フランス新著作権法(DADVSI)に おける DRM 規制

●研究ノート
フランス新著作権法
(DADVSI)
に
おける DRM 規制
張 睿暎*
ス著作権法を改正し,欧州情報化社会指令
I はじめに
(EUCD)を国内法化したものである。
この法案は,インターネットの P2P を通じ
デジタル時代の到来に合わせて EU では,
WIPO 著作権条約を域内法に適用することを
目的に,2001年5月 22 日「情報社会におけ
る著作権および関連権の一定の側面のハーモ
ナイゼーションに関する欧州議会および EU
理事会のディレクティブ(欧州情報化社会指
令)1」を採択した。 EU 加盟国は,この指令
に沿った国内法の整備を行っている。
しかし,フランスでは欧州情報化社会指令
の国内法化のための法整備が遅れており,欧
州委員会にこのことを指摘されていた。 こ
れを受けて,フランス政府が法整備を推し進
めて成立したのが,2006 年の新著作権法で
ある。
一 般 に DADVSI( Loi sur le Droit d’Auteur et des Droits Voisins dans la Société de
l'Information :情報化社会における著作権等
に関する法律)と呼ばれるこの法は,フラン
*
早稲田大学大学院法学研究科・博士後期課
程,早稲田大学 21世紀 COE《企業法制と法
創造》総合研究所・研究助手
2007年9月,早稲田大学21世紀 COE プロ
グラムの若手研究者学術奨励事業の支援をい
ただいてフランスとドイツを訪問した。現在
研究している「 DRM と Fair Use」という
テーマの資料収集と,欧州の知的財産の最新
の議論と動向を調査するのが目的であった。
ここでは訪問の成果報告という意味で,フラ
ンスの新著作権法である DADVSI 法におけ
る DRM 規制を紹介したいと思う。
て音楽やビデオを複製することを禁止する内
容であったため,議会での審議段階から多く
の議論を呼んだ。
以下では,DADVSI 法の成立経緯とその内
容を紹介する。
Ⅱ DADVSI 法成立の背景
DADVSI 法 の タ イ ト ル の 一 部 の 「 droit
d’auteur et droits voisins」は,「著作者の権
利と関連する権利」という意味であり,これ
は著作人格権と著作財産権の2つから成る。
これはベルヌ条約の概念でもある。
著作者の排他的権利にもいくつかの例外が
ある。WIPO 条約によると,加盟国は,それ
がスリーステップテスト 3 を充足するなら,
排他的な著作権の例外を規定することが出来
る。2001 年の欧州情報化社会指令は,10つ
の著作権の例外 4 を提示し,加盟国がそれを
国内法化するかしないかを選択できるように
した。 加盟国は妥当な範囲内の遅延で指令
を国内法化しなければならない。
2006年3月,フランス最高裁判所( Cour
de cassation)は,「 Mulholland Drive 事件」
に関する判決を下した。これは,「私的複製
をする権利 5 を妨げる DVD の DRM 技術は不
法である」というベルサイユ控訴裁判所の決
定を覆すものであった。この判決は,スリー
ステップテストと欧州情報化社会指令を判決
117 ―
― の根拠として挙げた。しかし,まだ国内法化
トウェアを威嚇すると知られるようになり,
されていない欧州情報化社会指令を判断の根
論争の的になった。そして,例えばレコード
拠にしたことに対して,それは立法の機能で
の所有者が私的使用のために音楽をデジタル
あって,司法に機能ではないという批判が
マグネチックテープにコピーすることなど私
あった。
的複製の権利がなくなるのではないかという
懸念も生じさせた 6。審議はクリスマス前に
Ⅲ DADVSI 法成立の過程
終わるはずだったが,「グローバルライセン
ス 7」条項の修正投票などの問題で,下院は
翌年3月に法案全体を審議することになった。
2003/11/12:文 化 大 臣 Jean-Jacques Ail-
lagon により,法律草案が下
院に提出される。
2005/5/31 :下院法制委員会で審議される。
2005/12/22:下院で審議。「グローバルラ
イ セ ン ス ( global license)」
条項が投票される。
2006/3/16:下 院 で の 審 議 続 行 。“ global
license”条項が撤回される。
2006/3/21 :下院で法案全体に対する投票
2006/5/10:上院で審議。「 DRM の相互運
用性( Interoperability)」条項
が大幅に修正される。
2006/6/22:下院・上院混合委員会。「DRM
の相互運用性( Interoperability)」に関する上院での審議結
果をほとんど維持する。
2006/6/30 :下院・上院による最終投票で
法律成立
2006/8/4 : DADVSI 法の施行
法 律 草 案 は 2003 年 に 文 化 大 臣 Jean-
下院で審議される前に,法案は法制委員会
に送られたが(2005年5月 3 1日),文化委
員会にはレビューされなかったため,手続の
欠陥として何人かの議員により指摘された。
彼らは法案を委員会へ戻そうとしたが,文化
大臣はそのような動きに反対し,所属党の支
持を求めた。
修正された法案は 2006年3月 21日に 296
対 193で下院を通過した。
上院は法案を文化委員会に送った。委員会
は文化大臣 2006 年4月4日に聴聞し,いく
つかの内容を修正した。上院は5月4日と9
日に審議をし,いくつかの修正案を採用した。
法案を下院に戻すべきという議員たちの要
請にも関わらず,2006年6月 22日,法案は
下院・上院混合委員会に送られ審議された。
そして,6月30日に法案は承認された。
2006 年7月7日,9人の議員たちが憲法
院( Conseil Constitutionnel)に遡求を提出
した。これは大統領の法律の承認を止めるた
めであった。憲法院は法律の違憲性を判断す
Jacques Aillagon により,下院に提出された。
るための決議に1ヶ月の期間をもっているが,
大臣の交替などの事情により,法案が議会に
政府が緊急事項であると要求した場合は8日
提出されるのが遅れ,2005年の 12月 20日か
で審議しなければならない。議員たちはフラ
ら 22 日まで下院で審議された。文化大臣は,
ンス人権宣言(La Déclaration des droits de
法案が至急審議されるべきであると訴えた。
l’Homme et du citoyen)に基づいて,立法
過程の透明性を欠き,犯罪の定義が不明確な
ので国民の人権を害するという理由で法律の
違憲性を主張した。
憲法院の決定後(刑事罰の金額変更),法
律は通過し,8月1日に Jacques Chirac 大
統領の署名で,8月4日から施行されること
フランス憲法によると法案は下院と上院で各
一回だけ審議できるが,フランスは欧州委員
会から欧州情報化社会指令の国内法化を迫ら
れていたからである。
法案は,著作物のファイルを伝送するイン
ターネットユーザを犯罪者化し,フリーソフ
118 ―
― 金:技術的措置を迂回する手段を提供または,
になった。
情を知りながらそのような手段を申し込む行
Ⅳ DADVSI法の内容 8
為
しかし,コンピュータセキュリティまたは
DADVSI 法はインターネット P2P を通じて
音楽やビデオを複製することを禁止するいく
つかの条項を含んでいる 9。
研究のため回避した場合は,これらの刑罰は
適用されない。特定の目的のためにされる回
避を罰から免除するという最後の条項は,上
院で11対 10で維持された。
1.P2Pでのファイル共有
3.DRMの相互運用性
フランス知的財産法
(Code de la propriété
intellectuelle) L335-2 と L335-5 は,権利者
DADVSI 法は DRM などの技術的保護措置
の許諾なく著作物を公表する行為に,最高3
(第7条に定義規定あり)の迂回を犯罪化す
年の懲役・ 30 万ユーロの罰金を賦課してい
ることにより(13条・ 14条), DRM を法的
る。
に保護している。
P2P ファイル共有がこれに該当するかにつ
いては異論がある。インターネットや P2P か
初案はその不明確さと迂回禁止の範囲の広
さで激しく批判された。
らファイルを受信する行為は私的複製であり,
1)これら条項は DRM を使用した音楽,
著作権の例外を規定した CPI L122-5 が適用
映像,テキストなどがあらゆる媒体を読
されるという意見や私的複製に該当しないと
み込める全てのフリーソフトウェアを潜
いう意見がある。フランスの裁判所は両方の
在的に法の保護外におく恐れがある。
DRM を実行できるフリーソフトウェア
は迂回を助長すると解釈されるからであ
る。情を知りながら迂回を助長するソフ
トウェア開発者は,最大 300,000ユーロ
の罰金・3年以下の懲役に科せられる可
能性がある。フリーソフトウェア擁護者
は,この法はフランスのフリーソフト
ウェア発展に悪影響を及ぼすと主張した。
2)この条項は DRM システムの開発者が,
競争社のシステムが迂回を助長している
と訴えることを可能にする。そしてこれ
は,著作権でも,特許権でもない新しい
種類の知的財産権を創設することになる。
作曲家,アーティスト,映画製作者など
を保護するのがこの法の目的なのに,
DRM 会社に法的保護を与えることにな
る。
3)これは,消費者をひとつのコンテンツ
プロバイダーに縛る結果になる。音楽の
DRM システムは相互運用できなく,自
社のプレーヤーでない他社のプレーヤー
判決を出している。
DADVSI 法 14条の2は,P2P ネットワーク
で著作物をダウンロードすることを明確に私
的複製から除外していて,商業的目的なく著
作物を公に利用可能にするだけで,この条項
に該当してしまう。多くの P2P ネットワーク
がダンロードされたコンテンツを他のユー
ザーが利用できるようにするので,この条項
が加えられたわけであるが,単にダウンロー
ドを私的複製から除外するだけでは十分では
なかった。文化大臣は,ダウンロード行為に
38 ユーロの罰金 10 が賦課されると発表した。
2.DRM 迂回の犯罪化
DADVSI 法の 13条,14条は DRM にまつわ
る行為に多様な刑罰を規定している。
3750 ユーロ以下の罰金:リサーチ以外の
目的で,情を知りながら DRM の技術手段を
回避する行為(他人から得た手段でなされて
いない場合)
6ヶ月以下の懲役・ 30000 ユーロ以下の罰
119 ―
― いとした。なぜなら, iTunes コンテンツと
では再生できないからである。
4) こ の 条 項 は DRM の セ キ ュ リ テ ィ エ
ラーの調査をできなくする可能性がある。
フランスのコンピューターソフトウェア市
場は少数の会社(例えば Microsoft と Apple
Computer などの米国会社)に支配されてい
て,彼らは DRM システムも提供しているの
で , こ の 法 が Microsoft と Apple Computer
の優越的地位を強化し,フリーソフトウェア
の競争を妨げると懸念された 11。
いくつかのフリーソフトウェア団体 12 は,
抱き合わせ販売( vente liée)を正当な理由
なく強化してはならないとした 13。音楽と,
その音楽を再生できる電子機器は別個の商品
であり,これらの販売が一体化されてはなら
ないというのである。
議員らは DRM システムの相互運用性を確
保するための法案修正を推し進めた。これら
修正案は会期の最後である3月 17日に下院
で採用された。
修正案は下記の通りである。
1) DRM システムの提供者は,相互運用
性を確認するために必要な技術的文書を,
それを必要とする当事者に提供しなけれ
ばならない。これは,ソフトウェアや
ハードウェアメーカーが, DRM で保護
されている音楽や映像のプロバイダーに,
その音楽映像は自社のシステムで再生可
能なのかを確認するために DRM 情報を
要求できるということである。
2)ソースコードの公表または DRM を実
行しているシステムの技術資料の公開は,
DRM に与えられている法的保護によっ
て,禁止されない。
この条項は, Apple 社の iTunes フラット
フォームとその音楽プレーヤーである iPod
を指すということで,米国メディアにより論
争を起した。あるメディアは DADVSI 法を
「フランスの iTunes 法」とまでいった。
ある経済分析家は,Apple 社がフランス市
場での iTunes サービスを止めるかもしれな
iPod を DRM シ ス テ ム で 一 体 化 す る の が
Apple 社のビジネスモデルであり, Apple 社
にとって,フランスでの売り上げは小さいか
らである。Apple 社は,国が認める海賊行為
( state-sponsored piracy)と非難しながら,
この条項に反対した 14。
その後,Apple 社の代表は上院文化委員会
の聴聞会に出席した。委員会は, DRM 相互
運用性条項の修正案を提案し,ほとんどは上
院で採択された。
第7条の2 A は,技術的保護措置の開発者
が相互運用性を望まない場合の抜け穴を規定
している。規制の目的は相互運用性の欠乏と
権利者が望まない制限を防ぐためであるので,
解釈上,技術的保護措置の開発者は,著作権
者が望むので相互運用性がないということを
示して,相互運用性の要求を回避することが
できる。
4.
“Vivendi Universal 修正案”
議会で採用されたいくつかの修正は,著作
物の違法な複製に使用されるソフトウェアの
開発者に民事的・刑事的責任を規定している。
この修正案は,これを強く主張した大手エン
ターテインメント企業ヴィヴァンディ・ユニ
バーサルの名前をとって“Vivendi Universal
修正案”として知られる。
120 ―
― 1)12条の2:情を知りながら,明白に
著作物の不法な伝送のためにソフトウェ
アを作った者,または情を知りながらそ
のようなソフトウェアの使用を教唆した
者の刑事的責任(3年以下の懲役・
300,000ユーロ以下の罰金)を規定して
いる。
多くの学者は「明白に」という文言が
不明確であるとしてこの条項の違憲性を
提起した。
2)14条の4:権利者が,主に著作物の
不法な伝送に使われるソフトウェアの開
発者に,不法伝送を防ぐ技術的措置を付
すること(ソフトウェアの本質を変えな
保存するため自由に複製できる
い範囲で)を命令することを裁判所に求
5)報道機関が美術作品(彫刻・絵画・建
めることができる。
築)の複製物を自由に報道することを認
3)14 条3 A :インターネットユーザは自
める。(①即時的な報道の目的,②その
分のインターネットアクセスが安全で
美術作品が報道に直接的に関連があると
あって,不法な著作物の伝送に使われな
き,③作者の身元が明確に分かっている
いことを確かめる義務があるとしている。
とき,④ただし情報を報告することを目
ISP はユーザのために適切な技術を提供
しなければならない。これは,自分の無
線インターネットがハッキングされたと
主張する P2P ユーザを狙ったものである
と思われるが,これは結局,全てのユー
ザがウィルス防止とフィルタリングプロ
グラムをコンピューターに設置しなけれ
ばならないことを意味する。
的とする作品を除外する(そのため新聞
は自由に報道写真をコピーすることがで
きると主張できない),⑤数やフォー
マットは合理的な範囲内)であること)
。
1条と1条の2は,「本条項で列挙される
例外は著作物の通常の利用を妨げることがで
きなく,それが著者の合法的な利益に不当な
損失を引き起こすことはない」として,ベル
ヌ条約のスリーステップテストをフランス法
5.著作権の制限の拡大
に採り入れている。
著作権( Droit d’auteur)は排他的権利で
この条項は多くの議論があった。反対者は,
あるが,フランス法にもいくつかの例外(著
法の文言が不明確なために,国民はどれが許
作権の制限)を規定している(CPI L122-5)。
される行為で,どれが許されないか(しかも
そして DADVSI 法の1条と1条の2は既存
著作権法の例外の範囲を広めた。
重罪になる)を分かりにくいと,明確ではな
いために,この法律は違憲であると主張した。
1)教育のための例外(2009年1月1日
から施行)
2005年 12月に,フランス憲法院は,税金法
案が,明確でないために違憲であると判断し
教育目的でない短い作品または作品の
ている 15。
抜粋の再上演または再複製を許容する。
Ⅴ むすび
(ただし以下の条件に沿った場合:①教
育と研究の分析を例解するためだけの目
的で使われ,再創作行為が無いこと,②
欧州情報化社会指令の国内法化として成立
聴衆は直接関連のる多数の学生や教育・
したこの DADVSI 法により,フランス著作権
研究員に限定されること,③商業的利用
法は大幅に改正された。インターネットの
をしないこと,④このような利用に対し
P2P における私的複製の禁止や,著作権の技
術的保護手段の迂回禁止,そして DRM の相
互運用性などを規定し,議会での審議段階か
ら多くの議論を呼んだ。
デジタルネットワーク時代において,著作
権の保護を強化するという意味では,米国の
デジタルミレニアム著作権法と方向性を一緒
にすると思われるが,「 DRM の相互運用性」
を規程し,消費者の選択の幅を広めたという
点では,著作権の保護だけではなく,利用の
て著作権者に適切な報酬を支払うこと)
2) 一 時 的 な 機 械 的 複 製 ( 例 え ば web
caches)を明示的に許容する。
3)障害者が自由に作品を複製・上演でき
るような特別な施設を認める。例えば,
音楽を点字に変換するとか,そしてそれ
に使われた電子的ファイルは行政機関で
保管する。
4)公共図書館,美術館,文書館が資料を
121 ―
― 面も考慮しているように思われる。今後どの
ように適用されるかが注目される。
注
2
Directive 2001/29/EC of the European Parliament and of the Council of 22 May 2001 on
the harmonization of certain aspects of
copyright and related rights in the information society は,通常 European Directive on
Copyright( EUCD)と呼ばれ,米国のデジ
タルミレニアム著作権法(DMCA)に相当す
るものである。原文はこちら。
http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=CELEX:32001L0029:EN:HTM
L
3 スリー・ステップ・テストとは,①特別の
場合について,②著作物の通常の利用を妨げ
ず,③その著作者の正当な利益を不当に害し
ないことをいい,ベルヌ条約9条¹,
TRIPS13条,WCT10 条等に規定されている。
4 指令はその中で,デジタル権利管理システ
ム( Digital Rights Management : DRM)の
適切な法的保護を義務化しているが,何が
「適切な保護」であるかは定義していない。
5 フ ラ ン ス 知 的 財 産 権 法 ( Code de la
propriété intellectuelle : 以 下 CPI と い う )
の L122-5 に著作権の例外を規定し,私的複
製を認定している。:フランス居住者はソフ
トウェア以外の著作物を私的使用のために自
由にコピーでき,家族や友達の範囲で自由に
展示できる。しかし,フランス法では,権利
者の損害に対応するための「私的複製税」と
いうのがあり,オーディオ・ビデオ・ CD ・
DVD ・メモリカード・ハードドライブ・携
帯メディアプレーヤーなどの空メディア
(blank media)に賦課されている。
6 現在は CPI. L122-5により認められている。
7 「グローバルライセンス」プロジェクトは
2005年に主唱されたが,後に廃棄され,現在
の DADVSI 法には含まれていない。原案に対
する代案としては,P2P を犯罪化するのでは
なく,P2P ファイル交換を合法にし,その代
わりに,ブロードバンドインターネット登録
に料金を取り,それをアーティストや作家の
ための助成金にするというものであった。こ
れがいわば,「グローバルライセンス」もし
くは「リーガルライセンス」というもので
あ っ た 。 こ れ は alliance public-artistes に
よって進められた。
8 憲法院の審議後,シラク大統領によって署
122 ―
― 名っされた法律原文(フランス語)はこちら。
http://www.legifrance.gouv.fr/WAspad/
UnTexteDeJorf?numjo=MCCX0300082L
9 この法の焦点は, DRM と P2P 規制である
が,他の著作権関連内容も盛り込まれている。
第Ⅱ章では,国家と地方自治体の被雇用人の
著作物に権利帰属を明確にし,第Ⅲ章では,
著作権者のために使用料を徴収する団体への
規制を強くし,レコード会社に対する税額控
除を新設した。第 IV 章 では,著作物の供託
の手続きを変更し,第 V 章では,芸術作品の
追求権( resale)に関連する特定の規則と
アーティストの報酬を改正した(これは
。
「droit de suite」として知られている)
10 しかし,これには不明確な点があって,
ファイル1個に対して 38ユーロなのか,1
回の行為に対して 38ユーロなのかという問
題がある。また,「グローバルライセンス」
の支持者は,その罰金は結局国庫に帰属し,
著作者の財政的な利益にはならないことを指
摘している。
11 あるフランス政治家は,フリーソフトウェ
アは非ヨーロッパ企業によって独占されてい
る分野での競争を提供するので,フランスに
とって大事であると宣言した。
12 Free Software Foundation France,
EUCD.info, Framasoft, APRIL, AFUL など
13 これはフランス消費者法( Consumption
code, L122-1) で 禁 止 さ れ て い る 。 http://
www.legifrance.gouv.fr/WAspad/UnArticleDeCode?code=CCONSOML.rcv&art=L12
2-1
14 http://news.com.com/Apple+calls+French
+law+state-sponsored+piracy/2100-1025_36052754.html
15 http://www.conseil-constitutionnel.fr/decision/2005/2005530/index.htm