第8回全国青年・女性漁業者交流大会研究・実践活動発表要旨 大田市漁業協同組合 水産研究会 宮本 章 発表題名:漁師として生きていく∼Iターン漁業者奮闘記∼ (1)活動課題選定の動機 過去に20年間遠洋漁業に従事していたが、一度船を降りて、その後9年間陸で仕事したも のの、漁師の気持ちが捨てきれなかった。 ある時、友人から日帰りの島根県の沿岸漁業の話を聞き、それが目が不自由になった妻のた めにも融通がきく漁業であったことから、島根県に Iターンし、再び厳しい漁師の道を選ぶ決 断をした。 (2)実践活動状況 まず組合員となるため小型底びき網漁船の乗組員になった。その後、中古漁船の購入、住居 の新築、船舶免許取得などゼロの状態から自立を成し遂げた。 自立後、様々な失敗を克服しつつ、現在はアマダイ延縄、ヨコワ(小型のマグロ)曳縄漁を 操業している。他の魚種についても講習会等に参加し、精力的に漁法を身につける努力を重ね ている。 また、Iターン者の抱える問題点を提言し、Iターン者の定着・育成を視野に入れた地域の 支援体制の確立を訴えている。 (3)活動成果および今後の活動計画 [活動成果] ・ 自立して3年目だが他の先輩漁師にも負けず劣らずの漁業実績を残している。 ・ 水揚金額の地区内順位も年々向上し、平成14年は3位となっている。 ・ 自立後も臨時的に小型底びき網漁船を手伝い、人手不足問題の解消に貢献している。 ・ 次世代のIターン者の目標となり、Iターン者の誘致に貢献し、着業者数は以前の2倍前後 に増加している。 [今後の活動計画] ・ 講習会等で学んだヒラメ・サワラ釣りを操業スケジュールに取り入れ、経営の安定化を図 りたい。 ・ 将来的には、日本海でマグロを釣り揚げる目標を達成したい。
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