PO22R029 2010 年 4 月 14 日 報道関係各位 薄着になるこれからの季節にはデコルテ美容が必須! 新たなアプローチで美白を手に入れる 美しいデコルテ(首~胸元)で顔の印象を明るく美しく ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業株式会社(本社:東京・品川、社長:岩﨑泰 夫)は、デコルテ(首筋から胸元にかけて)の肌色の明るさと顔の明るさ印象との関連性 を調べた結果、光の反射とは関係なく明るい肌色のデコルテが顔の肌色をも明るく見せる ことを見出しました。 デコルテの肌色が明るいと顔も明るく見えるという話は、 今まで美容雑誌などで多数紹介されています。しかしその 理由は、明るいデコルテが写真撮影に使う照明の反射板の 代わりを果たし、光の反射によって顔が明るく見えるから という論理でした。つまり、デコルテそのものが顔の印象 デコルテ部分 を明るく見せる効果があるかについては、今まで具体的な検証はされていませんでした。 そこでポーラ化成は、光の反射現象が起こらない写真画像での検証を行いました(図 1)。 その結果、光の反射とは関係なく、明るいデコルテ肌色に顔の印象を明るく見せる効果が あることがわかりました。しかもこれは、色彩科学で一般的に知られる目の錯視現象(図 2) とは逆の動きを示し、デコルテという部位が顔の明るさの印象に、特別な効果をもたらす ことが示唆されました。 A B A B 背景の明度が低いBの方が灰色は明るく見える 図2 図1 提示画像 明るさの対比 デコルテが明るいAの方が顔は明るく見える 今回の研究によって、明るく美しい肌色のデコルテを作ることで、顔の印象を明るく見せ るという美しさの相乗効果を示すことが出来ました。この結果を、今後ポーラ・オルビス グループ内での美容法や商品開発に生かしていきます。 また、薄着になる季節に向けて、乾燥や紫外線のデコルテへの影響を提唱すると同時に、今ま で顔のお手入れのみに注目していた女性達へ、顔だけではなくデコルテも含めたお手入れ を推奨していきます。なお、この研究は6月に行われる中国の化粧品学術討論会で発表す る予定です。 【リリースに関するお問い合わせ】 ㈱ポーラ・オルビスホールディングス グループ広報室 Tel 03-3563-5540/Fax 03-3563-5543 背景 デコルテ肌色に限り、色彩科学の明るさの対比とは相反する結果が。矛盾について検証 色彩科学では、明暗のある色を同一空間に並べた時、差がより強調されるという明るさの対比効 果が広く知られています(前頁図 2)。 しかし、当社が事前に実施したアンケートでは、「首筋から 胸元にかけての素肌(以下、デコルテとする)の色が明るいと顔も明るく見える」という、「明るさの対 比」とは相違する結果でした。そこで、「デコルテ肌色が顔の明るさに及ぼす影響」 が 「明るさの 対比」 効果と矛盾することを実験的に検証するとともに、評価対象物の形状を図形~人間へと段 階的に変化させ、矛盾を引き起こす要因について解明するための実験も行いました。 実験1 図形が顔やデコルテの形状に近いほど見え方に変化が生じるか デコルテ肌色の影響で顔の明るさ印象に変化があるかを検証 <実験方法> ◇被 験 者:20~40 代健常者男女 75 名 (年代別/20 代 21 名、30 代 26 名、40 代 28 名 男女別/女 性 61 名、男性 14 名) ◇評価方法:下記 [条件 1~4] に示した 2 つの画像を作業台に左右に並べ、顔または上部の画像が明る く見えるものを選択させた。 ◇画 像:1つの条件につき 2 枚の評価画像を準備 1枚(A)は下部の明度を低く、もう1枚(B)は下部の明度を高くし、上部は各条件ごとに同 じ明度にした。 [条件 1]「明るさの対比」の確認 [条件 2.3]図形が顔やデコルテの形状に近づくにつれ、顔に相当する部分の見え方に変化が生じるか [条件 4] デコルテ肌色の影響で、顔面肌色の明るさ印象に変化があるか 結果 デコルテの肌色だけが、顔の肌色の明るさ印象に対して「明るさの対比」と逆の結果に 【条件1・4】 明るい肌色のデコルテでは、顔の肌色が明るく見えた。これは色彩科学でいう「明るさ の対比」とは逆の結果だった。 【条件 1→4】評価対象物がデコルテの形状に近づくにつれ、顔の肌色の明るさの印象が「明るさの 対比」と逆の傾向へと変化することがわかった。 条件1 A 条件2 B A 条件3 B A 条件4 B 100% 同じ: 4.0% A: 81.3% B: 14.7% 同じ: 8.0% A: 60.0% B: 32.0% A: 36.0% 同じ: 6.7% B: 57.3% 0% デコルテ(又は下図形)が暗いと顔(又は上図形)が明るく見える デコルテ(又は下図形)が明るいと顔(又は上図形)が明るく見える どちらの顔(又は上図形)とも同じ明るさに見える A B A: 21.3% B: 76.0% 同じ: 2.7% 実験2 デコルテを衣服で隠した状態で顔の肌色の明るさに及ぼす影響を検証 実験1の結果は、デコルテ肌色だけがもたらす影響であると考え、デコルテ肌色ではない物の代 表とした衣服では、一般的な「明るさの対比」効果があらわれると想定し、実験を行いました。 <実験方法> ◇被 験 者:20~50 代 健常者男女 15 名 (年代別/20 代 2 名、30 代 5 名、40 代 5 名、50 代 3 名 男女 別/女性 8 名、男性 7 名) ◇評価環境・評価方法: ◇画 実験 1 と同様の条件 像: A の画像の下部は明度が低い衣服、B の画像の下部は明度が高い衣服の画像、上部は共に実 験 1 と同じ顔画像を配置した。 <結果> デコルテ肌色を衣服で覆った場合、顔面肌色の明るさ印象は「明るさの対比」と同じ傾向であっ た。これにより、デコルテの肌色が、「明るさの対比」との矛盾を引き起こす重要な要因であることが わかった。 100% A: 66.6% 0% <提示画像> A B 同じ: 6.7% B: 26.7% 衣服が暗いと顔が明るく見える 衣服が明るいと顔が明るく見える どちらの顔とも同じ明るさに見える 実験1,2による考察 実験 1 の結果では、デコルテの肌色が顔の明るさの印象に「明るさの対比」とは逆の影響 を及ぼしたことが、実験 2 では、デコルテの肌色以外である衣服では、実験 1 の現象は起 こらないこともわかりました。 デコルテの肌色の影響で、顔の明るさの印象がデコルテの肌色と同一方向に変化した原因 は、顔とデコルテは 1 つの皮膚で繋がっており、お互いの配置は隣接するため、被験者は経験 的に、顔の肌色もデコルテと同じような色だと感じたからだと考えます。このことは、図形が 顔やデコルテの形状に近づくにつれ、 「明るさの対比」効果とは異なる見え方を示す回答の割合 が高くなっていった、実験 1[条件 2.3]の結果からも支持されます。 おわりに 西欧女性の礼装としてローブ・デコルテという胸や肩が大きく露出されているドレスがあり ます。これは、イブニングドレスの代表的なスタイルとされ、西欧だけではなく様々な国のセ 捉え レブリティが着用しています。 最近では日本でもファッション優先で季節を問わず、腕やデコ ルテを露出させている女性を多く見かけるようになり、美容意識が高い女性の間で今後更に美 しいデコルテに注目が集まると思われます。 本研究では、明るく美しいデコルテの肌色を作ることで、顔も明るく見えるという美しさの 相乗効果を示すことが出来ました。この結果によって、顔の肌色を自然な形で明るく見せるた めに、顔だけのお手入れに注目していた人が、デコルテのお手入れも視野に入れることが期待 され、また、美しいデコルテを意識していた人も、顔の肌色への明るさ効果を知ることで、よ り一層デコルテのお手入れの重要性を認識すると考えられます。
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