連続地中壁基礎の設計と施工

西松建設 技 輔 VOL 4
U.
D.
C.624.
166∴156.
8
連続地中壁基礎の設計と施工
要
桃崎
徳*
前田
詔- ***
細井
武**
約
本報文は,首都高速道路横浜羽田空港線の橋脚基礎 に採用された連続地中壁基礎 につい
て, その選定理由,設計 ・施工の概要及び今後の課題 について述べた ものである。
選定理由 としては,低公害工法,渇水期の急速施工,基礎形状寸法の制約,土丹掘削等
によるとしている。設計は, コンサルタン トによって,行われたが,本基礎 は従来にない
新 しい基礎形式であるので, その設計手法 も紹介す る。すなわち,矢板式基礎 に準 じ,弾
1-0.
5(
一部 p性床上の梁理論を採用 L,エ レメン ト間の継手の評価 として,合成効率 i
0.
7
5) としている。施工では,エ レメン ト間継手部に, ヒンジ鉄筋保護用に特殊 なジョイ
ン トボ ックスを使用 し,成功 をおさめた。今後の連続地中壁基礎の課題 として,設計手法
の確立,剛結継手の開発,掘削精度の向上,安定液の研究等があげられる。
物 としての利用は, その施工精度や壁相互の継手方法 な
§1. まえが き
どに問題があ り,ご く特殊な構造に限 られていた。
§2.工事概要
最近にな り,連続地中壁 に関す る種々の研究,開発が
§3.地質概要
進 められるとともに,連続地中壁工法の持つ低公害性 ,
§4.基礎構造の選定
広範囲の地質-の過剰 生,施工の安全性等が再確認され,
§5.設計
本体構造物 として も徐々に脚光をあびてきた。
§6.施工
橋脚基礎 として,連続地 中壁 が最初 に採用されたの
§7.連結地中壁基礎の今後の課題
Ⅰ
期工事 (
北池袋 ランプ,熊野町ア
は,首都高速 5号線 Ⅰ
§8.あ とが き
ンダーパ ス)においてであるO その後,首都高速 3号線
参考文献
Ⅰ
Ⅰ
期工事 (
新町交差点)
,首都高速横浜羽田空港線 Ⅰ
Ⅰ
期
工事 (
堀川筋)
,東北新幹線飯塚街道架遺橋工事等に,
§1.まえが き
連続地中壁が,我国に導入されたのは,昭和 3
4
年 (
1
9
連続地中壁基礎が採用されてきた。
本報告文は,上記の首都高速道路横浜羽田空港線 Ⅰ
Ⅰ
期
5
9)
,イタ リアのイコス社 との技術提携 によ り,中部電
工事における,連続地中壁の施工が無事終了 したので,
力蝿薙ダムの止水壁に使用されたのが最初である。つい
施工の内容を紹介す るとともに,連続地中壁
その設計 ・
6
年(
1
9
61
年)
,営団地下鉄 4号線,方南町の箱
で,昭和 3
基礎の今後の課題について述べ るものである。
形 トシわ レの側壁 (
土留壁兼用)に鮎 、られた。 これ ら
を契機 として,種 々の連続地中壁の技術が,開発 ・導入
§2.工事概要
0
年頃に至って,公害問題がクロ
された。 その後,昭和 4
首都高速道路横浜羽田空港線 Ⅰ
Ⅰ
期工事は,元町商店街
ーズアップされ,低公害工法 として,土留等の仮設構造
裏手の大岡川派川の堀川上 を高架で通 る首都高速道路の
物 に広 く利用されてきた。一方,連続地中壁の本体構造
袴脚 と,将来,予定されている堀川改修 に伴 う護岸改修
.
工事 を併せて築造す る工事である (
図 - 1参照)
図-1の横断図にみ るように,左岸側 には横浜市道関
横浜 (
支)
元町 (
出)主任
2.
0m)が同時に新設される。
連街路山下長津田線 (
幅員 2
本社土木設計部
右岸側では,ほ ゝ
ナ
現状の ままで民地か ら4-8mの位置
本社土木設計部係長
56
西 松建 設 技報 VOL 4
連続地中壁の設計と施工
2
8.
9
2
3
5.
9
0
1
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0
0
0 6
0
06
0
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0
0
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0
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0
01
三
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…
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計画河床 -4,
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管矢板
三
党
茶
河環
筒碁も
3 毒i ≧ 葺育皇‡ i i i
連続 地 中望蔓る
笈
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t
I I
l
0
き i 葺 i 皇
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く
√
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、
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∴
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〉 壬
∼
勺一
場目深I
図 - 1 P1
6
橋脚 相
秦- 1
に高速道路橋倣物言
新設される.
堀川の川幅は,現在一定 していないが,本工事で高速
遺路の基礎 と同時に護岸 も改修されることにな り,川幅
小
J
二
事名称
は2
8m∼3
0mに統一され ることになる。新設す る護岸の
法線は,左岸側では,ほ ゞ現在ある護岸の躯体 と重なる
企 業 先
十l
J
岬1
問
ため,現護岸は大部分撤去す ることになる。
1二
串敷設
分 は,橋脚 P12- P1
8
の 7基及び延長1
83mの護岸である。
なお,工事概要を,義- 1に示す。
設
計
容
肖
一
都
高
速
退路
浜羽
排
煙i
L
E
線
Ⅰ
期
工
率
Y1
2
5
二
に
区(
そ横
の1
)
高
架
橋p
f
JⅠ
;
構
造
新
設工解(
その1)
及び(
受託)
堀川筋讃岸新設¶二
番
首部i
r
.
?
,
J
;
速道路公【
I
.
3
神奈川建設局
自 f
】
獅t
ほ3
年1
0月 7u 至 昭和5
4
年1
0月 1日
連続地中壁
上記工事の うち,連続地中壁が本体構造物 に採用され
たのは,左岸橋脚基礎 と左岸護岸工事である。当社施工
内
目
1
二事概要
躯
体
橋
脚工
二
L
滋岸
連続地中壁
矧 字8
0
c
mX3
9
2
5m'
(
3
5
エレメント)
(
コンクt
)-ト2441m
3
、
鉄筋380t)
コンクt
)-ト1409m,
、
鉄筋183t
壁輝1
0
0
c
mX5
0
2m壬
(7エレメント
)
壁蝉120cmX1952m‡(
2
3
エレメント)
(
コンク1
)-ト2900m3
、
鉄筋328t)
擁
壁 コンクリート270m
3
、
鉄筋11t
三和姓設コンサルタント
㈱及び大日本コンサルタント
㈱
§3.地質概要
施工地点の堀川は,山下低地 (
大岡川低地) と呼ばれ
る沖棟低地を流れる大岡川派川の感潮潮 目である.
d
l
l
T
層 に属す る砂混 じりシル
堀川の河床表面には,桜j
ト・シル ト混 じり寿
酢少及び砂標な どの堆積がみ られ, そ
の下層には,支持層 となる第 3紀の固結 シル ト層 (
土丹
堰,上総層群)が掌 く分布 している。施工地点の地質縦
降水圧 を示すこと等であ る。なお,支持層 となる土丹層
断図を図 -2に示す。
の土質粋 性は,表 -2の とお りである。
当地域の土丹層の特徴 としては,土丹層の中に細砂層
∼中砂層を植物根状あ るいはレンフ
q犬にはさんでいるこ
と, また,ヰ
酎姉 別犬の砂層は被庄滞水屑 と逢っている箇
所が多 く,静7
帳 より1.
Ot
f
/m2
-1.
5
t
f
/m2
程 度 高 い間
§4.基礎構造の選定
高架橋橋脚の劫 楚型式は,つぎのような制約条件を考
慮 して選定 された。
57
西松王
室設 技 報 VOL 4
連続地 中壁の設計 と施工
L井層の L質特性
秦- 2
∃ 土質特性
・
j
裾を
:
体積垂範 γ (tf
/m
3
)
土粒 .
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比荻 Gs
内
問
飽
2.
6
5-2.
75
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揮
和
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1
6
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%)
≡
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8
6-l
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自然 含水比 u
, (
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L
塑 性 指
容
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:
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深部)
射 ヒ部)∼
写薬 - 1 現場状 況
p+5,
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≡u
∃
l
図 -2 土質縦断図
① 施工地点が,いわゆる渇水期施工の河川であ り,
ソン基礎,及び連続地中壁基礎である。直捉 封建,杭基
渇水期の 7ケ月に完了させ るという急速施工が要求
礎 については,基礎の形状が大 きく, スペース的に不可
されたこと。
能であることや,床付以深 までの締切鋼矢板の打設が不
② 何党 が繁華街であ り,低公害工法 に限定されたこ
とo
③ 基経の形状が,河川側,護岸側 ともに場所的な制
約を受 けたこと。
④
土丹層の起伏がはげ しく,土丹激 変が浅 い ところ
ン基礎の場合は,渇水期施工 という工期的な欠点 と,煤
育,ブロー等の問題があったO
そこで, クローズアップされたのが連続地中壁劫 葦で
あ り,上記の① ∼④ の条件 を満足する基経型式であるこ
は,基礎を硬 い土丹層 にかな り挿入させなければな
とが確認 された。た
らないこと。
造物 としての色彩が強 く,橋脚基礎 という本体構造物 に
検討 した基礎型式は,通常の直接基礎,杭基経,ケ58
可能であること等が理由で検言
躯寸象外 とされた。ケー ソ
ゞし,従来の連続地中壁 は,仮設構
採用す るには,施工精風 品質管理等 に充分留意の うえ
西 松主
要設 子
支報 VOL 4
施工す るこ とが必須条件であった。
§5.設計
ここで は,連続地 中壁基礎 を設計す る場合の,基本的
な考 え方 を述べ,本工事で採用 された設計手法 を紹介す
連 続地 中壁 の設 計 と施 工
(
3) 水平断面の計算方法
連続地 中壁 の水平断面の応力計算 を行 う場合,エ レメ
ン ト間の継手構造 と内部土の抵抗 を如何 に評価す るかが
重要 な問題であ る。
継手部 は, その構造 によ り, ヒンジあ るいは剛結 と仮
る。
定 して,応 力計算 を行 う必要があ る。 この とき,継手部
5-1 設計上の基本的な考 え方
の強度 につ いて も, その構造 と施工精度 に応 じて,1 扱
連続 地 中壁基礎 とケー ソン基礎及び矢板式基礎の設計
上の考 え方が異 なる点 を整理す る と,つ ぎの 3点に集約
で きる。
部 よ り低減す るこ とも考 えられ る。
また,内部土の抵抗 については, 当然期待で きるもの
であ るが,計算 に考慮す る場合の条件設定がむつか しい。
地盤 と連続地中壁 の密着性 が,ケー ソン基経や矢
以上述べた ように,連続地中壁基礎の設計 には, まだ
板式基礎 とは異 な るため,支持 力に対す る考 え方 に
まだ 不確定要素が多 く,今後の研究 に負 うところが多々
差異が生ず る。
あ ると思 われ る。
①
②
平面的閉合断面基礎 において,施 工ジ ョイン トが
生 じるため, ケー ソン基礎や矢板式基礎 とは,断面
剛性が異 なる。
③
水平断面の応力計算 において,開合断面 内部 に地
山の土があ るこ とや,上記の施工 ジ ョイン トが存在
5-2
本工事の設計方法
本工事の設計 は,前記 コンサルタン トが行 ったが, そ
の内容 を紹介す る。
本設計の基本方針 は,つ ぎの とお りであ る。
①
基礎の安定計算 は,矢板式劫 産に準 じ,弾性床上
す るこ とによ り, ケー ソン基礎 とは,水平断面に対
の染部材 として取扱 う。 したがって,周面の摩擦 力
す る計算手法が異 なる。
による抵抗 は重税見す るO
以下 に,連続地 中壁基礎の設計上の基本的 な考 え方 を,
(
∋(
む③ に関 して説明す る。
(
参 安定計算 における断面剛性の低減方法 は了矢板式
矢板式基礎研究委員会)に
基経の設計 と施 工指 針 」 (
(
1
)支持 力
おいて採用 してい る,合成効率 〃 とい う考 え方 に基
ケー ソン基礎の場合,施工時 に周辺地盤 を緩 めるこ と
づ いている。合成効率 〃は,基礎の合成効果 を示す
早, フ リクシ ョンカ ッ トを設 けた場合 は,地盤 とケ- ソ
指標であ り,継手構造が,完 全剛 結 の場合 は 〃 -
ン躯体 間 に,間隙が生 じる場合があ る。 したがって,原
0,完全 自由の場合 は 〃-0とな る。
1.
則 として,周面摩擦 力は期待せず,鉛直荷重 は,すべて
た とえば,図 -3の断面を有す る基経の Ⅹ-Ⅹ軸 に
ケー ソン底面で支持 させ る。 この とき,底面の全面積 が
関す る断面 2次モーメン トは
有効であ る と考 える。
一方,矢板式;
財産及び連続地中壁基礎の場合 は,摩擦
Ix
4
4
-1
∑
I
.
+p
∑Al
2
1
l
-1 y1
支持 と底面支持の複合支持 を考 える。 た ゞし,底面支持
となる。
については,外周 と内周間の面積 のみを有効 と考 えてい
ここに,
z
l;i番 目のブ ロックのⅩx
軸 に関す る断 面2
る。
(
2) 断面剛性
連続地中壁 の場合,基礎の鉛直方向の剛性 は,つ ぎの
要素 によ り変化す ると考 えられ る。
①
ェ レメン ト間の継手構造
(
参 周囲の地盤条件
③
連続地 中壁 と項版 との接合方法
これ らの条件 を考慮 して,的確 に断面剛性 の低下 を細 雨
す るこ とは,現段階で は不可能であ り,今後の研究 を得
たねばな らない。
ケー ソン基礎では, い うまで もな く,断面剛性の低下
は考 えない。 また矢板式基礎で は継手構造 によ り,断面
剛性 の低Tの割合 を決 めている。
図-3 基礎の断面2次モー メン ト算定時のブ ロック
割
59
西松建設技報 VOL 4
連続地 中壁 の設計 と施工
次モーメン ト
A,
;i番 目のブロックの断面積
y,
;
〝
′
′
基礎中心軸 よ りの距離
l
m/
】r
X
\
j
〃 ;継手の合成効率
i
本設計では,合成効率 〃を決定す るにあた り, 〟
l
-1.
0の場合 と,安全側の 〃-0.
5の場合 について,
断面力及び変位 を試算 している。 その結果,両者の
ゝ
差は,3%程度で あ り,安全側 の値 を採 用 して,
〃
読
-0.
5を基本 とし,
土丹層に連続地中壁が半分以上
根入されている場合には,〟-0.
75を採用 している。
D1
D1
99
断面計算は,ケーソンの設計に準 じて行っている。
ただ し,継手部は, ヒンジ構造 として取扱い,
面 水 外
断
③
/Dl
Di
9
g
D2
DI
5
G
寸法や許容応力度の低減は考 えていない。 また,
乎断面の内部の土の抵抗は期待で きるもの とし,
1
6
/\
D
Dl
I
G
g
D
面 と同 じバネ定数を使用 している。
④ 軸方向鉄筋は,つぎの手順 によ り決定 している。
r
l
/
シ
ー
★■
′
T
まず,水平阻簡i
の短辺 と長辺の比 を一定にして,令
Dl
g
D1
6
t
成効率 pを考慮 した断面 2次モーメン トを有す る継
D
D
D
2
1
2
5
6
2
0c
m)を算定す る (
図
手のない換算断面 (
有効厚 さ7
図 -5
-4(
b)
)
0
標準 配筋 図
(P i
s)
つぎに, この換算断面を用いて配筋計算を行い,所
図-4(
a)
の有効断面)を対
要鉄筋量 をもとの断面 (
〟-1
.
0の場
象 として配筋す る。なお,照査 として,
参考 として,東北新幹線の飯塚孝
抗豊架遺橋の連続地中
壁基 礎 と本工事の基経の比較表 を表 - 3に示す。
a)
の有効断面で継手のない場合に,上記
合,図 -4(
o
・
r
-o
TI
o
/
Iなる算定式
配筋による応力計算を行い,o
により,合成効率 〃なるときの応力度が許容応力度
表 - 3 連続地車 珪基礎比較 衣
川川L
L:文献 9)の ・
部 を修E
E
t
.
)
の範囲に入っているか どうかを確認 している。
80
0
0
警
工
卜
匝
8
C
.
D
か
ヨ
1
斬i
g
l
a) 公称斬面及び考壬
j
J
折面
ミb) 浪 繁
二
一日 .
い.
や
a
4
40
L
"図
-4
換 算断面計算例
㌻ -描
-
18
ここで,
o
T
o
,
I
oは p-1.
0の ときの応力度および断面
2次モーメン ト, 0
.
,Iは N-0.
5(
あ るい は p0.
75)の ときの応力度及び断面 2次モーメン トであ
る。
⑤
連続地中壁の長手壁の断面が不足する場合は,隔
壁 を設 けているが,壁 と剛結す ることが施工上不可
能であ り, ヒンジ構造 としている。
以上の計算手法 に基づ き決定された代表的な配筋図を
図 -5に示す。
60
飯塚街道架遺橋基礎では,継手構造は,剛結であ り,
0を採 用 している。た ゞし,継手
継手の合成効率 〃-1.
部の許容応力度は,曲げ応力及びせん断応力に対 してそ
0% 及び8
0% に低減 している。なお,設計方法
れぞれ6
西松 建設技 輯 VOL 4
連 続地 中壁 の 設計 と施 工
≡-1・
': .
:こ
;
・
r
∴ ・I-、i
J
i
\
\ r
L
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3イ トウ キ--∫
レ
≡
i
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[-3
80X1
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3x2
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4
00×400X1
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三三
享/
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二王 ど こ/
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1
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餐
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簿
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弓
≡
0
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0
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I
弓
≡
∃、
菜
r
t
J
や
烹
I
i
H
_
主
}-
一
一
∴
m
W
+
//
/
A
l
,
/
八′
/
/
八:
//
図-6 仮 設断 面 図
の詳細については,参考文献 4) 5) を参照されたい。
§6.施工
施工地点は堀川内であ り,仮設桟橋 と仮締切の設置,
土留鋼矢板の打設,既設護岸の撤去 ・埋戻 し・ガイドウ
ォール築造等の準備作業があった。渇水期施工の為工程
短縮 を目的 として,連続地中壁面 をそのまま護岸面に利
用す る為,連続地中壁天端をT.
P.
十1.
2として,連続地
中壁完了後,た ゞちにガイドウォール撤去,二重締切及
び桟橋撤去がで きるようにしたO また,現護岸撤去後の
施
連続地中壁 工部の埋戻 しは,地下水位以下でガイ ドウ
し
.
-
_
ォールの士
腰 丈力を満足する埋戻 しが施工で きない為セ
メン ト系地盤改良材で改良をおこなった。
ここでは,連続地中盤の施工に焦点をしぼ り,説明す
る (
図 -6参照)
0
6- 1 橋脚基礎の施工
橋脚基経の掘削には,低公 性 に者 目し,回転多軸式
害
図-7 t
L
.
l
転 多軸式 BW掘削機
掘削機 BW5
5
8
0を使用 した (
図- 7,写真
写真 -2参照 )0
BW55
80の 1回の掘削長 (
公称掘削長 2.
7
20m 有効掘
削長 1.
920m) を考慮 して,エ レメン ト割 と施ココ憤序 を
0m∼2
6.
0l
T
l
で壁厚は8
0
決定 した。なお,掘削深度は8.
c
mである。
(
1) エ レメン ト割
エ レメン ト割は,図-8に示す とお り, 5エ レメン ト
とした。
(
2)施工手順
施工手 順 を図-9に示すO
回転 多軸 式 BW掘 削機
81
西松建設 技 報 VOL 4
連続地 中壁の設計 と施工
図- 8 橋脚基礎及び.
勘L
f
'
・
エレメン ト割 図
4 2
)⊥L
/メ / トコ/ク リ卜7
3
TI L
,メ ノ トJZ
T
t工i
ノメ / ㍗
ノ
∫
盲に レ て'
t
u
き2那 写り
I TJ工 レメ / L 等f
'
j〕-i
こ ノ/ 那 チ
エノ Lフ L
/-
レメン トに関 して も② ェ レメン トと同様である。
つぎに,エ レメン ト端部にジョイン トボ ックス (
図-
1
0-図-1
2
,写真 -3参照)を連込み,ジョイン トボ ッ
n ノキ ンク
クス中央の溝 に沿って,鉄筋かごを建込んだ。鉄筋かご
の建込み精度は, ジョイン トボ ックスの連込み精度 によ
るので,施工にあたっては, トランシットで垂直精度 を
0
確認 しつつ,慎重 におこなった。なお,掘削時の壁厚 8
2 (l
jエレメ ン トコ ンク リ - 卜汀設
5 漆工L
/メ ン ト吉
尾弧 譜 琵 ;
r
采
エ レメ ン トは施工 すみ
⑤ エ レメ ン トも同軌 こして施 =
r
j ソキ ンクパ イ プ
c
mに対 して,鉄筋のかぶ りを20c
mとしたこと,各エ レメ
ン トの鉄筋かごを形鋼 によ り補強 したことなどによ り,
鉄筋かごの建込みは,比較的スムースに施工で きた。
ジョイン トボ ックス背後 には, コンクリー ト打設輝の
側圧 を考慮 して, ロッキングパイプ 2本を連込んだ。
T
,
3
1
t
l
l
3
2
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-レメ ノ
8
0
0
.4
O
Ot
8
00
l
先行 エ レメ ン ト
ト 琶ヨ
H{5r
享
j
◆
F
Jり
穣 =
L
,メ
ン
ト
」
:
5
IJ
工 レメ
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二 ∴
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姓t.+仕切 号
室,
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F
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.
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C
∴
り
√
図-9 施 工丁
・
順図
JW
桝「
W y′
′
79m
::
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:W
:":
'
W
○p
l
/
キンクパイプが0
0
×1
6
1)① ェ レメン トの施工
① ェ レメン トの掘削は,2回掘 りとした。
すなわち,① -1を先行掘 りし,① -2の掘削時は, ど
ットが3-1の方向に逃げる傾向を示 したが,荷重を制
限 し,慎重 に掘削 した。
① ェ レメン トのコンクリー ト仕上 り長は,@,③ ェ レ
メン ト-の食いこみを考慮 して,正規寸法 よ り若 干短 く
Lt
J.エ レメン ト端部は, ロッキングパイプ及び砕石 を
設置 し, コンクリー トの側圧 に抵抗 させた0
2)② ,③ ェ レメン トの施工
長手方向の②,③ ェ レメン トの掘削は, 5回掘 りとし
た。すなわち,② -1,② -2,② -3を先行掘 りとL,
② -4,② -5をラッフ閣 別 してt
LLげた。なお,③ エ
62
∵
ンぎ
シ ヨイ ン トホ ソクス郡芸
蔓も
5
3
図-l
l ②,
(
動エ レメン ト端部詳細=
叫
i
西卓
公建 設 技 報 VOL 4
連 続 地 中壁 の設 計 と施 工
図 -1
2 ジョイン トボ ックス
写衷 - 4 橋 田基礎②.
③ェ レメン ト鉄筋かごの建込み
3)④ ,⑤ ェ レメン トの施工
側壁の④,⑤ ェ レメン トの掘削ず りが ヒンジ筋周辺 に
堆積 しないように, ヒンジ鉄筋をジョイン トボ ックスで
防護 した。
④,(
彰エ レメン斗の鉄筋かごはコ型であ り, 1体 に組
L上無薫が あ り,水平方向及び上
んで吊込むことは,施二
下方向 にそれぞれ 2う滑 j
,計 4分割 して,継 ぎ足 しなが
t
L
I
t
i
二
図及び鉄筋かごの建込み順序 を図
ら建込んだ。鉄筋糸
-1
4に示す。
(
畝 ⑤ ェ レメン トの ヒンジ鉄筋は,先行エ レメン ト②i
写真 -3 ジョイン トボ ックス
③ が終了 してか ら,1週間 ∼1ヶ月 も泥7
回I
に放置 され
た ま ゝの状態であった。 したがって, ヒンジ鉄筋内にス
ライムがかな り堆積 しているもの と推定 された。 そこで,
ジョイン トボ ックスを引 き抜 いたあ と,鉄筋かごの建込
みに先だち, ヒンジ鉄筋に沿って3
〝
鉄管 を,泥水 を噴出
させなが ら下 げていき, ヒンジ筋肉に滞留 しているスラ
イムを噴 きとば した。
また,④ (
参エ レメン トの トレミー管は,配筋の関係上
2ヶ所 しか設置で きず,間隔が3.
7m になった。 この 2
本の トレ ミー管だ けで スライム処理 をす ることは問題で
」 皿
あ り,鉄筋かこ;下端 に,有礼ガス管 (1
"
) を全長 にわた
」
図 -1
3 スラ イム処Jlli方法
スライム処理 は, コンクリー ト打 設用 の トレ ミー管
(¢2
0c
m) 2本 を利用 した。すなわち, 1本の トレミー
管を泥水ポンプに接続 し,泥水を亨L底 目がけて噴射 させ,
もう 1本の トレミー管で,舞 い上 ったスライムを排泥す
3
参照)0
る方法 を採用 した (
図 -1
り配置 Lでお き,エアを噴射 させて トレミー管で排泥 を
おこなった。 コンクリー トは, セ ッ トした 2本の トレミ
ー管で打設 した。
(
3) 安定液
安定液の配合 を決定す るにあた り,つ ぎの事項 を考慮
した。
①
地下水位 にば らつ きがあるが,H.
W.
L+1
,
0
0
0と
63
連続地 中壁の設計 と施工
西,
f
公建設 妓報 VOL 4
・
主 jL)ul)i
=ついては左
(
か くIの71
主
要込 み
② (Iの士)
手
蔓照
琵
与票
羊 上 下 はェ L
取 下i
W
蓬 (I)淫込み
窮 か こ を示 す
④ 川 の下)竣込み
∴
⑤i
l
l
の
上
、
i
婁
弦
笹 川 )
淫込み
⑦ 目 指 所定位苫i
=重
量憲
⑧ 川 )を所定位賃に設賃
露
麿
層
図-1
4 鉄 筋 カ ゴ C/
)建 込 み 順 J
tl:
同水位 と考えた場合,水頭 差が確保で きること。
② 堀川が感潮河川であるため,耐塩 性であること。
③
都嗣 汀
川特有の化学成分に対 して,劣化 Lないこ
と。
④
発/
iI
スライムが少ないこと。
種々の試験の結果,孔壁の安定を第 1と考え,④ の条
件は必ず しも満足するものでないが,つぎの配合 とした。
)
ベン トナイ ト (
クニゲルVl
5.
0%
嚇 占
剤 CMC(
テルセローズTEF) 0.
5%
分散剤 (
テルフロー C)
0.
2%
比重は1.
0
3-1.
0
5
, フアンわ レ
相 性2
7-3
0
秒,脱水
量 8C
.
C
▲
,pH8-1
0であった。
(
4) 施ユニ
楕度
油 元 ユ ニ
掘削精度 (
水平誤差/深度)
の 目標は,
1
/
3
0
0であるが,今
他
回の実績は表 -4の とお りであった。 目標 に達 していな
いエレメン トが 6エ レメン トあったが,掘削途上で, こ
の原図を追求 し,次の対第を施 した。
① 障害物 (
松杭や聞知石など)が ビットに当った と
ッ ト仕 様
r
l
.
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J
事
H
メ- ン
1
4
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1
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08
1
)-ルF
Hモ- クー
タ ン ク 容 !
ー
思われる時は,無鞘 をして掘削を続行 しないで, ど
1
箪書物の撤去を
ットを引き揚げ,グラフ㌧ け ットで
おこなった。
② 掘削機のず り揚げパイプ (
6'
′
) に玉石がたびたび
i
淵 \
諦 形J
\ぺt聖
A 例時 シェル外
つまり,掘削機の上げ下げが 多かったが,サクショ
C 一
柳i
Y
:
シェル外
\
ンパイプを8℃ してか ら,つまり少な くな り,スム
ースに掘削で きた。
B
8
0
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1
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1
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M
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今
l
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,
'
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7
0
0
07
0
0
07
0
0
0
③ 地層の境界線の起伏がはげ しく, この境界付近の
掘削には,ビット荷重を極力制限 し,慎重に掘削 し
た。
64
図 -1
5 真砂i
帖 ÷ロ ン グ バ ケ ッ ト
連続地 中壁の設計 と施工
西 松 建設技 章
転VOL 4
表-4
連続地中 壁紬 l
川鉛l
桐 制空
l
JJ
r 」1
-1
エ レ メン ト/
(
I
称
._
l
'1
2-I
2
F
1
4,
0
0
0i405を4
5
5…
巨21,
0
0
0 405を4
2
5
-5
0 ≡2
7
0ミ5
3
3
-2
0
賀
213
1
/130
60
∼ 1/700
3
≡21,
0
0
0 45
2∼3
9
8三
5
4
0
4
弓21,
5
0
0毒41
0∃4
2
0
8
0
90
5
と2
0,
0
0
0
41
178
≧ 1/247
64
i 1/656
40
1/700
-6
0
90
1/467
-1
70
220
を 1/191
-1
1
0
130
1/323
p1
3
-1
P1
41
4
2
3
0 ≦3
7
0I
4
6
0
1
9
2 14
8
0…3
4
3
2
2,
0
0
0;3
43≡48
0; -1
3
7 ≧435
4
0
0〉
測
J
,
上
ィ
、
測
'
J
i
J
l
i
0…45
0i - 3
0 弓3
9
01
4
6
0∈
∃1
4,
0
0
0 42
45
0 45
0≦
0 3
3
0号5
0
0…
0
0
0ぎ43
0妻40
0
4
0
0≧
4
6
0…
0∋40
0弓
5
0 …3
3
0≒
5
0
01
≧21,
0
0
0 45
41
0;
2
0 3
7
0∃
4
8
0…
2 i4
0
5
1
2,
0
0
0uO5H 4
7 -4
…2
0,
00
0≡405∃44
6
-1
05
i
63
1 1/380
-160
≧
119
2 1/336
イ
く
能
測
2
1/α
i 1/477
33き3
4
1き
き1
4,
0
0
0 5
6書434 …
弓434 弓
26,000 ≦416
壬26,000
41
435 真
4
∃26,000
5
E26,000 E447 …403
/
t
能
能
-7
0
-1
7
0
6
438 1412 を
6-2
-2
6
3
1
0
5
2
-
1
/
4
9
5
18
-
18
-
37
44
護岸の施工
3
8
2喜
6
9
喜4
3
針4
1
2喜
2
6
8
7 ≡1
/5
9
8
3
7 ≡1
/1,
4
0
5
1
8 !1
/
2,
8
8
8
ケ ッ トMHL801
2
0(
図-1
5)を使用 Lた。先行エ レメ
,
ェ レメン ト割 については,図 -8に示す とお りであっ
ン トは ①③ ェ レメン トとし,②④ を後続エ レメン トと
01
2
0
た。使用 した掘削機 は,③ エ レメン ト以外 は,BW8
Lた。 なお,エ レメン ト嫁部 は, 図-1
6の ような構造 を
(
図- 7)
,③ ェ レメン トに対 しては,真砂油圧 ロングバ
採用 Lた。
65
西松建設 i
支報 VOL 4
連続地 中壁の設計 と施工
結構造が採用されている(
秦 -3参照)
。今後,さらに継
手構造が研究 ・開発され,施工性 にす ぐれた,より確実
な剛結構造継手を有す る連続地中壁基礎が採用されてい
くであろう 0
7-4 安定液
連続地中壁基礎の掘削孔 には,平面的にL型,T型十
字型等の部分が/
_
t
三
ずる日
用錯 三
がある。 したがって,才し
壁
を保持するためのさらに高度の技術が必要 となる。 また,
本体構造物の基経 としては, スライムの発/
i
・
I
を極力抑 え
る必要がある。 これらの条件を満足する安定液の研究 ・
開発が重要な課題 となろう。
§8.あ とが き
首都 高速道路の高架橋で採用された連続地中壁基礎に
ついて,設計 ・施工面か ら, その概要を説明 し,今後の
課題について述べてきた。
i
誕生の連壁地中壁の研究 ・開発には,すさまじい もの
J
5
で
一
一
l
i
O
1
ナ
■
-
一「
卜-
i)
OO iも
j
Of
ヲ
-
)
I
図 -1
6 護;
'工
があ り, それだけ剥二
会的なニーズにマ ッチ Lた二
l
二
法であ
るといえる。いままで,仮設構造物 としては,有力な工
法であった連続地 壁が,本体構造 としても脚光をあび
中
連続地[
恒1
.
8
.
C
/
)エ レメン ト端部
は じめ,今後 ます ます多方面に利用されてい く傾向にあ
る。た とえば,地下貯 蔵タンク側壁,護岸, ドックて
則壁,
§7.連続地 中壁基礎の今後の課題
換気口,重要構造物基礎,地下格納庫など列記すればい
今回の連続地中壁基礎の施二
日二あた り, 試行錯誤的な
とまがない。当社 においでも,連続地中壁の研究 ・開発
面 もあったが,無事,工事は終 rした。 しか し,問題点
が進められてお り,当社独自の手法が開発されつ ゝある
や改良点が多々あることを痛感 した。
が,本 報告書が開発の一助 となれば望外の幸せである。
ここでは,今回の工事をふ りかえり,設計 ・施工両面
か ら,連続地中壁基礎の今後の課題について述べ る。
7-1 設計方法
§5で述 べた とお り,設計方法 については, まだ確立
最後に,御時評錘r
J
鞭達いただいた首都高速道路公団の
関係各位 と本支店の関係職員に謝意を表する次第である。
参考文献
1)矢板式基礎研究委員会 ;矢板式基礎の設計 と施工指
針, 昭和 4
7
年1月
された ものがない。今後,訊険等により,不明な点を解
明 し,よ り合理的な設計法の確立が望 まれる。
2)渡辺 健
7-2 掘削精度
地下連続蟹工法,
総合土木研究所,昭和5
2
年
連続地中壁の掘削における掘削機の姿勢制御は,BW
機の有する制御機構により,ある程度は,効果的であっ
3)玉置 修
たが,やは り,掘削機運転員の高度な熟練度 にたよる面
;本体 構造物 として利用する地
下連続壁,地下連続壁工法,
が多かった。今後,連続地中壁基礎が幅広 く普及 してい
くためには,掘削精度を管理す る総合的な制 御装置の開
;地下連続壁工法の現況 と展望,
総合土木研究所, 昭和5
2
年
4)岩 田敏雄,封土生而,平野烹 ;地下連続壁工法によ
発や,大i
級 の LNG地下タンクの建設等で開発されて
る鉄道橋基礎,鉄道土木,
いる掘削手法 (
先行ボ- 1
)ングにより,掘削機の案内ガ
1
9
7
9.
l
l
イ ドを設置す る方法)の導入が必要であると思われる。
7-3 継手構造
エ レメン ト間の継手は,基礎の剛性を高めるためには,
5)海野隆哉
;連続地中壁を用いた函型剛体
基経,土木学会言
,
志
,1
9
8
0.
4
6)坂本貞雄,小笹太郎 ;わが国における技術開発例,
剛結構造が望 ましいことはいうまで もない。本工事に引
地下連続壁基礎,土木学会誌
き続いて施工された東北新幹線飯坂街道架遺橋では,剛
1
9
8
0.
8
66
連続地中壁の設計 と施工
西松 建 設 技 輔 VOL 4
7)板垣秀克
;首都 高速横羽線 Ⅰ
Ⅰ
期堀川 筋
に
お け る地下連続壁 の本体利用,
基経 工,1
98
0.
6
8)大植英亮, 中村 兵次
;地下連続壁 を基礎 として用 い
る場合の利用方法 と問題点,
基経 工,1
9
8
0,
6
9)中村,鈴木
;地下連続壁基礎 を用 いたケー
ソンの封1
鼠 橋梁 と基線,
8
08
1
0
)門田睦雄 ・羽 田 稔 ;格子状地下連続壁 の施工,逮
98
0.
1
0
設の機 械化,1
67