Fluox co. Technical Note #4 流水路の 流水路の連結と 連結と流路係数 管やバルブのような一定の抵抗のある機器を通って水が流れるときの水量を Q,機器の入口 と出口の圧力差をΔP,水路の流路係数を k とすると, Q = k ∆P (1) という関係式が成立すること,これが電気回路におけるオームの法則(電流 i ・電圧 V・ コンダクタンス G, i = G・⊿V )にあたることを Technical Note #1 で紹介しました. さて,実際の電気機器が抵抗一個で構成されることはありません.かならず,複数個の要 素で構成されます.水路もおなじです.すなわち,抵抗を直列に配置した場合や,並列に 配置した場合の,水路全体としての抵抗がどうなるのかを計算できなければ適用できる範 囲はきわめて限られたものになります. まず,並列配置の場合を考えてみます.図 1 のような水路を想定します. 抵抗 1 k1 → Q1 Pf Pi 抵抗 2 → Q2 k2 図.1 抵抗が並列配置された水路 並列に配置された流路係数を k1 の抵抗1の抵抗両端の圧力差をΔP(ΔP=Pi -Pf )とす るなら,これを流れる水量を Q1 は式(2)で表せます. Q1 = k 1 ∆ P (2) 流路係数 k2 の抵抗2についても, Q 2 = k 2 ∆P (3) したがって,合計では Q Total = Q1 + Q 2 = k 1 ∆ P + k 2 ∆ P = ( k1 + k 2 ) ∆ P (4) となります. 抵抗の数が3個以上になっても同様に計算できます.すなわち, Q Total = Q1 + Q 2 + L + Q n = ( k1 + k 2 L + k n ) ∆P 無断転載はご遠慮ください (5) - 1/2 - Fluox co. Technical Note #4 流水路の 流水路の連結と 連結と流路係数 次は,直列配置の場合を考えてみます.図.のような水路になります. 抵抗 1 Pi k1 抵抗 2 Pm → Q1 k2 Pf → Q2 図 2 抵抗が直列配置された水路 計算の都合上,抵抗 1 と抵抗 2 の中間の水圧をPm とします.このとき,まず,抵抗 1 を流 れる水量 Q1 は式(6)で表せます. Q1 = k 1 Pi − P m (6) 抵抗 2 を流れる水量 Q2 も同様に, Q 2 = k 2 Pm − P f (7) 定常流であれば Q1 = Q2 ですから,この関係を上 2 式に適用し,Pm を消去すると, Q= k 12 k 22 k 12 + k 22 ∆P (8) となります.抵抗の数が3個以上になっても同様に計算できますが,(5)ほど単純にはな りません.3個の場合だけを示しておきます. Q= k 12 k 22 k 32 k 12 k 22 + k 22 k 32 + k 32 k 12 ∆P (9) というわけで,電気回路と同じく並列,直列に配置された管路を流れる水の量を流路係数 で計算しえることが分かりました. 問題は,これの意味するところで,現実をどう把握するかということです. 重要なのは直列に配置された抵抗です.普通の配管システムはさまざまな機器が直列に配 置されて構成されています.たとえば屋内配管で水道管を取り回すにあたってエルボーは それなりの抵抗になります.1 個のエルボーの流路係数を1とした場合,3個のエルボーを 用いると,式(9)から明らかなように,流路係数は 0.6 程度になります.同じ口径のエル ボーを用いても複数個を直列に配置すると流量は大きな影響を受けるのです. 無断転載はご遠慮ください - 2/2 -
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