桐生ファッションタウン大賞 大澤 紀代美 氏

桐生ファッションタウン大賞
横振り刺繍作家
大澤
紀代美
氏
《活動の概要》
刺繍をするため
の専用ミシンを横
振りミシンといい、
大澤さんはこのミ
シンを駆使して美
術刺繍を手がけて
いる。
精緻な肖像画や
宗教画などは大澤
さんが切り開いた
分野であり、全国屈
指の刺繍産地・桐生
の中で伝承されて
きた職人の技を芸術の域にまで高めた人である。
17歳でミシン刺繍と出会い、画家志望ながらこの道に。昭和50年に桐生市内で業界初の
個展を開き、 作家 としての地歩を固めた。山本寛斎氏や小西良行氏らが発表するコレクシ
ョン作品の刺繍を担当し、その絵画的な刺繍の魅力が海外で大きな反響を呼んだ。「群を抜い
て高い水準を保ち、日々自己のエネルギーを刺繍に向けている稀有な作家」と米国のジャーナ
リストは評した。平成5年には日本航空や糸のメーカーの後援により「糸の出会い展」を開催、
パリのデザイナーたちを驚かせた。海外での評価は高まる一
方である。
横振り刺繍の技術の習得には5年から10年はかかると
言われ、後継者の育成は大きな課題だが、大澤さんは昭和5
5年に職業訓練指導員の免許を取得し、桐生だけでなく全国
各地で積極的な後進の指導・育成にあたっている。
「桐生は人を生み出すまち」と大澤さんは語るが、自身が
桐生の刺繍業界のなかで、その境地と活動は高みに達し、光
彩を放つ。卓越技能士、褒章受章と輝かしい経歴をもち、 も
のづくりのまち桐生 を推進していく上でのキーマンである。
(大澤氏の写真は群馬県発行「ぐんま現代の名工」より転載)
《賞状文面》
光彩を放ち
創造性に富んだ刺繍を織り成す
その精神と匠の技を称え顕彰いたします