■■■ 初の東アフリカ映画賞 ■■■ CINEMA AFRICA joins Rwanda Film Festival ! 2009.6.14-6.28 ■■■ あのアルフォンス氏が結婚しました!■■■ 去年も今年もシネマアフリカで密かな人気作の『アルフォンスの自転車』 。技術教育など皆無の村男ア ルフォンスが、自らのヒラメキと工夫だけで、廃品を利用して スーパー自転車 を作ってしまう話。 朴訥とした雰囲気が印象的なアルフォンスだが、映画が元で有名になり仕事も繁盛、なんと先日結婚さ れたとのこと!結婚式には、彼を映画にしたカベラ監督もキガリから駆けつけ(呼びつけられ!? ここ にまた爆笑の逸話が…) 、400 人の村人が集まる盛大な式が行われた。自転車によって激変した彼の人 生は、なんと新作『Alphonse’s Journey』となって日本へやってきます!乞うご期待! ルワンダ映画祭では今年から賞が制定され、最優秀 の東アフリカ映画に シルバーバック賞 が贈られ る(シルバーバックとはゴリラの群れの中のボスゴ リラ。しかし金賞が シルバー でいいのだろう か・・・) 。短編は、ルワンダのアユーブ・カサッサ・ マゴ監督の『FORA』 。幼い兄弟の確執と仲直りを描 いた一見微笑ましい作品。だが、そこには「許すこ との大切さ」というメッセージが静かに、しかし強 く込められ、ルワンダ社会を見据える監督のまなざ しに心が熱くなる。 『FOR A』は現在、ウェブサイト Doorpost Film Project にて見ることができる。 http://www.thedoorpost.com/ The East Africa Best Short Film to FORA, the filmmaker, Ayuub Kasasa Mago ■■■ 騒然!ケニア発禁映画がルワンダで金賞受賞!■■■ 長編受賞作は、なんとケニアで発禁処分※になったホラー映画『OTTO』 。 「俺たちは3日間で1作撮れ る」と監督も豪語するいわゆる低予算映画だ。この受賞は誰しも予想しなかった結果で、肝心の監督も 授賞式の朝には長距離バスに乗り込み帰国の途についていた。この受賞には様々な議論があるが、これ はアフリカの映画人たちからの、映画の検閲/発禁という蛮行に対する一種の抗議声明であることは間 違いない。ケニアでは当然自国の映画の受賞が話題になり「ルワンダで受賞した映画をどうして私たち が見られないのか」という議論が始まることが期待される。今回は監督とプロデューサーがキガリに来 ていたが、発禁となったことで、逆に海外市場からの問い合わせがすでに増えているとのことで、予想 外の発禁効果もあるようだ。 また、同じくケニアからは、ドキュメンタリーの話題作が出品さ れていた。若き女性監督 Lupita Nyongo の『In My Gene』は、 「黒 人の世界で 白い とはどういうことか?」というテーマでアルビ ノの人々に迫った作品。時事的テーマ先行型かと思いきや、アルビ ノの人々の率直な語りやふとした言葉の端々に、監督の一人一人と の細やかなつながりを感じさせる丁寧に作られた作品で、映像の質 も高く、初監督作品と聞いて本当に驚いた。日本でもぜひ上映した い作品の一つだ。 With Joseph Kinuthia,, ※ケニア Daily Nation 紙での『OTTO』発禁処分記事 Awarded East Africa Best http://www.nation.co.ke/magazines/lifestyle/-/1214/598816/-/8rw1k5z/-/index.html Feature film ■■■ 「私は売りものではない」 ■■■ Alphonse’s Wedding(ホンモノです) © Rwanda Cinema Center ルワンダ映画祭には、地方巡業の前半部と、首都キガリで行われる後半部があるが、前半部は通称 Hillywood と呼ばれる。ルワンダの美称「Land of Thousands Hills」とハリウッドをもじった駄洒落 の産物なのだが、すっかり根付いて今やルワンダ映画の代名詞に。 今年の Hillywood 上映作品はちょっと方向性が変わったようで、まずは「私は売りものじゃない!」 という標語のもとに、若者を”Sugar Daddy”から守るための教育映画が。教育映画ではあるが、同じテ ーマで学生監督達によって競作された作品はなか なか面白い。さらに面白いのは観客のリアクショ ンで広場に集まった数千人が一斉に喜怒哀楽を表 す渦中では映画を 120%楽しめる。小金持ちのエ ロおじさん Sugar Daddy が化粧品で女子高生 の気を引くシーンでは、広場を埋めた観衆から一 斉にブーイング。まるで地鳴りだ。意外なのは、 “Sugar Mommy”版もあり、男子高校生を買おうと する中年女性を描いたものなのだが、彼女の 魔 の手 が伸びる場面では、広場中から猛烈な舌打 Hillywood at Byumba, 14th June, 2009 ちの嵐。Sugar Mommy に思わず少々の同情。 ■■■ 映画を育てる Hills ■■■ 今年はなんと喜劇王チャップリンも登場。地方巡業への東ア フリカ以外の映画上映は初めてではないか。おなじみのモダン タイムスなどが、キニャルワンダ語の同時通訳つきで上映され、 広場は数千人の爆笑の渦に呑まれた。通訳自身が大爆笑して通 訳中断というアクシデントも!笑いを堪えに堪えた通訳がつ いに我慢しきれず「ブっ」と吹き出す瞬間の可笑しいこと!し かし我に返れば、 「そもそもこれは無声映画ではないのか !?」 という当然の疑問がよぎる。チャップリンも草葉の陰で笑ってい るのか泣いているのか…。 この選択は、最年長スタッフで自身も脚本や監督をこなすアユ ーブ氏のものだという。彼は、Hillywood 責任者で、作業や移動 の合間に色々と議論を交わす良き友人でもある。昨年、虐殺関連 の長編の際には観客の反応がかなり重いものだったことから、何 か新しい趣向をと話していたことを思い出す。何千人の映画への 反応をその場で体感するという作り手にとっては恐ろしくもある瞬間を毎 年体験するのは Hillywood の強みだろう。実際、件の長編はリバイズされて 今回キガリで再上映されたのだが、昨年より格段に優れた作品になっていた。 こんな風に、大勢の観客と共に成長し続けているのがこの映画祭の凄いと ころ。そもそも地方野外上映をメインにし、しかも定期的にこれだけの規模 で続けているアフリカ映画祭を他に知らない。彼らの理想とそれを実現させ る努力の大きさには敬服しており、同業者(?)としても発奮させられることし きり。キガリでの後半部の開会式は、高級ホテルで政府高官や各界有名人も 集う華やかな催しだが、その席上カベラ氏(RCC 主宰)が「みなさんにと っては今日がオープニングですが、私たちにとっては映画祭はもう一週間も 前から始まっているのです!」と、Hillywood を支えるスタッフ達を誇らし Founder/chairperson of RCC , Eric Kabera げに紹介していたのが印象的だった。 ■■■ HOLLYWOOD meets HILLYWOOD! ■■■ キガリでの開会式、授賞式、閉会式など華やかな一連の行事の中でもラスト3日間はただならぬ盛り 上がり。 ハリウッド俳優のダニー・グローヴァーが映画祭特別ゲストとして加わり、 スタッフはおろか、 私たち その他のゲスト もソワソワし通しである。屋外バーで夜風に吹かれ待つこと数時間、長身の 紳士は日付が変わる頃に現れた。 『リーサル・ウェポン』 で見るより格段に柔らかい雰囲気をまとった氏は、しか しやはりパワフルで、数時間のフライト遅延をものとも せず、モヒートを潤滑油に空が白むまで語り続けた。虐 殺後にルワンダに来ようとして来られなかったこと、カ ベラ氏との出会い、アフリカ系アメリカ人を取り巻く状 況、ハリウッドの内部事情、オバマ大統領について、と 話は尽きない。閉会式では氏が観衆を虐殺犠牲者への黙 祷に導き、またアフリカからの発信の意義を熱烈に説き Danny Glover at speech, closing night of Rwanda Film Festival アクティビストとしての顔をのぞかせた。 また、閉会式にはもう一人のスターがいたことを記して おきたい。その数日前に急逝したマイケル・ジャクソンだ。Hillywood 方式の野外の巨大スクリーンに 写った、黒いスーツに身をかため、ダンサーたちを従えていつものように軽快に踊るマイケル。アメリ カから遠く離れたルワンダの夜空に鳴り響く デンジャラス は、マイケルが文字通り世界中で愛され ていた大きな証し。みなでマイケルに杯を捧げ、会場を後にした。 Hillywood at bus park in Gyseni, 15th June, 2009 Hillywood in Ruhengeri, with MTN bus for dance competition Kids waiting films at hillywood in Ruhengeri I MET ALPHONSE!!! With him and the filmmaker of Alohonse’s bike, Eric Kabera Cinema center’s staffs behind hillywood’ success With filmmaker Ayuub Kasasa Mago at award ceremony Hillywood at football field in Ruhengeri
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