石油コンビナート災害から労働者と住民を守るために

石油コンビナート災害から労働者と住民を守るために
日本共産党神奈川県委員会の緊急提言
2012 年 2 月 15 日 日本共産党神奈川県委員会
東日本大震災では、大規模な地震動や土壌の液状化および津波が発生し、市原市の液化石油ガス(LPG)タ
ンクの爆発事故や仙台市でのタンク火災など、東日本各地のコンビナート地区に甚大な被害をもたらしました。
震源から離れていた神奈川県内でも、見逃すことのできない被害が発生しています。京浜臨海部の東扇島
(川崎市川崎区)では 4,000 ㎡にわたって液状化がみられ道路や公園に被害が発生、護岸が約 20cm 海側にせ
り出しました。
川崎市が行ったアンケート調査では、7社が「液状化現象が発生した」と答えています。また、消防局の報告に
よれば 16 基のナフサ・ガソリンなど危険物屋外タンクが破損、タンク屋根への溢流(いつりゅう)がみられました。
横浜市のアンケート調査でも、液状化は4事業所、護岸・係留施設への被害7事業所9件、うち1件は「大規模
な被害」となっています。
小規模な災害からでも被害が連鎖的・同時多発的に拡大する、また可燃物・毒物・放射性物質等による複合
的災害が起こりうる̶̶̶東日本大震災を経験した今、こうしたコンビナート地区に特徴的な大災害への対策がい
よいよ求められています。日本共産党は、大規模地震・津波時でも火災や危険物漏えいを未然に防ぐ予防策と、
万一の場合の消防・避難等の応急対策を抜本的に強化し、石油コンビナート災害から労働者と住民の命を守る
防災政策への転換を求めます。
1. 待ったなしのコンビナート災害対策
(1) ぼう大な危険物が集積する神奈川県内の石油コンビナート地区
神奈川県内には、京浜臨海地区、根岸臨海地区、久里浜地区の3つの石油コンビナート地区があり、多種多
様な危険物・高圧ガス等が大量に集積・貯蔵されています(表)。
このうち京浜臨海地区は、川崎市川崎区と横浜市鶴見区、神奈川区にまたがっており、面積 3,500ha(川崎市
域 2,407ha、横浜市域 1,093ha)、76 の特定事業所(石油精製、化学、鉄鋼など)が所在しています。また根岸臨
海地区は、敷地面積 634ha に8の特定事業所が所在し、両地区とも住宅市街地と非常に隣接しています。
3地区全体では、ナフサ(粗製ガソリン)など石油類の危険物が貯蔵・取扱量 1,414 万㎘で全国の 7.7%(タンク
数 2,388 基)、液化石油ガス(LPG)などの高圧ガスは処理量 18.2 億 N ㎥で全国の 13.8%を占めており(タンク
数 302 基)、京葉地区も含めれば、それぞれ 18.8%、32.5%もの危険物が東京湾岸に集中しています。
また、液化天然ガス(LNG)を含む「高圧ガス以外の可燃ガス」の処理量は 14.5 億 N ㎥)、その他にも猛毒の塩
素ガスや毒性・発がん性のあるアクリロニトリルといった毒物・劇物、そして放射性物質などが存在します。
(2) 東日本大震災で明らかになったコンビナート地区の危険性
① 8割の事業所が液状化対策を実施せず
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今回の大地震では、液状化による土壌の側方流動(地盤が水平に移動すること)が、施設・タンクの損壊や配
管の破断等をもたらすものとして非常に危険視されています。
液状化の被害については、JFE スチール東日本製鉄所京浜地区(川崎市川崎区、横浜市鶴見区所在)では、
500 ヵ所以上にも及ぶ液状化や陥没が起こり、通行止めや立ち入り禁止になったといわれています。川崎・横浜
2市の調査(2011 年)によれば、液状化対策を実施していなかった事業所が8割前後(川崎市 79%、横浜市
86%)、護岸・係留施設の耐震補強工事が行われていない事業所が未だ半数を超えています(川崎市 60.5%、
横浜市 76%)。
作成から2年後にようやく公表された国土交通省関東地方整備局の報告書(「臨海部の地震被災影響検討委
員会報告書」、2009 年 3 月)によれば、京浜臨海地区で震度6強以上の地震が起きた場合、埋め立て地の液状
化による側方流動で護岸が9メートル以上も水平に移動し、護岸から 50m 以内のタンクでは破断や漏えい等の
被害が発生すると予想されています。
② 危険物タンクの耐震化の遅れ
コンビナート地区の火災・爆発・危険物漏えいを防ぐ上で、施設・タンクの耐震化が完了していないことも重大
です。震度5強だった川崎市では、浮き屋根(落とし蓋のような屋根)式屋外タンクで地震時のスロッシング(液面
が揺れ動くこと)によってタンク屋根への流出等の被害が生じました。浮き屋根式屋外タンクの耐震化率(耐震化
等の新基準適合)は川崎市で 21.9%、横浜市で 22.4%にとどまっており、基準適合期限は 2017 年となっていま
す。
県が作成した「神奈川県石油コンビナート等防災計画」(2009 年3月、以下、「県コンビナート防災計画」と略
記)でも、長周期地震動により京浜臨海地区で 102 基の浮き屋根式屋外タンクで溢流が予想され、そのうち引火
点の低い第1石油類を貯蔵するタンクでは、浮き屋根が沈降した場合に全面火災となる可能性が高く、83 基の
タンクがこれに該当するとしています。
さらに、タンクが壊れた場合に油の受け皿となる防油堤は、容量の基準が堤内の一番大きいタンクの 110%と
なっており、複数のタンクが破壊された場合には油の海への流出を防ぐことができません。
③ 津波被害への対策はわずか16%
今回の大地震による津波は、京浜臨海部のコンビナート地区で働く労働者に大きな不安をあたえています。
2011 年3月 11 日には横浜で 1.6mの津波を観測、神奈川県はこれまでの津波浸水予測を見直し川崎・横浜で
最大4m超の予測を発表しました。
東日本大震災ではこの高さの津波でも、実際に危険物の漏えいや火災などの被害が発生しています。
JX 日鉱日石エネルギー仙台製油所では、タンク底板から約 3.5m の津波が到達した臨海部石油タンク付近で
多数の配管の折れ曲がりや危険物の漏えいが発生しました。同製油所内別エリアの屋外ガソリンタンクでは津
波を原因とする火災も発生し、焼損しています。津波によって漂流物が配管に当たり、そこから内容物がもれて
引火した可能性が指摘されています。また防油堤では、津波の高さが 3m以上 5m未満でも鉄筋コンクリートおよ
び盛土等の防油堤3件で亀裂や崩落等が発生し、いずれも「使用に支障」のある被害でした。
さらに気仙沼市では、市街地の鹿折(ししおり)地区で約 10ha もの大規模な延焼火災が起こりました。津波によ
って石油貯蔵タンクから石油が漏えいし、それらが波に乗って住宅地に流れ込んで火災が拡大するという、「津
波火災」であったと考えられています。
しかし津波への対策を実施していた事業所は、県の調査(2011 年)によればわずかに 16%(13 事業所)でした。
しかもその多くは「津波警報発令時の情報連絡体制」「避難場所を定めている」といった運用面(ソフト面)の対
策で、施設面(ハード面)での対策を実施していたのは2事業所だけでした。
④ 「県コンビナート防災計画」の「被害想定」はきわめて不十分
以上のような危険性が明らかになっているにもかかわらず、「県コンビナート防災計画」の「災害想定」は、きわ
めて不十分なものです。「県コンビナート防災計画」は、(ア)事業所の敷地内で収まる程度の災害(例えば危険
物の「防油堤内流出」)では防災「対策を検討しておくべき」だとする一方で、(イ)事業所の敷地を越える広域な
災害については「発生する可能性が極めて小さ」いため「対策を講ずることが望ましい」と述べるにとどまってい
ます。つまり県の被害想定は、 事業所の敷地を越えた大規模なコンビナート災害に対して、自治体や事業所が
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防災政策を準備しておく義務はない と言っているのと同じです。
しかし、 発生確率が低い災害へは対策を講じる義務はない という考え方は、とくに今回の東日本大震災を経
験した今、すでに破綻しています。コンビナート地区における大災害を、今度こそ現実に起こりうる災害として想
定しなければなりません。
⑤ 「自主保安」の名による安全基準の規制緩和
3 月 11 日に発生した千葉県市原市の液化石油ガス(LPG)タンク爆発では、火災発生後計5回の爆発が起き、
17基全てのタンクへ延焼しました。また長さ 1.8m の鉄板が 6.2km飛散し、隣接する劣化ウラン保管庫の屋根も
焼け落ちるなど、まさに連鎖的で複合的な大災害となる可能性がありました。液化石油ガス(LPG)が漏れ出した
3ヵ所のうち1ヵ所は高圧ガス保安法に違反し緊急遮断弁が「開」状態で固定されていました。このため事業者自
ら法定検査ができるとされた「認定完成・保安検査実施者」の認定が取り消されています。
高圧ガス保安法の改定に伴い、定期点検の周期が延長され、また義務づけられた行政の立入り検査から自主
的な保安点検の届け出へと規制緩和されたことが、被害の拡大をもたらしたことは重大です。
2. あらゆる石油コンビナート災害から労働者と住民の命を守る、四つの緊急対策を
さまざまな危険が想定されるコンビナート災害から全ての労働者・住民の命を守るためには、小手先の対策
では不十分です。日本共産党は、被害予測・予防対策・応急対策・災害遮断での四つの抜本的な防災政策
を提言します。
【1】 被害予測 地震津波被害予測を抜本的に見直し、労働者・住民が参加した安全総点検運動をすすめる
現行の「県コンビナート防災計画」では、地震時(短周期地震動)の場合、防油堤内流出事故などの発生確率
は「1千施設で1件以上」(1/1000)と低く見積もっています。しかし危険物屋外タンクだけでも 2,478 ヵ所ある県下
のコンビナート地区では、1ヵ所でも大規模事故が起こればたちまち周辺に広がり、大災害になることは明らかで
す。
長周期地震動による被害想定でも「最大規模では、防油堤内の広い範囲で流出火災となる」としています。県
は、災害想定の見直しを「消防庁から新たなアセスメント手法が示された際に実施」するとしていますが、最大規
模の地震・津波を前提にして災害想定を見直さないかぎり十分な対策は立てられません。災害想定の抜本的な
見直しを早急に実施するよう求めます。
① 災害想定においては、科学的知見と過去の大地震・津波を踏まえ、最大規模での地震を前提とした地震
動・液状化・津波の各被害を想定する。
② 危険物、高圧ガス、液化天然ガス(LNG)、毒物・劇物等の所在等を明らかにしたコンビナート・ハザードマッ
プを作成し、情報を分かりやすく公開する。
③ コンビナート地区の労働者と地域住民が参加した「安全総点検会議」を設置し、立入権限を与えて危険施
設や避難経路などの具体的状況を総点検し、改善策を徹底して推進する。
【2】 予防対策 護岸や構造物(危険物タンク・防油堤等)での耐震化・耐津波化を万全にする
巨大地震と津波の発生時には、護岸と構造物が破壊されることで危険物等が流出し、火災や爆発・有毒ガス
の漏えいなど、コンビナート地区内外に大災害がもたらされる危険性があります。日本共産党は、危険物等の施
設外への流出を防ぐために、護岸ならびに危険物タンク・防油堤等の耐震化や耐津波化を早急に実施すること
を強く求めます。
(1) 護岸対策
① 護岸の抜本的・総合的な整備にあたって、液状化を想定した耐震基準を設けるとともに、工法や官民での
費用負担のあり方を早急に検討し、コンビナート地区の全ての護岸を耐震化する。
② 側方流動を防止する耐震化(矢板鋼板等による護岸の耐震補強や地盤改良等)を行う。
③ 津波の高さと衝撃に耐え危険物の流出を防げるよう、堤防を強化するとともに、防油堤では鉄筋コンクリート
と盛土とを併用した構造とするなど、耐震性補強と津波対策を推進する。
(2) 危険物タンクや防油堤等における期限を区切った耐震化等を早急に実施し、耐津波対策についても早急
に具体化する
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① 開放点検義務のない小型タンクも含めた全てのタンクの開放点検や耐震化、浮き屋根式屋外タンクを新法
基準につくりかえる耐震化を、各事業所で 2012 年度から 13 年度の早い時期までに緊急実施させる。
② 省令改正を行い、浮き屋根式屋外タンクに屋根を設置するインナーフロート化を早急に実施させる。同時に
タンク爆発防止のため、屋根と浮き屋根板の間にチッ素等の不活性ガスを封入する。
③ 東日本大震災をふまえ、消防法等で耐震震度6に設定されている施設・タンクの耐震基準を引き上げる。
④ 石油タンク防油堤内全てのタンクが破壊されても海に流れ出さないよう、防油堤の容量基準を見直し、同時
に、区画をより細分化させる。当面、防油堤内で保持可能な容量をタンクに入れる液体の限界とさせる。
⑤ 津波が危険物漏えいと大規模火災を引き起こす危険性をふまえて、津波想定、避難対策、タンク・施設の
耐津波基準の設定と実施等、抜本的な津波対策を具体化する。
⑥ 工場設備の緊急制御に必要な中央制御室や構内配電設備、非常用発電機などが津波浸水の影響を受け
ないか総点検し、必要に応じて設置場所を移動させ、防水扉などを設置させる。
(3) 危険物タンク・施設の安全性を確保するため、規制が緩和されてきた保安点検のあり方を見直し、行政の
タテ割りを解消する。
① 規制緩和によって施設・タンク等の保安点検が自主的な届出となっている方式をあらため、行政による定期
的な立入り検査を義務づける。
② 石油コンビナート等災害防止法の法改正を行い、事業者に液状化被害の報告を義務づける。
③ 液化天然ガス(LNG)に対する規制を石油コンビナート等災害防止法にも位置づけさせ、LNG への規制を
抜本的に強化する。
④ 安全規制に対する行政の公的責任を明確にするとともに、危険物は川崎市・横浜市、高圧ガス施設は神奈
川県、液化天然ガス(LNG)については国が、それぞれ監督するといったタテ割りを改め、国、県、市が一体
となって危険物タンク・施設の安全確保にとりくむ。
(4) 日本の安全基準の適用外となっている米海軍鶴見貯油施設について、国内法を適用するよう要求する。
その実現までの間、異常事態を迅速にキャッチする監視体制を国または県に設ける。
【3】 応急対策:労働者と住民の命と安全を守る消防体制と避難対策を
コンビナート地区での大規模災害の発生時には、県や市が公的な責任を果たしながら、官民の総力をあげた
消火・鎮火と避難にとりくみ、全てのコンビナート地区労働者と近隣住民の命と安全を守らなければなりません。
(1) コンビナート地区労働者と近隣住民の安全確保のため、コンビナート防災の専門性を備えた公設消防力を
強化するとともに、公設消防と自衛消防・共同防災組織とが効果的に連動できるようにする。
① コンビナート防災に対して公設消防が必要な役割を担えるよう、消防車輌・消防艇・他消防資機材および人
員を増強する。コンビナート地区内各島について一定の配備エリアを検討の上、各区域に対応した公設消
防の増強をすすめる。
② 公設消防と自衛消防・共同防災組織とがそれぞれの専門性を生かして連携できるよう、相互に人的交流を
行い、情報共有や共同訓練等の日常的な連携強化をはかる。
③ 県・横浜市・川崎市が一体となってコンビナート災害を熟知した専門の防災・消防部門を設ける。一定の公
設の装備と人員を配備し、企業に防災の責任を果たさせつつ、日常的に自衛消防・共同防災組織と一体と
なって特別な訓練を行うシステムを検討する。
(2) あらゆるコンビナート災害に対応したコンビナート地区労働者と近隣住民との避難場所・避難経路の確保、
ならびに的確な避難指示の伝達も含めて、避難計画を確立する。
京浜臨海地区には 11 の島があり、それぞれが内陸部とは橋1本だけでつながっています。この橋が破壊され
たり、運河が火の海となった場合、陸の孤島となって労働者が逃げ場を失うことが心配されます。
しっかりした避難路の確保と避難対策の確立は、緊急の課題です。
① コンビナート地区労働者の避難については、災害の様々な状況に対応した避難経路・避難場所へ誘導でき
る避難計画と誘導体制を確立する。
橋・トンネル・海路等、各島からのあらゆる避難路の安全性確保や整備を実施する。緊急時に他事業所敷
地内を横断できる措置をとるとともに、労働者の避難と海上脱出のために、各人工島の護岸に道路を敷設
する。
② 全面火災や爆発、有毒ガス漏えい、運河一面が火災となるプール火災、津波浸水など最悪の事態の際に、
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労働者が緊急に避難でき危険から身を守ることができる機能をもった避難場所(防災シェルター、避難タワ
ー等)を各企業の責任で各職場へきめ細かく設置させる。各職場に酸素マスク、防災ヘルメットなど、緊急
の場合の救命器具を備えさせる。
緊急避難の後、人工島から内陸側への避難に橋・トンネル等が使えない場合を想定し、(ア) 内奥運河の
埋め立て等による防災遮断策(次項【4】に記載)を検討し陸続きの避難路を確保する、(イ) 陸続きにできな
い扇島・東扇島などでは、海側へ避難できるよう海路(船)や空路(広域防災拠点等のヘリポート活用)等を
検討する。
③ 近隣住民の避難については、近接する事業所が取り扱う危険物に対して避難場所と経路が適切であるか
総点検を行い、行政の責任で実態に合った避難計画を早急に策定する。また、コンビナート地区労働者の
避難も想定して、各避難場所が十分な広さや施設、救援物資等を備えているかも調査し、その必要に応じ
て避難場所を再編する。
【4】 災害遮断:コンビナート地区と市街地との分離、災害拡大の遮断を
市街地と隣接している県下のコンビナート地区で災害が発生した場合、さまざまな危険物による災害を市街地
へ拡大させない一つの根本的な方法は、コンビナート地区と市街地とを分離・遮断することです。
① 近隣市街地への火災や有毒ガス漏えい、津波火災等の拡大を防ぐため、コンビナート地区と市街地を分離
し災害を遮断する対策の早急な具体化をはかる。防災遮断帯や遮断壁等を設置する、コンビナート地区と
市街地との間にある内奥運河や道路・鉄道を耐震性や防潮堤機能を備えた盛り土構造とするなど、災害遮
断のための抜本的な対策を検討すること。
② コンビナート災害遮断の対策では、労働者の内陸部への安全な避難が保障されなければならない。災害遮
断の対策では、コンビナート地区からの労働者の安全な避難路を確保すること。
おわりにー人命・安全最優先の政治への転換を
労働者や住民の皆さん、国や自治体には、コンビナート災害から労働者と住民の命と安全を守る責任があるこ
とは明白です。東日本大震災を経験した今こそ、国や自治体の責任で護岸の耐震化や災害遮断といった抜本
的な災害対策を実施し、事業者が防災への社会的責任を果たすよう耐震・耐津波等の基準の見直しや行政の
指導・監督の権限の強化が必要です。
そのために日本共産党は、労働者や住民、事業者の皆さんと力を合わせて、石油コンビナート等災害防止法
や消防法など関係法令の法改正や(財政措置等で必要な場合は)特別立法を行うとともに、「県コンビナート防
災計画」を抜本的に強化することを求めます。
同時に日本共産党は、財界・大企業優先、労働者や住民の安全軽視の政治を大元から変えていくことを呼び
かけるものです。
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