【全訳】 東京芸術大学が早期卒業制度を導入 東京芸術大学は,国際舞台で活躍することのできる若手演奏家の育成を目指し,2016 年度に 始める飛び入学制度で音楽学部に入学する学生に対して早期卒業制度を導入する。 同大学によれば,飛び入学と早期卒業の両制度を用いることで,学生たちは 20 歳で卒業する ことができるようになり,それによって入学の年齢に上限を設けている海外の一流大学への進学 が可能になるという。 文部科学省によれば,日本国内で両制度を併用する大学は珍しいという。 同大学は 16 年度入試で,飛び入学制度を導入する。この制度のもとでは,学生たちは高校 2 年修了時に大学への入学が認められる。今年 11 月に,ピアノやバイオリン,チェロなどで卓越 した技術を持つ学生を書類審査や実技試験,面接などによって選ぶこととなる。 入学後,学生たちは海外から招いた有名音楽家を指導役として,一般学生の 2 倍のペースで 個人レッスンを受ける。また,同大学は海外で演奏する機会を設けるなどして学生の音楽家とし ての実績づくりを支援し,一般学生より 1 年早い 3 年で卒業させる。 卒業後には,同大が提携協定を結んでいる英国王立音楽院や米ジュリアード音楽院などの海外 の一流大学への特別推薦を与えることで,学生の留学を後押しする。同大学によれば,海外の多 くの一流大学で入学の年齢に上限が設けられているという。一例として,フランスの有名な音楽 学校であるパリ国立高等音楽院がピアノの入学者を 21 歳以下に限定していることが挙げられる。 このため,卒業前に同大学を退学し,留学する学生もいるという。しかしながら,両制度を活用 すれば,学生は同大学を卒業した後に海外の教育機関で学ぶことが可能になるのである。 飛び入学制度を用いて入学した学生はおよそ 28 万円の入学金とおよそ 54 万円の初年度の授 業料が免除される。また,2 年目以降の授業料も成績次第で免除される。さらに,同大学は毎年 およそ 50 万円の奨学金を計画しており,留学する学生への学費の補助も検討している。 同大学は,才能ある学生の発掘などを目指して,小中学生に個人レッスンを行う「早期教育プ ロジェクト」を今年 7 月から始める。近くその募集を開始する予定だ。 <早期卒業制度> 医科大学や一部の大学を除いて,大学では学校教育法により通常 4 年の修業年限が必須であ るが,大学が優秀な成績であると認めた学生は 3 年で卒業できる制度。1999 年の法改正の際に 制度化され,2012 年の時点で 143 校が導入している。千葉大学を含む 6 大学では,高校 2 年修 了時からの大学進学を認める飛び入学制度を導入している。
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