間 2,000
時間以下を達成した農家は、227 名となっている。
・集落営農組織は 71 組織され、うち農業生産法人に 32 法人が認定されている。
・新規就農者を確保するため、平成 24 年 1 月から「インキュベーションファーム」
事業を開始、全国から応募がある。事業内容はピーマン経営をめざし、毎年 3 組
を研修生とし受け入れている。研修期間は 2 年。
3
道の駅の管理運営について
・2 年前に農業振興課から商工観光課へ所管替えとなった。
・2013 年 9 月、豊後大野市は日本ジオパークに認定された。
・道の駅は市内に 5 か所あり、食事や休憩、情報提供の場として、ジオサイトを回
る際の重要な拠点として位置づけられている。
・中九州横断道路(高規格道路)が出来たことにより、大分市と短時間で結ばれア
クセスが良くなった。
・平成 17 年の市町村合併(対等合併)により市内に道の駅が 5 つになったが、ほ
とんどが合併前の旧町村にそれぞれ道の駅があった。平成 5 年に大分県で初めて
「原尻の滝」が道の駅の認定を受け、最後に認定を受けたのが「おおの」(平成
19 年)で、新たな建設計画はない。
・大分県は、全国一の干し椎茸の生産地である。
・道の駅「あさじ」のトイレ・駐車場については、国土交通省で整備。(国と一体
で整備した道の駅は、県内に 3 か所あり)
・道の駅「「みえ」は大分県と整備
(トイレ・駐車場は県)、唯一の
第三セクター(3,000 万円のうち
市 2,400 万円出資、代表は市長、
JAも出資)による管理運営。
・農産物の販売手数料は 20%、加
工品は統一していない。
道の駅「原尻の滝」
5
◎道の駅の売上額
原尻の滝
2億4千万円
あさじ
きよかわ
3 億 1 千万円
み
お お の
1 億 2 千万円
1 億 6 千万円
え
9 千万円
あさじ
8 千万円
み
7 千万円
◎出荷者の売上額
原尻の滝
7 千万円
きよかわ
1 億 8 千万円
お お の
1 億 1 千万円
え
◎レジ客通過者
原尻の滝
17 万人(観光客が多い)
あさじ
11 万人(観光客と地元)
きよかわ
26 万人(観光客と地元)
み
16 万人(地元が多い)
お お の
11 万人(地元が多い)
え
今後の課題
・「みえ」の指定管理者である第三セクターの民営化(準備中)を県より指導され
ている。
・農産物等の出荷者が年々減少し、今後も減少が見込まれる。
(県の高齢化率 28.6%、
市 39.2%)
・指定管理料については、合併時の指定管理料から毎年 10%ずつ削減してきたが、
指定管理者からトイレ等の管理経費も必要なことから見直しを要望されている。
・道の駅も増え、生き残りをかけ道の駅研究会を設置。2 か月に 1 回会議を開催し、
道の駅の連携を強めていく。
主な質疑
〇JAとの関わりは、どうしているのか。
特にない。道の駅は少量多品目であり、JAとは住み分けができている。
〇指定管理料の見直しについて考えているのか。
2 つの道の駅の指定管理料が、なぜ 0 円なのかはわからないが、維持管理費を
含め見直しを検討している。指定管理期間は 5 年間。
〇売り上げ(決算状況)は。
九州豪雨等により売り上げが落ちている。震災以降、イベント等もできず入込
客が減っており、気候、災害等に左右されやすい。決算としてはトントン位です。
〇農産物は地元で生産されたものだけで、仕入れたりはしないのか。
農産物は地元産品が基本。
「きよかわ」は地元の生産者のみで、地産地消を基本
6
としている。県南は野菜が少ないということで、
「おおの」では海産物も扱ってい
る。
〇大手スーパーと競合しないのか。
特にバッティングはしていない。「おおの」は、Aコープと同じ駐車場を使っ
ている。Aコープの店内には直売コーナーが設置され、両方に出品可能である。
4
農産物直売所の管理運営について
千歳町は、豊後大野市の北部に位置し、地域の人口は 2,200 人余り。紡績会社や
食品容器メーカーが進出しているが、余り開発が進んでいない昔ながらの田園地帯。
東西を貫く国道 57 号線が基幹道路であったが、2008 年 3 月に中九州横断道路が
できたため、57 号線は交通量が減り沿線の商店が閉鎖となるなど大きな影響が出
た。
千歳町の基幹産業である農業は米麦中心であったが、近年はハトムギや茶葉の生
産が増加し特産品となっている。また、大手食品会社の関連企業の進出により大麦
若葉と桑の葉の作付けが進んでいる。
本市の農産物直売所は、民間による直売所が市内に 15 ヶ所、無人直売所等は数
が多く把握できていない。千歳特産物直売所は、委託方式で生産者が値札を付け、
店に並べて、売れたら手数料を払い、売れ残ったものは出荷者が自分で持ち帰る方
式。旧千歳村が建設し、現在は地元生産者団体が運営している。平成 23~25 年度
の決算は 10~60 万円程度の黒字となっている。

7
視察テーマ
女性による農業の6次産業化の取組みについて
視察日時
平成26年11月6日(木) 10:30~11:45
視
察
先
おばしゃんの店「清流」
対
応
者
八女市役所星野支所:井上支所長
清流:石橋代表
外4名(樋口氏、高津氏、日暮氏、石川氏)
井上支所長の挨拶、石橋代表の挨拶、出席者の紹介、本市根本農業委員会長挨拶後、
研修に入る。
1
星野村の概要
八女市は平成 22 年 2 月 1 日に 2 町 2 村が八女市に吸収合併。現在人口は 67,500
人、うち星野村分は 2,800 人。合併当時は 71,000 人であったので、5 年で星野村一
つ分位の人口が減少した。
星野村は昭和 63 年にふるさと創生 1 億円事業をきっかけに、星が付く自治体が星
野村のみであったため、星を活かした「星の文化館」を建設する。
星野村は日本一の高級玉露の産地で 5 年連続農林水産大臣賞を受賞していたが、2
年程受賞を逃した。今年は受賞に返り咲き、喜んでいる。「お茶の文化館」で情報発
信しており、ぜひお立ち寄り願いたい。
2 年前の 7 月 14 日甚大な豪雨被害があり、国の災害査定では八女市全体で 93 億円
程度の被害があったが、現在まで 40 パーセント程復旧した。
出迎えてくれた井上支所長と清流の皆さん
とても温かく元気な‘おばしゃん’です
8
「清流」が建設されている公園に
は、お茶の文化館、星の文化館、平
和の塔、キャンプ場、プール等の施
設があり、年間 15 万人程度利用さ
れている。また、公園内の麻生池
(2ha)は財務省の所管で、県指定
天然記念物オグラコウホネ(黄色い
花が咲く)が自生している。
「清流」は平成 5 年にオープンし、
昨年 20 周年を迎えた。平成 24 年
自然豊かな公園内にある小さなお店「清流」
には福岡県女性農業者起業フォーラムにて優秀賞を受賞している。
2
清流発足の経緯及び販売・運営について
・20 年前、観光客が増えてきてもお土産等を売る店がなかったので、村に建物を造
っていただいた。
・平成 5 年のオープン当初は土・日のみの営業。加工品はほとんどなかった。その
後各種の講座や指導を受けながら、徐々に加工品を増やしてきた。
・課題として後継者がいないこと。
・佃煮等は、オリジナル商品として、共同加工センターにおいて皆で作っている。
(ふ
きの佃煮、干し筍と椎茸の佃煮、混ぜご飯の具、椎茸の辛子漬、らっきょ漬、まる
ごと椎茸)
・個人の加工所を持って、弁当、里いも万十などを作っている人もいる。
・店番は 16 名が交代で行っている。心がけていることは、お客様との会話を大事に
すること。
・毎月 25 日に定例会を開催し、店番(月に 2・3 日)を決定する。
主な質疑
〇店番の日当はいくらか。
店番は 10 時から 17 時まで、日当
4,500 円。(開店当時は 1,000 円)
〇販売手数料は何パーセントか。
会員 17%、委託販売は 20%、店
としては黒字。
所狭しと並べられた手作りの加工品
9
〇女性 17 名は、他に職業をもっているのか。
ほとんどの方の夫は勤めており、家が農家なので女性が農業をしている。専業農
家もいる。
〇棚田における水稲の反収はどのくらいか。
7俵程度である。
〇どのような農業経営をしているのか。
水稲よりお茶・椎茸栽培が多い。棚田の石垣を守るのが大変で、補修は個々に行
なっている。全国棚田 100 選に選ばれている。星野村時代に棚田の保護条例を制
定。八女市になっても引き継いでおり、補助金が交付されている。
〇他の女性グループとの交流はあるのか。
星野村以外では、普及センターの中に全国組織があるので交流している。女性起
業のグループだけでなく、地区で活動している女性グループで、全国大会もある。
〇「清流」へのJAの関わりはあるのか。
全くない。
〇「清流」の建物等の使用料はいくらか。
土地、建物は市の所有ですが、無償で借りている。
〇店としての売り上げはどのくらいか。
ピークで年間 2,000 万円であったが、災害後は 1,300 万円になった。
〇会員以外の出品者はいるのか。
18 名位いる。
〇売れ残りの処分はどうするのか。
売れ残りの野菜は、出品者が毎日引き取りにくる。
丹精込めて生産した野菜を並べに来たご夫婦
し販売しています
10
≪委員所感≫
(委
員)
1 日目は、大分県臼杵市にあるJAおおいた野津事業部を視察。甘藷の生産者は収
穫した甘藷をJAが管理する施設に搬入し、40 日間貯蔵し、糖度検査で 25 度を超え
た品物より出荷。
『甘太くん』というブランド名により高価格で販売しているが、市
場の需要に応え切れていない状態でいる。JA1 ヶ所の共選ため、これからは個選等
を進め出荷体制の改善が課題となる。
2 日目の豊後大野市において、道の駅と農産物直売所の視察を行いました。市町村
合併により道の駅が 5 ヶ所あり、休憩所や食事処があり、市活性化の拠点として、情
報発信やイベント等を開催。道の駅の農産物直売所では、地産地消を促進するため、
地元産のみを販売している。
また、新規就農対策に力を入れ、毎年、全国各地から研修生を募集し、住宅と農地
が与えられ、JA営農指導者のもとで 2 年間の研修後就農する。年間平均気温は 15
度から 16 度、降水量は 1,800 ㎜で、温暖である。近年、経営の高度化を図るため、
施設を利用したピーマン、菊等の栽培や肉用牛の肥育が盛んである。
3 日目は福岡県八女市星野村の「おばしゃんの店
清流」を視察。店舗は 10 坪位
で、中山間地で農業を営んでいる女性 16 名で農家生活改善グループから設立する。
年間の売上は 1,300 万円位で、経営は黒字会計ということです。
3 日間の視察で感じたことは、JA大分野津事業所は、貯蔵、選果、糖度検査に大
変苦労していることです。
豊後大野市の各道の駅は、個性を活かした販売をしている。また、新規就農者の受
け入れを積極的に行い、後継者づくりをしている。
星野村の清流では、当時のお姉さん達も今では高齢になり、若奥様が入ったことを
喜んでいた。どこも後継者不足は同じ悩みである。成田市農業委員会も地産地消と販
路拡大を進めて行きたいと思います。
(委
員)
◎『甘太くん』の産地育成とその取組みについて
今回の視察では、べにはるかを 40 日以上貯蔵し、糖度検査で合格したものを『甘
太くん(全農登録商標)』として出荷。高い価格で販売するというJAおおいたの生
産・販売戦略について視察し、当市の生産・出荷の参考にする。
貯蔵庫は湿度 13 度、湿度 85%、パレット毎に生産者、圃場が分かるように管理さ
れている。
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参考にしたい点
① マーケットの変化に応えている。
② 「甘太くん」という格付による付加価値の向上を図っている。
③ 綿密な市場分析と作戦が伺えた。
④ 個々の貯蔵庫から集中管理貯蔵庫でコスト削減。
⑤ かんしょ協議会設立等、行政と農業団体の連携強化により産地計画や販売戦略等
を組織的に行い、収益性の高い農業構造が見受けられた。
◎道の駅及び農産物直売所の管理運営について
今回の視察先である豊後大野市では、道の駅「えみ」「きよかわ」「原尻の滝」「あ
さじ」「おおの」の 5 ヶ所を指定管理者により管理運営している。施設内の農産物直
売所や地域産物加工販売所、漬物・惣菜工房にどの物産館は、市で使用料を定めて利
用させている。
参考にしたい点
特に「きよかわ」は、1990 年の開業後、売上は順調に推移している。1999 年は1
億円、道の駅開業後の 2001 年には 2 億円、そして 2007 年には 3 億円を突破してい
る。その時点で、清川地区の高齢化率は 40%を超えていたと推測できる。直売所の
出品者はそれよりもさらに高いはずである。高齢者の可能性と生産意欲を高める直売
所の魅力、さらに地元農産物の商品力を高め、販売に努力する運営者のマーケティン
グ力がうかがえた。
◎女性による農業の六次産業化の取組みについて
八女市星野村は、山間地域でキャンプ場などがある自然に恵まれた村である。今回
視察した「清流」は、星野村の女性 16 名により設立された。
農産物の直売所で、自分たちが丹精込めて作った農産物や山菜、弁当のほか、茶の
葉佃煮、しいたけ佃煮、味噌等の手づくりの加工品を販売している。店番は交代で行
っており、12 月中旬から 2 月上旬までは休館である。地域の女性達で運営している
ことからコミュニティの形成にもつながっている。
参考にしたい点
① 品揃えは、組合員でそこそこある。直売所には生産者が持ち込み、少量多品目で
地産地消が実施されているのがすばらしい。手作りの加工品は、おばちゃん達の逸
品である。
② 生産、販売計画に対し、役割分担と良好なチームワークで対処されている。
12
③ 組織への適材適所の配置。
④ 地域行事や新しい催しを考え、直売所の敷地内で販売以外の集客を行っている。
(委
員)
初日は、成田空港から飛行機で大分県に入り、最初の視察地である大分県農業協同
組合野津地域事業部を訪問し、担当者より食用甘藷の大分県独自ブランド『甘太くん
(全農登録商標)』の産地育成とその取組みについての詳しい説明を受けました。
大分県で平成 17 年ごろ開発された「べにはるか」という品種から、平成
20 年に『甘太くん』というブランドが誕生した。40 日以上貯蔵し糖度検査に合格し
たべにはるかで、全農おおいたを通じて販売されたものだけがこのブランド名を冠す
ることができ、消費者の反響も良く高い価格で販売されている。
この取組みで素晴らしいと思ったのは、作付けから販売まで一貫した管理体制が出
来ているところです。まず、ウィルスフリー苗の導入で食味が向上した。そして平成
24 年には、高糖度かんしょ選果・貯蔵施設ができて、農家は圃場からコンテナで搬
入するだけで済み、労力の軽減になった。ただし、問題点も幾つかあり、兼業農家が
多く作付面積が 60a程度と少ない。また、施設の設備や人手不足により扱い量も限
られ、一日の出荷量が 2,000 ケースと需要に対応できていない。
当成田市にも独自ブランド「大栄愛娘」がありますが、今後このブランド品を維持
するためには、農業従事者の高齢化等の問題があるので、JAおおいたのような選
果・貯蔵施設が必要かと思われます。
2 日目は豊後大野市を訪問し、農業委員会長と事務局職員及び商工観光課・農業振
興課担当者より、豊後大野市の農業概要及び道の駅と農産物直売所の管理運営等の説
明を受けました。耕地面積は成田市の方が 380haほど広いが、農家数は豊後大野市
が 1,800 戸ほど多く、1 戸当たりの面積規模の差がある。農業産出額を比べると、豊
後大野市は 106 億 8 千万円で、成田市の方が 54 億 5 千万円ほど多い。この違いは作
付体系にある。水稲作付面積はほとんど変わらないが、畑作に関しては成田市の甘藷
作付面積が 1,200haほど多く、この違いが農業産出額の差だと思われる。
しかし、豊後大野市は道の駅を市内に 5 ヶ所設置し、それぞれ地域に合った素晴ら
しい取組みを行っている。豊後大野市にはかなりの観光名所があり、それを活かした
場所を選定し、イベント等も積極的に実施している。
農産物は 100%に近いほど地元産を扱い、学校給食・保育園・老人ホーム等にも毎
日新鮮な野菜等を配達したりしている。過疎化が進む町内に移動販売車を出し、買い
物弱者支援も行い地域に貢献し、着実に販売実績を伸ばしている。このような豊後大
野市の取組みを成田市でも検討し実施できたらいいと思います。
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3 日目は福岡県八女市星野村「おばしゃんの店
清流」を訪問し、女性の起業によ
る農業の6次産業化への取組みについて視察しました。昭和 48 年に農家の女性によ
る農家生活改善グループが各所にでき始め、毎年いろんなイベントを実施して、平成
5 年物産販売所「清流」がオープン。17 名の女性により運営されている。毎年いろん
なイベント及び事業(農産加工講座、星の遊友里めぐり、全国棚田サミット)を実施。
平成 13 年には「豊かな村づくり」全国表彰事業で優秀賞受賞、女性起業経営企画部
門(団体の部)で林野庁長官賞を受けた。現在も「おばしゃんの店
清流」として、
地元産の食材を使ったオリジナル商品を販売している。このような規模は小さいが、
農家の女性による長年の取組みは素晴らしいと感動しました。当成田市でも女性の活
躍を期待したい。
(委
員)
4 日、大分県臼杵市の大分県農業協同組合野津地域事業部で、高糖度甘藷『甘太く
ん(全農登録商標)』について、産地育成とその取組みについて面談と施設見学をし
ました。
平成 23 年の葉たばこ廃作対策として「べにはるか」の新規栽培に転換。これに伴
い高糖度かんしょ選果・貯蔵庫施設(74t×3 室、約 20ha相当分)をJA大分県が
主体となり、事業費 2 億 1,100 万円(国・県・市・JA出資)で建設、平成 24 年 11
月に稼働を開始した。ここで各生産者からコンテナ(20kg)搬入された「べにはるか」
を、パレットに生産者名・圃場が分かるように表示し、一定期間貯蔵。庫内温度 13
度、湿度 85%で管理し、40 日間以上貯蔵する。これにより、でんぷんが糖に変化し
甘くなるので、糖度検査し合格した圃場の分から『甘太くん』の商標で出荷していく。
生産者は貯蔵庫への搬入までが範囲で、その後の洗浄・選果・出荷は全てJAが実施
する。経費は価格の約 50%。個人の栽培面積は約 60a程で個人の栽培面積としては
さほど広くなく、ピーマン等を併合栽培している。成田地区での甘藷・人参・大根・
ごぼう等、併合栽培形態と同様と思われる。成田地区の甘藷の栽培は長く、広く栽培
から出荷までする農家は、各戸でキヤリングを持ち、ポテカルゴ・高圧洗浄機・梱包
機等も設備し、現在に至っている。経験・技術・知識は豊富で、より良い製品作りを
していると思いました。
5 日、大分県豊後大野市役所を訪問。農業委員会長同席で市の農業概要の説明をい
ただき、その後、商工観光課担当者と道の駅及び農産物直売所の管理運営等について、
談話しました。豊後大野市のある道の駅 5 ヶ所の内 2 ヶ所を視察。観光スポットとし
て整備された道路、特産品等のPRでいかに多くのお客様にきてもらえるか、現在建
設中の「さくらの山観光物産館」は、NAAの飛行機離発着見学者を含め、成田市の
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観光ルートの一つに組み入れられれば大きく発展するのではないでしょうか。
6 日、福岡県八女市星野村の「おばしゃんの店清流」を訪問。女性による農業の六
次産業化の取組みについて視察しました。平成 5 年、物産販売所「清流」として女性
16 人でオープン。農産物・山菜・手作り加工品等を販売している。女性が活躍する
社会の先駆けで、今でもすごく元気に働いていました。
7 月下旬に農業委員の改選があり、面識の少ない委員の人達が多く、今回の視察研
修に参加し交流の場が持たれ、有意義な 3 日間でありました。
(委
員)
11 月 4 日は、大分県農業協同組合野津地域事業部を視察してきました。平成 19 年
にタバコの転作からスタートして、数年で『甘太くん(全農登録商標)』として高い
価格にて有利に販売されていることに対して、正直驚いた次第です。
作付面積は成田市の 4~5%でありながら、市場での有利販売の条件は、
「品質の良
い物を定期的に一定数量出荷されることが大切である」と、自分の今までの経験上思
っていました。なのに「甘太くん」として高値販売されている原因は、行政とJAが
一体となって高糖度かんしょ協議会を設立し、産地計画や販売戦略等を組織的に行っ
ているとの説明を聞き、納得した次第であります。
私の持論ですが、農業振興は行政とJAが一体にならなければ出来ないと思ってい
たことが証明されたと思っています。
11 月 5 日は、大分県豊後大野市農業委員会を訪問し、道の駅及び農産物直売所の
管理運営等について、説明を受けました。5 つの道の駅は、全て指定管理者によって
運営をしているとのことでした。「道の駅きよかわ」「道の駅原尻の滝」2 ヶ所を視察
しました。道の駅原尻の滝は、近くにミニナイヤガラの滝?があるためお客もいまし
たが、市内に 5 ヶ所の道の駅があるために「運営が大変かな?」と思いました。また、
豊後大野市は、新規就農者対策に力を入れており、6 年間で 119 名が新規就農された
と聞き、
「成田市も参考にしたら」と思いました。
11 月 6 日は、お茶で有名な福岡県八女市星野村の『おばしゃんの店
清流』を訪
問し、女性による農業の六次産業化の取組について視察しました。平成 5 年より 20
年余り、女性だけで運営されていて、野菜や果物は少ないが、他は加工して付加価値
をつけて販売していて、いかに付加価値が大切か学びました。全員よく勉強をしてい
て、林野庁長官賞等を受けていましたが、高齢化を大変心配していました。
(委
員)
大分の『甘太くん』、話には聞いていました。JAに貯蔵・販売のすべてをお任せ。
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貯蔵に 40 日以上、自分たちの所では1ヵ月以上です。糖度品質検査を各圃場ごとに
することには、手間もかかりちょっとビックリしました。糖度 25 度以上という決ま
りは良いと思います。私たちは食味検査なので、違いはあると思います。
また、JAに全て販売まで任せることで、売上の 50%もの手数料を払わなければ
ならないので大変だと思いました。自分たちは個人出荷で、貯蔵庫もあり、フリー苗・
販売方法など違うので、比べることは出来ないし、サツマイモの種類も多く作付して
いるので、難しい所もあるのではないかと思います。
豊後大野市での取り組みでは、新規就農者を全国から年間 3 組を募集し、「インキ
ュベーションファーム事業」として研修。就農するために遊休農地、空き家の情報収
集、斡旋相談等を実施し、成果が表れている。次世代に繋いでいく、素晴らしい取り
組みをしている。成田市でも、このような取り組みが出来たら良いな、と思いました。
「おばしゃんの店清流」、どんなおばさん達がやっているのか、ちょっと期待して
いきました。こんな山の中で売れるのか、と正直思いました。しかし、グループのま
とまりの良さ、何度も賞を取って頑張っている様子が解りました。
小さな直売所のわりには、加工品の多さに驚きました。また、八女茶の所での石橋
さん(清流の代表)たちグループの和菓子には、プロ顔負けの出来栄えにビックリし
ました。皆さん、一生懸命頑張っている様子なので、つい買い物を沢山したくなりま
した。
(委
員)
第 1 日目は、大分県臼杵市の高糖度かんしょ選果貯蔵庫施設を視察し、
「甘太くん」
の産地地育成とその取組みについて視察研修した。
この「甘太くん」は、大分県産のべにはるかを収穫後 40 日以上貯蔵することで、
ぐっと甘味を増加させた大分独自のブランドである。特に糖度は通常の甘藷の 1.5 倍
ほどあり、焼き芋にすると、ツヤツヤの密がにじみ出し、口に含むと驚くほどのしっ
とり感を味わうことが出来るということである。また、もう一つの秘密は長期貯蔵で
ある。
「甘太くん」は各農家で収穫後、温度と湿度が管理された貯蔵庫に 40 日以上寝
かせ、その間にでんぷんが糖に変わって甘さを増すことである。この事業は、平成
23 年度のたばこ作付け転換緊急対策として行ったもので、事業主体は大分県農業協
同組合で、国、県、市そしてJAが出資して平成 24 年 11 月末に稼働したものである。
以上の視察研修をして思ったことは、消費者の購買意欲の低下や低価格志向などに
より、行政が中心となってさまざまな支援策を講じて、農業者の産地育成を図るため
に農産物の価格を高め、全国一のブランド化の開発に努めることが必要であると思っ
た。
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第 2 日目は、豊後大野市の道の駅建設から管理運営、直売所への出品、生産計画等
を視察研修した。まず、豊後大野市役所において職員から市内の道の駅の概要につい
て説明を受ける。その概略は、最初の道の駅は平成 6 年に開始をし、平成 11 年、平
成 12 年、平成 13 年そして平成 19 年と 5 か所の「道の駅」を国道及び県道に設置を
し、全て指定管理者が運営・管理をしている。
そしてこの事業は、過疎地域等振興プロジェクト推進事業や林業構造改善事業、そ
して新山村振興等農林漁業特別対策事業などの交付金等で建設されたものである。施
設の内容は各道の駅で異なるが、地域物産販売、郷土料理のレストラン、サイクリン
グセンター、インフォメーションコーナー、屋根付きデッキ、モニュメント、テイク
アウトプラザなどのお客様に配慮した施設となっている。
視察して感じたことは、成田市には 1 か所も道の駅は無く、市としてもいろいろな
事業を活用して、地域に密着した特徴ある物産販売とインフォメーションコーナーや
体験農園などができる「道の駅」を設置し、地元農業の活性化を図る必要があると思
った。
第 3 日目は、八女市星野村の女性 17 名で運営する農産物の直売所を視察して女性
の起業による農業第六次産業化への取り組みについて研修した。
おばちゃんの店「清流」は、昭和 48 年の生活改善グループが始まりで、平成元年
に農産加工グループ「星の里」をオープン。そして平成 5 年に物産販売所としてオー
プンした。そして平成 24 年には福岡県女性農業者起業化フォラムにおいて優秀賞、
そして女性企業経営企画部門で林野庁長官賞を受賞する。
星野村は、自然景観に恵まれた山村で、田畑も急斜面に石垣を築き段々畑で八女茶
の産地として全国的に有名で、その村の 7 つの女性グループ 17 人で会員を組織して
運営する小さな農産物直売所が、おばちゃんの店「清流」である。
2 月から 12 月中旬まで無休で運営し、手作りした加工食品や弁当、おやつ、お茶、
野菜などを販売している。利用客は 15 万人で、売り上げは 2,000 万円であったが、
平成 24 年 7 月九州北部の豪雨の災害に有って、現在は 1,300 万円までに落ち込んだ。
しかし 17 人の女性は、日当 4,500 円で月2回ほど店に出て働いている
このように女性による農業の六次産業に取り組みを視察研修して、女性による農業
の六次産業を積極的に活用し、食品加工、流通販売にも業務展開をしていくことが将
来的な農業として必要であると思った。
(委
員)
お茶で有名な八女市星野村は福岡県の南にあり、標高 200~800mの山あいの山村
です。山の上まで連なる石積の田畑。川沿いの細い道を上へ上へと上って行くと、
「お
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ばしゃんの店 清流」がありました。
直売所のお母さん達の温かい出迎えに感激。店の外見は素朴な小さな佇まいですが、
中に入ると8割以上が手作り加工品で、所せましと並んでいます。たけのこ、ふき、
ゆず、こんにゃく、しいたけ等々。
物作りのヒントが沢山。身近な食材で一ひねり。お客様との会話を大切にする笑顔
の接客(笑顔の輝く星野村)。全ての商品に星のマークの統一シールが貼られていま
した。昔の食文化を見直すおやつなども。
直売所の原点、私の理想とする直売所が清流には有りました。これからの直売所は、
野菜だけでは人を呼ぶのは難しく、加工品も重要な位置を占めると思います。
近年、六次産業化が叫ばれていますが、成田市でもさくらの山の物産館が3月にオ
ープンしますが、農産物はもちろんのこと加工品も清流のように沢山並び、お客様を
ワクワクさせる直売所が出来ることを願っています。今回の研修に参加でき、とても
勉強になりました。
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