H22.7.24 香川を変える! 新しい福祉のかたち

香川を変える! 新しい福祉のかたち
お年寄りも、子どもも、障害のある人も、
み~んな地域で暮らそうよ~
日時:平成22年7月24日(土)14:00~16:11
場所:サンポート高松 シンボルタワー 展示場(ホール棟1階)
主催:未来の種をまく会
概要:富山型ディサービスの創始者である惣菜佳代子さんの講演と、パネルディスカッションで、
福祉のかたちについてフロアの参加者と共に考えました。惣万さんからは、
赤ちゃんからお年寄りまで、障害のある人もない人も、みんないらっしゃい。それが「この
ゆびとーまれ」
。老人だけ、障害者だけを隔離してはいけない。地域の中で、当たり前の生活を
しているだけ。赤ちゃんから老人までがいっしょにいることで、笑顔が生まれる、やりがい、
生きがい、欲求が満たされる。
戦後家庭から無くなったのは、①赤ちゃんが生まれること、②お年寄りが死ぬこと。死にが
いのある町づくりを進めましょう。
「国が君たちのために何をしてくれるかではない、君が国のために何が出来るかだ」
。日本中
の一人ひとりが、何が出来るかを考えていけば、きっと良い国になると信じています。
そんなお話を聞けました。
内容:
14:00-15:03 講演会「地域で支え合うしくみをつくろう!
・・・お年寄りも子どもも障害を持つ人も」
○講師:惣万佳代子(そうまん かよこ)さん
・NPO法人「このゆびとーまれ」理事長
・13年前に、富山で始めての民間ディケアサービス「このゆびとー
まれ」を立ち上げた。
・老人病院に入れられたお婆ちゃんの「自分の家に帰りたい」という
一言に揺り動かされた惣万さんら3人の看護師によってできた「こ
のゆびとーまれ」は、赤ん坊からお年寄りまで、障害のある人もな
い人も一緒にケアを行っている小規模多機能と呼ばれるケアハウス。
・その取り組みは「富山方式」と呼ばれ、今全国に広がっている。
○富山型ディサービスの17年
・民営ディケアハウスができあがる。
・明日オープンなのに、利用者ゼロ。これでは取材にならん。
・そんな状況のオープン前日、障害児を持つお母さんからの「面倒見てほしい」との電話。
・TV局3局、新聞社3社がこの親子の取材に殺到。
・なぜ利用しようとしたのとのインタビューに、
「この子が生まれてから3年間、美容院に行った
ことがない。パーマをかけたことがない。美容院に行きたくて」との答え。
1
・老人のためにと思って始めたことが、ニーズはそれだけではなかった。
○3人の看護婦
・看護師の仕事を辞めた3人で始めた。
○このゆびとーまれの理念「誰もが、地域で、共に暮らす」
・京都には800人の知的障害者を収容する施設がある。そんな施設を作ってはいけない。同じ
ものばかりを集めてしまっては、刺激が少ない、同じ人ばかりを集めてはいけない。
・様々な人が集う中で生きること、豊かな人間関係の中で人は育ち、喜びも大きい。一人ひとり
が輝く。
・赤ちゃんからお年寄りまで、障害児も障害者もみんないらっしゃい。それが「このゆびとーま
れ」
○画期的でも最先端でもない
・あたりまえ 当たり前の生活をしているだけ。日本の文化。
・お年寄りは赤ちゃんの顔を見ただけで笑顔がでる。この子がいるから「このゆびとーまれ」に
来ちょる。老人ばかりでは笑顔が出ん。
○秋篠宮殿下、三笠宮寛仁殿下が来た
・殿下も「共生」を考えてきた。子供から年寄り、障害者まで一緒の屋根で生活している施設が
あることを知らなかった。
・介護とか看護は二人の関係、二人が喜んでいる関係、この関係を積み重ねていくこと。
・主役はよっちゃんであり、老人。看護師が主役であってはいけない、看護師は黒子であること。
○認知症が始まった婆ちゃん Aさん 84歳 認知症(介護度2)
・リフォーム詐欺でお金が無くなる。犬猫に餌をやり、近所から迷惑がられている。
・若いあんちゃん(リフォーム詐欺)が来ると判子を押してしまう。だって、あんちゃんは優し
いんだもん。判を押したら父ちゃんの仏壇を拝んで、
「なんか困ったら連絡せぇ」と声をかけて
くれ優しい。
・食べ残った食事を猫や犬にやる。近所の人がウンチやシッコで困っとる。 → 自分は今まで
生きてくるのに、いろんな人の世話になった。犬や猫だって親がおらんで困っとる、自分の金
で犬や猫に餌を食べさせてなにが悪いか。
・新聞配達の人にも、新聞を配りにいったときに、様子がおかしくないか見てきてもらう。 →
「おばあちゃんはいつもは5時に起きるのに、今日は玄関が閉っとる」とか、
「6時から近所の
人と喧嘩しとった」とか。
・震度5の地震があった。民生委員のAさんだけがすぐに見に来てくれた。
「このゆびとーまれ」
は電話もかけてくれんかった。私のことを親身に考えてくれるのはAさんだけや。
・ヤクルトのおばさんにもお世話になっている。
2
○世界アルツハイマーの大会で 「このゆびとーまれの日常」
・「このゆびとーまれ」の写真。この認知症のお婆ちゃんと赤ちゃんの写真が展示された。
・感動して、この写真をポーランドに持ち帰られた。
・徘徊し、警察や近所に迷惑をかけ、それで「このゆびとーまれ」に来るようになった。
・昔取った杵柄、おんぶ紐を自分で使って赤ん坊を背負い、面倒がみれる。
・食べたかどうかがわからない、食べ物と食べ物でないかの区別がつかない、海苔の乾燥剤を食
べてしまった。手洗いの石鹸を食べる。財布が無くなり、お嫁さんのせいにする。そんなお婆
ちゃんなのに。
・マズローの原理 最高の欲求は「自己実現」
。自分はボケているかもしれない、自分は少し認知
症が入ったかもしれない、しかし、自分はこうやって子供の世話が出来るではないか。仕事が
出来ることで、いきいき出来る、いきいきする。
・看護されるだけ、
「危ないからじっとしとけ」
、
「危ないから外に出るな」
、
「せんでもいい、せん
でもいい」で、どんどん元気が無くなる。
○手術せんならあと半年の命や。
・ガンと闘うとなると、病院の中で閉じこもり、病院のベッドに縛られ、そんな生き方をするな
ら、治療をせずに「このゆびとーまれ」に行く。そうやって3年半生きた。
・死ぬ1週間前まで子供の世話をしながら、楽しく生活している写真。
○役所の考え
・お年寄りだけ、障害者だけに絞ってくれんか。あんたらがしようとしていることは、赤ちゃん
から年寄り、障害者まで含めている。そんなことに対応できる課、制度がない。
「補助出来ん」
と言われた。
「3つの課(制度)から、50万円ずつ補助が出せようが」と言ったがダメやった。
・3人の看護師の生活費を捻出するには、県や市の補助無しなので1時間1500円の利用料と
した。なかなか利用者が来なかった。
○お婆ちゃんに「このゆびとーまれ」が助けられ、「このゆびとーまれ」がお婆ちゃんを助け
・この写真のお婆ちゃんが「桜」になって、
「このゆびとーまれ」にいてくれ、見学や相談に来て
くれる人が出てきた。
・この婆ちゃんが倒れ、半身麻痺と失語症となって病院から帰ってきた。家に居たいこともある
ので、自宅のブザーのボタンを押すと「このゆびとーまれ」でブザーが鳴るようにした。
・8年で8回救急車で運ばれた。婆ちゃんは「もう救急車をよばんでくれ」と言われ、私は「わ
かったよ」と。
・自宅で倒れ、娘さんが救急車を呼んだ。
「何で救急車をよ呼んだか」と、娘を怒った。救急車が
来ると、救急車に乗って病院へ行った。
・病院から、娘さん、ホームヘルパー、民政員が呼び出された。
「このお婆ちゃんはボケてもいな
いのに、治療拒否する。食べることが出来るのに、食事介護を断る。これでは入院している意
3
味がない」と退院させられた。
・家に帰ると食べるようになり「良かった」と思っていたら、また、食べなくなった。婆ちゃん
は死のうと思っとるんかいなぁ。
・娘さんが泣いてきた。
「食べることが出来るのに、食事介護を断られる娘の気持ちが分かるか。
喧嘩し、婆ちゃんの口に食べ物を押し込んできた」と・・・。
・西村が見に行った。婆ちゃんの顔を見に行って、
「婆ちゃん、食べても、食べんでも、人はいつ
か死ぬんだよ。婆ちゃんは自分だけの命だと思っているかもしれんけど、娘さんにとっては大
事な大事なお母さん、私にとっても大事な人なんよ」と話すと、お婆ちゃんは泣いた。
・食べるようになった。でも3週間で死んだ。婆ちゃんは自分の家で、婆ちゃんらしい生き方、
死に方をしていったな。
○「地域密着」とは
・事例 Mさん 56歳 アルツハイマー 徘徊
1.自分の家に知らない人が入ってきて、戸という戸を全て開け、トイレに入って用を済ま
して出ていった。午後1時頃。 → 「迷惑です。これから気をつけてください」
2.近所の人の庭に入っていき、花を摘んでいってしまう。午後3時頃。 → 「大切に育
てた花なのに。ここは道路ではないんですから」
・このゆびとーまれは、「しっかりと見ろ!」と。職員はどちらも平謝りをする。
・Mさんは職員が後からついて行くのがわかると、振り向いて激怒する。時には石を投げること
もあるため、5~10メートルほど離れて歩いている。1の場合は見失ってしまった。2の場
合には見ていても止めることができない。止めようとすると暴力を振るおうとする。
・近所の庭に入り、
「この花を、このゆびとーまれに飾りたいなぁ」と思うかもしれない。そんな
ことを認められる、支えられる、「お互い様」の町づくりを、香川もしてください。
○痴呆の方が地域(町内)で活きるということは
・誰もが自由に自分らしく地域の中で生きていきたい。痴呆の方ももちろんそう願っているであ
ろう。誰も「排除しない」というのが「このゆびとーまれ」の理念である。
・私達の活動を住宅街ですることにより近所に迷惑をかけている。それに対し近所の人が怒る。
近所の人の気持ちがよく分かり、申し訳なく思う。いつも許していただき感謝している。近所
の人に悪意はなく、もちろん攻めるのは筋違いである。
・町内で暮らしている人たちといっしょに考えたり、悩んだり、笑ったりしながら、痴呆に対す
る認識を伝え続けることが「このゆびとーまれ」の指命の一つである。
・地域密着(町内密着)は永遠のテーマだと思っている。
○京子 有償ボランティアとして働いている
○障害者を持つ母親にとっての自立とは?
・自分の老後が心配になってきた。母親も働く社会。
4
・私も60歳を過ぎたら厚生年金もらいたいは、勤めたいわ。
・この子(障害者)の面倒をみていればいい、仕事なんかしなくていい!!
・自分の人生には後悔はしていない。だけど、厚生年金もらいたかったは。
・あなたは働いてもいいんだよ、という社会を作ってほしい。
○富山型ディサービスの理念
・年齢や障害に関係なく、誰もが地域で暮らせる町づくりを考える。
・誰も排除しないで包み込むこと。
・豊かな人間関係の中で人は育ち、喜びも大きい。一人ひとりが輝く。
・小規模であること。10人~20人ほど。
・主な活動は在宅サービスである。
・活動の拠点は住宅街であり、地域の人たちを巻き込んで活動する。
・トップが現場で働き続けること。
・日課がない。行事には力を入れない。非日常より日常の介護に力を注ぐこと。当たり前、普通
の生活をする。
・利用者ととことん付き合う。
・ニーズがあれば即OKすること。断らない。少なくともディサービスに来ている人の責任を持
つこと。
・ボランティアを入れること。ボランティアの「労力」を期待しているが、それ以上にオンブズ
マンの機能を期待している。密室はだめ。風通しを良くする。
・障害者に働く場を提供する。
・誰が利用者か職員か分からないこと。
・死にがいのある町づくりを進めること。(身近な死のありがたさを感じる町づくり)
○富山型ディサービス
・富山型ディサービスは、富山県下に85カ所あります。
・富山型ディサービスが制度に(2006年10月1日~)
○80~90%の人が住み慣れた家で死にたいと答えている!
・戦後家庭から無くなったものは、
赤ちゃんが生まれること
お年寄りが死ぬこと(畳の上で大往生) → 病院に委ねてしまった。
○老人の死は
・死は自然なことで怖いことではない。
・老人の死は闘うものではなく、受け入れていくもの。
・口から食べらることができなくなったら、これは「死」
・旅立ちであると思っている。 → アカデミー賞「おくりびと」 「デパーチャーズ(出発)
」
5
・生まれることと死ぬことは同じ。寿命とはめでたいことである。
・今の社会は、寝たきり、胃瘻をたくさん作ってしまった。
注)胃瘻(いろう)とは、主に経口摂取困難な患者に対し、人為的に皮膚と胃に瘻孔作成し
チューブ留置し水分・栄養を流入させるための処置。
○富山県民一人ひとりが、日々感動とチャレンジ精神を持ち、死にがいのある町づくりを進める
・
「富山で生まれて良かった。富山で暮らして良かった。そしてわたしはこのだいすきな富山で死
ぬんじゃ」と、腹をくくること。
・身近な死のありがたさを感じる町づくり。
香川で生まれて良かった
香川で暮らして良かった
香川に嫁いで良かった
そして私はこの大好きな香川で死ぬんじゃ
○赤十字の理念
・明日の百人を救うより、今日の一人を救え
・今日の一人の老人、障害者を救え
・制度があるからではなく、ニーズがあるからやっている。
・明日の百人を救うのは行政の役割。
○最後に
・アメリカ大統領だったケネディの言った「国が君たちのために何をしてくれるかではない、君
が国のために何が出来るかだ」。
・日本中の一人ひとりが、何が出来るかを考えていけば、きっと良い国になると信じています。
15:03-15:10 休憩
15:10-16:11 パネルディスカッション
○パネリスト 西村和美
惣万佳代子
渡辺さと子
○要約筆記
NPO法人 ようやく筆記サ
ークル ゆうあい 5名
渡辺:15年前に惣万さんに出会い、このよ
うなものがいるなあと感じました。富山型
ディサービスが85あるそうですが、説明
6
を。
惣万:行政も覗きに来てくれ、積極的に関わってくれる。知事が換わってすぐに見に来られた。2
0分の予定が1時間以上見ていった。その翌日、県が1億円以上補助している施設を見に行き、
「赤字を出しているし、お年寄りの目が死んどった」と、富山型ディサービスに目が向いた。
惣万:私は県の委員もやっていて、国の事業仕分けよりずっと前から財政改革に取り組んで来てい
る。フォーラムも開き、無駄なお金は見直し。予算を使う順番が違う。そして、借金が1/4に
なった。
渡辺:どこの立場に立って、どういう視点に立つかが大事。高齢化社会において、何をすべきか、
何を守るべきか、これまでは間違ったプロジェクトに取り組んできたと思う。優先順位を考える
ときに、どういう視点に立つかが大事。何でも切ればいいものではない。
渡辺:これまでの取り組みの中で、行政に感じることは?
西村:あなた方がしようとしていることがわからない。
縦割りの行政、
縦割りに慣れ染まった市民からも、わかってもらえなかった。赤ち
ゃんから年寄りまで、障害があっても障害が無くてもいい、そんな
ディケアサービス。これがベストだと思ったことはない。これでよ
かったんかなぁと思ったり、議論もしたが、これが「制度」になり、
「特区」になり、間違っていなかったんだなぁ。行政に頼りすぎて
はいけない。行政に頼る時代ではない。みんなが良いと思うことを、
市民のレベルで取り組むべき時代。首長がどんなに良くても、市民
が良くなければ、市民一人ひとりが勉強しなければ。
渡辺:この首長は自分たちの声を聞いてくれる人なんだと、感じられる行政でありたい。
渡辺:惣万さんの所では、こういう形で雇用を作り出している。障害を持っている人たちが、地域
の中で、必要とされる仕事を担っている。そのようなことについて・・・
惣万:茶屋町 「このゆびとーまれ」で60人の雇用がある。40人だとしても2500人の雇用
を果たしている。日経ウーマンオブザイヤーに選ばれた。2位が私たちで、年8千万円。1位や
3位は何億円の年商の人たち。なぜ私達が選ばれたのかと日経に問うと、もしも「このゆびとー
まれ」の理念が200カ所に出来たら200億円の事業だと。全国に2000カ所ぐらいあるの
ではと感じている。それぐらい雇用を生み出している。
渡辺:香川でもそういうことが出来ればと思う。
7
司会:フロアから、ご意見、ご質問など。
男性:経営として成り立っているから続いていると思うが、毎年、黒字なのか。知的障害者やお年
寄りの財産の管理とかは「このゆびとーまれ」がしているのか?
西村:黒字です。少しではあるが、税金を納めている。NPO法人だから払わなくていいのではと
理事会で言われるが、
「利益が出れば社会の一員として税を納める」と説明している。私たちが管
理をしているのは一人暮らしの老人のひとりだけ、その他の人は青年後見人など。
三豊の男性:全国2000カ所あるというと、香川にもあるか?
渡辺:子どもと老人を一緒にしているところはあるが、障害者を一緒にというのは、香川にはまだ
無いと思います。
三豊の男性:借金を1/4にするとはすごいこと。
惣万:知事の支持率は78%。
三豊の男性:自立支援法は、ケアマネージャーがプログラムを組むものなのか?
惣万:40何万の人口の富山の場合で、障害者に対応できるケアマネが数名しかいない。
渡辺:フロアに車椅子の仲間がいるのですが、高松の現状はどう
でしょうか? 自治体によって差がある。自立支援法にはいろ
いろな問題があって、
「受益しているんだから負担しなさい」と。
香川の現状、問題について、お聞かせください。
女性:お年寄りと違うところは、市役所の人が話を聞きにきてく
れて、組んでくれるんですが。支給量に見合った時間をいただ
けていないと思う。
女性B:32年間 施設で暮らしていて、その前は両親と暮らしていて、
「おまえを残して、私らは
死ねん。一緒に死のう」といわれ、そういっている母も、言われた自分もつらかった。それで、
一人で暮らせる方法をと、32年前に施設に入った。自分で自立をと思っても、障害者は施設で
暮らすものと、実際には自立を支援してくれる制度が無く、市役所に相談したり調べたりしてき
た。100万円が限度で、自己が25万円、市が75万円。でも、最初に100万円の資金を持
っていなければいけない。
「財源が限られ、一人の人に集中してはいけない」
。1日に1.5時間
が自分の時間、夜間はヘルパーさんが入ってくれているが、
「待機」
、
「休息」として対応してくれ
ている。これからもこれが続けられるか、心配です。5年になるが、体力的にも、これから一人
暮らしが続けていけるか心配。富山では一人暮らしをされている方はいるのでしょうか?
惣万:24時間365日の方はいない。ヘルパーさんが1日最大18時間。24時間出る自治体が
8
いくつかある。
渡辺:
「お金が無いから」の理由、発想を変えなければいけない。そんなことをやっていると、財政
が破綻する。税金は高いかもしれないけれど、
「人々が、病気や老後や教育が心配だからと貯金を
しなければ」ではなく、
「大きな共同の財布にお金を入れるのだ」との信頼感があれば。大丈夫だ
よという安心、信頼感がなければいけない。そういう香川県にしていくことが第一歩。
惣万:日本人は税金を「取られる」という、これは信用しとらんがですよ。何で貯金せないかんの
か。
渡辺:将来に対する不安があるから貯蓄をする。安心し、旅行もする、買い物もする、そんな社会
なら、景気も良くなる。
三条の男性:県庁の職員と話していて同じことを感じる。
「あんた一人のために働いているのではな
い。
」民主主義としては、それは半分。多数決だけでは半分。少数を大事にすることも必要。救急
車はたった一人のために走っている。県庁の職員は、横柄。そんな職員は、どんどん辞めてもら
ったらいい。
渡辺:県庁の職員が全てそうとは思っていません。しっかりマニュアル、制度を作りました。これ
で私の仕事は終わった。国から制度がこう変わりました。研修から帰ってきて、講習をやって終
わり。
そうではなく、こう制度が変わって、現場はどうなるか、どう変えていかなければならないか、
そのために、
国からきたことを市町村に流すだけでなく、
市町村の声を国に届けるのが県の役割。
穏便、ことを納めた方が出世している。一所懸命している人は出世していない。一生懸命して
いる人の頭を押さえてしまう、風通しの悪い組織であってはならない。
男性:弁護士だけが身分を保障されている。公務員も辞めさせることが出来るんだということを認
識しろ。
惣万:県の方が「検討します」と言うが、
「検討します」はやらな
いということ。私たちも賢くなって、
「いつまでに検討してくれ
ますか、回答してくれますか」と期限を確認する。
行政マンは100人を一度に救えることができるが、一人ひ
とりが救えなくて、
積み重ねが無くては、
100人は救えない。
西村:
「前例がない」が口癖。
「一歩を切り出すには、富山でやり
ましょう」と言ったが、
「前例が無い」の一点張り。香川から一
歩を切り出しましょう。
渡辺:情報公開 1億円の食料費 これが700万円 変えるなら、従来型の考え方の人では変え
にくい。しがらみがある、しがらみを知っていて動けない。時代の変換期、今までのやり方では
やっていけない時代。私にはしがらみがない、ええブレインがおるなあ、この会で3回目。ええ
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ブレインがいるので変えていかなければならない、変えていける、そう思っています。
西村:チャンスはあるようでないんです。今このチャンスをつかまないと、変えられない。
惣万:行政の方、政治家の方に言いたいのは、100の会議より1回の実践。現場に足を運ぶこと。
行政の人も現場に足を運ぶようになってきた。
渡辺:みんながいっしょに生きていけるような香川に変えていきましょう。
― 以上 -
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