平成 23 年 10 月号 VOL 77 雇用促進税制について 今回は、6月30日に公布された税制改正法のうち、雇用促進税制について取り上げたいと思います。 この税制は、大企業も対象ですが、中小企業のほうが、よりメリットが大きいため、適用される可能性があ るとお考えの企業におかれては、ぜひご相談ください。 【概要】 雇用促進税制とは、前事業年度に比べ、従業員を一定数以上増やす等の要件を満たした事業主が、法人 税(または所得税)の税額控除の適用が受けられる制度です。具体的には、雇用増加数1人あたり20万円 の税額控除となります(企業規模に応じて上限あり)。なお、適用を受けるためには、あらかじめ「雇用促進 計画」をハローワークへ提出することが必要です。 ≪制度の適用を受けるためには以下の7つの要件をすべて満たしていることが必要です。≫ 【要件1】 事業年度開始後2か月以内に「雇用促進計画」をハローワークへ提出するとともに、その事業年度終了後2 か月以内(個人事業主については3月15日まで)に雇用促進計画の達成状況について、各都道府県労働局 (またはハローワーク)の確認を受けることが必要。 【要件2】 雇用促進計画は、本社(本店)が、すべての雇用保険適用事業所分(連結納税制度を適用している法人に ついては連結子法人を含む)をまとめて、管轄のハローワークへ提出すること。 ≪確定申告までの流れ≫ (計画開始時) ① 事業年度開始後2か月以内に本社を管轄するハローワークに「雇用促進計画」を提出する。 ② ハローワークから、受付印を押印されたものが返却される。 (適用事業年度中) ③ 求人募集を行い、雇用保険被保険者の増員を行う。 (事業年度終了後) ④ 事業年度終了後2か月以内(個人事業主については3月15日まで)に本社を管轄するハローワークに 雇用促進計画の達成状況の確認を受ける。 ⑤ (計画を達成できていた場合は)雇用促進計画の控えを添付して、所轄の税務署へ確定申告を行う。 ⇓ 減 税 この税制は、平成23年4月1日から平成26年3月31日までに始まる「いずれかの」事業年度におい て、要件を満たした場合に適用を受けられるため、仮に今年度などに要件を満たせない何らかの原因 (事業主都合の離職者がいた etc.)があったとしても、次年度以降に要件を満たせる見込みがあれば、 適用を受けることができる可能性がありますので、ぜひ多くの企業に検討をしていただきたいと思いま す。 ここでは紙面の都合もあり、詳しく触れられなかった部分もございますので、詳しくは、厚生労働省ホ ームページ(http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudouseisaku/koyousokushinzei.html)をご覧いただくか、当事 務所までお問い合わせくださいますようお願いいたします。 また、最後になりますが、雇用をする際には、その方法や内容によっては、助成金が活用できるケー スもございますので、ぜひそういった制度を活用していただき、企業が発展されることを願っておりま す。 【要件3】 適用事業年度とその前事業年度に、事業主都合の離職がないこと。 【要件4】 青色申告書を提出する事業主であること。 【要件5】 風俗営業等を営む事業主ではないこと。 【要件6】 適用年度に雇用者(雇用保険一般被保険者)の数を5人以上(中小企業の場合は2人以上)、かつ、10% 以上増加させていること。 【要件7】 適用年度における給与等(役員報酬等を除く)の支給額が、比較給与等支給額以上であること。 ※ここでの詳しい説明は省略いたしますが、要は給与の総支払額が一定の割合以上、増加していることを 指します。 (文責:T.I) 社会保険労務士法人 横浜中央コンサルティング 飯 塚 行 政 書 士 事 務 所 労働保険事務組合 港都労務協会 〒 231-0047 横浜市中区羽衣町 3 丁目 55 番地 1 横浜センチュリ-ビル 4F 電話 045-231-8023 ファックス 045-231-8028 e-mail [email protected] http://www.himawari-office.com/
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