法エール Vol.79 H27.7.20 ご挨拶 先月、法人の中で大変うれしい出来事がありました。それは、法人の創業メンバー である井上勉司法書士が結婚したことです。お相手は、いつも良くしてくださってい ます方の会社の職員の方です。お付き合いをさせていただいているということは聞い ていましたし、順調に愛を育み、そして38歳少し遅咲きの結婚に結実したことは本 当に嬉しいことです。 振り返りますと、井上司法書士は、司法書士試験合格してすぐに私と出会いがあり ました。当時25歳でまだあどけなさが残る表情でした。 司法書士法の改正により平成15年4月1日から司法書士法人の設立ができるよう になり、私はその設立を希望していましたが、司法書士二人以上存在することが司法 書士法人の設立要件であったため、パートナーを探していました。日本で最初であろ うと思われる従たる事務所(支店)を設置する理由を含め、なぜ司法書士法人を設立 するのか、どのような法人を目指そうとしているのか等を語りました。独立開業する ことが常識となっていた時代の中で、司法書士法人、従たる事務所設置法人というこ れまで誰も体験したことがない職場の環境の中で司法書士業務を行っていくことに加 え、大島という人間がどんな人間なのかもよくわかっていない背景の中で、共により 良い司法制度を創っていこうと決断をした井上司法書士には改めて敬意を表したいと 思います。 そして、上司としての結婚式のスピーチを賜りましたが、論語の中の①汝、君子の 儒となれ、小人の儒となるかなかれ②徳は弧ならず必ず隣あり③仁遠からんや。我仁 欲すれば、ここに仁至る、の三つの章句を紹介させていただきました。そして、私な りの注釈をし、それぞれ①単に知識だけを求めるのではなく、司法制度をより良くし 社会のためになる人間となって欲しい、②より良い行いをしようとすると、それを妨 げる動きが出てくることがあるが、懸命にやり続けていると本日列席していただいて いる方のような支援者がでてくるので、決して孤独になることはない、③優しさを表 現しようと思えばすぐに実践できるので、いつも優しく思いやりを持って奥様ととも に幸せになって欲しい、と「剛毅朴訥仁に近し」という章句が似合う井上司法書士に 伝えました。 多くの人に支えていただきながら、法人の中に幸せを誕生させていただいたことに 感謝したいと思います。本当にありがとうございます。 それでは、今月の法エールもよろしくお願いします。 (代表社員 大島 隆広) ホームページアドレス http://www.hshsc2003.jp/ 成年後見制度の現状~平成26年の概況より~ 近 年 、高 齢 社 会 に伴 い、認 知 症 の 方 の 増 加 して いる状 況 は さま ざ ま な 場 面 で 聞 か れ るよ うにな り ま した 。認 知 症 の 方 や 知 的 ・精 神 的 障 が いの 方 の た め に、法 的 に支 援 す る制 度 とし て 「成 年 後 見 制 度 」というも の が ありま す 。 「成 年 後 見 制 度 」は 「法 定 後 見 制 度 」と「任 意 後 見 制 度 」の 2つに分 か れ ま す 。 法定後見制度・・・既に認知症など物事の判断が難しくなった方のために、代わりに契約を 結んだり、不要な契約を取り消したりする人を家庭裁判所から選んでもらう制度。 判断する能力がどれくらいあるかによって「後見」「保佐」「補助」に分かれる。 任意後見制度・・・将来自分が認知症など判断能力が低下したときに備えて「誰に」「どのよ うなことを代わりにしてもらうのか」をあらかじめ契約(任意後見契約)によっ て決めておく制度。 実際に認知症など判断能力が低下してはじめて契約の効力が発生することにな り、「任意後見人」が契約に基づいた支援を行う。(家庭裁判所に任意後見人を 支援・監督する「任意後見監督人」を選んでもらう必要あり。) 成 年 後 見 制 度 が 始 ま っ て 10年 以 上 経 過 して いま す が 、現 在 の 成 年 後 見 制 度 の 利 用 状 況 な ど について 、最 高 裁 判 所 や 法 務 省 が さま ざ ま な デ ー タを公 表 して いま す 。今 回 か ら は こ れ ら の デ ー タを挙 げ て いきな が ら 、成 年 後 見 制 度 の 現 状 について ご 説 明 いた しま す 。 な お、 参 照 資 料 は 「成 年 後 見 関 係 事 件 の 概 況 - 平 成 26年 1月 ~ 12月 - (最 高 裁 判 所 事 務 総 局 家 庭 局 )、及 び 法 務 省 HP 登 記 統 計 2014年 (14-00-71 種 類 別 成 年 後 見 登 記 の 件 数 (平 成 17年 ~ 26年 ))で す 。 ①成年後見制度の利用者数 平成26年12月末日時点における成年後見制度(後見・保佐・補助・任意後見 (監督人が選任されているもの))の利用者数は合計で184,670人です。日本 における高齢者の増加を考えると決して多い数字ではありませんが、グラフでも分か るように、毎年利用者は約1万人ほど増えています。 ホームページアドレス http://www.hshsc2003.jp/ ま た、任 意 後 見 契 約 を締 結 す ると法 務 局 において 登 記 が な され るの で す が 、平 成 26年 の 任 意 後 見 契 約 締 結 の 登 記 は 9,791件 とな っ て いま す 。こ の 任 意 後 見 契 約 も 年 々 増 加 して おり、今 年 (平 成 27年 )は 1万 件 を超 え るこ とが 予 想 され ま す 。 こ の ように、成 年 後 見 制 度 を利 用 して いる(利 用 しようとして いる)人 は 増 加 をたど っ て おり、 社 会 における成 年 後 見 制 度 の 利 用 は 徐 々 にで は ありま す が 確 実 に広 が っ て いま す 。 次回は、どのような人が成年後見制度を利用しているのか、またどのような人が成 年後見人等に選ばれているのかなどについて見ていきたいと思います。 判例紹介 ~取締役会決議が必要な重要な財産の処分~ (最高裁判所 平成6年1月20日判決) (事案の概要) X会社(資本金1憶6000万円、総資産額47億8640万円)の代表取締役A は、Yに対して、X会社が保有していたB会社の株式約12万株を、取締役会の決議 を経ず7986万円で譲渡した。 株式譲渡の翌日、Aに代わり代表取締役に就任したCは、株式譲渡は無効であると して、X会社が株主であることの確認を求めて訴えを起こした。 (裁判所の判断) 会社法362条の重要な財産の処分に該当するかどうかは、その財産の価額(価格)、 その会社の総資産に占める割合、その財産の保有目的、処分行為の態様、会社におけ る従来の取扱い等の事情を、総合的に考慮して判断すべきである。 X会社についてみると、この株式は適正時価が把握しにくく代価によってはX会社 の資産・損益に著しい影響を与えうるし、株式の譲渡はX会社の営業のため通常行わ れる取引には属さないから、重要な財産の処分にあたらないとは言えない。 さらに、X会社はB会社の発行済み株式の約8%、B会社はX会社の発行済み株式 の約18%を保有しており、株式譲渡はX会社とB会社の関係に影響を与え、X会社 にとって相当な重要性をもつとも言える。 この株式譲渡の翌日にX会社の取締役会でB会社の株式400株をY会社に譲渡す ることについて承認決議が行われたことがうかがわれ、X会社では保有株式の譲渡は 少額でも取締役会に諮っていたとみることができる。 (コメント) 会社の重要な財産の処分にあたるかどうかの判断基準が示された判例です。今回ご 紹介した判例のように株式譲渡等、重要な財産の処分にあたる場合、その承認決議を 得る必要があります。その他にも不動産売買により利益相反に該当する場合など、承 認決議を得てその記録として議事録を作成し、本店に10年間保存する必要がありま す。議事録作成やご不明な点につきましては、ぜひ私どもにご相談いただけたらと思 います。 (会社法362条) 4 取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。 一 重要な財産の処分及び譲受け(以下、省略) ホームページアドレス http://www.hshsc2003.jp/ 司法書士日記 私事ながら、先月結婚しました。これまでいろいろな方にご心配をおかけしていた ので、いい報告ができて少しホッとしています。これからも引き続きよろしくお願い します。 話しは変わりまして、今年のプロ野球、セリーグは混戦です。広島カープファンの 私 と し て は 、 な か な か 連 勝 し な い カ ー プに 、 イ ラ イ ラ し て し ま い ま す 。 黒 田 が 加 入 し、 今年は戦力が揃ったと思ったのですが、なかなか思い通りにはなりません。後半戦、 一気にカープが抜け出すことを期待している今日この頃です。 (薄場事務所 司法書士 井上勉) お知らせ ~寄り添う支援で笑顔ふたたび~ 命の絆・大切に、輝く命・永遠に 当法人は、「NPO法人身近な犯罪被害者を 支援する会」との連携を図っています。 ご質問、ご相談等ございましたら、当法人もし くは下記までご連絡ください。 TEL 096-341-8222 FAX 096-341-8333 当法人は、「一般社団法人命の尊厳を考える会」 との連携を図っています。 ご質問、ご相談等ございましたら、当法人 もしくは下記までご連絡ください。 TEL 096-337-1251 FAX 096-337-3355 当法人では、継続的な相談にも対応できるよう、顧問契約の締結を行っています。 会社・個人問いません。詳しくはお近くの事務所までお気軽にお問い合わせください。 司法書士法人ヒューマン・サポート法律支援センター 龍田事務所 〒861-8006 熊本市北区龍田3丁目32番18号 TEL:096-327-9989 FAX:096-327-9799 清水事務所 〒861-8066 熊本市北区清水亀井町16番11号 TEL:096-346-3927 FAX:096-346-4044 薄場事務所 〒861-4131 熊本市南区薄場町46番地 薄場合同ビル内 TEL:096-320-5132 FAX:096-357-5710 健軍事務所 〒861-2106 熊本市東区東野1丁目1番12号 TEL:096-360-3366 FAX:096-360-3355 ホ ー ム ペ ー ジ ア ド レ ス http://www.hshsc2003.jp/ ホームページアドレス http://www.hshsc2003.jp/
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