イスラームの多様性を学ぶ in Iran Feb 8∼20 2016 1.研修の目的 ①イスラム理解 ②新興国であるイランにおけるJICAの活動を伺う。 ③イランの歴史・文化に触れる。 ④乾燥気候における生活史及び農業技術を学ぶ。 2.スケジュール 2月10日 JICAオフィス訪問、バザール視察 2月11日 コムの聖者廟、モスク見学 2月12日 ハマム、地下都市視察。カシャーンにて遺産、カナート見学 2月13日 イスファハーンにて世界遺産、バザール見学、視察 2月14日 ゾロアスター教の館訪問、アルメニア教会・博物館見学 2月15日 シャヒード・ベヘシュティー大学にてプレゼン発表・学生交流 全体まとめ 2月16日 農園視察 2月17日 テヘラン大学の学生と交流 3.初めましてイラン <食> ・食材豊富なバザール(市場) ・主食はNaanまたはRiseとケバブ ・ケバブに添えて出てくる焼きトマトとしし唐。しし唐の辛さに涙する人も…。 ・最も印象に残った食べ物は、地方町のホテルでの夕食に食べたハーブ・ オムレツにハーブと野菜のサラダ、「草定食」と名付けられた。 ・食事時の飲み物はヨーグルトドリンクが定番だが、塩気のきいた独特の ヨーグルトにはなかなか馴染めず不評だった。 ・固くなったNaanは捨てるのではなく、羊や牛の餌になる。各家庭をまわ る塩屋さんに塩と交換してもらえる。 <ファッション> ・イスラム圏であるため基本的に露出は厳禁。 ・女性はヒジャブやマグナエといった被り物で髪の毛を隠さなければ ならないが、ゆるーく被ったり、色がカラフルだったりと規則が緩和し てきているように見えた。 ・街には服装を取り締まる監視員がいる。 ・学校では黒や紺のマグナエを被っている人が多かった。 ・鼻に包帯を巻いている人はケガではなく高い鼻を低くする整形をした人だそう。 ・厳しい制限の下で最大限におしゃれをするため、さらには女性の権利を主張するために試 行錯誤をしてファッションを楽しんでいた。 ・日本のように自分の着たいものを自由に選び、自分の個性を表現することでの自由はない かもしれないが、身を覆い隠すことでの見られないという自由もあるということを学んだ。 4.イメージとの相違 <テヘランメトロ> 5.変化 車両自体は新しく、走行中も車内は静かだった。 しかし、混雑は激しく、整列乗車をするはずもな いのでまるで戦場のようである。また、乗車位置 を誤ると女性専用車に乗ってしまうので男性は注 意が必要である。 日本で言うところの商店街のようなもので、売っているものは実 に多種多様。肉、魚、野菜等の生鮮食品からスパイス、衣類、日 用品、そして土産物まで何でもある。日本の消臭力すら 売られている程で、見て回るだけでも魅力的な場所で、 時間を忘れるほどである。しかし、近年のモールの 進出によって衰退しつつある。 <モスク> イスラム教へのイメージはどのようなものがあるだろうか?私はイ ランに行く前、なんとなく排他的イメージを持っていたが、現地に 行ってみるとそんなことはなくほかの宗教への理解があることが分 かった。一番印象的な体験は、聖者廟(過去の聖人のお墓)で外 国人向けにガイドが付き、もてなしくれたことだ。その日は革命記 念日のパレードがあり、人で溢れかえっていた。昔王様が使ってい た部屋で聖者廟の歴史やイランについて話してくれた。イランは法 律でほかの宗教についても認めていると聞き、 イスラム教に偏見がないつもりだったが現地で 人を実際に見ることで、現実は違うことを実感 できた。 6.まとめ <バザール> <対アメリカ感情> イランは革命後新米国家から反米国家になった。しかし、実際にイランに 行くと本当にみんなが反米なのか疑問が残った。確かに革命記念日の パレードでは「アメリカに死を!」と言いながら行進したり、旧アメリカ大使 館には自由の女神の顔がドクロになっている絵が描かれたりと反米運動 は多く見えた。しかし、パレードに参加している人からは反米よりもパ レードを楽しみたい空気が多く感じられた。他にもイラン人も日本と同じく Apple製品が大好きで、iPhoneユーザーが多かった。中国のようにカバン にAppleのロゴが付いたリュックなどがバザールで売られていた。イラン とアメリカは様々な問題を抱いており、日本にはやはりアメリカ側からの 情報しかなかなか入ってこないので、イランについて多くの誤解をしてい ることが分かった。 イラン人は皆とても親切で困っている人がいたら何の躊躇もなく助けてくれる。言葉は殆ど通じないが実際何度も助けられた。日本とは異なる宗教、文化、社会状況の中で暮らす 人々と触れ合い、そこで生活をできたことはかけがえのない体験である。実際に現地に行くことで「中東」に対する認識が大きくひっくり返った。現地は当初の「危険」「治安が悪い」な どといった印象からあまりにもかけ離れていたからである。特に伝統とモダンの入り乱れている状況が大変印象的だった上、イランの文化にはイスラーム以外の宗教要素が残ったも のも多いため、様々な魅力をもつ国であると感じた。すなわち、イランへの偏見はいらん!ということである。 7.後輩へのメッセージ イランは怖いイメージのある国かもしれないが、実際に行ってみると平和な国だった。伝統と近代が入り乱れたカオスな国で常に発見に満ち溢れている。日常生活から自然、歴史…とあ げたらきりがない。首都のテヘランの地下鉄の混雑は東京にも負けず、バザールでの買い物はとても楽しい。今持っているイメージは本当に自分で考えたものだろうか?様々な外交上、 政治上の理由で植え付けられた偏見ではないだろうか?怖いイメージはあるかもしれないが、一度イランに行ってみると今までの自分の常識が崩れ去るかもでしょう。女性は被り物をし なければならないが、それはとても新鮮な体験で何か新しい視点で物事を見れるようになるきっかけとなると思う。少しでも中東に興味がある人はぜひこの研修に参加してみよう!
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