(低学年112ページ) [PDF:7045KB]

~ 先生にも、子どもたちにもわかりやすい授業づくりのために ~
具体的な授業づくりのポイントがイメージできるよう
32 の事例を掲載しました。ぜひ、使ってほしいモン!
【体つくり運動領域】
【水泳系領域】
【器械運動系領域】
【ゲーム・ボール運動領域】
http://kyouiku.higo.ed.jp/
低
【陸上運動系領域】
【表現運動系領域】
【保健領域】
-2-
ま
え
が
き
このたび、小学校学習指導要領の改訂により、確かな学力、豊かな心、健やかな
体の調和を重視する「生きる力」をはぐくむことが、ますます重要であると示され
ました。体育科においては、生涯にわたって運動に親しむ資質や能力の基礎を培う
観点を重視し、各種の運動の楽しさや喜びを味わうことができるようにするととも
に、児童の発達段階を踏まえ、指導内容の明確化、体系化を図り、指導の一層の充
实を目指しています。
また、体育科では、「運動に親しむ資質や能力の育成」「健康の保持増進」及び
「体力の向上」の三つの具体的目標が相互に密接な関連をもっていることが示され
ました。さらに、この三つが体育科の重要なねらいであり、自ら各種の運動の楽し
さや喜びを味わい、仲間と仲よく運動をし、体力の向上につながる实践力を身に付
けた児童の育成を図ることが求められています。
本書は、小学校学習指導要領解説体育編及び教師用指導資料「小学校体育(運動
領域)まるわかりハンドブック」を参考にし、学習指導要領の趣旨を踏まえた体育
の指導を適切に行うための指導資料として作成しました。各学校においては、学校
及び児童の实態等に応じた指導と評価の計画の作成について、本書を効果的に活用
し、改訂の趣旨に沿った、児童にとって魅力ある体育の授業が展開されることを期
待します。
終わりに、本書の作成に当たり、多大な御協力をいただきました各学校及び関係
者の皆様をはじめ、御尽力くださいました作成委員の先生方に対しまして深く感謝
申し上げます。
平成24年3月
熊本県教育庁体育保健課
課長
-3-
城
長
眞
治
低学年用目次
Ⅰ 学習指導要領改訂に基づく小学校体育の内容
2 小学校学習指導要領解説体育編と本手引書の関連
・・・・・・
8
3 体育科の改善の基本方針
・・・・・・
9
4 体育科の改訂の要点
・・・・・・ 10
5 運動領域の指導のポイント
(1) 第 1 学年及び第2学年(低学年)
(2) 第3学年及び第4学年(中学年)
(3) 第5学年及び第6学年(高学年)
・・・・・・ 11
・・・・・・ 12
・・・・・・ 13
6 体育学習の進め方
・・・・・・ 14
7 保健領域の指導のポイント
・・・・・・ 16
Ⅱ 評価 ~Q&A形式~
① 学習評価についての基本的な考え方
② 「関心・意欲・態度」の評価
③ 「思考・判断」の評価
④ 「技能」の評価
⑤ 「知識・理解」の評価
⑥ 評価規準の作成手順
⑦ 指導に生かす評価
⑧ 個に応じた評価
⑨ 保健領域の評価
・・・・・・ 20
Ⅲ 体育学習の実践例
≪低学年(第1学年及び第2学年)≫
1 体つくり運動
【第1・2学年用】 第1学年:多様な動きをつくる運動遊び ・・・・・・ 27
【第1・2学年用】 第2学年:体ほぐしの運動
・・・・・・ 35
2 器械・器具を使っての運動遊び
【第1・2学年用】 第1学年:跳び箱を使った運動遊び
【第1・2学年用】 第1学年:鉄棒を使った運動遊び
【第1・2学年用】 第2学年:固定施設を使った運動遊び
-4-
・・・・・・ 43
・・・・・・ 51
・・・・・・ 59
3 走・跳の運動遊び
【第 1・2学年用】 第1学年:跳の運動遊び
【第 1・2学年用】 第2学年:走の運動遊び
・・・・・・ 67
・・・・・・ 75
4 水遊び
【第1・2学年用】 第1・2学年:水遊び
・・・・・・ 83
5 ゲーム
【第1・2学年用】 第1学年:鬼遊び
・・・・・・ 91
6 表現リズム遊び
【第1・2学年用】 表現遊び
・・・・・・ 99
7 参考資料
(1)集団行動の指導
(2)水を怖がる子どもの指導
(3)着衣のまま水に落ちた場合の対処の仕方
・・・・・107
・・・・・・109
・・・・・・110
付記
引用・参考文献一覧
・・・・・・111
手引作成委員
-5-
すぐに使えるこの一冊!
“あなたの授業に役立ちます”“体育の授業が変わります”
本書は、小学校学習指導要領解説体育編をもとに、文部科学省が作成した教師用
指導資料「小学校体育(運動領域)まるわかりハンドブック」を参考に「学習指導
要領改訂に基づく小学校体育の内容」と「体育学習の実践例」で構成しています。
授業実践例の構成(8ページ)について説明します!
1 「本単元の内容」(1ページ目)
小学校学習指導要領解説体育編の内容から示し、また、「指導したことを評価する」観
点から、括弧書きで「指導して評価すること」を付け加えました。
2 「授業づくりのポイント」(1ページ目)
教師の具体的な指導・支援(主に、場づくりや言葉がけ)について示しています。
3 「指導と評価の計画」(2、3ページ目)
単元全体の流れを、分かりやすく見開き2ページで示しました。各時間の「学習内容・
学習活動⇒指導のポイント⇒学習活動に即した評価規準(評価方法)」で構成しています。
4
「単元の学習過程」(4、5ページ目)
学習の展開を「主なねらい・学習活動」「授業づくりの留意点、教師の指導・支援」
の観点から示し、指導場面を想定し、教師の言葉がけの例や児童の発言の例を吹き出し
で示しました。実際の授業場面の発問・指示・助言等に生かしてください。
また、学習過程1を「基礎・基本を習得する場」、学習過程2を「習得したことを
活用する場」の2つの学習過程で構成しました。
5 「参考資料」について(6~8ページ目)
各運動領域で示された内容が2年間ごとのまとまりであることを受けて、「2年間の単
元計画」を例示しました。
また、「指導・支援に生かす評価」とするために、「評価規準に基づく児童の具体的な
姿と支援の例」を示しました。例示を参考にして、一人でも多くの児童が「おおむね満足
できる」状況に近付くような指導を目指してください。
なお、学習カード、場づくり等については学校の実態に応じて参考にしてください。
-6-
-7-
2 小学校学習指導要領解説体育編と本手引書の関連
小学校学習指導要領
小学校運動領域
評価方法等の
解説体育編
まるわかりハンドブック
工夫改善のた
(低・中・高学年用)
めの参考資料
本手引書の内容
(掲載した項は太字で示しています)
第 1 章 総説
○体育科における 新学
学習指導要領の改善の方向性の一つとして
○改訂の経緯
習指導要領改訂の要
「道徳教育や体育などの充实により、豊かな心
○体育科改訂の趣旨
点
や健やかな体を育成すること。」が示されまし
○体育科改訂の要点
⇒P4~5
た。
・指導内容の明確化、体
そこで、本手引書では、
系化
Ⅰ-3
・体力の向上の重視
4
・運動の取り上げ方の弾
第2章 体育科の
目標及び内容
体育科の課題と改善の基本方針
体育科の改訂の要点
の項で、
改訂の要点をまとめました。
力化
・各運動領域の内容
Ⅲ
○体育科の目標
体育学習の実践例
では、
改訂の趣旨に基づき、体育指導の充実の手立
○内容構成の考え方
てとして「指導と評価の計画」
「単元計画の考え
○各領域の内容
方」の2点について、分かりやすく示しました。
第3章
各学年の
○発達の段階を踏 まえ
体育科に お
小学校では、豊かなスポーツライフの基礎と
ける学習 評
なる資質や能力を身に付けていくことができる
⇒P6~
価
よう、発達の段階に応じて指導する内容を明確
低学年の指導のポ イン
⇒P271~
化し、学校段階の接続を踏まえて体系化を図り
目標及び内容
○第 1 学年及び第 2
た指導のポイント
学年の目標及び内
ト
容
・指導内容を明確にする
○評価規 準
ました。
・「易しい運動遊び」を
の設定に
しっかりと行う
ついて
・
「卖元の評
○第 3 学年及び第 4
中学年の指導のポ イン
価規準」
学年の目標及び内
ト
から「学
容
・進んで学習を振り返る
習活動に
ことを大切にする
・最後まで努力して運動
する態度を育む
○第 5 学年及び第 6
高学年の指導のポ イン
即した評
価規準」
へ
そこで、本手引書では、
Ⅰ-5
低・中・高学年の3つに分けて指導のポイン
トを説明しました。
国立教育政策研究所より、評価規準の設定を
含めた指導と評価の計画、具体的な評価方法、
評価対象とした具体的な児童の学習状況等につ
いて示されました。
○各事例 に
学年の目標及び内
ト
おける評
容
・「考えたり工夫したり
価
すること」を大切にす
運動領域の指導のポイント
の項で、
そこで、本手引書では、
Ⅱ
評価
~Q&A~
の項で、
・「関心・意欲・態度」「思考・判断」「技能」及
び健康・安全についての「知識・理解」の4
る
つの観点の評価
・最後まで努力して運動
・評価規準の作成の手順
する態度を育む
・指導に生かす評価
・個に応じた評価
・保健領域の評価
第4章
についてまとめました。
指導計画の
集団行動の指導は、
「各学年の各領域(保健を
作成と内容の取扱
除く)」において適切に行うこと」と示されまし
い
た。
○指導計画作成上の
そこで、本手引書では、
配慮事項
8 参考資料
○内容の取扱い
集団行動の指導
の項で、
指導のポイントについてまとめました。
-8-
3 体育科の改善の基本方針
【体育科の課題】
〈体育〉
● 運動する子どもとそうでない子どもの二極化の傾向が見られること。
● 子どもの体力の低下傾向が依然として深刻な状況であること。
● 運動に親しむ資質や能力が十分でない状況が見られること。
〈保健〉
● 生涯を通じて自らの健康を適切に管理し改善していく資質や能力を育成するため
に、発達の段階を踏まえて保健の内容の体系化を図る必要があること。
● 小学校低学年においては、運動を通して健康の認識がもてるよう指導の在り方を改善するこ
と。
【改善の基本方針】
〈体育〉
○ それぞれの運動が有する特性や魅力に応じて、基礎的な身体能力や知識を身に付ける。
○ 生涯にわたって運動に親しむことができるように、発達のまとまりを考慮し、指導内容を整
理し体系化を図る。
〈保健〉
○ 発達の段階を踏まえて保健の内容の体系化を図る。
○ 健康の概念や課題などの内容を示すとともに、健康・安全に関する内容の改善を図る。
○ 小学校低学年においては、運動を通して健康の認識がもてるような指導の在り方を改善する。
【体育科の目標と育てる力の関係】
心と体を一体としてとらえ、適切な運動の経験と健康・安全についての理解を通して、生涯に
わたって運動に親しむ資質や能力の基礎を育てるとともに健康の保持増進と体力の向上を図り、
楽しく明るい生活を営む態度を育てる。
合理的・意欲的な運動実践
身体能力
(できる)
思考力・判断力
(活用する)
知識
(わかる)
-9-
態度
(身に付く)
4 体育科の改訂の要点
(1) 「基礎的な身体能力や知識を身に付ける」
ア 体力の向上を重視し、小学校第1学年から高等学校第3学年までのすべての学年に
おいて「体つくり運動」を指導する。
イ 各運動領域において適切な運動経験を通して、その結果として体力が高まるように
指導を改善する。
ウ 学習したことを、他の学校生活や家庭生活に生かすことを重視する。
エ 体育学習における言語活動においては、事前に基礎的な知識についての指導をする
必要がある。
(2) 「発達段階のまとまりを考慮する」
○ 小学校から高等学校までの12年間を4年間ごとのまとまりとする。
小学校
中学校
高等学校
1~4年
5・6年
1・2年
3年
1~3年
様々な基本的な動きを 多くの領域の運動を体験す 尐なくとも1つのスポーツに親し
身に付ける時期
る時期
む時期
(3) 「指導内容を整理し体系化を図る」
○ 体系化した運動領域の領域構成
学
1・2
3・4
年
体つくり
体つくり
体つくり
体つくり
運動
運動
運動
運動
領
器械・器具を使っての
器械運動
運動遊び
域
5・6
体つくり
運動
体つくり
運動
器械運動
走・跳の運動遊び
走・跳の運動
陸上運動
水遊び
浮く・泳ぐ運動
水泳
ゲーム
ゲーム
ボール運動
表現リズム遊び
表現運動
表現運動
保健
保健
(4) 「指導内容の明確化」
○ 各運動領域において、身に付けさせたい内容を具体的に示す。
例)第5学年及び第6学年 Eボール運動 (1)技能
ア ゴール型では、簡易化されたゲームで、ボール操作やボールを受けるための動き
によって、攻防をすること。
(5) 「発達の段階を踏まえて保健の内容の体系化を図る」
ア 保健については、身近な生活における健康・安全に関する基礎的な内容を重視し、
指導内容を改善すること。
イ 健康な生活を送る資質や能力の基礎を培う観点から、系統性のある指導ができるよ
う健康に関する内容を明確にすること。
ウ 児童の興味・関心や意欲などを高めながら効果的に学習を進めるために、学習時間
を継続的又は集中的に設定するなど発達段階に応じた指導計画を立てること。
- 10 -
5 運動領域の指導のポイント
(1) 第1学年及び第2学年(低学年)
① 第1学年及び第2学年の目標
ア 簡卖なきまりや活動を工夫して各種の運動を楽しくできるようにするとともに,その基本的
な動きを身に付け,体力を養う。
イ だれとでも仲よくし,健康・安全に留意して意欲的に運動をする態度を育てる。
②第1学年及び第2学年の発達の段階と学習指導
易しい運動遊びを楽しく行えるようにする。
自分たちの力に応じて進んで活動の仕方や競争のルー
ルなどを工夫することができるようにする。
体の基本的な動きや各種の運動の基礎となる動きを身
に付けることができるようにする。
ア 指導内容を明確にする
体育科では,子どもたちに身に付けさせたい内容を明確にする視点から,「技能(運動)」
「態度」「思考・判断」の3つで各運動領域の内容を構成しています。卖元では,取り上げ
た運動に応じてこの3つの内容を明確にし,何を教えるのかをはっきりさせることが重要
です。
このとき「技能」については,特に運動の特性や魅力に応じて指導することが重要です。
低学年では内容領域を基本的に「運動遊び」として示しています。これは,この頃の児童
にとっての運動が,わくわく,伸び伸びと体を動かす楽しさや心地よさを味わう「遊び」
であることを強調しているものです。つまり,運動の特性や魅力に応じて指導するという
ことは,卖元で取り上げた運動遊びを楽しく行う中で,「体の動きや各種運動の基礎とな
る動き」を身に付けていけるように指導することを意味しています。
イ 「易しい運動遊び」をしっかりと行う
学習内容として,子どもたちの实態からどのような「易しい運動遊び」を卖元で取り上
げることが適切かを考えることはとても大切です。「小学校体育(運動領域)まるわかり
ハンドブック」にある例や,小学校学習指導要領解説体育編ならびに各種の学校体育实技
指導資料等を参考にして適切な運動遊びを選んでください。
ウ 特に大切にしたいこと!
『すそ野の広い様々な運動経験を積んで中学年・
高学年』の基礎をつくる
- 11 -
(2) 第3学年及び第4学年(中学年)
①第3学年及び第4学年の目標
ア 活動を工夫して各種の運動を楽しくできるようにするとともに,その基本的な動きや技能
を身に付け,体力を養う。
イ 協力,公正などの態度を育てるとともに,健康・安全に留意し,最後まで努力
して意欲的に運動をする態度を育てる。
ウ 健康な生活及び体の発育・発達について理解できるようにし,身近な生活において健康
で安全な生活を営む資質や能力を育てる。
② 第3学年及び第4学年の発達の段階と学習指導
運動を楽しく行うことができるようにする。
進んで活動を振り返り,活動を工夫して,運動
の楽しさを広げることができるようにする。
最後まで努力して運動をする態度を育て,日
常生活にも生かしていけるようにする。
運動の基礎となる感覚を育みつつ,基本的な動きや技
能を身に付けることができるようにする。
ア 進んで学習を振り返ることを大切にする
中学年では,体育科のねらいの一つとして,進んで活動を工夫し運動を楽しくできるよ
うにするとともに,運動の特性や魅力に応じて,体つくり運動,走・跳の運動,浮く・泳
ぐ運動及びゲームについては,運動種目として成立する以前の基本的な「動き」を身に付
けること,また器械運動及び表現運動については,運動種目としての基本的な「技能」を
身に付けることを大切にします。これは,この頃の児童の発達の段階から,望ましい学習
集団をつくり学習を進めるとともに,運動の特性や魅力に応じて課題をもち,またそれを
解決するために,動き方や運動する場,練習の仕方などを工夫することで,「運動の楽し
さや喜び」を広げていくことを大切にすることです。
イ 最後まで努力して運動する態度を育む
学習課題の達成に向かって最後までやり遂げる態度を育てることが中学年の学習指導
では重要です。そのためには,運動の特性や魅力に応じて進んで課題に取り組み,適切な
指導や支援を受けて工夫しながら課題を解決する活動が,どの児童にも保障されているこ
とが必要です。
ウ 特に大切にしたいこと!
○集団で課題に取り組む機会を多くする。
○児童が工夫した動きや行い方などをお互いが評価し合
える機会を設定する。
- 12 -
(3) 第5学年及び第6学年(高学年)
①第5学年及び第6学年の目標
ア 活動を工夫して各種の運動の楽しさや喜びを味わうことができるようにするとともに,
その特性に応じた基本的な技能を身に付け,体力を高める。
イ 協力,公正などの態度を育てるとともに,健康・安全に留意し,自己の最善を尽くして
運動をする態度を育てる。
ウ 心の健康,けがの防止及び病気の予防について理解できるようにし,健康で安全な生活
を営む資質や能力を育てる。
③ 第5学年及び第6学年の発達の段階と学習指導
運動の楽しさや喜びを味わうことができるよう,進ん
で考え活動を工夫していくことができるようにする。
運動の楽しさや魅力に応じて基本的な技能を身に付け,
運動に対する自己肯定感をもてるようにする。
自己の最善を尽くして運動をする態度を育めるよう
にする。
ア 「考えたり工夫したりすること」を大切にする
高学年は,次の中学生の1、2年生と合わせて,生涯にわたる豊かなスポーツライフ
の基礎が育つ上で重要な時期です。特に、運動に対する自己肯定感をしっかりともつこ
とが大切です。このためには,「楽しさや喜び」という運動がもっている特性や魅力に
応じて運動の基本的な技能を身に付けること,集団の中での役割を自覚して学習を進め
ること,深く考え行動することを大切にして児童に働きかけます。特定の方法を反復,
継続的に当てはめるだけではなく,自己の課題に向け,その解決の仕方を工夫できるよ
うにします。
イ 自己の最善を尽くして運動する態度を育む
学習課題の解決に向かって自己の最善を尽くして運動をする態度を育てることが、高
学年の学習指導では重要です。このためには,運動の特性や魅力に応じて進んで課題を
もち,適切な支援を受けて,考えたり工夫したりするとともに技能を身に付け,正しい
態度に基づいて力いっぱいの活動を行うように働きかけることを大切にします。
ウ 特に大切にしたいこと!
○課題を解決し、運動の楽しさや喜びを味わう体験をする
ことを大切にする。
○自己肯定感が高まるように課題をやり遂げる機会を多
くする。
- 13 -
6
体育学習の進め方
次のような点に留意し学習を進めていきます!
(1) 運動の楽しさや喜びを感じさせているか
まず、児童が、運動の楽しさや喜びを感じるような授業づくりをすることが大切です。
そのためには、運動の特性を踏まえ、児童の实態をしっかりと把握した上で卖元づくり、
授業づくりをしていくことが必要です。そして、できなかったことができるようになる、
記録が伸びる、チームの力が高まるなどの技能の向上が図られ、また、ゲーム・練習の仕
方、作戦等において分からないことが分かるようになったり、さらに、きまりやルールを
守り、みんなで協力したりして運動を楽しむなどの態度を育てる授業づくりを目指すこと
が大切です。
(2) 豊かにかかわり合う授業であるか
体育の授業では、仲間と豊かにかかわり合いながら学習できるという特性があります。
児童のかかわり合いの实態を把握し、友達や教師と協力し、励まし合い、教え合う場面を
設定するような授業づくりに配慮することが大切です。また、教師の児童への肯定的な言
葉がけや表情は、授業の雰囲気をよくし、児童の学習意欲を高めます。さらに児童相互の
肯定的な言葉がけを奨励する場面を促していけば、教師と児童、あるいは児童同士がより
豊かにかかわる授業となるでしょう。
(3) 運動量が十分確保されているか
児童が体育を楽しいと感じる大きな要素に、運動の实践そのものがあります。1時間の
中で、児童が精一杯運動した満足感が得られるような運動量を確保することが大切です。
また、体力つくりの視点からも、授業が終わる時には、どの児童も汗ばんでいることがめ
やすとなるでしょう。
(4) 主体的な学びの姿が見られるか
教師主導の画一的な指導ではなく、児童が自己の課題の解決に自ら進んで取り組めるよ
うな指導を大切にする必要があります。特に、児童一人一人は、興味・関心・技能・体力
などに個人差があるので、個に応じた支援が求められます。
(5) 学習の目標や内容が明確に示されているか
教師がこの卖元の目標は何か、また、毎時間の授業でどんな力を身に付けさせたいのか
を児童に明確に示すとともに、目標をよく理解させておくことが大切です。その工夫の一
つとして、卖元計画や授業の流れ等を学習カードや黒板に掲示するとよいでしょう。
- 14 -
(6) 授業のきまりが確立しているか
児童が安全に、しかも効率的に学習を進めるには、学習のきまりや約束を確立して
おくことが大切です。準備・片付け、集合、聞く態度、話し合いの仕方などのきまり・
約束を定め、常時指導していくことが必要です。
(7) 教材や場づくりの工夫があるか
児童が主体的・意欲的に学習に取り組めるようにするには、児童にとってワクワク
するような魅力ある教材・教具の工夫や場づくりが大切です。
〈工夫の視点〉
〈例〉
○運動量を確保するための手立て・・・・・場を増やすための手づくりの教具
○恐怖心を取り除くための手立て・・・・・段ボールを用いたハードル
○扱いやすくするための手立て・・・・・・空気を尐し抜いたボール
○苦手な児童への手立て・・・・・・・・・水泳時のヘルパー
○意欲を高める手立て・・・・・・・・・・~ランドへ出発!(イメージづくり)
○課題発見・解決のための手立て・・・・ ICTの活用
(8) 学習カードや資料を活用しているか
きめ細かな配慮のある学習カードや資料を活用することが、児童が主体的に学習を
進めることにつながります。
〈記載内容〉
〈期待できる効果〉
○得点表、記録表・・・・・自己の技能の伸びや課題を把握できる
○作戦図、感想欄・・・・・学習の足跡を残すことができる
○反省欄・・・・・・・・・自己評価、相互評価及び指導者の評価に活用できる
○ボール軌跡図・・・・・・友達やチームでのかかわりを深めることができる
○器械運動技能ポイント系統表・・技能習得の見通しをもつことができる
(9) 事故防止に留意しているか
児童の行動や学習環境の安全性に配慮することが大切です。安全指導及び体育施設
や用具の安全点検とともに、適度な休養等への配慮が大切です。
また、酷暑時の熱中症や水泳時の水温等、自然環境に留意することも大切です。
(10) 発達段階に応じた指導を行っているか
発達段階を踏まえ、骨格や筋肉、心肺機能に著しい負担がかかることがないよう運
動の取扱いに配慮する必要があります。また、児童一人一人の発育や発達には、個人
差があることも忘れてはなりません。
- 15 -
7 保健領域の指導のポイント
(1) 学習指導要領改訂の趣旨から
① 保健領域の改善の基本方針
生涯を通じて自らの健康を適切に管理し改善していく資質や能力を育成するために,
○発達の段階を踏まえて保健の内容の体系化を図る。
○健康の概念や課題などの内容を明確に示す。
○小学校低学年においては,運動を通して健康の認識*がもてるよう指導の在り方を改善す
る。
②保健領域の改訂の要点
○身近な生活における健康・安全に関する基礎的な内容を重視し,指導内容を改善する。
○健康な生活を送る資質や能力の基礎を培う観点から,系統性のある指導ができるよう健
康に関する内容を明確にする。
③保健領域(保健分野)の体系化
小 学 校
3・4年
発達の段階を踏まえた内容
指導上の留意点
中 学 校
5・6年
1年
高 等 学 校
2年
3年
個人生活における
入学年次
身近な生活における
健康・安全に関する基礎的な内容
健康・安全に関する内容な
個人生活及び社会生活における
健康・安全に関する内容
より実践的に
より科学的に
より総合的に
毎日の生
活と健康
育ちゆく体
とわたし
心の健康
指導内容の体系化
健康な生
活と疾病
の予防
心身の機能
の発達と心
の健康
現代社会
と健康
けがの防止
傷害の防止
生涯を通じ
る健康
病気の予防
健康と環境
社会生活
と健康
*「健康の認識」とは,運動が体によいことを理解したり、判断したりする
ことである。健康と運動のかかわりについて、低学年の児童が運動場面で
实感できるよう指導を工夫する。
例)
次の年次
運動をすると、自分の体はど
体が温かくなって汗がた
うなりましたか。
くさん出ました。
- 16 -
(2) 単元名及び各単元の指導の内容
学 年
指導時間
第3学年
4時間程度
第4学年
4時間程度
第5学年
8時間程度
第6学年
8時間程度
卖元名及び各卖元の指導の内容
「毎日の生活と健康」
健康の大切さを認識するとともに,健康によい生活につい
て理解できるようにする。
ア 健康な生活とわたし
イ 1日の生活の仕方
ウ 身の回りの環境
「育ちゆく体とわたし」
体の発育・発達について理解できるようにする。
ア 体の発育・発達
イ 思春期の体の変化
ウ 体をよりよく発育・発達させるための生活
「心の健康」
心の発達及び不安,悩みへの対処について理解できるよう
にする。
ア 心の発達
イ 心と体の相互の影響
ウ 不安や悩みへの対処
「けがの防止」
けがの防止について理解するとともに,けがなどの簡卖な
手当ができるようにする。
ア 交通事故や身の回りの生活の危険が原因となって起
こるけがとその防止
イ けがの手当
「病気の予防」
病気の予防について理解できるようにする。
ア 病気の起こり方
イ 病原体がもとになって起こる病気の予防
ウ 生活行動がかかわって起こる病気の予防
エ 喫煙,飲酒,薬物乱用と健康
オ 地域の様々な保健活動の取組
ア 保健領域の新しい内容の追加
○第3学年「毎日の生活と健康」
:健康の状態の捉え方として、主体の要因や周囲の環境
の要因があること。
○第5学年「けがの防止」
:身の回りの生活の危険が原因となっておこるけががあること。
○第6学年「病気の予防」
:地域では、保健にかかわる様々な活動が
行われていること。
イ 保健領域の指導については,児童の興味・関心や意欲などを高めながら効果的に学習を
進めるために,学習時間を継続的又は集中的に設定することが望ましい。
- 17 -
(4) 保健領域の指導方法の工夫
①
思考力・判断力等の育成
保健の指導に当たっては,知識を活用する学習活動を取り入れるなどの指導方法の工夫
を行うこと。
(内容の取扱い(6))
知識を習得する学習活動を重視するとともに,習得した知識を活用する学習活動を積極
的に行うことにより,思考力・判断力等を育成していく。
② 多様な指導方法の工夫
○身近な日常生活の体験や事例などを用いた話し合い、ブレインストーミング、応急手当
などの实習、实験など体験的な学習。
○地域や学校の实情に応じて養護教諭や栄養教諭、学校栄養職員、学校医など専門性を有
する教職員等の参加・協力。
○資料、ビデオ、スライド、掛図、図表等の視聴覚教材及び ICT 機器の活用。
③ 課題解決的な学習の推進
課題解決的な学習とは、児童が身近な生活における様々な課題に気付き、結果を予想し、
解決の方法を考え、自ら主体的に解決していく学習です。その過程を通して、学習した内
容を卖に知識としてとどめさせるだけでなく、課題を見極める力、課題を解決する力、課
題解決の力を適用・発展させる力など、日常生活を送る上で必要とされる健康・安全に関
する資質や能力を自分自身の力で身に付けさせていきます。これらは、「確かな学力」と
して求められている「思考力、判断力、表現力等」にもつながっていく力です。
評価は適宜行う(形成的評価)
課
題
解
決
的
な
学
習
の
過
程
身
近
な
生
活
か
ら
課
題
発
見
結
果
を
予
想
す
る
解
決
の
方
法
を
探
る
体
験
的
な
学
習
体
験
・
事
例
を
用
い
た
話
合
い
ブ
レ
イ
ン
ス
ト
ー
ミ
ン
グ
实
習
・
实
験
作
業
・
实
地
調
査
等
新しい課題へ向かう
- 18 -
調
べ
学
習
・
聞
き
取
り
資
料
活
用
・
I
C
T
機
器
活
用
实
践
自
己
評
価
・
相
互
評
価
- 19 -
Q1
A
1
これからの体育の学習評価はどのように考えればよいのでしょうか?
運動領域の学習評価については、次の2点に考慮しながら評価を行います。
関心・意欲・態度⇒体育では、指導内容に「態度」が位置付けられており、
評価をします。
2
運動についての「思考・判断」⇒体育では「思考・判断・表現」ではありま
せん。
※指導内容としての「表現」は、体育における技能に含まれます。
運動への愛好的態度、協力・公正に関する態度、
安全に関する態度を評価
< 運 動 領 域 >
運動への関心・意欲・態度
自己やチームの課題解決に向けた取り組み方(工
夫の仕方)を評価
運動についての思考・判断
運動の技能
基本的な動きや技能の習得の状況を評価
保健領域の学習評価については、次の2点に留意しながら評価を行います。
1
関心・意欲・態度⇒学習内容に関心をもっているかを重視して評価すること
2
思考・判断
⇒小学校では、より实践的・具体的に表している様子(発
言・記述)を評価すること
※見付ける・選ぶ活動が非常に重要となります。(实践的な姿の例:自分の生活と比べて考える等)
< 保 健 領 域 >
学習活動に進んで取り組んでいる状況を評価
健康・安全への関心・意欲・態度
健康・安全についての思考・判断
实践的に「思考・判断」したことを言語活動で「表
現」(説明)している状況を評価
健康・安全についての知識・理解
理解したことを、発言や記述している状況を評価
Q2
運動や健康・安全への「関心・意欲・態度」の評価はどのように考えれば
よいのでしょうか?
A
「関心・意欲・態度」の観点では、次の要素をみていきます。
< 運 動 領 域 >
「運動の楽しさを味わおう」 「お互いに協力しよう」
としているか
としているか
- 20 -
「安全に配慮しよう」
としているか
< 保 健 領 域 >
「健康な生活について、学習活動に進んで
「課題の解決に向けた学習活動に進ん
取り組もう」としているか(個人の活動)
で取り組もう」としているか(集団の活動)
《「関心・意欲・態度」の評価方法》
授業中の発言や行動などから評価する「観察」がありますが、より実観的で信
頼性の高い評価をしていくためには、学習カード等の記述による評価方法を組み
合わせていく工夫も必要です。
Q3
運動や健康・安全についての「思考・判断」の評価はどのように考えればよい
のでしょうか?
A
「思考・判断」の観点では、次の要素をみていきます。
< 運 動 領 域 >
「課題解決に向け、その前提となる「課題解決に向けた適切な
知識は定着」しているか
場で活動」しているか
「課題解決に向けて
工夫」しているか
※「前提となる知識」とは、主に低学年では「行い方」、中学年では「動きや技のポイント」、高学
年では「課題解決の仕方」等を指します。
< 保 健 領 域 >
「課題や解決方法を見付けたり、選んだ
りして、それらを説明しよう」
「学習したことを自分の生活と比べだり
関係を見付けたりして、それらを説明
としているか
しよう」としているか
《「思考・判断」の評価方法》
授業中の話し合いや活動中の発言・動きなどの「観察」があります。その際、
どうしても発言力のある児童に比べ、発言が尐ない児童の正しい評価が難しくな
ります。そこで、学習カードの記述などを参考にすることで、課題や練習を選択
した過程や作戦の工夫、学習の場の選択においてどのような考えをもっているの
かなどを見取ることができます。児童の姿の見える部分だけではなく、活動中の
何気ないつぶやきや行動など児童の内面にかかわる部分についても、観察できる
よう工夫し、評価に生かしていくことが大切です。
- 21 -
Q4
A
運動の「技能」の評価はどのように考えればよいのでしょうか?
「技能」の観点では、次の要素をみていきます。
< 低・中学年 >
< 高学年 >
「運動を楽しく行うための基本的な動き
や技能」を身に付けているか
「運動の特性に応じた基本的な技能」
を身に付けているか
※「体つくり運動」領域の「体ほぐし運動」については、技能の習得や向上を直接のねらいとする
ものではないことから、「技能」は評価しません。一方、低・中学年の「多様な動きをつくる運動
(遊び)」及び高学年の「体力を高める運動」については、動きを身に付けることをねらいとして
いるので「技能(運動)」について評価します。
《運動の「技能」の評価のポイント》
評価するのは、記録(量)ではなく、指導した技能(動きの「質」)です。例
えば、「50m走を8秒で走る」というのは、卖に「技能」だけでなく体力も含
め発揮されたパフォーマンス全体の結果であり、評価すべき「技能」のみを表し
たものではありません。評価するのは、スタートや走り方等の指導した「技能」
ということになります。また、保健領域では「技能」については評価しません
Q5
の
健康・安全についての「知識・理解」の評価はどのように考えればよい
でしょうか?
A
「知識・理解」の観点では、次の要素をみていきます。
< 保 健 領 域 >
身近な生活における健康・安全
1日の生活の仕方について
の基礎的な事項について理解し
理解したことを 「言ったり 理解したことを「言ったり
たことを 「言ったり書いたり」
書いたり」しているか
しているかどうか
どうか
身の回りの環境について
書いたり」しているか
どうか
《健康・安全についての「知識・理解」の評価方法》
指導したことや話合いのテーマについて理解したことを発言したり、学習カー
ド(ワークシート)に書いたりした内容をもとに評価します。
また、運動領域では「知識・理解」については評価しません。運動の实施や思
考・判断の前提となる知識の定着の状況は、「思考・判断」で評価します。
- 22 -
Q6
A
評価規準は、どのような手順で作成するとよいのでしょうか?
次の4つの段階で作成します。今回は、陸上運動の第3学年「かけっこ・リレー」の
「技能」の例を示します。
・いろいろな姿勢からの素早い走りだし
1 内容のまとまりごとのねらい
・前後に腕を大きく振った走り
(学習指導要領解説を手がかりに)
・まっすぐ前を見て体を前傾させた走り
( テークオーバーゾーン内で)・走りながらのバトンパス
2 卖元のねらい(指導内容)
・ コーナーの内側に体を軽く傾けた走り
距離を決めて調子よく走ったり、走りながらバトンパスをしたりすることができるようにする。
明確化
3 学習活動における子どもの姿
・ いろいろな走り出しの姿勢から素早く走り始める。
・ 前後に腕を振って走る。 ・ まっすぐ前を見て、体を前傾させて走る。
・ コーナーの内側に体を軽く傾けて走る。
・ テークオーバーゾーンで、走りながらバトンパスをする。
重点化
4 評価規準
○ 素早くスタートして、まっすぐ思い切り走ることができる。
○ テークーバーゾーン内で、走りながらバトンパスをすることができる。
Q7
指導に生かすことができる確かな学習評価にするためには、どうしたらよいので
しょうか?
A 次の2つを大切にし、指導に生かすようにしていきます。
1 評価規準をもとに「児童の具体的な姿」をもっておくこと
活動している児童の様子をイメージしたり、实際の様子を観察したりして見取り
にくい項目のみでよいので「児童の具体的な姿」をある程度想定しておきます。
高学年 バスケットボール(ゴール型)の関心・意欲・態度の例を示します。
観点
評価規準
評価方法:具体的な子どもの姿
【第7時】
【行動の観察】
ルールやマナーを守り、
関心・意欲・態度
○練習の順番を守っている。
友達と助け合って練習やゲ
○意図的にファウルをしていない。
ームをしようとしている。
○勝敗に対して望ましい態度をとっている。
○仲間に励ましの声をかけている。
○仲間からの助言を素直に聞いている。
- 23 -
2 一卖位時間の評価時期と評価する項目数を調整すること
一卖位時間においては、可能であれば学習の前半と後半の2回の評価機会を設け
るとが望まれます。
学習課題の理解とよい動きへの気付きを促し、次の学習につながっ
・学習の前半の評価- ていくような「指導に生かす評価」とします。
・学習の後半の評価-
児童の具体的な姿を観察したり、学習カードの記述を活用したりし
て、重点的に指導した内容を評価する「記録に残す評価」とします。
○ 一卖位時間においては、評価する項目数を多く設定しすぎると評価が困難とな
り、指導・支援が不十分となるので、原則として1時間に1項目(多くても2
項目まで)とすることが望まれます。
Q8
次のような児童に対する評価はどのようにすればよいのでしょうか?
① うまくできないが、よくがんばって学習に取り組んでいる児童に対する評価
A
指導でまず大切なのは、すべての児童が「おおむね満足できる状況:B」
以上になるようにすることです。そこで、評価の結果、「おおむね満足でき
る状況:B」に達していない児童に対しては、具体的な支援を行います。全
实践例の参考資料には「評価規準に基づく児童の具体的な姿と支援の例」を
示し、評価をもとに具体的な支援に生かす大切さを示しています。そして、
その後の学習において「おおむね満足できる状況:B」に近付くように個別
指導等を継続していきます。その結果、次に示す技能①について指導した時
間の評価では「C」であっても、その後の具体的な支援等で「おおむね満足
できる状況:B」に技能が達した場合には、その観点に対する評価は「おお
むね満足できる状況:B」とします。
表)「おおむね満足できる状況:B」を目指した指導と評価の例(技能①の例)
時間
第1時
第2時
第3時
第4時
第5時
第6時
指導と評価
態度②
思判①
技能①
態度①
思判②
技能②
C
B
A君
C
A君の技能①の状況の変容
第3時の評価は「C」。しかし、その後の
具体的な支援①
具体的な支援②
具体的な支援とA君の頑張りで「B」評価
となり、本項目の記録に残す評価は「B」
。
- 24 -
体育が大好きでよくがんばっている児童は、友達と協力しながら仲よく活
動したり、自分のめあてに向かって一生懸命に活動したりする姿が見られる
はずです。このような姿は「関心・意欲・態度」や「思考・判断」の観点で
評価することができると思います。また、通知表の所見欄でがんばっている
様子等を記述することは児童の意欲を高める大切な評価の一つです。
②
体育を見学する児童に対する手立てや評価
A
以前の体育の評価は、「技能」の評価に偏った重み付けがなされる傾向に
ありました。しかし、目標に準拠した評価では、観点別評価を基本として児童
の学習の到達度をバランスよく評価することが重要となります。このことから
も、体育を見学する児童でも、可能な限り授業に参加させることが大切です。
例えば、器械運動では、友達の試技に対して補助したり気付きを言ったりする
活動等、ボール運動では、触球数やボールの動きを記録したり作戦会議やゲーム
の反省の話し合いに参加したりするなどの活動が考えられます。
これらの場面では「関心・意欲・態度」や「思考・判断」の評価が可能です。
見学する児童に、自分も体育を学習しているという意識とその時間の課題をしっ
かりもたせておくなどの配慮が必要です。
Q9
保健領域の学習評価で、「十分満足できる状況:A」とは、具体的にどのよ
うな姿なのでしょうか?
A
保健領域の3観点の具体例を示します。この姿を基本として見取ることができます。
観
点
「十分満足できる状況:A」の具体的な姿の例
関心・意欲・
・自ら進んで取り組んでいたり、集中して取り組んでいたりしている。
態度
・メモを取ったり、内容を確認したりするなど、発言を聞き逃がさないで集中して取り組んでいる。
思考・判断
・学習したことをもとに、理由を付け加えたり、他の考え方との相違点や類似点などを付け加えた
りして、具体的に説明している。
・学習したことと自分の生活とのつながりを踏まえて、健康な生活への改善策まで触れている。
知識・理解
・具体例を挙げて言ったり、書き出したりしている。
指導に生かす評価
となるように!
くまもとサプライズキャラクター「くまモン」
- 25 -
【低学年】
- 26 -
第1学年「多様な動きをつくる運動遊び」
→まるわかりハンドブック
(低学年)P.8~9、12~13
バランス
移 動
用具操作
力試し
1 本単元の内容
内 容(指導して評価すること)
○体のバランスをとったり移動をしたりするとともに,用具の操作などをするこ
と。
[構成]
運動
・体のバランスをとる運動遊び
・体を移動する運動遊び
・用具を操作する運動遊び
・力試しの運動遊び
○運動遊びに進んで取り組むこと。
態度
○きまりを守って仲よく運動をすること。
○場の安全に気を付けること。
思考・判断 ○体つくりのための簡卖な運動の行い方を工夫すること。
2 授業づくりのポイント
(1) 「やってみたい」を引き出すための場の工夫
楽しさが味わえるような魅力のある活動の場にしましょう。また,児童の関心・意欲が持続
するよう複数の活動の場を設定し,音楽なども効果的に活用しましょう。
運動遊びの楽しさを味
わい,児童の歓声があが
るような魅力的な活動
の場をつくるようにし
ましょう。
(2) 「動きのレパートリーを増やす」ための工夫
どんな動きがよい動きなのかが児童にも分かるように,動きを共有したり、動きがイメージで
きるような図や写真などの掲示物を工夫したり,教師の言葉がけをしていきましょう。
腰の周りで上手
く回せるように
なったね。他に
は体のどこで回
せるかな。
いろんな止まり
方があるね。次
は手を広げて止
まってみよう。
- 27 -
3 指導と評価の計画(5時間取扱)
過
程
時
間
[参考:評価規準の作成のための参考資料(国立教育政策研究所)]
学習内容・学習活動
【学習内容】
・学習の進め方・用具の使い方・運動の行い方を知り、運動する場や用具の使い
方などの安全に気を付けること。
(関心・意欲・態度①)
1
学
習
過
程
1
2
3
4
学
習
過
程
2
5
【学習活動】
1 オリエンテーション
・学習の進め方を知る。
・用具の使い方や運動の行い方を知る。
2 試しの運動
・体のバランスをとる運動遊び・用具を操作する運動遊びの易しい動き
3 振り返り、片付け
【学習内容】
・運動の順番やきまりを守って、友達と仲よく運動すること。
(関心・意欲・態度②)
・多様な動きをつくる運動遊びに進んで取り組むこと。
(関心・意欲・態度③)
・運動遊びの行い方や動き方を知ること。
(思考・判断①)
・友達のよい動きを見付けること。
(思考・判断②)
【学習活動】
1 用具や場の準備
2 学習課題の確認
3 体のバランスをとる運動遊び・用具を操作する運動遊び
・教師が提示した動きに取り組む。
・ペアやグループで見合って、動きを確かめる。
・運動遊びで行った動きを使ってゲームをする。
4 振り返り、片付け
【学習内容】
・動きを工夫するために姿勢や人数、方向などの条件や用具の使い方を選らぶこ
と。
(思考・判断③)
・用具を操作し、用具に合わせた動きをすること。
(運動①)
・姿勢や方向を変えて、体のバランスをとる動きをすること。
(運動②)
【学習活動】
1 用具や場の準備
2 学習課題の確認
3 体のバランスをとる運動遊び・用具を操作する運動遊び
・いくつかの場を準備する。
・好きな運動を選ぶ。
・動き方を工夫する。
4 振り返り、片付け
- 28 -
時
間
1
2
3
学習活動に即した評価規準(評価方法)
指導のポイント
思考・判断
①友達と協
力して、用具
の準備や片
付けをしよ
うとしてい
る。
(観察)
○運動の順番やきまりを守るよう言葉がけを
する。
○音楽をかけて楽しい雰囲気で活動できるよ
うにする。
○関心・意欲が持続するように複数の活動の場
を準備する。
○基本となる動きを教師が紹介する。
○動き方がイメージできるような図や写真な
どを掲示する。
○よい動きの児童を教師が紹介する。
②運動の順
番やきまり
を守って仲
よく運動し
ようとして
い る 。( 観
察・学習カー
ド)
③多様な動
きをつくる
運動遊びに
進んで取り
組もうとし
ている。(観
察・学習カー
ド)
つま先で、上
手に回ってい
ますね。みん
なもまねして
みましょう。
次は、姿勢を
変えて、ボー
ルがキャッチ
できるか、や
ってみましょ
う。
○よい動きを賞賛したり、動きのポイントを助
言したりする。
○動きが多様に工夫できるよう、場や用具を準
備する。
5
運動についての
○友達と協力して準備を行うよう言葉がけを
する。
○運動する場や用具の安全に気を付けるよう
言葉がけをする。
○児童の实態に応じた易しい運動から始める。
○動きの工夫を引き出す言葉がけをする。
(姿勢、人数、方向、速さなど)
4
運動への
関心・意欲・態度
ボールをはさ
んでやってみ
よう。
- 29 -
運動の技能
① 運動遊び
の行い方や
動き方を知
っている。
(観察・学
習カード)
②友達のよ
い動きを見
付けている。
(観察・学習
カード)
③動きを工
夫するため
に姿勢や人
数、方向など
の条件や用
具の使い方
を選んでい
る。(観察・
学習カード)
① 用具 を操
作 し、 用具
に 合わ せた
動 きが でき
る。(観察・
学 習 カ ー
ド)
② 姿勢 や方
向 を 変 え
て 、体 のバ
ラ ンス をと
る 動き がで
き る 。( 観
察 ・学 習カ
ード)
4 単元の学習過程
(1) 学習過程1(単元前半の 2/5、3/5 時間目)※1/5 はオリエンテーション
時
授業づくりの留意点
主なねらい・学習活動
間
教師の指導・支援
1 用具や場の準備をする。
○友達と協力して準備を行うよう言葉がけをす
る。
は
2 学習課題を確認する。
じ
友達と仲よくバランスランドやボー
○活動の場や用具の使い方など、安全に運動遊
め
・
ルランドに挑戦しよう。
びができるようきまりを徹底する。
・順番やきまりを守って、友達と仲よく、
【2時間目-関心・意欲・態度②】
楽しく運動をする。
3 バランスランドで、体のバランスをと
る運動遊びをする。
たつまき遊び
ゴロリン遊び
○一つ一つの動きを提示し、一斉に運動しなが
ら動き方を確認する。
○全員ができる易しい動きから始め、尐しずつ
動きを変える。
○音楽を流すなど、楽しい雰囲気で動けるよう
に工夫する。
たつまき遊びでは、片足を
軸にして、右回りと左回り
をやってみよう。
ゴロリン遊びでは、背中を
マットにつけて回ってみ
よう。
な
バランスくずし遊び
4 ボールランドで、用具を操作する運動
遊びをする。
○各運動遊びの中から、1時間に2つぐらいの
遊びを選んでじっくり取り組むようにする。
上に投げたボールをおとさずに、
両手や片手でキャッチしてみよ
う。
か
ボールキャッチ遊び
ボールをおなかのまわりで回して
みましょう。できたら、体の他の
ところでも回してみましょう。
ボール回し遊び
ボール運び遊び
ま
と
め
5 振り返り・片付け
(1) 学習の振り返りをし、気付きを発表
する。
(2) 整理運動と片付けをする。
○よい児童の動きを紹介し、進んでやってみよ
うという意欲をもたせる。
【3時間目-関心・意欲・態度③】
○一つの動きでも、高さや向きなどを変えて行
うように言葉がけをする。
○友達の動きを見合う場面を設定し、動きのポ
イントに気付かせる。
【3時間目-思考・判断②】
○楽しかったこと、自分や友達の動きでよかっ
たことを発表させたり、学習カードに記入さ
せたりする。
【2時間目-思考・判断①】
- 30 -
(2) 学習過程2(単元後半の 4/5、5/5 時間目)
時
授業づくりの留意点
主なねらい・学習活動
間
教師の指導・支援
1 用具や場の準備をする。
○場や用具の安全に気を付けるよう言葉がけを
する。
は
2 学習課題を確認する。
○動きの工夫の例などを全体で示して、児童に
じ
イメージをつかませる。
友達と一緒に、もっと楽しい動きを見
○事前に児童の興味・関心をつかみ、いくつか
め
・
付けてやってみよう。
の場を設定する。
○事前にペアを組み、行きたい場を2つ選んで
・1~3時間目の動きの中から、もっと
おく。
やりたい動きを選んでやってみよう。
3 やってみたい場へ行き、動きを工夫し
ながら行う。
〈いくつかの場の例〉
たつまき
遊び
コーナー
ボール運び
遊び
コーナー
○動きの工夫を引き出す言葉がけをする。
たつまき遊びコーナーで
は、すばやく回ったり、ゆ
っくり回ったり工夫してや
ってみよう。
ボールキャ
ッチ遊び
コーナー
ボールキャツチコーナーでは、
ペアやグループで人数を増や
しながらやってみよう。
たつまき遊び
でジャンケン
バランスく
ずし遊び
コーナー
バランスくずし遊びコーナー
では、いろいろな道具を使って
やってみよう。
な
か
4 どのような動きの工夫をしたかを発
表し合う。
ぼくたちは、ボール
運び遊びコーナー
で、背中にボールを
はさんでやってみ
ました。
5 やってみたい場へ行き、工夫した動き
を行う。
ま
と
め
6 振り返り・片付け
(1) 学習の振り返りをし、気付きを発表
する。
(2) 学習のまとめをする。
(3) 整理運動と片付けをする。
○動きが多様に工夫できるよう、場や用具を準
備する。
【4時間目-思考・判断③】
○時間を決めて、2つのコーナーを回れるよう
にする。
○よい動きを賞賛したり、動きのポイントを助
言したりする。
○友達の動きの工夫を紹介し、自分がまだやっ
ていない動きを知り、やってみたいという意
欲をもたせる。
○友達が紹介してくれた動きの工夫を参考に、
もう一度自分のやってみたい場で動きを工夫
させる。
【4時間目―運動①】
【5時間目―運動②】
○楽しかったこと、友達とのかかわり、工夫し
た動きなどを発表させたり、学習カードに記
入させたりする。
○友達と協力して片付けをするよう言葉がけを
行う。
- 31 -
5 参考資料
(1) 2年間の単元計画の例(
は1学年
は2学年)
第1学年で、
「用具を操作する運動遊び」を毎時間配当した例
1~4
体ほぐし
の運動
5~9
体を移動
する運動
遊び・
用具を操
作する運
動遊び
10~14
体のバラ
ンスをと
る運動遊
び・用具
を操作す
る運動遊
び
15~19
力試しの
運動遊
び・用具
を操作す
る運動遊
び
1~4
体ほぐし
の運動
5~9
体をバラ
ンスをと
る運動遊
び・体を
移動する
運動遊び
10~14
力試しの
運動遊
び・用具
を操作す
る運動遊
び
15~19
身に付い
ていない
動きを中
心に扱う
時間
(2) 2学年に分けて指導する場合の評価計画
(实践例に示していない学年の指導計画の「学習活動に即した評価規準例」
)
評
価
規
準
運動への関心・意欲・態度
運動についての思考・判断
運動の技能
○友達と協力して、用具の準
備や片付けをしようとし
ている。
(第1学年の別卖元で評価する。)
○動きを工夫するために姿勢
や人数、方向などの条件や
用具の使い方を変えなが
ら、いろいろな運動の仕方
を見付けている。
○速さやリズム、方向を変え
て、体を移動する動きができ
る。(第1学年の別卖元で評価する。)
○力の入れ方を変えて力試し
の動きができる。
(第1学年の別卖元で評価する。)
(3) 評価規準に基づく児童の具体的な姿と支援の例(授業場面から例示)
(学習活動に即した評価規準)
友達のよい動きを見付けている。
(思考・判断②)
友達の動きのよさ
を具体的に言える。
よい動きを知り、それに合った動
きをしている友達を認識している。
(「十分満足できる」状況と判断す
(「おおむね満足できる」状況と判断する
る「児童の具体的な姿」の例)
「児童の具体的な姿」の例)
《具体的な支援の例》
よい動きが分からず、自分の動
きが変わらない。
(つまずきの例)
- 32 -
よい動きの児童を手
本にし、気を付けるポイ
ントを助言する。
(4) 「多様な動きをつくる運動遊び」の単元の考え方(例:体を移動する運動遊び)
①単元前半「動きを確認しながら運動する時間」
ケンパー遊び
ぐるぐる遊び
輪をふまないようによく見て、
リズムよくはねよう。
どうぶつ歩き遊び
うでを上げたり振ったりして、右
回り、左回りに動きましょう。
いろいろな動物になって、前や
横、後に進みましょう。
一つ一つの動きを教師が提示し、運動しながら動き方を確認しましょう。
②単元後半「動きを選び、工夫しながら運動する」
おもしろランド
みんなで貨物列車
し
ま
し
ょ
う
。
ら
、
お
も
し
ろ
ラ
ン
ド
を
一
周
友
達
の
動
き
を
ま
ね
し
な
が
だんだん人数を増やしていきましょう。
前の人の肩から手をはなさないように。
教師が動きの工夫を引き出す言葉がけをしましょう。
(5)「多様な動きをつくる運動遊び」の行い方の工夫の例(力試しの運動遊び)
協力して
用具を使って
動きを変えて
安全面に、十分
配慮をして行
いましょう。
人を押す、引く動きや力比べをする動き
- 33 -
腰
を
つ
か
ん
で
す
も
う
(6) 学習カードの例
たいいくがくしゅうカード「○○ランドをたのしもう」
1ねん くみ(なまえ
(
)がつ(
)にち (
)
)ようび
めあて きょう、がんばることに○をしよう。
(
)ともだちと なかよく うんどうしよう。
(
)じゅんびや かたづけを しっかりやろう。
(
)たのしいあそびかたを かんがえよう。
ふりかえり きょうの がくしゅうを ふりかえりましょう。
(よくできた◎ できた○ もうすこし△)
たのしく できましたか
ともだちとなかよく できましたか
きまりをまもることが できましたか
ちからいっぱい できましたか
○きょう たのしかったことは どんなことでしたか。
○ともだちの よかったところを おしえてください。
○せんせいから
- 34 -
第2学年「体ほぐしの運動」
→まるわかりハンドブック(低学年)P.8~11
歩いたり、走ったりする運動
伝承遊び
1 本単元の内容
内 容(指導して評価すること ※運動ついては評価しない)
○心と体の変化に気付いたり、体の調子を整えたり、みんなでかかわり合ったりす
るための手軽な運動や律動的な運動をすること。
[行い方の例]
運動
・のびのびとした動作で用具などを用いた運動
・リズムに乗って、心が弾むような動作で運動
・リラックスしながらペアでのストレッチング
・動作や人数などの条件を変えて、歩いたり走ったりする運動
・伝承遊びや集団による運動
○運動遊びに進んで取り組むこと。
態度
○きまりを守って仲よく運動をすること。
○場の安全に気を付けること。
思考・判断 ○体つくりのための簡卖な運動の行い方を工夫すること。
2 授業づくりのポイント
(1) 運動そのものを楽しめるような雰囲気づくりの工夫
できた・できないではなく、どの児童も運動そのものを楽しめるように雰囲気づくりを工
夫しましょう。
すべての児童が体を動かす
楽しさを味わえるように、
できた・できないにこだわ
らず、易しい動きからはじ
めましょう。
(2) 心や体への気付きを促す言葉がけの工夫
体を動かすと気持ちがよいこと、力いっぱい動くと汗が出ること、動くと心臓の鼓動が激
しくなることなど、心や体の変化へ気付くことができるようにしましょう。
「みんなで運動すると楽しいです
か?」「力いっぱい運動したら心臓
がドキドキしましたか?」など、児
童の気付きを意図的に引き出しま
しょう。
- 35 -
3 指導と評価の計画(4時間取扱)
過
程
時
間
[参考:評価規準の作成のための参考資料(国立教育政策研究所)]
学習内容・学習活動
【学習内容】
・学習の進め方・用具の使い方・運動の行い方を知り、体ほぐしの運動に進んで
取り組むこと。
(関心・意欲・態度①)
1
学
習
過
程
【学習活動】
1 オリエンテーション
・学習の進め方を知る。
・用具の使い方や運動の行い方を知る。
2 試しの運動
・すべての児童に易しい運動
3 振り返り、片付け
例)易しい運動(体ジャンケン)
【学習内容】
・運動の順番やきまりを守り、友達と仲よく運動をすること。
(関心・意欲・態度②)
・友達と協力して用具の準備や片付けをすること。
(関心・意欲・態度③)
・体ほぐしの運動の行い方を知ること。
(思考・判断①)
1
2
3
【学習活動】
1 用具や場の準備
2 学習課題の確認
3 体ほぐしの運動
・ペアでやや活動的な運動
・ペアでゆったりと静的な運動
・みんなで活動的な運動
4 振り返り、片付け
例)教師の提示で活動的な運動
【学習内容】
・運動する場や用具の使い方などの安全に気を付けること。
(関心・意欲・態度④)
・友達と一緒に運動したり用具を使って運動したりして、運動の行い方を選ぶこ
と。
(思考・判断②)
学
習
過
程
2
4
【学習活動】
1 用具や場の準備
2 学習課題の確認
3 体ほぐしの運動
・ペアでやや活動的な運動
・ペアでゆったりと静的な運動
・みんなで活動的な運動
4 振り返り、片付け
- 36 -
例)ペアでボールのはさみかたを選んで
時
間
学習活動に即した評価規準(評価方法)
指導のポイント
思考・判断
① 体ほぐし
の運動に進
んで取り組
もうとして
い る 。( 観
察・学習カー
ド)
○友達と協力して準備を行うよう、言葉がけを
する。
○運動の順番やきまりを守るよう、言葉がけを
する。
○友達とのかかわりが生まれる運動を取り上
げる。
②運動の順
番やきまり
を守り、友達
と仲よく運
動をしよう
としている。
(観察・学習
カード)
たくさんの友達と
運動をやってみよ
う。
○心や体の変化に気付く言葉がけをする。
友達の体を優し
くさわってあげ
ましょう。
3
運動についての
○できる・できないにこだわらず、運動そのも
のを楽しめるような雰囲気をつくる。
○易しい運動で試しの運動を行う。
1
2
運動への
関心・意欲・態度
友達にさわっても
らうときもちがい
いな。
○楽しかったこと、体への気付きなどを発表さ
せたり、学習カードに記入させたりする。
○場や用具の安全に気を付けるよう言葉がけ
をする。
○楽しい雰囲気の中で、運動の行い方を選べる
ようにする。
4
○心や体の変化に気付く言葉がけをする。
みんなで運動すると楽
しくなれましたか。いっ
ぱい汗がかけましたか。
- 37 -
① 体ほぐし
の運動の行
い方を知っ
ている。(観
察・学習カー
ド)
③友達と協
力して、用具
の準備や片
付けをしよ
うとしてい
る。(観察)
④運動する
場や用具の
使い方など
の安全に気
を付けよう
としている。
(観察)
②友達と一
緒に運動を
したり、用具
を使って運
動したりす
るなど、運動
の行い方を
選んでいる。
(観察・学習
カード)
運動の技能
4 単元の学習過程
(1) 学習過程1(単元前半の 2/4、3/4 時間目)※1/4 は、オリエンテーション
時
主なねらい・学習活動
授業づくりの留意点
間
教師の指導・支援
1 用具や場の準備をする。
○友達と協力して準備を行うよう言葉かけをす
る。
【3時間目-関心・意欲・態度③】
は
2 学習課題を確認する。
○できる・できないにこだわらず、楽しい雰囲
じ
友達と仲よくいろいろな運動をやっ
気をつくれるようにする。
○運動する前の、自分の心や体の状態に気付か
め
・
てみよう。
せる言葉がけをする。
・友達と仲よく、楽しく運動をする。
○運動の楽しさや心地よさが味わえるよう、
・たくさんの友達と交流する。
ねらいに合った言葉がけをする。
・自分の体について気付く。
3 体ほぐしの運動をする。
(1) ペアやグループでやや活動的な運動
リズムに合わせて、自由に歩い
をする。
てみましょう。
○体ジャンケンをする。
・ペア→グループ→先生と 等
な
○リズムに合わせてウォーキングをす
る。
・一人で自由に→ペアで友達について
いく→グループでリーダーについ
ていく→クラス全体で先生につい
ていく 等
(2) ペアでゆったりと静的な運動をす
る。
○ペアでのストレッチングをする。
・いろいろな体勢での握手や手をつ
ないだまま軽く引っ張り合う 等
先頭のリーダー
についていきま
しょう。
○グループで決めたリーダーの順番を守るよ
う、言葉がけをする。
【2時間目-関心・意欲・態度②】
○先生も一緒になって運動を楽しむ。
○ペアを変えながら、たくさんの友達と交流で
きるようにする。
いろんな姿勢で、友達
と易しく引っ張り合
ってみよう。
か
(3) みんなで活動的な運動をする。
○鬼ごっこをする。
・色鬼
・手つなぎ鬼 等
○伝承遊びをする。
・だるまさんがころんだ
・おしくらまんじゅう 等
○みんなで楽しむことができる運動を取り上げ
る。
り
ま
し
た
ね
。
ら
、
息
が
ハ
ー
ハ
ー
な
力
い
っ
ぱ
い
走
っ
た
○心や体の変化に気付く言葉がけをする。
ま
と
め
4 振り返り・片付け
(1) 学習の振り返りをし、気付きを発表
する。
(2) 整理運動と片付けをする。
○楽しかったこと、体への気付きを発表させた
り、学習カードに記入させたりする。
【2時間目-思考・判断①】
- 38 -
(2) 学習過程2(単元後半の 4/4 時間目)
時
主なねらい・学習活動
間
1 用具や場の準備をする。
2 学習課題を確認する。
は
じ
め
体ほぐしの運動の行い方をえらんで、
・
いろいろな運動をもっと楽しくやっ
てみよう。
・友達と一緒に運動をしたり、用具を使
って運動したりするなど、運動の行い
方を選ぶ。
な
3 体ほぐしの運動をする。
(1) ペアやグループでやや活動的な運動
をする。
○ペアやグループで体ジャンケンをす
る。
・ジャンケンのポーズを変えながらや
ってみよう。
○ペアやグループでウォーキングをす
る。
・手をつないだり、肩に手を置いたり
して歩いてみよう。
(2) ペアやグループでゆったりと静的な
運動をする。
○ストレッチングをする。
・いろいろな友達とやってみよう。
授業づくりの留意点
教師の指導・支援
○場や用具の安全に気を付けるよう言葉がけを
する。
【4時間目-関心・意欲・態度④】
○楽しい雰囲気の中で、運動の行い方を選べる
ようにする。
○運動する前の、自分の心や体の状態に気付か
せる言葉がけをする。
○運動の楽しさや心地よさが味わえるよう、ね
らいに合った言葉がけをする。
○運動の行い方を選ぶことができる言葉がけを
する。
自分たちで動きを変えてや
ってみよう。
○○さんたちのグループは、こ
んな動きをやっていましたよ。
○心や体の変化に気付く言葉がけをする。
体のいろいろなとこ
ろをぶらぶらしても
らうと、どんな気持ち
がしますか。
か
(3) みんなで活動的な運動をする。
○鬼ごっこや伝承遊びを選んでする。
・鬼ごっこを選んでやってみよう。
・伝承遊びを選んでやってみよう。
○これまでの遊びの中から、自分たちで選ぶこ
とができるようにする。
みんなが楽しく動け
るから、おしくらまん
じゅうをやってみよ
う。
【4時間目―思考・判断②】
ま
と
め
4 振り返り・片付け
(1) 学習の振り返りをし、気付きを発表
する。
(2) 学習のまとめをする。
(3) 整理運動と片付けをする。
○楽しかったこと、友達とのかかわりを発表さ
せたり、学習カードに記入させたりする。
○運動すると心や体にどんな変化があったか気
付きを発表させる。
- 39 -
5 参考資料
(1) 2年間の単元計画の例(
は1学年
は2学年)
第1学年及び第2学年で、卖独卖元として「体ほぐしの運動」を設定した例
1~4
体ほぐし
の運動
5~9
体を移動
する運動
遊び・
用具を操
作する運
動遊び
10~14
体のバラ
ンスをと
る運動遊
び・用具
を操作す
る運動遊
び
15~19
力試しの
運動遊
び・用具
を操作す
る運動遊
び
1~4
体ほぐし
の運動
5~9
体をバラ
ンスをと
る運動遊
び・体を
移動する
運動遊び
10~14
力試しの
運動遊
び・用具
を操作す
る運動遊
び
15~19
身に付い
ていない
動きを中
心に扱う
時間
(2) 2学年に分けて指導する場合の評価計画
(实践例に示していない学年の指導計画の「学習活動に即した評価規準例」
)
評
価
規
準
運動への関心・意欲・態度
運動についての思考・判断
○運動の順番を守り、友達と仲
よく運動しようとしている。
○運動する場の安全に気を付け
ようとしている。
○体ほぐしの運動の行い方を知
っている。
運動の技能
(3) 評価規準に基づく児童の具体的な姿と支援の例(授業場面から例示)
(学習活動に即した評価規準)
運動の順番やきまりを守り、友達と仲よく運動をしようとしている。(関心・意欲・態度②)
順番やきまりを守
るよう、友達にも声か
けをしている。
自分たちで決めた運動の順番や
きまりを守り、友達と仲よく運動
している。
(「十分満足できる」状況と判断す
(「おおむね満足できる」状況と判断する
る「児童の具体的な姿」の例)
「児童の具体的な姿」の例)
《具体的な支援の例》
運動の順番やきまりを守るこ
とができない。
(つまずきの例)
- 40 -
学習のきまりを学習
ボード等に掲示して、い
つでも確認できるよう
にする。
(4) 「体ほぐしの運動」の単元構成の考え方
① 卖独卖元の場合
・卖元は3~4時間扱いにする。
・卖元を年度当初や学期始めに位置付けると有効である。
② 「多様な動きをつくる運動遊び」と組み合わせて行う場合
A 卖元を通して行う例
1
~
0
N時間
B 卖元の前半と後半で重点が変わる例
1
~
N時間
0
「体ほぐしの運動」
「体ほぐしの運動」
20
20
「多様な動きをつくる
運動遊び」
45
(分)
45
「多様な動きをつくる
運動遊び」
(分)
・
「多様な動きをつくる運動遊び」と組み合わせて行う場合は、それぞれの評価規準の基、評
価を行うこととする。
(5)「体ほぐしの運動」の行い方の例
- 41 -
(6) 学習カードの例
- 42 -
第1学年「跳び箱を使った運動遊び」
→まるわかりハンドブック
(低学年)P.14〜15、22〜23
1 本単元の内容
内 容(指導して評価すること)
○跳び乗りや跳び下り、手を着いてのまたぎ乗りや跳び乗りをすること。
[例示]
・踏み越し跳び
・支持でまたぎ乗り・またぎ下り、支持で跳び乗り・跳び下り
・馬跳び、タイヤ跳び
態度
○運動遊びに進んで取り組むこと。
○きまりを守り仲よく運動をすること。
○場の安全に気を付けること。
思考・判断 ○器械・器具を用いた簡卖な遊び方を工夫すること。
2 授業づくりのポイント
(1)楽しく活動できるような場の工夫
技能
児童が日頃あまり接する機会がないだけに、馬跳びやタイヤ跳びなどの運動遊びを取り入
れたり、掲示物や動画を用意したりして、動き方や遊び方をイメージできるようにしましょ
う。
跳 び 箱 の 固 さや 着
地の位置が見通せな
いことから不安を感
じる児童もいるので、
易しい課題の場や補
助具を用意すること
も大切です。
(2)言葉がけの工夫
電子黒板の利用
児童が友達と仲よく、跳び箱を使って踏み切りや支持などの運動遊びを夢中になってした
り、いろいろな姿勢で跳び箱を跳び越す動きを工夫して楽しんだりすることができるように、
指導のねらいを明確にし、学習を方向付ける具体的な言葉がけを行うようにしましょう。
着地がピタッと止
まっているね。
- 43 -
3 指導と評価の計画(例 6時間取扱)
過
程
時
間
[参考:評価規準の作成のための参考資料(国立教育政策研究所)]
学習内容・学習活動
【学習内容】
・友達と協力して、器械・器具の準備や片付けをすること。
(関心・意欲・態度①)
1
学
習
過
程
1
2
3
4
学
習
過
程
5
2
6
【学習活動】
1 オリエンテーション
・学習の進め方を知る。
・跳び箱を使った運動遊びの行い方を知る。
2 試しの運動
子どもたちが「早く遊びたいな!」と学習へ
の意欲を持つような場を設定しましょう。
3 振り返り・片付け
【学習内容】
・跳び乗りや跳び下り、手を着いてのまたぎ乗りや跳び乗り(技能①)
・跳び箱を使った運動遊びの動き方を知るとともに、友達のよい動きを見付ける
こと。
(思考・判断①)
・跳び箱運動遊びに進んで取り組むこと。
(関心・意欲・態度②)
【学習活動】
1 用具や場の準備
2 学習課題の確認
3 跳び箱を使った運動遊び
・踏み越し跳び
・支持でまたぎ乗りやまたぎ下り
4 振り返り・片付け
跳び箱から下りるときには「空中で手を叩
く」「ポーズをとる」「狙ったところに着地
する」など工夫すると楽しく遊べます。
【学習内容】
・跳び乗りや跳び下り、手を着いてのまたぎ乗りや跳び乗り(技能①)
・運動の順番やきまりを守り、友達と仲よく運動をすること。
(関心・意欲・態度
③)
・運動をする場や器械・器具の使い方などの安全に気を付けること。
(関心・意欲・
態度④)
・跳び箱使った運動遊びの行い方を知るとともに、運動する場や使用する器械・
器具などを変えながら、いろいろな運動の仕方を見付けること(思考・判断②)
【学習活動】
1 用具や場の準備
2 学習課題の確認
3 跳び箱を使った運動遊び
・支持で跳び乗り、跳び下り
・跳び箱ランドで遊ぶ
5 振り返り・片付け
跳び箱ランドではこれまで学習し
てきた場を基に子どもたちが場を
変えたり、遊び方を工夫したりし
て遊びます。
- 44 -
時
間
学習活動に即した評価規準(評価方法)
指導のポイント
○友達と協力して準備を行うよう言葉がけを
する
運動への
運動についての
関心・意欲・態度
思考・判断
運動の技能
①友達と協力し
て、器械・器具の
準備や片付けを
1
しようとしてい
○学習のねらいを明確にし、卖元を通しての見
通しを持たせる。
る。
(観察)
○基本となる動きを教師が紹介する。
○よい動きの児童を教師が価値付けて、全体に
紹介する。
②器械・器具を使
①跳び箱を使っ
っての運動遊び
た運動遊びの動
に進んで取り組
き方を知るとと
2
もうとしている。 もに、友達のよい
(観察)
動きを見付けて
いる。(観察・学
習カード)
①跳び乗りや跳
○動きのポイントを洗い出し、児童の課題にあ
った動きのポイントの指導をする。
び下り、手を着
いてのまたぎ乗
3
り、またぎ下り
がで きる。( 観
察)
○学習のきまりを確認する。
③運動の順番や
きまりを守り、友
達と仲良く運動
4
をしようとして
いる。
(観察)
○場や用具の安全に気を付けるよう言葉がけ
をする。
5
○いろいろな運動の仕方を見付けることがで
きるように言葉がけをする。
④運動をする場
②跳び箱を使っ
や器械・器具の使
た運動遊びの行
い方などの安全
い方を知るとと
に気を付けよう
もに、運動する場
としている。(観
や使用する器
察)
械・器具などを変
えながら、いろい
ろな運動の仕方
を見付けようと
し て い る 。( 観
察・学習カード)
○卖元を通しての児童の伸びを認め、次の意欲
へつなげる。
②跳び乗りや跳
び下り、手を着
いての跳び乗
6
り、跳び下りが
できる。(観察)
- 45 -
4 単元の学習過程
(1)学習過程1(単元前半の 2/6、3/6 時間目)※1/6 は、オリエンテーション
時
授業づくりの留意点
主なねらい・学習活動
間
教師の指導・支援
1 用具や場の準備をする。
○友達と協力して準備を行うよう言葉がけをす
る。
は
2 学習課題を確認する。
○動きのポイントを教師が教えるのではなく、
じ
遊びを通して発見できるようにする。
踏み越し跳び、支持でまたぎ乗りやま
め
○いろいろな場を設け、遊びながら動きを身に
たぎ下りができるようになろう。
付けさせることができるようにする。
※1時間目は、試しの運動を行う。
3 跳び箱を使った運動遊びを行う。
いろいろなポーズで
(1) 踏み越し跳びを行う。
跳んでみよう。
○いろいろな場で踏み越し跳びをして
ひざをしっかり曲
遊ぶ。
げて跳ぶといいね。
・マットにラインを付けて、どれだけ
自分たちで考えた跳び方を
遠くまで跳べるかを競って遊ぶ。
み
ん
なに紹介しよう。
な
・踏み越し跳びをしながら空中でポー
ズをとって遊ぶ(写真1)
。
・高く跳んでカードにタッチして遊
ぶ。
・ねらったフラフープの中に着地して
遊ぶ(写真2)
。
※結果を学習カードに記入し、児童の
意欲付けを行う。
写真1
写真2
(2) 支持でまたぎ乗り、またぎ下りを行
か
う。
○友達と遊びながら仲よく学習できるようにす
○いろいろな場で支持でまたぎ乗り、ま
る。
たぎ下りをして遊ぶ。
【2時間目-関心・意欲・態度②】
・またぎ乗りリレーをして遊ぶ。
手で跳び箱を後ろに押すと
(写真3)
い
いですね。
・連結跳び箱を何回で行けるかを競っ
て遊ぶ(写真4)
。
手は跳び箱の先の方
・どれだけ遠くまでまたぎ下りをして
に
着
くといいですね。
手を着くときは両手をパー
着地できるかを競って遊ぶ。
に
し
ましょう。
・またぎ乗りで陣取りをして遊ぶ。
(写真5)
後ろにしっかりお
すと尐ない回数でい
けるよ。
写真3
ま
と
め
4 振り返り・片付け
(1) 学習を振り返り、反省を発表する。
(2) 整理運動と片付けをする。
写真4
写真5
【3時間目-技能①】
○できるようになったこと、自分の課題、友達
から教えてもらったことを発表させたり、学
習カードに記入させたりする。
【2時間目-思考・判断①】
- 46 -
(2)学習過程2(単元後半の 4/6、5/6、6/6 時間目)
時
授業づくりの留意点
主なねらい・学習活動
間
教師の指導・支援
1 用具や場の準備をする。
○友達と協力して準備を行うよう言葉がけをす
る。
は 2 学習課題を確認する。
○動きのポイントを教師が教えるのではなく、
じ
遊びを通して発見できるようにする。
支持で跳び乗り・跳び下りができる
め
○いろいろな場を設け、遊びながら動きを身に
ようになろう。
付けさせることができるようにする。
な
か
3 跳び箱を使った運動遊びを行う。
ひざを胸に引き付けて跳ぼう。
(1) 支持で跳び乗り・跳び下りを行う。
○いろいろな場で支持で跳び乗り・跳び
下りをして遊ぶ。
マットを重ねてもっと高いマッ
ト
に
跳び乗ってみよう。
・どれだけ遠くまで跳び下りをして着
地できるかを競って遊ぶ(写真6)
。
・中抜き跳び箱で支持で跳び乗りをし
自分たちで場を変えて跳び乗り
をしてみよう。
て遊ぶ(写真6)
。
・重ねたマットやマットを敷いた跳び
箱に支持で跳び乗りをして遊ぶ。
○競争することよりも、発見した動きのポイン
トを身に付けることが学習の中心となるよう
足が引っかから
に言葉がけを行う。
ないから跳び乗り
○できるようになったら、尐しずつマットの枚
やすいな。
赤のラインをよ
数を増やして場を難しくしていく。
り遠くに跳ぶぞ。
【4時間目-関心・意欲・態度③】
【5時間目-関心・意欲・態度④】
写真6
【6時間目-技能②】
(2)跳び箱ランドで遊ぶ。
○これまで学習した場で遊ぶ。
ワニにさわらないよ
うに着地しよう。今度は
ワニの数を増やして遊
ぼう。難しくなったぞ。
○これまでの学習で身に付けた動きを使って跳
び箱のコースで遊ぶ。自分たちで遊び方を考
えたり、場を工夫したりして遊ぶ。
踏み越し跳びの場で着地のフラフープを遠く
にしたり、輪を小さくしたりして難しくしてみよ
う。
ビール箱を増やして
跳んでみよう。リズムよ
く跳ぶぞ。
ま
と
め
4 振り返り・片付け
(1) 学習を振り返り、反省を発表する。
(2) 整理運動と片付けをする。
友達の跳び方を見ていたら、私もだんだん上手
になってきたよ。友達のいいところは教えてあげ
よう。
○できるようになったこと、自分の課題、友達
から教えてもらったことを発表させたり、学
習カードに記入させたりする。
【5時間目-思考・判断②】
- 47 -
5 参考資料
(1) 2年間の単元計画の例(
は1学年
は2学年)
第1学年及び第2学年で、卖独卖元として「跳び箱を使った運動遊び」を設定した例
第1学年で踏み越し跳び、支持でまたぎ乗りやまたぎ下りの習得を目指し、第2学年で習得した
動きを活用して、自分たちで場を工夫したり、遊び方を考えたりして学習をします。
1〜3
跳び箱を使って、踏
み越し跳び、支持で
またぎ乗りやまた
ぎ下りをして遊ぶ。
4〜6
跳び箱を使って支
持で跳び乗り・跳
び下りをして遊
ぶ。
1〜3
跳び箱を使って、踏
み越し跳び、支持で
またぎ乗りやまたぎ
下りをして遊ぶ。
4〜6
跳び箱を使って支持で跳
び乗り・跳び下りをして遊
ぶ。
これまで学習した
場で自分たちで工
夫して遊ぶ。
これまで学習した場で自分たちで工夫して遊ぶ。
(2) 2学年に分けて指導する場合の評価計画
(実践例に示していない学年の指導計画の「学習活動に即した評価規準例」
)
運動への関心・意欲・態度
評
価
規
準
運動についての思考・判断
運動の技能
運動する場や使用する器械・器
具などを変えながら、いろいろ
な運動の仕方や遊び方を見付
けている。
(3) 評価規準に基づく児童の具体的な姿と支援の例(授業場面から例示)
(学習活動に即した評価規準)
跳び乗りや跳び下り、手を着いてのまたぎ乗りや跳び乗り(技能①)
跳び箱の先に手を着いてまたぎ
乗りができ、跳び箱を手で強く押し
l ながらまたぎ下りができる。
またぎ乗り・またぎ下りをす
ることができる。
(「十分満足できる」状況と判断す
(「おおむね満足できる」状況と判断する
る「児童の具体的な姿」の例)
「児童の具体的な姿」の例)
(1)またぎ乗ることができない。
(2)またぎ下りることができない。
(つまずきの例)
- 48 -
《具体的な支援の例》
手を跳び箱の先に着
くように指導する。
また、かえるの足打ち
やカエル倒立をし、腕支
持感覚を身に付けさせ
る。
うさぎ跳びをさせ、着
手の位置より足が先に
着くように指導する。
着手の位置より肩を
前に出すように指導す
る。
(4) 「跳び箱を使った運動遊び」の単元構成の考え方
①卖独卖元の場合
・卖元は5〜6時間扱いにする。
・マットを使った運動遊びの学習で腕支持感覚を身に付けた後、跳び箱を使った運動遊
びを位置付けると有効である。
(5) 場づくりの工夫(教材・教具の工夫)
①踏み越し跳びの場
②跳び下りの場
狙ったところに着地する場。
着地位置にワニのカードを置き、
そこよりも先に着地する場。
③跳び下りの場
④支持で跳び乗りの場
マットで恐怖心を軽減する場。
高くジャンプして着地する場。
カードにタッチしてから着地す
る。
⑤手押し車じゃんけん
腕支持感覚を身に付けさせる。な
れてきたら競争をしたり、じゃん
けんをしたりする。
- 49 -
(6) 学習カードの例
- 50 -
第1学年「鉄棒を使った運動遊び」
→まるわかりハンドブック
(低学年)P.14〜15、20〜21
1 本単元の内容
内 容(指導して評価すること)
○支持しての上がり下り、ぶら下がりや易しい回転をすること。
[例示]
・跳び上がりや跳び下り
・ぶら下がり
・易しい回転
態度
○運動に進んで取り組むこと。
○きまりを守り仲良く運動をすること。
○場の安全に気を付けること。
思考・判断 ○器械・器具を用いた簡卖な遊び方を工夫すること。
技能
2 授業づくりのポイント
(1)楽しく活動できるような場の工夫
児童が運動遊びに没頭したり、新しい動きを見付けたり、より楽しい遊び方を工夫できる
ように、体の姿勢、振動や回転の方向、行う人数などを視点として動きを工夫できるように
言葉がけをしたり、運動の場を複数設けたりしましょう。
「にんじゃしゅぎょう
「○○ゆうえんち」などの
テーマを設け、複数の場を
設定したり、踏み板やマッ
ト、タオルやベルトなどの
用具を補助具として活用し
たりして、楽しく安心して
運動できるような場の工夫
を行います。
(2)言葉がけの工夫
児童が友達と仲よく、支持やぶら下がり、振動などの運動遊びを夢中になってしたり、い
ろいろな姿勢や方向に回転して工夫して楽しんだりすることができるように、指導のねらい
を明確にし、学習を方向付ける具体的な言葉がけを行うようにしましょう。
友達と仲よく遊ぶこと
を通して、いろいろな鉄
棒遊びの仕方を広げるこ
とを意図して言葉がけを
していきます。
- 51 -
3 指導と評価の計画(例 6時間取扱)
過
程
時
間
[参考:評価規準の作成のための参考資料(国立教育政策研究所)]
学習内容・学習活動
【学習内容】
・友達と協力して、器械・器具の準備や片付けをすること。
(関心・意欲・態度①)
1
学
習
過
程
1
2
3
4
学
習
過
程
5
2
6
【学習活動】
1 オリエンテーション
・学習の進め方を知る。
・鉄棒を使った運動遊びの行い方
を知る。
2 試しの運動
3 振り返り・片付け
オリエンテーションの時に、卖
元指導計画を提示して児童に
学習の見通しを持たせること
が大切です。また、学習のきま
りや場づくりの仕方などを指
導しておく必要があります。
【学習内容】
・支持しての上がり下り、ぶら下がり(技能①)
・器械・器具を使っての運動遊びの動き方を知るとともに、友達のよい動きを見
付けること。
(思考・判断①)
・鉄棒を使った運動遊びに進んで取り組むこと。
(関心・意欲・態度②)
【学習活動】
1 用具や場の準備
2 学習課題の確認
3 鉄棒を使った運動遊び
・跳び上がりや跳び下り、ぶら下がり
4 振り返り・片付け
膝や腹、両手でぶら下がっ
てじゃんけんやぶら下が
り競争をしましょう。慣れ
てきたら体を振動させて
みましょう。
【学習内容】
・支持しての上がり下り、ぶら下がりや易しい回転(技能①)
・運動の順番やきまりを守り、友達と仲よく運動をすること。
(関心・意欲・態度
③)
・運動をする場や器械・器具の使い方などの安全に気を付けること。
(関心・意欲・
態度④)
・鉄棒を使った運動遊びの行い方を知るとともに、運動する場や使用する器械・
器具などを変えながら、いろいろな運動の仕方を見付けること。
(思考・判断②)
【学習活動】
1 用具や場の準備
2 学習課題の確認
3 鉄棒を使った運動遊び
・易しい回転
前回り下りなどの易しい回転では、連続で回
・お話鉄棒
る回数を競争したり、チームでリレーをした
4 振り返り・片付け
りして遊びましょう。
- 52 -
時
間
学習活動に即した評価規準(評価方法)
指導のポイント
○友達と協力して準備を行うよう言葉がけを
する
運動への
運動についての
関心・意欲・態度
思考・判断
運動の技能
①友達と協力し
て、器械・器具の
準備や片付けを
1
しようとしてい
○学習のねらいを明確にし、卖元を通しての見
通しを持たせる。
る。
(観察)
○友達のよい動きを見付けることができるよ
うに観察する視点について言葉がけをする。
②鉄棒を使った
①鉄棒を使った
運動遊びに進ん
運動遊びの動き
で取り組もうと
方を知るととも
2
している。
(観察) に、友達のよい動
きを見付けてい
る。(観察・学習
カード)
○動きのポイントを洗い出し、児童の課題にあ
った動きのポイントの指導をする。
①支持しての上
がり下り、ぶら
下がりができ
3
る。
(観察)
○学習のきまりを確認する。
③運動の順番や
きまりを守り、友
達と仲よく運動
4
をしようとして
いる。
(観察)
○場や用具の安全に気を付けるよう言葉がけ
をする。
5
○いろいろな運動の仕方を見付けることがで
きるように言葉がけをする。
④運動をする場
②鉄棒を使った
や器械・器具の使
運動遊びの行い
い方などの安全
方を知るととも
に気を付けよう
に、運動する場や
としている。(観
使用する器械・器
察)
具などを変えな
がら、いろいろな
運動の仕方を見
付けようとして
いる。(観察・学
習カード)
○卖元を通しての児童の伸びを認め、次の意欲
へつなげる。
6
②支持しての上
がり下り、ぶら
下がりや易しい
回転 ができる 。
(観察)
- 53 -
4 単元の学習過程
(1) 学習過程1(単元前半の 2/6、3/6 時間目)※1/6 は、オリエンテーション
時
主なねらい・学習活動
授業づくりの留意点
間
教師の指導・支援
○友達と協力して準備を行うよう言葉がけをす
1 用具や場の準備をする。
る。
ま
○動きのポイントを教師が教えるのではなく、
と
2 学習課題を確認する。
遊びを通して発見できるようにする。
め
○いろいろな場を設け、遊びながら動きを身に
跳び上がりや跳び下り、ぶら下がり
付けさせることができるようにする。
ができるようになろう。
な
か
ま
と
め
※1時間目は、試しの運動を行う。
支持の時は脇をしめて胸をは
自分たちで遊びを考え
3 鉄棒を使った運動遊びを行う。
ろう。
てみよう。
(1) 跳び上がりや跳び下りを行う。
○いろいろな場で跳び上がったり、跳び
友達と動きを合わせた
り
、じゃんけんをしたりし
下りしたりして遊ぶ。
て
遊
ぼう。
・跳び上がってつばめをする(写真
1)
。
・つばめの足打ちをする。
・つばめをしながら足でじゃんけんを
する。
・地面にラインを引いてどれだけ遠く
まで跳び下りられるかを競う(写真
2)
。
写真1
写真2
・つばめからいろいろな姿勢で跳び下
りる。
○友達と遊びながら仲よく学習できるようにす
※結果を学習カードに記入し、児童の
る。
意欲付けを行う。
【2時間目-関心・意欲・態度②】
(2) ぶら下がりをする。
いろいろな姿勢でぶら
○いろいろなぶら下がりをして遊ぶ。
下
がろう。
・ふとんほしをする。
・ふとんほしじゃんけんで遊ぶ。
鉄棒をしっかり握ろ
・両手でぶら下がって振動をする
う
。
親指を鉄棒にかけよ
身体を振るときは体全体を
(写真3)
。
う。
使
っ
て振ろう。
・両手でぶら下がって足でじゃんけん
をする。
・両手でぶら下がって振動をし、どれ
だけ遠くまで跳び下りられるかを
競う。
・両膝をかけて振動し、どれだけ体を
振ることができるかを競う。
写真3
写真4
・腹をかけてぶらさがりじゃんけんを
【3時間目-技能①】
して遊ぶ(写真4)
。
4 振り返り・片付け
(1) 学習を振り返り、反省を発表する。
(2) 整理運動と片付けをする。
○できるようになったこと、自分の課題、友達
から教えてもらったことを発表させたり、学
習カードに記入させたりする。
【2時間目-思考・判断①】
- 54 -
(2) 学習過程2(単元後半の 4/6、5/6、6/6 時間目)
時
主なねらい・学習活動
授業づくりの留意点
間
教師の指導・支援
1 用具や場の準備をする。
○友達と協力して準備を行うよう言葉がけをす
る。
は
2 学習課題を確認する。
○動きのポイントを教師が教えるのではなく、
じ
遊びを通して発見できるようにする。
いろいろな回転ができるようにな
め
○いろいろな場を設け、遊びながら動きを身に
ろう。
付けさせることができるようにする。
3 鉄棒を使った運動遊びを行う。
○課題ごとにペアやグループでアドバイスをし
(1) 易しい回転を行う。
合いながら学習できるようにする。
○いろいろな場で回転して遊ぶ。
どこを見ながら回るといいかな。
・前回り下りリレーをする。
・着地ゾーンを決めて前回り下りをす
る(写真5)
。
鉄棒に足がつかないように足抜
き回りをしてみよう。
・連続前回り下りをする(写真6)
。
・足ぬき回りリレーをする。
リレーの他にも自分たちで遊び
※結果を学習カードに記入し、児童の
方
を
考えてみよう。
意欲付けを行う。
な
10秒間に何回できるかな。友達
と競争しよう。
写真5
か
【4時間目-関心・意欲・態度③】
【5時間目-関心・意欲・態度④】
【6時間目-技能②】
写真6
(2)お話鉄棒を行う。
○演技を話し合いながら、グループで
練習をする。
○発表会をして意見を交換する。
※(6時間目のみ)
○学習活動3で身に付けた動きを取り入れてお
話を考えていくように指導する。
できるようになった鉄棒の技を使ってお
話を作ってみよう。
私たちは、おさるさんが木に跳びのって(跳び上
がって支持)
、木にぶら下がって(両膝をかけて
振動)
、友達のおさるさんと一緒に跳び下ります
(支持から跳び下り)
。
りすさんが木にぶら下
がってじゃんけんをして
遊んでいます。
ま
と
め
ペアで動きを合わせると楽しいな。他のペアのお
話をまねしてみよう。
おさるさんが逆さにな
っておしゃべりをしてい
ます。
4 振り返り・片付け
(1) 学習を振り返り、反省を発表する。
(2) 整理運動と片付けをする。
○できるようになったこと、自分の課題、友達
から教えてもらったことを発表させたり、学
習カードに記入させたりする。
【5時間目-思考・判断②】
- 55 -
5 参考資料
(1) 2年間の単元計画の例(
は1学年
は2学年)
第1学年及び第2学年で、卖独卖元として「鉄棒を使った運動遊び」を設定した例
第1学年では跳び上がりや跳び下り、ぶら下がり、易しい回転の習得を目指し、第2学年では
習得した動きを活用して、お話鉄棒で動きを組み合わせた演技をします。
1〜3
4〜6
鉄棒を使って、跳び 鉄棒を使って易し
上がりや跳び下り、 い回転をして遊
ぶら下がりをして
ぶ。
遊ぶ。
できる動きを使っ
て、ペアでお話鉄
棒をして遊ぶ。
1〜3
鉄棒を使って、跳び
上がりや跳び下り、
ぶら下がりをして遊
ぶ。
4〜6
鉄棒を使って易しい回転
をして遊ぶ。
できる動きを使って、ペアでお話鉄棒をして遊ぶ。
(2) 2学年に分けて指導する場合の評価計画
(実践例に示していない学年の指導計画の「学習活動に即した評価規準例」
)
運動への関心・意欲・態度
運動についての思考・判断
評
価
規
準
運動の技能
お話鉄棒で、できる技を組み
合わせて演技をすることが
できる。
(3) 評価規準に基づく児童の具体的な姿と支援の例(授業場面から例示)
(学習活動に即した評価規準)
支持しての上がり下り、ぶら下がりや易しい回転をすることができる。(技能①)
鉄棒に足をつけないで足抜
き回りをすることができる。
足抜き回りをすることができ
る。
l
(「十分満足できる」状況と判断す
(「おおむね満足できる」状況と判断する
る「児童の具体的な姿」の例)
「児童の具体的な姿」の例)
《具体的な支援の例》
足抜き回りで回転をすること
ができない。
(つまずきの例)
おへそを見て回
転しよう。
前に足抜き回りをす
るときはへそを見て、後
ろにするときは鉄棒を
見て回転するよう指導
する。その際、鉄棒とへ
そにシールをはってお
く。
鉄棒を見ながら回転しよ
う。膝を胸にグッと近づ
けよう。
- 56 -
(4) 「鉄棒を使った運動遊び」の単元構成の考え方
①卖独卖元の場合
・卖元は5〜6時間扱いにする。
(5) 場づくりの工夫(教材・教具の工夫)
① 手のプロテクター
②サポーター
- 57 -
③回転補助具
(6) 学習カード
- 58 -
第 2 学年「固定施設を使った運動遊び」
→まるわかりハンドブック
(低学年)P.14〜17
1 本単元の内容
内 容(指導して評価すること)
○登り下りや懸垂移行、渡り歩きや跳び下りをすること。
[例示]
・ジャングルジムを使った運動遊び
・雲梯を使った運動遊び
・登り棒を使った運動遊び
・肋木を使った運動遊び
・平均台を使った運動遊び
態度
○運動に進んで取り組むこと。
○きまりを守り仲よく運動をすること。
○場の安全に気を付けること。
思考・判断 ○器械・器具を用いた簡卖な遊び方を工夫すること。
技能
2 授業づくりのポイント
(1) 楽しく活動できるような場の工夫
児童がいろいろな登り方や下り方、渡り方などを工夫しやすいように運動の場を複数設け、
巡回しながら取り組めるようにしましょう。
落ちないようにわたるよ。
かっこよくジャンプするぞ。
教師は全体を見渡すことができる位置にいて、助言をしたり、安全に注意させたりしていくことが
大切です。恐怖心から運動を躊躇する児童もいるため、易しい場や集団で取り組む場を設定し、運動
遊びを楽しく行えるように場を工夫します。
(2) 指導のねらいに合わせた言葉がけの工夫
児童は運動遊びを楽しみ、いろいろな動きを工夫していきます。教師は、児童が考えた動
きや気付きを生かして、指導のねらいを明確にし、学習を方向付ける言葉がけを行います。
- 59 -
3 指導と評価の計画(例 6時間取扱)
過
程
時
間
[参考:評価規準の作成のための参考資料(国立教育政策研究所)]
学習内容・学習活動
【学習内容】
・友達と協力して、器械・器具の準備や片付けをすること。
(関心・意欲・態度①)
1
2
学
習
過
程
3
1
4
【学習活動】
1 オリエンテーション
・学習の進め方を知る。
・固定施設を使った運動遊びの行い方を知る。
2 試しの運動
子どもたちが「早く遊びたいな!」と学習へ
の意欲をもつような場を設定しましょう。
3 振り返り・片付け
【学習内容】
・登り下りや懸垂移行、渡り歩きや跳び下り(技能①)
・固定施設を使った運動遊びの動き方を知るとともに、友達のよい動きを見付け
ること。
(思考・判断①)
・固定施設を使った運動遊びの行い方を知るとともに、運動する場や使用する器
械・器具などを変えながら、いろいろな運動の仕方を見付けること。
(思考・判
断②)
・固定施設を使った運動遊びに進んで取り組むこと。
(関心・意欲・態度②)
・運動の順番やきまりを守り、友達と仲よく運動をすること。
(関心・意欲・態度
③)
・運動をする場や器械・器具の使い方などの安全に気を付けること。
(関心・意欲・
態度④)
【学習活動】
1 用具や場の準備
2 学習課題の確認
5
6
一番上まで上
がろう。
3 固定施設を使った運動遊び
・肋木(2・3時間目)
・平均台(2・3時間目)
・ジャングルジム(4・5・6時間目)
・雲梯(4・5・6時間目)
・登り棒(4・5・6時間目)
4 自分たちで場を変えたり、
遊び方を工夫したりして遊ぶ
5 振り返り・片付け
- 60 -
高いところ
ではいポー
ズ。
第2学年では、教師が
遊び方を教えるだけ
でなく、自分たちで遊
び方を工夫する時間
を確保することも大
切です。
時
間
学習活動に即した評価規準(評価方法)
指導のポイント
○友達と協力して準備を行うよう言葉がけを
する
運動への
運動についての
関心・意欲・態度
思考・判断
運動の技能
①友達と協力し
て、器械・器具の
準備や片付けを
1
しようとしてい
○学習のねらいを明確にし、卖元を通しての見
通しを持たせる。
る。
(観察)
○友達のよい動きを見付けることができるよ
うに観察する視点について言葉がけをする。
②固定施設を使
①固定施設を使
った運動遊びに
った運動遊びの
進んで取り組も
動き方を知ると
2
う と し て い る 。 ともに、友達のよ
(観察)
い動きを見付け
ている。(観察・
学習カード)
○動きのポイントを洗い出し、児童の課題にあ
った動きのポイントの指導をする。
①登り下りや懸
垂移行、渡り歩
3
きや跳び下りが
できる。(観察)
③運動の順番や
○学習のきまりを確認する。
きまりを守り、友
4
達と仲よく運動
をしようとして
いる。
(観察)
○場や用具の安全に気を付けるよう言葉がけ
をする。
5
○いろいろな運動の仕方を見付けることがで
きるように言葉がけをする。
④運動をする場
②固定施設を使
や器械・器具の使
った運動遊びの
い方などの安全
行い方を知ると
に気を付けよう
ともに、運動する
としている。(観
場や使用する器
察)
械・器具などを変
えながら、自分た
ちで工夫してい
ろいろな運動の
仕方や遊び方を
見付けようとし
ている。(観察・
学習カード)
6
○卖元を通しての児童の伸びを認め、価値付け
る。
②登り下りや懸
垂移行、渡り歩
きや跳び下りが
できる。(観察)
- 61 -
4 単元の学習過程
(1)学習過程1(2/6、3/6、4/6、5/6、6/6 時間目)※1/6 は、オリエンテーション
時
授業づくりの留意点
主なねらい・学習活動
間
教師の指導・支援
○友達と協力して準備を行うよう言葉がけをす
1 用具や場の準備をする。
る。
は 2 学習課題を確認する。
○動きのポイントを教師が教えるのではなく、
じ
遊びを通して発見できるようにする。
登り下りや懸垂移行、渡り歩きや跳
め
○いろいろな場を設け、遊びながら動きを身に
び下りができるようになろう。
付けさせることができるようにする。
※1時間目は、試しの運動を行う。
3 いろいろな場で登り下りや懸垂移行、
友達のよいところを見付
友達と競争したり、じゃんけ
渡り歩きや跳び下りをして遊ぶ。
けて教えよう。
んをしたりして遊ぼう。
○肋木や平均台で遊ぶ(2・3時間目)
・肋木でじゃんけんをして遊ぶ。
・肋木で足じゃんけんをして遊ぶ。
な
・平均台で陣取りをして遊ぶ。
・平均台渡りリレーをして遊ぶ。
○ジャングルジム、雲梯、登り棒で遊
ぶ(4・5・6時間目)
(肋木で足じゃんけん)
・ジャングルジム登りリレーをして遊
ぶ。
・ジャングルジムで逆さになるなどい
ろいろなポーズをとって遊ぶ。
・雲梯で陣取りをして遊ぶ。
・雲梯にぶら下がって足ジャンケンを
して遊ぶ。
(平均台で陣取り)
(雲底で陣取り)
・登り棒のぼりリレーをして遊ぶ。
・登り棒に登っていろいろなポーズを ○友達と遊びながら仲よく学習できるようにす
して遊ぶ。
る。
【2時間目-思考・判断①】
※結果を学習カードに記入し、児童の
【3時間目-技能①】
意欲付けを行う。
【6時間目-技能②】
か
【5時間目-関心・意欲・態度④】
4 自分たちで場を変えたり、遊び方を工
夫したりして遊ぶ。
平均台を2つつなげたらじんとりがもっとおも
・平均台の最後にジャンプしてポーズ
しろくなりそうだな。
を決めよう。
私が考えた遊び方をみんなでやっ
・肋木でもリレーをして遊ぼう。
てみたいな。
・登り棒に登ってペアでポーズを決め
よう。
【2時間目-関心・意欲・態度②】
【4時間目-関心・意欲・態度③】
【5時間目-思考・判断②】
自分たちで考えると
おもしろいな
(ペアでポーズ)
ま
と
め
5 振り返り・片付け
(1) 学習を振り返り、反省を発表する。
(2) 整理運動と片付けをする。
○できるようになったこと、自分の課題、友達
から教えてもらったことを発表させたり、学
習カードに記入させたりする。
- 62 -
5 参考資料
(1) 2年間の単元計画の例(
は1学年
は2学年)
第1学年及び第2学年で、卖独卖元として「固定施設を使った運動遊び」を設定した例
第1学年で登り下りや懸垂移行、渡り歩きや跳び下りの習得を目指し、第2学年で習得した動
きを活用して、自分たちで場を変えたり、遊び方を考えたりして学習をします。
1〜3
固定施設を使って、
登り下りや懸垂移
行、渡り歩きや跳び
下りをして遊ぶ。
4〜6
固定施設を使っ
て、登り下りや懸
垂移行、渡り歩き
や跳び下りをして
遊ぶ。
自分たちで場を変
えたり、遊び方を
工夫したりして遊
ぶ。
1〜6
固定施設を使って、登り下りや懸垂移行、渡り歩
きや跳び下りをして遊ぶ。
自分たちで場を変えたり、遊び方を工夫したりし
て遊ぶ。
(2) 2学年に分けて指導する場合の評価計画
(実践例に示していない学年の指導計画の「学習活動に即した評価規準例」
)
運動への関心・意欲・態度
評
価
規
準
運動についての思考・判断
運動の技能
固定施設を使った運動遊びの行い方を
知るとともに、運動する場や使用する器
械・器具などを変えながら、いろいろな
運動の仕方を見付けようとしている。
(3) 評価規準に基づく児童の具体的な姿と支援の例(授業場面から例示)
(学習活動に即した評価規準)
登り下りや懸垂移行、渡り歩きや跳び下りをすることができる。(技能①)
登り棒で登って下りたり、
逆さになったりすることがで
l きる。
登り棒で登って下りることが
できる。
(「十分満足できる」状況と判断す
(「おおむね満足できる」状況と判断する
る「児童の具体的な姿」の例)
「児童の具体的な姿」の例)
《具体的な支援の例》
登り棒を上ることができない。
(つまずきの例)
- 63 -
雲梯や鉄棒で遊びな
がらつかむ感覚をしっ
かり経験させる。
また、補助をして尐し
ずつ登ることができる
ようにする。
(4) 「固定施設を使った運動遊び」の単元構成の考え方
①卖独卖元の場合
・卖元は5〜6時間扱いにする。
(5) 場づくりの工夫(教材・教具の工夫)
- 64 -
(6) 学習カードの例
- 65 -
(付記)幼児期から低学年期の運動の効果について
休み時間などにも固定施設等で楽しく
遊ぶ経験を大切にしましょう!
~次のような効果が期待できます~
○運動を調整する能力や危険回避の基礎となる能力が向上す
る。
○姿勢を維持し体を支える力や運動を続ける能力が向上する。
○日常的に活発に運動するようになる。
○健康を維持するための生活習慣がつくられる。
○丈夫でバランスのとれた体になる。
○意欲的な態度や有能感を形成する。
○感情をコントロールし、友達と上手に遊べる子どもになる。
○脳の発達を支え、創造力豊かになる。
(文部科学省作成資料:幼児期運動指針参照)
- 66 -
第1学年
「跳の運動遊び」
→まるわかりハンドブック(中学年)P.28~29
川の幅を変え、個
に応じた幅で挑戦で
きるようにすると夢
中になって取り組み
ます。
1 本単元の内容
内 容(指導して評価すること)
○助走を付けて片足で踏み切り,前方や上方に跳んだり,片足や両足で連続して跳
んだりすること。
○
○
片足跳びの時は、
[例示]
○
○
両足
○
○
両足
○ ○
技能
左右の足で交互に
・幅跳び遊び
右 右 ○ 左 左 ○ 右 右
行います。
・ケンパー跳び遊び
例<ケンケンパーコース>
・ゴム跳び遊び
○跳の運動遊びに進んで取り組むこと。
○運動の順番やきまりを守ったり,友達と仲よく練習や競走(争)をしたり,勝敗
の結果を受け入れたりすること。
態度
○用具の準備や片付けを,友達と一緒にすること。
○危険物が無いか,友達とぶつからない十分な間隔があるかなどの場の安全に気を
付けること。
思考・判断 ○走ったり跳んだりする簡卖な遊び方を工夫できるようにすること。
2 授業づくりのポイント
(1) 楽しく活動できるような運動遊びの行い方や場の工夫
行い方や
どの場においてもゴムの高さや輪と輪の距離を変えたり、易しい場や挑戦する場を設定し
たりしましょう。
高さの低い易しい場から、
高さを変えたり、連続で跳ん
だりするなどに挑戦してい
きます。
(2) 指導のねらいに合わせた具体的な言葉がけの工夫
児童の意欲を引き出し、上手に跳べるようになるための言葉がけを心掛けましょう。
高く、遠くに跳ぶにはどう
したらいいのかな。
楽しそうなコ
ースを選んでや
ってみようね。
- 67 -
上手に跳んでいる
友達や上手な跳び方
のヒミツを見付けて
ごらん。
3 指導と評価の計画(4時間取扱)
過
程
時
間
[参考:評価規準の作成のための参考資料(国立教育政策研究所)]
学習内容・学習活動
【学習内容】
・用具の準備や片付けを友達と一緒にすること。
(関心・意欲・態度①)
・運動する場や用具の使い方などの安全に気を付けること。
(関心・意欲・態度②)
1
【学習活動】
1 オリエンテーション
・学習の進め方を知る。
・それぞれの場での安全やきまり、運動の行い方を知る。
2 試しの運動(跳び遊びの場)
・上方に跳ぶ動き ・前方に跳ぶ動き
3 振り返り・片付け
いろいろな物
を使って場を作
ると、楽しさが増
します。
学
習
過
程
1
<ゴム跳び遊び>
<川跳び遊び>
<ケンパー跳び遊び>
【学習内容】
・跳の運動遊びを楽しむための活動に進んで取り組むこと。
(関心・意欲・態度③)
・片足や両足で踏み切り、連続して前方や上方に跳ぶこと。
(技能①)
2
【学習活動】
1 用具や場の準備
2 準備運動
3 学習課題の確認
・いろいろな跳び方で跳び遊びに挑戦する。
4 振り返り・片付け
(例)片足踏み切り片足着地
学
習
過
程
2
3
4
【学習内容】
・運動の順番やきまりを守り、勝敗の結果を受け入れて、友達と仲よく運動するこ
と。
(関心・意欲・態度④)
・跳び遊びの行い方を知り、楽しく遊ぶことのできる場や遊び方を選ぶこと。
(思
考・判断①)
・跳ぶ動き方を知り、友達のよい動きを見付けること。
(思考・判断②)
・助走を付けて片足や両足で踏み切り、前方や上方に跳ぶこと。
(技能②)
【学習活動】
1 用具や場の準備
2 準備運動
3 学習課題の確認
・ペアやグループで跳び遊びに挑戦する。
4 振り返り・片付け
- 68 -
川跳びコース
に段ボールを置
いたよ。
学習活動に即した評価規準(評価方法)
時
間
1
指導のポイント
○いろいろな運動経験ができるような場を工
夫する。
○場や用具の安全を確かめるような言葉がけ
を行う。
○今できるいろいろな跳び方をたくさん行わ
せる。
両足で高く跳
ぶことができま
した。
運動への
運動についての
関心・意欲・態度
思考・判断
運動の技能
①用具の準備
や片付けを友
2年生で
達と一緒にし
は、自分の
ようとしてい
力に応じた
る。
(観察)
高さや幅を
②運動する場
選んで跳び
や用具の使い
ます。
方などの安全
に気を付けよ
うとしている。
(観察)
③跳の運動遊
2
○前時までの経験を生かして、場を工夫しなが
らいろいろな跳び方を楽しませる。
○跳ぶときの位置や姿勢、回数などを考えるよ
うにする。
○片足踏み切りや着地は、左右どちらでもでき
るようにする。
○順番を守り、勝敗にこだわることがないよう
に活動を工夫する。
○いろいろなコースを設定し、一人ひとりが挑
戦できるようにする。
3
2年生で
で踏み切り、
めの活動に進
は、場や遊
連続して前方
んで取り組も
び方を自分
や上方に跳ぶ
うとしている。
たちで工夫
ことができ
(観察)
します。
る。
(観察)
④運動の順番
①跳び遊びの
やきまりを守
行い方を知り、
り、勝敗の結果
楽しく遊ぶこ
を受け入れて、
とのできる場
友だちと仲よ
や遊び方を選
く運動をしよ
んでいる。(観
うとしている。 察 ・ 学 習 カ ー
(観察)
○友達の動きをまねさせたり、ペアやグループ
で動きを見合ったりする。
4
①片足や両足
びを楽しむた
2年生では、友
達のよい動きを
友達が段ボールを
跳んでいるので、ま
ねをしてみよう。
自分の動きに取
り入れます。
- 69 -
ド)
2年生で
は、リズム
よく跳びま
す。
②跳ぶ動き方
②助走をつけ
を知り、友達の
て片足や両足
よい動きを見
で踏み切り、
付 け て い る 。 前方や上方に
(観察・学習カ
跳ぶことがで
ード)
きる。(観察)
4 単元の学習過程
(1) 学習過程1(単元前半の 2/4 時間目)※1/4 は、オリエンテーション
時
授業づくりの留意点
主なねらい・学習活動
間
教師の指導・支援
○友達と協力して用具の準備を行うよう言葉
1 用具や場の準備をする。
がけをする。
は
じ
め
2 学習課題を確認する。
・
いろいろな跳び方で跳んでみよう。
・準備運動に体じゃんけんなどの要素
を取り入れ、体をほぐす。
な
か
○学習のねらいを強調するのではなく、楽し
い雰囲気で跳び遊びができるようにする。
○片足や両足で跳ぶようにする。
3 全員でいろいろな跳び方に挑戦して
○友達の跳び方をまねしたり、みんなで一緒
楽しみながら活動を行う。
にいろいろな跳び方をしたりする。
<活動例>
片足跳びでは、左右バラン
○両足や片足で、上方跳びや前方跳び、
スよく跳んでみましょう。
左右に移動しながら跳んでみる。
・片足踏み切り-片足着地
足打ちが2回できるように
-両足着地
高く跳んでみましょう。
・両足踏み切り-片足着地
-両足着地
易しいな、できそうだなと
○片足や両足での踏み切りや着地の仕
思うような場から挑戦してみ
方を変えて跳んだり、動きを付けて
ましょう。
跳んだりする。
・その場で跳んで足の裏を打つ
・その場で両足で高く跳ぶ
【2時間目-関心・意欲・態度③】
・ケンケンパー遊び
○ペアやグループも取り入れながら活動を行
・ゴム跳び遊び
う。
・川跳び遊び
○○くんの動きをみんなでまねし
・幅跳び遊び(砂場)
てみましょう。
両足で前後左右
に跳んでみたよ。
友達と交代しながら連続
ジャンプをしたよ。
フラフープを両足で跳
んで両足で着地しよう。
ケンケンパー
をしてみたよ。
ま
と
め
4 振り返り・片付け
(1) 学習の振り返りをし、跳ぶときに何
に気を付けたかなどを発表する。
(2) 整理運動と片付けをする。
【2時間目-技能①】
○うまくなったことやそのこつ、友達からの
アドバイスを紹介し、次時の意欲付けをす
る。
○みんなで協力して片付けができるよう言葉
がけをする。
- 70 -
(2) 学習過程2(単元後半の 3/4、4/4 時間目)
時
授業づくりの留意点
主なねらい・学習活動
間
教師の指導・支援
1 用具や場の準備をする。
○友達と協力して用具の準備を行うよう言葉
がけをする。
2 学習課題を確認する。
○学習のねらいを強調するのではなく、楽し
は
い雰囲気で跳び遊びができるようにする。
楽しみながら跳べるように場を作
じ
・
ってみましょう。
め
・準備運動に体じゃんけんや陣取りじ
○片足や両足で高く跳んだり、前後左右に跳
ゃんけんなどの要素を取り入れ、体
んだりする。
をほぐす。
3 グループやペアに分かれて、場を作
○友達の跳び方をまねしたり、跳び遊びのコ
りながら活動を行う。
ースを選ばせたりする。
<活動例>
ゴム跳びコースでは、ゴム
(1) ゴム跳び遊びコース
の高さを変えてみましょう。
(2) 川跳び遊びコース
(3) ケンパー跳び遊びコース
川跳びコースでは、川の幅
な
・自分でできそうな跳び方や友達の跳
を変えてみましょう。
び方をまねたりする。
・場を作りながらいろいろな跳び方で
ケンパー跳びコースでは、
楽しむ。
(輪や段ボールなど)
輪の位置を変えて片足や両足
・遠くに跳んだり、高く跳んだりする。
をうまく使って跳んでみまし
<跳び方の例>
ょう。
・両足踏み切り-両足着地
・両足踏み切り-片足着地
【3時間目-関心・意欲・態度④】
・片足踏み切り-両足着地(助走)
【3時間目-思考・判断①】
・片足踏み切り-片足着地(助走)
か
○みんなで作ったいろいろな場を体験させる
・両足、片足連続跳び
ようにする。(順番を守るように子どもたち
・両足、片足を混ぜた連続跳び
に声をかける。)
楽しそうなコースを選んでやって
みましょう。
段ボールを横
に並べたり、縦
助走をつけて手をつない
で調子よく跳んでみたよ。グ
ループみんなで跳べるかな。
に並べたりする
といいね。高さ
や幅が変わる
よ。
ま
と
め
4 振り返り・片付け
(2) 学習の振り返りをし、跳ぶときに何
に気を付けたかなどを発表する。
(2) 整理運動と片付けをする。
【4時間目-思考・判断②】
【4時間目-技能②】
○うまくなったことやそのこつ、友達からの
アドバイスを紹介し、次時の意欲付けをす
る。
○みんなで協力して片付けができるよう言葉
がけをする。
- 71 -
5 参考資料
(1) 2年間の単元計画の例(
は1学年
は2学年)
第1学年及び第2学年で、卖独卖元として「跳の運動遊び」を設定した例
1・2
オリエンテーション
いろいろな跳び方
を試し、跳び遊びの仕
方を知る。
(友達と見合って、教
え合いながら活動す
る。
)
3・4
<活動例>
川跳び遊び
ケンパー跳び遊び
ゴム跳び遊び
幅跳び遊び
(できそうな跳び方
に挑戦する。
)
1・2
オリエンテーション
3~5
<活動例>
川跳び遊び
いろいろな跳び方
ケンパー跳び遊び
を試し、跳び遊びの仕
ゴム跳び遊び
方を知る。
幅跳び遊び
(やってみたい場や
(友達の動きを取り
遊び方を選びながら
入れ、リズミカルに跳
活動する。)
ぶ。)
(2) 2学年に分けて指導する場合の評価計画
(实践例に示していない学年の指導計画の「学習活動に即した評価規準例」
)
運動への関心・意欲・態度
運動についての思考・判断
①跳び遊びの行い方を知り、
楽しく遊ぶことのできる
場や遊び方を選んだり、工
夫したりしている。
②友達のよい動きを見付け
て、自分の動きに取り入れ
ている。
評
価
規
準
運動の技能
①自分の力に応じた高さや
幅を選んで跳んだり、リ
ズムよく跳んだりするこ
とができる。
(3) 評価規準に基づく児童の具体的な姿と支援の例(授業場面から例示)
(学習活動に即した評価規準)
跳ぶ動き方を知り、友達のよい動きを見付けている。
(思考・判断②)
友達の動きのよ
さを具体的に言え
る。
(
「十分満足できる」状況と判
断する「児童の具体的な姿」の
例)
よい動きを知り、それに合っ
た動きをしている友達を認識し
ている。
(「おおむね満足できる」状況と判断す
る「児童の具体的な姿」の例)
《具体的な支援の例》
よい動きがわから
ず、自分の動きが変わ
らない。
(つまずきの例)
- 72 -
よい動きの児童を手
本にし、気を付けるポ
イントを助言する。
(4) 「走・跳の運動遊び」の単元構成の考え方
① 第1学年では走・跳の運動遊びをそれぞれ卖独の内容で設定し、第2学年では走・
跳の運動遊びの内容を組み合わせて設定した計画例
第1学年
1~10
走の運動遊び
かけっこ
リレー遊び
第2学年
11~15
跳の運動遊び
1~10
跳の運動遊び①
11~15
跳の運動遊び②
走の運動遊び①
走の運動遊び②
② 走の運動遊びと跳の運動遊びをそれぞれの学年に設定した計画例
第1学年
1~10
走の運動遊び
かけっこ
折り返しリレー遊び
第2学年
11~14
跳の運動遊び
1~10
走の運動遊び
かけっこ
障害物リレー遊び
(5) 場づくりの工夫など(教材・教具の工夫、技能の系統表等)
① 幅跳び遊び(川跳び遊び)のポイント
・その場からの片足踏み切り、両足踏み切り
・助走をつけての片足踏み切り、両足踏み切り
・体の向きを変えながらの踏み切り
・リズムよく跳ぶ
・腕を大きく振る
② ケンパー跳び遊びのポイント
・左右の足で交互にバランスよく
・簡卖なリズム
・輪の置き方を変えて違うリズム
川の中に島を入れる
と喜んで入ります。
○
○ ○ ○ ○
ターン タ タ タ タ
○
○
○
○
○ ○ ○
○
○
○ ○
○
ジグザグコース
③ ゴム跳び遊びのポイント
・低い高さから徐々に上げていく
・連続で跳ぶ
11~15
跳の運動遊び
輪と輪の間の距離
を変えたり、ジグザ
グに置いたりするな
ど、いろいろな場で
体験させましょう。
ゴムに引っかかって
転ばないように高さに
は十分注意しましょ
う。
ゴムはたくさんあるとい
ろいろな場が設定できま
す。
④ 用具の有効活用
・フラフープなどの輪
・ゴムひも
・段ボール
・跳び箱
・ペットボトル
段ボールは、積み重ねたり、
横に並べたりします。子ども
たちに場を作るように声をか
けましょう。
- 73 -
(6) 学習カードの例
1ねん たいいく がくしゅうカード
1ねん
きょうの
とびっこランド
くみ
とびっこランドの
なまえ(
ことを
)
おもいだしましょう。
①
とびっこランドは、たのしかったですか。
②
ちからいっぱい
がんばりましたか。
たかくとんでい
るよ。
③
きまりを
なかよく
④
じょうずに
⑤
「こう
まもって、ともだちと
なったと
おもうことが ありましたか。
すれば できるんだ。」と
みんなに
できましたか。
つたえたい ことが
わかった
ことが
あったら
かいてください。
かわ(はば)・ゴム・ケンパーのとびっこランドで
- 74 -
ありましたか。
第2学年
→まるわかりハンドブック
(低学年)P.24~27
「走の運動遊び」
1 本単元の内容
内 容(指導して評価すること)
○いろいろな方向に走ったり、低い障害物を走り越えたりすること。
[例示]
・30m~50m程度のかけっこ
・折り返しリレー遊び、低い障害物を用いてのリレー遊び
態度
○運動に進んで取り組むこと。
○きまりを守り仲よく運動をしたり、勝敗を受け入れたりすること。
○場の安全に気をつけること。
思考・判断 ○走ったり跳んだりする簡卖な遊び方を工夫できるようにすること。
技能
2 授業づくりのポイント
(1) 楽しく活動できるような運動遊びの行い方や場の工夫
かけっこ遊びやリレー遊びに夢中に取り組み、いろいろなコースを全力で走ったり、より楽
しめるように用具を工夫したり、規則を工夫したりしましょう。
走り方と用具
楽しく遊ぶことができ
を組み合わせ
るコースや遊び方を見
ると楽しい場
つけて楽しませましょ
が簡卖に工夫
う。
できます。
回 るコ ーンご とに
いろんなコース
人 数を 決める と誰
をつくって、対
が どこ を回る かで
戦して楽しみた
勝敗が決まるよ。
いな。
(2) 指導のねらいに合わせた言葉がけの工夫
児童がよい動きや友達との協力の仕方などに気付けるよう意識的な言葉がけをしましょう。
上手に回る秘密を
段ボールの置
見付けてみよう。
き方を友達と
○○さんはすごく
相談していっ
速く回っていた
しょに動かそ
よ。
う。
動きを高める言葉がけ、協力を意識する言葉がけなどを意識的に
行いましょう。
- 75 -
3 指導と評価の計画(7時間取扱)
過
程
時
間
[参考:評価規準の作成のための参考資料(国立教育政策研究所)]
学習内容・学習活動
【学習内容】
・学習のめあて、内容、用具の使い方、運動の行い方を知り、かけっこやリレー
遊びに進んで取り組むこと。
(関心・意欲・態度①)
1
【学習活動】
1 集合・整列のきまり、用具の使い方
2 準備運動
・音楽に合わせていろいろな動きをする。線の上を歩いたり、走っ
たりする。
3 折り返しリレーをする。
4 学習の振り返り・整理運動
学
習
過
程
1
2
~
4
5
学
習
過
程
~
2
7
【学習内容】
・バトンを渡したり受けたりすること。
(技能①)
・順番やきまりを守り、仲よく練習や競走(争)をすること。
(関心・意欲・態度②)
・かけっこの行い方を知り、楽しく遊ぶことができる場や遊び方を選ぶこと。
(思考・
判断①)
【学習活動】
(かけっこ遊び・リレー遊び)
1 準備運動
2 かけっこをする。
・くねくねコース、まっすぐコース、追いかけ走
3 折り返しリレーや回せんリレーなどをする。
・手のひらタッチ、バトンの受け渡し
4 学習の振り返り・整理運動
5 片付け
【学習内容】
・いろいろな間隔に並べられた低い障害物を走り越えたりすること。
(技能②)
・運動に進んで取り組み、きまりを守り仲よく運動したり、勝敗を受け入れたり、
場の安全に気を付けたりすること。
(関心・意欲・態度③)
・簡卖な遊び方を工夫でき、友達のよい動きを見付けること。
(思考・判断②)
【学習活動】
(かけっこ遊び・障害物を用いてのリレー遊び)
1 準備運動
2 かけっこをする。
・くねくねコース、まっすぐコース、追いかけ走など
3 障害物を用いてのリレー
・段ボールやミニハードル、ペットボトルなどをすばやく越えてリレーをする。
・置き方を工夫してコースを作り競走を楽しむ。
・対戦相手がつくったコースで競走を楽しむ。
4 学習の振り返り・整理運動
5 片付け
- 76 -
時
間
1
2
3
4
学習活動に即した評価規準(評価方法)
指導のポイント
○場の設定の仕方は、絵や図に表してお
くとわかりやすい。
○待っている間もチームのみんなを励ま
したり応援したりするようにする。
②順番やきまりを守
り、仲よく練習や競
走をしようとしてい
る。(観察)
①行い方を知
り、楽しく遊ぶ
ことができる場
や遊び方を選ん
でいる。(観察)
○折り返すところや途中で回る場所をつ
くり、走る距離や走順を変え、走力に
応じたリレーができるようにする。
運動の技能
第1学年
では、相手
に手の平
を向けて
タッチし
たり、リン
グバトン
を渡した
りするこ
とができ
る。
①相手に手のひら
を向けてタッチし
たり、バトンを渡
したり受けたりす
ることができる。
(観察)
○体は前向きで、バトンを受け取ったら
すぐに走るようにさせる。
○バトンは上から下に振り下ろすように
渡すように助言する。
③進んで運動に取り
組み、きまりを守り
仲よく運動をした
り、勝敗を受け入れ
たりして、ぶつから
ないよう安全に気を
付けようとしてい
る。(観察)
片足で踏み
切って。
②簡卖な遊び方
を工夫でき、友
達のよい動きを
見付けて声をか
けている。(観
察・学習カード)
○友達が走るのを見て、アドバイスをし
たり応援をしたりするように声をかけ
る。
○グループで跳ぶ物を決めたり、場所を
決めたりして遊び方を工夫させ競走さ
せる。
7
思考・判断
① かけっこや
リレー遊びに進んで
取り組もうとしてい
る。(観察)
リズムよく走っ
ていたよ。
6
運動についての
○安全に運動できる場、用具の置き方を
確認する。
○集合や整列の仕方を確認しておく。
○順番を守り、合図をおくったり、所定
の場所で待ったりすることをさせる。
5
運動への
関心・意欲・態度
みんなが楽しくできるように、物
の置き方を工夫しよう。
○障害物は、段ボールやミニハードル、
コーン、ペットボトルなどを準備する。
- 77 -
第1学年で
は折り返し
リレー遊び
をすること
ができる。
②いろいろな間隔
に並べられた低い
障害物を走り越え
ることができる。
(観察)
4 単元の学習過程
(1) 学習過程1(単元前半の 1/7、2/7、3/7、4/7 時間目)
時
主なねらい・学習活動
授業づくりの留意点
間
教師の指導・支援
1 用具・場の準備
○安全に準備運動ができるように、用具がある
2 準備運動をする。
場所を避けて、安全を確保するようにし、声
は
3 学習課題を確認する。
かけをして意識づけをする。
じ
・
○準備運動では、体の各部位のストレッチをよ
バトンを使って、友達と仲よく、リレ
め
・
く行うようにする。
ー競走を楽しもう。
○バトンの渡し方、受け取り方を指導する。
○バトンパスの競走をする。
な
4 かけっこをする。
○くねくね走
○くねくね走+コーン
○コーン+ぐるぐる走
○いろいろなライン競走
○簡卖にできる場を準備し、グループに分かれ
て、ローテーションで時間を決めて場を回り
ながら楽しませる。
5
○折り返しリレーでは、途中で「コーン+ぐる
ぐる走」を入れたり、
「くねくね走+コーン」
を入れたりして場を工夫させる。
【3時間目-思考・判断①】
折り返しリレーや回せんリレーをす
る。
チームごとにコースをつ
くって、作戦を立てて競走
するのも楽しいよ。
回るコーンごと
に人数を決めて
競走しよう。
か
次はぼくが走るから、
・
引き継ぎの場所に素早
・
く入って待とう。
・
○コースを作ったら練習をして、対戦グル
ープと競走をする。
6 学習の振り返り
ま
と
め
7 整理運動・片付け
○待っている間もチームの友達を応援したり、
次の走者に声をかけたりするようにする。
○バトンの渡し方、受け取り方のよい児童を紹
介し、ポイントを指導する。
【4時間目-技能①】
○順序やつくったコースのきまりを守るように
声かけをする。
【2時間目-関心・意欲・態度②】
○楽しかったこと、工夫したこと、よかったこ
となどめあてを振り返って感想を発表させ
る。
○よくできていた児童を賞賛する。
- 78 -
(2) 学習過程2(単元後半の 5/7、6/7、7/7 時間目)
時
主なねらい・学習活動
授業づくりの留意点
間
教師の指導・支援
1 用具・場の準備
○安全に準備運動ができるように、用具がある
2 準備運動をする。
場所を避けて、安全を確保するようにし、声
は
3 学習課題を確認する。
かけをして意識づけをする。
じ
友達と仲よく、走り越すものを使って
め
○準備運動では、体の各部位のストレッチをよ
遊び方を工夫しながら、リレー競走を
く行うようにする。
楽しもう。
な
4 バトンパスの競走やかけっこをする。 ○周囲の安全に気を付けてバトンの渡し方、受
○バトンパス競走
け取り方を練習させる。
○いろいろな姿勢からのスタートなど
バトンは渡す人が声をか
けよう。
5 もの越えリレー競走をする。
○障害物は、低い段ボールやミニハードル、ペ
ットボトル、シートなどを用意し、グループ
で相談して場をつくるようにさせる。
【6時間目-思考・判断②】
○練習に友達のよい動きを見つけ、紹介し、広
げる。
○友達が走る様子を見て、アドバイスや応援の
声かけをするように促す。
か
○障害物の置
き方を工夫
して作戦を
立てる。
バトンを落とさ
ないで頑張れ
【5時間目-関心・意欲・態度③】
○順番守ったり、合図をおくったり、所定の場
所で待ったりするよう声をかける。
みんなが楽しくできるように
障害物は同じ間
置き方を工夫しよう。
隔に置いたり、間
隔を変えたりし
てコースを作り
低く走り越えてみよう。
ます。
【7時間目-技能②】
ま
と
め
6 学習の振り返り
7 整理運動・片付け
○楽しかったこと、工夫したこと、よかったこ
となど、めあてを振り返って感想を発表させ
る。
○よくできていた児童を賞賛する。
- 79 -
5 参考資料
(1) 2年間の単元計画の例(
は1学年
は2学年)
○走の運動遊びと跳の運動遊びをそれぞれの学年に設定した計画例
1~10
走の運動遊び
・かけっこ
・折り返しリレー遊び
11~14
跳の運動遊び
1~10
走の運動遊び
・かけっこ
・折り返しリレー遊び
・障害物リレー遊び
11~15
跳の運動遊び
※第2学年で低い障害物を用いてのリレー遊びを行う場合。
○第1学年ではそれぞれ卖独の内容で設定し、第2学年では走・跳の運動遊びを組み合わせて
設定した計画例
1~10
走の運動遊び
・かけっこ
・折り返しリレー遊び
11~15
跳の運動遊び
1~10
跳の運動遊び①
走の運動遊び①
・かけっこ
・折り返しリレー遊び
11~15
跳の運動遊び②
走の運動遊び②
・かけっこ
・障害物リレー遊び
(2) 2学年に分けて指導する場合の評価計画
(第1学年で折り返しリレー遊びを行った場合の「学習活動に即した評価規準例」
)
運動への関心・意欲・態度
運動についての思考・判断
運動の技能
評
価
規
準
距離や方向などを決めて走
ったり、相手に手の平を向け
てタッチやバトンをパスす
る折り返しリレー遊びをし
たりすることができる。
(3) 評価規準に基づく児童の具体的な姿と支援の例(授業場面から例示)
(学習活動に即した評価規準)
いろいろな間隔に並べられた低い障害物を走り越えることができる。
(技能②)
いろいろな間隔で並
べられた低い障害物
を調子よく走り越え
ることができる。
いろいろな間隔で並べられた低い
障害物をややスピードを落としな
がら、走り越えることができる。
(「十分満足できる」状況と判断す
(「おおむね満足できる」状況と判断する
る「児童の具体的な姿」の例)
「児童の具体的な姿」の例)
《具体的な支援の例》
障害物につまずいてしまうとい
う恐怖心から「走る」と「越す」
という動きがスムーズにつなげ
られないまま走り越している
(つまずきの例)
- 80 -
友達の動きを観察した
り、さらに低い障害物
で走り越す感覚を身に
付けたりする練習を繰
り返す。
(4)「走の運動遊び」の単元構成の考え方
第1学年では「かけっこ」と「折り返しリレー遊び」を中心に行う。第2学年では「かけっ
こ」と「低い障害物を用いたリレー遊び」を行う。
新聞紙でつくった輪や
赤白玉なども使えます
(5) 場づくりの工夫(教材・教具の工夫、技能の系統表等)
①リレーのタッチ
迎えたタッチ
後ろからのタッチ
振り向きのバトンタッチ
②障害物の工夫
他にも
・ミニハードル
・ケンステップ等の輪
・ペットボトルの上にゴムひもをつけて
ハードルをつくる
・新聞紙等
を使って場の工夫ができます。
③コースやルールの工夫
・くねくねのコース上に、段ボールなどを置いて折り返すコースをつくる。
・直線のコース上に、段ボールなどを置いて折り返すコースをつくる。
競走をして楽しむ例
・1チーム4人。障害物を一種類選び、3つ設定する。
・障害物の間はいろいろな間隔にする。
・行きは走り越して、帰りは越えないで走ってくる。(行きも帰りも
走り越す。
)
・折り返す位置を2つ(長い距離。短い距離)設定して、4人のうち
1人は短いワープコースを走ってもどってきてよい。
- 81 -
(6) 学習カードの例
かけっこ・リレーあそび学習カード
2年
組 名前(
)
チームの名前
月/日
あいて
きょうそうの
けっか
学習の
ふりかえり
せ い いっ ぱい
が ん ばり まし
たか
め あ ては でき
ましたか
と も だち とき
ょ う りょ くし
ましたか
かち・まけ
かち・まけ
かち・まけ
かち・まけ
かち・まけ
かち・まけ
かち・まけ
かち・まけ
かち・まけ
かち・まけ
かち・まけ
かち・まけ
◎ ○ △
◎ ○ △
◎ ○ △
◎ ○ △
◎ ○ △
◎ ○ △
◎ ○ △
◎ ○ △
◎ ○ △
◎ ○ △
◎ ○ △
◎ ○ △
お も った こと
を か きま しょ
う。
- 82 -
第1・2学年
「水遊び」
→まるわかりハンドブック
(低学年)P.30~35
1 本単元の内容
内 容(指導して評価すること)
○水につかったり移動したりすること。
[例示]
・水につかってのまねっこ遊び、水かけっこ。
・水につかっての電車ごっこやリレー遊び、鬼遊び。
技能
○水に浮いたりもぐったり、水中で息を吐いたりすること。
[例示]
・壁につかまっての伏し浮き、補助具を使っての浮く遊び。
・水中でのジャンケン、にらめっこ、石拾い、輪くぐり。
・バブリングやボビング。
○水に慣れる遊びや浮く・もぐる遊びに進んで取り組むこと。
○運動の順番を守り、友達と仲よく運動すること。
態度
○補助具の準備や片付けを友達と一緒にすること。
○プールサイドは走らないなどの水遊びの心得を守ること。
○水に慣れる遊びや浮く・もぐる遊びの行い方を知り、楽しく遊ぶことができる場や
遊び方を選ぶこと。
思考・判断
○水につかったときの動き方や水に浮いたりもぐったりする動き方を知り、友達のよ
い動きを見付けること。
2 授業づくりのポイント
プール全体を使って子どもがいろいろな動きができるようにしま
(1) 水遊びの場の工夫
しょう。水に慣れていない子どもは、浅いところで探せるようにしま
楽しく活動できるように運
動の場を工夫しましょう。
しょう。
(2) 水遊びの行い方の工夫
誰でも楽しむことができる
ように行い方を工夫しまし
ょう。
色の指定など条件を変え
ることで難易度を変えるの
もよい工夫です。
(3) 水遊びの言葉がけの工夫
カニさんに変身!
よい動きに気付けるように
言葉がけを工夫しましょう。
カニさんみたいにブクブクブクッと大きなあわが
出るようにふいてごらん。
水中での活動経験が尐ないため、
動きがイメージしやすい言葉がけ
子どもに対して具体的に動き方を指示します。こ
を工夫するといいです。
の動きが後のバブリングへと発展していきます。
- 83 -
3 指導と評価の計画(20時間取扱)
過
程
時
間
2年間で指導していきます。实態に応じて
計画を考えていきます。
[参考:評価規準の作成のための参考資料(国立教育政策研究所)]
学習内容・学習活動
【学習内容】水遊びの心得を守り、安全に気を付けること。
(関心・意欲・態度①)
1
⑪
※
○
数
字
は
第
2
学
年
学
習
過
程
1
2
⑫
~
8
⑱
学
習
過
程
2
9
⑲
~
1
0
⑳
【学習活動】
1 オリエンテーション
・学習のすすめ方を知る。
・水遊びの心得を知る。
2 試しの運動(实態調査)
・プールサイドで水に慣れる。
・プールに慣れる。
・振り返り ・片付け ・整理運動
【学習内容】
・水に慣れる遊びや浮く・もぐる遊びに進んで取り組むこと。
(関心・意欲・態度②)
・水につかったり移動したりすること。
(技能①)
・水に浮いたりもぐったり、水中で息を吐いたりすること。(技能②)
・補助具の準備や片付けを友達と一緒にすること。
(関心・意欲・態度③)
・水につかったときの動き方や水に浮いたりもぐったりする動き方を知り、友達
のよい動きを見付けること。
(思考・判断①)
【学習活動】
1 準備運動
2 学習課題の確認
3 水に慣れる遊び
・水かけっこ ・まねっこ遊び ・ 電車ごっこ
・鬼遊び ・リレー遊びなど
4 浮く・もぐる遊び
・補助具を使っての浮く遊び ・輪くぐり
・壁につかまっての伏し浮き
・バブリングやボビング ・水中じゃんけん
・水中算数 ・石拾い など
5 振り返り(友達の「よかったさがし」
)
・片付け ・整理運動
【学習内容】
・運動の順番を守り、友達と仲よく運動すること。
(関心・意欲・態度④)
・水に慣れる遊びや浮く・もぐる遊びの行い方を知り、楽しく遊ぶことができる
場や遊び方を選ぶこと。(思考・判断②)
【学習活動】
1 準備運動
2 水遊び大会
4 振り返り
(友達の「よかったさがし」
)
・片付け ・整理運動
- 84 -
時
間
1
⑪
学習内容に即した評価規準(評価方法)
指導のポイント
○プールのきまりや水遊びの心得をしっ
かりと守るようにする。
○プールサイドで水に慣れる。
○プールに入ってからも、水に慣れるこ
とが重要なので、水の中を歩いたり、
走ったりする程度にしておく。
○水に慣れる運動遊びを行う(2~8)
・水かけっこ
慣れてきたらお互いに水
をかけ合って顔をふかない
で、たくさん水をかけられ
た方が勝ちにする。
運動への
運動についての
関心・意欲・態度
思考・判断
運動の技能
①プールのき
まりや水遊び
の心得を守ろ
うとしている。
(観察)
②水に慣れる
遊び(浮く・も
ぐる遊び)に進
んで取り組も
うとしている。
(観察)
2年時に浮
く・もぐる遊
びについて評
価する。
・まねっこ遊び
慣れてきたら、できるだけ体を水中に沈め、顔を水中
2
⑫
~
8
⑱
③補助具の準
備や片付けを
友達と一緒に
しようとして
いる。(観察)
につける「ワニ」のまねにも挑戦させる。
・電車ごっこ
・鬼遊び
・リレー遊びなど
慣れてきたら、条件
を変えて工夫する。
※水に慣れる段階をじっくり行った上で、実態に
合わせて、後半に浮く遊び・もぐる遊びを取り
入れてもよい。
○浮く遊び・もぐる遊びを行う(12~18)
・補助具を使っての浮く遊び
・輪くぐり ・水中じゃんけん
・バブリングやボビング
・石拾い など
○水遊び大会を開催し、自分のできる遊
びの場を選ばせる。
①水につかっ
たときの動き
方(浮いたり
もぐったりす
る動き方)を
知り、友達の
よい動きを見
付けている。
(発表・学習
カード)
2年時にはお
もに②水に浮
いたりもぐっ
たり、水中で
息を吐いたり
することがで
きることを評
価する。
①水につかっ
たり移動した
りすることが
できる。
(観察)
④運動の順番
を守り、友達と
仲よく運動を
しようとして
いる。
(観察)
9
⑲
~
1
0
⑳
- 85 -
②水に慣れる
遊びや浮く・
もぐる遊びの
行い方を知
り、楽しく遊
ぶことができ
る場や遊び方
を選んでい
る。
(観察・学
習カード)
4 単元の学習過程
(1) 学習過程1(単元前半 5/20 時間目)
時
主なねらい・学習活動
間
1 用具や場の準備をする。
2 学習課題を確認する。
は
じ
め
授業づくりの留意点
教師の指導・支援
リズム体操や腕立て伏せ、スクワットなどを行うこと
で、心拍数が上がります。水温が低めの時などは、や
や発汗するぐらいまで取り組みましょう。
水中を歩いたり走ったりして楽しく遊ぼう。
3 準備運動をする。
4 プールのきまりの確認をする。
5 プールサイドで水慣れをする。
・じょうろでの水かけ
・ホースでの水かけ など
○水中で体の安全を保つために、心拍数の上が
る動きを取り入れる。
6 プールの中で水慣れをする。
○10 人程度の列を作り、音楽に合わせて
「ジェンカ」を踊る。
○背後から前の友達の肩につかまらせる。なお、
列が切れがちなグループには、全員が入るよ
うなロープまたは輪の形にしたホースを持た
せ、離れないようにする。
○ペアがお互いを確認しながら活動するなど、
水遊びの心得を守るようにする。
7 電車ごっこをする。
○慣れてきたら、電車のスピードを尐し
ずつ上げる。
○運転手(先頭)を交代して仲よく遊ぶ
ようにする。
○トンネルを作って通る。
「出発ピリピリピリ-」
「ゴットンゴットン」
「次、とまりま~す」
な
大丈夫かな
~私の時は
尐し手を上
【関心・意欲・態度②】
○友達や教師が手でトンネルを作り、その中を
姿勢を低くして通るようにする。
げてね。
このフープをいっし
か
8 もっと楽しくなるような電車ごっこの
仕方を考えて、楽しむ。
○フープをくぐってみよう。
○じゃんけん列車をやってみよう。
○台を使って、途中でジャンプを入れて
みよう。
○他のグループと競争をしてみよう。
ょにくぐってごらん。
上手にできたら、フー
○怖がる子どもに対して
は、教師が手をつなぐ
などして安心感を与え
るようにする。
プの数を増やしたり、
沈めたりしてもいい
ね。
おもしろい遊びを考えてくれた友達や、動きの中で上手に
できていた友達がいたら紹介しよう。
ま
と
め
9 振り返り・片付け
(1) 学習を振り返り、友達の「よかったさ
がし」を発表する。
(2) 整理運動と片付け、シャワーをする。
○上手にできていた友達や楽しい電車ごっこを
考えてくれた友達のことを発表する。学習カ
ードへの記入は、教室に戻ってから行うよう
にする。
【思考・判断①】
- 86 -
(2) 学習過程2(単元後半 15/20 時間目)
時
間
授業づくりの留意点
教師の指導・支援
主なねらい・学習活動
1 用具や場の準備をする。
2 学習課題を確認する。
は
じ
め
○本時の課題を確認し、見通しを持たせる。
今日は、水にもぐって遊んでみようね。
水にもぐって、楽しく遊ぼう。
お魚さんになったつもりで楽しみましょう。
3 準備運動をする。
4 プールのきまりの確認をする。
5 水慣れをする。
○電車リレー
○ピンポン球リレーなど
○水中で体の安全を保つために、心拍数の上がる
動きを取り入れる。
○ペアがお互いを確認しながら活動するなど、水
泳の心得を守るようにする。
○主運動につながる内容を取り入れる。
6 水に慣れる運動遊びを行う。
○まねっこ遊びをしながら、もぐる準備を
していく。
「あひる」
「かに」「わに」など
○口や鼻の部分まで水につけて、息を吐き出す感
覚を身に付けさせる。
かにさんに変身しよ
う!ブクブク、バッと
水の中で息を吐き出し、ジャンプの時に「パ
大きなあわが出せるか
ッ」と声を出すと水を飲まなくなるよ。
な?
7 水にもぐる運動遊びを行う。
○ボビングなど
○最初は、かべにつかまったりペアで手を握った
りして安心感を持たせて行う。
○慣れてきたら、1 人で行い、水の中で一気に息を
吐き出して、ジャンプさせて再び水中にしゃが
む動作を繰り返し行わせたい。
【技能②】
○自力でくぐることができない子どもは、教師や
ペアの友達が手を引っ張るなどの補助を行い安
心感を持たせる。
な
○輪くぐりなど
水中で立たせるフープがない場合は、ホースを適当な長さに
カットし、5㎝程度の塩ビ管でつなぎます。その際、半分程
できるかな。
か
ホース内に水を入れておくと、水中で立たせることができま
わたしの手を引っ
すよ。
張ってくれる?
8 みんなが、もっと楽しくなるような水に
もぐる遊びの仕方を考えて、楽しむ。
○みんなでもぐりっこ ○連続くぐり
○イルカとびくぐり
○子どもの様々なアイデアに対応できるように教
具をプールサイドに準備しておくとよい。
○もぐることが苦手な子どもには、ペアの友達や
教師がついて、安心感を持って取り組めるよう
に配慮する。
もぐって遊ぶときは、教師がプールの中にいると、水中に
沈んでしまった児童を発見することが困難です。必ず複数
の指導者で安全面の確認を行いながら指導をしましょう。
おもしろい遊びを考えてくれた友達や、動きの中で上手
にできていた友達がいたら紹介しよう。
ま
と
め
9 振り返り・片付け
(1) 学習を振り返り、気付きを発表する。
(2) 整理運動と片付け、シャワーをする。
○できるようになったことや、ペアで頑張った人
の紹介を発表し、学習カードに記入させる。
(教
室に戻ってから)
【思考・判断②】
- 87 -
5 参考資料
(1) 2年間の単元計画の例(
は1学年
水に慣れる段階をじっくり行う計画例
1
2~8
オ
リ
エ
ン
テ
ー
シ
ョ
ン
水に慣れる遊び
・シャワー遊び ・水中歩行
・電車ごっこ ・まねっこ遊び
・鬼遊び など
は2学年)
9・10
⑪
まとめ
水遊び
大会
オ
リ
エ
ン
テ
ー
シ
ョ
ン
浮く遊び
もぐる遊び
⑫~⑱
⑲・⑳
水に慣れる遊び
浮く遊び
もぐる遊び
・水中歩行
・電車ごっこ
・鬼遊び
・補助具で
・友達と
・水中じゃんけん
・石拾い
・輪くぐり
まとめ
水遊び
大会
(2) 2学年に分けて指導する場合の評価計画
(实践例に示していない学年の指導計画の「学習活動に即した評価規準例」
)
運動への関心・意欲・態度
運動についての思考・判断
運動の技能
評
水に浮いたり、もぐったり、
価
水中で息を吐いたりするこ
規
とができる。(観察)
準
(3) 評価規準に基づく児童の具体的な姿と支援の例(授業場面から例示)
(学習活動に即した評価規準)
クロールで手と足の動きに呼吸を合わせながら続けて長く泳ぐことができる(技能①)
水中で目を開けることが
水中で目を開けて活動す
できる。
ることができる。
(「十分満足できる」状況と判断す
(「おおむね満足できる」状況と判断する
る「児童の具体的な姿」の例)
「児童の具体的な姿」の例)
《具体的な支援の例》
児童の手を握り、バブリ
水に顔をつけることに対して
恐怖心を持ち、水中で目を開ける
ことができない。
ングを行いながら、口→鼻
→目の下→目→おでこ→頭
の順に水につけていく。
(つまずきの例)
いきなりプールの中で行うのが難しい場合は、洗面器などを
使ってもいいでしょう。
まずは、口と鼻から息を「ブクブク、バッ」などの分かりや
すい言葉を子どもに伝えながら行うようにしましょう。
手を握っていることで、安心感を与えるだけでなく、すぐに
顔の水をふかないようにしておきます。どうしても水が気にな
る子どもには「下を向かないで、上を向いてごらん」と言葉が
<水に顔をつける>
けをすると、目や口、鼻に水が集まらず安心します。
この段階において、できる限り水中で目を開けられるように
指導したいところですが、どうしても難しいようであれば、ゴ
ーグルを使用し、安心感を与えることで恐怖心を先に取り除く
方法もあります。
- 88 -
(4) 「水遊び」の単元構成の考え方
① 水に慣れる段階をじっくり行う場合
【1年時】
1
N時間
【2年時】
1
0
N時間
0
水に慣れる遊び
水に慣れる遊び
・水中歩行
・電車ごっこ
20 ・鬼遊び
・シャワー遊び
・水中歩行
・電車ごっこ
・まねっこ遊び
・鬼遊び
20
浮く遊び
・補助具で
・友達と
浮く遊び
もぐる遊び
もぐる遊び
・水中ジャンケン
45
(分)
・石拾い
・輪くぐり
45
(分)
② 2年生で「浮いて進む遊び」まで行う場合
【1年時】
1
N時間
【2年時】
1
0
N時間
0
水に慣れる遊び
浮く遊び
・電車ごっこ、鬼遊び
・補助具で
・ラッコ浮き
など
もぐる遊び
20
浮く遊び
・壁につかまって
20
・水中ジャンケン
・にらめっこ
・石拾い
・輪くぐりなど
水に慣れ
る遊び
浮いて
進む遊び
・伏し浮き
・補助具で
・友達と
もぐる遊び
・補助具で浮く遊び
など
45
(分)
45
(分)
・石拾い
・輪くぐりなど
(5) 「水泳」の楽しみ方の例(教材・教具の工夫、技能の系統表等)
ドッジボールリレーなどで、楽し
みながら、子どもが自然と顔に水が
つくような状況を作っていく。この
他、ピンポン球を息を吹きかけて運
ぶリレーをすれば、水の中で息を強
くはき出す「呼吸」につなげられま
す。
誰もが楽しめるように、石拾いを
する場合でも、苦手な子どもには「で
きるだけたくさん拾いましょう」得
意な子どもには「黄色の色だけ集め
ましょう。または 4 色全部集めまし
ょう」などと指示をするといいです。
鬼遊びの発展例
・安全地帯を作り、そこにいる間はセーフ。
・輪の中に入ったらセーフ。
・しゃがんだらセーフ(肩まで・頭まで)。
・つかまったら足を開き、その間を友達が
くぐったら、また逃げられるなど。
- 89 -
(6) 学習カードの例
ねん くみ( )
/
なまえ【
ふりかえり
】
できるようになったこと
きまり :◎・○・△
たのしさ:◎・○・△
ともだちのいいことはっけん
あたまからじょうろでみずかけ
できた(
/
できた(
)
てつなぎおに
でんしゃごっこ
)
みずかけっこ
) できた(
)
できた(
まねっこあそび(あひる)
できた(
)
ふりかえり
きまり :◎・○・△
たのしさ:◎・○・△
ともだちのいいことはっけん
まねっこあそび(かに)
できた(
/
まねっこあそび(かえる)
) できた(
まねっこあそび(かおつけわに)
)
できた(
)
ぴんぽんだまふき
できた(
)
へでぃんぐりれい
できた(
)
ふりかえり
きまり :◎・○・△
たのしさ:◎・○・△
ともだちのいいことはっけん
/
かんがるうじゃんぷ
かべをもってあたままでもぐる
できた(
) できた(
すいちゅうとんねる
わくぐり
)
) できた(
できた(
わくぐりでんしゃ
)
できた(
)
ふりかえり
いるかくぐり
きまり :◎・○・△
できた(
すいちゅうまたくぐり
)
できた(
)
いしひろい
すいちゅうじゃんけん
できた(
)
できた
)
できた(
)
すいちゅうさんすう
できた(
)
たのしさ:◎・○・△
ともだちのいいことはっけん
すいちゅうおしずもう
らっこうき
できた(
)
できた(
- 90 -
)
できた(
)
できた(
)
第1学年
「鬼遊び」
→まるわかりハンドブック
(低学年)P.42~43
宝取り鬼
1 本単元の内容
内 容(指導して評価すること)
○一定の区域で逃げる,追いかける,陣地を取り合うなどの簡卖な規則の鬼遊びを
すること。
技能
○工夫した区域や用具で楽しく鬼遊びをすること。
[例示] ・一人鬼
・二人組鬼
・宝取り鬼
・ボール運び鬼
○ボールゲームや鬼遊びに進んで取り組むこと。
○運動の順番やきまりを守り,友達と仲よくゲームをすること。
態度
○用具の準備や片付けを,友達と一緒にすること。
○危険物がないか,ゲームをする場が十分あるか等の場の安全に気をつけること。
思考・判断 ○簡卖な規則を工夫したり、攻め方を決めたりすることができるようにすること。
2 授業づくりのポイント
(1) 楽しさや喜びに触れることができるような運動の規則や場の工夫
どのじ
「逃げたり、追いかけたりする動き」があまりうまくできない児童であっても、簡卖に得
点を入れることができるようなわかりやすい運動の規則や場の工夫をすることが大切です。
コートの幅を広げたり、鬼の人数
を減らしたりと規則や運動の場を
工夫することで、簡卖に得点を入
れることができ、どの児童も楽し
く活動ができるようになる。
(2) ゲームを楽しむための動き方に気付くような言葉がけの工夫
ゲームを楽しむために、本時のポイントに気付かせる発問を事前に用意しておくとともに、
簡卖な動き方や攻め方を教師が例示したりゲームの中で助言したりすることが大切です。
〈動きのポイントを!〉
・守りがいないところを見付けて素早く走り抜けよう。
・周りをよく見ながらマークを取ろう。
・相手をかわす体の動きはどんな動きだろう。
(3) 動きのポイントを押さえるためのよい動きの共有化
よい動きや作戦などがみられた場合は、具体的に賞賛したり、具体的な活動場面を取り上
げて紹介したりしましょう。学級全体で共有することが大切です。
A チームは、スタートゾーンでの並び方をよく考えていたね。縦一列で
並んでおいて、
「せ-の。
」で全員が一斉に走り出したよ。
B チームは、ボールが見えないように全員が手を後に回していたよ。
- 91 -
3 指導と評価の計画(6時間取扱)
過
程
時
間
[参考:評価規準の作成のための参考資料(国立教育政策研究所)]
学習内容・学習活動
【学習内容】
・運動に進んで取り組むこと。
(関心・意欲・態度)
・運動の順番やきまりを守り、仲間と仲よくゲームをすること。
(関心・意欲・態度)
【学習活動】
1 オリエンテーション
1
2 試しのゲーム
3 振り返り・片付け
学
習
過
程
1
2
3
【学習内容】
・運動に進んで取り組むこと。
(関心・意欲・態度)
・危険物がないか、ゲームをする場が十分あるか等の場の安全に気を付けること。
(関心・意欲・態度)
・鬼遊びの行い方を知り、楽しくゲームをすること。
(思考・判断)
- 92 【学習活動例】
こおり鬼・しっぽとり鬼・旗取り鬼 等
○基礎技能向上ゲーム
・一人鬼遊び・集団鬼遊び
4
学
習
過
程
2
5
6
・スタートライン
鬼
ゾ
ー
ン
10m
○課題設定ゲーム
・第1ミニゲーム
・ゲームの後話し合い
・第2ミニゲーム
・ゲームの後話し合い
・ゲームを振り返る。
宝
で宝を1個持っ
箱
てスタート。
・ゴールラインを
越えたら得点。
5m
3m
5m
【学習内容】
・運動に進んで取り組み、仲間と仲よくゲームをすること。
(関心・意欲・態度)
・ゲームに合った簡卖な作戦を選ぶこと。
(思考・判断)
・一定の区域で逃げる、追いかける、陣地を取り合うなどの簡卖な規則の鬼遊びを
すること。
(技能)
【学習活動】
コートの幅を広
1 用具や場の準備
げたり、鬼の人数
2 準備運動 基礎技能向上ゲーム
を増やしたりし
・一人鬼遊び・集団鬼遊び
て、ゲームに合っ
3 課題設定ゲーム(集団対集団) た 作 戦 を 選 ぶ こ
4 学習課題の確認
とができる。
5 ゲーム
・ゲームに合った簡卖な作戦を選びゲームを行う。
6 振り返り、片付け
- 92 -
15m
時
間
1
学習活動に即した評価規準(評価方法)
指導のポイント
○これまでの学習経験を
想起させ、みんなが楽
しめる学習になるよう
に言葉がけする。
運動への
運動についての
関心・意欲・態度
思考・判断
運動の技能
①運動の順番やきま
りを守り、仲間と仲
よくゲームに取り組
んでいる。
(観察・学習カード)
○学習の約束やきまりを
守る具体的な姿を伝
え、そのような姿には
賞賛の声かけを行う。
2
○安全に留意して、ゲー
ムを行うように助言す
る。
○掲示資料を使い、運動
の順番やきまりの確認
をする。
○一人鬼遊び→集団鬼遊
びを毎時間行い、身に
付けさせたい動きの習
得を図る。
②ゲームをする場所
の安全に気を付け
て、準備・片付けを
仲間と一緒にしてい
る。
(観察)
3
4
○集団対集団の鬼遊び
(ミニゲーム)を行い、
ゲームに応じた動きの
習得を図る。
③進んで練習やゲー
ムに取り組んでい
○きまりで改善したい点 る。
があれば、全体の場で (観察・学習カード)
話し合う。
5
○児童のよいプレーや声
かけを積極的に賞賛
し、クラス全体に広げ
るようにする。
6
○ゲームの後に話し合い
を行い、ゲームに合っ
た作戦が行われている
か確認する。
①鬼遊び行い方を知
り、楽しくゲームを
している。
(観察・学習カード)
(第2学年時)
①相手(鬼)のい
ない時に思い切
って走って宝を
取りにいったり、
持ち帰ったりす
ることができる。
②相手(鬼)から
身をかわすため
に動く方向やス
ピードに変化を
つけ、素早く動く
ことができる。
④仲間と仲よく練習
(第2学年時)
やゲームに取り組ん
○宝取り鬼でのよ
でいる。
い攻め方を見つ
(観察・学習カード)
け、簡卖な作戦を
立てている。
① 相手(鬼)にタ
ッチされたり、
自分のマークを
とられたりしな
いように、逃げ
たり身をかわし
たりすることが
できる。(観察)
②ゲームに合った簡
卖な作戦を選んでい
る。
(学習カード・観察) ②相手(鬼)がいな
い場所にすばやく
走ることができる。
(観察)
- 93 -
4 単元の学習過程
(1) 学習過程1(単元前半の 2/6、3/6、4/6 時間目)※1/6 は、オリエンテーション
時
授業づくりの留意点
主なねらい・学習活動
間
教師の指導・支援
1 用具や場の準備をする。
は
じ
め
○仲間と協力して安全に用具の準備をするよう
に言葉がけする。
【2 時間目-関心・意欲・態度②】
2 準備運動、基礎技能向上ゲームをする。
・一人鬼遊び
こおり鬼
・集団鬼遊び
しっぽ取り鬼
○一人鬼から集団鬼へと発展させながら、基礎
技能向上ゲームを毎時間行う。
旗取り鬼 等
3 学習課題を確認する。
鬼をかわして、ゴールまで走り抜けよう。
※1時間目は、試しのゲームを行う。
4 課題設定ゲームをする。
(1) ミニゲーム①をする。
10m
鬼
ゾ
ー
ン
○宝取り鬼を基にした簡易化されたミニゲーム
を行う。
【はじめの規則】
・スタートラインで宝を1つ持ってスタート。
・ゴールラインを越えてから宝箱に入れると得点に
なる。
・鬼からタグを取られたり、タッチされたりしたら、
スタートから再開する。
・2本取られたら、鬼役と交代する。
宝
箱
な
5m
3m
5m
○掲示資料などを使い、はじめの規則や鬼遊び
の行い方を確認できるようにする。
【3 時間目-思考・判断①】
○規則や運動の場で改善したい点があれば、全
体で話し合う。
【ミニゲームのやり方】
・自分のチーム内で、鬼役を1人決める。
残りの3人で、一人一つ玉を持って走る。
・ゴールラインまで、タグを取られないように走り抜
ける。
・一人ゴールしたら、待機している人がスタート。
鬼をかわしてゴールするには、ど
うするといいかな。
・2分ごとに攻めと守りを交代して行う。
か
(2) 確認タイムで話し合う。
○ミニゲーム①を通して、鬼をかわす動
きについて考える。
鬼が見ていないすきをねらっ
て、走りぬけるといいよ。
(3) ミニゲーム②をする。
○確認タイムで話し合ったことをミニ
ゲームで实践し、確認する。
ま
と
め
5 振り返り・片付けをする。
(1) 学習の振り返りをし、ボールを持って
いる時のよい動きやよいアドバイスの
仕方等を発表し、クラス全体で共有す
る。
(2) 整理運動と片付けを行う。
鬼をもう一人増やすと、もっ
と楽しくなると思うよ。
○友達のよい動きや声かけなどを振り返りの中
でたくさん出させ、積極的に賞賛し、個々や
チームのよさを全体に広げる。
【4 時間目-関心・意欲・態度③】
○チーム評価、自己評価をし、感想を書く。
- 94 -
(2) 学習過程2(単元後半の 5/6、6/6 時間目)
時
授業づくりの留意点
主なねらい・学習活動
間
教師の指導・支援
1 用具や場の準備をする。
○仲間と協力して安全に用具の準備するように
言葉がけする。
2 準備運動、基礎技能向上ゲームをする。
は
・一人鬼遊び
○基礎技能向上ゲームを毎時間行い、身に付けさ
こおり鬼
じ
・集団鬼遊び
せたい技能の習得を図る。
しっぽ取り鬼
旗取り鬼 等
め
・ミニゲーム
○鬼をかわしてゴールできた場面を再現し、その
3 学習課題を確認する。
動きを練習できるように声かけする。
得点できる方法を考えて、ゲームを楽しもう。
4 対抗戦でゲームをする。
(1) ゲーム①をする。
5m
12m
な
ス
タ
ー
ト
ラ
イ
ン
3m
5m
鬼
ゾ
ー
ン
タグ入れ
3m
鬼
ゾ
ー
ン
3 点箱
[追加ルール]
鬼が増えたことで、なかなかスタートできな
い子が出てくることが予想されるので、
「鬼にタッチされそうになったら、スタート
に戻ってもよい」というルールを児童の实態
に合わせて適宜、追加してもよい。
5m
ゴ
ー
ル
ラ
イ
ン
1 点箱
(2) 確認タイムで話し合う。
○ゲーム①を通して、たくさん得点をと
るための作戦がうまくできたか確認
する。
か
「おとり作戦」うまくいったね。
次は、ぼくが「おとり」になるね。
【作戦例】
○おとり作戦:一人がおとりになり、仲間がゴール。
○一斉スタート作戦:
鬼がいないところに素早く
動くことが大切だね。
ま
と
め
○チーム内で声をかけ合って、仲よく活動してい
る姿が見られた場合は、具体的に賞賛し、全体
で共有できるようにする。
【4時間目-関心・意欲・態度③】
【5時間目-関心・意欲・態度④】
○鬼が増えたことで得点が減ることが予想され
る。そこで、個人としてではなく、チームの一
員として動く必要があることをみんなで確か
め、チームでの動きについて話し合いを行うよ
うにする。
【6 時間目-思考・判断②】
一斉にスタートして鬼を惑わせる。
(3) ゲーム②をする。
○確認タイムで話し合ったことをゲー
ム②で实践する。
○鬼にタッチされないように身をかわしたり、鬼
がいないところを見付けて素早く動いたりし
ている児童を紹介し、動きをまねるように声か
けする。
【5・6 時間目-技能①・②】
5 振り返り・片付けをする。
(1) 学習の振り返りをし、学習のまとめを
する。
(2) 整理運動と片付けを行う。
○チームで連携して動いているチームを賞賛し、
クラス全体に広げる。
○チーム評価、自己評価をし、感想を書く。
- 95 -
5 参考資料
(1) 2年間の単元計画の例(
は1学年
は2学年)
鬼遊びを2学年とも設定した計画例
※児童の発達段階を考慮し、内容を考える必要がある。
例 1年生:宝取り鬼 → 2年生:ボール運び鬼
1
2~4
オリエン
〈ミニゲームをす
テーション る〉
5・6
〈鬼遊びをする〉
1
オリエン
テーション
2~4
〈ミニゲームをす
る〉
5・6
〈規則を工夫した鬼
遊びをする〉
○学習の進
め方を知
る。
○試しのゲ
ーム
○ゲームに合った作
戦を選んで、ゲーム
をする。
○学習の進
め方を知
る。
○試しのゲ
ーム
○一人鬼遊び
○ゲームに合った攻
め方を考え、ゲーム
をする。
○一人鬼遊び
○集団鬼遊び
○ミニゲーム
○集団鬼遊び
○ミニゲーム
※鬼遊びでは、指導の順序性(卖元の取り扱いの順番)はないため、時間数は授業時間例を示しています。
(2) 2学年に分けて指導する場合の評価計画
(实践例に示していない学年の指導計画の「学習活動に即した評価規準例」
)
運動への関心・意欲・態度
評
価
規
準
運動についての思考・判断
運動の技能
○宝取り鬼でのよい攻め方を
見つけ、簡卖な作戦を立ててい
る。
(観察 学習カード)
○相手(鬼)のいない時に思
い切って走って宝を取りに
いったり、持ち帰ったりでき
る。(観察)
○相手(鬼)から身をかわす
ために動く方向やスピード
に変化をつけ、素早く動くこ
とができる。(観察)
(3) 評価規準に基づく児童の具体的な姿と支援の例(授業場面から例示)
(学習活動に即した評価規準)
ゲームに合った簡卖な作戦を選んでいる。
(思考・判断②)
仲間と連携して動き、鬼を
かわしてゴールに向かうな
ど組織的な動きを考え、活動
している。
(「十分満足できる」状況と判断す
る「児童の具体的な姿」の例)
鬼がいないところを見付けて、ゴールまで走
り抜ける作戦を選んで活動している。
(「おおむね満足できる」状況と判断する
「児童の具体的な姿」の例)
○チーム内で声をかけ合っていない。
○鬼がいないところを見付けられない。
○一人一人でプレーしている。
(つまずきの例)
- 96 -
《具体的な支援の例》
○連携して鬼をかわしている
チームを紹介して、チーム
の一員としての動きについ
て全体で共有する。
○鬼をかわすよい作戦例をチ
ームの話し合いの場で助言
する。
(4) 「ゴール型」の単元構成の考え方
○2学年に分けて指導する場合
1学年時では鬼遊びの特性や魅力に触れやすい
ように、コートの幅を広げたり、鬼の人数を減ら
したりして簡易化したゲームを行い、2学年時で
通り抜け鬼やボール運び鬼など動きを発展させ
ていくと、中学年の陣取り型ゲームにつながる動
きを身に付けることができる。
【コートの幅を広げる・鬼の人数を減らす】
(5) 場づくりの工夫(教材・教具の工夫、技能の系統表等)
① 宝取り遊び
【規則】
○チームの人数は6人程度とする。(児童の实態に応じて変えることは可能)
○攻めチームは、タグを取られないように鬼ゾーンを通り抜けてゴールラインをめざす。
○タグが1本以上残っていた場合は、宝を取ることができる。
○ゴールにたどり着く前に2本とも取られてしまった場合は「タグ入れ」にあるタグを付け
て、再びスタートする。
○宝を取った人は、タグが2本残っていた場合は、宝を「3点箱」に、1本残っていた場合は、
「1点箱」に入れる。
○ゲームの時間は5分間とする。制限時間内であれば、取った宝を箱に入れた後に、タグをつけ
て再びゲームに参加することができる。
○守りは、相手のタグを取ったら、タグ入れへ持って行く。その間は、攻めのタグをとることは
できない。
【用具】
○宝は、お手玉や紅白玉を使用する。
○タグは、市販されているが、タオルやハチマキで代用することもできる。
○コートの横に、宝箱を2つ(3点用と1点用)とタグ入れを1つ置く。
② 基礎技能向上ゲーム(ローテーションしながら活動を行うゲームの例)
こおり鬼
しっぽ取り鬼ごっこ
チームで円にな
り、誰かにパス
コート内で、お
する。
互いにタグを取
り合う。
しっぽ BOX
・相手チームのサークルに
入り、旗を取ったら勝ち
となる。
・しっぽを取られたら、
「し
っぽ BOX」からしっぽ
を取り、腰に付けると、
再びゲームに参加でき
る。
直径 10m
しっぽ BOX
- 97 -
(6) 学習カードの例
たからとりおにがくしゅうカード
ねん
くみ
なまえ(
)
○チームのめあて
○きょうのかけごえ
○さくせん(じぶんのうごき)
○ゲームのけっか
あいて
けっか
たい
1
(かち・まけ)
たい
2
(かち・まけ)
たい
3
(かち・まけ)
○ふりかえり(よくできた:◎ できた:○ できなかった:△)
じゅんびやかた
づけをがんばっ
た。
たのしくゲーム
ができた。
おにがいないと
きにおもいきり
はしった。
○きょうのヒーロー・ヒロイン
じぶんのうごき
ができた。
○きょうのかんそう
- 98 -
ともだちにこえ
をかけてゲーム
ができた。
第1学年
「表現遊び」
→まるわかりハンドブック
(低学年)P.44~47
1 本単元の内容
内 容(指導して評価すること)
技能
○身近な題材の特徴をとらえ、全身で踊ること。
態度
○運動に進んで取り組むこと。
○誰とでも仲良く踊ること。
○場の安全に気を付けること。
思考・判断
○簡卖な踊り方を工夫すること。
2 授業づくりのポイント
(1) いきいきと踊るための実態に合った題材選びの工夫
児童が見たことがあるもの・経験したことがあるものなど、児童のイメージが湧きやすい
題材を選びましょう。
(第1学年)
児童が見たことがある題材
・動物ランド
・飛行機
・昆虫の世界
・クレーン車
(第2学年)
児童が共通して経験したことがある題材
遊園地の乗り
物に乗った。
朝顔やさつま
芋を育てた。
・恐竜の世界
「児童にとって身近で、興味関心のある題材」
「特徴のある具体的な題材」を選ぶようにします。
(2) 動きを引き出すための言葉がけの工夫
児童の实態を見ながら、題材を特徴付ける具体的なイメージの言葉や動き言葉、具体的な
動きを引き出す指示の言葉を、積極的に掛けましょう。
ゆっくり獲物
じわじわ近づこう。
に近付くよ。
足音を消して・・そーっと。
動きが
ジャンプして
卖調だったら
捕まえるよ。
題材の特徴を具体化
・水浴びすると気持ちがいいね。
・誰かが尻尾を踏んづけた!
・どこに隠れているのかな。
・動物の声が聞こえてくるね。
急に襲いかかるよ。
跳びあがって!ピュン!
動き言葉でのイメージ化
・バシャバシャ
・ぐちょ
・ぐしゅ
・きょろきょろ
・シュッシュッ
・キキィー
簡卖なお話づくりへの広がり
・大雤が降りだした。おっと嵐も
やってきた!
・大変、ライオンだ。早く逃げろ!
急げ!
2年生の簡卖なお話作りにつなげることができるように、
「大変だ!」
「急に○○する」という場
面を取り入れることもいいでしょう。
- 99 -
3 指導と評価の計画(5時間取扱)
過
程
時
間
[参考:評価規準の作成のための参考資料(国立教育政策研究所)]
学習内容・学習活動
【学習内容】
・用具の準備や片付けを友達と一緒にすること。
(関心・意欲・態度①)
1
学
習
過
程
2
3
2
〈全身ジャンケン〉
基本のポーズから、クラスやグループ
での独自のポーズに変えていく。その
際、動物などに例えたポーズにする
と、多様なジャンケンになる。
【学習内容】
・きまりを守り、表現遊びに進んで取り組むこと。
(関心・意欲・態度②)
・表現遊びの行い方を知るとともに、動きを広げるためのいろいろな動きを見付
けること。
(思考・判断①)
1
学
習
過
程
【学習活動】
1 オリエンテーション
・学習のめあて・進め方を知る。
2 まずやってみよう
・全身ジャンケン
・猛獣狩りに行こう!
・動物のイメージを膨らませよう!
(イメージカード作り・なりきってみる)
3 振り返り・片付け
4
5
【学習活動】
1 準備運動(全身ジャンケン・猛獣狩りに行こう)
2 学習課題の確認
・動物ランドの動物になりきろう!
3 動物になろう!
・イメージカード(絵カード)でまねっこ遊び
・イメージカード(動きカード)で動き遊び
・動物ランド物語 (一人で)
4 振り返り・片付け
猛獣狩りに行こうよ。
猛獣なんてこわくない。
〈猛獣狩りに行こう〉
【学習内容】
・題材に合った動きを選んだり、友達のよい動きを見付けたりすること。
(思考・
判断②)
・身近な題材の特徴をとらえ、全身で踊ること。
(技能①)
【学習活動】
1 準備運動(猛獣狩りに行こう・イメージカードを使って)
2 学習課題の確認
・友達と好きな動物になろう。
3 友達と一緒に動物になろう!
・簡卖なお話を作って、表そう。
4 ミニ発表会
5 振り返り・片付け
- 100 -
時
間
指導のポイント
○学習のねらいや表現遊びのルールを
し っかりと 守るよう に声 かけをす
る。
1
(ルールの例)
・ふざけない。
・友達を冷やかさない。
など
学習活動に即した評価規準(評価方法)
運動への
運動についての
運動の技能
関心・意欲・態度
思考・判断
①用具の準備や
片付けを友達と
一緒にしようと
し て い る 。( 観
察)
○先生も一緒に体を動かし、楽しい雰
囲気づくりを心掛けるようにする。
2
○「動物ランド物語」では、1つの動
物の動きを全体で話し合う。それら
の イメージ をもとに 短い お話を作
り、お話に沿ってみんなで体を動か
すようにする。
②きまりを守っ
て表現遊びに進
んで取り組もう
としている。
(観
察・学習カード)
○ダイナミックな動きや工夫のある動
きを賞賛し、まねすることで、友達
と一緒に楽しく活動する雰囲気がつ
くれるようにする。
3
①表現遊びの行
い方を知るとと
もに、動きを広
げるためのいろ
いろな動きを見
付けている。
(観
察・学習カード)
○楽しかったこと、友達のよかったと
ころを発表させたり、学習カードに
記入させたりする。
○ペアでなりたい動物を選ばせる。
4
跳ぶ・回る・ね
じる・素早く走
るなど、楽しく
全身の動きを取
り入れている児
童を賞賛しまし
ょう。
③友達と仲よく
踊ろうとしてい
る。
(観察・学習
カード)
②題材に合った
動きを選んでい
る。
(観察・学習
カード)
2年生では、題材に合った動
きを見付けることを評価し
ます。
○友達と一緒に、簡卖なお話づくりを
行うときの参考になるように、お話
づくりのポイントを例示するように
する。
5
○ミニ発表会を開き、互いの動きを認
め合うことができるような雰囲気を
つくるようにする。
2 年 生 で
は、友達の
よい動きを
自分の動き
に取り入れ
ます。
- 101 -
③友達のよい動
きを見付けたり
し て い る 。( 観
察・学習カード)
①身近な題材
の特徴を捉え、
全身で踊るこ
とができる。
(観察)
4 単元の学習過程
(1) 学習過程1(単元前半 2/5、3/5 時間目)※1/5 は、オリエンテーション
時
授業づくりの留意点
主なねらい・学習活動
間
教師の指導・支援
○準備は、自分の役割を果たし、みんなで協力
1 準備運動をする。
するように声をかける。
○「全身ジャンケン」
○準備運動は教師も一緒に行い、楽しい雰囲気
は
○「猛獣狩りに行こう」 など
をつくるようにする。
じ
○慣れてきたら、全身ジャンケンのペアを変え
め 2 今日の活動と学習の約束を確認する。
て行うようにする。
○ダイナミックな動きを賞賛し、児童の心を開
「動物ランドで遊ぼう!」
放することができるようにする。
動物になりきって、遊ぼう!
・前時の振り返りをし、本時の活動の
課題がわかる。
3 即興的に踊る。
(1) イメージカード(絵カード)で、まねっ
こ遊び
な
(2)イメージカード(動きカード)で、動
き遊び
○オリエンテーションで“動物ランド”にどん
な動物がいるか、どんな動物になりたいか発
表させ、イメージカード(絵カード)を準備
しておく。
○児童のもつ動物の動きのイメージをどんどん
発表させて、動きカードを作っていく。
ライオンは、動物ランドで
何をしているのかな。
か
(3)動物ランド物語
・みんなで話し合って、1種類の動物
の一連の物語を作る。
・教師の投げかける言葉を聞き、一人
で動く方向を変えたり、動きに工夫
を加えたりして踊る。
ようし、獲物を捕
ま えるぞ !獲物
に 見つか らない
ように、低い姿勢
で歩くよ。
○作った動きカードを使って、いろいろな動き
遊びをする。
○教師も抑揚をつけた声かけをし、場の雰囲気
を盛り上げるようにする。
○児童の活動の様子を見ながら、動きが卖調だ
ったら、動きを引き出すための言葉がけをす
る。
【2時間目-関心・意欲・態度②】
○ダイナミックな動きやなりきって気持ちを込
めて表現している児童を賞賛し、紹介するよ
うにする。
【3時間目-思考・判断①】
獲物を捕まえるライオンがと
ても高く跳び上がっているね。
ようし、獲物を捕
まえるぞ!獲物
が逃げないよう
に急に跳びあが
るぞ!
ま
と
め
4 振り返り・片付け
(1) 学習の振り返りをし、発表する。
(2) 片付けをする。
獲物を捕まえた後に、獲物をお
いしそうに食べているね。
○楽しかったこと、友達のよかったところを発
表させたり、学習カードに記入させたりする。
- 102 -
(2) 学習過程2(単元後半 4/5、5/5 時間目)
授業づくりの留意点
時
主なねらい・学習活動
教師の指導・支援
間
1 準備運動をする。
○「猛獣狩りに行こう」
○「猛獣狩りに行こう」のリーダー役は、最初は
○「イメージカードで遊ぼう」 など
教師が行うが、慣れてきたら児童が行い、心を
は
ほぐして盛り上がるような雰囲気を作るよう
じ 2 学習課題を確認する。
にする。
「動物ランドで遊ぼう!」
め
動物ランド物語を作って、遊ぼう!
・前時の振り返りをし、本時の活動の
課題がわかる。
3 ペアで話し合いや練習を行う。
(1) お話づくりをする。
(2)お話に沿って、ペアで踊る。
な
か
いい天気だ
ね。お母さん、
餌を探しに行
こう!
あっ、大変!
ライオンだ!
餌をとられて
しまう。
よかった。
餌は無事だ
よ。おいしい
な。
○これまでの学習で使用してきた動き言葉やお
話づくりの広がりを引き出す言葉を板書し、動
きを引き出すためヒントになるようにする。
○話し合いが進まないグループには、板書を元に
アドバイスを行い、スムーズに作業ができるよ
うにする。
【4時間目-関心・意欲・態度③】
【4時間目-思考・判断②】
○動きが卖調なグループには、動きを引き出すた
めの言葉をかけ、のびのびとした表現につなが
るようにする。
○ペアでの踊りでは、友達と仲良く活動したり、
跳ぶ・回る・ねじる・這う・素早く走るなどの
全身での動きを取り入れたりしているペアを
賞賛するようにする。
◇さんと▽さんは、息がぴったり
の仲良しの動きを取り入れてい
て、いいね。
回りながら喜んでいて、餌が無事
だったことへの喜びが伝わって
くるね。
【5時間目-技能①】
○ミニ発表会では、友達のよい動きに目を向ける
ように言葉をかける。
4 ミニ発表会
・4時間目も5時間目もミニ発表会を行
い、十分に友達の踊りを見る楽しみを
味わう。
ま
と
め
5 振り返り・片付け
(1) 学習の振り返りをし、発表する。
(2) 片付けをする。
友達の動きのよいところを見
付けよう!
○楽しかったこと、友達のよかったところを発表
させたり、学習カードに記入させたりする。
【5時間目-思考・判断③】
- 103 -
5 参考資料
(1) 2年間の単元計画の例(
は1学年
は2学年)
第1学年及び第2学年で、卖独卖元として「表現リズム遊び」を設定した例
1~4
リズム④
・身近な曲に乗って
・ロックのリズムに乗って
5~9
表現⑥
・動物や昆虫になりきって
(生活科との関連)
・発表会
1~5
リズム⑤
・身近な曲に乗って
・サンバのリズムに乗って
・ダンスパーティー
6~11
表現⑥
・飛行機になりきって
・遊園地の乗り物になりきって
・発表会
(2) 2学年に分けて指導する場合の評価計画
(实践例に示していない卖元・学年の指導計画の「学習活動に即した評価規準例」
)
【第1学年「リズム遊び」
】
運動への関心・意欲・態度
運動についての思考・判断
評 ※「表現遊び」と同じ。
価
規
準
【第2学年「表現リズム遊び」
】
運動への関心・意欲・態度
※第 1 学年と同じ。
評
価
規
準
リズムの特徴を知るとともに、
それに合った動きを選んだり、
友達のよい動きを見付けたり
している。
運動の技能
軽快なリズムの曲や児童に
とって身近で関心の高い曲
に乗って、動きを繰り返して
即興的に踊ることができる。
運動についての思考・判断
運動の技能
題材やリズムの特徴を知ると
ともに、それにあった動きを見
付けようとしたり、
友達のよい
動きを自分の動きに取り入れ
たりしている。
リズム遊びでは、軽快なリズ
ムの曲や児童にとって身近
で関心の高い曲に乗って、友
達と調子を合わせて踊るこ
とができる。
表現遊びでは、身近な題材の
特徴を捉え、高低の差や速さ
の変化をつけて全身で踊る
ことができる。
(3) 評価規準に基づく児童の具体的な姿と支援の例(授業場面から例示)
(学習活動に即した評価規準)
表現遊びの行い方を知るとともに、動きを広げるためのいろいろな動きを見付けている。(思考・判断①)
動物の動きやその場
の様子の前後を想像し
た動きを見付けてい
る。
「ぴょんぴょん」などの動き言
葉に合うような動きを見付けて
いる。
(「十分満足できる」状況と判断す
(「おおむね満足できる」状況と判断する
る「児童の具体的な姿」の例)
「児童の具体的な姿」の例)
《具体的な支援の例》
どんな動きをしたらいいのか
見付けることができない。
(つまずきの例)
- 104 -
よい動きの児童を手
本にしたり、
「ぴょんぴ
ょん」などに動き言葉
を参考にしたりして、
教師が一緒に踊る。
(4) イメージ・雰囲気づくりの工夫
○他教科との関連
上
手
に
使
っ
て
い
る
ね
。
第1・2学年では、生活科で動物や植物の観察があります。
その観察の中で、体育の表現に生かすことができるような“観
察の視点”を与えることで、子どもたちが生活科での学びを体
育の活動場面で自然と生かすことができるでしょう。
(視点の例)
・うさぎや鶏の歩き方・走り方
・朝顔やさつま芋のつるの伸び方
顔
を
掻
く
と
き
に
は
、
手
を
○場づくりの工夫(教材・教具の工夫等)
イメージを膨らませるために、
跳び箱やマット、平均台などを組
み合わせ、河や橋、岩などに見立
て、動物ランドの雰囲気づくりを
してみましょう。子どもたちが動
物になりきって動くことに繋が
るでしょう。
岩や草むらなどを段ボー
ルなどで子どもたちと一緒
に作るのもいいですね。
○イメージカードを広げる例
2・3時間目で物語を作る練習を一斉指導で行うと、4・5時間目のペアで物語を作ることにつ
なげることができるでしょう。
今日は、みんな、ライオンになりき
ってみよう!ライオンは、動物ラン
ドで何をしているかな?
草原でかけっこ。
木に登っているよ。
はじめに、ライオンのかけっこをし
ましょう。どんな様子でかけっこし
ているかな。
(板書例)
どうぶつランドで あそぼう!
はねるようにかけっこしているよ。
仲間と競争しているよ。
○おはなしづくり
はじめに、ライオンが
そうげんで かけっこする。
ライオン
○そうげんで かけっこ。
○きに のぼっている。
○えものを つかまえる。
○いわの うえで ほえる。
つぎに、ライオンが
さいごに、ライオンが
- 105 -
○うごき ことば
たのしそうに。
なかまとなかよく。
タッタッタッ。
(5) 学習カードの例
(個人の学習カードの例)
1ねん
くみ
なまえ(
)
●よくできた
できた
もうすこし
●きょうの じぶんを ふりかえり あてはまるところに いろを ぬろう!
① たのしく うごくことが できましたか。
(
・
・
)
② ともだちと なかよく おどれましたか。
(
・
・
)
③ ともだちの よい うごきが みつかりましたか。
(
・
・
)
④ どうぶつに なりきって うごけましたか。
(
・
・
)
●どんな どうぶつに なりきって あそんだかな。
(
)
●せんせいに たのしかったことを おしえてね。(えでも ぶんでも いいよ。)
(ペアの学習カードの例)
●メンバー
●なりきる どうぶつ
●ぶんで かいて みよう!
(おはなしづくり)
●えや うごきの ことばを じゆうに かこう。
●おはなしの えや うごきことば
はじめに、
つぎに、
さいごに、
- 106 -
8 参考資料
(1) 集団行動の指導
~
「学校体育実技指導資料第5集 体育(保健体育)における集団行動指導の手引
(平成5年10月文部科学省)」に指導の実際は詳しく示されています。 ~
体育の授業を含めて、学校の教育活動を秩序正しく、しかも能率的に行うた
めに、児童が正しい集団行動を身に付けることは大切なことです。
まず、なぜ集団行動の指導が必要なのか、考えてみましょう。
① 集団行動の指導の必要性
ア
緊急な事態が起こった場合でも、集団として迅速かつ規律正しい行動ができるように
することによって、多くの児童の安全を確保することができる。
イ 集団が安全で効率的な行動ができる。
ウ 体育の授業において、児童が学習する基本的な行動様式は、学校の他の教育活動にお
ける集団行動の基礎となる。
エ 体育の学習活動を能率的に、安全に行うことができる。
次に、集団行動で何を身に付けたらよいか、考えてみましょう。
② 集団行動の指導の要点
ア 集団行動の意義や必要性を理解させる。
イ 集団行動の基本的な行動様式を身に付けさせる。
ウ 集団の約束やきまりを守って行動させる。
エ 敏速・的確に行動させる。
オ 互いに協力して自己の責任を果たさせる。
カ 安全に留意して行動させる。
それでは、どんなことに気を付けて指導すればよいか、考えてみましょう。
③ 集団行動の指導上の留意点
ア
集団行動の必要性を理解させ、形式的な指導に陥ることのないように留意する。
○
低学年では、集合や移動などの行動が無秩序に行われると、衝突したり転倒した
りする危険性があることを理解させる。
○
高学年では、学習の能率化と相互の安全を図るために、集団としてのきまりや行
動様式が必要であることを理解させる。
- 107 -
イ
学習活動の中で、計画的、効果的に行うように考慮する。
○
ウ
学年当初に学習の約束を決め、集団行動を身に付けさせる。
児童の発達段階を考慮し、発達段階にふさわしい指導が行われるようにする。
○
低・中学年では、集合や整列を「並びっこ」のように競争的に取り扱ったり、音
楽のリズムに合わせて行進させたりするなど、指導の方法を工夫する。
○
高学年では、社会性の発達に伴い、集団の一員としての自覚も高まってくること
から、自主的な学習へ指導の重点を移していく。
エ
単なる行動様式の訓練の手段にならないよう、特に指導の方法を十分考慮する。
○
行動様式の形式的な指導を長時間行ったり、同じ姿勢を長時間持続させたりしな
いようにする。
オ
集団の大小に留意し、行動様式の指示や合図が徹底するよう十分考慮する。
○「前へ(予令)
…
進め(動令)」という合図では、
① 「前へ」は、行動の予告→全体に意図が伝わるよう大きな声ではっきり発声する。
②続いて、次の行動に移るため
→
間をおく
③「進め」は、行動に移る合図
→
全員が一斉に動きやすいよう短く発声する。
最後に、集団行動の指導の実際について、紹介します。
④ 集団行動の指導の実際
ア
体育学習の中で(年度当初の体育学習【体育の学習開き】に適している)
【「姿勢、集合・整頓」指導(ゲーム性を取り入れながら楽しく行う】
1 集合後、「気をつけ」「前へならえ」「休め」などの指導をする。
2 指導後、じゃんけんゲーム(集団行動が可能なら、他のゲームも可)をする。
・タンバリン・太鼓・笛などでリズムを取りながら、じゃんけんをする。「勝ち」「あいこ」「負
け」など、結果に応じて指定された場所に移動し、整列。
・集合の合図の例として、太鼓や笛の合図の回数に応じた指示を決めるとよい。
例)3回は「注目」、2回は「座る」、1回は「起立」など約束事とする。
イ 全校集会の中で(年度当初の 4 月・5 月の集会に適している)
【「姿勢、方向転換、集合・整頓、行進」の指導(全校で)】
1 集会隊形で集合。
2 「気をつけ」「前へ、ならえ」「休め」などの動きのポイントを知る
・ 職員が共通理解し、全児童を座らせ、教師や高学年児童が手本(姿勢全体・指先・足・目線など
の確認)を示す。
3 实際にやってみて、よい動きをした学級、学年などを紹介し、ほめる。
4 教室への行進の仕方を知る。(確認する)
・ 移動を伴う指導になるので、ある程度まとまった時間を確保して实施。
- 108 -
(2) 水を怖がったり、嫌がったりする児童の指導について
恐怖心は人間や動物にとって非常に大切な自己保存の機能であって、いろいろな危険から身を守
るために生まれつき備わっているものです。したがって、泳げない子どもたちが深い水を恐れるの
は、ごく当然のことです。また、幼児期に水に溺れたり、恐怖感を伴う経験をしたり、無理な指導
が行われたり、保護者等から水の恐ろしさを必要以上に強調されて育ったことなどが、恐怖心を持
つ原因になっている場合もあります。
教師は、このようないろいろな種類の恐怖感があることをよく知り、それらに適切に対応するこ
とが必要となってきます。そのため、幼児期の様子などは、保護者からの聞き取りを行い、家庭と
協力しながら行っていく必要があるでしょう。
<水を怖がったり、嫌ったりする原因の認識と指導上の留意点>
冷感刺激
皮膚を刺激して収縮させるとともに心理的な
緊張を引き起こします。
呼吸を早め、水の深さによっては息苦しさを与
えてしまいます。初心者の多くが持つ水に対する
違和感は、これらが原因となっています。
緊張を解き、リラックスさせることが教師
の役割になります。暑い日のプールサイドで
ホースやじょうろの水をかけることから、水
の気持ちよさを味わわせることから始めまし
ょう。また、体熱を奪われて寒くなりやすい
ので、絶えず体を動かす遊びを取り入れまし
ょう。
目・耳・口・鼻に水が入る
目・耳・口・鼻に水が触れたり、入ったりする
ために水を嫌うことが多いです。これは動物的本
能としては当然で、初めから気にならない者はほ
とんどいません。
呼吸ができない
水の中では呼吸ができないことにより、大きな
恐怖心を抱かせることになります。
水に親しませるためにも、ボール遊びをプ
ールの中で行い、注意力をボールに集中させ、
水が体に尐々かかっても気にしなくなるよう
にすることも一つの工夫です。ゴーグルを使
用し、安心感を持たせてもいいでしょう。
呼吸ができないと感じている場合、全身に
力が入り、息を吐くこともできなくなってい
る場合が多いようです。教師が子どもの手を
握り、安心感を持たせた上で、あご→口→鼻
→目の下→目の上→おでこ→頭の順で、徐々
水中で体を支えるものが
ない
水中で水をつかんでも何らの手応えがないた
め、水中で転倒したら起き上がれないのではない
かという恐怖心につながります。
に顔を付けながら「息を吐き出す(ブクブク
ブクー)」練習をしていきましょう。
なお、水中で体を支えるものがなくて不安
になっている子どもには、先に安全に立つ方
法を教えることで、安心感が生まれます。
(立ち方は第 1・2 学年の章を参照)
水中に沈み、息を吐き、顔を上げて息を吸
水圧による圧迫感
水圧による圧迫感は、水に対する嫌悪感を抱く
原因の一つになります。また、水中での呼吸が、
陸上での自然呼吸と比べて大きな制限が伴うこ
とも水を嫌う原因の一つです。
う。あるいは、水中じゃんけん、石拾いなど
子どもが夢中になって行う遊びを通して、水
圧に抗して呼吸することに慣れたり、水中で
体をコントロールする能力を高めたりするこ
とも大切です。
嫌悪感、恐怖心の原因を把握し、焦らず、無理強いさせることなく、その子どもに適した解決法
を生み出す創意と工夫が大切になってきます。
<水中で歩けるようになるまで>
教師が、子どもよりも先にプールに入り、子どもの手を握ったり、抱きかかえたりすることで安
心感を持たせましょう。常に子どもの視界に入る場所にいることや体に触れていることがポイント
です。また、歌を歌いながら歩かせるのもいい方法です。最初はできるだけ浅めのプールで行い、
プールの深さが調節できない場合は、
プールフロアなどを沈めて、その上で行ってもいいでしょう。
- 109 -
(3) 着衣のまま水に落ちた場合の対処の仕方
水泳とは、水中での『自己保全能力』の向上が最大の課題です。どんな状況であっても、焦らず、冷静に自分の
命を守ることができるように技能を身に付けさせる必要があります。
平成20年度だけで、水難事故は1300件起きています。他の事故に比べると発生件数自体は減っているもの
の、事故発生=呼吸ができないことから、死亡率は60%以上(事故後3~4分で死に至る可能性が高くなる)と
非常に高い数値が報告されています。なお、プールにおける発生件数は尐なく、水難事故のほとんどは、川や池、
海などの自然環境において起こっているのが現状です。
そこで、子どもたちに着衣したまま泳ぐ経験をさせることは、非常に重要な意義があると思われます。着衣した
ままの水泳は、基本的には水中でのサバイバル泳であり、長い間浮くこと(浮き身)の練習が大切になってきます。
【授業の進め方の例】
1 着衣での準備運動→バディ
2 入水(足から入る)
3 浮き身
①エレメンタリー
バックストローク
②浮力体を使った浮き身
4 泳ぎ(自分に適した泳ぎ)
※速さは問わず、楽に泳げるもの
5 整理運動とまとめ
【指導上の留意点】
①服装は多様な事故を想定して各種の服装が望ましいが、トレーニングウ
エアや運動靴でも構いません。
②プールの水を汚さないために、着衣等は十分に選択したものや清潔なも
のを用意させます。
③はじめは、泳法は自由とし、どのように浮いたり泳いだりするのが合理
的であるかを身をもって体験させます。
④距離、時間ともできるだけ長く浮遊し続けられることが大切です。
<浮き身>
背浮きの体勢をとり、しっかりと空気を吸った状態で、足を広げ、膝を
着衣したままの水泳での感想や自己
約90度曲げておきます。手は、バランスをとるために、肘を曲げて体
保全能力についての確認など
の横で軽く水を押さえるような動きを繰り返すといいでしょう。
<エレメンタリーバックストローク>
【エレメンタリーバックストローク】
背浮きの体勢で、足は平泳ぎをします。手は、体側に肘をつけた状態で
水をかきます。着衣のまま水に落ち、救助を待ったり、移動したりする
には最も有効な泳法です。
⑤様々な浮力体を利用して浮き身をとる経験を十分に取り入れることで、
救助法にもつながります。
<ペットボトル>
背浮きの場合は胸の前で持つか、服の中に入れることで安定した浮き身
がとれます。伏し浮きの場合は、あごの下に置くことで、呼吸が確保し
やすくなります。
<ビニール袋>
口を結ばなくても、空気を入れて手で
しっかりと握っておき、あごの下にあ
てがえば楽に浮きます。
<長ズボン>
足の先を結び、首にかけ、腰の部分から水
と一緒に空気を送り込むと、浮き袋の変わ
【浮力体を利用した浮き身】
りになります。
⑥友達が水に落ちた場合の対処法として
自分が飛び込んで救助することは、二重
の事故につながるので決してしないこと
を伝えます。
※服の中に入れると両手が使えます。
○まず、大きな声を出して近くの大人を呼びます。
【水中で服は脱ぎません】
○浮き身になるようなものを探して、投げ入れます。
体温保持、危険物から身を守る、脱ぐ際
・ボール、ランドセル、ペットボトルなど。ビニール袋やペットボト
に体力を奪われる等の理由から、服は脱
ルは、尐し水を入れることで、遠くまで投げることができるように
がないようにします。
なります。
○ロープや長い棒、自分の着ている服などを投げ出して引き上げます。
- 110 -
引用・参考文献等一覧
・小学校学習指導要領解説 体育編
平成20年8月
文部科学省
・小学校体育(運動領域)まるわかりハンドブック【低学年】 平成23年3月 文部科学省
・小学校体育(運動領域)まるわかりハンドブック【中学年】 平成23年3月 文部科学省
・小学校体育(運動領域)まるわかりハンドブック【高学年】 平成23年3月 文部科学省
・学校体育实技指導資料第4集 水泳指導の手引
・学校体育实技指導資料第5集
平成5年5月 文部科学省
体育(保健体育)における集団行動指導の手引
平成5年10月 文部科学省
・学校体育实技指導資料第7集 体つくり運動
平成12年3月 文部科学省
・学校体育实技指導資料第8集 ゲーム及びボール運動
平成22年3月 文部科学省
・言語活動の充实に関する指導事例集(体育)
平成23年1月 文部科学省
・評価規準の作成のための参考資料(小学校)
平成22年11月
国立教育政策研究所教育課程研究センタ ー
・評価方法等の工夫改善のための参考資料(小学校)
平成23年3月 国立教育政策研究所教育課程研究センター
・小学校体育指導の手引
平成16年3月
熊本県教育委員会
・みんなの保健5・6年 森 昭三他31名編著
・小学校体育 支援の实際5・6年
平成22年2月 株式会社学研教育みらい
藤﨑 敬他編 東洋館出版社
・小学校体育2 図解・实践~用具を操作する運動遊び、水遊び、表現リズム遊び~ 東洋館出版社
・小学校体育 子どものよさや可能性を伸ばす支援の实際 1・2年
・小学校体育 楽しい学習カード1・2年
東洋館出版社
藤﨑 敬、後藤一彦、中川 一
- 111 -
東洋館出版社
小学校体育指導の手引作成委員
◎坂
梨
正
文
单阿蘇村立両併小学校校長
北
岡
誉
久
荒尾市立万田小学校教諭
古
奥
雅
一
山鹿市立中富小学校教諭
緒
方
嘉
樹
单阿蘇村立久木野小学校教諭
井
口
克
也
八代市立植柳小学校教諭
坂
本
卓
眞
天草市立佐伊津小学校教諭
横
山
誠
二
錦町立一武小学校教諭
竹
内
智恵美
熊本市立月出小学校教諭
坂
本
一
真
菊池市立花房小学校教諭
渡
辺
泰
生
熊本県立教育センター指導主事
◎は、「小学校体育指導の手引プロジェクト委員会」の委員長
なお、熊本県教育庁体育保健課においては、次の者が本書の編集に当たった。
城
長
眞
冶
熊本県教育庁体育保健課課長
蔵
田
勇
冶
熊本県教育庁体育保健課審議員兼課長補佐
平
江
公
一
熊本県教育庁体育保健課学校体育係長
高
野
寛
志
熊本県教育庁体育保健課指導主事
大
園
隆
明
熊本県教育庁体育保健課指導主事
緒
方
俊
郎
熊本県教育庁体育保健課指導主事
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