ブラジルの政策金利引き下げについて

ご参考資料
2016年10月20日
ブラジルの政策金利引き下げについて
ポイント① 政策金利を14.00%に引き下げ
10月19日(現地時間)、ブラジル中央銀行は金融政
策決定会合において、政策金利を0.25%引き下げ、年率
14.00%とすることを決定しました。
市場の大半は今回の利下げを予想していましたが、利下
げ幅は0.25%か0.5%かで見方が分かれていました。利下
げは2012年10月以来、約4年ぶりとなります。
ポイント② 利下げサイクルの始まりを示唆
図1:政策金利の推移
(%)
16
14
12
10
8
今回の決定の背景には、ブラジルのインフレ鈍化や財政
改革の進展などを受け、同中銀が挙げていた利下げの条
件が揃ったことがあります。
同中銀は前回の金融政策決定会合で、利下げの条件と
して、食料インフレのインフレ率全体への影響が限定される
こと、経済改革の議会承認と実行に対する不透明感が低
下することなどを挙げていました。
9月のインフレ率は、前年同月比8.48%と、今年1月に
ピークをつけた後、低下傾向にあります。また、同国の議会
下院において、財政支出に上限を設ける法案が可決され、
テメル大統領が打ち出す財政緊縮策の追い風になるとみら
れています。
同中銀は今回の金融政策決定会合後の声明で、同中
銀の2016年のインフレ予想が7.0%と、前回のインフレ報
告書から低下した点を指摘し、「インフレ率が2017年と
2018年の目標の4.5%に収斂していくことと、金融政策の
緩やかで段階的な緩和は両立できると判断した」と説明し
ています。
ポイント③ ブラジルレアルは小幅上昇
10月19日のニューヨーク外国為替市場では、対米ドルで
前日比0.6%程度のブラジルレアル高、対円で同0.2%程
度のブラジルレアル高となりました。
今後の金融政策について、同中銀は利下げの幅やペース
は、インフレ目標達成をより強く確信させる要素次第として
います。また、ディスインフレが加速した場合や財政緊縮策
の議会承認が進んだ場合、利下げのペースを加速させる可
能性があると指摘しています。
重要
イベント
11月9日
拡大消費者物価指数(10月)
11月30日
GDP(国内総生産、7-9月期)
11月30日
金融政策発表
期間:2014年1月1日~2016年10月19日、日次
14/1
14/7
15/1
15/7
16/1
16/7
(年/月)
図2:拡大消費者物価指数(前年同月比)の推移
(%)
12
期間:2013年12月~2016年9月、月次
10
8
6
4
13/12
14/6
14/12
15/6
15/12
16/6
(年/月)
図3:為替レートの推移
期間:2013年12月31日~2016年10月19日、日次
(円/ブラジルレアル)
(ブラジルレアル/米ドル)
50
1
ブラジルレアル高
40
2
ブラジルレアル安
30
20
10
13/12
3
4
対円(左軸)
対米ドル(右軸、逆目盛)
14/6
14/12
15/6
15/12
5
16/6
(年/月)
(出所)Bloombergデータより野村アセットマネジメント作成
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