世界に通用するトレーサビリティの確立した精密校正システムの開発

品質強化
平成27年度 研究成果発表会
世界に通用するトレーサビリティの確立した精密校正システムの開発
平成 27 年度 研究成果発表会
○沼知 朋之 *1)
世界に通用するトレーサビリティの確立した精密校正システムの開発
■キーワード 精密校正、トレーサビリティ、ISO 対応
○沼知 朋之*1)
1.ゼナーダイオード電圧標準器等
「安定した標準器を起点としたトレーサビリティの確立」
■キーワード 精密校正、トレーサビリティ、ISO
対応
2.高速かつ精密な「校正の自動化」の実現
1. ゼナーダイオード電圧標準器等「安定した標準器を起点としたトレーサビリティの確立」
3.ISO
が要求する計測の不確かさ評価等面倒な事項に自動的に対応するシステムの開発
2. 高速かつ精密な「校正の自動化」の実現
3. ISO が要求する計測の不確かさ評価等面倒な事項に自動的に対応するシステムの開発
■背景
製品を製造すると安全性や国際規格への適合試験を行う必要がある。その際に使用する計測器も国際
■背景
標準への適合を確認し、宣言することの重要性が増し
てきている。MTA ジャパン(株)は、この「計測器の
製品を製造すると安全性や国際規格への適合試験を行う必要がある。その際に使用する計測器も国際
国際標準への適合を確認」するためのシステムと、必要なハードウエアの開発を行っている。特に、2000
標準への適合を確認し、宣言することの重要性が増してきている。MTA ジャパン(株)は、この「計測
器の国際標準への適合を確認」
するためのシステムと、必要なハードウエアの開発を行っている。
特に、
年以降は、ISO
の要求で「世界に通じる形で」工場の計測器と国家標準
(国際標準)とのつながりを示さ
2000 年以降は、ISO の要求で「世界に通じる形で」工場の計測器と国家標準(国際標準)とのつながり
ないと先進国への輸出が困難になってきている。都産技研の
「校正用」基準器は、各々の量(直流電圧、
を示さないと先進国への輸出が困難になってきている。都産技研の「校正用」基準器は、各々の量(直
抵抗、直流電流、交流電流等)毎に国家標準とのトレーサビリティが確保されている。したがって、都産
流電圧、抵抗、直流電流、交流電流等)毎に国家標準とのトレーサビリティが確保されている。したが
技研と共同研究を行い、トレーサビリティを確認することで国家標準
(国際標準)とトレーサブルであるこ
って、都産技研と共同研究を行い、トレーサビリティを確認することで国家標準(国際標準)とトレー
とが確認でき、宣言できることになる。
サブルであることが確認でき、宣言できることになる。
こうした背景のもとで MTA ジャパン(株)は、企業(工場)の生産ラインで数多く使用されている
こうした背景のもとで MTA ジャパン(株)は、企業(工場)の生産ラインで数多く使用されている
DMM(Digital
Multimeter) の全機能(直流電圧、交流電圧、直流電流、交流電流、抵抗)自動校正ソフト
DMM(Digital Multimeter)の全機能(直流電圧、交流電圧、直流電流、交流電流、抵抗)自動校正ソフ
ウエア及び基準器である
ている。
トウエア及び基準器であるCalibrator
Calibratorの全機能自動校正システム開発を完了し、販売を開始し
の全機能自動校正システム開発を完了し、販売を開始している。
■システム全体の特徴
■システム全体の特徴
開発したシステムの特徴は
開発したシステムの特徴は
以下の通り。
以下の通り。
(1) Calibrator の校正は実行
(1) Calibrator の校正は実行
できる校正事業者自体が
できる校正事業者自体が非常
非常に少ない(メーカ、指
に少ない(メーカ、指定校正
定校正機関、認定校正事
機関、認定校正事業者のごく
業者のごく
一部)
。そうし
一部)
。そうした校正事業者に
校正を依頼しても
1 ヶ月以上
た校正事業者に校正を依
かかる。今回のシステムを使
頼しても1ヶ月以上かかる。
用すれば数日で校正完了。
(ス
今回のシステムを使用すれ
ピードアップ)
ば数日で校正完了(スピー
。
(2)
校正点の数は、上記の既
ドアップ)
存校正事業者では限定されて
(2) 校正点の数は、 上記の
いる。今回開発したシステム
既存校正事業者では限定
を使用すると、校正点は飛躍
されている。今回開発した
的に増加(直線性を評価でき
システムを使用すると、校
る)、精度も向上、ISO から要
正点は飛躍的に増加(直
求されている不確かさ評価も
線性を評価できる)
、精度
自動でできる。
(精度向上、
も向上、ISO
から要求され
校正対象ポイント著増)
図
開発したシステムでのトレーサビリティの流れ
図1.
1.開発したシステムでのトレーサビリティの流れ
ている不確かさ評価も自
動でできる。
(精度向上、校正対象ポイント著増)
(4) 全世界の国際標準へトレーサビリティを宣言できる。
(3) 面倒な不確かさ評価バジェットテーブルが自動作成される。
(全ての校正点に対し)
(5) 全世界の国際標準へトレーサビリティを宣言できる。
コンパクトなシステムであり、東南アジアの工業団地等、信頼できる校正事業者がない市場への対
(4)
応が容易。(運送可能なシステム)
(5)コンパク
トなシステムであり、東南アジアの工業団地等、信頼できる校正事業者がない市場への対応が
容易。
(運送可能なシステム)
(3) 面倒な不確かさ評価バジェットテーブルが自動作成される。(全ての校正点に対し)
■今後の展開
■今後の展開
上記(5)の実証試験としてマレーシアで校正事業を開始予定。それがうまくいけば、他の東南アジア
諸国(フィリピン、インドネシア、ベトナム等)へ展開予定。
上記 (5) の実証試験としてマレーシアで校正事業を開始予定。それがうまくいけば、他の東南アジア諸
国(フィリピン、インドネシア、ベトナム等)へ展開予定。
*1)MTA ジャパン株式会社
*1)MTA ジャパン株式会社
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