平成 24 年 9 月 10 日 第 2119 号 果樹(ナシ、カキ、リンゴなど)の果実を加害す るチャバネアオカメムシが引き続き多い発生です ので、果樹園への飛来に十分注意してください ナシ、カキ、リンゴなどの果実を吸汁加害するチャバネアオカメムシの多発生が続いており、茨城県病害虫防除所では「病 害虫速報№6 チャバネアオカメムシの発生が引き続き多い状況です 果樹園での今後の発生動向に注意してください」を発 表して注意を呼びかけています。 病害虫速報№6(病害虫防除所 8 月 29 日発表)によりますと、8 月下旬現在、ナシにおけるカメムシ類の被害果率は平年 よりやや高く、また、予察灯へのチャバネアオカメムシ誘殺数調査では、笠間市及びかすみがうら市で平年より多い状況とな っています。一方、カメムシ類の主要な餌場および繁殖場所となるヒノキ林における生息数調査では、幼虫数が平年より少な くなって、多発生がやや収まる傾向もみられています。 しかし、スギやヒノキの球果数が少なく、餌が足りなくなった場合には、果樹園へ飛来して果実を吸汁加害する恐れがあり ますので、常に園内を注意深く観察し、カメムシ類の侵入を確認したら早急に防除対策に努めてください。 <防除のポイント> 1.カメムシの活動は夜温が高いと活発となりますので、その翌朝に園内をよく観察し、飛来を確認したら活動が鈍い早朝に 薬剤散布を行ってください。 2.合成ピレスロイド系薬剤は、カメムシ類の防除効果が高いですが、天敵に影響してハダニ類やカイガラムシ類の発生が多 くなる場合がありますので、散布後の発生動向に十分注意してください。 3.防除薬剤は、果実の収穫前日数(有袋や無袋で異なる場合があります)に注意して選択し、系統の異なる薬剤でローテー ション散布してください。また、散布に際しては園の周囲に飛散(ドリフト)しないよう十分な注意が必要です。 4.各薬剤とも直接虫体にかかれば殺虫効果は高く、効果の持続期間がネオニコチノイド系、合成ピレスロイド系、有機ケイ 素系の薬剤で5~10日程度、有機リン系薬剤で2~3日程度とされています。散布後の防除効果をよく確認し、その後も 飛来・生息が多い場合は、必要に応じて追加防除を行ってください。 表1 果樹カメムシ類の主な防除薬剤(平成24年9月5日現在) 薬 剤 名 系 統 名 ナシ 収穫前日数/使用回数 スタークル顆粒水溶剤 ○ 収穫前日まで/3 回以内 アクタラ顆粒水溶剤 ○ 収穫前日まで/3 回以内 ネオニコチノイド ダントツ水溶剤 ○ 収穫前日まで/3 回以内 バリアード顆粒水和剤 ○ 収穫前日まで/3 回以内 有機ケイ素 MR.ジョーカー水和剤 ○ 収穫 14 日前まで/2 回以内 スミチオン水和剤40 ○ 無袋 収穫 21 日前まで/6 回以内 有機リン ○ 有袋 収穫 14 日前まで/6 回以内 アグロスリン水和剤 ○ 収穫前日まで/3 回以内 テルスターフロアブル 合成ピレスロイド ○ 収穫前日まで/2 回以内 ロディー水和剤 ○ 収穫前日まで/2 回以内 フェニルピラゾール キラップフロアブル 注)表中の○印は、当該作物に農薬登録があることを示します。 カキ 収穫前日数/使用回数 ○ 収穫前日まで/3 回以内 ○ 収穫 3 日前まで/3 回以内 ○ 収穫 7 日前まで/3 回以内 ○ ○ 収穫 14 日前まで/2 回以内 ○ ○ ○ ○ 収穫前日まで/3 回以内 収穫 45 日前まで/3 回以内 収穫 3 日前まで/2 回以内 リンゴ 収穫前日数/使用回数 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 収穫前日まで/3 回以内 ○ 収穫前日まで/2 回以内 ○ 収穫 14 日前まで/2 回以内 収穫 7 日前まで/2 回以内 収穫前日まで/3 回以内 収穫前日まで/3 回以内 収穫 14 日前まで/2 回以内 収穫 30 日前まで/3 回以内 収穫 7 日前まで/3 回以内 収穫 7 日前まで/2 回以内 農薬を使用する際には,ラベルに記載の登録内容、使用法、注意事項などを確認し、飛散に注意して使用して下さい。 生産資材部 営農企画課 電話:029-291-1012 FAX:029-291-1040
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