2003 年度活動報告(案) - ii

2004 年 8 月 20 日
「ジュゴンネットワーク沖縄」2003 年度活動報告(案)
ジュゴンネットワーク沖縄
I はじめに
私たちは、私どもの活動について、これまで、①ジュゴン目撃聞き取り調査(個体識別調査)
、ジュゴン生息
環境調査、②保護対策活動、③学習活動、④ジュゴン保全アピール活動、⑤ジュゴン保全要請行動など、と整理
してまとめてきた。
2003 年度における私たちの活動は、今年度も、泡瀬干潟を守る連絡会の下での泡瀬干潟埋立問題に対する継
続的な活動を行いながら(ここでは取りまとめない)
、主に、沖縄ジュゴンが生息する中心海域と思われる辺野
古沖への普天間飛行場(米国海兵隊基地)の代替施設建設計画問題に焦点をあてた活動を行なった。昨年度まで
毎年取り組んできた国際リーフチェックについては、今年度は実施できなかった。
なお、本報告は、2003 年度(2003 年4月∼2004 年3月)報告であるが、2004年度に入っての活動について
も述べる。
II 主な活動
1.ジュゴン目撃聞き取り調査、及び、ジュゴン生息環境調査
まず、ジュゴン目撃聞き取り調査は、継続的に行われた。
「2003 年ジュゴン目視記録」
「2003 年目視位置図」
「ジュゴン個体識別記録」 Map of Places where Dugongs Sighted 1998-2004 Okinawa Island (添付)参照。
ストランディングについては、2002 年 10 月9日「熊本県牛深市の茂串漁港近く」でのケースが記録されて以
降、今年 2004 年4月 26 日、読谷沖の定置網に混獲されたのが唯一のケースである。
次に、ジュゴン生息環境の継続調査も、随時行なわれた。
なお、日本自然保護協会によるザングサウォッチングが、今年度も引き続き、随時行われた。
なおまた、環境省は、
「ジュゴンと藻場の広域的調査」
(2001〔平成 13〕年度から3か年計画)を行い、今年
2004 年3月 23 日「平成15年度第2回ジュゴンと藻場の広域的調査手法検討会の結果について」
(3か年計画
の中間報告)を発表。ちなみに、
「
(その)最終の報告書は、
(2004 年)6月を目途に取りまとめる予定です。
」
とされているが、まだだと思われる。
2.保護対策活動
ジュゴンネットワーク沖縄としての、独自の組織的取り組みは行えなかった。
環境省による「ジュゴンのレスキュー対策」
(環境省は沖縄県に施行委任をしている)が行われ、ジュゴンネ
ットワーク沖縄のスタッフ(複数)も協力した。
なお、2002 年度実施事業(水産庁)だが、昨年 2003 年2月、
「定置網や刺し網に迷い込んだジュゴンを超音
波で監視し、救助に役立てるシステムの実験が二十五日、宜野座村漢那沖で行われた。
」
(沖縄タイムス 2003 年
2月 26 日夕刊)
3.学習活動やジュゴン保全アピール活動、ジュゴン保全要請行動等
ジュゴンネットワーク沖縄としての独自の活動として、①那覇防衛施設局によるボーリング調査等「現地技術
調査」にかかる、沖縄県への要望(関連文書添付)
、②屋我地漁港問題にかかる、名護市当局への要請と同市議
会への陳情(関連文書添付)
、また、③2003 年 11 月9日(日)
、第 19 回うないフェスティバル(同実行委員会
主催、事務局:那覇市)における展示を中心にしてのワークショップ参加等を行った。このワークショップは、
前年度に続く参加だが、写真展示やビデオの映写のほか、県内 R 大学 S 学生の協力を得て、宜野座沖の海草を採
集した上で、沖縄ジュゴンの生息環境を小さな水槽に再現する工夫も行った。
また、そのようなジュゴンネットワーク沖縄としての独自の取り組みのほか、沖縄ジュゴンが生息する中心海
域と思われる辺野古沖への普天間飛行場(米国海兵隊基地)の代替施設(海上基地)建設計画問題、すなわち、
日本政府による海上基地建設計画の「現地技術調査」や環境アセスメント手続き(環境影響評価方法書)等に対
する取り組みを、ジュゴンネットワーク沖縄の対外活動として、あるいは、一会員(個人)として、最大限、協
同(協力)しながら、各種の活動をも積み重ねた。
とくに、沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団は昨年 2003 年9月に結成されたが、その結成の呼びかけ団体
に加わった。また、沖縄ジュゴンも原告となっての沖縄ジュゴン「自然の権利」訴訟が、昨年9月に提訴された
が、ジュゴンネットワーク沖縄も原告となり、また、その提訴準備や訴訟維持のため資料提供等にも応じた。
その沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団は、精力的な活動――シンポや講演会等をとおして、県議会対策、
「現地技術調査」や環境影響評価方法書に対する批判活動、あるいは、国際サンゴ礁シンポジウムでの取り組み
等を展開してきたが、ジュゴンネットワーク沖縄の、これまでの活動成果が大いに生かされたことも特記してお
きたい。
また、私たちの活動成果は、沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団編集・発行パンフレット「心(ちむ)に海
(うみ)染(す)みり(英・和文)
」
(2004 年6月)
(添付)や、沖縄県(自然保護課)編集・発行「ジュゴンの
はなし」
(2003 年 10 月)
(添付)にも反映されたことも付言しておきたい。
III 今後の課題と活動の自己評価
まず、主な課題は、次の4点であろうか。
1.これ以上の、ジュゴン生息環境の劣化は許されないのであり、そのため、いかにして日米両政府による(沖
縄県や名護市が認容する)海上基地建設計画について、日米両政府をしてこれを断念させるかである。
4月19日、那覇防衛施設局によるボーリング調査の強行が、近隣の住民等による座り込み行動によって阻止
され続けられている。依然として、日米両政府に海上基地計画を断念させる県内外の、国際的な世論づくりの拡
充が急務となっている。8月13日(金)に起こるべくして起こった米軍ヘリ沖国大墜落事件の発生を受け、こ
の課題は、いっそう急務となった。
2. やはり、ジュゴン「生息地等保護区」など保護対策づくりが急務である。と同時に、網漁業を前提にし
てのジュゴン・レスキュー体制についても、見直しが必要であろうと思われる。
なお、ジュゴンネットワーク沖縄は、
「自然再生推進法」にかかる「やんばる河川・海岸自然再生協議会」
(2004
年6月 26 日結成)に加盟した。私たちの立場(沖縄ジュゴンの保護と生息環境保全)からの、意義あるかかわ
り方が期待されている。
3.私たちの活動成果の普及についても大きな課題の一つである。たとえば、手づくりのホームページも更新
されないままとなっている。
4.財政基盤の拡充である。今年度も、富士ゼロックス端数倶楽部&(株)富士ゼロックス助成が唯一のまと
まった財源となった。
次に、私たちの活動の自己評価についてだが、まずは、いわば組織的業務(会報づくりや会員管理、財政基盤
づくり、月一回の例会の再開をはじめ組織的課題が多い)の確実な実施が急務となっている。言い換えれば、そ
のような活動を置き去りにして、さまざまな活動を展開しすぎてきている向きがあるので、このあたりをなんと
かしなければならない。
以上
添付文書一覧
I ジュゴン目撃聞き取り調査、及び、ジュゴン生息環境調査関係
1.2003 年ジュゴン目視記録
2.2003 年目視位置図
3.ジュゴン個体識別記録
4.Map of Places where Dugongs Sighted 1998-2004 Okinawa Island
II 学習活動やジュゴン保全アピール活動、ジュゴン保全要請行動等関係
5.
(名護市議会に対する)屋我地漁港整備事業についての陳情書(2004 年2月 26 日)
6.屋我地漁港整備事業の問題点――陳情の趣旨(2003 年3月 23 日)
7.
(沖縄県関係部局に対する)防衛施設庁による辺野古沖におけるボーリング調査に対するジュゴン保護と
ジュゴンの生息環境保全について(要望)
(2004 年1月 23 日)
【注】この要望は、沖縄素もぐりダイビング協会とともに行った。
8.沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団編集・発行パンフレット「心(ちむ)に海(うみ)染(す)みり(英・
和文)
」
(2004 年6月)
9.沖縄県(自然保護課)編集・発行「ジュゴンのはなし−沖縄のジュゴン−」
(2003 年 10 月)
【注】奥付には3月とあるが、実際に発行されたのは 10 月である。
以上
【追記】
1.本「活動報告(案)
」は、紙媒体によるまとめです。
2.5∼7は、http://homepage2.nifty.com/~jaga/dugong/ugoki.html「ジュゴンネットワーク沖縄の主な
動き(暫定ページ)
」からリンクされてます。