南ア高速鉄道「ハウトレイン」の開通(6 月 8 日) (ヨハネスブルグ国際

南ア高速鉄道「ハウトレイン」の開通(6 月 8 日)
(ヨハネスブルグ国際空港からサントンまで
15 分)
6 月 8 日から、南アの OR Tambo(ヨハネスブルグ)空港と新興都市区のサントンを繋
ぐ区間で、高速電車ハウトレインが運行を開始しました。治安の悪さが大きな問題となっ
ている南アフリカで、慣れない外国人旅行者も安心して利用できる公共交通サービスを目
指して、南ア政府が力を入れてきた事業です。
今回南アフリカ大使館領事部では、ハウトレインを日本から来る皆さんに勧められるか
どうか、実際に試乗してみました。昼間ならば合格点と言えます。以下気づきの点を紹介
します。魅力は盛りだくさんけれども油断はできない南アの旅。南アの旅を安全に楽しむ
ための、参考の一つになれば幸いです。
(ハウトレインに関する詳しい情報・最新情報はハウトレインのページへどうぞ(英語)
http://join.gautrain.co.za/Default.aspx)
基礎情報
ピーク・アワー
ピーク・アワー以外
土・日
5:30~8:30
8:30~16:00
祝日
16:00~19:00
19:00~20:30
ハウトレイン
毎 12 分おき
毎 20 分おき
毎 30 分おき
ハウトレインバス
毎 12 分おき
毎 20 分おき
なし
*各駅の駐車場は週 7 日、5:00~21:00 まで利用可能
電車利用の流れ(空港からサントンへ)
ハウトレインの「ハウ」は、ハウテン州のハウ。
Gauteng と書いてもハと発音するのはアフリカーン
スの基になったオランダ語の名残でしょう。6 月 7 日に
は案内板も何もなかった空港ですが、8 日にはあちこち
に Train と入った看板が出てきました。
空港の出発駅は、出発ターミナル 3 階の更に上。
エレベーター向かいのケンタッキーが目印です。
チケットは、スイカやパスモに良く似たプラスティ
ックカードで、券売機もしくは窓口で、現金(ランド
のみ)か主要クレジットカード(VISA、Master)また
は南ア国内のデビッドカードが使用可能です。
蛍光黄色のジャケットを着た係員が、懇切丁寧に販
売機の使い方を教えてくれます。館員は現金、カード
それぞれ試してみましたが、機械は順調、まださすが
にスキミングもない様子。デビィッド・カードでは、
ピンナンバーは聞かれませんでした。
運転開始特別デザインのゴールドカードは、表が流
れる電車のロゴ、裏は路線図です。但し、2010 年に開
通しているのは 2010 年は空港からサントンまでです。
ゴールドカードそのものが 10 ランド(約 120 円)
、
後の運賃は目的地やバスを使用するかしないか等で変
わります。空港からサントンへの片道は 100 ランド(約
1200 円)、往復は 200 ランドです。子ども料金指定は
ありませんでした。
(料金の詳細、最新情報はハウトレ
インのページを参照下さい)。
(物価や人件費がまだ安い南アフリカでは、このチ
ケットは多くの一般庶民には中々手が出せないお値段
です。一週間定期、一ヶ月定期もあるようですが、ま
ずは旅行者が利用者の中心になる見込み。)
ホームへの入り方や電車の様子は日本とあまり変わりません。ただ、何故かホームが 4
両の電車全てを収容できる長さがありません。手前の 1、2 両だけドアが開き、そこから乗
車しその後電車の中を 3 両目、4 両目に移動します。
電車の中には警察官とハウトレインの警備員が巡回
しています。試乗した際には一両に二名乗車していま
した。警備員は防弾チョッキの重装備。お乗客の安全
に気をつけている様子が伺えます。
各国からの旅行者は旗を振り、南ア代表チーム「バ
ファナ・バファナ」のユニフォームを着た南ア人がウ
ェルカムと迎えてくれる車内。
車窓からは、発電所や緑豊かな公園、ゴルフ場、ア
レクサンドラのタウンシップ(いわゆる黒人居住区)
等、南アならではの景色が楽しめます。空港・サント
ン間の所要時間は 15 分、電車は静かに進みます。通常
車では 40 分以上かかる道です。
マルボロ駅を過ぎたら、電車は緩やかに地下へ。サ
ントン駅のホームは地下にあり、アフリカ大陸初の地
下鉄です。エレベーターを見たら、ホームは B8 と B9。
どれだけ深いのか。現在、最下層(B9)のホームが稼
働中。サントン駅は、壁のコンクリートの表面仕上げ
が終わってなかったり、装飾がなかったりまだ工事中
の部分がありますが、エレベーターもエスカレーター
も動いています。ただエスカレーターに私たちが乗っ
ている時に一時停止しました。使う時は手すりを掴ん
でいてください。
全ての駅が完成し、関係者が電車の使い方に慣れる
まで、まだ時間はかかりそうです。
地上階にでると、こちらも数年前に完成したラディ
ソンホテルが目の前。大使館はサントンでも徒歩移動
は推奨していませんが、昼間の明るい時間なら、周り
に十分に気をつけていれば移動可能との印象です。
夜はまた、方向感覚狂うし一般の通行人は居なくなる
ので利用はお勧め出来ません。
ほぼ安全なショッピング街ネルソン・マンデラ・スクウェアは、ラディソンホテルの反
対方向です。駅から通り(West Street)に出たら左に出て 150m 歩くと安全なネルソン・
マンデラ・スクウェアに到着します。ここで方向を間違わず、この 150m を注意して移動
することが最大のポイントです。車社会の南アですから、全ての駅には大規模な駐車場(有
料)が完備されています。
さて、サントン駅見学の後は、再び空港へ戻ってみました。今度はサントンから一つめ
の駅、マルボロ(Marlboro)でちょっと寄り道です。それというのもこの駅、グレーター
ヨハネスブルグの中でも柄が悪いと言われる、アレクサンドラ・タウンシップの目の前に
あるからです。
タウンシップは、昔の黒人居住区。アパルトヘイト時代、黒人は街の中心部に住むこと
を禁じられていましたが、その労働力は都市の中で必要とされていました。民主化後は、
こういったタウンシップ住民の生活環境改善が政府の優先課題となり、トイレを入れて水
と電気を引いて家を建て、政府が建てた家は 2008 年度までに実に 230 万軒にも上っていま
す。その政府提供家が、駅や電車から見える前面に誇らしげに建ち並んでいます。
ただ、奥の方をよく見ると、まだまだ掘っ立て小屋も残っています。貧困問題対策はまだ
まだ続く問題です。ここから不用意に外に出て行くのは、安全上やっぱり勧められません。
日本から南アに来訪する方は、ある意味「当たり前」の電車システムですが、この南ア
フリカで運転が開始されたのは画期的なことです。課題はないわけではありませんが、ハ
ウトレインが安全で快適な移動手段として観光客や通勤客の利便性向上に貢献することを
期待しています。
最後に繰り返しになりますが、夜はくれぐれも利用しないで下さい。暗くなってからサ
ントン駅から出て徒歩で移動するのはたとえ短距離とは言え危険です。