2006年海外教育事情短期研修報告(カナダ・カルガリー大学) PDF

2006年海外教育事情短期研修報告
(カナダ・カルガリー大学)
目
カルガリー大学短期留学に同行して
次
旭川校教授
籾岡
宏成・・・3-4
カナダで過ごしたあっという間の夏休み
札 幌 校
田島
理沙・・・5-9
Lots of Experiences in CANADA
札 幌 校
伊藤
淑恵・・・10-14
My Amazing Stay in Calgary
札 幌 校
中川
裕美・・・15-19
Let
釧 路 校
大友
沙織・・・20-31
夢のような5週間
岩見沢校
真崎さやか・・・32-35
Calgaryでの最高の1カ月!!
岩見沢校
牧野
研修参加学生からの報告
s Break The Ice with many people!!!
裕子・・・36-40
研修参加学生名簿・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41
旅行日程・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42
HOKKAIDO EXCHANGE PROGRAM SCHEDULE 2006・・・・・・・・・・・・・・・43-44
北海道教育大学とカルガリー大学教育学部との学生交流に関する覚書・・・・45
カルガリー大学短期留学に同行して
北海道教育大学旭川校
助教授(法律学)
籾岡宏成
今回の短期留学のプログラムは、本学から 7 人の学生(札幌校 4 名、岩見沢校 2 名、釧
路校 1 名、3 年生 1 名、2 年生 5 名、1 年生 1 名、全員女性)がカルガリー大学で約 1 ヶ月
(2006 年 8 月 26 日出国、同年 9 月 27 日帰国)研修を行うというものであった。昨年と同
様に、往路のみ本学からの同行者を伴っての旅程となった。今年度は、2007 年にカルガリ
ー大学からの留学生の受け入れ先となっている旭川校の代表として私が彼女たちに同行(8
月 26 日出国、同月 31 日帰国)することになった。
8 月 26 日(土)の夕方にカルガリー空港に到着し、翌日、留学生らはホームステイ先な
どで過ごし、私と留学生の 1 人は Dr. Pat Tarr 女史によるご案内で世界的な観光地である
Banff へのツアーを楽しんだ。そこでは圧倒的な湖面の美しさを誇るルイーズ湖などを訪れ
た。
28 日(月)からプログラムが開始されたが、ガイダンスやキャンパスツアーにも同行さ
せていただいた。その一方で、LaGrange 学部長、Goddard 副学部長、Smits 副学部長、Field
副学部長らとそれぞれ面談し、今後の両校の関係強化について具体的な話を進めた。その
中で北海道教育大学とカルガリー大学の間には 10 数年の歴史の中で良好な関係が構築され
ているということを確認し、北海道への留学プログラムの参加者からも大変高い評価を得
ているという話も伺うことができた。さらに、多民族国家カナダにあってカルガリーとい
う都市も例外ではなく、近年の同市の急激な人口増加の原因の一つが中国系移民の急増で
あること、それに伴って英語を十分に話せない移民の子どもに対する教育整備が喫緊の課
題であること、カルガリー大学では 2000 人以上の長期・短期留学生を受け入れているが、
その中でも最近は中国系の学生が多いこと、同大学としては現在、従来関係の薄かった南
米やアジア諸国との連携強化にも力を入れていること、などの興味深い情報を得ることが
できた。
余談になるが、私が現在先住少数民族の人権問題に関心があることを伝えたら、Dr. Pat
Tarr 女史が、教育棟に隣接するロー・スクール附属図書館のスタッフを紹介して下さった。
おかげで、わずかな時間でカナダの先住民族の自治区に関する貴重な判例資料を得ること
ができた。同女史のご配慮に感謝する次第である。
今回の引率では短い間にもかかわらず、多くの教授陣およびスタッフにお世話になった
が、たまたま出席させていただいた簡単な立食パーティーが印象に残っている。平日の日
中にいわば「ゲリラ」的に開催されているというそのパーティーは、スタッフの慰労を目
的としているとのことだった。そこでは仕事の合間を縫って、学部長をはじめとする学内
行政職にある教授から事務系のスタッフまでが参加し、ワイングラスを片手に他愛もない
世間話に興じていたのだが、日本の大学ではあまり見られない風景だなとも思った。いず
れにせよ、カルガリー大学職員の「チーム」としての一体感のようなものを感じた。
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ところで、今回の引率の往路では荷物に泣かされた。新千歳→成田→バンクーバー→カ
ルガリーという行程であったが、まずバンクーバー空港では私の勘違いで全員が荷物をピ
ックアップせず、カナダの国内線への乗り継ぎが多少難儀した。さらに、カルガリー空港
では、ホスト・ファミリーや大学関係者による出迎えのあといくら待っても荷物が出てこ
ないという事態に遭遇した。利用した航空機が小さすぎたのか、8 名全員分の荷物が搭載で
きず、翌日の便での到着になるという。身軽で宿泊先に行けたのは良かったが、着替えや
歯ブラシなどがなく(イギリスのテロ未遂事件の直後のため歯磨きセットなどが北米線で
は機内に持ち込めなかった)最初の夜は不安な思いをした。これは彼女たちも同様であっ
たと思う。しかも、初めて海外に出る学生にとってはなおさらであろう。だが、このよう
な小さなトラブルも旅の重要な要素の一部であり、後にいい思い出となるものと思われる。
そのようなハプニングを含め、私にとっても極めて印象に残る忘れられない引率となっ
た。しかし、1 ヶ月カルガリーで過ごした彼女たちはさらに多くの経験を積んで帰国したこ
とと思う。本プログラムの担当者であり、滞在中に私のお世話をしてくださった Dr. Colleen
Kawaliak 女史から、
「留学生の 7 人は極めて意欲的にコミュニケーションをとろうとしてお
り、しかもカルガリーでの生活を楽しんでいるようだ。」という内容のメールを帰国後いた
だいた。この 1 ヶ月の体験が彼女たちの今後の人生の糧となることを期待する。さらに、
より内容のあるプログラムを次年度以降も提供できるような両校の継続的な努力が必要で
あると考える。
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カナダで過ごしたあっという間の夏休み
札幌校
田島理沙
今年の夏休みはあっという間に終わりました。日本を離れて生活するのは今回が初めて
で、不安もありましたが、まわりの人たちに支えられ、有意義な日々を過ごすことができ
ました。毎日さまざまな場面で異文化に触れることで、新鮮でとても良い経験ができたと
思います。
カナダにいる最初の約 10 日間は、カルガリー大学で ESL の授業を受けました。ESL の先
生である LaDawn はとても面倒見の良い、明るく優しい人で、いつもわたしたちを楽しませ
てくれました。カナダの歴史や教育、先住民族についての授業はとてもためになりました。
数名の大学の教授がしてくれた講義もおもしろかったです。
↑LaDawn と今回の研修に参加した 7 人☆
残りの 2 週間はいろいろな学校を訪問しました。学校訪問初日に訪れたのは Alternative
high school という高校で、この学校には退学等の理由で学校を辞めた生徒が通っており、
それぞれの生徒の個性がとても強く、強烈な印象を受けました。学校でタバコを吸うこと
を許可されているというのには驚きました。しかし、生徒が自治を行っていることも影響
しているのか生徒が主体的となり、強く成長しているといった印象を受けました。そして
何より生徒は学校生活を楽しんでいるようでした。
Rundle Elementary には、いろんな国から来た子どもたちがたくさん通っていました。
「多国籍国家カナダ」が表れているような学校でした。全校生徒の約 80%が英語以外の言
語を母語としていて、ESL の授業が非常に重要な役割を果たしていました。ここで、知能と
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言語能力のレベルは異なるということをしっかりと理解しなければならないということを
学びました。インドで医者や弁護士をしていたけれども、カナダに移り住むようになり、
英語でのコミュニケーションがうまくできないために、タクシーの運転手をしているとい
うような例も珍しくないといいます。この学校はカナダの学校というよりむしろ世界の学
校という感じなので、ここの生徒は特に、世界や異文化に対する意識が強いように感じま
した。
ホストマザーの小学校である Altadore
Elementary には 2 日間行きました。1 日目に子
どもたちに鶴の折り方を教えたのですが、「作り方を教えてくれてありがとう」と言って喜
んでくれたり、「他に何が作れるの?」「また何か作ってくれる?」などと強い興味を持って
くれたので良かったです。そのあとで、ホワイトボードに私とさやかの絵を描いてくれて
すごくうれしかったです。生徒は grade3 で、みんな手を挙げたりと授業に対して積極的で
した。しかし、中には落ち着きのない子どももいました。そのとき、Team teaching は非常
に大きな効力を発揮していると思いました。昼休みには子どもたちと一緒に遊んだり、い
ろんな話をしたりと、私自身楽しませてもらいました。子どもたちはみんな本当にかわい
くて、この子たちの先生になれたらいいなと思うくらいで、お別れのときには子どもたち
がハグしてくれて泣きそうでした。というか泣きました。また、この学校ではハンディキ
ャップを負った子どもたちに生徒が本の読み聞かせをするという取り組みをしていてすご
く良いことだと感じました。
Master’s
college は私立の学校で、小、中、高校の授業を見せてもらいました。この学
校では、校長先生と教師、生徒の距離が非常に近いということにびっくりしました。校長
先生が子どもたちの名前を覚えているというくらいです。教師もその仕事をとても楽しん
でいて、学校全体に良い雰囲気を感じました。特にここの高校にはコンピューター等の変
化していく時代に対応できるような授業が充実していました。
これらの学校見学を通して、多くのカナダと日本との相違点に気がつきました。まず、
教育の仕組みです。カナダには文部省がなく、最低限の枠組みしかないため、柔軟性があ
り、教師の仕事は増えますが、その分自由に教育できるということです。また、アルバー
タ州では 80%の人が高校を卒業してもすぐには大学には行かないということです。という
のも、何歳になっても大学に行ける仕組みがあるからです。中でも一番驚いたのは子ども
たちの積極性です。子どもたちは、一人ひとりが自分の意見を持ち、それを恥ずかしがら
ずに表すことができていました。高校生になっても堂々と挙手している姿は見ていてうれ
しくなりました。
カナダにいて思ったのはとにかく自然が多いということです。緑が多く、夜には星がき
れいに見えたし、リスを見ない日はほとんどありませんでした。北海道に似ていますが、
それをもっと広くした感じです。その広さが関係しているのかどうかはわかりませんが、
カナダにはショッピングカート、映画館のボップコーン、カフェのチーズケーキ、ファー
ストフード店のジュース等信じられないくらい大きなものがたくさんありました。それか
ら、カルガリーでは馬の競技や乗馬が有名らしく、とても楽しめました。
今回が初めての海外ということもあり、ホームシックになることが何度かありましたが、
部屋が同じだったサヤカやエリコさんやヨーコさんに支えられ何とかなりました。本当に
ありがとうございました。それから、カマルのうちでのカレーパーティー、パットの家で
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の鍋パーティー、ブライアントとヨーコさんに連れて行ってもらったバンフすごく楽しか
ったです。
↑エメラルドグリーンのレイクルイーズの前で☆
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↑カマルの家でのカレーパーティー☆決めポーズのヨシエと衣装が似合っているユーコ。
↑パット家での鍋パーティー☆珍しく真剣な私たち!
∼次回の研修生へ∼
わたしたちが日本を出発した日、バンクーバーからカルガリーに行く飛行機が小さくて、
スーツケースが入りきらず、次の日の昼過ぎにやっと荷物が家に届くというアクシデント
に見舞われました。荷物が遅れて戻ってくるということは少なくないようなので、コンタ
クト用品などは手荷物にあらかじめ入れておいた方がいいと思います。
また、安全で便利だといわれるトラベラーズチェックについてですが、私は逆に危ない
というか不便だと感じました。すべての店でトラベラーズチェックが使えるわけではない
し、カナダドルに換金できる銀行は 4 時で閉まり、手数料も金額に関係なく換金するごと
にとられます。大金を持ち歩く必要はないので、現金かカードを持っていくことを勧めま
す。
それから、写真は何枚も撮るのでカメラはデジカメがお勧めです。
服装については、カナダは気温の変化が激しいので、半そで、コート共に必要です。9 月
の中旬に初雪が降ったくらいです。また、カナダでは、9 時くらいまで日が沈まず、しかも、
日差しが強いので、日焼け止め、サングラスや帽子は必需品です。物価は日本とほとんど
変わらないので、そういうものをカナダで買うのも記念になっていいと思います。ちなみ
に、コスメや CD は安いので買いです。
カラオケに行きたい人はパスポートを忘れずに持っていってください。個室になってい
るところは別ですが、パブでお酒が出るお店では飲まなくても持っていなければなりませ
ん。パスポートのコピーでも入れてくれないお店もあります。
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そして、カルガリーに行くからには、バンフ国立公園に何が何でも行くべきです。行か
ないと後で絶対に後悔します。見てください、このどこまでも続くロッキー山脈と鮮やか
な湖の色。
↑バンフ国立公園にあるモレーンレイク☆
最後になりますが、カルガリーと日本の時差は 15 時間あるので、日本の人に電話する時
間帯や帰国時の時差ぼけには気をつけてください。
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Lots of Experiences in CANADA
札幌校
伊藤淑恵
<Calgary>
今回の Calgary での研修は私にとってはじめての長期の海外生活となりました。出発前
は自分の英語力や環境など様々な不安がありましたが、ホストファミリーや University of
Calgary の方々のおかげで充実した 1 ヶ月を過ごすこと
が出来ました。
Calgary はとても自然が豊富なところで、私がホーム
ステイをしていた家の庭や大学内でウサギやリスを見
ることがしばしばあり、感動しました。そして、ダウ
ンタウン以外ではほとんど高いビルを見ることがなく、
晴れている日には地平線やロッキー山脈を見ること
も出来ました。
絶景の Lake Luise
<My family in Canada>
私のホストとなってくれたのは Gloria という年配の女性で、普段は 1 人暮らしをしてい
る人でした。毎年このプログラムで教育大学からの学生を受け入れていて、私は札幌校か
ら一緒に行った Hiromi とともに 1 ヶ月間、Gloria の家でお世話になりました。
Gloria は私たちが到着する前から、一ヶ月間のカレンダーを手作りで用意し、週末の予
定を立ててくれていて、過去に受け入れた留学生とともに撮った写真を見せながら、これ
から行く場所の説明をしてくれたり、エピソードを話してくれました。
普段は彼女がほぼ毎日大学まで車で送り迎えをしてくれたので、その車内でその日の学
校での出来事を話したり、時には英語の使い方を教えてくれることもありました。初めの
うちは話をしていても上手く受け答えすることが出来なくて、歯がゆい思いをしました。
「日本の温泉とカナダの Hot Spring(屋外にあって、水
着を着て入る日本の温水プールのような温泉)とはどう違
うの?」と聞かれ、ちゃんと説明できなかったこともあり
ました。でも彼女は注意深く話を聞いてくれ、私達のこと
を気にかけてくれていました。Gloria には広い心で受け
入れてくれたことを本当に感謝しています。
FarewellParty で Gloria,Hiromi と。
<Weekends>
Gloria は週末、Banff(ロッキー山脈に囲まれた街)、Heritage Park(昔の家など建物が
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そのまま残っている施設)、Calgary Tower(ダウンタウンにあるタワー)、Royal Terrel
Museum(恐竜の博物館)などなど私たちをいろいろな場所に連れて行ってくれました。特
に Banff の国立公園の中にある Lake Luise とゴンドラに乗って banff の街とロッキー山脈
を見たときの景色は、言葉では言い表せないほどきれいでした。また、近くに住んでいる
娘さんの家族や彼女の歌の先生と一緒に Dinner を食べる日もあって、本当に色々な思い出
を作ることが出来たと思います。
別の日には Maya、Hiromi、Saori、とそのホストファミリー、そして大学の教授である
Colleen、通訳など様々なお手伝いをしてくれた Eriko さんとともにピクニックに行ったり、
Maya のホストの Pat に Chinook のショッピングセンターや China Town に連れていってもら
ったこともありました。Saori のホストである Yoko さんが先生をしている日本語クラスの
生徒さんと会えたことや、メンバーとホストファミリーみんなが集まった Yuko のホスト、
Kamal のお家での Dinner もいい思い出です。
Kamal のお家で Dinner★
ピクニック!HotDog 作り!
<ESL Classes>
University of Calgary での授業は 2 種類あって、一つは ESL の先生である LaDawn の主
に英語の授業、もう一つはカナダの多文化主義、カナダの教育、第二言語学習、先住民に
対する教育などの講義でした。
LaDawn の授業ではカナダの寿司屋のメニューや、新聞の折り込みチラシ、映画などを観
てカナダと日本の文化を比較しながら授業をしてくれました。また、英語の授業の中でも
講義の導入となるように、カナダの教育のシステム、先住民族の工芸品などを用いて授業
をしてくれたので、講義を受けたときにもチンプンカンプンになることはあまりありませ
んでした。
そして彼女は 3 年間日本に住んでいたことがあるので、日本のことをよく知っていて、
英語はもちろん、チップの払い方や日本とカナダのコミュニケーション方法の違い、どう
したらスムーズに会話が出来るか、なども教えてくれました。学生との話し合いの場で、
上手く話が出来なくて落ち込んでいた時も、
「第二言語で相手に意思を伝えることは凄いこ
となんだから、自信を持っていいんだよ。」と言って励ましてくれたりもして、私達が楽し
く学べるような環境を作ってくれました。また LaDawn は私達が大学にいる間、一緒に行動
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してくれて、Fort Calgary、Calgary Zoo、Glembow Museum、Kananaskis や学校訪問にも一
緒に行き、学問的なことだけでなく多くのことを教えてくれて、本当の Sister のように感
じていました。
講義では毎回違う教授が来て、レクチャーをしてくれました。
「子どもは必ず一つは才能
を持っている」という立場に立って行う先住民教育について知ったり、カナダでの差別や
偏見の歴史について関心を持ちました。そして何より全て英語で授業を受けるという経験
はとても貴重なものになりました。
少し緊張気味の初授業。
1 ヶ月を過ごした Education
Tower
<学校訪問>
学校訪問では Rundle Elementary、F.E.Osborne Jr. High school、Sunnyside Elementary、
Sir Winston Churchill High School、Alternative High school、Child Care Centre と 2
つの小学校 1 つの中学校と高校、オルタナティブハイスクール、保育園を訪問しました。
Rundle Elementary では 85∼90%の子ども達が英語を第二言語としていて、レバノンや
アフガニスタンから来た子ども達がいたり、障害を持った子ども達も一緒に、
「人間関係の
中から学んでいく」という考えの下、生き生きと学んでいました。そして全てのクラスが
Grade1・2、Grade3・4、Grade5・6 というような複式学級になっていて、異学年の子ども達
同士が同じ教室で、学んでいました。この複式学級は Calgary ではよく見られる光景で、
教師の負担の不均衡を減らすことや子供同士で助け合う心が生まれること、色々な発達・
知的レベルの子どもがいることで自分と同じくらいの子を見つけ、学びが促進されること
などが利点として挙げられるそうです。その背景には、全ての学校に当てはまるわけでは
ありませんが、各学年ごとの指導内容に縛りがなく、6 年間で小学校の全ての課程を終えれ
ばいい、というシステムにも関係しているようでした。
また、Rundle の子ども達とは“Open Mind Calgary Campus”(Calgary 全体を学校とみなし
て、色々な場所で色々なことを学ぼうというシステム)の一環として、Bird School にも行
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きました。
F.E.Osborne Jr. High school では、社会科、数学など色々な授業を見せてもらいました
が、一番面白いと感じたのは“Drama”というクラスで、私が行った日はフルーツバスケット
や、パートナーを笑わせるゲームなどをしていました。先生に話を聞くと、
「楽しみつつ生
徒たちがコミュニケーション能力や社会性を身につけたり、自己肯定感を養うための授業」
だということで、日本でもこのような授業があれば生徒たちは単なる勉強だけでなく、様々
な力を身に付けることが出来るのではないかと感じました。
Sunnyside Elementary でも複式学級制がとられていました。ここで印象に残っているの
は Grade3・4 のクラスを見学した時、読書(国語)の授業で児童一人一人が自分の Reading
Level に合った本を読んでいたということでした。LaDawn と話をすると彼女は「子ども達
みんなが同じ Reading の能力を持っている訳ではないでしょ。だから、全員に同じ教科書
を与えて同じレベルの力を求めるのではなく、一人一人それぞれの力を伸ばしてあげるん
だよ。」と教えてくれ、日本との違いに驚き、衝撃を受けました。
また Sunnyside Elementary では短い時間でしたが、日本文化の授業をやらせていただき
ました。私は Grade1・2 を 2 クラスと幼稚園のクラスに行き、折り紙で犬の折り方を教え
ました。子ども達はとても気に入ってくれましたが、もっと準備の時間が取れれば良かっ
たなと思いました。
Sir Winston Churchill High school では地域制で生徒を受け入れている学校で、トップ
レベルの生徒たちのための IB class や車の修理自習の授業、cosmetology というメイクア
ップの方法を学ぶ授業など様々な生徒が学べるような学校でした。
Alternative High school は普通の高校を退学した生徒や、順応できなかった生徒が多く
在籍する公立の学校で、生徒が自治権を持って、多くのことを生徒自身の手によって決め
ることが出来るというシステムを持っていました。ちょうど私達が見学をした日はミーテ
ィングが行われていて、生徒が主体的に学校運営に関わっている姿を見ることが出来まし
た。日本ではまだ中退者や不登校生徒を受け入れている公立の学校は珍しいので、このよ
うな学校を見学する機会を得られたことはとても貴重でした。
授業準備中の Saori, Hiromi, Maya,
Yuko
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<最後に>
Calgary での 1 ヶ月の生活は、本当に充実したものでした。カナダという異文化の中で生活
しその文化や習慣に触れ、逆に日本についても考えることが多くなったように思います。
また教育現場を見学できたことで、教育に関しても様々な考え方や方法があるということ
を知り、実感することが出来ました。このような機会を与えてくださった教育大学、
University of Calgary の関係者の方々をはじめ、多くの方に感謝します。
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My Amazing Stay in Calgary
札幌校
中川
裕美
Ⅰ.Why?
今回の滞在は、私にとっては2度目のカナダでの滞在でした。1度目は、半年前に同じ
く1か月ホームステイしたのですが、私の勉強不足と初めての留学で緊張していたことも
あり、思ったとおりには英語を話せなく、伝えたいことを伝えられないまま帰って来てし
まいました。そして、その後悔から「もっと勉強してもっとカナダの人と分かりあいたい」
と思い、今回の研修に参加しました。
Ⅱ.Lectures and Classes at U of C
カナダについてからの最初の2週間はカルガリー大学で ESL の授業と大学教授によるカ
ナダの multiculturalism や First Nation、教育制度などについての講義を受けました。私
たちの ESL の先生は LaDawn という女性の先生でした。日本で英語の教師をしていたことも
あります。とても優しくおもしろくて、いつも私たちを支えてくれました。何をするにも
一緒で、家に招いてくれたり、買い物にも連れて行ってもらったりもしました。彼女の存
在は今回の私たちの研修では不可欠だったし、LaDawn と一緒にした全てのことが忘れられ
ない思い出です。ESLの授業で1
番 役 に 立 っ た こ と は 、 negative
question に対する答え方です。カ
ルガリーの人々、特に女性は会話の
中で否定疑問文をよく使います。例
えば’Don’t you know it?’に対して、
「いいえ、知ってます」なら”Yes, I
do.”だし、「はい、知りません」な
ら”No, I don’t”です。これは高校で
習う程度の文法で頭ではわかって
楽しかった授業中の
アクティビティ
いても、会話の中でいつのまにか使われると Yes と No を反対にしてしまうことがよくあり
ます。また、カナダで生活するために知っておかなければならないことも教えてもらいま
した。例えば、硬貨の呼び名、チップの計算の仕方、わからない単語が出てきたときの対
処法、会話を止めないようにするための時間稼ぎの方法などです。その他にもどこで何を
安く手に入れられるかなどの地元の人ならではの情報も話してくれました。また、日本人
についてのステレオタイプ的イメージについても話していただき、
「あなた達は日本人だけ
ど、その前に個人なのだから」とカナダでは自分がやりたいことをやるようにと、アドバ
イスしてくれました。大学教授の Dr. David の授業は「愛」についてで、簡単なものでは
ありませんでしたが、とてもおもしろかったです。これからの教育に必要なのは”spiritual
self”であり、この世界で最も重要なのは愛であると教えていただきました。Dr. Darren の
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Canadian multiculturalism の話もとても興味深いものでした。私たちは中学校でアメリカ
は色々な国籍の人がいて『人種の melting pot』であると習います。私はカナダに来て、多
くのアジア人やヨーロッパ人を見たので、カナダも人種の melting pot だと思っていまし
た。しかし Dr. Darren は「カナダは melting pot ではなく、salad bowl である」と言いま
した。melting pot が様々な違いを持って来ても、時が経つと同化してしまうのに対し、
salad bowl は違いを認め、生かすことができるし、異なる種類が混ざれば混ざるだけ良く
なっていくのだそうです。私はこの考え方にとても感動しました。カナダでなら、日本人
としても生きていけるのだと確信しました。また、Darren は racism についても様々な活動
をしていました。あの K.K.K がたった8年前にカナダに存在したことや、第2次世界大戦
期に日本人が迫害されたという悲しい出来事も話してくださいました。私には知らないこ
とが多すぎて、本当にためになりました。多くの授業には通訳の方が来てくださり、難し
いところは助けてくれました。どの授業にも私たちが発言したり、ちょっとしたアクティ
ビティをしたりする機会があり、1時間半ほどの授業もあっという間に終わってしまいま
した。日本とカナダを比較する良い機会でもあって、後で考えさせられる内容のものもあ
りました。
Ⅲ.School Visits
大学で約2週間の授業を受けた後は、実際に地元の学校に行きました。様々な学校を見
て見たいという私たちの希望のため、1つの学校に何日も留まって日本文化の授業をする
ということはあまりありませんでした。まずは、大学の近くにある alternative school を
訪問しました。ここでは普通学校に適応できなかった生徒や、様々な問題で普通学校に行
けなかった生徒たちが学んでいました。この学校はそのような子供を持つ親が設立した学
校で、普通学校との違いを多く見ることができました。生徒数は多くないので、生徒自身
が全員参加の会議で何でも決めていました。日本とは違い、ほとんどの生徒が積極的に発
言していました。転入生の受け入れさえも生徒の代表と教師が転入生と面接して決めるそ
うです。その他に小学校、中学校、高校も見学しました。1番印象に残ったことは、Sir
Winston Churchill high school で見た授業です。日本の義務教育は中学校までで、高校か
らは試験に受かることが必須だし、お金がかかります。そして、その多くは普通科です。
カナダでは高校までが義務教育で、そこまでは無試験・無料で通うことができます。その
ため、1つの高校に様々な異なる能力をもつ生徒が通っています。Sir Winston Churchill
high school には、IB のクラスがいくつかあり、そこでは大学の単位として認められるレ
ベルの授業が行われていました。アルバータの大学進学率は 15%です。つまり、高校卒業
後すぐに働く生徒が多く、そのため、自動車の修理の仕方を学ぶ授業、化粧や理美容につ
いて学ぶ授業が設置されており、IB の生徒も、一般の生徒も受けられるようになっていま
した。何台もの車、生徒が実習するための美容室やメイク道具が各教室にあり、日本の専
門学校と普通高校が合わさったような学校でした。驚いたことに、アメリカやカナダの高
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校生に人気の卒業式後のダンスパーティ Prom に参加するのに、100 万円くらいかかるそう
です。ドレス代とリムジンのチャーター代、ネイルやエステ代です。そうした負担を少し
でも軽減するために、家庭科では生徒たちが自分のドレスをデザインから作っていました。
ファッションショーを開くこともあるようです。どの授業でも全ての生徒たちが楽しそう
に学んでいて、とても羨ましく思いました。私が見た全ての中学校と高校ドラマという授
業が
ありました。裕子のホストマザーの Kamal が中学校の
先生で、私達を彼女の学校に招待してくれたのですが、
そこで私はドラマの授業に参加しました。フルーツバ
スケットやにらめっこをして体を動かし、生徒と一緒
とに楽しく授業を受けました。ひたすら遊んでいたよう
に見えましたが、自尊心や表現力・想像力を養うため
の授業だと聞きました。高校にもドラマの授業があり、
演劇を見ているようでとてもおもしろかったです。日本でもドラマという教科を取り入れ
るべきだと思いました。最後に行った Sunnyside elementary school では、カエルや犬の
折り紙をして、みんな喜んでくれました。そこで取り入れられていた Reggio Emila の教育
論がとても興味深く、それについて学びたいと思いました。
Ⅲ. Home stay
私は淑恵と2人で Gloria という1人暮らしの女性の家にホームステイしました。最初2
人でホームステイすると聞いた時、せっかく英語を学びに来たのに、2人でいると日本語
を話してしまうのではないかと心配しました。でも、2人だからこそ、分からない時は協
力したり、困ったことを相談したりして何の心配もなくホームステイ生活を送ることが出
来ました。Gloria の家の近くに、娘さん家族が住んでいて、週に2回くらい一緒にご飯を
食べました。3歳と6歳のお孫さんがいて、とてもかわいかったです。Gloria は忙しい中、
週末はいつもどこかへつれて行ってくれました。中でも私が気に入った場所は Banff と
Heritage park、Lake Louise です。Banff のゴンドラを降りると、標高が高く、少し息が
しにくい気がしました。空気は透き通っていて、雲の上にいるような感じでした。360
度どこを見ても絶景が広がっていて、言葉が出ませんでした。Banff から 30 分ほど車で行
ったところに、Lake Louise があります。今まで見たこともないくらい透き通っていて、エ
メラルドグリーンの絵の具のようでした。Banff national park 内には、高速道路に動物だ
けのための橋もあり、自然の生態保護にも気を配っていました。
Lake Louise にて
Banff の頂上からの絶景
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どちらでも自然の中を自由に生きる動物の姿を見ることができ、熊や鹿、コヨーテが見ら
れるとのことでした。大学やホームステイ先の住宅地でも毎日のようにリスやウサギを見
ることができ、常に自然に接することができました。Heritage park は伊達時代村のカナダ
版みたいなところで、昔の家や警察、お店がありました。ボートに乗ることもでき、様々
な歴史を知ることもできて、楽しかったです。ホストファミリー同士も交流があり、週末
にピクニックや映画、sprouse meadow に行ったり、Kamal が potluck パーティを開いたり
してくれました。インドの本場のカレーやチャイティー、手作りのデザートを堪能しまし
た。平日は学校から帰宅後、夕食を食べて宿題をしたり、テレビを見たりしました。朝は
シリアルやトーストなどを食べたのですが、私がとても気に入ったのは eggo waffle です。
メープルシロップをかけたり、ヨーグルトをのせたりして
朝食の様子
食べました。Gloria は私たちが気に入ったのを知ると毎日
eggo waffle を用意してくれました。特にブルーベリー入り
が私たちの大好物で、日本の家族にも好評でした。1度だ
け料理を作る機会があって、お好み焼きを作りました。
Gloria は日本食が好きで、普段から醤油も持っていたし、
ご飯も食べていたので、お好み焼きもおいしいと食べてく
れました。Gloria は私たちよりタフで、毎週ゴルフに通っ
ていました。そして毎週末カルガリーの外まで私たちを連
れて行ってくれて、1ヶ月のカレンダーは予定がぎっしり
つまっていました。彼女との生活は本当に楽しく有意義な
ものでした。
Ⅳ.Field trips
大学では授業だけでなく、ダウンタウンや Glenbow museum にも出かけました。大学
の研究所もある Kananaskis では樹齢を調べたり、川に入って虫を
採ったりしました。私は虫が好きではないので、最初すごく嫌でし
たが、水がとてもきれいで澄んでいたので虫も嫌ではなくなりまし
た。また、みんなで van に乗って行った Griffin valley での horseback
riding は、1番楽しかった思い出の1つです。乗馬自体が初めてだ
ったのですが、馬に乗りながら初めて野生の deer を見ました。ダウ
ンタウンに行った時には中華料理のビュッフェを食べました。そこ
U of C
には寿司やピザもあって、いろんな国の料理を1度に味わうことが
できました。Canadian Chinese 料理は日本の中華料理とは味が少し違ったけど、おいしか
ったです。Field trip で最初に行った Fort Calgary では First Nation と白人のバッファ
ローやビーバーの毛皮などの貿易について学びました。R.C.M.P の制服を着たり劇を見たり
して楽しかったです。でも、英語の劇を理解するのはとても難しいと思いました。R.C.M.P
18
は白人なのに、白人の First Nation との不正取引を取り締まって公平を保ち、First Nation
と友好的だったという話は信じられませんでした。どうしても白人の味方をしてしまうの
ではないかと思いました。
Ⅴ.
Q and A for next exchange students
・ お金はどうやって持って行く?
トラベラーズチェックが1番安全ですが、1番よく行くスーパーやカフェではあまり使
えません。そして銀行も授業終了前の3時に閉まってしまうし、手数料も500円くら
い取られます。クレジットカードかデビットカード、プラス現金が一番使いやすいと思
います。
・ 服はどんな格好?
私が行った8月は30度を超える日もあったので T シャツは持って行くべきだとおもい
ます。それと9月なのに雪が降ることもあるし、Banff は夏でも寒いので、フリースや
手袋など暖かい服装を持って行ったほうが良いです。スーツケースは30キロ×2個ま
でですが、帰りには倍になるので、行きは極力少なめにしていくことをお勧めします。
たくさん歩くのでスニーカーは必須、基本は動きやすい格好で良いと思います。ただし、
オーケストラなどを見に行く可能性があるので、少しフォーマルな服も必要です。
・ おみやげは?
私はホストファミリーがわかっていたし、出発前にメールでお孫さんに会えることも知
っていたので、それぞれにおみやげを持って行きました。具体的には和風のポーチとキ
ティちゃんやドラえもんのおもちゃ、竹底のスリッパ、扇子、うちわ、それと学校訪問
用に折り紙と5円チョコなどです。その他にも、日本料理を作る材料や多くの人に配れ
るお菓子や箸なども持って行くと便利でした。
・ 携帯電話は持って行く?
持って行ったほうが便利ですが、必ず必要なわけではありませんでした。学校には市内
に無料でかけられる電話も公衆電話もあります。phone card を大学で安く買えば、家か
らも国際電話を掛けることが出来ます。学校の図書館には日本語を読めるパソコンもあ
ります。日本語を打つことはできませんが、アカウントさえ持っていれば、メールする
ことも可能です。
・ 英会話は?
こっちが一生懸命話すと相手は親身に聞いてくれます。また、分からないことを質問さ
れることをむしろ歓迎してくれているので、どんどん積極的に話して良いと思います。
多くの人と出会う機会があるので、2、3文くらい自己紹介で言うことを考えておいた
ほうが良いかもしれません。また、日本についても聞かれるので、人口や文化を英語で
言えるようにしておくことが必要です。
19
Let’s Break The Ice with many people!!!
北海道教育大学釧路校
地域環境課程3年
大友沙織
Introduction
今回のこのプログラムに参加して、私は本当に良かったと心から思っています。
個人的な旅行では決して行くことのできない、その国の小・中学校、高校へと見学に行く
ことができ、また、素晴らしい仲間と最高の家族が出来たからです。
このレポートでは、大学での授業、訪れた学校、ホストファミリーとの生活、この研修を
終えての感想などについて記したいと思います。
バンクーバー国際空港にて
Experiencing Canadian culture at EdB
私達は前半の2週間程は、大学(Education Building)でカナダの文化、教育事情などに
ついて、数人の先生から講義を受けました。また、私達の ESL instructor である Ms.LaDawn
Funk と色々な場所にも行きました。
UofC で課題に取り組んでいる様子
20
500 年前のカナダには人々は全くいなく、いるのはバイソンとビーバーと蚊だけだったそう
です。そのためカナダに初めて来た人々は、誰かに頼ることなく、何もかもを自分達の手
で行わなければならなかったのです。その苦労は相当なものだったと感じました。
Ms.Shawna Cunningham
Aboliginal の Ms.Shawna Cunningham の講義ではとても興味深い話を聞くことができま
した。gift(天賦の才能)についてです。
Aboliginal の人々は、子供が生まれるとその子が何に適しているかを鋭く観察するそうです。
例えば、その子が馬と仲良くなるのが得意で、上手に操るのなら、その子を mentor に預け
てその才能をもっと引き伸ばしてもらうようにします。mentor とは、共に生活をしてその
技術を教えてくれる人のことをいいます。そして、その子はやがて馬の管理を司る者へと
なるのです。また、話をするのが得意な子供は story teller としてその才能を磨いていきま
す。Aboliginal の人々にとって story teller はとても重要な役割です。なぜなら、彼らの歴
史、価値観、知識などは全て口頭で伝えていくからです。
日本にはないこの特別な仕組みに、私は何かとても神秘的なものを感じました。自分がな
りたいものになるために一所懸命に努力することも素晴らしいですが、持って生まれた自
分の能力にさらなら磨きをかけていくことも、とても素敵なことだと思いました。
昔行われていた Aboliginal の子どもに対する教育で、この様なものがあります。
子ども達を学校に行かせる為に、全員を寮にいれたそうです。そこではもちろん英語しか
使わないので、子ども達は彼らの母国語であるアボリジニ語を忘れてしまい、親は子ども
達と話すことが出来なくなってしまったそうです。もちろん今ではその様な教育制度はあ
りませんが。
Dr. Darren Lund
Dr.Darren Lund は multi nationalism の教授で人種問題についての講義をしてくれました。
彼の生徒達が人種差別をなくす運動していて、その活動内容についても紹介してくれまし
た。こちらもまた、大変興味深い話で、powerpoint を使って写真も見せてくれたので、と
てもわかりすかったです。アメリカでは移民がいつまでも自国の文化を持っていることは
あまりよくないことで、melting pot に溶け込んでいくのが理想とされているが、カナダで
は自国の文化を大切にしつつ、カナダ文化に溶け込んでいくことが大事であると教わりま
した。だから、カナダは melting pot ではなく mosaic または saladbowl と言うのだそうで
す。私は今までカナダとアメリカは隣り合っているので、ほぼ同じ国と思っており、その
ことをカナダの人に言った時に嫌そうな顔をされました。今ならその表情の意味がわかり、
知っていたならその様なことは言わなかったのに・・・と思います。やはり、外国に行く
ときには、その国についてもっと勉強していくべきだと改めて思いました。
Ms.LaDawn Funk
LaDawn には Alberta の教育制度、日常生活、会話の表現などを教えてもらいました。
学校は public と private と charter の3にわかれています。Public の学校にはどんな生徒
でも通うことができます。ハンディキャップのある子も通うことができます。private はそ
の名の通りで日本と同じです。その学校の采配によるため、教師の給料は public よりも低
い そ う で す 。 そ し て charter と い う の は 、 日 本 の 専 門 学 校 の 様 な と こ ろ で 、
art,math,sports,IT などがあります。
会話において、質問にすぐに答えられないで黙っていると、カナダの人々は、何か聞いて
はいけないことを訊いてしまったのではないか、と思います。なので、そういう時には Well.
Let me see. That s a good question.と、とりあえず何かを言っておかなければならな
いと教わりました。カナダでの会話は例えて言うならテニスをするかの様に、次々と答え
ていき、日本の会話の仕方はボーリングをするかの様に、一人が長く話した後に次の人が
話すという感じである、と。(これは他の ESL の先生の言葉ですが)なるほど、会話の仕方
にも違いがあるのかと、ここでも異文化に触れることができました!
21
LaDawn とは毎日行動を共にしていたので、トータル的な時間を考えると、もしかしたらホ
ストファミリーといた時間よりも長いかもしれません。彼女とは Glenbow Museam,Calgary
Zoo,Fort Calgary,horse riding,many school など様々なところに行きました。行く先々で
色々なことを教えてくれて、とても楽しく、本当に感謝しています。毎週火曜日は Tuuny
Tuesday と言い、KFC でチキン2ピースとポテト&ドリンクで$2!!ということや金曜日
は TGIF(Thanks God It s Friday)と呼ぶことを教えてくれたりもしました!また、彼女の
家に招待してくれてスムージーを作ってくれたり、おススメの snack や junk food を教え
てもらいました。私は帰国するときにそれらを買い込み、日本に帰ってきてからカナダで
の味を楽しんでいます☆
LaDawn と私。FortCalgary にて
Visiting school
September
September
September
September
September
September
September
11
13
14
15
18
20
21
Rundle Elementary School
Campus Child Care Centre
F.E.Osborne Jr.High School
〃
Bird Sanctuary
Sunnyside Elementary School
〃
この中から、Osborne Jr.High と Sunnyside Elementary について記述しようと思います。
Osborne Jr.High は、Yuko(岩見沢校からの参加)のホストファミリーである Kamal が教師
をしている学校でした。彼女は数学と理科を教えており、授業中の彼女はきびきびとして
いて、とてもかっこよかったです。そして、ときどきジョークを言ったりもして生徒を笑
わせていました。これはその学校の Bell Time です。
MON-THU
OPEN 7:50
H.R 7:56-8:01
PERIOD 1 8:03-8:58
PERIOD 2 9:00-9:55
LOCER BREAK
PERIOD 3 10:00-10:55
PERIOD 4 10:57-11:54
LUNCH
FRI
MEETING
8:00-9:30
OPEN
9:53
H.R.
9:59-10:03
PERIOD 3 10:05-11:00
PERIOD 4 11:02-11:57
LUNCH
22
H.R. 12:38-12:43
PERIOD 5 12:45-13:40
PERIOD 6 13:42-14:37
H.R.
12:39-12:43
PERIOD 5 12:45-13:40
PERIOD 6 13:42-14:52
私は数学、理科、体育そして社会(異なる先生による2つの授業を見ることができました)
を見学しました。その中で3時間(PERIOD3,4,5)も観察することができた社会(Social
Studies)について書きます。先生は Mr.Ball という方で、生徒達が使っている教科書の編
集作業に加わった人でもあり、ちゃんと教科書に名前も載っていました!彼はとても親切
で、授業が始まる前に、使う教科書を見せてくれたり、これから行う授業の進め方などを
詳しく教えてくれました。H.R.の時間に生徒達は自分で選んだ本を 10 分間程読みます。日
本の学校にもある、朝の読書時間ですね。その間に教師は、全ての教室にパソコンが設置
されているので、パソコンで生徒の出欠状況、今日のスケジュールなどを確認します。
さて、授業の内容はというと PERIOD3,4 は人種についてでした!日本の中学校ではまず見
ることのない授業なので、私はとても興味を持ち食い入るように観察をしていました。さ
すが移民の国カナダだと思いました。導入は、 誰がアメリカ大陸を発見したか?そして、
そこには誰がいたか? そこから、Aboliginal を中心として人種という問題に深く入って
いくという感じです。
Memorize words for 2minutes. Then,write that down on your notebook.
oral history
Elders
Aboliginal
consensus
Societies
stereotype
culture
world view
という課題が生徒に出されました。Words はもっともっとたくさんあったのですが、
Aboliginal 民族特有の word も多く,私自身が書ききれませんでした……。
これらは同じ様な意味を持つ言葉を集めたもので、 splash words といい、metacognitive
を伸ばすのに良いやり方だと聞きました。(metacognitive:自分自身の心理過程について
考えること)また、こんな問題も与えていました。
What is Canadian? What does citizenship mean in Canada?
日本ではこういった質問は、まずされないですよね?だって日本には昔から 日本人 と
いう人種しかいないのだから。どの質問にも積極的に手を挙げて答えていた生徒達も、さ
すがにこの質問には止まってしまいました。ある一人の生徒が、
「カナダに住んでいること」
と言いました。そこで Mr.Ball が私に「君はどう思う?」と訊いてきました!私はまさか
自分に振られるとは思っていなかったので、とってもビックリしました。が、私は「それ
だけではカナダ人ではないと思う。なぜなら私は今、カナダに住んでいるがカナダ人では
ない。」と、何とか精一杯に答えました。(カナダで最も緊張した瞬間だったと思います…)
「カナダは移民の国であり、様々なバックグラウンドを持つ人々で成り立っているから、
何がカナダ人かという定義はない。しかし、彼らは背景が違っても同じカナダ国の権利、
保障や責任を持っている。そこが Canadian であるかないかの違いである。
」と Mr.Ball は
まとめました。(まとめるのは難しいです……。)
私は grade7(11,12 歳)の生徒にこんな難しくて複雑な質問を投げかけるのか、また、幼
い頃からこの様な事について考える訓練をしているのか、と思いました。
授業が終わってから Mr.Ball と話すことが出来たのでこの感想を述べると、
「カナダは多民
族国家だから、幼い頃よりこの国には様々な人々がいることを教えなくてはいけない。ま
た、それをどう教えていくかもとても重要な課題である。人種について学ぶということは、
23
その背後にある文化を学ぶことである。」と言いました。私はその言葉がとても気に入り、
もっと multinationalism について学びたいと感じました。また、あなたはなぜ教師になっ
たのか?と尋ねると、「子どもが何かを理解して成長していく、その過程を見るのがとても
好きで、興味があるから。」と答えてくれました。たいていの教師にこの質問をすると、
「子
どもが好きだから」、「なんとなく」という答えばかりしか聞いたことがなかったので、こ
の答えは私にとって新鮮なものでした。
他の授業でも感じましたが、やはり授業スタイルが日本とは違うということです。日本で
は、教師が生徒に一方的に知識を与えるという形だが、カナダではまず生徒に質問、考え
させる。そしてそのやりとりのスピードの早いこと! 他の生徒が発言している時におし
ゃべりをしていたり、聞いていないような子がいたら、教師はとても注意をします。他の
人の考えを聞くという行為はとても重要視されており、生徒にもその習慣が早くから身に
つくように指導していると見えました。
教室での机の並び
なぜ、このような机の並びになっているのかを訊いてみると、生徒がお互いに話をして、
意見を交わしやすくするためだそうです。また、教師が中心に立ち、生徒の視線を集める
ことが出来るからでもあります。基本的に生徒はどこに座ってもいいことになっているが、
一人で座っている子、友達同士で固まっている子などは、Mr.Ball が移動させます。
Let
s have a short break!
Calgary city(from Calgary Tower)
Sunnyside Elementary School
私達はここにも2日間行くことができました。やはり1日しか行かないと、その学校に慣
れようとするだけで一日が終わってしまい、観察をする余裕がないのです。
24
1日目は授業の観察、2日目は私達が簡単な授業(日本文化の紹介など)をしました。私
は Japanese Gestures と私の好きな Japanese Ghosts を紹介しました。
行く前から、何を授業でやるかについて、とても悩みました……。
妖怪の絵は昔の本物の絵(コピー)でかなりオドロオドロしいので、もしかしたらダメと
言われるかと思ったのですが、担当の先生は Beautiful! と言って快く承諾してくれま
した。前日に英語に訳し、gestures を交えての練習を行いました。さらに学校へのお礼状
を作らなければならなかったので、ほぼ徹夜でした!でも、私のホストマザーである Yoko
も遅くまで手伝ってくれたので、とてもいいモノが出来上がりました!!
妖怪は拡大した絵を見せて説明をしました。例えば雪女、幽霊、高女、猫また、手の目、
犬神、白稚児です。
gestures は私がそれらのしぐさを行って、生徒に推測させてから説明を行いました。この
しぐさをするということは、とっても恥ずかしかったですが、捨て身で一所懸命に頑張り
ました!そのせいか、これには先生たちも参加してくれて、生徒たちも積極的に答えをあ
げてくれました。紹介したものは、おじぎ、こっちへおいで、ヤクザ、土下座、彼氏・彼
女、お金、横断歩道を渡るとき、ごめん!・お願い!、かわいい?、お星様キラキラ、ピ
ース、万歳、です。多少変なものも混じっていますが、まぁジョークとして…。Gestures
を通して日本の生活様式なども紹介出来たのでよかったと思います。
残りの時間は折り紙で、イヌ・ネコと兜を教えました。折り紙は男女を問わずに大人気で、
正直驚きました。生徒達は、なぜかイヌ・ネコに兜を被せるのがとても好きでした!
生徒達は、やはり自分で参加するものが大好きです。Gestures&Ghosts も喜んでくれました
が、折り紙にはかないませんでした。でも、一所懸命に考えて練習したことをみんなの前
で発表できたことが何よりも嬉しく、また大きな達成感を得ることができました。
子どもたちに教える折り紙を考案中
HOST FAMILY
私は 8/26∼9/8 までは Lorraine に家に、9/8∼9/26 は Yoko&Bryant の家にホームステイし
ました。Lorraine は元小学校の教師で、今は 寿会 という日系カナダ人の集まりで、プ
ログラムコーディネーターをしています。彼女はとっても優しくて、笑顔の素敵な女性で
す!着いた日に彼女の家で一緒に夕食を食べながら、私達はたくさんの話をしました。道
中でのハプニング、大学のこと、家族のことなど。Lorraine は、
「あなたは今までここに来
た生徒の中で、最も英語が上手だわ。
」なんて言ってくれました。全然そんなことないけど、
とっても嬉しい一言でした。
25
Lorraine との楽しい夕食
彼女にはとっても可愛い Natarsha という小さな孫がいます。なので、彼女の息子夫婦がよ
く遊びに来て、夕食を共にすることが多かったです。また、彼女の妹(Margie)のバース
ディーパーティーに呼んでもらいました!Downtown にある silver doragon という chinese
restaurant へ行きました。彼女のたくさんの親戚が私を温かく迎えてくれ、とても嬉しか
ったです。中華なのですが、やはり日本で食べる中華とは少し味が違う気がしました。食
べたことのない中華料理もたくさんあって、どれも本当においしかったです!!その後、
Lorraine の家に移り、彼女の作ったケーキを食べながらみんなで会話を楽しみました。
Lorraine, 彼 女 の お 母 さ ん 、 マ ヤ と 。
(Heritage Park にて)
Lorraine の家の近く
私は大学へ持っていくランチを毎朝自分で作っていて、Lorraine が「明日はこのツナ缶を
使うといいわよ。」と用意してくれたのですが、いざ朝になってみると、ツナ缶が開かな
い!! カナダの缶切の使い方がわからなく、行く時間ギリギリまでねばったのですが、
結局開けられませんでした……。そこにちょうど Lorraine が起きてきて、「使い方を教え
なかった私が悪い」と言ってランチ代として$5をくれました。私が開けられなかっただ
けなのに……。そして毎朝、私がちゃんとバスに乗れるかを窓から見ていてくれました。
このように、彼女はとっても優しく、なおかつ思いやりのある素晴らしい lady でした。ま
た、私達は夕食後に Foodnetwork という TV プログラムをよく一緒に見ていました。見なが
ら、英単語を教えてもらったり、お互いの好きな食べ物についてなど、会話がよくはずみ、
ついつい寝る時間が遅くなってしまいました。彼女はまるで母の様に温かく、私はとても
26
快適に過ごすことができました!
さて、Lorraine の家で楽しく過ごしていた日々はあっという間に過ぎ、Yoko&Bryant の家
に行く日が来ました。初めて2人に会ったときは、本当に驚きました。こんなに若い2人
だとは全く思っていなかったのです!さらに、迎えに来てくれたその車のエンジン音の凄
さ!!そして、私のための部屋!!!そこは PC と本棚があるので、常に誰かが使っている
というプライバシーなしの部屋なのです!今まで、私専用の部屋、専用のバスルームとい
う恵まれた生活をしていたので、カルチャーショック&ホームシックになってしまいまし
た……。しかも、Bryant の英語があまり聞き取れない、うまく2人とコミュニケーション
が取れないという、一夜にして状況がガラリと変わりました(笑)。
おっと、2人の紹介を忘れていました。
Yoko は、通訳としても今回のプログラムに参加しており(去年も参加していた)
、教育大函
館校卒業で、中学校の英語教師をしていたのを辞めてただ今 U of C の大学院生という、と
ってもアクティブでしっかり者、料理上手、演歌上手、そして、よくあちこちにぶつかる
というユニークな女性です!Bryant は働いていたけどもっと勉強したいということで、今
U of C に通っている大学生で、マウンテンバイクを passion とするスポーツマンで餃子大
好き、『ビッグ・リボウスキ』大好き、甘いマスク(ちょっとトム・クルーズ似?)がチャ
ームポイントの心優しきカナディアンです!
Yoko&Bryant (It s a nice, eh?)
この紹介文からもわかるように、初めうまく馴染めなかった私ですが、共に毎日を過ごす
うちにお互いのことが次第にわかってきて、今では2人は私にとって良き sister&brother
です!!
そのきっかけとなったのは、何といっても泊りがけで行ったキャンプ&ハイキング(ロッ
キー山脈)でしょう!キャンプ初体験の私は、もうテントを作ることも、火を起こすこと
も、ゴハンの準備も何もかもわからなくて、ただ2人の間をウロウロしていました…。
日が落ちてランタンの明かりだけが頼りになり、周りから聞こえてくるのが川の流れの音
だけになると、不思議と明るいときよりも話がはずむのです。聞こえるのは私達の話し声
と川の音だけ。暗闇と静けさは私達の全ての感覚を鋭くさせ、互いを理解し合うには絶好
の機会だったと思います。3 人でテントに寝たことも、いい思い出です(寒かったけど…)!
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キャンプでの夕食(Canadian Rockies にて)
Rocky の山々を見ながら思いに
ふける私
キャンプから帰ってきた日に、私達はサルサダンス(ラテン音楽に合わせて踊る、カナダ
で最も人気のあるダンス)をしに行きました!
そこではレッスンも受け付けており、私はレッスンを受けてからホールデビューを果たし
ました。が、そのステップの難しいこと!!Bryant にパートナーになってもらったのです
が、何度も何度も彼の足を踏んでしまいました……。Really sorry.
まぁ、初心者っぽい人もいたので、自分の下手さを気にすることはなかったのですが(笑)。
ただ、初めはかなり恥ずかしかったです!その点、Yoko はなんて情熱的なステップを踏む
のでしょう!腰の動きが違います!男性が女性をリードするものなのに、Yoko が Bryant を
リードしていましたよ(笑)。次の日は案の定、筋肉痛に苦しめられました……。
28
へっぴり腰な私とそれを笑う Bryant(一応サルサダンスです…)
Yoko は私がしたことに対してしっかりと怒ってくれたり、Bryant は私が自転車で近所を散
策に行くだけなのに、住所や電話番号を書いた紙を持たせてくれるなど、2人が私を単な
るゲストではなく、共に生活をする人として扱ってくれたことにとても感謝しているし、
とても嬉しく思っています。
彼らとの楽しい日々はあまりにもたくさんあるので、全てをここに書き記すことが出来ま
せん。(サイクリング、ジョギング、ホッケーバッグに詰められたこと!?、カラオケ、ク
ラブ etc) そんな中で何よりも楽しかったのは、毎日3人でおいしい夕食を囲むことがで
きたことです。
Bryant,Kerry,Yoko とのサイクリング
Yoko と
(Spring Hotel 近くにて)
帰国するときに、Yoko が You re really my sister. 、Bryant が I am your brother.
と言ってくれたことが本当に本当に嬉しく、今でも私の心に残っています。
29
Boys&Girls!
at club plush
Moligne Lake にて
感想
カナダでは、
ファミリーとの dinner、
友人を招待しての dinner などが頻繁に行われるので、
毎日新しい人に会い、毎日誰かに自己紹介をしていました。だから、初めての人に会って
自分から話しかけることが、前よりも楽しく感じられるようになりました。初めのうちは
緊張し、内容を頭の中で整理してから話し始めたり、会話がうまく続けられなかったりも
しましたが、後半にもなってくると慣れてきたのか初めよりスムーズに溶け込めるように
なっていました。緊張もしなくなり、それよりも新しい人との出会いを自分から求めるよ
うになりました!どうやらコツをつかんだようです。人と人との出会いは素晴らしく、そ
して何よりも楽しい!ということを学びました。また、外国にいると自分を取り囲む全て
のものが剥がされた感じがするので、真の自分というものをさらけ出せることができます。
またそうすることでしか、相手に自分を理解してもらう術はありません。不必要なものを
落としてみると、自分とはこういう人間だったのかと、自分の長所、短所、今まで気づか
なかったことなど、そして日本という国についても客観的に見ることが出来ました。
Yoko,Bryant,Saori
Girls!!
30
(Farewell Party にて)
一緒に参加した Hiromi,Yoshie,Yuko,Risa,Sayaka,Maya とは、とても良い関係を築くこと
が出来、今でも連絡を取り合っています。彼女達には本当にお世話になりました。頼りな
いリーダーである私をいつもサポートしてくれました(笑)。
次にこのプログラムに参加される方も、私以上の素晴らしい経験が出来るかと思います。
いや、必ず出来ます!!何ていったってカナダは素晴らしいところで、人々も親切ですか
ら!出会いを大切に、胸を弾ませて行ってきてください!
Calgary 空港にて(みんな泣き泣きでした…)
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夢のような5週間
岩見沢校
真崎
さやか
始めに
私にとって今回のカナダでの滞在が生まれて初めての海外体験でした。毎日が勉強で毎日がとてもわくわ
くしたものでした。そして言葉も文化も異なる家庭に一ヶ月も滞在させていただくということがどんなに大
変なものかということを実感する良い機会ともなりました。この五週間はとても貴重な経験です。
カルガリーの街
私がカルガリーで生活した一ヶ月でとても印象に残っているのは、人々がとても親切で親しみやすいと言
うことです。見知らぬ人でも気軽に声を掛けてくれるし、こちらが助けを求めれば嫌な顔一つせずに助けて
くれます。「カルガリーに住む人=親切でいつも笑顔」という印象を持って
しまうほど、皆とても良い人ばかりです。困ったことがあれば気軽に助けを
求めればよいのだ、という思いが安心感に繋がり、一ヶ月をとても快適に過
ごすことができました。
カルガリーの気候に関してですが、かなり温度差があります。私たちの滞
在中は雨も一度二度程しか降らず天候に恵まれていたため、極端に寒い日は
少なかったと思います。しかし日本よりも寒暖の差が激しく時に辛い思いも
しました。私はスーツケースを軽くするために服は日本から持っていかずに
カナダで買おうと思い、寒暖の差に対応できるほどの服を持っていきません
でした。しかしカナダの物価は決して安いとは言えません。寒暖の差に対応
できる防寒具や衣服を日本からを持って行くべきだったと後悔しています。
ホストファミリー
私のホストファミリーは Joan という小学校の先生をしている女性でした。家には彼女のほかに Fred とい
う27歳のお兄ちゃん(大学生)と、Kathy という26歳のお姉ちゃん(社会人兼大学生)
、それに犬と猫が
一匹ずついるとても賑やかな家でした。そして Joan の家には私と理沙の二人の Japanese Girl が滞在してい
たので本当に一ヶ月間賑やかに過ごしました。私たちが滞在している最中は、新学期が始まった時なので皆
とても忙しく走り回っていました。そのため学校から帰ると誰もいないということが多かったです。理沙と
二人で犬のセシィーと遊んだり、Disney のビデオを観たりして過ごしていました。セシィーは昼間一匹で家
にいて寂しいのか、私と理沙が帰ってくると一目散に尻尾を振って出迎えてくれました。とても可愛くて何
度も日本に連れて帰ろうと思ったほどです。
Joan は私たちをミニゴルフやショッピング、ゴーカートに連れて行
ってくれました。しかし、Joan の学校が始まってしまうと彼女はとて
も忙しそうにしており、一緒にどこかへ行くという機会が少なくなっ
てしまいました。そのような時はお姉ちゃんの Kathy がショッピング
やパーティーに連れて行ってくれました。Kathy は私たちと話す時間
をとても大切にしてくれました。必ず、夜に部屋に入ってきては「今
日の学校はどうだった?」と聞いてくれたり、
「日本語で Good night
は何て言うの?」などと言って何かと話す話題を作ってくれました。
私の拙い英語にも真剣に耳を傾けてくれ、また自分の話す英語を私たちが理解しているか確認しながら話し
32
てくれました。もっと私の英語力があれば Kathy とたくさん話すことができたのに・・・と今でも後悔して
います。お兄ちゃんの Fred は陽気でいつも reggae や Spanish music を大音量で聴きながら学校の課題をし
ていました。私たちに会うと「Hi! Crazy girls!!!!」と言っては私たちを笑わせてくれました。Fred はお寿司
が大好きで、一度私たちをお寿司屋さんに連れて行ってくれまし
た。さすがお寿司好き!彼はお寿司のことをよくわかっていて、
とてもおいしいお寿司をごちそうしてくれました!!
ホームステイさせていただいた家がお兄ちゃんやお姉ちゃん
がいる家で本当に良かったと思います。しかし一つだけ残念なの
が、皆新学期で大変忙しく一緒に過ごす時間がとても短かったと
いうことです。皆が忙しい時は理沙と二人で色々なショッピング
街へ行ったりダウンタウンに繰り出したりしていました。カルガ
リータワーにも二人で行きました。外国でこのように自分たちで交通機関を利用して出掛けるという機会は
滅多に経験できないことではないでしょうか。その点でとても良い経験になり、また自信に繋がりました。
U of C での授業
最初の二週間、大学で ESL の授業を受けました。授業は先生の LaDawn と私たち7人で進められました。
LaDawn はかつて日本で ALT をしていたことがあり、日本の学生に教え慣れているという印象を受けまし
た。授業はとてもわかりやすく楽しいものでした。LaDawn の授業を受けていくうちに、英語を話す、聞く
ということに少しずつ慣れていくことができました。LaDawn は時々「ちょっと待ってね」「いぃねぇ」な
どの日本語を話します。彼女の話す日本語は可愛くてよく皆で真似していたことも良い思い出です。直接授
業の話とは関係しませんが、ある日 bird sanctuary(小学校の子供たちに混ざって野鳥を見る施設)に参加
した帰りに、LaDawn が私たちを自分の住んでいるコンドに招待してくれました。LaDawn の家で皆でお菓
子を食べたり、彼女お手製のスムージーを飲んだりして、とても楽しい放課後を過ごしました。LaDawn に
は英語以外にも本当にたくさんのことを教えてもらいました。
感謝の気持ちでいっぱいです。彼女に出会うことができて本当
によかったと心から思っています。
クラスでは、ダウンタウンの Museum や Fort Calgary に出
かけて歴史を学んだり、zoo や Cananaskis に行って Calgary
の自然を学んだりしました。ただ、教室で授業を受けながら学
ぶのではなく、自らの五感を使って様々な角度から Calgary に
ついて学ぶことができるとても良いものでした。また、色々な
講師の方がいらっしゃって、カナダの先住民族(First nations)
について、National Education について、ESL をどのように考えていくかなどといった様々な分野の講義
を受けるといったこともできました。毎日とても刺激があり、本当に良い時間を過ごすことができました。
学校訪問
カルガリーに滞在している間に、5 つの小学校と中学校を訪問することができました。その中で私が最も
印象に残っているのは、Joan が先生を勤めている Altadore Elementary と小・中・高一貫の私立学校 Masters
College です。この二校は私と理沙の二人で訪問しました。私たちがホームステイしていた地域からはこの学
校がわりと近かったためです。
まず、Altadore Elementary についてですが、私たちは Joan が受け持っている Grade 3 のクラスに二日
33
間訪問させてもらいました。Grade 3 と言えば日本では小学校三年生です。訪問するまで、カナダの子供た
ちと仲良くなれるかがとても不安でした。しかし、訪問してすぐにその不安はなくなりました。カナダの子
供も日本の子供も同じで、とても素直で良い子達ばかりなのです。実際にクラスに入り二日間見学をして、
カナダの教育の良い点、また日本の教育の良い点を見つけることができました。私がとても驚いたのは、授
業と授業の間に休み時間がないことです。日本では50分授業をした後には必ず10分程度の休憩時間があ
りますが、カナダの小学校にはそれがないのです。算数の計算のプリントを行い、皆が終わった頃を見計ら
って社会の地図が配られ今まで勉強した国に色を塗っていくなどの授業が次々展開されていきました。授業
内容は日本と比べるとわりと簡単なものでした。
私たちはこの学校で、折り紙を教えました。鶴の折り方を教え
たのですがこれは子供たちにはかなり難しかったようです。でも
皆真剣に私の説明を聞きながら一生懸命鶴を折っていました。鶴
ができたときには子供たちは皆笑顔で喜んでくれました。その笑
顔はとてもきらきらとしていて、今でもはっきりと一人一人の笑
顔を思い出せるほどです。皆、鶴をとても気に入ってくれたよう
で授業中も机の上において眺めていました。中には、自分の鶴に
名前を付けて大事そうに持っている子もいました。二日目のお昼
休みには、寒い中一緒になって外で遊びました。外はとても寒い
のに、子供たちと一緒になって遊ぶとその寒さも気にならないくらい楽しいものです。二日間は本当にあっ
という間でした。お別れの時にはクラスの皆が「Thank you!!」と言いながらハグをしに来てくれました。ハ
グの嵐でした!!本当に可愛くて、
「この子達と離れたくない!!日本に連れて帰りたい!!」と思ったほど
です。今でも一人一人の顔を思い浮かべては会いたくなってしまいます。皆、元気に真っ直ぐに育って欲し
いな・・・とまるで親のようなことを考えています。
次に Masters College についてです。この学校は先ほども書い
た通り小中高一貫の私立高校です。私立と言えば、生徒は制服を
着て分厚い教科書を使って勉強しているイメージが私の中にあ
りました。しかし、この Masters College は制服がなく、授業も
子供が楽しんで学べるようなものであり、生徒はとてものびのび
としていました。この学校にも二日訪問することができました。
一日目は小学校、二日目は中学校・高校を見学しました。小学校
では、より良い話し方ができるようになるための Grammar の指
導が行われていました。より良い文を話したり書くためには6つ
のテクニックがありそれがどの教室にも貼られていました。その6つのテクニックは・・・1.Subject
2.Prepositional
3. ly
4. ing
5.Clausal 6.VSS といったものです。これらのテクニックを上手
に文章に入れて書くことができるように練習するのです。また、この学校では、生徒を教師一人がベンチマ
ークするのではなく、生徒自信も自分をベンチマークする方法を取っていました。
(ベンチマークとは評価と
は少し異なり、いくつかの項目がありそれを生徒がクリアできているかを判断するものです。
)これはとても
良い方法だと感じました。
高校では生徒一人一人が目標を持ち夢に向かって勉強しているということを強く感じました。この高校は
映画の作り方を学んだり、写真について学んだりなどとてもユニークな学校でした。そのための施設も充実
しており、私もこの学校で勉強がしてみたいと思ったほどです。本当に書き表すことができないほどに素敵
な学校でした。
Masters College はとても素晴らしい学校です。それはなぜか考えた時、先生方の人間性がとても素晴らし
いものだからだと気が付きました。Masters College は校長先生を始めとして本当に皆さんが生徒一人一人と
しっかりと向き合い、どうようにすれば生徒が心地よい学校生活を送ることができるかを常に考えていまし
た。学校を素晴らしい場所にできるかどうかは、教師によるのだと痛感しました。
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この学校訪問はとても勉強になりました。他の国で教育がどのように行われているのかを実際に見る機会
は滅多にありません。今回外国の学校を見学して、更に教師になりたいという思いが強くなるほどに、この
学校訪問は貴重な体験となりました。
次回研修に参加する方々へ
カルガリーは本当に良い街です。その良さを感じ取るためにも、時にはホストファミリーとではなく自分
たちの足で、公共交通機関を利用して出かけてみるのは、とても良い方法だと思います。海外の街を自分た
ちの足で歩けるようになると自信も付くし、その国に住む人々の本当の顔が見えたりするものではないでし
ょうか。是非、公共交通機関を利用してダウンタウンやショッピングモールなどに出かけてみてください!
最後に
今回この短期研修に参加し多くのことを学ぶことができ、とても充実し
た日々を過ごすことができたと思っています。一ヶ月の間に辛い思いをし
たことが何度かありました。しかし、それも今となっては良い思い出であ
り自分を成長させるものになっていると感じることができます。それは、
辛いときにそばにいて励ましてくれる人たち、家族・陽子さん・えり子さ
ん・Ladawn・一緒に研修に参加した仲間・友達、そして一ヶ月同じ部屋
で寝起きをともにした理沙がいたからです。このような方々いたからこそ、
研修を充実したものだったと感じることができるのだと思います。そして、この研修に参加することができ
たのは、両親が賛成し協力してくれたからです。感謝の気持ちでいっぱいです。
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∼短期研修報告2006∼
Calgary での最高の1カ月!!
このプログラムに参加して本当によかった!!今、心からそう思います。私はこの1ヶ
月で、沢山の温かい人たちに出会うことができました。今までに経験したことのない素敵
な時間を過ごすことができました。今までに感じたことのない気持ちを味わうことができ
ました。そのすべてが、この研修のために協力してくださった教育大の方々、カルガリー
大学の方々、ホームステイファミリーの方々、協力してくれた家族や友達、そしてこの1
ヶ月を一緒に過ごした6人のおかげです。
8月のカルガリーは、朝と夜はこの時期の北海道
よりもずっと寒く、昼間はとても暑いという、日格
差がかなり激しい乾燥した気候です。また、非常に
天候が変わりやすく、9月には雪が降ったこともあ
り、スキージャケットを着ている人を多く見かけた
ほどでした。そして、住宅街でも野生のウサギに出
会えるほど、自然が豊かです。
この1ヶ月間、私は Kamal Johal さんという一
人暮らしの女性のお宅にステイさせてもらいまし
た。カルガリーでの日々は、平日はカルガリー大学
へ通い、土日は Kamal とどこかへ出かけたり、他
の6人や他のホームステイファミリーと観光に行
ったり…というものでした。カルガリー大学は、と
ても広大できれいなキャンパスを持ち、多様な人種
の学生が通う大学です。緑の多いキャンパス内では、野生のリスに出会うこともできまし
た。カルガリー大学で、私たちは、大学の学生と一緒に授業を受けるのではなく、私たち
7人の為だけに用意された授業を受けていました。主な授業としては、LaDawn による ESL
の授業です。その中で、カナダの歴史や教育制度、文化、人々の暮らし、民族、ファース
トネイションなどについて学んだり、それらについて英語でディスカッションしたりしま
した。私たちはカルガリーに到着した2日後からカルガリー大学に通い始めたのですが、
期待と緊張のなか受けた初日の授業で、私は、彼女の英語がなかなか聞きとれず、いざ自
分に質問をされても言葉が出て来ずうまく話せないことに、かなりの焦りを感じたことを
覚えています。ネイティブの方によって英語だけで進められる授業の経験は中学や高校の
AET の授業だけだった私にとって、彼女の話を聞き取り理解するのは思った以上に難しい
ものでした。でも、彼女の授業は、映画から学んだり、実際にファーストネイションが使
36
っていた道具を手にとって話し合ったりと、楽しみながら学べる様々な工夫がされていま
した。言葉がわからなければ理解できない…という意識ではなく、目や想像力を駆使して
自分の英語力を補い、なるべく多くの情報をつかもうとする姿勢が大切なのだと、彼女の
授業によって改めて気づかされました。LaDawn は本当に優しくて明るい女性で、彼女の
おかげで私はとても多くのことを楽し
みながら学ぶことができ、彼女は私達
にとって先生でもあり素敵な友達でも
あるような存在でした。また、特にフ
ァーストネイションやマルチカルチャ
リズム、教育などについては、大学内
の各分野の教授がゲストスピーカーと
して来て下さることもありました。実
際 に 街 へ 出 て 、 Fort Calgary や
Glenbow Museum などの博物館を見
学したり、Calgary Zoo へ行ったり、Kananaskis Field Station という実際に森に出て自然
や生物について学べる施設へ足を運んで体験したりもしました。また、留学生や海外出身
で現在カナダに住んでいる学生などが大学で英語を第2言語として学ぶための LEAP とい
うプログラムの授業を見学し、参加させてもらったこともありました。LEAP プログラム
の学生はみんなとても熱心で、母国以外に広く目を向けて興味を持ち、その興味を実際に
行動に移して意欲的に学んでいる同世代が多く存在しているのだということを、目の当た
りにしました。
そして、私達は、学校訪問によってカナダの様々な教育の現場を見ることができました。
カナダには日本でいう文部科学省にあたる機関がありません。そのため、大まかな枠はあ
るものの、殆ど教育の仕方やカリキュラムが各学校に委ねられています。こういった背景
により、私達は様々に異なる特徴を持った学校を見学することができました。
最初に訪問した Rundle School は、様々な人種の人々が共存するカナダならではの、マ
ルチカルチャーな小学校でした。生徒の 80~90%が英語以外を母国語として話すため、英
語での授業についていくのが困難な生徒のサポートのために少人数で行う英語の授業もあ
ります。また、2学年ずつが1つのクラスで学ぶ形態をとっており、チームティーチング
が行われていました。
次に訪問した Alternative High School は、一般の学校のシステムに合わなかった生徒が
多く通う学校で、学校生活に関する殆どのことを生徒たち自身が週一回の全校集会で話し
合って決めています。本当に個性的で自由に主張する生徒たちや独特の学校の雰囲気に驚
き、とても印象に残る学校でした。
F.E.Osborne jr. High School では、日本にはない drama class を見ることができました。
37
この授業は、クラスみんなでゲームなどに取り組むことを通して、自分を表現することや
人と協力することを学ぶもので、カナダの中学校・高校では一般的な科目だそうです。ま
た、アートの授業では、具象よりも抽象のテーマを扱うことが多いことに、日本との違い
を感じました。
他にも、小学校の授業として子どもたちが訪れ、野生の鳥について学ぶ Bird Sanctuary
という施設や、ハイレベルな生徒が履
修でき、それを終えれば大学の単位取
得に相当するという特殊なコースを持
ち、メイクアップやファッションなど
の 珍 し い 科 目 も 扱 っ て い た Sir
Winston Churchill High School も訪
問しました。
最 後 に 訪 れ た
Sunnyside
Elementary School では、訪問させて
頂いたお礼に日本の文化を紹介するた
め、1クラスあたり15分程度の時間をもらうことができました。まず7人全員で2つの
クラスへ行き簡単な折り紙を教え(小学生にとって、鶴を折るのは難しいようです。本当
に簡単なものの方が喜んでくれると思います。)、その後3つに分かれて、それぞれのクラ
スで、その学年に合った難易度の日本文化を紹介しました。カナダの小学校は一般的に幼
稚園のクラスを持っている場合が多く、この学校もそのひとつで、私は15人程度の幼稚
園のクラスを担当しました。私は動物の鳴き声の日本語での言い方を紹介したのですが、
これは幼稚園の子供達にもわかりやすかったようで、彼らはとても反応がよく、嬉しそう
に元気に真似をして発音してくれました。その姿が本当に可愛くて、今でも彼らの笑顔が
脳裏に焼きついています。
いくつかの学校を訪問して、特に日本との違いを感じたのは、小学校の教育方法です。
日本の場合、詳細に決められたカリキュラムに沿って、算数の時間には算数を、理科の時
間には理科を学びます。これが当たり前だと感じていましたが、カナダの小学校で観た授
業は、日本のそれとは異なっていました。私たちが実際に見学した算数の時間でも、先生
は生徒たちを円形のテーブルに集まらせ、りんごを生徒みんなで等分する学習から派生し
て、りんごはどのように育つのか、なぜ冬は育たないのか、りんごにはどんな種類がある
のかなど、理科や生活科にあたるような分野にまで広げた授業を展開していました。カナ
ダの教育にはそもそも日本ほど カリキュラム という概念が強く存在していないらしく、
例えば小学校では、生徒に身に付けてもらいたいことを、6年間を通して、フレキシブル
な時間割と授業内容により様々な分野同士に繋がりを持たせながら教えていくそうです。
これは、生徒たちが、すべては繋がっているのだということを無意識に念頭に置くことが
できる、素敵な教育スタイルだと感じました。また、カナダは様々な人種が共に生きる多
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文化な国である為、幼いころから子供たちもその環境を当たり前だと受け入れ、自然と互
いを認め合えていることが、とても素敵だと思いました。
そして、この1ヶ月、私にとって最
も大切だったのは、Kamal と一緒に過
ごした時間です。Kamal は一人暮らし
だったので、放課後に家へ帰った後、
私は多くの時間を彼女と二人で過ごし
ていました。Kamal は中学校の先生で、
忙しい方だったのですが、私に沢山の
経験をさせようとしてくれて、色々な
ところへ連れて行ってくれたり、沢山
の人に出会わせてくれたりしました。
泊りがけで行ったジャスパーの美しい
景色は、絶対に忘れません。また、イ
ンド出身の Kamal は、私をインド式の
婚約パーティーにも連れて行ってくれ
ました。彼女のお母さんが作ってくれ
たインド料理は、どれも本当に本当に
美味しかったです。Kamal はとても温
かくてオープンな人で、私に沢山のこ
とを話して打ち明けてくれたので、私
も素直に色々なことを話すことができ、
本当に仲良くなることができました。
年齢は離れていたけれど、そんなこと
は気にせず、同世代の友人であるよう
に私に接してくれたことが、とても嬉
しかったです。彼女のお母さんも本当
に温かい人で、本当の娘のように接してくれました。言葉やニュアンスが完璧に通じるわ
けではないので、どうしたら気持ちが伝わるだろう…と試行錯誤する日々は決して容易な
ものではありませんでしたが、それを越えて分かり合えたときの感動は、本当にかけがえ
のないものです。ホストとして私を受け入れてくれたこと、私を my best friend と呼ん
でくれたこと、本当に感謝しています。
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この研修での経験は、私にとって本
当にかけがえのないものとなり、自分
の進む道を考える上での大きなきっか
けとなりました。そして、 人間づくり
である
教育
が本当に大切であり、
それがすべての土台であることにも、
改めて気づくことができました。この
経験を胸にこれからの大学生活を過ご
していけることを、嬉しく思います。
最後に、この研修に関わって協力して下さったすべての方々に、そして、一緒に過ごし
た6人、ひろみさん、よしえさん、りささん、さやかさん、さおりさん、まやさんに、心
から感謝します。
40
研
氏
修
参
名
加
学
簿
属
校
札
幌
校
田
島
理
沙
女
国際理解教育課程
異文化コミュニケーション
札
幌
校
伊
藤
淑
恵
女
国際理解教育課程
異文化コミュニケーション
札
幌
校
小
泉
麻
耶
女
学校教育教員養成課程
教育心理学
札
幌
校
中
川
裕
美
女
学校教育教員養成課程
外国語
釧
路
校
大
友
沙
織
女
地域環境教育課程
人間環境(技術)
岩見沢校
真
崎
さやか
女
学校教育教員養成課程
外国語
岩見沢校
牧
野
裕
子
女
芸術文化課程
美術
旭川校
教授
左上から
左下から
課
名
所
同行(08/26∼08/31)
性別
生
籾 岡
程
専
宏 成
中川さん,大友さん,牧野さん
真崎さん,伊藤さん,田島さん,小泉さん
41
攻
等
旅 行 日 程
8月25日(金)
8月26日(土)
事務局会議室
14:00
結団式(研修参加学生に対する事前指導)
新千歳空港発
13:30
JL3042
成 田 空 港 着
15:05
〃
発
18:25
バンクーバー着
11:05
〃
発
16:30
カルガリー着
18:50
JL018 −日付変更線通過−
HQ266
8月27日(日)
∼
カルガリー滞在
9月25日(月)
9月26日(火)
カルガリー発
10:05
バンクーバー着
10:30
〃
9月27日(水)
JL:日本航空
発
13:05
成 田 空 港 着
14:50
〃
発
18:40
新千歳空港着
20:20
HQ:ハーモニー航空
42
HQ263
JL017
JL3047
HOKKAIDO EXCHANGE PROGRAM SCHEDULE - 2006
Saturday, August 26
Arrive in Calgary
Calgary Intl. Airport, Arrival 6:50 p.m.
Flight: HQ 266 (from Vancouver)
Monday, August 28
9:00 – 12:00
12:00 – 2:00
1:30 – 3:00
3:00 – 4:00
Education Tower (EdT) 702A
Welcome lunch EdT 1314
Campus tour
Introduction to Education buildings, schedules etc
Tuesday, August 29
9:00 – 12:00
1:00 – 4:00
Experiencing Canadian Culture – EdB 354
Downtown and Fort Calgary on C-train
Wednesday, August 30
9:00 – 12:00
1:00 – 2:00
2:00 – 3:00
Experiencing Canadian Culture – EdB 354
Seminar: Native Education – Ms. Shawna
Cunningham, Director of the Native Centre
Dr. Jacque Ottmann, Faculty of Education
Thursday, August 31
9:00 – 12:00
1:00 – 4:00
Experiencing Canadian Culture – EdB 354
Glenbow Museum
Friday, September 1
9:00 – 12:00
1:00 – 2:00
Experiencing Canadian Culture – EdB 354
Lecture on Canadian education – Dr. David Jones
2:00 – 4:00
Details to be announced
Weekend
Saturday, Sunday 2 & 3
Monday, September 4
Labour Day Weekend
Tuesday, September 5
9:00 – 12:00
1:00 – 2:00
2:00 – 3:00
Experiencing Canadian Culture – EdB 354
Seminar: Global Education - Dr. Sylvie Roy
Global Education – Dr. Colleen Kawalilak
Wednesday, September 6
9:00 – 12:00
1:00 – 2:00
Experiencing Canadian Culture – EdB 354
Seminar: Canadian Multiculturalism – Dr. Darren
Lund
Thursday, September 7
Friday, September 8
September 9 & 10
9:00 – 4:00
9:00 – 12:00
afternoon
With Host Family
Kananaskis Field Station – all day. Lunch included
(7 students, Ms. LaDawn Funk (instructor), Ms.
Yoko Kodama (interpreter)
Visit to Alternative High School
Horseback riding – Griffin Valley Ranch*
Weekend
43
Monday, September 11
9:00 – 4:00
Visit to Calgary Zoo School – with LaDawn (C-train)
Tuesday, September 12
9:00 – 4:00
Rundle Elementary – with LaDawn & Yoko (C-train)
(Take a lunch)
9:00 – 10:00
10:00 – 12:00
1:00 – 3:00
In classroom with Ms.Yoko Kodama EdT 738C
University of Calgary Childcare Centre
Teaching Across Borders – Year 2 Orientation EdT
1314
Thursday, September 14
7:45 – 2:45
F.E. Osborne Jr. High School, Ms. Kamal Johal will
host students (take a lunch)
Friday, September 15
8:30 – 2:45
F.E. Osborne Jr. High School, with meet the
teacher pancake breakfast. Dinner at Kamal’s
house – 7:00 p.m.
Note: Risa and Sayaka at Altadore Elementary
School with Joan van den Berg
Wednesday, September 13
Weekend
September 16 & 17
September 18
9:00 – 4:00
Visit to Inglewood Bird Sanctuary (tour with Rundle
Elementary students at 9:30 a.m.) take a lunch
September 19
8:00 – 12:00
Sir Winston Churchill High School (meet with Gord
Baldwin, Asst. Principal). Yoko and LaDawn to
accompany
Note: Risa and Sayaka at Rundle College
Afternoon open
1:00 – 4:00
September 20 - 21
September 22
9:00 – 4:00
Sunnyside Elementary School (be prepared to
share something about Japanese culture with the
classroom you are visiting – discuss with teacher)
Note: Risa and Sayaka to visit Masters Academy
9:00 – 12:00
1:00 – 4:00
Leap Program, Faculty of Education
Discussion about educational visits with LaDawn,
Yoko and Pat (EdT 720) Pat arranged overhead
equip.
Weekend
September 23 & 24
Monday, September 25
Tuesday, September 26
9:00 – 11:00
6:00 – onward
Debriefing – EdT 1104 Conference Room
Farewell dinner with host families – Buon Giorno
Ristorante Italiano
Students return home – 10:05 a.m. HQ 263 (to
Vancouver)
44
45
平成19年3月
編集 / 北海道教育大学国際交流・協力センター
発行 / 北海道教育大学学務部国際交流・協力室
〒002-8501
札幌市北区あいの里5条3丁目1番3号