米国新車販売と自動車ローン - 野村アセットマネジメント

ご参考資料
2016年3月28日
米国新車販売と自動車ローン
ポイント① 米国新車販売は堅調に推移
2015年の米国新車販売台数は1,722万台と、2008
年のリーマンショック以降の大幅な落ち込みから巡航速度の
レベルに概ね回復しました。
米国の新車販売台数は、1980年頃のオイルショック時、
1991年の湾岸戦争時、そして、上述した2008年のリーマ
ンショック時のような著しい経済危機においては1,000万台
前後まで大幅減となりましたが、通常の経済状態では
1,600万台前後で推移してきた市場で、リセッション等で多
少落ち込んでも1,500万台程度は期待できる市場です。
ポイント② 自動車ローン組成額は健全に増加中
リーマンショック以降の新車販売回復局面では、新車販
売台数の増加に伴い自動車ローン組成額(新車+中古
車)も増加しました。2009年頃には四半期あたり600億
米 ド ル 台 ま で 減 少 し ま し た が 、 足 元 の 2015 年 に は 同
1,400~1,500億米ドル程度に回復しています。
自動車ローン組成額の回復に合わせ、信用度が低いサ
ブプライム向け自動車ローンも増えており、こうした現象を懸
念する声も聞かれ始めています。しかし、自動車ローン組成
額全体に占めるサブプライム比率は、足元では35~40%
程度であり、リーマンショック前の2006年頃に記録した
45%程度と比較すれば健全な水準にあります。
ポイント③ 米国家計の債務返済負担は低水準
一方、米国家計による債務返済負担(返済+利払い
等)は低水準で推移しています。可処分所得に占める債
務返済負担額の割合は、足元では10%程度となっており、
リーマンショック前の2007~2008年頃に記録した13%前
後に比べれば負担が低い状態となっています。
債務返済負担が低い要因はFRB(米連邦準備制度理
事会)による金融緩和の影響で、金利水準が低位に留
まっているためです。昨年末にFRBは利上げに転じたものの、
今後の利上げペースは緩やかなものであると予想されており、
すぐに負担が急増するリスクも低いと考えられます。
図1:米国新車販売台数の推移
2,000
1,800
1,600
1,400
1,200
1,000
800
600
400
(万台)
期間:1980年~2015年、年次
1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015
(年)
(出所)Bloombergデータより野村アセットマネジメント作成
図2:クレジットスコア別の米国自動車ローン組成額
期間:2004年~2015年、四半期
660+
620-659
<620
サブプライム比率(右軸)
(10億米ドル)
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
50%
45%
40%
35%
30%
25%
2004
2006
2008
2010
2012
2014 (年)
20%
(注)クレジットスコア660未満(赤色と橙色)がサブプライムローン
(出所)FRBNY Consumer Credit Panel/Equifaxデータより野村アセットマネ
ジメント作成
図3:米国家計による債務返済額(返済+利払い等)
の可処分所得に占める比率
14%
期間:1980年~2015年、四半期
13%
12%
11%
10%
9%
(年)
8%
1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015
(出所)FRBデータより野村アセットマネジメント作成
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