第6回授業資料

授業日程
第01回 (9/28) 授業概要
第02回 (10/5 ) 認証とプライバシ (1)
第03回 (10/12) 認証とプライバシ (2)
第04回 (10/19) 認証とプライバシ (3)
インターネット時代のセキュリティ管理 第6回
デジタルコミュニケーションにおける
コンテンツマネジメント
今日はこの回!
第05回 (10/26) デジタルコミュニケーションにおけるコンテンツマネジメント (1)
第06回 (11/2) デジタルコミュニケーションにおけるコンテンツマネジメント (2)
第07回 (11/9) デジタルコミュニケーションにおけるコンテンツマネジメント (3)
奈良先端科学技術大学院大学 山口英
慶應義塾大学 村井純
第08回 (11/16) 個人と社会のセキュリティ (1)
第09回 (11/30) 個人と社会のセキュリティ (2)
第10回 (12/7) 個人と社会のセキュリティ (3)
第11回 (12/14) インターネットの未来像:セキュリティアーキテクチャ (1)
第12回 (12/21) インターネットの未来像:セキュリティアーキテクチャ (2)
第13回 (1/11) インターネットの未来像:セキュリティアーキテクチャ (3)
2
今回の授業で取り上げるのは
前回のまとめ
„ 知的財産権と保護する技術 (前回の続き)
„ コンテンツマネジメントとは?
z コンテンツ製作者・コンテンツ利用者の権利
z 権利を守るための法律・団体・技術
„ 著作権の保護における問題
z 私的録音録画補償金制度
„ 新しい著作権の考え方
„ コンテンツをどう守るか?
z 基本的な考え方
z クリエイティブコモンズ(Creative Commons)
z コピーレフト
» コミットメント、ポリシング、レゾリューション/ペナルティ
„ インターネットと放送
„ P2Pのもたらすもの 新しい流通モデル
z 保護技術
„ iTunes Store (iTS) が変えたもの
3
4
DRM (Digital Rights Management)
知的財産権と保護する技術
„ デジタルデータの保護技術の総称
z 複製制限技術, 電子透かしなど
z 音楽や映像、文章などに適用される
„ コピーではなく再生の制限をする技術が多い
z ライセンスを持っていないと再生できない
z 再生回数、有効期限、CD焼き付けやデジタル音楽プレーヤ
ーへの転送を制限
„ ユーザの自由の制限
z 異なるDRM間で互換性がない
z バックアップや指定以外のデジタル音楽プレーヤーでの
利用ができない技術が多い
z “Digital Restriction Management” とも呼ばれる
6
1
DRMに於けるコンテンツ視聴者の特定
主要DRM
„ 認証
z コンテンツ再生,保存,複製などの際,ライセンスを持ってい
るユーザーかどうかを認証
„ 既存の認証方式
z 専用受信デバイス(セットトップボックス)の利用
1. WMRM
•
Microsoft
2. FairPlay
•
Apple Computer
3. DNAS
•
» BBケーブルTV
» Plala.TV on 4th Media
» KDDI光プラスTV
SONY
4. Helix DRM
•
Real Networks
z WEBを利用したパスワード認証+DRM
5. CPRM
» can-d.com (gooプレミアムメンバー + OpenMGX)
•
z WEBを利用したパスワード認証+DRM+ストリーミング
IBM, Intel, 東芝, 松下
6. DTCP (Digital Transmission Content Protection)
7. DTCP-IP (Digital Transmission Contents Protection over Internet Protocol)
8. 電子透かし(Digital Watermark)
» MORRICH(WMT)
• 購入したPC以外でのストリーミング受信不可
» One Day Vision(WMT)
7
8
2.FairPlay
1.WMRM (Windows Media Rights Management)
„ Apple Computer の DRM 技術
z iTunes Music Storeで利用
z 比較的自由な利用を認めるのが特徴
„ Microsoft
„ WMTのDRM
z メディアファイルを鍵を使って暗号化
z 鍵は別個に配布される、暗号化されたライセンス内
に格納
z ライセンスサーバを利用して認証
z 再生回数、転送可能なデバイスの制限、有効期限
などが設定可能
„ Apple IDによるネットワーク経由での認証
z コンピュータ上で再生しないコンテンツの
認証を解除できる
„ 制限の例
z PCでの再生: 5台まで
z CD への焼き付け: 無制限
z デジタル音楽プレーヤーへの転送: 無制限
„ ユーザはライセンスキーを再生時に取得
z このときに支払いなどが要求される
9
http://www.microsoft.com/japan/windows/windowsmedia/wm7/drm/architecture.aspx
10
3.DNAS (Dynamic Network Authentication)
4.Helix DRM
„ SONY
„ Real Networks
„ 2003年1月に発表
„ Play Station2で用いられる認証方式
z PS2本体,メモリーカードなどには固有の機器IDが存在
z PS2対応のDVD,CD-ROMの固有IDと組み合わせ,DNAS
にアクセス,認証
z MCS(Media Commerce Suite)に代わるもの
„ 対応フォーマットが多い
z Real Audio, Real Video, MP3, MPEG4, H.263,など
„ XMCL(eXtensible Media Commerce Language)に対応
„ RealSystem iQをベース
„ 認証例
z パッケージを購入したユーザーがDNAS制御下でHDDにソ
フトをインストールすると,付加情報がHDD内に組み込まれ
る
„ 5つのコンポーネント
z
z
z
z
z
» ソフトの期限付き利用やHDDへのインストール制御
» ユーザーの年齢等,試聴制限
11
Helix DRM Packager
Helix DRM License Server
Helix DRM Client
Helix Universal Server DRM Plug-in
Helix DRM Device Support
12
2
5-2 CPRM
5-1. CPRM (Content Protection for Recordable Media)
„ デジタルコンテンツのコピーは1度だけ
„ 鍵(キー) により暗号化
z デバイスキー
» CPRM対応のPC・DVD Player等の機器側に用意されている鍵
デバイスキー
DVD A
DVD B
MKB
MKB
メディアID・A
メディアキー
暗号化された
コンテンツ
z MKB(Media Key Block)
デバイスキー
» CPRM対応のとDVDメディア側に記録
z メディアキー
» デバイスキーとMKBから生成
メディアID・B
メディアキー
暗号化された
コンテンツ
違法コピー
復号化
„ コンテンツが複製されるときに私的録音録画補償金制度を担保
する為のメカニズム
z メディアにキーがついていて、そのメディアに保証金を上乗せしている
復号化
再生
„ あるメディアを流通可能なメディアに固着化させる方法で、結果
再生不可
コンテンツ
としてコピーワンスを実現する技術
コンテンツ
z 流動可能なコンテンツの最終出口であるメディアに固着化する
13
14
7. DTCP-IP
6. DTCP (Digital Transmission Content Protection)
(Digital Transmission Contents Protection over Internet Protocol)
„ IEEE1394上で伝送を行うための暗号化技術
„ DTCPをIPネットワーク上へ展開
„ 機器ごとに公開鍵暗号/共通鍵暗号を利用してデバイスを
„ DRM間の非互換性に対処
相互認証
„ データを暗号化して送信する
„ 日立、Intel、松下電器産業、ソニー、東芝が共同で開発
„ CCI (Copy Control Information)
„ 地上波デジタルの出力インタフェースとしての利用を
ARIBが承認(2005年9月29日)
z ただしクライアントは8台まで、同一サブネットに限定
z コピー制御情報を設定
z Copy Free
ライセンス組織
z Copy Once
z Copy No More
z Copy Never
機器証明書
機器証明書
1.認証要求
2.機器認証/鍵交換
再生
コンテンツ
送信側AV機器
3.コンテンツの暗号化・送信
受信側AV機器
15
16
8. 電子透かし(Digital Watermark)
DRM と CAS
„ 可視透かし
z ロゴや著作権をオリジナルの画像に埋め込む
z 適合するIDファイルと除去用プログラムで除去可能
z 画像の不正使用、加工の抑制に効果
„ DRM (Digital Rights Management)
z 著作権者の利益を守る技術の総称
z 複製の制限や検出
„ CAS (Conditional Access System)
z 限定受信システム
z 有料放送サービスに用いられる限定視聴制御方式
z 視聴者の各々が契約に基づいて視聴するチャンネルの制御
この画像は電子透かし
が使われています
„ 利用者の利益・利便性は守られるか
„ 不可視透かし
z 目に見えない形でデータを埋め込む
17
18
3
DRMとB-CAS - 著作権管理技術の対比(例) B-CAS
WMT
配信者
コンテンツ
番組情報
契約情報
scrambler
暗号化
多重化
復号化
契約情報
B-CAS
カード
コンテンツ
1.パッケージ化(暗号化含)
License
Server
WEB
Server
2.Request
3.Receive Media
分離
4.Request License
試聴
判定
著作権の保護における問題
Streaming
Media
Server
descambler
受信者
5. Download
License
Media Player with
Windows Media Rights Manager
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現状の問題
私的録音録画補償金制度 (1)
„ 技術に完全性を求めていくと、使いにくくなる
z 例:
z WOWOW – 2台チューナーがある家庭では2倍の支払い
z コピーワンス – バックアップできない
z CCCD – iPod で聴けない
„ 私的使用を目的とした個人、または家庭内での複製については著作権法で
Î 使いやすさと、知的所有権の保護には
トレードオフの関係がある
„ 補償金は機器やメディアの販売価格に上乗せされている為、購入時に無自
も認められてきたが、デジタル方式で録音・録画する場合に、一定の割合で
補償金を徴収し、著作権権利者への利益還元を図ろうとするもの
„ 日本では、1992年の著作権法改正に伴って導入
„ デジタルメディア (MD、CD-R/W、DVD-R/W等) を用いて録音・録画する場
合は、利用者は一定の補償金を管理団体に支払わなければならない
覚のうちに支払っていることが多い
„ 権利者団体が制度の拡大を要求している一方、制度の趣旨・運用について
の疑問が呈されており、著作権法改正をめぐる重大な争点の一つ
21
私的録音録画補償金制度 (2)
22
SOI と JASRAC
„ 授業で歌詞を使うこと自体は OK
„ 利用者は次の場合権利者に補償金を
支払わなければならない
z 私的使用を目的とした場合
「デジタル方式の録音又は録画の機能を有する機器
であって政令で定めるもの」により、
「当該機器によるデジタル方式の録音又は録画の用
に供される記録媒体であつて政令で定めるもの」
に録音又は録画を行う場合(著作権法30条2項)
z 例外
「放送の業務のための特別の性能その他の私的使用
に通常供されない特別の性能を有するもの」及び
「録音機能付きの電話機その他の本来の機能に附属
する機能として録音又は録画の機能を有するもの」
を利用してデジタル録音・録画を行う場合には、補償
金を支払う必要は無い(同項)。
z 著作隣接権の目的となっている実演又はレコードを同
様の手段で利用する場合(102条1項)
„ その授業をインターネットで配信した場合は?
„ 例えば
z 「十五十六十七と私の人生暗かった過去はどんなに暗くとも
夢は夜ひらく」
» 藤圭子「圭子の夢は夜ひらく」
z “Being here, but my mind is far away. I say good bye to
my stupid friends and move on…”
» Bossa Nova Girls, “being here” (村井研究室の斉藤さんが
JASRAC に登録している曲です)
23
24
4
JASRAC との契約内容
„ 教育機関の場合、年間 30曲以上使用で2万円の著作
権料を支払う
„ SFC は Global Campus で契約
z 結構多量に楽曲を利用しているようです
新しい著作権の考え方
Creative Commons、コピーレフト
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Creative Commons
コピーレフト
„ “Some Rights Reserved”を告知する仕組み
z DRE (Digital Rights Expression)
z 全面保護ではなく作者が保護したいものだけを保護
z 例:営利利用は禁止、教育目的利用は許可
„ コピーレフトとは
z 1984年にフリーソフトウェア財団を設立したRichard
Stallmanによって提唱された著作権概念
z 著作物の利用を縛るための著作権に対して、直作物の自由
な利用を認めるための権利主張
z 共有を前提とした、著作者と著作物の保護
„ 設定可能な項目
z 翻案・改変の許諾
» 作品を同じ条件で共有する場合のみか否か
„ 知的創造活動の保護と尊重を目的とした
z 営利目的の利用
新しい形の権利
z ライセンスの管理地
z 作品の形態(音楽・画像など)
z 著作物の自由な利用を妨げないための権利
z 共有と自由な共同的な創造活動の支援と著作者の尊重
„ ライセンスの施行を強制するわけではない
27
28
コピーレフトの考え方
コピーレフトの広まり
„ コピーレフトの仕組み
„ インターネットでの共同作業における権利のあり方とし
z 著作権を放棄することで、著作物の自由な公開と利用を促進することができる
て広まりつつある
z しかし、この方法では公開された著作物から派生する著作物が独占的な権利を
z コピーレフトに従った様々なライセンスが登場
帯びる可能性がある
z そこで元の著作者が、著作物の派生物に関しても自由でありつづけるための権
利を付与するというアイデアがコピーレフトである
» GPL, LGPL, Mozzila Public Licence (MPL)
» ソフトウェアや文章へと適用するライセンス
„ コピーレフトの定義
z オープンソース運動
z 創造物の使用、コピー、再配布、改変を制限しない
» プログラムのソースファイルは開示されるべきだという運動。ソースを
開示したソフトウェアの開発、配布を行っている。
» GPLに基づいたソフトウェアのリリース
» コピーレフトに基づいて活動することで、オープンソースという考え方
そのものも伝播させている
z 改変したもの(派生物)の再配布を制限しない
z 改変したもの(派生物)の使用、コピー、再配布、改変を制限してはならない
z コピー、再配布の際には、その後の使用と改変に制限が無いよう、全ての情報を
含める必要がある(ソフトウェアではソースコード含む)
z 使用、コピー、再配布、改変のいずれにおいても、コピーまたは派生物にコピーレ
フトのライセンスを適用し、これを明記しなければならない
29
30
5
大相撲中継(「放送50年史」より)
経営難に陥っていた大日本相撲協会は、野球のときと同様、
当時、
「もし相撲の中継放送を許したら、
国技館の観客はますます減るであろう」
と主張して東京中央放送局の申し入れに応じなかったが、
六代目出羽海親方の
「ラジオでおもしろそうな勝負を耳にすれば、相撲に関心の
薄い人もきっと国技館に来るようになる」
という意見で中継が決まったという。
インターネットと放送
はたして昭和三年一月、春場所大相撲の実況が
東京・両国の国技館から中継されると、
大鉄さん下のマス席はたちまち
超満員となった。
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インターネット放送の黎明
インターネット放送と権利
„ Internet Talk Radio(1993年)
„ 権利問題の解消に向けて
z ASCAP (American Society of Composers, Authors and
Publishers)
z 世界初のインターネットラジオ局 (FTP 使用)
z Mbone (Multicast backbone) 使用も
„ Geek of the Week
» Internet License Agreement
• http://www.ascap.com/weblicense/
z 世界初のインターネットラジオ番組
z 先進的なネットワーク研究者、エンジニア、およびその他のトラブルメー
z BMI (Broadcast Music Incorporated)
カーにインタビュー
z http://town.hall.org/radio/Geek/092293_geek_ITR.html
» BMI Digital Licensing Center
• https://account.bmi.com/
z JASRAC
» 音楽利用の手引き
• http://www.jasrac.or.jp/network/jtakt/tebiki.pdf
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出力保護
(EPN : encription plus non-assertion;)
コピーワンス
„ デジタル複製を一回に
„
„
„
„
制限する
地上デジタル放送を含
む全ての放送コンテン
ツは、 一回だけ録画
を可能にする
オリジナルデータを残
したままでの複製(ダビ
ング)は出来ない
データの移動(ムーブ)
のみ可能
各受信機器に於ける暗
号の解読はB-CASカ
ードが担保する
34
„ 暗号を解除できる
特定の受信機であ
れば、回数・世代に
制限無くコピーでき
る
„ インターネットへの
再送信は出来ない
JEITAによる2006年1月
記者会見説明資料より
JEITAによる2006年1月
記者会見説明資料より
35
36
6
1 通信・放送融合・連携に係る動向
1995
97 交換機のデジタル化完了
DSLの普及
FTTHの普及
ブロードバンド化の
進展
第3世代携帯電話の普及
★電気通信事業法改正(規制緩和・公正競争の促進)
・97/接続ルール制度化
・98/料金届出制移行
名称
1,430万加入
突破(H17.9)
390万加入
突破(H17.9)
3,800万加入
突破(H17.9)
・01/非対称規制拡充
・03/参入許可の廃止(登録制・届出
紛争処理委員会設置
料金・約款規制の原則廃止
★利用環境整備に係る法制度整備
・99/不正アクセス禁止法 ・01/プロバイダ責任制限法 ・02/特定電子メール法
インフラ共用進展
融
合
★89 放送法改正(受委託制度創設)
92 通信衛星によるTV放送開始
96 CATVを利用したインターネット接続事業開始
配信
映像・
音声コンテンツ
インターネット上の
連
携
05 民放が番組をインターネット配信開始
「GYAO」などブロードバンド動画
配信の本格化
05 ポッドキャスティングの本格化
展
00 BSデジタル開始
<衛星放送のデジタル化>96 CSデジタル開始
98 一部地域で開始
2
0
1
1
年
完
了
映画・ドラマ、音楽、アニメなど6ジャンル
GYAO
USEN
05/04
映画・音楽・ドラマ・アニメなど11ジャンル
(入会金、会費は不要)
TVバンク
ソフトバンク,yahoo
05/12
無料を中心とした約10万本のコンテンツ・広告主から収
入を得るビジネスモデル導入
OCNシアター
NTTコミュニケーションズ
04/12
②
② ポッドキャスティングの動向
ポッドキャスティングの動向
サービス概要
04/09
ビック東海
100タイトル見放題コース カラオケ・情報コンテンツ等
04/12
ポータルサイトのみならず、ラジオ放送局が自らの
サイトで放送中の番組の一部を提供。
受信端末
パソコン
ラジオ局等の
WEBサイト
STB
対応サイトの音声ファイル更新時に
自動的にダウンロード
基本料金のみで毎月100タイトル見放題、映画・音楽・
スポーツ等最大1000タイトル
J:COM
オンディマンド
ジュピターテレコム
05/01
年間契約サービス・一日視聴サービス等を実施、無料番
組、映画、スポーツ等1500タイトル以上
BBTV
ビー・ビー・ケーブル
03/03
ベーシック34ch、無料4ch、アラカルト3ch
光プラスTV
KDDI
03/12
ベーシック25ch、オプション5ch
4th MEDIA
オンラインティービー
04/07
基本25ch、オプショナル18ch
オンデマンドTV
アイキャスト
05/06
ラジオ局系
STB
音楽レーベル
系
提供者
携帯音楽プレーヤーに音声
ファイルを転送
番組の概要
J-WAVE
「TOKIO HOT 100」など放送中の3
番組を再編集
エフエム東京
月曜から金曜までの放送中の「
HONDA SWEET MISSION」の土曜版
エフエムインターウェーブ
Inter FMのDJ陣によるトークや日替わ
り英会話が中心
日経ラジオ社
株式情報や競馬情報など、数十分
間に及ぶ長い番組が多い
ニッポン放送
森永卓郎や田崎真也など有名人に
よる独自番組を8タイトル提供
abcdefg*record
インディーズレーベルによる所属アーティストの
楽曲配信
ビーイング(BEING GIZA
STUDIO)
B’zや倉木麻衣など所属アーティストの新
曲を紹介
ニフティ
1500タイトルのポッドキャストを紹介。落語
や英会話が人気。
ライブドア
音声コンテンツポータル「ねとらじ」上で
提供
ベーシック21ch
ポータルサイト
地上民放系
06.04 ワンセグ
<地上放送のデジタル化> 03.12 東名阪で開始
開始
★99 放送法改正
06.12 全国県庁
(デジタル方式のテレビジョン放送等の導入関係)
所在地開始
★01 電波法改正
(地上デジタル放送導入関係)
デジタル化の進
<ケーブルテレビのデジタル化>
提供事業者
380社(H17.9)
登録事業者(H17.12)
衛星:47社、有線16社
03 TV、電話、ネットの「トリプルプレー」本格化
(12月:JCOM及びKDDIサービス開始)
開始時期
ケイ・オプティコム
おうち
deシアター
役務利用放送系
★01 電気通信役務利用放送法制定
02 電気通信役務利用放送開始
提供主体
eo光ネット
ジャンル
CSデジタル放送
122社(H17.12)
・
放
送
の
動
向
①
① 主なブロードバンドネット映像配信事業の動向
主なブロードバンドネット映像配信事業の動向
2005
通信系
通
信
の
動
向
2 映像・音声コンテンツのネット配信の動向
★:主な制度的対応
2000
フジテレビ
on Demand
フジテレビ
05/07
フジテレビ番組・映像コンテンツを有料配信
第2日本テレビ
日本テレビ
05/10
日本テレビの過去のテレビ番組を中心に有料配信、会
員制
TBS BooBo
BOX
TBS
05/11
TBSグループのテレビ番組や映像コンテンツを有料配信
パソコン
※各社HP等より総務省作成
※デジタルARENA(nkkeibp.jp)ホームページより
38
3 諸外国における最近の取組状況
サービス開始
(実験含む)
事
業
者
の
動
向
YouTube
SBCコミュニケーション(地域通信大手)
2004年11月
米
2004年11月、光ファイバによるIPネットワークの構築及びテレビ・データ・音声の統合サービスの提供を開始することを発表。2005年第4四半期にはIPテレビサービスを開始、2007年末には
1,800万世帯をカバーすること目指す。
„ 2005年2月にアメリカで設立
CBS(放送事業者)
2005年7月
国
2005年9月
2005年7月、インターネットでニュース映像の無料配信を開始。
„ オンライン上で動画を共有、閲覧
CNN、ABC(放送事業者)
2005年8月、同年9月からヤフーを通じネットで番組を無料配信することを発表。
ベライゾン(地域通信大手)
2005年9月
2005年9月
„ 著作権問題
z 著作権侵害ファイルのアップロードは原則禁止
2005年1月、本年末よりテレビ番組配信サービスである「FiOS TVサービス」を提供開始することを発表。
2005年9月、テキサス州ケラーにおいてサービスを開始
スプリント(通信大手)
2005年9月、携帯電話を介して、テレビ番組を試聴できるサービス「スプリントTVライブ」提供を発表。
アップルコンピュータ(メーカー)
2005年10∼
12月
» テレビ放送、舞台映像など
2005年10月、ビデオやテレビ番組を再生できる携帯音楽プレーヤー「ipod」の新機種を発表。テレビ番組の配信では、米ウォルトディズニーと提携した。なお、iPodの累計販売台数は
4,200万台(2005年10∼12月期は1,400万台販売)。
ティーボ(テレビ番組録画サービス事業者)
2005年11月、ヤフーと提携。両者の提携で、ティーボ加入者は自宅以外の場所でもヤフーのサイトからネット経由でテレビ番組を録画予約できる。ティーボは、10月末時点での全契約者数
が400万人を超えた。
ヤフー(インターネットサービス)
携帯端末やテレビ画面向け新事業「ヤフー・ゴー」を発表。携帯電話やテレビ画面上でも、ニュースや電子メール閲覧など、ヤフーの各種サービスをパソコン並に利用できるようにする
。(数ヶ月後にサービス開始予定)
2006年1月
グーグル(インターネットサービス)
インターネットを通じてテレビ番組などの映像を配信する新サービス「グーグル・ビデオ・ストア」を近く開始する。米3大ネットワークの1つCBSテレビの番組等を提供する。価格は1本1
∼4ドル程度の予定。
英
国
仏
British Telecom(通信大手)
2006年春
2005年6月、BTの小売部門であるBT Retailは、英国内におけるTV番組配信にMicrosoft社のプラットフォームを用いることを発表。サービスの内容は、VOD/30チャンネルを超える地上波
デジタル放送/テレビ電話/80時間録が可能なSTB/ゲームや電子商取引など。試験サービスを2006年春ないし初夏に、商用サービスを2006年晩夏ないし秋に提供開始の予定。
BBC(放送事業者)
2005年10月
z 2006年6月から削除作業の活発化
» それ以前は違法コンテンツも放置傾向にあった
» 日本の各テレビ局にはYouTubeに対する専任監視部隊が設けられ
ている
z 2006年8月からJASRACによる削除が開始
» 日本のアーティストのプロモーションビデオや音楽など
10月末にも「iMP(interactive Media Player)」サービスの実験を開始。すべての番組を対象に、見逃した番組を放送後1週間以内なら好きな時にパソコンにダウンロードして見られ、1
週間先まで予約も出来る。対象は5000人、3ヶ月の実験予定。問題が生じなければ無料の正式サービスに移行。
France Telecom(通信大手)
2004年7月
2004年7月、インターネット、IP電話、TVサービス(ADSL)、ネットゲームなどを1つのセントラルハブを通じて提供するLive Boxサービスを開始。2004年にはフランスで234,000件の契約を
達成。2004年末までにイギリス、オランダ、スペインでサービスを開始する予定。
39
40
交換から共有へ ∼ Winnyの登場まで
„ Warez交換・配布
z ftp, WWW, Netnewsを利用した違法ファイルの交換・配布
z 規模が小さく注目を集めるには至らなかった
„ ファイル交換アプリケーションの登場
P2Pのもたらすもの
新しい流通モデル
z 初期: Gnutella, NapsterによるP2Pアプリケーションの登場
z 中後期: WinMX、KaZaaとしてより洗練された形へ
z ハイブリッド型P2P
„ ファイル共有へと変化
z Winny (2002)、Share(2004)の登場
z ピュアP2Pへ
z ブロードバンド化の後押しによる、より効率のいい流通形態
42
7
インターネットに於けるファイル交換の変遷
クライアントサーバ
ハイブリッドP2P
P2Pファイル交換アプリケーションの普及
„ Napster
ピュアP2P
„ Gnutella
„ Winny
中心
: Server
中心
: Server
„ WinMX
„ LimeWire
ピア
ピア
„ Share
ピア
ランデブーも通信も中心
で行う
ランデブーを中心で行い、
通信をピア同士で行う
ランデブーも通信もピア同
士で行う
FTPやWWWを利用した
ファイル交換
WinMX, KaZaa,Napster
Gnutella, Freenet,
Winny
„ BitTorrent
43
44
Napster
Gnutella
„ 特徴
z 所有する音楽ファイル(mp3)のリストを共有し、ファイル取得
を可能としたソフトウェア
z ハイブリッド型P2Pとして実現されていた
z チャット機能が実装されており、ファイル共有を目的としたコ
ミュニケーションツールとしても機能していた
„ 特徴
z mp3ファイルに限らないさまざまなファイル形式の公開を可
能としたソフトウェア
z 管理中心となるサーバが存在せず管理主体も存在しない
z ピュアP2P型の実装
z その後のP2Pファイル交換ソフトウェアの参照モデルとなっ
た
„ 略歴
z 2000年2月 米Nullsoft社の開発者から公開
z 2000年3月 公開
しかし公開元のAOL社の判断によって24時間で
公開停止
z さまざまなクローン版が登場している
„ 略歴
z Northeastern University(米マサチューセッツ州ボストン)の
学生 シャウン・ファニング(Shawn Fanning)氏が1999年1
月に開発
z 2000年7月 RIAAより提訴され敗訴、ネットワークを停止
z 2003年10月より、音楽配信サービスとして再生
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Winny (1)
Winny (2)
„ Winnyとは
„ 2003年時点で20万人(ネットワーク社調べ)∼200万人
z WinMXの後継として日本人が開発したファイル共有のためのアプリケー
(ACCS調べ)のユーザーが存在と推定される
ション
z ピュアP2P型によるファイル共有ネットワーク構築ソフトウェア
z 国産であることと手軽に利用可能だったことから大流行し、ファイル共有
ネットワークが構成された
„ 2004年11月に利用者が逮捕された以前と以後で、国内
トラフィックの1/6近くが低減した
(Winnyの利用減少分?)
„ Winnyの略歴
z 2002年5月6日 β版公開
z 2003年5月5日 2.0β版公開
z 2004年11月28日 Winny利用者の逮捕
開発者家宅捜索、開発の停止(2.0β7.1)
z 2004年5月31日 京都地検が開発者を起訴
著作権法違反(公衆送信権の侵害)の幇助罪
z 2004年6月1日 開発者保釈
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Winnyをめぐる問題
Winnyからわかったこと
„ 流通する情報の質への問題
z 他人の著作物の違法流通
z 偽造ファイルや詐称ファイルの流通
z ウィルスの蔓延
„ 潜在顧客の存在
z 適切な価格と利便性によってはコンテンツ購入の顧
客となりうる層が存在することを証明した
„ ユーザーによる自主的な流通網の構築
z コンテンツ流通における最大のコスト要因である流
通網の整備に対しての新しい解が存在することを示
した
„ ファイルの取り扱い方法に原因
z 誰もが自由にファイル発信ができる
z 発信ファイルの取り消しができない
z ファイル発信元の特定が不可能
z 目的とするファイルを正しく知る方法がない
→ 適切な技術導入による情報流通基盤としての
可能性
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P2P流通網の可能性
よいところを取り出そうという試み
„ P2P流通網への期待
z 流通の中抜きによる価格引下げ
z 著作者からユーザーへの直接的な流通の可能性
z コスト問題から無視されてきたマイナー著作物の流通整備
z 参入コストの低さによる様々な著作物の流通市場の整備
„ P2Pネットワークの積極的利用
z 2005年10月に、タワーレコードと米Napster社が提
携しNapsterジャパンを設立
z 米Kazaa社は、プロモーションファイルの配布、有料
ファイル配信、広告などによる収益モデルを確立
„ P2P流通網の整備に必要とされる技術例
z ファイル保護
z ユーザー保護
z 課金
z ファイルの追跡保証
„ 著作者の権利が保護されるなら、それでいい?
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iTSとは?
„ Apple の音楽プレーヤーソフト “iTunes” から利用できる
音楽、Podcast、オーディオブック、iPodゲーム
を配信するサービス
z DRM付きAAC形式の音楽コンテンツを配信
iTunes Store (iTS) が変えたもの
z 安価な価格設定
» 米国: $0.99 (US)
» 日本: 90%の曲が¥150、残り10%の曲は¥200
z 100万曲(日本)の品揃え、品切れなし、即座に入手
„ 2003年4月 米国でスタート
„ 2005年8月 日本でも展開
z 15社から100万曲の楽曲提供
» AVEX、東芝EMI、コロムビアなどが参加
» SMEなどは不参加
z iTS進出後、他の事業者も追従値下げ
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利用方法
iTS
1. Appleアカウントを作成
2.購入する曲を選択
(メールアドレス、
クレジットカードの登録)
3.サインインして購入
4.ダウンロード
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Before iTS
After iTS
„ コンテンツプロバイダ側:
z 権利保護のため、厳しいDRMを適用
„ ゆるい利用制限
z CD焼き付け可能、携帯音楽プレーヤーへの転送回数制限なし
z きつい制限、低いユーザビリティ
„ 爆発的な販売実績
» 例: CD焼き付け禁止、携帯音楽プレーヤーへの転送回数制限
„ ユーザ側:
„ 米国
z 2003年 開始後1週間で150万曲、16日で200万曲,
9月に1,000万曲、12月に2,500万曲突破
z 2004年3月に5,000万曲、7月に1億曲突破
z 2005年3月に3億曲、7月に5億曲突破
z P2Pネットワークでの“無料”の違法なコンテンツ流通
z (技術的な)利用の制限なし
» CD焼き付け可能、携帯音楽プレーヤーへの転送回数制限なし
„ こうした現状から、神話が形成されていた
z “合法的オンライン音楽配信は成功しない”
„ 日本
z サービス開始後4日で100万曲突破
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iTMS、米国でP2Pしのぐ人気確立
iTSからの教訓
„ NPD Groupの調べによれば、iTSは
„ 「無料」サービスとの競争
ほとんどのP2Pサービスをしのぐ人気
利用世帯数による音楽ダウンロード・サイトのトップ10
(2005年3月)
6月
1. WinMX(210万世帯)
2005年 :
ter裁判
2. iTunes Store(170万世帯 ; 当時)
Groks
対
M
rらに
MG
3. LimeWire(170万世帯)
rokste
業のG を認める
4. KaZaA
P2P企
求
、
追
裁
9月
責任
米最高
2005年 止
5. BearShare
侵害の
運営停
著作権
6. Ares Galaxy
.comが
W inMX
月
11
年
2005 クの
7. Napster
ー
ネットワ
8. Morpheus
r、P2P 業界と和解
te
ks
米Gro 止/レコード
9. Real Player Store
用停
完全運
10. iMesh
Source: NPD Group
z
z
z
z
z P2Pネットワークとの競合
z アップル:「iTunes最大のライバルはPtoP」 (C|Net)
» iTunes担当バイスプレジデントEddy Cue - “最大のライバルは
不法音楽ファイル共有サービスのKazaaやBitTorrentなど”
» http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20089619,00.ht
m?ref=rss
„ 制約と利便性のバランス
z ゆるいDRMにより、ユーザに受け入れ可能な制限
z 利用者が受容可能な価格とコンテンツセキュリティ
» “がちがち”なDRMを使ったデジタル音楽配信は成功していない
„ 高いユーザビリティが重要
z 音楽配信(iTS)・管理ソフト(iTunes)・携帯プレーヤー(iPod)の
垂直統合
http://itpro.nikkeibp.co.jp/free/ITPro/USNEWS/20050608/162333/
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/06/08/7935.html
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0506/08/news009.html
http://hotwired.goo.ne.jp/news/business/story/20050608106.html
z コンテンツセキュリティとユーザビリティの両立
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課題
まとめ
reminder
„ 課題
z 現在インターネット上で発生している知的財産権に
関する問題を一つ取り上げ、技術的・制度的な視点
から考察し、その解決方法を提案してください。
„ 現状の問題点
z “完全性”と”利便性”のトレードオフ
z 新しいコンテンツ流通の形
» P2P、インターネット放送、YouTube…
z これからの社会に求められるコンテンツマネジメントとは何か?
„ 権利のあり方とは?
„ 提出
z SOIを通じて提出をお願いします
z 11/1(水) 23:59まで
z 権利侵害の新たな形
z 様々な権利保護技術の登場
„ 新たな運用とは?
z 権利間の調停のあるべき姿とは
z 運用方法次第で大きな利益
„ 本当の権利の保護とは?
z 著作者の利益保護にはなにが重要か
z 著作物の利用者はなにを求めているのか、なにを代価にできるのか
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