脂質異常症(外来) n 症例 1 【患者】55 歳、男性 【主訴】特になし 【臨床診断名】脂質異常症、2 型糖尿病、高血圧 【現病歴】 昨日 TV を見ていたら、「コレステロールが高いと心筋梗塞になりやすいので、健診で異常が出たらすぐ 病院へ!」と言っていた。先日受けた健康診断では中性脂肪が高く、要治療とあったので受診した。 【既往歴】50 歳:2 型糖尿病(指摘はされていたものの医療機関は受診せず) 【家族歴】父が脂質異常症(+)、高血圧症(+) 【社会歴】警備員(週休 2 日、夜勤無し)。妻と 2 人暮らし。2 人の子供は既に独立。 【生活習慣】喫煙:10 本/日×35 年、飲酒:焼酎水割り 3 杯/日、運動習慣は全くなし、昼は外食 【身体所見】 身長:170cm、体重:80kg、BMI:27.7kg/m2、腹囲:92.5cm バイタルサイン 血圧:140/88mmHg、脈拍:66/分(整)、体温:36.8℃ 眼瞼および眼瞼結膜:黄疸(-)、貧血(-)、口腔内:異常なし 頸部リンパ節・甲状腺:触知せず 心雑音:なし 肺ラ音:聴取せず 腹部:肝脾触知せず、手指振戦(-) 下肢:浮腫(-)、アキレス腱反射の低下(-)、腱黄色腫(-) 【薬歴】なし 【アレルギー歴、副作用歴】ともになし 【検査値】朝空腹時採血(今回来院時) T-Cho 268mg/dL、TG 380mg/dL、LDL-Cho 165mg/dL、HDL-Cho 38mg/dL、血糖 139mg/dL、HbA1c 7.2%(NGSP) RBC 468×104/mm3、Hb 14.7g/dL、Ht 45.0%、WBC 7200/mm3、Plt 16.1×104/mm3、 T-Bil 0.8mg/dL、D-Bil 0.2mg/dL、LDH 129IU/L 、AST 32IU/L、ALT 40IU/L、 Na 137mEq/L、K 3.6mEq/L、Cl 103mEq/L、TP 6.3g/dL、Alb 3.7g/dL ALP 203IU/L、γ-GT 63、BUN 16.7mg/dL、Cr 0.8mg/dL、UA 6.1mg/dL 尿蛋白(-)、尿糖(±)、尿潜血(-)、ケトン体(-) 【Problem List】 #1 脂質異常症 #2 2 型糖尿病 #3 高血圧症 【Clinical Question】 Q1.本症例の心血管イベントのリスクはどの程度は? ① 低リスク ② 中リスク ③ 高リスク Q2.本症例での脂質管理の目標値は? また、脂質管理の目的は? ① LDL-C はコントロール不要 ② LDL-C 160mg/dL 未満 ③ LDL-C 140mg/dL 未満 ④ LDL-C 120mg/dL 未満 ⑤ LDL-C 100mg/dL 未満 Q3.本症例で薬物治療は必要か? また、薬物治療を行う場合の推奨薬は? ① 非薬物治療のみでよい ② 薬物治療は必要、スタチンを推奨 ③ 薬物治療は必要、フィブラートを推奨 ④ 薬物治療は必要、エゼチミブを推奨 ⑥ 薬物治療はスタチン+フィブラートを推奨 Q4. 本症例で推奨するスタチンと投与量とその理由は? ① プラバスタチン 5mg or 10mg ② アトルバスタチン 5mg or 10mg ③ ピタバスタチン 1mg or 2mg ④ ロスバスタチン 2.5mg or 5mg ⑤ その他 Q5. スタチンの注意すべき副作用とその初期症状、客観的情報は? ① 横紋筋融解症 ② 肝機能障害 ③ 急性腎障害 ④ 糖尿病
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