〒105 - 8717 東京都港区西新橋 1 丁目24 番14 号 TEL(03)3504 - 7044 FAX(03)3504 - 5290 http://www.hitachi - hitec.com 最先端の意味を問う。 最先端の意味を問うてみた お客さまに 世界に 仲間に そして自分自身に 1 問い続けた 2 そこにはある種の期待があった 少しずつ見えてきた INDEX 3 最先端という意味が 5 7 10 13 14 23 25 さまざまな期待に応え続けるための事業構成 ハイテク企業として、グローバルトップを目指す ワンストップで期待に応え続けるためのソリューションモデル トータルソリューションの実現 お客さまの期待に応え続けるための戦略 ビジネスに成功をもたらす信頼と実績のサイクル 世界の期待に応え続けるための挑戦 成長産業が秘める大きな可能性に挑む これまで期待に応え続けた結果 日立ハイテクの実力 多岐にわたる期待に応え続けるための仕事と想い 何のために働くか、何を想い働くか 新しく生まれる期待に応え続けるハイテクソリューション事業 事業創造企業として これからの期待に応え続ける新しい想い 内定者の声 さまざまな期待に応え続けるための事業構成 ハイテク企業として、グローバルトップを目指す 激しい市場変化を先読みし、最先端技術を届け続ける 日立ハイテクでは、海外 27ヵ国・56ヵ所のグローバルネットワークをもつ商社機能と、 世界トップレベルの技術力を有するメーカー機能の融合により、 さまざまな先端領域でビジネスを展開しています。 世界トップシェアを目指して、更なる技術開発を 最先端 = ニーズに応え続けること 電子デバイスシステム 1 ファインテックシステム 半導体デバイス分野では、スマートフォンやタブレット端末の進化により、日々高集積化・微細化が進 生活必需品となったパソコンや薄型テレビなどのデジタル機器の数々。そこに欠かせないのが、FPD んでいます。半導体デバイス製造工程において当社がトップクラスの実績を持つ「測長 SEM」 、 「プラ (Flat Panel Display)やハードディスク製品です。FPD 関連装置では世界トップクラスの実績を持つ ズマエッチング装置」、 「チップマウンタ(電子部品実装シ 液晶用大型ガラス基板露光装置のほか、パネル製造からモジュール組立工程に対応した製造・検査 ステム)」。2010年には「ダイボンダ事業(半導体後工 装置を扱っています。また、ハードディスク関連装置で 程装置事業) 」を統合し、半導体の製造(プロセス製造 は、大容量化に向けた高記録密度化のイノベーショ 装置)、計測・検査装置、後工程・電子部品の実装シ ンを先取りしています。両分野とも最先端技術で高 ステムまで、独自のラインナップで世界市場での競争力 製 造 を築き上げています。さらに、営業力・サービス力を一体 3 2 価格競争ではない、独自の技術で新しいソリューションを 最先端 = 他には真似できない技術 販 売 機能化、処理の高速化・高精度化を実現し、お客さま のニーズに応えています。更に、蓄積してきたテクノロ 化し、最先端デバイス企業と密接なコミュニケーション ジーを次世代の有機EL(Electro Luminescence) のもと革新的な製品開発を進めることで世界トップシェ 関連装置、エネルギー関連装置などに活かす研究開 アを目指します。 高分解能 FEB 測長装置 CG5000 Hitachi High - Technologies 発投資も積極的に行っています。 4 半導製造装置 大型ガラス基板露光装置 LE0200SD サー ビス 共同開発により、更なる事業拡大を 最先端 = 強固なパートナーシップ 科学・医用システム 3 4 海外ネットワークを駆使し、新規事業を開拓していく 最先端 = ニーズ・将来性を見出すこと 産業・ITシステム /先端産業部材 さまざまな産業に応用され、暮らしを豊かにする科学・医用システムのソリューション。当社の持つ光 当社は、メーカー機能と商社機能を併せ持つユニークな企業として競合他社にはない強みがあります。 学、流体制御技術、電子線技術とそれらの自動化、システム化により、 トップシェアの製品を生み出して I T の分野ではビデオ会議システムなどの開発を行っています。また、商社のノウハウ・ネットワークを います。体外診断分野での生化学分析装置と免疫分析装置を統合した血液自動分析装置やバイオ分 駆使し、リチウムイオン電池組立装置、太陽電池セル製 野のDNAシーケンサは、世界の試薬メーカー 造装置、燃料電池関連事業へも参入しています。商材 とのパートナーシップによる共同開発から実 については、自動車関連部品や半導体・液晶向け電子 現しています。電子顕微鏡や液体クロマトグ デバイス材料に始まり、環境・新エネルギー領域では、 ラフ、光度計を、製薬・食品分野、環境・エ 太陽電池セル・モジュール関連部材やリチウム電池・ ネルギー分野などの最先端分野を研究する LED 関連部材などを取り扱っています。インドネシアに 大学や研究機関へ納入し、活用頂くことで、 て太陽光発電システムを組み合わせた浄水装置の実用 最先端分野の研究開発などを通して社会の 化への取り組みを推進するなど、新たな事業領域へ高付 発展に貢献しています。 生化学自動分析装置 LABOSPECT 008 加価値なソリューションを届けていきます。 テレビ会議システム LifeSize Room 200 ワンストップで期待に応え続けるためのソリューションモデル 「ワンストップ・ソリューション」型の新たなビジネスモデル 想いがつなぐ、川上から川下までのトータルソリューション を創造 を実現する 市場の変化を先読みし、常に旬な成長領域でお客さまのニーズにいち早く対応。 一人だけではかなえることができない、人と技術のコア・コンピタンスによる企業価値の最大化を実現します。 これまで、日立ハイテクの総合力を駆使し、お客さまや仲間と共に一歩一歩成長を遂げてきました。 営 業 開 発 製 造 サービス 本永 彩子 阿部 高廣 広脇 幸哉 稲田 宏 2011 年入社 国際教養学部 国際教養学科卒 2008 年入社 理学研究科 物理学専攻修了 2000 年入社 理工学部 経営システム工学科卒 2008 年入社 工学部 機能材料工学科卒 5 6 お客さまの真意を積極的につかみにいく お客さまの要望をかなえること 総合的な物の見方が求められる これまで関わってきた方々の集大成 拓くビジネスチャンス 情報の収集から始まる 工場全体をプロデュース 品質の高い製品をお客さまへ 世界各国に広がるお客さまと多岐にわたるビジネ さまざまなお客さまの要望に応えるべく、プロセス 工場での生産において重要なことの1つは、効率 より品質の高い装置をお客さまのもとへ届けるた スを展開していくために、営業部門として注力してい 開発、デモ評価を実施するのが私の業務です。営業 的に生産を行うことです。私の担当業務は、開発 め、完成した装置の評価や検査を実施するのが私の ること、それはお客さまと密な関係を構築、そして発 の方から最新の市場動向を聴取すること、お客さまの された製品から、生産ラインの構築を行うことや自 業務です。営業の方やエンジニアの方が関わり、製 展させることです。現在は、車や ICカードなど生活に 要望を漏れなくヒヤリングすることで、実現すべき要 動化設備の開発を行うことです。現在、DNA シー 造してきた装置をさまざまな角度から評価・検査して 身近なものから、これからの需要が見込まれるリチウ 件が見えてくるのは言うまでもありません。現状の装 ケンサを担当していて、製品の開発・設計段階から いくことで、当社の製品の品質を保っています。主に ム二次電池用材料、太陽電池用部材などを商材と 置では実現が難しいと判断すれば、装置設計者と協 参画し、量産化を視野に入れた技術開発、生産ライ 担当しているのはカラーフィルタ用大型ガラス基板 しています。 力し新しい装置の開発が必要とされます。 ン検討に特に力を入れて取り組んでいます。 露光装置です。機能・性能のみを評価するだけでな お客さまの必要としている材料を適切に流通させ 米国へ装置プロセスの立ち上げに行った際、私た 2011年 11月に完成した総合棟建設の業務に関 く、装置の据付者や使用者、保守者への安全性や るためには、ひとつのプロジェクトに数年の年月をか ちが製造している装置が生産現場で活躍していると わることがありました。約 1300人の従業員が入居 操作性も確認しています。 けることもあります。これまで愚直にお客さまのこと ころを目にしました。私たちの技術が世界の最前線 する建屋の太陽光発電システムや照明設備、電力 お客さま立会のもと、品質をチェックして頂き、無 を考え、築いてきた大切なビジネスチャンスを守り続 へ広まっているということに感動するとともに、責任 監視システムなどのインフラ設備の企画立案や導入 事合格を頂いた後のこと。お客さまが帰られる際に、 け、さらに大きく広げることはプレッシャーでもありま の大きさを感じ、身の引きしまる想いを抱きました。 業務を担当することで、工場全体の生産活動を支 また現地で会いましょうと強く手を握られました。ほっ すが、そのやりがいは計り知れません。 現在担当しているプラズマエッチング装置は海外 えるという視点が養われました、このことは、私の中 とするとともに、 入社当初からお客さまと向き合う仕事 ゆくゆくはお客さまの真意を積極的につかみにい のお客さまへ納入することがほとんどなため、語学 でもとても貴重な体験です。 がしたいと思ってきたことが実現できていると気付き くことで、隠れたニーズまでも引き出す。その情報を 力の向上が強く求められています。微細化、高密度 工場全体の生産活動を支える現在の業務は、生 ました。 他事業部に横展開することで、日立ハイテクの技術 化が進む半導体デバイス事業の最先端で、技術力・ 産ラインから建屋建設までと業務の対象が幅広いこ 今後もお客さまの期待に応え続けるために、日頃 を活かしたトータルなソリューションを届ける。そんな 語学力を磨き、グローバルな舞台で社会の発展に貢 とが大きな特徴です。多種多様な知識・技術・経 から設計・開発や製造などと連携し、確実丁寧な評 新しいビジネスチャンスを切り拓くことができる様に 献できる国際的なエンジニアになりたいと考えてお 験を得ることで、日々の生産活動を支えることので 価・検査を実施し、高品質な製品をお客さまへ届け なりたいと考えています。 ります。 きるエンジニアになりたいと考えています。 なければいけないと感じています。 営業とは 開発とは 製造とは サービスとは 日立ハイテクとお客さまをつなぐ、ビジネスの起点と 知識・技術の粋を集め、日立ハイテクのビジネスを トータルな物の見方で、技術力をニーズにマッチン お客さまに高品質な製品とともに安心・安全を確実 なること 根底から支えること グしていくこと に届けること お客さまの期待に応え続けるための戦略 遂 に﹁ そのと き ﹂ がやって き たので あ る で新規参入を果たそうと何人かの担当者が試みた ものの、A社と独占的な関係を保つ競合メーカー の厚い壁に阻まれていた。 だが、中村の胸の内にはある戦略があった。 「カギとなるのは、技術革新のタイミングです。 先行する競合メーカーと同じスタートラインに立て るそのポイントで社内の開発リソースを一気に投 入すれば、競合を上回る評価を得ることも夢では ないと思ったのです」 しかし、中村には、A社の開発計画を手に入れ るのに必要な人脈がまったくない。そこでまず、直 接クライアントの元に出向いて他メーカーへの納 入実績を猛アピールするとともに、経営幹部同士 のミーティングなどをセッティングし、関係構築を くださるようになり、遂には競合の開発状況をそっ 進めていった。45 nmプロセスに用いる装置のデ と教えてくださるようになったのです。それは、 モンストレーション評価を笠戸工場にて行う機会 我々の取り組みに対する大きな期待の表れに違 を得てからも、現地法人の日立ハイテク台湾にエ いないと確信しました」 ンジニアを採用し、現地の営業担当とのペアでよ 中村が待ち望んでいた情報がクライアントから りきめ細かなクライアント対応を可能にするなど、 もたらされたのも、そんなある日のことだった。次 新規参入に必要な体制づくりを周到に進めた。中 世代の 28 nmプロセスの半導体で、ゲートと呼ば 村のこうした奮闘の結果、クライアントからの信 れる部分の材料がポリシリコンからメタル材に変更 頼感を益々高めていった。 されるというのだ。「技術が変わる! !」遂に「その 勢いに乗った中村は笠戸工場にデモ評価機の とき」がやってきたのである─。 製造を依頼する一方、デモ評価結果のデータを 携え、技術者と共に毎週のように台湾を訪問。プ レゼンテーション、先方のニーズのヒアリング、装 7 エッチング装置ビジネスに成功をもたらす 信頼と実績のサイクル 遂に「そのとき」がやってきた ─ クライアントとの打ち合わせの席でその話を告げられたとき、中村昭徳は胸の高鳴りを抑え 最先端ゆえの困難 半導体メーカーが新たな世代の半導体の製造 置の改善の三つを何度も繰り返した。 を始める際は、まず開発ラインに装置を試験投入 「日本と台湾の往復は体力的にもハードでした し、実際にラインを動かしながら製造プロセスの が、お客さまの変化を感じるのが何よりの喜びで 開発や各種の調整を行って、装置が量産に耐えう した。最初は我々の説明をただ聞くだけだったお るかどうかを評 価する。これをオンサイト評 価と 客さまが、 『もっとこうできないか』と要望を伝えて いう。 新規参入の際は、まずはこのオンサイト評価用 ることができなかった。前任者たちが度重なる挑戦にもかかわらず、あえなく跳ね返され続けてきた難攻不落の壁を、もしかし の開発機に選定される必要がある。中村は笠戸 たら今度は乗り越えることができるかもしれない。「ドッグ・イヤー」とも呼ばれる急激な技術革新を繰り返す半導体市場にお 工場の開発部門に状況を説明して開発リソースを いて、確固たる地位を築きたいと常に考えてきた中村にとって、このチャンスは絶対に逃すわけにいかなかった。 集中投入することで、競合を上回る結果を出すこ とに成功、28 nmプロセスに用いる開発機の選定 を勝ち取った。オンサイト評価中に新たなメーカー との競合となったが、台湾側のサポート体制を充 湧き上がる二つの感情 も名を連ねていた国内メーカーも、海外の専業 実させると同時に、クライアント上層部への結果 メーカーの台頭によりかつての勢いを失い、合併 のアピールに力を入れたおかげで好評価を得て、 や規模の縮小を余儀なくされていた。 ついに量産体制への移行が決まった… と、ここ Project Story 2003年、担当していた北米市場を離れ、新た PART にアジア担当として台湾・韓国両国の担当を命 代わって勢力を伸ばしていたのが、海外のファ ぜられたとき、中村は相反する2つの感情が胸に ウンドリ(製造のみを請け負う企業)である。ファブ 湧き上がるのを感じていた。戸惑いと高揚感─ レス(設計のみを専門に行う企業)を顧客とし、 1 北米では複数の半導体製造装置の新規納入を また従来の総合半導体メーカーからの製造委託 成功に導いてきただけに、慣れ親しんだ地には も受け、資金を集中的に投下することで技術革 後ろ髪ひかれる思いがあった。だがその一方で、 新を加 速させ、躍 進を続けていた。よって、国 台湾・韓国の半導体メーカーが世界の半導体市 内外のメーカーに半導体製造装置を提供してきた 場において急激にプレゼンスを高めていく状況を 日立ハイテクにとっても、シェア向上の為に海外 肌で感じ、チャレンジングな環境で自らの力を試 のファウンドリとの取引の開拓が急務となってい 中村 昭徳 してみたいという思いが疼いていたのもまた事実 たのである。 電子デバイスシステム事業統括本部 プロセス製造装置営業本部 プロセス製造装置一部 1989 年入社 理工学部 機械工学科卒 であった。 ここで当時の半導体業界の状況について言及 お客さまの変化を感じる喜び しておきたい。微細化が急激に進む半導体製造 台湾には、いまや世界No.1のファウンドリに成 ビジネスにおいて、設備投資が絶え間なく繰り返 長したA社があった。日立ハイテクでは過去、半 される。1990年代初頭には世界の五指にいくつ 導体の製造に欠かせないエッチング装置ビジネス Akinori Nakamura 1997年より半導体製造装置の海外営業を担当。当初は北 米の顧客を担当し、大手半導体製造メーカーへの新規参入 案件をいくつも手がけた。2003年より台湾を中心としたアジ ア顧客を担当している。学生時代は自動車部に所属。現在 も休日は子どもと一緒にレーシングカートを楽しんでいる。 8 お客さまの期待に応え続けるための戦略 世界の期待に応え続けるための挑戦 種 を 蒔 き 、 水 を や り 、 花 を 咲 かせ る までは中村の読み通りであった。 だが、ここで大きなトラブルが起こる。量産機 として納入した装置に、生産効率を左右しかねな い問題が浮上したのだ。1ヶ月以内に解決しない 場合は、競合他社の評価を開始するというのがク ライアントの意向であった。部品が悪いのか、それ ともプロセスに原因があるのか… 暗中模索だった が、中村は夜遅くまで技術者と共にクライアントサ イドに張り付き、問題が起きそうな箇所を一つひと つ潰していった。その結果、何とか原因を突き止 めて修正を加えトラブルの解消にこぎつけた。 「相手は次世代の半導体プロセスですから、クラ イアントにとっても我々にとっても、量産安定性確 立は未知のレベルへの挑戦。思いがけないトラブ ルはつきものなんです。営業としても、技術者に対 して普段からそうしたトラブルに徹底して備えるよう に促すことが大切だと痛感しました」 成功のサイクルがもたらしたもの 28 nm プロセスは現在も量産に向けた準備が 9 入の際も継続して装置を発注していただけるとい うわけです」 中村が5年以上の歳月をかけて築き上げたA社 との取引のサイクルは、いまや年間数十億円規模 着々と進められているが、同時に20 nm、14 nmと のビジネスに成長している。 さらにそれだけでなく、 いうさらに次世代のプロセスについても、同時並行 A社での成功を聞きつけた他のファウンドリから で開発が進められている。これらはすべて、28 nm も、評価の依頼が次々に届いているという。 プロセスの成功が足がかりとなっている。 今後は、ビジネス規模を拡大するために、営業・ 「エッチング装置ビジネスには『クライアントとの エンジニア共に台湾側のスタッフを充実させ、クラ 関係構築』 『ニーズの早期入手』 『ソリューション イアントに対して現地主導で手厚くサポートが行え の提供』 『継続受注』という成功のサイクルが存 るようにしていきたいと中村は意欲を燃やす。 在します。半導体製造メーカーにとっては、新たな 「種を蒔き、水をやり、花を咲かせるまでのプロセ メーカーの装置の導入は大きなリスクになるので、 スのすべてに携わることができ、営業の仕事の面白 できれば信頼と実績のあるメーカーの装置を使いた さや難しさを味わいました。後輩社員たちにもぜひ い。したがって、新規参入を果たした後はこのサイ “ 太陽電池部材のワンストップ・ショップを実現したい” 成長産業が秘める大きな可能性に挑む 中国・深センの現地法人に異動となった佐藤弘幸が現地に向かう機内で思いを巡らせていたのは、長年、社内で懸案となっ ていたある事業のことであった。〈太陽電池ビジネスは明らかに中国向きだ。構造がシンプルなだけに、質のよい素材を日本 こういう体験をしてもらいたいですし、自分自身も、 から送り込んで、低コストの労働力で人海戦術をとれば、品質・コストの双方で十分に戦えるはず。問題は、どのメーカーと クルを回し続けることができれば、他社の参入を 常に新たなビジネスの種を見つけて、果敢に挑戦し 手を組むかだろう…〉時はまさに、太陽電池ビジネスの発展前夜。窓から見える雲海の向こうには、大きな可能性を秘めた 防ぐための大きな障壁となり、次世代プロセス導 続けていきたいですね」 大陸が広がっていた。 Project Story PART 中村と共に成功サイクルをつくる 室田 篤史 Atsushi Murota 2 綿密な分析と大きな賭け B社の将来性に賭けてみたい─ そう考えた佐 藤は、さっそく提案活動を開始した。 話は2006 年に遡る。日立ハイテクでは、従来よ だが、B社の説得は困難を極めた。日本市場向 り取引のある素材メーカーA社が「バックシート」と けに最適化されたA社の製品仕様と、ヨーロッパ 呼ばれる部材を国内大手太陽電池メーカーに納入 への販売をメインとするB社の求める仕様との間 していたことに着目していた。太陽電池市場の急 には、大きな隔たりがあった。それでも佐藤は諦 拡大を見据えていた当時、この部材を海外市場に めず、試作と評価を繰り返しながらB社幹部と打 も展開すべく、ドイツをはじめとする各国の太陽電 ち合わせを重ね、両者の間にある溝を少しずつ埋 池メーカーに対して提案活動を行っていたが、なか めていった。 日立ハイテクノロジーズ台湾会社 自社製品本部 1995 年入社 工学部 応用物理学科 なか思うように結果の出ない状況が続いていた。 2008年4月より日立ハイテクノロジーズ台湾会社に駐 在し、本プロジェクトを担当。 ビジネスの突破口を開きたいという思いがあったの この際、品質と同様に、B社を説得する重要な である。 材料となったのが価格である。 甲斐 美臣 Yoshitaka Kai 佐藤の頭の中には、中国転勤を機に、太陽電池 急拡大するビジネスに潜むリスク 深センに到着した佐藤は、さっそく行動を開始 「A社に戦略的な価格を設定してもらうためには、 する。既にドイツなど先進市場から生の情報を得 B社が今後確実に中国のトップメーカーに成長す る裏付けを説明し、そこに参入する意義を理解し Project Story プロセス製造装置営業本部 プロセス製造装置一部 1996 年入社 情報工学部 機械システム工学科 ており、注力すべき太陽電池メーカーは3、 4社に 絞られていた。なかでもB社は、今後太陽電池市場 てもらう必要がありました。中国でナンバーワンの PART 入社当時より笠戸地区勤務。本プロジェクトを発足時 より担当。 で覇権を争う存在に化けるかもしれない。それは市 メーカーと取引実績を作れば、部材を評価するノ 場調査レポートや財務諸表だけでなく、足で稼い ウハウを持たない他の中小メーカーは必ずやB社 だ生の情報を分析した結果を見ても明らかだった。 と同じ製品を求めてくるはず。長い目で見て、トッ 1 10 世界の期待に応え続けるための挑戦 につれ、おのずと太陽電池市場のあらゆる情報が もたらされるようになったのだ。そうした情報をもと に、彼らは他の部材の取引にも積極的に乗り出 す。代表的な例が、中国から欧米へのガラスの 輸出である。 「太陽電池用ガラスの市場では日本国内のガラス メーカーが圧倒的な存在感を示す一方、中国の メーカーも、本土にガラス原料を豊富に抱えてい ることもあり、相当な力を付けていました。ならば、 中国製品を他の地域へ輸出できないかと考えたの です。我々が目を付けたガラスメーカーは自動車や 建設資材用ガラスの実績はあるものの、太陽電池 トップメー カーに供 給 す る 意 味 11 に関するノウハウがまったくありません。そこで、 プメーカーに部材を供給する意味は非常に大きい 開発段階からパートナーとして関わることで、商流 のです」 の中間に介在する商社としての付加価値を発揮 こうした努力の結果、2006 年8月、佐藤は初 していきました」(小林) めてB社から大口の注文を獲得する。世界の太陽 商 社 と し ての真の付 加 価 値 有数の太陽電池メーカーとの取引額が増大する との間に良好な関係を築き、魅力的な品質と価格 を引き出すことで、担当しているお客さまとの大口 取引につながります。しかし、お客さまのマーケット におけるポジションや将来性などを説得力をもっ て説明できなければ、簡単には仕入先に納得して いただけません。ハードな交渉も多いですが、とて も勉強になりますね。今後はこの経験を足がかりに しつつ、他の地域も積極的に開拓していきたいと 思っています」(豊田) 彼らの視線の先にあるもの 2008年秋、アメリカの大手証券会社の破綻に 端を発する世界的な不況の波は、太陽電池ビジネ スにも深い傷痕を残した。投資元の銀行や証券 会社が資金の提供を凍結したため、日立ハイテク でも一時は注文数がほぼゼロになるほどの大打撃 を被った。 事業展開について、佐藤たちはどのような絵を描 一方、彼らは中国のみならず、アジア、欧米諸 「お客さまからは『生産を止めてほしい』という要 いているのだろうか。 電池市場が拡大の兆しを見せ始めたのは、まさに 国においても活発に事業を展開していく。現在、 望が次々にやって来るものの、急にストップできな 「めざすは“ 太陽電池部材のワンストップ・ショッ その直後のことであった。この流れに乗って、B社と その最前線で奔走しているのが若手社員の豊田 い生産ラインもあります。その結果、過剰在庫が プ” 。つまり、太陽電池関連のあらゆる部材が手に の取引も急拡大。佐藤が初めて訪れた当時、平屋 哲也である。豊田はいま、太陽光プラントの開発 大幅に膨らんだ状態が半年以上も続き、社内的に 入ること、 さらに技術やマーケットにも精通し、どん の社屋にわずか100人ほどの従業員しかいなかっ に傾注するドイツのパネルメーカー兼システムイン も大きな問題となりました。お客さまと粘り強く交渉 な相談でもできる体制です。そこで提供できる高 たB社は、わずかな間に世界有数の太陽電池メー テグレーター・C社との取引を担当するほか、今 し、少しずつ納入を再開させて在庫を消化できたと い利便性こそが、商社としての真の付加価値とな カーに成長していった。 後拡大が期待されるASEANや北米エリアにおけ きはほっと胸を撫で下ろしましたね」(佐藤) るのです。最近、日本では再生可能エネルギー法 もちろん、 B社との取引を拡大していくにあたっ る取引先の開拓にも意欲的に取り組んでいる。 結果からいえば、太陽電池市場の回復は他の が施行され、わが国は太陽エネルギーの消費国と ては、乗り越えなければならないも壁も数多く存 若手社員にも大きな仕事を任せてくれるチャレ 業界よりもかなり早く、翌年6月には完全に市況が しても注目されています。今後は部材を売るという 在した。2009 年よりこのプロジェクトの本社側窓 ンジングな環境に惹かれて日立ハイテクへの入社 回復した。これも、この市場の将来性が社会に ビジネスだけではなく、日立グループ内の各社と協 口を担当する小林亮はこう語る。 を決めたと話す豊田。実際に仕事を始めてみると、 強く認められていたからに違いない。 力しながら太陽光プラントを建設するといった新し 「太陽電池ビジネスは、各国政府の支援によって 期待以上の大きなフィールドが彼を待っていた。 バックシートの輸出に始まり、他の部材の開拓 い形の事業にも取り組みたい。そうすれば、これ 支えられている上、投資家から集めた資金を元手 「担当するドイツの企業はヨーロッパでも有数の や、三国間取引へ─ 柔軟に形を変えながら進化 までとはまた違う、新たな価値を社会に提供できる に事業活動を展開し、そこで得られた利益を投資 システムインテグレーター。日立ハイテクと仕入先 する、日立ハイテクの太陽電池ビジネス。今後の のではないでしょうか」(佐藤) 家に還元するという投機的な側面もあります。した がって、マーケットが時の経済状況や各国の政策 に左右されやすい。本社の管理部門が取引拡大 に伴うリスクを指摘したのもある意味当然のことと いえました。説得にあたっては、太陽電池の将来 性をさまざまなデータを使って説明し、 〈多少のリス クを考慮しても、最終的に大きな果実を手にするこ とが重要〉と主張しました。その結果、さらなる取 引拡大が認められたのです」 若手社員の目の前に広がる、 巨大なフィールド 実際に、B社との取引によって、佐藤や小林た ちはさまざまな果実を手にすることとなった。世界 Project Story PART 2 豊田 哲也 Tetsuya Toyoda 商事統括本部 工業材料営業本部 電子機材部 2008 年入社 商学部 商学科卒 小林 亮 Ryo Kobayashi 商事統括本部 工業材料営業本部 電子機材部 1998 年入社 工学部 経営工学科卒 佐藤 弘幸 Hiroyuki Sato 商事統括本部 工業材料営業本部 電子機材部 1990 年入社 文学部 教育学科卒 12 これまで期待に応え続けた結果 日立ハイテクの実力 その他 1.4% 北 米 9.0% 日立ハイテクにはさまざまな側面があります。 グローバルなビジネス展開や世界に誇る技術、さまざまな社会貢献など。 INTERVIEW 日立ハイテクは最先端の技術を 欧 州 10.8% これらを成し遂げていくためには常に成長していくことが必要でした。 日本 その過程で残してきた実績の一部をここで紹介します。 44.6% アジア 地域別売上高比率 多岐にわたる期待に応え続けるための仕事と想い 34.2% 最前線のお客さまや市場へ届けることで成長してきた。 しかし、実のところ日立ハイテクが成長してきたのではなく、 日立ハイテクの社員が成長してきたのだ。 (2011 年 3 月現在) さまざまな分野のさまざまな技術を持ち、 海外での売り上げが 50% 以上 常に世界のフィールドで存在価値を見出してきた裏には、 ハイテク・ソリューション事業におけるグローバルトップ 社員たちの強い想いがある。 を目指すことを企業のビジョンとする日立ハイテク。海 外27ヵ国、56ヵ所の拠点(※2011年3月末現在)を 持ち、海外の売上高は全体の 50%を超える割合にの ぼっています。海外に広がる拠点を持つということは、 世界の先端技術に触れる機会が多いということ、お客 海外拠点図 (世界 27ヵ国 56ヵ所の拠点) さまを身近に感じられるということ、世界のニーズをいち 早く掴めるということを意味します。これらを活かしグ ローバル社会の価値創造に貢献していきます。 お客さまのために、世界のために、未来のために 8名の社員に問うてみる 何のために働くか、何を想い働くか 世界に誇る技術力の証 日立ハイテクには技術力を重んじ、育む文化があります。技術とは INDEX 長い年月をかけて磨かれるものであると同時に、これまでになかった 13 発想力や応用力を必要とします。技術を継承していくことこそが、ベ 14 テランから若手までが高度な技術を持っている秘訣なのです。1973 年に行われた青年技術者の技能レベルを競い合う「第21回技能五 2009 年 第 40 回技能五輪国際大会 輪国際大会」で金メダルを初受賞。近年では 2005年に金メダルを 2007 年 第 2 回ものづくり日本大賞 獲得してから、3 大会連続でメダルを獲得。そして、歴代の技術者 の中から、「現代の名工」受賞者や「黄綬褒章」受賞者を輩出し ています。これからも世界に誇る技術力を磨き続けます。 2007 年 第 39 回技能五輪国際大会 10 億分の1を覗く 2009 年 黄綬褒章 P.15 P.16 P.17 P.18 技術者の想いが、 製品の質を さらに押し上げる 前例のない 挑戦を求め、 世界のフィールドへ それぞれの ものに込められた 思想を “ 頼れるパートナー ” を目指して 沖田 篤士 須之内 絢子 朽木 史彦 設楽 健一 評価システム設計開発本部 笠戸地区設計・生産本部 ファインテックシステム営業本部 設計開発本部 電子線応用システム設計部 システム設計部 有機 EL 装置部 テストシステム設計部 P.19 P.20 P.21 P.22 マーケティングの 核心は、 ここにある 医療の未来を 見据えつつ、 日々の課題に挑む 目には見えない “ 人間力 ”を、 ビジネスの推進力に 加藤 博司 中沢 隆史 小林 亮 伊藤 文恵 科学システム営業本部 科学・医用システム設計開発本部 工業材料営業本部 財務本部 マーケティング部 医用システム第一設計部 電子機材部 業務部 2010 年 現代の名工 電子顕微鏡は医学や生物、材料開発などの分野で利用 されています。ミクロやナノの世界を可視化してみると、 そこには私たちがこれまで気付かなかった新たな美しい世 界が広がっていました。 「 」は電子顕微鏡でし か見えない金属や鉱物、生物などの極微の世界をコン ピュータグラフィックによりさらに美しくした写真集です。 マイクロブーケット 2009 年(第65回) 日本顕微鏡学会 写真コンクール 出展作品 日本初の生化学自動分析装置を世の中へ 1970 年、日本で初めて生化学自動分析装置を世の中へ送り 出しました。これまでの約 40 年間、日立ハイテクの技術力を活 かし、多彩な機種の開発を行い、その精度の高さから多くの医 療・検査機関へ納入されています。食生活の変化や運動不 足が問題となる昨今、血液検査の役割は大きくなる一方です。 これまで、日本の先端をお客さまと歩んできた日立ハイテクは、 現在では海外試薬メーカーと共同で開発を行い、健康で安心 な暮らしを実現するために世界の先端を歩み続けています。 京小紋 2008 年(第64回) 日本顕微鏡学会 写真コンクール 優秀賞受賞作品 Seawalking 2006 年 (第 16 回)国際顕微鏡学会議 (IMC16) 写真コンクール 材料部門第 3 位受賞作品 Golden Temple 2008 年(第64回) 日本顕微鏡学会 写真コンクール 出展作品 宇宙で一番小さなカエル 2008 年(第64回) 日本顕微鏡学会 写真コンクール 出展作品 日本初の 生化学自動 分析装置 それが、 周りとは一味違う “ 私の強み ”になる 多岐にわたる期待に応え続けるための仕事と想い 電子デバイスシステム事業統括本部 エンジニア 電子デバイスシステム事業統括本部 エンジニア 舞台は半導体製造の最前線 システム設計部ソフト設計グループの業務 社員にアドバイスをいただきながら何十回も 検証や修正を繰り返した結果、セットアップ 沖田 篤士 グ装置を制御するソフトウェアの設計と開発 作業時間を62 % 短縮させることに成功しま です。なかでも私は現 在、オペレーターが した。 評価システム設計開発本部 処理内容を入力する画面のプログラミングを 仕事は常に、前例のない挑戦の連続。そ 担当しています。学生の頃よりソフトウェア こには常に困難や苦労が伴いますが、仕事の に興味があり専攻していたため、現在仕事 やりがいは、そんなところにこそ隠れている にできているのはとても恵まれていると感じて はずです。もっと知識を蓄え、経験を積み、 います。 将来は海外という大きなフィールドでお客さ 私自身はまだ経験が浅く、携わっているの まと向き合いたい。そこにはよりスケールの は製品のごく一部に過ぎません。しかし、お 大きな挑戦が私を待っているはずです。 客さまはいずれも世界の半導体ビジネスを リードする海外のビッグ・メーカー。自分たち の手がけた製品が半導体製造の最前線で活 「ユーザーに求められるものを、最高のレベルで」 思いがけない活動で得た財産 入社早々、まず驚いたのは、消防服の採 躍する場面を想像するときの胸が躍るような 寸をしたこと。工場の建屋が立ち並ぶ笠戸地 気持ちが、仕事を進める原動力です。 区では、 「自分たちの職場は自分で守る」と 困難の中で考えたこと いう理念のもと、自衛のための消防団が組織 されているのです。さらに、日立会の行事や エッチング装置の制御に使うコンピュータ 運動会などイベントが数多い為、普段は関わ のセットアップを自動化するプログラムを担当 りのない社員の方々とも知り合う事ができ、社 したときのこと。初めて着手する仕事だけ 内の人脈が広がるという思わぬ副産物もあり に意気込んで取りかかったもの、予想外の ました。ここで築き上げたネットワークが意外 Junko Sunouchi 2009年入社 理工学研究科 物理情報科学科修了 休日はジムニーで山や川に出かけ、平日はロー ドバイクやモンキーに乗って買い物へ行くなど、 乗り物好きである。そして、現在では新幹線に 囲まれて仕事をしている。 前例のない挑戦を求め、世界のフィールドへ 技術者の想いが、製品の質をさらに押し上げる “ 設計 ”に含まれる多彩な仕事 なところで仕事に活きるのではないかと、ひ そかに楽しみにしています。 は、半導体製造の心臓部ともいえるエッチン 電子線応用システム設計部 15 現象が頻発。予定の工程を大幅にオーバー してしまったのです。それでも、上司や先輩 そんな大きな志を胸に ても貴重な糧となっています。 ケティング部門とこれまで以上に議論を重 印象的だったのは、現地の技術者が自分 ね、お客さまにより強く求められる製品を目 レビュー SEMは電子顕微鏡の一種で、主 の想いを臆することなくストレートな言葉で伝 指して努力を続ければ、必然的に世界トップ に半導体デバイスの微細な回路パターンの欠 え合い、さらに「それは本当に求められてい シェアという夢が実現する日が近づいてくる 陥観察・品質検査に用いられます。なかでも る性能を満たすことができるだろうか?」とい と思っています。 検出器は、対象に当てて跳ね返ってきた電子 う言葉を何度となく繰り返していたこと。それ 須之内 絢子 線を信号に置き換えて画像に変換する役割 こそ私が普段から考えていたことだったので 笠戸地区設計・生産本部 を担う、いわばレビュー SEM の心臓部です。 す。作るからにはユーザーから必要とされる システム設計部 私はこの検出器を中心に設計・開発を担当 ものを、最高のレベルで実現したい。そんな しています。 技術者の想いが、製品のクオリティをさらに 設計といっても常にコンピュータに向かっ 押し上げていくと信じています。 ているわけではなく、お客さまのニーズをもと にした技術検討、製品への落し込み、実際の 世界トップシェアを自分たちの手で 設計作業、そして完成した製品の改良など、 測長 SEMは世界で約8割のシェアを持つ 幅広い業務を行っています。 日立ハイテクの代表製品ですが、それと同じ ユーザーは本当に求めている? ように、レビューSEMも自分たちの手で世界 のトップシェアを誇る製品に成長させること イスラエルの部品メーカーと共同で機能 が私の夢です。 開発を行うプロジェクトに加わり、参加して 半導体が日進月歩の勢いで進化するのに 1ヶ月目で現地に赴き技術検討を重ねたこと 伴い、この装置にもさらなる高機能化が求め があります。イスラエルという普段はなかな られています。最近では、半導体の構造が か縁のない土地に滞在できたことに加え、慣 複雑化し、二次元構造にとどまらず三次元 れない英語を使いながら現地の技術者と膝 構造も開発されつつあるため、今後はそれら を突き合わせて議論した経験は、技術者とし の解析も必要となるでしょう。 営業やマー Atsushi Okita 2008年入社 情報科学研究科 情報エレクトロニクス専攻 (博士後期課程)修了 学生時代は体育会アイスホッケー部に所属。現 在でも休日は地域の社会人チームで汗を流す。 「アイスホッケーの魅力は、スピーディーなゲーム 展開と、選手同士が激しくぶつかり合う迫力。本 場アメリカで観戦したときはとても興奮しました」。 16 多岐にわたる期待に応え続けるための仕事と想い ファインテックシステム事業統括本部 営業 ファインテックシステム事業統括本部 エンジニア エンジニアチームの司令塔として 私はテストシステム設計部に所属し、ハー せられた役割なのではないかと自負していま す。 たらやってくれそうだ」というお客さまの声こ 朽木 史彦 際に欠かせない、量産用の磁気ディスク検 そ、我々にとって最高の勲章。新たなビジネ 査装置や磁気ヘッド検査装置などの設計開 スの芽も、 そんな声の中から生まれるのです。 ファインテックシステム 発を担当しています。各技術者の仕事は、精 営業本部 密機構部、ロボット制御部、電気回路、光 学機構部、制御ソフトウエア、など分野ごとに 分かれており、担当者間で連携しながら一つ 製品を作って売るだけの関係から、未知 の領域を開拓するお客さまにとっての“ 頼れ スケジュール管理や進捗管理などの取りまと るパートナー”へ。私たちには、技術者集団 めを行うほか、お客さまの元に出向いて仕様 としての使命感と、大きな志があります。私た の打ち合わせや技術情報の提供も行ってい ちはお客さまの次世代 HDD の開発に関して ます。 技術的な支援も行っていますが、そうした活 のです。 に関する情報提供を行ったり、ときには一歩 次世代技術ですから、お客さまの要望は 先の技術動向を先読みして開発した試作機 非常にレベルが高いものばかりですが、裏を を貸し出したりと、信頼関係を深めるための 返せば、それは当社の製品や技術者への期 努力を怠りません。最近ではいずれの HDD 待の表れでもあります。頼られれば、何とし メーカーも技術力が大幅に向上し、品質面 てでも応えようとするのが技術者の心意気と で大きな差が見られなくなっていることから、 いうもの。我々が先輩たちから受け継いだ 誕生するその瞬間に立ち会える仕事に携わ おり、技術評価の際はさまざまな問題が起こ れていることに、大きなやりがいを感じてい ります。ときには原因を突き止めるために、 ます。 有機ELディスプレイの製造に用いる蒸着 装置に使われている数千単位の部品を調 装置と呼ばれる設備を海外大手メーカーに 査することもあります。 ご提案しています。装置といってもプラントに お客さまが 開 発した製 造プロセスにも、 近いような大きなもので、金額も数十億円規 我々の開発した装置やそこに使われている部 設計開発本部 模。技術評価や仕様検討にはお客さま側と 品の一つひとつにも、それぞれの想いや情 テストシステム設計部 我々の双方で数十人もの技術者が関わり、 熱があります。大切なのは、お客さまと我々 数ヶ月から1年の年月を要します。そこでの担 の技術者が徹底的に議論する場を作り、そ 当営業の仕事は、打ち合わせのアレンジや れぞれが手がけたものに込めた思想を理解し 結果のフィードバック、受注の適切なタイミン 合える関係を築くこと。そうした地道で泥臭 グを見極めるためのマーケットの情報分析な い作業を繰り返して初めて、最先端の技術が ど、多岐にわたります。 大きく花開くのです。 また、私の部署では自社開発以外の製品 も取り扱っています。メインの蒸着工程以外 で用いられる周辺装置も必要に応じてご提 まだ駆け出しの営業マンだった 2000 年 案しているため、お客さまにも大変喜ばれて のこと。当時黎明期だった有機ELディスプ レイの小さなサンプルを見て、発色の鮮やか 最先端の裏にある“ 泥臭さ ” 設楽 健一 駆け出しの時代に体験した驚き います。 さに言葉を失いました。これが世に出れば世 界に対して大きなインパクトを与える。そう確 スマートフォンやテレビに用いる有 機EL 信したものです。今後、有機ELは大型化・ は、現在担当しているお客さまが業界のリー 薄型化することで、さらに世界に画期的な価 ディングカンパニー。まだ他のどのメーカー 値を与えるはずです。そんな、新たな製品が ルメリットが得られるからというだけではない お客さまに対しては、最新の技術トレンド Kenichi Shitara 1989年入社 工学部 電子工学科卒 小学生からボーイスカウト活動に取り組み、大 学時代には指導者も経験。最近でも2人の子 どもをテニススクールに送り迎えする合間に近く の山に散歩に出かけるなど、休日は自然との 触れ合いを大切にしている。 未知の領域を開拓するお客さまの“ 頼れるパートナー ”を目指して 理解し合える関係を築く も到達していない世界初への挑戦を続けて 動も、 単に量産化にこぎつけられればスケー 18 それぞれのものに込められた思想を 数十億円規模の プロジェクトを操る 後輩たちに伝えたい “ 技術者精神 ” の製品を作り上げます。現在、私は業務の 商機を確実に捉えるために この精神を後進に伝えていくことも、私に課 実さを増しています。「日立ハイテクさんだっ ドディスクドライブ(以下 HDD)を製造する 有機 EL 装置部 17 省エネ性やメンテナンスのしやすさなど、コ スト削減に直結する技術に対する要望が切 Fumihiko Kutsuki 1998年入社 農学部 農業経済学科卒 高校時代まで野球部に所属。ポジションはピッ チャー。入社後も社内の野球部のエースとして、 地域の大会で優勝した経験を持つ。最近は子 どもがいるため、週末はもっぱら家族サービス に精を出している。 多岐にわたる期待に応え続けるための仕事と想い 科学・医用システム事業統括本部 営業 科学・医用システム事業統括本部 エンジニア さまざまな立場の想いを一つに 加藤 博司 科学システム営業本部 マーケティング部 待以上の結果です」とお褒めの言葉をいただ いたことがありました。数マイクロリットル単 ど、血清中に比較的高濃度に存在する成分 位の値を正確に測定する非常に精密な生化 を分析するもので、病院の検査室や検査の 学自動分析装置ですが、その裏には、我々が 専門機関などで広く利用されています。この 実に 40 年以上もの時間をかけて積み重ね 装置の設計・開発が私の担当業務。具体的 てきたノウハウが存在します。技術者がお客 には、お客さまや国内外の試薬メーカー、社 さまと真摯に向き合い、共に歩んできた歴史 内のマーケティング部門や営業といったさま が、製品の未来に光を当てるのだと感じてい ざまな方の意見を聞きながらの仕様調整のほ ます。 ています。 超精密技術の裏にあるもの につれ、より高性能の装置を必要とします。 グループの総合力を活かして 臨床検査技師さんたちはいま、限られた 場所と人数で非常に多くの検査を行うことを 余儀なくされています。しかし、彼らの本来 病院の臨床検査技師さんなど、製品を実 の役割は検査そのものではなく、そこで得ら 際に使われるお客さまが参加する学会やユー れた情報を正確に把握してドクターに伝え、 ザー会に出向き、製品をより適切に、便利 治療に活かしていくという部分にあるはずで に使うためのノウハウや技術情報をお伝えす す。 るのも大切な仕事です。同時に、そうした場 私はいま、大きな夢があります。部屋を含め でお客さまから得た声を機構系・ソフト系・電 た検査室そのものを自動化したソリューショ 気系の技術者に伝えることで、お客さまの期 ンの開発を通して、より質の高い医療の提供 待を超える製品を生み出しています。 に貢献すること。そんな夢も、検査装置だけ Takashi Nakasawa 2006年入社 理学研究科 化学専攻(博士後期課程)修了 休日は家族サービスのほか、テニス、キャンプ、 庭いじりなど、趣味にも多くの時間を割くように 心がけている。大学院時代からはまっているテ ニスは、現在、地元の社会人サークルで活動。 週末の試合にも積極的に参加している。 質の高い医療のために、検査室はどうあるべきか? マーケティングの核心は、ここにある “ イノベーションの種 ”を探して 現できると信じられるのです。 生化学自動分析装置は、健康診断などで か、市場のニーズやお客さまの要望などをふ 「お客さまをハッピーにする仕組み作り」 ではなく、システム、プラントなども取り扱う 日立グループの総合力があるからこそ、実 おなじみのコレステロールやγGTP、尿酸な まえつつ、次世代の製品の検討なども行っ 19 以前、お客さまからの意見をもとに装置の コア部品を設計したところ、お客さまに「期 医療の未来を見据えつつ、日々の課題に挑む の企業のハッピーにつながります。つまると そこで、我々は開発のヒントを得るべく、長 ころ、マーケティングとは、そうした「お客さま マーケティングには人によってさまざまな方 い時間をかけて研究者の元に何度も足を運 をハッピーにする仕組み」を作り出すことに 法があります。本やインターネット、ニュース、 び、何でも話し合える信頼関係を育てていく ほかならないのです。 市場データなど、さまざまな情報を集めて何 のです。 らかの結論を導き出すことも大切です。しか 2007年、ある研究者の全面協力を得て、 中沢 隆史 し、我々の扱う製品は狭い市場を対象として 特注の透過型電子顕微鏡「HD-2000 特」 科学・医用システム設計開発本部 います。イノベーションを繰り返し、製品自体 を共同開発しました。研究者の求める高解像 の持つ魅力を磨き上げることが最大の武器 度・高感度を実現すべく、部品交換など最高 になると私は考えているのです。 のコンディションにするための試行錯誤を、 私が担当する走査型電子顕微鏡は、半導 1年もの間繰り返し繰り返し行いました。開 体、自動車、化学、部品、金属、製薬、食品 発の成功は、研究者と我々の技術者の執念 などの各メーカーや大学などの研究機関で の賜物といってもいいでしょう。 広く使われており、現在でも世界トップクラ このときに培った技術は、次世代の製品 スのシェアを誇ります。しかし、私はこの製 「HD-2700」に受け継がれ、数多くのお客 品を、圧倒的なナンバーワン製品に育て上げ さまの研究や開発の質を向上させることに たい。そのために注力しているのは、代表 貢献しています。 的なお客さまである各 界のオピニオンリー ダーの声に耳を傾け、 “ イノベーションの種 ” を探し続けることです。 新製品の開発にかける執念 優れた製品が お客さまにもたらすもの 「いい仕事とは何か」。そう訊かれたら、私 は迷うことなく「お客さまをハッピーにする仕 それぞれの学界で顕著な功績を残している 事」と答えます。優れた製品は、お客さまの 研究者の方々は、研究の中身が高度になる 仕事に優れた成果をもたらし、それがお客さま 医用システム第一設計部 Hiroshi Kato 1987年入社 経済学部 経済学科卒 仕事の傍ら、地元の小学校のソフトボール部 の監 督を務める。「子どもが 卒 業 後にそれぞ れの道でリーダーになれるように、一人ひとり の 性 格に合わせた指 導を心がけています」。 卒 業 時の送 別 会では、子どもの成 長ぶりに 涙が止まらないという。 20 多岐にわたる期待に応え続けるための仕事と想い 商事統括本部 営業 事業スタッフ 事業活動の姿を明らかにする 営業部門が取引を行うと、会計上さまざま 小林 亮 工業材料営業本部 電子機材部 ひとつの数字が持つ意味や、いま取り組ん でいる仕事がゆくゆくはどんな形で事業に活 の姿を正しく把握できるよう、適切な形にまと かされるのかということを熱心に教えてくださ め上げていくのが私たちの役割です。 り、私もそれについていこうと必死に努力し 私は現在、ファインテックシステム営業本 ました。 部をはじめいくつかの部署を担当しており、 どんな仕事も、 一定期間腰を据えて頑張っ 入出金処理の確認、銀行や取引先からの入 てみないと、本当の面白さは見えてこないと 金の引当、決算に使用するデータの取りまと 思います。この仕事をしていると、取引の始 めなどに携わっています。 まりから終わりまで、一連の流れが把握でき この仕事では、営業の方々から会計処理 る。それに気づいたことが私の半年間の成果 について尋ねられることがよくありますが、数 でしょうか。こうした知 識を積み重ねれば、 ん。そのため、普段から密にコミュニケーショ ンを重ね、不明な点はそのままにしないよう に心がけています。 も異なる場所で働く経験はとても刺激にあふ 入社時は営業志望。会計に関する基礎知 ずです。当社では、入社3年目以上の社員を 識を持ち合わせていない上、数字に不慣れ 対象に、希望者を海外の現地法人に派遣す 30 度を超す真夏の体育館で、汗だくになり てよかった」。一人でも多くの人にそんな思 当社の商社機能の一端を担う我々の部署 ながら一つの羽根を追いかけること3時間。 いを持ってもらいたいので、人間力を高める では、太陽電池関連の部材を扱っています。 お互いにハードな交渉を乗り切った安堵感 努力はこれからも続きます。 我々のビジネスで特徴的なのは、一つのビ もあったのか、 「もうこれ以上動けない」と感 ジネスを基点として新たなビジネスを柔軟に じる頃には、すっかり意気投合していました。 伊藤 文恵 生み出していることです。日本から海外への その晩は、現地レストランで現地のビールを 財務本部 輸出、海外から日本への輸入といった従来 飲みながら、お互いのプライベートなことに 業務部 まな相談をし合えるような仲を保ち続けてい ます。 取引先との相互理解の きっかけとなった出来事 ビジネス・ジャッジの 最終的な鍵とは アメリカの大手メーカーに製品拡販中、評 「商社の付加価値とは?」。よく訊かれる質 価段階で不具合が発覚し、急きょ研究開発 問ですし、私自身も自問自答を繰り返してい 部門があるフィリピンへ飛んだことがありまし ます。部材のワンストップ化、物流システムの た。言語や文化の違いもあり交渉は難航し 構築、そうした目に見える付加価値が取引に ましたが、双方にとって納得のいく着地点を 求められるのはいうまでもありません。 しかし、 見つけ、何とか折り合いをつけることができま 入社して10年以上の月日が流れたいま思うの した。しかし、交渉相手の技術マネージャーと は、最終的なジャッジは、それを扱う担当者 心の底から理解し合えたと感じたのは、その の“ 人間力” がものをいうのではないかという 後のある出来事がきっかけでした。近くの体 こと。相手と心を通い合わせ、共に困難を突 育館で、一緒にバドミントンをやることになっ 破していくための“ 鍵 ”を見つける力といって れ、自分をさらに一回り成長させてくれるは 2011年入社 法学部 法律学科卒 留学経験はないが、学生時代はESSに所属 し、英語でディベートをこなしたほどの英会話 力の持ち主。同期とは普段から仲が良く、入 社して初めての長期休暇には、同期と台湾で 観光や足裏マッサージを楽しんだとのこと。 それが、周りとは一味違う“ 私の強み ”になる もいいでしょう。「あなたと一緒に仕事ができ ます。 があります。文化もビジネスに対する考え方 Fumie Ito 数字の裏側にあるビジネスの動きを的確に捉えること たのです。 まで話が弾みました。今でもこの方とはさまざ 成長できるフィールドを求めて 配属後の奮闘と そこで得た気づき 目には見えない“ 人間力 ”を、ビジネスの推進力に の枠組みを超えて、中国から北米へ、韓国 営業の第一線で働くこととはまた一味違う “ 私の強み ”になるはずです。 私には海外で仕事がしてみたいという夢 「あなたと一緒に仕事ができてよかった」 から中国へ、三国間取引も盛んに行ってい にも挑戦してみたいですね。 たね。でも、指導担当の先輩社員が、一つ なデータが発生します。それらが正しく処理 握していないと、的確に答えることができませ 従来の枠を超えて広がるビジネス る制度があります。いずれはそうしたチャンス 仕事を始めた当初は正直、かなり戸惑いまし されているかを確認し、企業全体の事業活動 字の裏側にあるビジネスの動きをしっかり把 21 で、電卓の操作も間違えてしまうほどでした。 Ryo Kobayashi 1998年入社 工学部 経営工学科卒 趣味はブラックバス釣り。「天候や風向きをどう 読むか、どんなルアーを使い、どう動かすかで 釣果の差は歴然となる。営業の仕事に似てい ますね」と小林。休日にはよい釣り場を求めて 全国各地を巡る。 22 新しく生まれる期待に応え続けるハイテクソリューション事業 事業創造企業として お客さまと共に 日立ハイテクには、これまで培ってきた技術力や世界に広がるネットワークがあり これらを最大限に活かすことで、他にはない強みが発揮されるのです。お客さまとともに歩 ます。成長していく過程で社員が身につけ、継承されてきたマインドがあります。 み、社会に貢献する、そんな日立ハイテクだからこそ切り拓ける新たな未来があります。 事業創造力はこう生まれる 徹底的に向き合うということ 日立ハイテクの技術力の進化はお客さまとともにありました。お客さまが求めるもの、世 商社とメーカーという二つの側面を併せ持つユニークな企業だから生まれる力があります。商事部門では、 これまで培っ てきた情報や人脈、優良な仕入れ先やノウハウ、ネットワークを活かし、世界の最前線で市場のニーズを読み切る。そ の情報をもとに、製造・開発部門へのフィードバックやこれから伸びるであろう市場の商材発掘、M&Aによる事業の統 合などで総合力の強化を行っています。製造・開発部門では、商事部門で収集したニーズを満たす製品を開発するた めに技術力の向上を図ります。それに加え、製品納入後のサービスにも注力しています。更なる要望を引き出すことで、 お客さまと 徹底的に 向き合う 界が求めるものを一つひとつ実現させることが、新しい技術の開発につながってきたの です。ニーズを把握し、機器の開発にあたることはもちろん、納入後のアフターサービ スで要望を引き出し、今後の開発に活かしています。このような、お客さまを中心に据 えたビジネスを展開することこそが、最先端の技術を最前線のお客さまのもとへ届け続 けることができる秘訣ともいえるでしょう。 さまざまなお客さまのニーズに応える製品開発を行っていくことができるのです。また、ハイテク・ソリューション事業にお けるグローバルトップを目指すためには、他社との差別化を図る一手が必要です。そこで、商材と製品を組み合わせた システムを開発し、ワンストップ・ソリューション型の新たなビジネスを実現していきます。このように各機能、各事業部、 各職種を有機的に連携し、さらに日立グループの総合力を活用することで、 「事業創造力」が生まれてくるのです。 社会と 徹底的に 未 来 向き合う 日立ハイテクでは豊かな社会の実現のため、社会的責任を全うすることを大切にしてい ます。環境の保護という観点から、①生態系の保全を目的とした育林活動や清掃活動、 ②グループ会社が再生可能エネルギーを導入、などの取り組みをしています。その結果、 「第14回 環境経営度調査」商事部門で 8年連続1位を獲得しています。 技術がまだ見ぬ世界を切り拓く 23 24 商材を安定して供給 ニーズ・シーズの発掘・情報共有 技術開発力 事業創造力 開発技術を横展開し、製造や サービスに活かす グローバル ソーシング力 製品を世界各地へ販売 製造・ サービス力 お客さま グローバル 営業力 徹 底 的に顧 客 第一主 義を貫 く 社 会 社 会の発 展と自 然との調 和 商 社 メーカー 「日立ハイテクやさとの森」育林活動 日立グループの総合力 再生可能エネルギーを導入した 日立ハイテクノロジーズヨーロッパ会社 太陽系の起源を微粒子の解析から 太陽光発電システムのビジネス基盤をインドネシアで 昨今では、企業の利益を求めると同時に低所得者層の生活水準向上に貢献 2010 年 6 月オーストラリアのウーメラ実験場へ「はやぶさ」から分離したカプセルが着陸。人々はその中身に注目が集まった。しかし、中身 する BOP(Base Of the Pyramid)事業に注目が集まっている。日立総合研 の回収、分析には世界最高峰のキュレーション技術が必要だった。2003 年 5月に「はやぶさ」は打ち上げられたが、その2年前からサンプ 究所との共同提案によりインドネシアにて無電化村落での太陽光発電システム ルの受入れ、一連のキュレーション作業を実施するための設備検討は始まっていた。この作業を完遂に導いたのが日立ハイテクである。10 を構築する BOPプロジェクトが動き出した。このプロジェクトの特徴は、装置の μmの微粒子を回収、分析するために、大規模クリーンルームの構築、高純度窒素ガスを制御す 納入だけでなくシステムの設置や稼働後の管理運用の仕組みなどを現地社会で るクリーンチャンバーや、高純度窒素ガス雰囲気を制御する電界放出形走査電子顕微鏡の設置 作るところまでフォローを行うこと。そうすることで、現地での雇用を生み出し、 など日立グループの技術力の粋を集めた。結果、「はやぶさ」が回収した微粒子は「イトカワ」 人材が育っていくのである。現在ではメガワット大規模太陽光発電所の建設に のものであることが明らかになった。現在もこれからも科学技術の発展に欠かせないのが、研究 向けた調査や水環境ソリューション事業の計画などのビジネスが動き始めてい の第一ステップとして非常に重要な「計測」という技術。世界で初めて月以外の天体から持ち る。世界へ視野を向けている日立ハイテクだからこそ、このようなビジネススタイ 帰る試料の計測という、世界的なプロジェクトの一端を担えたのは、まだ見ぬ世界を明らかにす ルに気付くことができ、同時に社会への貢献も可能になるのである。 るという強い意志のこもった日立ハイテクの最先端技術があったからである。 太陽光発電システム(右)と浄水装置(左) 「はやぶさ」功労者感謝状贈呈式の様子 これからの期待に応え続ける新しい想い 学生時代に実験でたくさんお世話になった機器を、 ナノスケールの技術力を身近に 未来の学生のためにより良いものにしたいと思ったから。 感じることができると思った。 最先端の現場で働き あらゆる期待に応えること 世界をリードしたい。 最先端の技術を これまで学生時代に研究してきたことを 人のために活かしたい。 活かして働けると感じたことが一番です。 それが最先端であることの意味 世界中の人々に幸せを届ける ハイテクのグローバルな グローバルに働くことができる。 展開に魅力を感じました。 これに尽きると思います。 さまざまな期待を超えること グローバルに活躍できる 「人財」になりたい。 それが最先端であることの価値 日本と世界をつなぐ、 大学院での研究の 世界中をつなぐ、 内容に近いから。 それが私の夢です。 「一緒に働こうよ」 日立ハイテクの歩む道がそこにある そう先輩社員に 言われたのが決め手です。 自分の仕事を誇りに思える かっこいい人間になりたいです。 世界を相手にしながら自分も成長していきたいです。 日立ハイテクへの入社を決めた理由 内定者の声 これから社会へ出ようとする内定者たち。さまざまな企業がある中から、 何を感じ何を考え日立ハイテクという会社を選んだのか、 25 どんな夢を持って日立ハイテクへ入社するのか。 その他: 3% 26 世の中に貢献: 3% 皆さんに一番近い立場の内定者の声から 商社 ×メーカー: 5% 会社概要 日立ハイテクを感じ取ってみて下さい。 グローバルな フィールド 34% 社風・社員 15% 工場見学で感じた 世界に誇れる技術力を 製品の高い技術力と技術者魂。 持っていること。 刺激的な職場が 技術力があれば、 待っている気がしています。 学生時代の 経験を活かす 12% 技術力 28% 国境は関係ないと思います。 商社機能とメーカー機能を持っているところ。 会社全体で これからの可能性と、他社ではできない何かができそうな気がしました。 商 号 :株式会社日立ハイテクノロジーズ Hitachi High-Technologies Corporation 設立年月日 :1947 年 4 月12 日 本社所在地 :〒105 - 8717 東京都港区西新橋 1丁目 24 番 14 号 代 表 者 :代表執行役 執行役社長兼取締役 久田 眞佐男 資 本 金 :79 億 3,848 万円( 2011年 3月31日現在) 売 上 高 :6,534 億 3,100 万円(連結) (2011年 3月31日現在) 従 業 員 数 :4,325 名(2011年 3月31日現在) 事 業 所 数 :世界 27ヵ国 ・国内 26ヵ所 ・海外 56ヵ所(2011年 3月31日現在) グローバル展開を 採用担当 推進しているから。 日本の技術力を 世界に見せつけたい。 目指すは 技術力の高さに惹かれました。 世界のハイテク。 世界でもトップレベルを誇る環境に身を置いて、 自分も磨いていきたいです。 社員の方々がとても優しくきさくな方が多く、一緒に働きたいと思った。 色々なことを先輩方から吸収して、一人前のエンジニアになりたいです。 〈 営業・事業スタッフ職、その他全般 〉 ■東京人事勤労部 人事・採用グループ 電話:03-3504-7044 FAX:03-3504-5290 http://www.hitachi-hitec.com/recruit/new_graduate/index.html 〈 エンジニア職 〉 ■那珂総務部 企画グループ 電話:029 - 276 - 6140 FAX:029-273- 2199
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