子どもの遊び,心,そして絵本 ―絵本で子育て心育て

平成 24 年度 共同機構夜間講座その 2
京都市子育て支援総合センターこどもみらい館
共同機構研修会
子どもの遊び,心,そして絵本
―絵本で子育て心育て―
講師
1.はじめに
今関 信子 児童文学作家
その場所がじゅくじゅくした傷になるそうです。
今日はとても楽しみにしてきました。というの
ですから,直に綺麗な水があるところに移さなけ
は,私は幼稚園の教員をしていたからです。幼い
ればならなかったので,太平洋側の水族館に頼ん
子どもたちが大好きで,その子たちといっぱい遊
だそうです。その中に,どうしても二頭一緒でし
んだ思い出がありますので,現場で子どもと関わ
か動かせないイルカがいたのですが,なかなか二
る先生たちと,絵本を通して子どもについて,或
頭一緒に預かってくれるところがありませんで
いは育ちについていろいろ考えられるこんなチ
した。飼育員は「館長,もういいです。だいたい
ャンスは本当に嬉しい事です。皆さんと一緒に楽
イルカはデリケートな生き物だから,動かせばも
しい時間が過ごせたらと思っています。
しかしたらショック死します」と言いました。動
2.安全地帯と子どもの成長
物学者の人たちも「もしかしたらダメかもしれな
私は子育ての話をする時にいつも思い出すこ
い」というのです。この二頭のイルカは,ここで
とがあります。
生まれた“赤ちゃんイルカのラボ”と“お母さん
島根県沖で「日本海重油事故」があったことを
イルカのフローラ”だったのです。赤ちゃんイル
御存知ですか。阪神淡路大震災の翌年だったと思
カはまだ 6 ヶ月でした。
うのですが,1 月 2 日に島根県沖でロシア船の「ナ
そんな時に須磨海浜水族館から「うちのプール
ホトカ号」が真っ二つに折れたのです。そして,
を半分貸してあげます」と電話がありました。阪
船の後ろ半分は沈めて,前の半分だけでロシアを
神淡路大震災からようやく立ち上がって,まだ十
めがけて帰るように北上し始め,海に真っ黒な重
分動物が揃っていなかったのでプールが空いて
油があふれたのです。みんなが「日本海はどうな
いたのです。しかし,死ぬ確率が高いと言われて
るのだろう」「海に重油が流れて行く」と思って
いるので,飼育員は嫌だと言うのです。館長は考
いましたら,どうやら石川県に船が流れて行くと
えましたが“子どもの命は分からない。賭けてみ
いうことが分かったのです。
よう”と思って預かってもらうことにしました。
福井県に越前松島水族館があるのですが,その
ボランティアの力を借りて無事運び終えること
水族館の職員も「ナホトカ号」を複雑な気持ちで
ができ,元気に育ってくれたのです。
見送っていました。すると「ナホトカ号」が越前
そして,海がきれいになった半年後にイルカた
松島水族館を目掛ける様にバックして,2 キロほ
ちが帰ってきたということで私も水族館に見に
ど下ったところに漂着したのです。真っ黒な重油
行きました。そうしたら,ラボはお母さんと同じ
がどんどん来るので職員は困っていました。その
くらい大きく成長していました。でもやっぱりお
時,館長が「大丈夫。もし重油がついても,鳥た
母さんにくっついて泳ぐのです。ですが,一人で
ちは羽があるからとってあげることができる。魚
泳ぐこともできるようになっていました。
も鱗があるからとることができる。」と言われた
私はノンフィクションで書くために水族館で
のですが,その中で待った無しの生き物がイルカ
取材をしていたのですが“これって子育ての基本
だったのです。
イルカは 1 ㎜程の重油が付いても,
だ”と思いました。それは,新しい命が私たちの
1
ところにくる時に,私たちは身体をはって命を守
でも手を放したとき,新しい環境が赤ちゃんイル
ります。大人たちはその命のすぐ傍で安全地帯に
カにぐっと力をつけさせるということがあった
なります。“ここは安全,命をあずけて大丈夫”
のではないでしょうか。子どもたちは,一番守っ
というところを確保してあげます。子どもたちは
てもらえるところに居ればいいのではなく,いろ
力をつけていきます。大人に守られ,力をつけて
いろな環境,いろいろな力で育っていくのだとい
いくと,子どもたちは今度は自分の世界をつくり
うことも覚えておいていいことだと、私はその時
だしますから,少し離れていきます。そうすると,
思いました。そう思いながら,子どもを育ててい
子どもたちの世界は毎日新しい世界になるので,
きたいと思います。
びっくりする事や,怖いこと等いろんな事があっ
3. 子どもの育ちに大切な力を出す「本」とは
て「わぁ~」と泣いて帰ってきますよね。「よし
子どもを育てる時,私たちはいろんな声をかけ
よし,大丈夫。ここは安心よ」と体制を整えさせ
ていきます。お母さんは,お腹にいるときから声
て,また子どもたちは冒険に出て行くことになり
をかけているのではないでしょうか。子どもは外
ます。そして,子どもたちは世界を広げていき,
に出て来た時に「この声聞いたことがある」と思
もう少し経つと,チラッと振り返って“安全地帯
うかもしれません。新しく出会った保育者のこと
あるな”と確認し,もっと遠くに行きます。もっ
も,安心して迎えてくれる人の声にも,“この人
と遠くに行けるようになるといつの間にか“もう
好きだ”“この声好きだ”というように信頼をお
安全地帯はいらない”という顔をし始めます。そ
いて育っていくのではないでしょうか。話しかけ,
うしながら子どもたちは力をつけていくという
語りかけ,いろんなことを具体的にしていく直接
ことが起きるのではないでしょうか。私たち大人
活動と同時に,間接活動になると思うのですが,
は,大丈夫かな”とついていってしまうのですが,
私は「本」というのも育ちに大切な力を出すと思
そうすると子どもたちは“もっと遠くに行かない
っています。
と安全地帯から離れられない”と頑張ることにな
①絵本「いないいないばあ」
りますので“ここで待ってあげる,いつか何かあ
次々にいろいろな動物が「いないいないばあ」
ったらここに帰っておいで”というように待って
をします。子どもたちの大好きな本ですが,私は
いることが必要なのかもしれません。子どもたち
本を読むよりも先にすることがあると思ってい
はそうして自分の世界を作っていくのだと思い
ます。それは“いないいないばあ”をして遊んで
ます。
もらいたいということです。遊ぶ時「いないいな
保育者と子どもの関係もそういうふうに育っ
い」と両手で顔を隠しますよね。子どもは幼けれ
ていくのだと思うのですが,もう一つ大事な力が
ば幼いほど大好きな人がいなくなったと思って
あると思っています。それが,いざ自分の世界を
ドキドキするのです。「ばあ」と顔を見せると赤
広げようと乗り出した時の“人間の壁”です。イ
ちゃんは笑います。この遊びは大好きな人と赤ち
ルカを運び出す時に,飼育員やボランティアは直
ゃんの間にとてもいい空気があって,遊びによっ
接手を貸さず,黙って輪を作り,突っ立って「が
てドキドキし,とてもいい空気にもう一度戻ると
んばれ!」と声をかけて応援を送りました。この
いう一つのまとまりになっています。「いないい
中にすごくいい空気があって少しずつ輪を小さ
ないばあ」という遊びははじめがあって終わりが
くしたり,大きくしたりして応援をしました。
“直
ある。その中にハラハラ、ドキドキ心を高揚させ
接手を出さなくても空気が応援して子育てがで
る場面があるのです。
きるのだ”と私はその時思っていました。
4.「本」の世界を楽しむ
須磨海浜水族館から電話がかかってきた時,飼
このように「いないいないばあ」の遊びをたく
育員は「イルカの事は自分たちが一番よく知って
さんした後に本を読むのですが,本というのはす
いる。だから,私たちが育てる」と言いました。
ごい力があります。本というのは“空想力”“想
2
像力”を使ってクマが「いないいないばあ」をす
に振ったのです。そして「叔母ちゃんの家,今日
るのです。本というのは私たちの現実をすうーっ
からお店屋さん開店したよ。この旗が立っている
と乗り越えるのです。ですから,本が楽しいとい
ときはいつでも来てください」と言いました。そ
うことを知っている子は人生の楽しみを手に入
して「叔母ちゃんの家でおやつを食べたら,叔母
れたようなものなのです。江戸時代の中のある少
ちゃんが読む本を聞いていってね」と言ったので
年になって遊ぶこともできるし,外国に行くこと
す。でも,毎日一冊読んでいるのに,読み終える
もできるし,未来に行くこともできるのです。時
と外に遊びに行って,全然,本に引っかかってき
間も場所も自由に越えていろんな体験を自由に
ません。こちらは目的を持って準備しているのに,
することができるのです。本とはそういう力を持
目的に引っかからないと嫌ですよね。ですから読
っていますので,本の世界を子どもたちに楽しん
むのをやめたのです。そうしたら子どもが「叔母
でもらう事は本当に大事な事なのではないかと
ちゃん,続きは?」と言うのです。実は,子ども
私は思っています。ぜひ,子どもたちに本を読ん
たちは遊びながら聞いていたので,ある日,私が
であげて欲しいと思うのですが,難しい本を読む
読んでいる膝元にみんなが集まってきました。そ
と子どもは面白くありません。
して,目玉をギロギロにして聞くのです。この本
私の子どもが 3 歳の時に,埼玉県から京都に引
でした。「三匹のやぎのがらがらどん」です。
っ越してきたのですが,その時初めて核家族にな
②絵本「三匹のやぎのがらがらどん」
りました。私は幼稚園教員をしていたものですか
この本を読み終えると,子どもたちが「おおき
ら“おじいちゃんもおばあちゃんもいないのだか
に!」と言いました。そして,外に遊びに行った
ら自立した子どもに育てよう”“私がちゃんとし
のです。すると,いつもなら仮面ライダーごっこ
なくては”と肩に力が入っていたのです。
をしている子どもたちが,すべり台で“三匹のや
私の子どもは遊びたくてしょうがない。でも,
ぎのがらがらどん”ごっこをしていました。子ど
友だちが家の前で「おいで」と言わんばかりに遊
もは共通のイメージがあると,ちゃんと遊びに展
び始めても「遊んで」と言えなかった,そのうち
開するのです。
友だちは勝手に“靴隠し”をして遊び始めました。
③絵本「てぶくろ」
彼は完全に友だちの視野から外れたのです。困っ
この本を読んだ時,子どもたちは外に出て行か
た彼は,みんなが遊んでいる傍に行って「仮面ラ
イダー!とおっ!!」と言ったのです。そのこと
ず,私の机の下に,みんながぎゅうぎゅう詰めに
........
入って「叔母ちゃん,きばもちいのししやって!」
がきっかけになり,友達と仮面ライダーごっこで
と言っていました。
遊ぶようになりました。考えてみると,あの時息
絵本は遊びに展開するものがいっぱいありま
子は大ピンチだったのです。その日から,仮面ラ
す。共通のお話を聞き共通のイメージを描いて,
イダーごっこの声が毎日聞こえるようになりま
ごっこ遊びをしていくのです。遊びに展開されや
した。3 週間程経った頃,私はその遊びの音しか
すい要素を「三匹のやぎのがらがらどん」でさぐ
聞こえないことに気がつきました。子どもたちは
ると,昔話の形式には,お話しが分かりやすく伝
ライダー一色の世界で生きている。これには課題
わるようなフォームがあります。例えば“良いお
がないのか。子どもの世界が,様々なものに出逢
じいさん”“悪いおじいさん”と極端に分けて,
えるほうがよいと思いました。“これは遊んでい
お話しが分かりやすいように作られたり,「三匹
る集団ごと何とかしなくては”と思いました。話
のやぎのがらがらどん」のように繰り返しがある。
好きの子どもがいっぱいいる方が楽しいのに決
繰り返しは、経験の繰り返しという意味において,
まっているので,私は子どもたちを集めて本を読
話が分かりやすくなります。それから,もうひと
むことにしました。集める方法として“物干し竿”
つすごいところは,“三匹目のやぎ”の意外性で
の先に,風呂敷やスカーフをくっつけて旗のよう
す。「ダメだよ,たべられちゃう」と思っていた
3
のが「どっこい!」となるのです。この「どっこ
も知れません。
い!」がすごいわけです。
⑧絵本「あおくんときいろちゃん」
④絵本「くるまはいくつ」
私は近所の子どもたちに本を読んであげた後,
起承転結といって“転”というのはお話し作り
本棚に立てて,いつも借りて帰れるようにしてい
に大事です。ストーリーになっていく時には“転”
ました。「あおくんときいろちゃん」を読んであ
というのが大事になってきます。思いがけない展
げた後も,本棚に立てて置き,借りられるように
開です。
していたのですが,この本はちっとも借りてくれ
この本は「車が一つあるものなーんだ」と子ど
ないし,遊びに展開しませんでした。抽象画なの
もと当てっこしていきます。この本はクイズみた
で子どもは分からないのかなと思って本を見て
いな本ですが,意外性の力を生かしています。例
いました。そんな時,息子が水疱瘡になって園を
えば,クルマが 5 つものなんだ?と問うところな
休むことがありました。そして,もうすぐ園に行
どにそれが表れています。
けるというときに,この本をじっと読んでいるの
⑤絵本「ゆうたのおかあさん」
です。
“お母さんは優しい”という本が定番ですが“ゆ
「どうしたの」ときいたら,「あのなぁ,ぼくな
うたくん家のいばり犬が見るとちょっと違う,意
ぁ,園に行ったら,たかしくんと心を重ねて遊ぶ
外性を充分生かした絵本です。
んだ」と言ったのです。この本の“嬉しくて,も
子どもは人生全部をそこに持ち込んで,自分の
う嬉しくて,二人は緑色になりました”というと
興味のあるところにぎゅっと引き付けて絵本を
ころを何度も何度も指でさするのです。私は「そ
楽しんでいきます。本は自由に読んでいいのです。
うか,この本は“心の本”なんだ。遊びに展開し
前から読もうが,後ろから読もうが,飛ばして読
ないはずだ」と思いました。大事なものはそっと
もうが,同じところを何度読もうが関係ありませ
心に届いて,それこそ心が育っていくのです。だ
ん。本のメッセージは、自然にしみていきます。
から,いろんな遊びに展開しなくても大丈夫。心
どうぞ子どもたちに本を渡してあげてください。
に届いて心を大きく育てていくものってあるの
⑥絵本「だんまりこおろぎ」
だと私は思いました。私たちは,どの本を読んで
ここにも意外性に注目した作品があります。エ
いいか分からないと思ったりします。自分が感動
リック・カールさんは「仕掛け絵本」の名人だと
した本を読んで大丈夫です。子どもは内容が分か
思います。この本の最後にこおろぎの声があるの
らなくても読んでもらった大人の顔と一緒に本
ですが,これにはメッセージがあって,こおろぎ
も自分のものにしていきます。大きくなっていっ
坊やはいろんな虫に声をかけてもらったけれど
た時,それは子どもに届いていくものです。
声が出ませんでした。でも,今度は自分から挨拶
興味さえあれば,自然に耳だって目だって手だ
をしようと思うのです。自分から声をかけた時に
って動きます。“面白い”と思える力があればい
あの綺麗な音が出るのです。「大丈夫,やってご
いのです。正しいものを教えてしまって“自分は
らん」とエリック・カールさんは子どもの背中を
何もできない”と思わせるよりも,何度でも間違
押しているのです。
った方がいいのです。そうすると,何度でも立ち
意外性に注意してみると子どもたちが楽しむ
上がるのです。いろいろ経験していくと“こんな
本というのを見つけやすいかなと思っています。
方法もあるな”と思うでしょう。遠回りすればす
⑦絵本「こんにゃろとうちゃん」
るほどたくさんの事を経験するのではないでし
梅田俊作さんと奥さんの佳子さんの子育ての
ょうか。小さい時ほど失敗はたくさんすればよい
中から生まれた本です。子どもの生活に近いとこ
のだと私は思っています。
ろで「同じだな」と子どもが思うような作品をひ
⑨絵本「あのやまこえてどこいくの」
ろっていくと子どもが喜ぶ本を見つけやすいか
作者が保育園に送り迎えをしている時にでき
4
た本だそうです。この本のように,言葉をかけあ
私は今でも忘れられないお母さんがいます。バ
って遊ぶというのはとても楽しいと思います。
スに乗っている時に,子どもが「ママ見て!」と
⑩絵本「きらきら」 谷川俊太郎作
言ったので窓の外を見ると綺麗な虹が出ていた
“綺麗な言葉”をいっぱい子どもたちに読んで
のです。バスの中のみんなが運転手までが虹を見
あげて欲しいです。綺麗な言葉を子どもに使って
て“綺麗だ”と思っていると,子どものお母さん
あげるといいなと思います。
がパンと手を打って「はい!虹は七色!」と言わ
⑪絵本「雨のにおい星のこえ」
れたのです。そして「何色と何色?」と聞かれた
子どもが楽しむかどうかは別にして,先生の心
ので,子どもが「赤!黄色!」と応えていました。
が太るためにこういう本を読んでください。この
お母さんが「そうです,虹は七色。分かった?」
本は目の不自由な子どもたちの声をひろってい
と言われて「はい」と子どもが返事をした後,バ
ます。私たちが気が付かない言葉がいっぱい出て
スの中が静まり返ってしまいました。
きます。目の不自由な子どもたちの感性でひろっ
私は家に帰ってから「何かおかしい」と気にな
てくる言葉があります。私たち大人はいろいろな
って仕方がありませんでした。そして分かりまし
人の言葉や感覚を本からもらって,私たち自身が
た。「このお母さんはすごく真面目な人なんだ」
太っていくことが大切だと思います。子どもたち
と,子育ての話をする時は多くの人が「いろんな
は私たちをよく見て真似をします。私たちがいろ
ことを経験させてあげてください」と言うんです。
いろなものに興味を持って太っていくと,自然に
このお母さんは“虹をちゃんと見せてあげよう”
子どもに伝わっていくことがあるのではないで
と思ったのでしょうが,パンと手を打ったのが惜
しょうか。
しいところでした。その瞬間にお母さんが主人公
⑫絵本「なかまはずれ」
になってしまい,それまで子どもが主役だったの
科学絵本の中で「こうかな?」「ああも考えら
にお母さんのペースになったのです。子どもは
れるかな?」と考えられたら,楽しいですね。で
「ママ見て!」と他の人は関係なくママに見せた
すから“覚えて終り”ではなく,本を見ていろい
かったのです。ママのことが大好きだから,自分
ろと考えていく力もつけていけばよいと思いま
がみつけた素敵なものを見せたいと思ったので
す。
す。お母さんはその時に「まぁ綺麗ね」と言った
⑬絵本「つよいかみ よわいかたち」
ら良かったのです。そうしたら“ママの私と同じ
ハガキの両端を折って橋を作り,その上に 10
気持ち”と子どもは思います。同じ気持ちという
円玉が何枚載るかを考えていく本です。最後に
のはうれしい。好きだとの思いがふくらむのです。
“つよいかたち”に先生が折ると,10 円玉が 34
好きな人への気持ちは届きやすいのではないで
個も乗るのです。この本のすごいところは,本の
しょうか。
中で遊んだ形が町の中にあることです。
本もありますが,お話もあります,紙芝居もあ
⑭絵本「質問絵本」 五味太郎作
ります。いろいろな言葉やものが子どもたちに届
正解が無いので子どもと本を真ん中において
くようにしてくださると嬉しいです。
いろいろと意見を出す,話すというのにいい本で
共同機構夜間講座その 2
平成 24 年 6 月 22 日
於:京都市総合教育センター永松ホール
す。
⑮紙芝居「あかちゃんもうふ」
子どもに伝えなければならない大事な事って
いっぱいあります。一つ紙芝居を紹介します。
紙芝居はちゃんと“舞台”に入れて見せてくれ
るといいなと思っています。
5. 最後に
5