平成 26 年度 推薦入学試験 小 論 文 (午前の部)

平成 26 年度 推薦入学試験
小 論 文 (午前の部)
注意事項
1 試験開始の合図があるまで,この問題冊子の中を見てはいけません。
2 この問題冊子は,表紙を含めて18ページあります。
試験中に問題冊子の印刷不鮮明,ぺージの落丁,乱丁及び解答用紙の
汚れ等に気付いた場合は,手を挙げて監督者に知らせなさい。
3 解答用紙には,解答欄以外に次の記入欄があるので,監督者の指示に
従って,それぞれ正しく記入し,マークしなさい。
(1)氏名欄
(2)受験番号欄
4 受験番号が正しくマークされていない場合は,採点できないことがあ
ります。
5 解答は,解答用紙の「記入方法」に従って,正しくマークしなさい。
6 試験終了後,問題冊子は持ち帰りなさい。
1
問題2 次の文章を読んで,後の問い(問1~ 10)に答えなさい。
どっちで太る?
カロリーか炭水化物か
G. トーベス(栄養科学イニシアチブ)
太った人がどうしてこれほど多いのか? 答えははっきりしているようにみえる。世界保健
機関(WHO)は「(A)肥満や体重過多の根本原因は摂取力ロリーと消費カロリーのアンバラ
ンスにある」としている。つまり,食べ過ぎか運動不足か,あるいはその両方だ。
この論理によれば,タンパク質であれ炭水化物や脂肪であれ,これら三大栄養素からカロリー
と
を摂りすぎれば体重は確実に増える。だから肥満の解消策も明快だ。食べる量を減らし,運動
量を増やせばよい。
この従来の考え方に疑問が生じる理由も同じくらいはっきりしている。食べる量を減らして
せん
運動量を増やすという処方箋は 40 年前から広く知られているのに,不健康なまでに体脂肪が
身体に蓄積した肥満の人はかつてないほど増えている。現在,米国人の 1/3 以上が肥満とみら
れており,その割合は 40 年前の2倍以上になっている。世界では肥満人口が今や 5 億人を超
える。肥満と並んで2型糖尿病注 1)などの代謝疾患も増えている。栄養素の代謝や(1)貯ゾウ
や
を調節するホルモンの異常で起こるこの疾患は,痩せている人より太った人の方がはるかに多
い。
解決策は広く知られているようなのに事態は悪化し続けているという矛盾から,2つの可能
性が見えてきた。1つ目は太る理由についての理解は正しいものの,肥満の人は(原因が遺伝,
環境,行動のいずれであれ)自力で痩せることができないか,そのつもりがないという可能性。
2つ目は肥満に関する私たちの理解が間違っているがゆえに,状況を改善するためのおなじみ
の処方箋も間違っているという可能性だ。
後者の方が真実なら,肥満の原因は摂取・消費カロリーのアンバランスではなく,第二次世
界大戦前の欧州の研究者が考えていたホルモンの異常のようなものかもしれない。この場合,
その異常を引き起こす環境要因として真っ先に疑われるのは,私たちが摂取する炭水化物の量
と質だろう。これまでの肥満に対する考え方は根本的に誤っていたことになる。太るのは食品
のカロリーの問題であって口にするのがアボカドかステーキかパンか炭酸飲料かは関係ない,
というのは間違いだった。食品に含まれる特に炭水化物が,脂肪の蓄積を調節するホルモンに
及ぼす影響こそが問題となる。
これまで多くの研究者が肥満はカロリーの問題だと言ってきたのだから,この学説は何十年
も前に厳密に検証されたものに思えるかもしれない。しかし実際には科学的にきちんと調べら
れたことはない。そうした検証実験は巨額の費用はかからないとしても厳密に行うことが非常
に難しいからだ。
11
また多くの研究者は,肥満の原因は食べ過ぎに決まっているのだから,検証実験などわざわ
ざする必要がないと考えていた。その結果,現在,最重要の健康問題となっている肥満や糖尿
病とそれらの合併症の急増に関する科学的理解はまったくもって進んでいない。
私は肥満の研究とその歴史について 10 年研究し,肥満の原因を再考し厳密に検証しなけれ
ば大きな進歩はないと確信するようになった。そして,外科医からがん研究者に転じたアティ
ア(Peter Attia)と共同で「栄養科学イニシアチブ (NuSI)」という非営利組織を 2012 年に設
立し,肥満の理解に欠けている決定的な科学的証拠を追求することにした。
私たちはテキサス州ヒューストンにあるローラ・アンド・ジョン・アーノルド財団の支援を
得て特定の組織とのかかわりのない研究者を雇用し,肥満(ひいては体重増加)に関して競合
する2つの仮説を厳密に検証する実験を立案・実行することにした。アーノルド財団は NuSI
の当座の研究資金の約 60%と3年間の運営費,計 4000 万ドルを支援してくれることになった。
私たち研究者が求めているのは科学的な証拠であり,それがどんな結果を示すものであれ従う
つもりだ。すべてが計画通りに進めば,今後5~6年で肥満の生物学的原因について,明白な
科学的証拠が得られるだろう。
(ア)
カロリー説の何が問題であるかを知れば,
炭水化物によるホルモン説が注目されるようになっ
た理由がわかるだろう。消費する以上のカロリーを摂取するから太るのだという考え方は熱力
学第一法則((B)エネルギー保存の法則)に由来するようだ。この法則はエネルギーが無から
生みだされたり,消滅したりしないという単純なものだ。これを生物学に当てはめると,生物
が摂取したエネルギー(カロリー)は有用な形に変換(代謝)されるか,さもなければ排出ま
たは貯ゾウされることになる。消費もしくは排出される以上のカロリーを摂取したら,超過分
は貯ゾウされるしかなく,太って体重が重くなる。
ここまでは当然だ。しかしこの法則は,そもそもなぜ人間が消費分を上回るカロリーを摂取
するのか教えてくれないし,なぜ余剰分のカロリーが脂肪として蓄えられるのかも説明してく
れない。そしてこれらの「なぜ」に答えることこそが必要なのだ。
とりわけ知りたいのは,なぜ脂肪細胞が余剰分を脂肪分子として蓄積するのかだ。これは生
物学の問題であって物理の問題ではない。
そしてなぜ,
そうした脂肪はエネルギーや熱にならず,
代謝されないままなのか。なぜ身体のある部分の脂肪細胞には余剰分の脂肪が蓄積し,他の部
分には蓄積しないのか。カロリーを摂りすぎるからだというのは答えになっていない。
これらの疑問に答えるには,様々な細胞で脂肪の蓄積を促しているホルモン,特にインスリ
ン注 2)の働きについて考える必要がある。インスリンはブドウ糖という炭水化物に反応して分
泌される。炭水化物が多い食事をした後などに血中のブドウ糖濃度(血糖値)が上昇すると,
すい
膵ゾウはインスリンを分泌し,血糖値が危険なレベルにまで上がらないようにする。
インスリンは筋肉や器官,そして脂肪細胞に対してもブドウ糖を取り込んで燃料として使う
ように働きかける。また脂肪細胞に対しては,脂肪(食事由来ものも含む)を後で使うために
12
蓄えておくよう指示を出す。インスリン濃度が高い間,脂肪細胞は脂肪を保持し,ほかの細胞
はエネルギーとして脂肪ではなくブドウ糖を優先的に燃やす。
食品中の主なブドウ糖の源はデンプンと(2)コク物,そして糖類だ(炭水化物がない場合,
肝臓でタンパク質からブドウ糖が合成される)
。消化されやすい炭水化物ほど血糖値は速やかに
上がる(食品中の食物繊維と脂肪は,このプロセスを遅くさせる)
。つまり,精製されたコク物
やデンプンを豊富に含む食事では,そうでない食事よりもインスリン濃度がすぐに上がりやす
い。
なかでもショ糖や異性化糖注3)などの糖類は重要な役割を果たしている可能性がある。これ
らは,肝細胞で主に代謝される果糖という炭水化物を多量に含んでいるからだ。決定的とはい
えないものの,多量の果糖が「インスリン抵抗性」の重要な原因となっていることが示唆され
ている。細胞がインスリン抵抗性を示すと,血糖値を下げるのにより多くのインスリンが必
要になる。その結果,1日のうちで血中のインスリン濃度が高い時間がどんどん長くなるた
め,脂肪が体内で燃焼されずに脂肪細胞に蓄積されるとホルモン説はみる。1日わずか 10 ~
20kcal 余分な脂肪が蓄積されるだけでも,数十年後には肥満になりうる。
ホルモン説によると,こうした悪循環を解消する唯一の方法は,インスリン濃度を上げる糖
類や炭水化物の摂取を避けることだ。そうすれば当然身体は蓄積した脂肪を燃焼するようにな
る。摂取カロリーの総量を変えなくても,炭水化物の燃焼から脂肪の燃焼に切り替わるだろう。
ホルモンが効率的に作用して細胞が脂肪を燃やす結果,身体が消費するエネルギー量が増える。
余分な体脂肪を減らすには炭水化物の摂取を制限し,ほかのもので代替すればよい。インスリ
ンの分泌を促さない脂肪は理想的だ。
このホルモン説では,肥満や2型糖尿病(インスリン抵抗性が大きな発症原因)が世界的に
増えている主な理由は食事中のコク物と糖類にあるとみる。問題解決に向けた第一歩は糖類を
避け,デンプンを多く含む野菜やコク物の摂取を制限することであり,食事の量や運動量を気
にする必要はない。
忘れられていた仮説
現在主流のカロリー説は,これまでずっと広く支持され続けてきたわけではない。第二次世
界大戦まで,肥満研究を含むほとんどの医学分野の研究の第一人者は欧州におり,肥満の原因
をほかの成長障害と同じようにホルモンや代謝の異常だと結論付けていた。脂肪細胞での脂肪
の蓄積に影響を与えるホルモンや酵素に何らかの問題があると考えていたのだ。
この学説を最初に提唱したのはドイツの内科医ベルクマン(Gustav von Bergmann)で,1
世紀以上も前のことだ(今日,ドイツ内科学会でグスタフ・フォン・ベルクマン・メダルを授
与されることは最高の名誉だ)。ベルクマンは様々な体組織における脂肪の蓄積のしやすさを
「脂
肪親和性」という言葉を使って説明した。身体に体毛が生える場所と生えない場所があるよう
に,脂肪が蓄積する場所とそうでない場所があり,この “脂肪を好む傾向” は生理的要因によっ
て制御されているに違いないと考えた。
13
脂肪親和性の概念は第二次世界大戦後,科学の共通語がドイツ語から英語に取って代わると
注目されなくなった。一方,脂肪細胞における脂肪の蓄積の制御,つまりは肥満の生物学的基
礎を理解するのに必要な技術 --- 特に血中の脂肪酸やホルモンの濃度を正確に測定する技術の登
場は 1950 年代後半まで待たなければならなかった。
1960 年代半ば,脂肪の蓄積を制御している主要ホルモンがインスリンであることが判明し
たが,当時,肥満は摂食障害とみなされ,患者にカロリー制限を指導あるいは強制することで
治療できると考えられていた。そして血中コレステロール濃度と心疾患のリスクの関係が明ら
かになり,食品中の飽和脂肪酸注4)が主たる悪者として名指しされると,低脂肪・高炭水化物
食が推奨されるようになった。炭水化物が肥満(あるいは糖尿病や心疾患)の原因になるとい
う考えは省みられなくなった。
そうした中でも,少数の医師は炭水化物・インスリン仮説を支持し,炭水化物さえ控えれば
好きなだけ食べても減量できると主張するダイエット本を書いた。しかし,最も影響力のある
専門家は人が太るのは好きなだけ食べているからにほかならないと考えていたため,これらの
本はペテンと見なされた。こうした類の本の著者の中で最も有名な医師のアトキンス
(Robert C.
Atkins)も信用を得たとは言い難い。彼は炭水化物さえ控えれば飽和脂肪酸を気にせず,ニュー
バーグ風ロブスター(クリームソースで煮た料理)やダブル・チーズバーガーを好きなだけ食
べて構わないと強く主張した。多くの人が医療(3)過ゴにも等しいと見なしたアドバイスだ。
近く予備的実験を開始
しかしここ 20 年で,これらのダイエット専門医の方が正しい可能性があることを示唆する
重要な証拠が増えてきた。また肥満の理由をホルモン仮説で説明できるほか,食事中の糖類が
引き起こすとみられるインスリン抵抗性が2型糖尿病だけでなく心疾患やがんでも根本的原因
になっていることが示された。そのため炭水化物とインスリンの役割について厳密に検証する
ことがきわめて重要になっている。
最終目標は肥満をもたらす環境要因を突き止めることなので,余分な脂肪が蓄積するまでの
プロセスを実験で解明するのが理想だ。ただ,肥満になるまでに数十年かかることもあるので,
月々の脂肪の増加は少なすぎて検出できない可能性がある。そこで NuSI の研究ではまず,体
重増よりも速く生じる体重減について2つの仮説を検証する。この最初の結果が出れば,作用
メカニズムやどちらの仮説が正しいのかをはっきりさせるために今後どんな実験が必要になる
かが見えてくるだろう。
カギとなる初めの予備実験は,コロンビア大学と米国立衛生研究所(NIH),フロリダ州オー
ランドにあるフロリダ病院サンフォード・バーナム・トランスレーショナル研究所,そしてル
イジアナ州バトンルージュのペニントン・バイオメディカル・リサーチセンターが共同で実施
する。
この予備実験では太り気味もしくは肥満の被験者 16 人に試験中ずっと研究所の施設に滞在
してもらい,カロリー摂取量とエネルギー消費量を正確にコントロールする。その第1段階で
は平均的な米国人と同じ食事を被験者に提供する。食事の内訳はカロリー換算で炭水化物 50%
14
(うち 15% は糖類),脂肪 35%,タンパク質 15%だ。摂取カロリーを慎重に加減し,被験者の
脂肪が増加も減少もしていないことがわかるまで調整する。被験者にメタボリックチャンバー
と呼ばれる気密室に入って寝起きしてもらうことで,消費カロリーと摂取カロリーを正確に一
致させる。
予備実験の第2段階では被験者にそれまでの摂取カロリーとまったく同じカロリーを摂って
もらい,食事と間食の回数も同じにするが,組成を大幅に変える。食事の炭水化物の総量はカ
ロリー換算で約 5%と非常に抑え,肉や魚,卵,チーズ,動物脂肪,植物油,そして緑葉野菜
にもとから含まれているものだけにする。タンパク質は実験の第1段階の食事と同じ 15%とす
る。残り 80%のカロリーは,こうして選んだ食品に含まれている脂肪から摂取する。この第2
段階の狙いは,こうした食事が身体によいかとか,一生続けられるかどうかを調べることでは
なく,できるだけ短期間にできるだけ大幅に血中のインスリン濃度を下げることにある。
実験を実のあるものにするには,競合する仮説から予想される結果が互いに異なるように実
験を設計するのがよい。今回の場合,脂肪の蓄積が主に摂取カロリーと消費カロリーのアンバ
ランスによるものなら,被験者は消費カロリーとまったく同じカロリーを摂取しているのだか
ら体重は増えも減りもしないはずだ。脂肪,炭水化物,タンパク質のどれに由来しても 1kcal
は 1kcal だというこれまでの考え方が支持されることになる。
一方,もし三大栄養素の組成が脂肪の蓄積に影響するのなら,炭水化物制限食で被験者の体
重と脂肪はともに減少し,エネルギー消費量は増えるはずだ。炭水化物由来のカロリーはイン
スリンよるとみられる影響でタンパク質や脂肪に由来するものより太りやすいという考えが支
持される。
この厳密な実験の難点は,短時間では正確な結果が出ないことだ。この予備実験でさえ1年
近くかかる。
本格的な検証実験にはさらに3年かかるだろう。
私たちはもっと資金が集まったら,
糖尿病やがん,神経疾患などの病気で特定の糖類や主要栄養素が果たしている役割について詳
しく調べる実験なども支援したいと考えている。どの実験も簡単ではないが,実行は可能だ。
私たちの最終ゴールの1つは,一般の人がダイエットや健康全般,肥満予防に関する食事の
アドバイスを受ける際,思い込みや根拠のない一般論ではなく,厳密な科学に基づいた助言を
受けられるようにすることだ。肥満や2型糖尿病は本人にとって深刻な問題だが,医療制度と
経済にも大きな重荷となっている。これらの病気と闘い,予防していくには,NuSI の実験が
出そうとしているような明白な証拠が絶対に必要なのだ。
(日経サイエンス 2013 年 12 月号)
注 1)2型糖尿病:インスリン分泌低下と感受性低下の二つを原因とする糖尿病であり,一般的に「生活習
慣が悪かったので糖尿病になりました」と言う場合,この 2 型糖尿病を指す。
注 2)インスリン:膵ゾウに存在するランゲルハンス島(膵島)の β 細胞から分泌されるホルモンの一種。
血糖値の恒常性維持に重要なホルモンである。
注 3)異性化糖:デンプンはブドウ糖から構成されているが,ブドウ糖をより甘味の強い果糖に異性化させ
15
ることによって甘味をより強めることができる。
注 4)飽和脂肪酸:炭素鎖に二重結合あるいは三重結合を有しない(水素で飽和されている)脂肪酸のこと
である。多くの横断研究で,飽和脂肪酸摂取量と肥満との間に正の関連が示されている。しかし,肥
満に強い影響を与える身体活動量とエネルギー摂取量の把握がこれらの多くの研究では不十分なため,
飽和脂肪酸の摂取量の増加が原因で肥満が発症すると結論するのは難しい。
【問1】 本文中の下線部(A)の肥満や体重過多の根本原因は摂取力ロリーと消費カロリーのア
ンバランスにあることの説明として最も正しいものはどれか。次の a ~ e より 1 つ選びなさい。
解答番号[ 26 ]
a. アメリカの食生活では,ごはんではなくパンを食べる人が多いため。
b. 野菜の摂取量が少なく,栄養バランスが崩れているため。
c. 運動不足などが原因で,食事で摂ったカロリーのほうが多すぎるため。
d. 朝食を食べない人が増加し,毎日の食生活が良くないため。
e. 夜遅くまで起きているなど,生活習慣が乱れているため。
【問2】 本文中の下線部(B)のエネルギー保存の法則を説明している最も適切な文章はどれか。
次の a ~ e より 1 つ選びなさい。
解答番号[ 27 ]
a. 高温の物体が失った熱量は,低温の物体が得た熱量に等しい。
b. 物体に力がはたらかないか,いくつかの力がはたらいてもつり合っているとき,動いて
いた物体はいつまでも等速直線運動を続ける。
c. 有害物質を取り込んだプランクトンを魚類などが食べ,それを人間が食べることによっ
て,有害物質は生物の体内でますます高濃度になる。
d. エネルギーの種類は互いに移り変わることができるが,どのような変化が起ころうとも,
エネルギーの総量は増減しない。
e. 大気中の二酸化炭素濃度は,生物の呼吸や物質の燃焼による増加,植物の光合成による
減少などのバランスにより,ほぼ一定に保たれる。
【問3】 予備実験第 1 段階の目的は何か。次の a ~ e より最も正しいものを 1 つ選びなさい。
解答番号[ 28 ]
a. 平均的な米国人と栄養素の割合が同じ食事を体験する。
b. 第2段階に備えて,被験者を研究所の施設に慣れさせる。
c. 消費カロリーと摂取カロリーを一致させ,被験者の脂肪量が変わらない摂取カロリー
を算出する。
d. 毎日の食事を無料で提供し,十分な人数の被験者を確保する。
e. 隠れて間食をしないように,被験者を監視する。
16
【問4】 予備実験第 1 段階の途中で,もし被験者が痩せてきた場合には,どのように対応しますか。
次の a ~ e より最も正しいものを1つ選びなさい。
解答番号[ 29 ]
a. 炭水化物の摂取量を増やす。
b. 脂肪の摂取量を増やす。
c. タンパク質の摂取量を増やす。
d. 栄養素の摂取割合は変えないで,摂取カロリーを増やす。
e. 安定するまで,現在の状態を継続する。
【問5】 予備実験第2段階は,第 1 段階と何を変化させるのか。次の a ~ e より最も正しいもの
を1つ選びなさい。
解答番号[ 30 ]
a. 摂取カロリー
b. 消費カロリー
c. 食事の回数
d. 間食の回数
e. 食事の組成
【問6】
予備実験第2段階で,もし体重が変化しなかったとしたら,どのような結論になると考
えられるか。次の a ~ e より最も正しいものを1つ選びなさい。
解答番号[ 31 ]
a. カロリー説が成り立つ。
b. ホルモン説が成り立つ。
c. 両方の仮説が共に成り立つ。
d. どちらの仮説も成り立たない。
e. この実験だけではよくわからない。
【問7】
予備実験第2段階で,もし体重が減少したとしたら,どのような結論になると考えられ
るか。次の a ~ e より最も正しいものを1つ選びなさい。
解答番号[ 32 ]
a. カロリー説が成り立つ。
b. ホルモン説が成り立つ。
c. 両方の仮説が共に成り立つ。
d. どちらの仮説も成り立たない。
e. この実験だけではよくわからない。
17
【問8】 本文中の下線部(1)〜(3)と同じ漢字を含むものを,それぞれの a ~ e より 1 つずつ
選びなさい。
(1)貯ゾウ
a. ゾウ器
b. ゾウ血
c. ゾウ書 d. 画ゾウ
e. ゾウ呈
解答番号[ 33 ]
(2)コク物
a. コク訴
b. コク服
c. コク務
d. 残コク
e. コク倉
解答番号[ 34 ]
(3)過ゴ
a. 保ゴ b. 錯ゴ c. 相ゴ d. 最ゴ e. ゴ三家
解答番号[ 35 ]
【問9】 わが国では,現在,国民の健康の維持・増進,エネルギー・栄養素欠乏症の予防,生活
習慣病の予防,過剰摂取による健康障害の予防を目的として日本人の標準的な摂取量を
示しています。これは何と呼ばれるものか。次の a ~ e より最も正しいものを1つ選び
なさい。
解答番号[ 36 ]
a. 栄養所要量
b. 日本食品標準成分表
c. 日本人の食事摂取基準
d. 推定エネルギー必要量
e. 標準摂取量
【問 10】 文中の (ア)
に当てはまる最も適切な見出しはどれか。次の a ~ e より正しいも
のを1つ選びなさい。
解答番号[ 37 ]
a. 物理の問題から生物学の問題へ
b. 炭水化物がインスリン分泌促す
c. 新しい仮説「ホルモン説」
d. ブドウ糖のはたらき
e. 脂肪蓄積のメカニズム
18