第 69 号担当：3･4 年夜行観覧車湊かなえ双葉社 913.6/Mi39 憧れの高級住宅地に一軒家を建てた遠藤真弓。家族と幸せな生活を送ろうと夢見ていたが家族は崩壊。そんなある夜、向かいの幸せそうだった高橋家で殺人事件が起こる。その夜起こった事件の真相がいろんな人々の目線から次第に明らかになっていきます。どんな感情を持っていても家族であることに変わりない…。ミステリーですが、家族の物語です。この本を手に取り、一度あなたも自分の家族と向き合ってみてはいかがでしょうか。菊宇宙のみなしご森絵都 M.W. 講談社 913.6/Mo45 ある時を境に、リンと陽子は夜に屋根に登るという新たな遊びを見つけます。しかし、そのことがきっかけで友達が登校拒否、部活に来ないと問題が起こってしまいますが、屋根登りは続けることは出来るのでしょうか。屋根に登ることは危険ですが、登りきった時の美しさや、まるで夜を 1 人じめできたように感じたため、やめられなかったのかなと感じました。菫カシオペアの丘で上･下重松清 M.S. 講談社 913.6/S/1～2 子どもの頃の夢を持ったまま大人になれる人は、何人いるのでしょう。きっと誰もが良い意味でも悪い意味でも大人になっていってしまいます。夜空を見上げ、子供心に惑星探査機を探していた主人公 4 人も同じです。ふるさとを離れ、成長し、それぞれの傷を作り、そしてふるさとに帰ってきた大人達のお話。あなたが過去と向き合えなくなった時、この本はきっと大事なことを教えてくれます。カシオペアの丘で、彼らが待っています。菫 M.T. 1 夜の神話たつみや章講談社 913.6/T 少年マサミチはある時、神様の力によって虫や木の声が聞こえるようになります。そんな中発生した原発事故。多くの経験から、命の大切さや欲について学んでいきます。人間は進んだ知識や技術を利用して生活を楽にしようとしてきました。しかし楽をすればするほど、その代償は大きいのです。人間が造り出した物が自然に勝ることはありません。日本が大きく変わろうとしている今、改めて一人一人の意識の大切さに気付かされる本です。水仙 N.N. 夏を拾いに森浩美双葉社 913.6/M 夜、塾から帰った息子へと話した 40 年前の話。昭和 46 年の夏、幼馴染のつーやんと雄ちゃんと一緒に不発弾を探していた“僕”はその中で高学年のやっかみ、親子の本心、友人とのケンカなどに巻き込まれていきます。この本を初めて読んだ時は妙に現実感があり、本当にあった事なのではと思いました。40 年の歳月は町を様変わりさせ、夜の風景も変わりそれは寂しさを感じます。父が今の息子へと語る夏の日を貴方も覗いてみませんか。水仙 M.M. 月の影影の海上･下小野不由美講談社 913.6/O/1~2 生来、燃えるような赤髪を持つ陽子は、ここ一月ほど、嫌な夢をみる。漆黒の闇の中、異形の者達が自分を追いかけてくるのだ。そしてその距離はどんどん縮まっていき…。この物語は冒頭部分がとても緊張します。私は絶対にこんな夢はみたくありません。陽子の恐怖がこちらにまで伝わってくるようで、とても強くひきつけられます。夜見る夢は、明るく、楽しい夢であってほしいものですね。藤 R.H. 2 ダイイング・アイ東野圭吾光文社 913.6/H このお話は、夜のバーで働く慎介が主役の物語です。ある日、慎介は何者かに襲われてある記憶を失ってしまう。やがて慎介の前に不思議な力を持つ女性が現れる。その女性の正体とは…。慎介の記憶がよみがえっていくうちに人間の欲望が溢れ、慎介の周りの人の裏の顔が伺える本格ミステリーとなっていくのが魅力的です。この物語を読み終えた後に、題名の意味が分かりますよ。藤 A.M. トムは真夜中の庭でﾌｨﾘﾊﾟ･ﾋﾟｱｽ岩波書店 933/P31 この本は、友達がいないトムが真夜中だけ現れる庭園でヴィクトリア朝時代の少女と友達になり、毎晩庭園に通うようになるというファンタジーです。書名の通り真夜中のシーンが多く、時代も超えるシーンもあるのでとても不思議でおもしろいです。また、少女と仲良くなる内に友達のいなかったトムが明るくなり、友達もできていくので、その成長にとてもワクワクします。葵 K.U. 流星の絆東野圭吾講談社 913.6/H55 この本は三人兄弟が父と母に内緒でペルセウス座流星群を見に行こうとするところから始まります。しかし、天気はあいにくの雨…。がっかりし家に帰ると父母が殺されていたのです。さらに二男の泰輔は犯人の顔を見たと言い、話しあったすえに、かたきを取ろうとなり…。はたして、この三人兄弟はどのような手段を選ぶのか？！兄弟の絆はどうなっていくのでしょうか？！ストーリー展開が面白いので注目して読んでみてください！葵 S.S. 3 初恋彗星綾崎隼ｱｽｷｰﾒﾃﾞｨｱﾜｰｸｽ 913.6/A あなたは「愛」とは何だと思いますか。永遠に想い人から愛されることがなくても相手を想い続けることはできる。見返りを捨ててもなお、想い人を慈しむ心さえあれば、それが「愛」なのです。この物語は、ある夏の「夜」にかわした約束からはじまった四人の少年少女たちの成長と共に複雑にからみあっていくそれぞれの「想い」と「すれちがい」が生みだしたあまりにも切ない恋愛ミステリーです。 4A Y.S. 名景世界遺産夜景編出原速夫ﾊﾟｲｲﾝﾀｰﾅｼｮﾅﾙ 709/M みなさんは、世界遺産を訪れたことはありますか。この本には様々な世界遺産の夜景が短い説明とともに載っています。夜の黒い空に映える自然や古代からある建物、現代の建物の人工的な光が載っていて、昼間とは一味違う景色が見えます。もちろん日本のものも載っていて、とても幻想的な世界が広がっています。誰もが知っているところも「夜」というだけで、とても幻想的で違った景色が見つけられます。 4A A.F. おやすみなさいおつきさまﾏｰｶﾞﾚｯﾄ･ﾜｲｽﾞ･ﾌﾞﾗｳﾝ評論社 E/B この絵本は、うさぎの女の子がベッドに入って寝るまで、部屋の中のあらゆる物や動物たちに「おやすみなさい」を言っていく、という内容です。絵がとても可愛くて、あたたかみのある色なので、読んでいて気持ちがほっこりします。また、ページをめくっていく度に、だんだんと色が暗くなり、夜が更けていくところも見どころです。 4B F.S. 4 六番目の小夜子恩田陸新潮社 913.6/O 「サヨコ」、それはある高校で代々伝わっている不気味なゲーム。何者かに選出されたサヨコは、自分の存在を隠し続け、文化祭で「小夜子」という独り芝居をします。そんなゲームがある高校に、突然来た転校生津村沙世子。彼女の転校理由は自ら「サヨコ」になるため…。彼女を中心に引き起こる様々な事件によって、眩しいほどに輝く青春が夜闇のような暗黒へ染まっていきます。そんな恐怖に包まれた青春を味わってみては？ 4B M.Y. 七夜物語上・下川上弘美朝日新聞出版 913.6/Ka94/1～2 小学四年生のさよは、ある日図書館で『七夜物語』という不思議な本に出会います。その本に導かれ、同級生の仄田くんと共に、物語の世界へと迷い込んでいきます。この物語は上・下で続いていて、全部で七つの夜の世界での冒険の話になっています。最初は素直すぎてか弱かった二人が、一夜ごとに成長してゆく姿に注目です。冒険の中での二人の言葉のやりとりもおもしろいです。 4C R.O. 銀河鉄道の夜宮沢賢治岩波書店 913.6/Mi89 宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」といえば誰もが知っている作品でしょう。私たちは主人公ジョバンニとその親友カムパネルラが銀河を走る鉄道で見た、銀河ステーションや北十字、けむるようにこえている三角標の列といった幻想的で美しい光景を彼らと共に見ているような感覚を覚えます。一度読んだことのある人も、美しい月の夜にこの作品で星座めぐりの旅へ出かけてみませんか。 4C H.S. 5 夢十夜夏目漱石岩波書店 913.6/N みなさんは、夜によく夢を見ますか。私が紹介する『夢十夜』は十の夢のお話です。幻想的で現実にはありえない不思議で面白い、非日常の夢の世界が生々しく描かれていて、読み進むうちに自分が実際にその夢を見ているような気分にさせられます。一つ一つの夢のお話はとても短くて、気軽に読めるので、少しでも夢に興味を持ったらぜひ一度手に取ってみてください。 4D M.A. 輝く夜百田尚樹講談社 913.6/H 長年勤めていた会社をクビになった女性や会社の若社長に恋をする派遣社員、医師に恋するガンに侵された女性などに起こった小さな奇跡を描いた短編集です。主人公は皆何かしらの悩みを抱えていますが、クリスマスイブの夜に彼女たちに奇跡が起こります。小さくても幸せって大事だなと思えます。短編集なので気軽に読めてお勧めです。読み終えた後はきっと皆さんをほっこりと幸せな気持ちにしてくれる、そんな一冊です。 4D M.I. 新魔女図鑑角野栄子ブロンズ社 387/K 夜といえば、不思議で少し未知の世界を思い浮かべませんか？私が紹介するのは、『魔女の宅急便』の角野さんが書いたこの本です。魔女について漠然としかわからない方が多いかと思いますが、この本はすぐに読めるページ数で、イラストも沢山あるにも関わらず、とても読みごたえがあります。創作好きな方には特におすすめしたいですし、そうでなくてもワクワクしながら読めます。魔女の魔法にかかってみてはいかがですか？ 4E N.S. 6 題字：書家 H.F.先生表紙：菊裏表紙：4E M.K. K.K. カット：菊 4A M.W. ，藤 Y.S. ，4B R.H. M.Y. 印 S.S. ，菫 H.S. ，4D M.T. M.A. 刷：葵 4C 2014 年 7 月 3 日発行恵泉女学園中学･高等学校信和会図書部