西陣織 縦糸と横糸の役割 - 板橋区教育ネットワーク

平成27年6月8日
板橋区立高島第二中学校校長
荒 井 秀 樹
〒175-0082 東京都板橋区高島平 2‐24‐1
Tel 03(3936)1591 Fax03(3935)6441
西陣織 縦糸と横糸の役割
自分を支える人がいる
3 年生は日曜日から修学旅行に出かけました。私が教員になってまだ間もない頃、先輩の先生が「日本人
だったら、永い間日本の都だった京都・奈良を一度は訪れなければいけない」と言っていました。
3 年生は、京都・奈良を訪れ、数々の歴史の舞台、様々な人生が展開されたこの地を訪れ、時の流れを感
じ、はるか遠い昔に思いを馳せ、そして改めてこれから先の未来のことを考えてみたことでしょう。
今回は京都にちなんだお話です。今から 550 年ほど前、京都を舞台に繰り広げられた応仁の乱、京都が一
面の焼け野原になったと言われるほどすさまじい戦だったと言います。
応仁の乱の戦火を逃れて避難していた職人たちは、乱が終わると両軍の本陣の跡地である東陣・西陣に帰
還し諸国で習い覚えた明などの新技術も加えて京織物を再興したそうです。そうして生まれたのが、世界に
誇る京都の先染め織物の西陣織です。
世界にも認められた西陣織は、古くから伝わる京都の伝統工芸です。完成までに 20 以上もの行程があり、
それぞれ専門の職人の手を経て作り出されるのです。ですから西陣織はとても高価なものとして世界からも
今なお認められる織物になったのです。
その先輩の先生は、かつて京都で西陣織の体験をしたそうです。織物といえば、すでに織り上がった生地
を染色するものと思っていたそうです。しかし予想とは違い、目の前に用意されたのは、布ではなく色鮮や
かな糸と真っ白な糸の 2 種類の糸でした。
西陣織は先物織物ですから、糸を染め、その色のついた糸を織りあげて作られていくのです。それに対し、
後染め織物はすでに織り上がった真っ白な生地を染料を使って染めていく織物です。その先輩は、後染め織
物をイメージしていたのです。
西陣織は、織機(しょっき)と呼ばれる機械を使って作られます。
「鶴の恩返し」とい
う民話の中で、鶴が自分の羽毛を引き抜いては、世にも美しい織物を織りあげたという話
をイメージするとわかりやすいかもしれません。
ひ
はじめから機械にセットされているのは白い縦糸です。その縦糸の間を、色鮮やかな糸
をまきつけた杼(ひ)という道具を、右から左、左から右へと移動させながら、縦糸と横
がら
糸を織りあげていくのです。
いかにも頑丈で色も 柄 もない真っ白な縦糸に、あまり丈夫そうではないけれども色鮮やかな3色の柄を
よって作られた横糸を編み合わせて織りあげていくことで、美しい西陣織の生地が生まれるのです。
しん
実は、私たちが目にする西陣織の美しさは色鮮やかな色彩をもつ横糸の美しさなのです。
一方の白い縦糸はどんな役割をしているかというと、横糸をしっかり支える 芯 としての役割を果たし、
表面には出てきていません。ですから西陣織の美しさを作り出しているわけではありません。しかし縦糸が
なければ、織物を丈夫に仕上げることはできないのです。
西陣織の体験を通じて、
「そうか、糸にも役割があるのか。
」としみじみ考えたそうです。
織物の基本は芯となる縦糸にあるのです。しかし縦糸は、色鮮やかな横糸の下に隠れ、人の目に触れるこ
とはありません。布の命である柄とかデザインの美しさは、横糸が作り出す美しさなのです。縦糸が丌要か
というとそういうわけではありません。布の丈夫さは縦糸がないとできなのですから・・。
世界が認める西陣織の美しさは、実は色も柄もない縦糸に支えられています。
人の社会にも同じことが言えるのではないでしょうか。普段は気付かなくても、自分の活躍を支える多く
の人がいることを忘れてはなりません。
「自分を支える人がいる」その存在に気付くことが、あなたの心を
豊かにしてくれるのです。それは友達だったり、親だったり、先生だったり・・・多くの人が縦糸となって
皆さんを支えているのです。人として、本質を見抜く力を身に付けていくことが大切なのです。
<この文章は朝読書の題材として作成したものです>
あなたの進路を応援します
進路資料室を開設しました
3階の 3 年 3 組の隣の空き教室を利用して、誰でも利用できる進路資料室を新た
に開設しました。高校や専門学校のパンフレット、高校案内、過去の問題集、検定や
会場テストの案内、勉強の仕方や面接の受け方などの HOW TO 本などを置いています。
保護者の皆様も土曜授業プランの折にでもぜひご活用ください。
板橋区中学校総合体育大会開会式 熱戦が始まる
6 月 2 日(火)に成増アクトホールで板橋区中学校総合体育大会の開会式が行わ
れました。9 月に行われる連合陸上大会まで、各運動部の生徒たちは、高二中の代
表として、それぞれの競技で熱戦を繰り広げていきます。
本校からも開会式に 5 名の生徒が代表として参加しました。サッカー部とダンス
部は昨年獲徔した優勝カップを返還し、今年も奪取を狙っています。他の運動部の
生徒達も、総体に向けて朝練習を始める部活もあり、生徒達は頑張っています。
3年生には、中学校最後の大会です。最後まで全力を尽くす先輩としての意地と
誇りを、後輩に見せて下さい。また、大会に参加するからには、応援する時のマナ
ーや審判に対する敬意、会場を借りる感謝の
板橋区内中学校の取り決め
気持ち、大会運営のマナーを守るなど、同時
1 部員以外の応援は禁止です。
に学んでくることが大切です。
なお、板橋区では中学校での大会出場・観
2 対外試合(練習試合・公式戦とも)自転車へ禁止です。
戦の取り決めに従って大会を運営していま
3 ペットボトル・瓶・缶・お菓子も持ち込みも禁止です。
す。保護者の皆様、生徒の皆さん、円滑な大
会を運営するために協力をお願いします。
教育実習が終わりました
いい先生の第一歩を踏み出すために
3 週間の教育実習が終わりました。将来の先生になるための貴重な 3 週間となったと思います。先週金曜
日に最終日を迎えましたが、三者面談があるためにお別れの集会を開くことができません。2 人の先生方に
は、改めて 12 日(金)にお越しいただき、皆さんとのお別れの会を開きたいと思います。その前に皆さん
にメッセージをいただきましたので紹介します。
山岸裕和先生のメッセージ(国語 2 年 1 組)
岩間祥汰先生のメッセージ(保健体育 2 年 3 組)
3 週間という短い期間でしたが、高島二中の皆さんには様々
なことを教えてもらいました。実習の中心は 2 年生の皆さ
んとの生活でしたが、全学年を通して私とすれ違うたびに
必ず笑顔であいさつをしてくれる皆さんは、本当に素晴ら
しいと思いました。運動会という大イベントにも参加させ
ていただき、言葉についてのアンケートもさせていただき
ました。吹奏楽部の方々には、合奏ばかり聴きに来るへん
な奴だと思われていたかもしれませんが、3 週間本当にいろ
いろなことを吸収できました。合唱コンクールの時に顔を
出させていただきたいと思っていますので、その時はどう
ぞよろしくお願いします。3 週間ありがとうございました。
3 週間というとても短い期間はあっという間に過ぎてし
まいました。初めて教員、体育科として運動会に参加さ
せていただき、学ぶことがたくさんありました。そして
運動会を通じ、学校の校風、生徒の特色などを知ること
ができた気がします。生徒の皆さんからあいさつをして
くれたり、積極的に話に来てくれてコミュニケーション
をとることができました。教育実習で得たことは、本当
にこれからの財産となり、教師になって生かしていきた
いと思います。本当にありがとうございました
今年度最初の定期考査が始まります
最初のテストの取組が 1 年を変える
今年度最初の定期考査が始まります。
特に 1 年生にとっては、
1 時間目 2 時間目 3 時間目
中学校で初めて経験する定期考査となります。どのような意気
英語
音楽
技家
込みで臨むかにより、今後 3 年間の学習に対する姿勢に大きな 24 日(水)
影響が出てきます。やるべき時には、気持ちをもって取り組み、 25 日(木)
国語
理科
美術
やるべきことがあるときには、しっかり準備をして臨むという 26 日(金)
数学
社会
保体
習慣を付けてください。
高二中ではこの 1 年間、家庭学習に力を入れていきます。毎日、宿題や家庭学習が課されています。今ま
で家庭学習の経験のない人だったら、定期考査を前に 10 分間の勉強をするだけでも集中力が続かないかも
しれません。しかし皆さんは毎日の家庭学習を実践してきました。毎日 10 分の学習習慣が付いている人は、
30 分や 1 時間の勉強は苦にならないはずです。その自信をもってテストに取り組んでください。
体育館天井の改修工事
ご理解ご協力のほどお願いします
ここ最近、大きな地震が起こり、丌安を抱えている方も多いのではないかと思います。板橋区の小中学
校では、大きな地震の揺れによる天井からの落下物によって引き起こされる 2 次被害を未然に防止するため
に、体育館の天井の改修工事を実施します。
本校では今月 17 日から、体育館、体育館エントランス、武道場と 3 カ所の工事を行います。約 3 カ月に
わたる工事期間中、体育館や武道場の使用も制限され、体育の授業や集会、部活動の利用で丌便な状況が続
きます。部活動の実施については、7 月以降から夏休み中の体育館を使用する部活動は、高島第二小学校の
ご厚意で小学校の体育館をお借りすることになります。マナーを守って使いましょう。