第12回会議会議録 [265KB pdfファイル]

第 12 回会議会議録
第 12 回むつ市市民協働まちづくり会議
会議録
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日
時
平成 27 年 5 月 25 日(月)18 時 00 分~20 時 30 分
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場
所
むつ市役所本庁舎大会議室 B
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出席者
【委員 13 名】
伊藤和子委員
菊池三十義委員
久保咲絵委員
久保里砂子委員
工藤
薫委員
桜田真佐委員
竹内博之委員
立石
圭委員
傳法久昭委員
原田敏匡委員
福田貴宏委員
馬場久美子委員
松岡敦子委員
【アドバイザー】
studio-L
醍醐孝典
【事務局4名】
市民連携課課長
立花一雄
市民連携課主任主査
4
欠席者
学
市民連携課主査
川部小枝華
市民連携課主事
山田侑季
【委員 4 名、市職員5名】
国田とき子委員
商工観光課
5
山崎
中川
渉委員
鎌田隆夫
教育委員会総務課
二本栁
公営企業局施設課
蛭名貴大
会議録確認者
向井正大委員
伊藤和子委員
生活福祉課
愛
米田さとみ委員
成田一郎
大畑庁舎管理課
傳法久昭委員
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成田寿美歌
第 12 回会議会議録
会
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議
概
要
会長あいさつ
(会長)
主観性の罠という言葉がある。まちづくり会議委員として、また各自の団体で活動していると、
自分たちでやっていることは常に正しい。または良いものだと思い込みすぎていて、周りの人か
らすると「え!」と思われることがある。少しだけものの見方を変えて、第三者的な角度から見
るような形で、まちづくり会議や皆さんが所属している団体などで活動して欲しい。私を含めて
「よそ者」は大分いる。このような外からの目線も刺激に変えて頑張っていきたい。
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アドバイザーから事例紹介
(アドバイザー)
大阪都構想の住民投票があった。都構想自体は人それぞれだと思うので、私からどうこう言う
ことはないが、今回改めて感じたことは、260万人のコミュニティの単位はあまりにも大きす
ぎるということ。260万人でビジョンや一つの方向性を決めることは結構無理があると思う。
ただ、住民投票という機会があったことは、民主主義の制度としておもしろい試みと思える。
これから私は鹿児島県トカラ列島の宝島へ行く。島の形がハートの形をしていて100人の島
民が暮らしている。5年前に行った時、島の人口が100人を切るという話になった時期で、島
民が危機感を感じていた時期だった。その頃 I ターンで若い夫婦が2組入ってきた。その2組が
地域に溶け込もうとがんばっていた。1970年代に結構若者が島に入ってきた時期があったが、
結局一人も根付かなかった。その経験から住民は、移住者に対して拒否反応があり、2組の夫婦
は地域に溶け込むために苦労していた。そのためアドバイスを求められたが大変だった。
今回5年ぶりに呼んでもらったが、2組のうち1組が帰っていた。しかし残った1組の夫婦が
とてもがんばっていた。地元の人たちと良い関係を少しずつ作っていて、島の若手のリーダーと
なっていた。そしてこの5年間で13組の若い I ターンが入っていた。そのような若い人とまち
づくり会議のようなものをするために呼ばれた。今は120人くらいになっている。コミュニテ
ィの数も地域づくりを考えるうえで、重要なポイントになると最近感じている。
studio-L も10年経つことから、「コミュニティデザイン」に対して、改めて歴史的なことを
見つめ直す必要があると考えている。今年のゴールデンウイークに、スタッフ8人でイギリスに
行ってきた。19世紀に産業革命がイギリスであった頃、都市部に人が流入してきて生活環境が
悪くなり、人間的な生活ができなくなってきたということに警鐘を鳴らした人たちがいて、その
人たちが芸術の分野であったり福祉の分野であったり社会教育の分野で正しい活動をしていこう
という運動が起こった。ジョン・ラスキンやウイリアム・モリスなど、いわゆるデザインや芸術
の分野で、その当時有名な人たちの足跡をたどった。
3年前に、墨田区の食育推進計画策定を手伝った。役所だけで作るのではなく、区民と一緒に
作りたいということで studio-L が呼ばれた。その他、早稲田大学が墨田区と地域連携協定を結
んでいることから一緒に取り組んだ。行ってみてびっくりしたことは、すでに墨田区の食育は進
んでいて、20代の若者たちが青空市なども開催していた。墨田区は1次産業の現場がないため、
東日本大震災をきっかけに危機意識が高まり、いざという時に食料はどうするかということに気
付いた。若者たちが生産地として、特に被災地と墨田区をつないで青空市を開催していた。
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第 12 回会議会議録
計画を作る上で、どういうことをやるのか手探りだった。海士町で総合計画を作る際は、町長
から計画を作るだけではなく、I ターン者と U ターン者と地元住民の壁が無くなり一緒になった
コミュニティを作っていきたいということをオーダーされ、そのオーダーに沿うような仕掛けや
ワークショップを行った。墨田区の場合もよく見ると、それぞれのコミュニティの取組は活発に
活動しているが、ある種の縦割りになっていて連携がとれていない状況だった。そのため、多様
な人たちが横につながって新しいチームができるような流れを作ることを墨田区の新しい目標を
設定し、ヒアリングやワークショップをしながら色々な属性の方々に参加してもらい、混合でチ
ームを作っていくようなワークショップの流れにしていった。若い人たちは地域の人たちとつな
がりたいという意識が強く、長屋を借りてゲストハウスやシェアハウスにして住み込み、新しい
コミュニティを作っていった。最後は、寸劇を交えてワークショップの結果を報告した。寸劇を
するためには準備が必要で、手間をかけるその過程が大事。墨田区の食育は「食を育てる」ので
はなく、「食」を切り口に人を育ててまちを育てる。食は一つのツールでしかない。「食」が目的
ではなく、手段として色々なものがつながっていくということをみんなで確認し合いながら進め
ていった。ワークショップは計画を作って終わりではなく継続していくこと。ワークショップに
参加した人たちは70人くらいであることから、新しい輪を作っていくことが課題となった。そ
こで、次の仕掛けをどうしていくのか考え、ワークショップをサポートするツールとしてのオリ
ジナルカードを作ることにした。そしてそのカード自体をみんなで作ろうということになった。
「食で育む100のタネ」という4色のカード。赤色のカードは「課題」についてのキーワード
を記載。青色のカードは「資源」についてのキーワードを記載。緑色のカードは「食育」につい
てのキーワードを記載。黄色のカードは「チェック」についてのキーワードを記載。そういった
ものを可視化していくことで、プロのファシリテーターがいなくてもワークショップをうまくで
きるようにした。そして国では、今年度の食育全国大会を墨田区で開催することにした。
(委員)
生産地が無い中で、食育をどのように取り組んでいるのか。
(アドバイザー)
一つは外とつながること。被災地のほか、青森市ともつながり始めている。外とつながること
で、墨田区の小学生が山村留学で学び、外の生産物を墨田区の青空市で販売している。特産品作
りも行っていて、墨田区の文化的なものを活かしながら商品開発もしている。すみちゃんカレー
はその一つ。
「ちゃん」はちゃんこのちゃん。墨田区は相撲部屋がたくさんあり、ちゃんこ鍋を作
ると最後カレーにすることが多い。レトルトにして売り出している。
(委員)
食育ワークショップカードは、何セット作ったのか。
(アドバイザー)
予算は少なかったが、中学校区単位で使用できればと120セット作った。
(委員)
墨田区全体としての認知度を調べるアンケートなどは行ったのか。
(アドバイザー)
ワークショップに参加した人や食育に関わっている人は、墨田区の一部の区民である。食育の
取組が必要な人に対しては、確実にリーチしていきたい。その意味では認知度はまだまだと思う。
これからは毎年6月に食育に関するイベントを開催するので、アンケートを行いながら、ワーク
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ショップに参加した60人がより細かい地域に出て行き、食育の取組を広げていくことを目標と
しているので、墨田区の隅々までとなるとまだまだ道半ば。
関連することで、行政計画の評価はどこの行政でも悩むところ。それぞれの施策の達成度合い
がどうだったか、かなり主観的なものとなっているので、墨田区も行政評価をどうしたらよいか
ということも検討した。また、区民の人からアンケートをとるため、アンケートシートのひな型
を検討した。定量化するようなアンケートではなく、定性的な様式にしている。5か年計画であ
ることから、5年間で区民の意識がどのように変化したかわかるようなものにするために模索し
ている。
(委員)
ワークショップカードを作るために、どのくらいの期間がかかったのか。
(アドバイザー)
最初のワークショップを行ってから出来上がるまで、1年半位かかった。カードの試作品を作
り、区民が親しみを持ち、使いやすいようにカードの使い方なども検討し、その結果を吸い上げ、
最後はプロのデザイナーが形にした。プロセスは結構ていねいに行った。カードを作るだけでは
なく、カードを使いこなせる担い手の育成も一緒にした。
(委員)
食育に関して、親の世代へどのようにアプローチしているか。
もう一つは、食育に対して関心が無い人へどのようにアプローチしているか。
(アドバイザー)
ダイレクトで親世代へ向けて何かアプローチしたことはなかったと思う。また、食育に対して
関心が無い人へのアプローチも課題となっている。関心が無い人は圧倒的に多い。ただ、おもし
ろいと思うことは、20代の若い人たちが「下町のつながりが残っている所が良い」と言って活
動しているところ。
(委員)
墨田区の取組で、「寺島なす」を復活させたということがあった。それをむつに置き換えた場
合に、以前あったもので、現在なくなったものがあると思う。それを調べて、我々で復活させる
ことはできないかと思う。復活できないまでも、そのような取組はおもしろいのではないか。も
う一つ認知度の部分。
「むつ市のうまいは日本一」というキャッチコピーで取り組んでいるが、市
民の皆さんの認知度はどれ位あるか。その中の品目を何点知っているかということに疑問を持っ
ている。ジオパークもそうで、どの位市民の認知度があるかということを我々が調べてみること
もおもしろいと思う。
(アドバイザー)
墨田区の場合は農地が無いので、公民館などの庭を農園にして活動している。社会教育や生涯
教育の観点で地域の人に関わってもらうほか、郷土教育の観点から幻のナスとして忘れ去られよ
うとしていた「寺島なす」を復活させようというプログラムを組み込んで活動している。社会教
育や郷土教育で、うまくおもしろいタネやコンテンツを組み合わせて取り組むことが大切なこと
だと思う。
(アドバイザー)
この春から講師となったので、東北芸術工科大学コミュニティデザイン学科の取組を紹介する。
コミュニティデザイン学科は、ものを作らないデザインにも取り組むために昨年度開設され、
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第 12 回会議会議録
studio-L が講師を含め学科の運営をまるごとサポートしている。カリキュラムは、コミュニティ
デザインの実務の現場を学ぶことを意識したものとなっている。また、学生にもコミュニティデ
ザインを学問として教える必要がある。しかしコミュニティデザインといっても日本で初めての
学科なので、コミュニティデザイン学として教科書があるわけでもないことから自分たちで作っ
ていくしかない。
「コミュニティデザイン 1.0」、
「コミュニティデザイン 2.0」、
「コミュニティデ
ザイン 3.0」という言い方をしていて、現在我々は 3.0 を行っている。「コミュニティデザイン
1.0」とは、1960~1970 年代のニュータウンなどハード的なのデザインを「コミュニティデ
ザイン 1.0」と定義づけた。「コミュニティデザイン 2.0」とは、1980 年辺りから公共施設や
公園を住民参加型で作っていくという流れが起こった。ユーザーである市民が公共施設づくりに
参加していく流れが生まれ、今でもその流れは続いている。今は公共施設などハードを必ずしも
前提とせず、クリエイティブな発想で地域の人たちが地域の課題をいかに解決していくかという
ことを表している。地域の課題をみんなで発見しながら、どのように乗り越えていくのか地域の
人たちが取組をするうえでデザイン的な切り口でサポートしていく。場づくりや仕組みづくりの
デザインなど、目に見えるものだけではないデザインに取り組むことがコミュニティデザイン学
科。また芸大にできたことに意味がある。手を動かして、美しいものを作ることが学べる環境で
あることが大事。既存の分野の必要な所でコラボや協働するためのつなぎ役をコミュニティデザ
イナーが担って欲しい。ふるさとを元気にする人を育てたい。これからの時代、地方こそ色々な
課題が出てくる中で解決をしていく最先端の現場であり、ふるさとを元気にしていく仕事こそか
っこいいということを知ってもらいたい。その中でも特に、福祉や社会教育の分野や行政に決定
的に足りないものはデザインだと思う。そこにデザインが入ることで、人々の共感を得る事がで
き、新しい取組につながっていくと思っている。
7月5日にむつ市で開催する「コミュニティデザイン出張授業」では、むつ市の高校生にふる
さとを元気にする仕事は、これからの時代の選択肢の一つであり、かっこよく大事であることを
意識してもらいたい。また、芸工大の学生を連れてくるので、大学生の話を聞いて刺激にして欲
しい。
(委員)
まちづくりに取り組む中で、周りの人を巻き込むことは大事だと思うが、コミュニティデザイ
ン学科はどのような仕掛けで学生のやる気を出させているか。
(アドバイザー)
今はまだ模索しているところ。関西の学生とはこれまで接する機会が多かったが、東北芸術工
科大学コミュニティデザイン学科の7割は東北出身。東北の子は、良い意味でまじめで内に秘め
るタイプの子が多いと思う。
(委員)
地域のコミュニティのハブ役になるはずの公民館のような施設が、ハードに依存してあまり上
手くいかなかったという背景がある。アドバイザーの話を聞いていると、社会教育や福祉の分野
でやり方があるのではないかということだった。今の公民館の課題等どのように考えているか。
(アドバイザー)
現在勉強をしているところでもある。社会教育を調べていくと、地域社会をいかに改善してい
くかということが理念だった。現在の公民館は、ある種公民館の中に閉じこもっていて、カルチ
ャークラブ化している場合が多い。もともと地域の課題を、社会教育・生涯教育という切り口で
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解決していくことは理念としてあった。わかっているけどなかなかできないのではないか。
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プラットホームの試験運用に向けて
(事務局)
まずは市内のコミュニティの情報を一元化するために、別紙の「団体紹介シート」で情報収集
をしたい。修正・追加事項あれば連絡して欲しい。また、事務局でも把握している市内の各種団
体があるので、一覧表を後日皆さんへ送付する。それ以外で皆さんが紹介したいと思う団体があ
れば、事務局に連絡、または委員自ら声がけして欲しい。
(会長)
紹介シートを確認して、修正・追加事項あれば、5月29日までに連絡して欲しい。シートで
集めた情報をファイリングし、その後団体で紹介したい情報あれば、それぞれファイルに追加し
ていく。まずは同じファイルを2部作って欲しい。1部は図書館に置き、もう1部は皆さんが各
種団体へ内容を紹介する見本として使って欲しい。
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その他
事務局から「ご近所知恵だし会議」の紹介。
次回会議は7月5日開催の「コミュニティデザイン出張授業」と併せて開催。委員はファシリテ
ーターなどスタッフとして参加してもらう。
●アクションプロジェクトチームから経過報告
(高齢者福祉チーム)
「高齢者の居場所づくり」プロジェクトはスタートしている。5月25日発行の広報むつで PR
したが、まだまだ PR が足りない。都合が付く委員の皆さんには一度来てもらい、アイデアなど
を出してもらいたい。第1・3の火曜日10時30分からまちの駅七福で開催している。
(×デザイン)
今後打合せをしながら、どういう段取りでプロジェクトを組み立てていくか早めに決めたい。
アイデアの部分で、皆さんからもっと面白いネタがあれば提供して欲しい。
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閉会
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