平成27年度 事業報告 Ⅰ.組織と財政の現状 1.正会員の推移 平成 27 年度の入会者は 49 名、退会者は 41 名で、差し引き 8 名の増加となり、平成 26 年度末 1,082 名であったものが平成 27 年度末で 1,090 名(外国人会員1名及び準会員 8 名を除く)とな った。 2.正会員の会費納入状況 正会員会費収入については、平成 27 年度末対象者数の内訳は、満 65 歳未満会費 18,000 円(928 名)、満 65 歳以上満 70 歳未満会費 12,000 円(32 名)、終身会費 50,000 円納入者(32 名)、満 70 歳以上会費不要(102 名)となり、したがって、平成 27 年度の会費納入額は、17,931 千円と なった。予算対比では 1,088 千円の増収となり、前年度実績対比では、73 千円の増収となった。 年間予算の 39%となった。 3.賛助会員の現状 平成27年度も引き続き、各船社、団体へ賛助会員の新規加入や賛助会費の口数の増加要請を積 極的に推進して来たが、先行き不透明な状況もあり、2法人が入会、5法人が退会、平成27年度末 で賛助会員数は合計94法人となった。その結果賛助会費として、前年度比75千円の減収となり、 5,245千円となった。 4.基本財産の現状及び利息収入 基本財産の総額は平成27年度末現在60,000千円であり、その利息は785千円となった。 一般社団法人移行に伴い、利子所得として一律20%(うち所得税15%、住民税5%)課税され、源 泉分離課税方式に従って、金融機関で天引きされた結果である。 5.補助金等の収入 平成27年度は一般社団法人日本船主協会からの受託事業「船内ビルジと廃油処理(日本語版) 」 の教本の制作及び「故障調査表の収集」の受託金として3,000千円を受領した。 国際船員労務協会からの受託事業「故障事例集(英語版)」の DVD 及び教本(2 年間で実施) の制作の受託金として、平成 27 年度は 15,200 千円を受領した。 (一財)日本海事協会との共同研究事業(平成 25 年 10 月 1 日からの 2 年間実施)で委託料と して、平成 27 年度は 882 千円を受領した。 (公財)海技資格協力センターからの受託事業として、海技資格の更新講習及び失効再交付講 習の講師向けに行う研修講師の派遣費用として、399 千円を受領した。 この結果、平成27年度の受託金、助成金及び補助金等の収入は合計19,481千円となった。 Ⅱ.事業運営の概要 1.舶用機関技術等に関する調査研究事業 1) 技術講演会の開催 京浜地区では、平成 27 年 11 月 25 日(水)に、海事センタービル 201・202 会議室にて、(一財) 日本海事協会との共同研究の 2 年間の成果を報告した。参加者は 45 名と盛大に開催された。 演題:統計モデルを利用する新しい航海・機関ハイブリッド型モニタリングシステム 講師:株式会社大津海事研究所 代表取締役社長 工学博士 大津 皓平 氏 阪神地区では、平成 28 年 1 月 21 日(木)に、海洋会神戸支部会議室にて開催され、出席者は 54 名と盛会でした。 演題:1.NOx 三次規制対策 低圧EGRシステムについて 2.三菱UEエンジン 50LSH機関について 3.SOx スクラバ―について 講師:三菱重工舶用機械エンジン株式会社事業統括本部 技術統括・プロジェクト MEET 推進 室 主席技師 平岡直大 氏 講演内容は技術誌「マリンエンジニア」及びホームページには動画を掲載している。 2)一般社団法人日本船主協会の受託事業 平成 27 年度は「船内ビルジと廃油処理(日本語版)」の教本を制作し、200 冊を納 品した。 3)国際船員労務協会からの受託事業 平成 27 年度は 2 年目の継続事業で、「故障事例集(英語版)」の DVD 及び教本を制作し、 4,000 セットを納品した。 なお、国際船員労務協会と教育教材の作成販売に関する確認書を結んだことにより、一定の条件 を前提に、一定期間が過ぎた成果物の販売が可能になったので、販売用の原本手直し作業を実施 し、販売品を制作した。 4) 公益財団法人海技資格協力センター受託事業 船舶機関士の育成及び技術継承に関わる事業として、平成 27 年度は海技資格の更新講習及び 失効再交付講習の講師向けに行う研修講師の派遣を受託し、3回実施した。他に、教材(DVD 等) の作成にも協力することにしている。 5)電子制御機関の概要についてのアンケート調査の実施 普及している電子制御機関の故障関連情報の入手についての要望があり、本協会の分会経由で、 平成 27 年末に、電子制御機関の概要調査を実施したので、アンケート調査結果を「マリンエンジニ ア」にて報告する。 2. 故障情報の活用に関する調査研究事業 平成 27 年度一般社団法人日本船主協会からの受託事業として、「故障情報活用に関する調査研 究事業」を取纏めている。平成 28 年 2 月末に故障情報データベース(平成 27 年度調査結果) DVD1 枚、報告書 1 部を納品した。故障調査の内容は以下の通り。 ①故障調査委員会における「故障調査表」の収集取り纏め 前年度と同様に(一社)日本船主協会から同協会加盟船社 114 社に要請した。非加盟船 社へは関係会社 12 社、関係団体1社に、10 月末を締切りにして7月初旬に故障調査表を、 当協会から関係先へ送付した。平成 27 年度は「故障調査表」からは 680 件の情報を収集 出来た。 ②故障調査表及び技術誌「マリンエンジニア」故障事例のデータベース化 故障調査表からの情報を展開、整理した 420 件に、技術誌「マリンエンジニア」掲載事 例から 23 件の故障事例を加えた結果、データベース総数は 6,456 件となった。 ③故障調査委員会では、データベースのソフト Access の普及度合いの低下を考慮して、Excel 型式 で報告するように変更した。また、データベースへの入力については、調査票の Excel 入力表から Excel ファイルを作り、Access へは自動インポートできるように、変更を行っている。 ④入力作業の関係から故障調査表の収集時期を 1 か月前倒した。次年度調査用に入力調査表 の英語版を作成、機器分類表についても分類の見直し及び英語併記のものを制作している。 3.技術誌「マリンエンジニア」の発行 平成27年度も毎月発行した。内容は故障事例、技術資料を主軸とし、IMOの動向、海事法規等を掲 載し、情報の共有化を図った。技術誌の編集、発行は、広報委員のモニターシステムを活用しながら、 広報委員会が中心になり行ったが、「マリンエンジニア」の原稿執筆は、理事、各委員会委員及び世話 人等に依頼した。 インターネット活用と今後の方針を検討するために実施したアンケート調査で、ホームページやマリン エンジニアに対する会員の声を受けて、整理し、ホームページに掲載し、周知して、意見等を求めた。 会員要望のインターフェイスの軽量化を目的に、広報委員会で改訂したホームページは、4 月に切 り換えた。機関室やインタビューの動画を撮影したので、ホームページの「船舶機関士の紹介」に掲 載して、アピールを行っている。更に、会員各位の意見を掲載するコーナーを拡大した。今後も改良 を重ね有効活用を図る。 4.機関長・士の労務問題に関する調査研究事業 平成 27 年 12 月 2 日労働委員会を開催し、議題を「第 76 回全日本海員組合全国定期大会の結 果報告」とし、昨年に引き続きテーマを「船舶機関士を取り巻く労働問題について」とした意 見交換会を実施し、この内容を技術誌「マリンエンジニア」3 月号に掲載した。 また、技術誌「マリンエンジニア」に掲載する労働問題の執筆を持ち回りで労働委員が担当 した。 5.その他関連事業 1)関係団体との協力及び委員会等への参画 従来どおり、当協会から下記の委員会等に委員、理事、評議員、監事として参画し、積極的 に船舶機関士の立場から、助言、意見を反映しながら、船舶の安全運航及び自然環境保護に寄 与する運営を展開した。 ・一般財団法人海技振興センターの「HTW 調査検討に関する専門委員会」(STCW から名称変更) に昨年度に引き続き参画 ・公益財団法人海技資格協力センターの「教材検討委員会」及び「同機関分科会」に昨年度に引 き続き当協会から委員として参画し、海技免状更新講習・失効再交付講習用テキスト「海技と 知識」の改訂に協力 ・公益財団法人日本殉職船員顕彰会の理事、評議員及び催事専門委員会及び実行委員会に昨年度 に引き続き当協会から委員として参画、戦没・殉職船員追悼式に協力 ・一般財団法人日本海事協会の「海技委員会」に当協会から委員として参画 ・公益財団法人海難審判・船舶事故調査協会の評議員として参画 ・公益財団法人海技教育財団の評議員として参画 ・公益財団法人日本海事広報協会の監事として参画 ・一般財団法人日本海洋レジャー安全・振興協会の理事として参画 ・公益財団法人船員雇用促進センターからの要請により、海技に関する有識者に委嘱 ・一般財団法人日本船舶技術研究協会からの要請により委員会や WG に参画 2)省エネ支援事業 平成 27 年度も、昨年同様、船舶管理を加味した収益事業として継続し、受注時のみの費用 発生とし、常時収支バランスさせることにした。技術誌「マリンエンジニア」にて、事業の宣伝 を実施したが、環境は厳しく、依頼はなかった。 *省エネ診断実務研修講座(個人向け及び会社向け) *省エネルギーと船舶管理に係るコンサルタント業務 *内航船舶のエネルギー診断事業 3)(一財)日本海事協会の受託事業「船体運動を考慮した機関・船体情報統合型船載モニタリン グシステムの開発事業」 共同研究参加者(6 社)で、平成 25 年 10 月 1 日から平成 27 年 9 月 30 日までの 2 年間実施し た。当協会は事務局として窓口業務及び機関関連事項のサポート業務を行った。 平成 27 年度は 9 月末までに共同研究の完了報告書を提出した。提出した報告書(Power Point) は「業界要望による共同研究」として、公表されることになっている。 4)船舶機関士の育成、広報活動 現場船舶機関士からの働きかけが重要との認識から、以下の新規広報活動を実施した。 ・三級海技士(機関)受験コースを有する水産高校 13 校への「マリンエンジニア」寄贈 ・ (一財)全日本海員福祉センター及び全日本海員組合 J-CREW への後援 ・東京海洋大学及び神戸大学海事科学部の行事への協賛 ・新規入会会員向けに「船舶管理 基礎編(日本語版)」の CD-R 等を寄贈 ・当協会に在庫があり、販売が出来ない今までの受託事業の成果品を当会へ入会した記念に頒 布した。 ・船舶機関士の育成の観点から、ホームページにおいて、船舶機関士の仕事に関する新規のイ ンタビュー記事や機関室の紹介動画等にて、一般向けに広報活動を実施している。 ・当協会の課題である退会者の増加や、インターネットの活用、および今後の協会事業方針に ついてアンケート調査を実施した。ホームページにアンケート調査を掲載、分会には調査表 を配布、マリンエンジニアに掲載するなどして回答を依頼した。 回収率は低かったが、243 件(22.5%)の回答が寄せられたので、整理してアンケート結 果を報告し、特別委員会で検討して、理事会、通常総会で審議し、今後の方針立案に役立て ることにした。 Ⅲ.会議の開催等 事業報告の附属明細書をご参照。
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