CASBEE不動産評価員試験 問 題

第4回
(2015年9月)
CASBEE不動産評価員試験
問
題
次の注意事項をよく読んでから、解答を始めてください。
[注意事項]
1.この試験は、次の図書の内容に基づくものです。
「CASBEE-不動産 評価方法の考え方と手引き」(2015年8月発行)
2.試験時間は、14時00分から16時00分までの2時間です。
3.問題は表紙を除いて19ページあります。この他に解答用紙が1枚あります。
4.解答用紙には、受験番号・氏名・生年月日・会場名を記入してください。
5.各問題につき1つの解答を選んでください。複数選択した場合は不正解となります。
6.問題は「CASBEE-不動産
評価方法の考え方と手引き」の章毎に分かれていますが、選択
肢の全てがその章に含まれる内容とは限りません。
7.この問題冊子への書き込みは差し支えありません。
※本試験問題の無断転載、複製、営利目的使用は禁じられています。
第1章からの出題
問題1
国内外の「規制に関する動向」に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 省エネ法では2002年に5,000㎡以上の建築物の省エネ措置の届出が義務化され、
これに対応して、10,000㎡以下の建物に対する建築の仕様基準(通称ポイント
法)が制定された。
2 省エネ法では、建築物の省エネ措置の届出義務に関し、2010年にその対象規模
が2,000㎡以上に拡大され、これに伴って、5,000㎡以下の建物に対する通称簡
易ポイント法が追加された。
3 エネルギー基本計画(2014年4月閣議決定)においては、2030年までに新築建築
物の平均でZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を実現することを目指すも
のとしている。
4 EPBD(建物のエネルギー性能に関する欧州指令)においては、EU(欧州連合)
加盟各国に対して、2020年末までに、すべての新築住宅・建築物をゼロ・カー
ボンとすることを求めている。
5 東京都は環境確保条例の改正により、2015年4月から一定規模(年間使用量原
油換算1,500kl)以上の事業所に対し温室効果ガス排出量削減義務と排出量取引
制度を実施している。
問題2
日本のエネルギー消費量の推移について述べた次の記述のうち、最も不適当なものは
どれか。
1 2009年の建築部門のエネルギー消費量は1990年に比べ床面積当たりで大きく増
加している。
2 2012年の住宅・建築物部門におけるエネルギー消費量は1990年に比べ30%以上
増加した。
3 2012年の産業部門におけるエネルギー消費量は1990年に比べ10%以上減少し
た。
4 2009年の建築部門のエネルギー消費量は1990年に比べ1.4倍程度増加している。
5 2012年の運輸部門におけるエネルギー消費量は、1990年に比べ全エネルギーに
占める割合としては大きくは変わらない。
- 1 -
第4回CASBEE不動産評価員試験
問題3
環境不動産に関する「国内外の動向」に関するイからニまでの記述のうち、正しいも
のはいくつあるか。
イ CO2排出量ゼロを目指すゼロ・カーボンの考え方には、オフサイト(敷地外)で
の排出量削減クレジットを取引することも含まれる。
ロ 英国王立勅許鑑定士協会(RICS)では、サステナビリティは潜在的な価格形成
要因であり、リスク要因でもあるとして、国内及び海外の鑑定評価基準に含め
ることを強く推奨している。
ハ 国連環境計画金融イニシアティブ(UNEP FI)で策定した「責任投資原則」で
は、投資決定の際に「環境・社会・企業統治(ガバナンス)」への配慮を求め
ている。
ニ 省エネ法によるエネルギー管理規制では、2010年度より事業所単位ではなく、
事業者(企業)単位での定期報告書の提出が義務付けられ、運用エネルギーを
年1%以上削減することが求められている。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 全て正しい
5 全て誤っている
第2章からの出題
問題4
「省エネルギー/温暖化ガス排出削減に関する手法」に関する次の記述のうち、最も
不適当なものはどれか。
1 オフィスビルの年間の一次エネルギー消費量において、空調・熱源と照明・コ
ンセントの比率が高いと言われている。この部分に削減の余地が多く、これに
対して優先的に対策を実施することが有効である。
2 省エネルギーの取り組みは、建築計画上の工夫をまず優先して考えていくこと
が重要であり、既存建物の省エネ改修でも、同様に建築計画上の工夫を優先す
る。
3 新築における環境対策として、高効率照明やインバーターなどによる搬送動力
の削減などの手法は費用対効果が高い。
4 建築的な省エネ手法は費用対効果の観点だけでなく、窓周辺の温熱環境改善、
結露防止などの効果を含めて採用を検討する必要がある。
5 建築物の省エネ性能に影響を与える高性能ファサードのバリエーションとし
て、「天井排熱」、「エアバリア」、「エアフロー」、「ダブルスキン」など
がある。
- 2 -
第4回CASBEE不動産評価員試験
問題5
「省エネルギー/温暖化ガス排出削減に関する手法」に関するイからニまでの記述の
うち、正しいものはいくつあるか。
イ 自然換気・自然通風の計画に当たっては、換気装置の閉め忘れや、強風時の対
応、在室者の好みや許容温湿度範囲などに十分配慮する必要がある。
ロ 窓周辺の環境性能向上と省エネルギーの為には、窓面から入る直達日射を遮
り、眩しさや熱輻射による悪影響を防止すると同時に、穏やかな光を室奥に導
く工夫が重要である。
ハ タスク&アンビエント照明とは、室全体を例えば300 Lux に照明し、作業面は
必要に応じてスタンドなどにより高照度(例えば750 Lux)にするという省エネ
手法である。
ニ オンデマンド制御では、照明や空調のON/OFFだけでなく、不在時の照度や設定
温度の緩和により省エネルギー運転を行うという方法もある。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 全て正しい
5 全て誤っている
問題6
次の説明は「水の有効利用に関する手法」に関する記述である。空欄に入る語句をA
~Hの語群から選び、イからホまで順番に並べた場合に正しいものはどれか。
地表面の舗装が進んでいる都市では、都市洪水を防ぐために( イ )が義務
付けられている。その主な対策は雨水を( ロ )する方法と( ハ )させ
る方法がある。( ロ )する場合には、敷地内に( ニ )を設けるなどの
対策がある。( ハ )する場合には( ホ )等の方法があるが、敷地の地
層によっては( ハ )が期待できない場合もある。
A. 貯留 B. 雨水流出抑制 C. 透水性舗装 D. 調整池 E. 地下浸透
F. ヒートアイランド対策 G. 雨水貯留槽 H. ビオトープ
1 F-A-B-D-E
2 B-E-A-G-D
3 A-E-D-H-E
4 B-E-A-G-D
5 B-A-E-G-C
- 3 -
第4回CASBEE不動産評価員試験
問題7
「水の有効利用に関する手法」に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれ
か。
1 排水再利用の方式としては、生物処理が標準であったが、活性炭処理装置やUF
膜処理装置などの高度処理も採用されている。
2 雨水貯留槽の中では一般細菌や大腸菌が増殖しないが、雨水の滞留日数には留
意し、必要に応じて消毒を行う。
3 衛生器具の節水化により、大便器は4(L/回)以下となり、小便器では2(L/
回)以下になりつつある。
4 建築的な水の利用方法として、ガラス屋根や膜屋根散水による蒸発冷却効果を
利用する方法がある。
5 水の有効利用には、「留める」「貯める」といった方法の他に、「使う水を減
らす」「もう一度使う」などの手法がある。
問題8
「資源利用や安全に関する手法」における、材料の使用や分別しやすい仕様などに関
するイからニまでの記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
イ 材料使用量の削減に資する仕様の一例として、材料使用量が大きい主要構造部
において、強度の低い材料やプレストレスコンクリートを使用することが挙げ
られる。
ロ リユース材の例として、既存建物が存在する敷地で建築行為を行う場合に、既
存杭や外周壁などを再利用することが挙げられる。
ハ リサイクル材の例として、エコマークやグリーン購入法で認定された材料があ
る。
ニ 解体材をリサイクルするためには、躯体と仕上げ、設備を分離できないことが
重要であり、一般的に湿式工法が分離しやすいと言われている。
1 ロとハ
2 ロとハとニ
3 イとロ
4 ハとニ
5 イとニ
- 4 -
第4回CASBEE不動産評価員試験
問題9
「資源利用や安全に関する手法」における災害時の機能維持に寄与する仕様に関する
イからニまでの記述のうち、正しいものはいくつあるか。
イ 通信・情報設備における、光ケーブル・メタルケーブルなど通信手段の多様化
に関する取組み
ロ 電気設備における、非常用発電設備の設置や地下階への電気室の設置に関する
取組み
ハ 空調・換気設備における、重要度に応じた系統区分や熱源種(電気、ガスな
ど)の二重化に関する取組み
ニ 給排水・衛生設備における、配管系統の区分や飲料水確保に寄与する雨水ろ過
装置の設置に関する取組み
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 全て正しい
5 全て誤っている
問題10 「生物多様性や敷地に関する手法」に関するイからニまでの記述のうち、正しいもの
の組み合わせはどれか。
イ 海外起源の外来種について、「特定外来生物による生態系に関わる被害の防止
に関する法律」(外来生物法)により特定とされる種についてのみ、導入しな
いことが前提条件となる。
ロ 水面の規模が大きい場合は、生態系への寄与の他、夏の蒸散効果によってヒー
トアイランド緩和にも貢献する。
ハ 建物の屋上や壁面の緑化は、大気の浄化や微気象の緩和などの環境改善機能は
有しているが、経済的な効果は期待できない。
ニ 都会の中の生態系を充実させるためには、野生小動物の生息域の確保やネット
ワークの形成など、生態空間の形成に配慮することが重要になる。
1 イとロ
2 イとハ
3 ロとハ
4 ロとニ
5 ハとニ
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第4回CASBEE不動産評価員試験
問題11 「生物多様性や敷地に関する手法」に関するイからニまでの記述のうち、正しいもの
はいくつあるか。
イ 自然災害について、その土地にはどのようなリスクがあるのか、ハザードマッ
プなどによって災害リスクを把握することが必要である。
ロ 土壌汚染の状況の把握、土壌汚染による建物の損傷防止を目的として、土壌汚
染対策法が制定されている。
ハ 土壌などの植栽基盤がしっかりとした建物緑化は、健全な緑を育み雨水を保持
し生態系にも貢献する。
ニ 自然災害リスクが確認された場合、その土地の持つリスクに対して適切な防災
措置を実施することが重要である。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 全て正しい
5 全て誤っている
問題12 「屋内環境に関する手法」に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1 温熱環境の悪化は、夏期の温湿度の上昇や冬期の足元の冷えなど、執務者の作
業効率を低下させるとともに、湿度上昇は結露によるカビの発生の原因ともな
る。
2 執務者の健康を維持し、快適な執務を可能とするためには、窓や外壁の断熱性
を高めながら、温湿度のきめ細かな調整が可能となるよう配慮することが重要
である。
3 事務所ビルの空調では、居住域の上下温度差や気流速度にも配慮する必要があ
る。
4 室内空間の温度むらを無くし、快適環境を作るためには、方位別、ペリメータ
(窓際)とインテリア別や内部負荷の分布などを考慮し、大まかな空調のゾー
ニングを行う。
5 窓や外壁の断熱性能は省エネルギーの観点から重要であるが、室内の温度分布
や快適性には関連性がない。
- 6 -
第4回CASBEE不動産評価員試験
問題13 「屋内環境に関する手法」について、次の記述のうち最も不適当なものはどれか。
1 執務空間の騒音や振動は集中力を低下させ、作業効率を低下させる。また、会
話や放送などが明瞭に聞こえることは、効率的に仕事を行うために必須であ
る。
2 設備騒音の抑制対策として、低騒音タイプの空調機器の採用、配管への防音管
巻、防振支持等がある。
3 昼光利用を効果的に運用するためには、ブラインド等による調節を行わず、常
に直射光を最大限導入する必要がある。
4 室内の空気質を維持するためには、汚染物質の発生を抑制しながら、十分な外
気を供給することが重要である。
5 建築の利用者にとって広く感じる空間、景観が楽しめる空間は心理性・快適性
の観点から重要な要素である。
第3章からの出題
問題14 CASBEE-不動産の「建物の環境性能評価ツールにおける位置づけ」に関する次の記述
のうち、最も不適当なものはどれか。
1 米国のLEEDは、上位25%程度の優れた建物のみを認証対象とするブランディン
グツールとなっている。
2 建物の環境性能評価ツールには各種の利用方法があるが、CASBEE-不動産は主に
不動産のブランディングツール及び設計支援ツールと位置づけられる。
3 CASBEE-不動産は必須項目を満たした建物のみを認証対象としており、必須項目
に適合する建物は上位の3~4割と想定している。
4 CASBEE-建築(新築)は行政支援ツールとして利用されており、CASBEE-不動産
とは異なり、すべての建物を評価対象とすることが求められる。
5 「エネルギー/温暖化ガス」及び「水」の必須項目には、どちらも消費量(使
用量)の目標設定とモニタリングの実施が含まれている。
- 7 -
第4回CASBEE不動産評価員試験
問題15 「CABSEE-不動産の考え方と構成」に関するイからニまでの記述のうち、正しいもの
の組み合わせはどれか。
イ CASBEE-不動産は新築、改修の建物を対象としたツールである。
ロ 従来のCASBEEツールがBEE(総合環境性能)で評価を行うのに対して、CASBEE不動産は加点方式のみとし簡易化を図っている。
ハ CASBEE-不動産はUNEP SBCI等で検討中の国際的な共通項目を反映し、従来の
CASBEE新築・既存などの項目の中から最小限の重要項目を取り込んでいる。
ニ CASBEE-不動産(オフィス版)における、エネルギー/温暖化ガスの評価項目全
体の占める重み付けは35%程度である。
1 ロとニ
2 イとロとニ
3 ハとニ
4 イとロ
5 ロとハとニ
第4章からの出題
問題16 「1. エネルギー/温暖化ガス」の必須項目の評価に関するイからニまでの記述のう
ち、正しいものはいくつあるか。
イ 省エネルギー計画書が旧基準のPAL、CEC等で計算されている場合は、平成25年
4月に改正された新基準に基づき再度計算することが必要である。
ロ 平成25年4月に改正された省エネルギー基準により計算された一次エネルギー
消費量が、基準一次エネルギー消費量を超えていたので、省エネ基準をクリア
していると判断した。
ハ 「モニタリングの実施」に関して、建物の運転管理台帳を基に、年間エネル
ギー消費量の経年変化の比較を行っていることを確認した。
ニ ビルオーナーとテナントが共同して運用エネルギー削減に取り組んでおり、次
年度のエネルギー消費量の目標値を組織的に設定していることを確認した。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 全て正しい
5 全て誤っている
- 8 -
第4回CASBEE不動産評価員試験
問題17 「1.1 エネルギー使用・排出量原単位(計算値)」の評価に関する次の記述のうち、
最も不適当なものはどれか。
1 平成25年4月に改正された省エネルギー基準に基づいて、一次エネルギー消費
量を計算しているため、その計算値をC、基準値をSとしてC/Sを計算し
た。
2 平成25年4月に改正された省エネルギー基準に対応した「BEST平成25年省エネ
基準対応ツール」を用いて、C/Sを算出して評価した。
3 床面積20,000㎡のデパートの評価に際して、省エネルギー計画書が入手できな
かったので、一次エネルギー消費量の実績値 60,000(GJ/年)と、DECC(非住
宅建築物の環境関連データベース)の統計値を用いてC/Sを求め、17ポイン
トと評価した。
4 評価対象の建物は利用状況などに特殊なところがあるため、「ビルエネルギー
管理・評価システム(BAMS)」を用いてC/Sを計算した。
5 一部、グリーン電力を購入(自然エネルギーをオフサイトで導入)しているた
め、その分を差し引いて、建物の年間一次エネルギー消費量とした。
問題18 「1.2 エネルギー使用・排出量原単位(実績値)」の評価に関するイからニまでの記
述のうち、正しいものはいくつあるか。
イ オフィスビルに併設した社員食堂の厨房のエネルギー消費量が単独で計量され
ているため、全体のエネルギー消費量から除外した。その際、床面積あたりの
エネルギー消費量を算出する対象床面積から厨房の面積を除外した。
ロ 5,000㎡のオフィスビルの評価に関して、実績値に基づく単位面積当たりの一次
エネルギー消費量を算定したところ、1,234(MJ/㎡・年)であったためレベル3
と評価した。
ハ 延床面積500㎡のコンビニ店舗で、年間の一次エネルギー消費量が5,500(GJ/年)
であったので、レベル4と評価した。
ニ 飲食店舗と物販店舗が併設され、用途別にエネルギー消費量が計測されている
ため、飲食店部分の評価と物販店部分の評価をそれぞれ行い、その評価結果
を、それぞれの用途の床面積で案分して建物全体の評価とした。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 全て正しい
5 全て誤っている
- 9 -
第4回CASBEE不動産評価員試験
問題19 延 床 面 積 31,000 ㎡ の オ フ ィ ス ビ ル に お い て 、 2014 年 度 の 電 力 消 費 量 が 4,000,000
(kWh/年)、ガス消費量が350,000(m3/年)であった。このビルの「1.2 エネルギー
使用・排出原単位(実績値)」の評価結果として、正しいものは次のうちどれか。た
だし、一次エネルギーへの換算値は、電気が9.76(MJ/kWh)、ガスが45(MJ/m3)とす
る。
1 レベル1
2 レベル2
3 レベル3
4 レベル4
5 レベル5
問題20 「1.3 自然エネルギー」の評価に関するイからニまでの記述のうち、正しいものの組
み合わせはどれか。
イ 評価対象建物の屋上に設置された太陽光発電設備は全量買取制度を適用してお
り、発電された電力を敷地内で消費していないが、評価の対象とすることがで
きる。
ロ 太陽光発電による電力を評価対象建物で利用しているが、その発電電力は、建
物の最大使用電力の0.5%未満であるため、レベル2と評価した。
ハ 評価対象建物では、バイオマス燃料による給湯を行っており、建物全体の年間
エネルギー消費量の2%を賄っているため、レベル4と評価した。
ニ 評価対象建物の所有者が、関連する遠隔地の工場の屋根に設置した太陽光発電
の電力を、地域の電力会社を経由して受電している場合、その分を自然エネル
ギーによる供給電力として評価することができる。
1 イとロ
2 イとハ
3 ロとハ
4 ハとニ
5 ロとニ
- 10 -
第4回CASBEE不動産評価員試験
問題21 「2.水」の評価に関するイからホまでの記述のうち、正しいものの組み合せはどれ
か。
イ 「2.1 水使用量(計算値)」及び「2.2 水使用量(実績値)」の評価において
参照する、全国のオフィスビルにおける年間上水使用量の頻度分布は、DECC
(非住宅建築物の環境関連データベース)の統計値を用いている。
ロ 「2.1 水使用量(計算値)」の評価では、雨水・排水再利用による上水使用量
の削減効果を反映することができない。
ハ 現在の超節水型の大便器の吐水量は1回当り5リットル台と少量となってい
る。
ニ 衛生器具の吐水量が確認できない場合、1990年代の男子大便器の器具吐水量は
1回当り8.0リットルとして水使用量を算定する。
ホ 「2.1 水使用量(計算値)」の評価では、空調用冷却塔補給水の使用量は計算
から除外する。
1 イとホ
2 イとロとホ
3 ロとハとニ
4 ハとホ
5 イとロ
問題22 延床面積1,500㎡の飲食店舗がある。この建物の2014年度の上水使用量が33,500(m3/
年)である場合に、「2.2 水消費量(実績値)」の評価結果として、正しいものは次
のうちどれか。
1 レベル1
2 レベル2
3 レベル3
4 レベル4
5 レベル5
- 11 -
第4回CASBEE不動産評価員試験
問題23 「3.資源利用/安全」の必須項目に関するイからニまでの記述のうち、正しいもの
はいくつあるか。
イ 新耐震基準以前の建物について、決定している建物全体の耐震改修の内容に基
づき倒壊危険度指標If値を算定し評価した。
ロ 新耐震基準に適合しているので、必須項目を満たしていると判断した。
ハ 倒壊危険度指標If値が0.7なので、必須項目を満たしていないと判断した。
ニ 構造耐震指標Is値が1.0なので、必須項目を満たしていると判断した。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 全て正しい
5 全て誤っている
問題24 「3.1 高耐震・免震等」に関するイからニまでの記述のうち、正しいものの組み合わ
せはどれか。
イ 「①耐震性」と「②免震・制振機能」の2つの評価結果の平均値を「3.1 高耐
震・免震等」の評価結果とした。
ロ 「①耐震性」の評価において、時刻歴応答計算による場合で、層間変形角が基
準の1.25倍であったのでレベル4と判断した。
ハ 「①耐震性」の評価において、損傷制御設計が行われているのでレベル5と判
断した。
ニ 「②免震・制振機能」の評価において、免震装置を導入しているのでレベル5
と判断した。
1 ロとハ
2 イとロ
3 イとニ
4 ハとニ
5 イとロとニ
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第4回CASBEE不動産評価員試験
問題25 「3.2 再生材利用」に関するイからニまでの記述のうち、正しいものの組み合わせは
どれか。
イ 「3.2 再生材利用」の評価において、店舗評価であったので、「3.2.2 廃棄物
処理負荷抑制」を評価対象外とした。
ロ 「3.2.1 再生材利用率」の評価において、「①躯体材料におけるリサイクル材
の使用」と「②非構造材料におけるリサイクル材の使用」の評価レベルの平均
を評価結果とした。
ハ 「3.2.1 再生材利用率」の評価において、本項目に関する建材等の調査を行う
ことが困難だったが、自己評価(認証制度への申請では無い)なので、躯体を
レベル3、非構造材料をレベル3とした。
ニ 「3.2.1 再生材利用率」の「②非構造材料におけるリサイクル材の使用」の評
価において、テナントによる変更の可能性があるので、ビル標準の仕様の想定
で評価した。
1 イとロ
2 ハとニ
3 ロとニ
4 イとハ
5 ロとハとニ
問題26 「3.3 躯体材料の耐用年数」に関するイからニまでの記述のうち、正しいものはいく
つあるか。
イ 「住宅の品質確保の促進等に関する法律(日本住宅性能表示基準、3.劣化の軽
減に関すること)」における木造、鉄骨又はコンクリートの評価方法基準(平
成25年消費者庁・国土交通省告示第1号)で等級2に相当する仕様だったの
で、レベル4とした。
ロ 躯体の耐震改修工事において繊維補強が行われていたので、躯体材料の耐用年
数の伸長に寄与すると考え、評価の際にその効果を含めて判断した。
ハ 既存建物を評価する際、竣工からの経過年数に今後の想定耐用年数を加えて評
価した。
ニ 「住宅の品質確保の促進等に関する法律(日本住宅性能表示基準、3.劣化の軽
減に関すること)」において、等級1とは、建築基準法に定める対策が講じら
れていることを指す。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 全て正しい
5 全て誤っている
- 13 -
第4回CASBEE不動産評価員試験
問題27 「3.4 主要設備機器の更新必要間隔/設備の自給率向上/維持管理」の評価に関する
次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。ただし、記載されているもの以外の取
組みは無いものとする。
1 「③維持管理」の評価において、建築物衛生法における特定建築物を評価する
際、清掃管理および設備管理仕様書の基本方針において環境配慮を明示してお
り、かつ清掃管理と設備管理における業務標準手順書を用意しているので、評
価ポイント6とし、レベル3と判断した。
2 「②設備(電力等)の自給率向上」の評価において、非常時の通信系の途絶対
策を講じており、非常用発電機の稼働時間を24時間以上としているので、評価
ポイント2とし、レベル3と判断した。
3 「③維持管理」の評価において、建築物衛生法における特定建築物に該当しな
い建築物を評価する際、施設清掃と設備点検・清掃における各責任者・委託先
が決められており、かつ施設清掃と設備点検・清掃における作業手順書やマ
ニュアルを用意しているので、評価ポイント6とし、レベル3と判断した。
4 「①主要設備機器の更新必要間隔」において、評価対象とした主要機器の更新
周期が異なるため、平均値でレベルを判断した。
5 「①主要設備機器の更新必要間隔」、「②設備(電力等)の自給率向上」、
「③維持管理」の評価レベルの内、最も低いレベルを「3.4 主要設備機器の更
新必要間隔/設備の自給率向上/維持管理」の評価結果とした。
問題28 「4.生物多様性/敷地」の必須項目の評価に関するイからニまでの記述のうち、正
しいものはいくつあるか。ただし、特定外来生物・未判定外来生物・要注意外来生物
は「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」に
基づくものとする。
イ 敷地内に不可抗力により既に未判定外来生物が現存しているので、同じ種類の
未判定外来生物を敷地内に追加導入することとした。
ロ 要注意外来生物ではあるが、周りによく植えられている樹木であることから、
敷地内にも導入することにした。
ハ 外構はほとんどない計画であるが、特定外来生物の回避が行われていることを
確認した。
ニ 特定外来生物を事前に主務大臣に届け出た上で輸入し、建物内に導入した。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 全て正しい
5 全て誤っている
- 14 -
第4回CASBEE不動産評価員試験
問題29 「4.1 生物多様性の向上」の評価にに関するイからニまでの記述のうち、正しいもの
はいくつあるか。ただし、記載されている以外の取組みは無いものとする。
イ 「②取組み表による評価」について、保全するべき自然資源がないと判断され
ることから、評価ポイントを0とした。
ロ 「②取組み表による評価」について、敷地内緑地面積を敷地面積から建物面積
を除いた有効空地面積で除した緑化率が25%であったので、評価ポイント1と
してカウントした。
ハ 「①生物多様性に関する評価の実施、認証の取得」について、生物多様性評価
に関する第三者認証としてJHEPのBランク認証を取得していることから、レベ
ル5とした。
ニ 「②取組み表による評価」について、都市部におけるプロジェクトにおいて、
郷土種を基本とした植栽計画を行っていることから、評価ポイント1としてカ
ウントした。
1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 全て正しい
5 全て誤っている
問題30 「4.2 土壌環境品質・ブラウンフィールド再生」の評価に関する次の記述のうち、最
も不適当なものはどれか。
1 法定調査の結果、土壌汚染が判明し「形質変更時要届出区域」とされたことか
ら、無害化措置を自主的に実行し、区域指定を解除しているのでレベル5とし
た。
2 自主調査において土壌汚染が判明したことから、自ら「形質変更時要届出区
域」として指定を受け、開発時に計画の届出を行い、それに基づく措置を適正
に行っていることからレベル4とした。
3 法定調査の結果「要措置区域」に指定された後に摂取経路の遮断を行い、「形
質変更時要届出区域」に指定されたので、形質変更時に計画の届出を行い、そ
れに基づく措置を講じていることからレベル4とした。
4 土壌汚染対策法に基づく汚染除去等の区域指定を受けていない無害な土地であ
り、無害化措置を講じた場合と同等以上であることから、レベル5とした。
5 自主調査の結果、「要措置区域」に指定されたため、自主的に無害化措置を実
行し、区域指定を解除していることから、レベル5とした。
- 15 -
第4回CASBEE不動産評価員試験
問題31 「4.3 公共交通機関の接近性」の評価に関する次の記述のうち、正しいものはどれ
か。
1 一定水準の鉄道駅まで徒歩15分、一定水準のバス停まで徒歩8分であることか
らレベル3とした。
2 一定水準の鉄道駅までは徒歩30分かかるが、一定水準のバス停まで徒歩8分で
あることからレベル3とした。
3 一定水準の鉄道駅まで徒歩20分、一定水準のバス停まで徒歩5分であることか
らレベル1とした。
4 一定水準の鉄道駅まで徒歩7分、一定水準のバス停まで徒歩4分であることか
らレベル3とした。
5 一定水準の鉄道駅まで徒歩13分ではあるが、一定水準のバス停が徒歩5分圏内
にはないことからレベル1とした。
問題32 「5.屋内環境」の必須項目の評価に関する次の記述のうち、最も不適当なものはど
れか。
1 建築物衛生法による特定建築物(延床面積が3,000㎡以上)ではない場合には、
「②質問票による評価」により評価する。
2 建築物環境衛生管理基準における二酸化炭素の含有率の管理基準は1,000ppm 以
下である。
3 建築物環境衛生管理基準における温度の管理基準は17℃以上28℃以下である。
4 建築物環境衛生管理基準における相対湿度の管理基準は40%以上70%以下であ
る
5 建築物環境衛生管理基準における浮遊粉じんの量の管理基準は0.20(mg/m3)以
下である。
問題33 「5.1 昼光利用」の評価に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
1 「①自然採光」の評価において、開口率は、開口による自然光の導入可能性の
目安を、開口面積/床面積(%)により簡易に評価するものであり、値が大き
いほど評価が高い。
2 「①自然採光」のオフィスの評価において、開口率が16%の建物はレベル4と
評価される。
3 開口面積が大きくなると、暑さ(日射)やまぶしさ(グレア)に対する制御の
必要性も大きくなる。
4 「②昼光利用設備」の評価対象となる昼光利用設備にはライトシェルフを含む
が、トップライトは含まれない。
5 「②昼光利用設備」の評価について、昼光利用設備が1種類ある場合、レベル
4と評価される。
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第4回CASBEE不動産評価員試験
問題34 共用部の代表ゾーン(共用通路)が床面積4,000㎡のショッピングモールがある。共
用部の代表ゾーンにおける昼光利用に有効な開口部が、トップライト50㎡×4ヶ所、
ハイサイドライト25㎡×3ヶ所、1階エントランスのガラス開口部10㎡×4ヶ所であ
る場合に、「5.1 昼光利用 ①自然採光」の評価結果として、正しいものは次のうち
どれか。
1 レベル1
2 レベル2
3 レベル3
4 レベル4
5 レベル5
問題35
オフィスにおける「5.2 自然換気性能」の評価に関する次の記述のうち、最も不適
当なものはどれか。
1 事務所の代表的な事務室を対象として、開閉可能な窓(自然換気が行える窓)
が十分に設けられているかどうかを評価する。
2 窓が開閉可能な居室において、自然換気有効開口面積が居室床面積の1/20の場
合、レベル4と評価される。
3 外気冷房を行っている場合に、居室の必要外気量の1.5倍以上の換気量がある場
合には、条件によりレベル4、レベル5の評価とする。
4 窓が開閉不可能な居室において、自然換気有効開口面積が50(cm2/m2)以上の場
合、レベル5と評価される。
5 排煙窓については自然換気を意図して設計されたもので、開閉が容易、かつ居
住者の意思により常時利用可能であれば自然換気開口と見なしてよい。
問題36 店舗における「5.2 自然換気性能」の評価に関する次の記述のうち、最も不適当なも
のはどれか。
1 中間階に屋外テラスを有する場合、レベル3と評価される。
2 物販店舗では、物販エリアの代表階の代表室、あるいは共用部の代表ゾーン等
で評価する。
3 屋上にオープンモールを有する場合、レベル3と評価される。
4 売場に自然換気が可能な開口部を有する場合、レベル3と評価される。
5 売場に自然換気が可能な開口部を有し、かつ地上にオープンモールを有する場
合、レベル4と評価される。
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第4回CASBEE不動産評価員試験
問題37 基準階における事務室の床面積が1,000㎡のオフィスビルがある。この事務室には開
閉可能な自然換気に有効な窓(自然換気有効開口部が幅1.0m、高さ2.2mである窓)
が26ヶ所設置されている。この場合の「5.2 自然換気性能」の評価結果として、正し
いものは次のうちどれか。ただし、この建物では空調装置による外気冷房は行ってい
ないものとする。
1 レベル1
2 レベル2
3 レベル3
4 レベル4
5 レベル5
問題38
オフィスにおける「5.3 眺望」の評価に関する次の記述のうち、最も不適当なもの
はどれか。
1 建築の利用者にとって広く感じる空間、景観が楽しめる空間は心理性・快適性
の向上に寄与するものと考えられる。
2 天井高さは必ずしも快適性を直接説明するものではないが、その効果として、
広さ感、開放感など様々な恩恵をもたらすものと考えられる。
3 事務室の天井高3.0mで、かつ、すべての執務者が十分な屋外の情報を得られる
ように窓が設置されている場合、レベル5と評価される。
4 事務室の天井高2.5mで、かつ、すべての執務者が十分な屋外の情報を得られる
ように窓が設置されている場合、レベル3と評価される。
5 事務室の天井高2.8mで、かつ、すべての執務者が十分な屋外の情報を得られる
ように窓が設置されている場合、レベル3と評価される。
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第4回CASBEE不動産評価員試験
第6章からの出題
問題39 不動産関連の用語に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 不動産の鑑定評価は、不動産鑑定評価基準に則る必要はあるが、必ずしも不動
産鑑定士が行うものである必要はない。
2 「不動産評価」には、「不動産鑑定評価」のほかに、不動産関係当事者が投資
判断等に際し自主的に行う評価も含まれている。
3 還元利回りとは、複数年にわたる不動産の純収益から不動産の価格を求める際
に使用される率であり、資本化率、あるいはキャップレートともいわれる。
4 直接還元法において、同じ額の純収益が見込める不動産の場合、その変動リス
クが高いほど、還元利回りが低く設定され、低い価格が得られることとなる。
5 「純収益」とは、不動産のうち建物に帰属する適正な収益であり、賃料などの
総収入から維持管理費、水道光熱費、租税公課、損害保険料などを差し引いた
ネットの収益のことである。
問題40 建物の環境配慮関連の用語に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 ブラウンフィールドとは、「土壌汚染の存在、あるいはその懸念から、本来、
その土地が有する潜在的な価値よりも著しく低い用途あるいは未利用となった
土地」のことを言い、再開発は行うべきではない。
2 衛生器具数原単位とは、建物の洗面器や大小便器などの衛生器具の数を建物の
使用人数で除した値であり、使用人数当たりの衛生器具数(個/人)を示す指標
である。
3 インバーターとは、交流電力を直流に変換する装置で、抵抗値を変えてモー
ターの回転数を変化させる仕組みである。
4 乾式工法とは、コンクリートや漆喰などの材料を使って建築物を組み立てる方
法であり、職人の技術を要する手法である。
5 ビオトープとは、生物群集の生息空間を示す言葉であり、語源はギリシア語か
らの造語(bio(命)+topos(場所))といわれる。
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第4回CASBEE不動産評価員試験
第4回CASBEE不動産評価員試験 正答一覧
番号
正答
番号
正答
問題1
3
問題21
1
問題2
1
問題22
3
問題3
4
問題23
3
問題4
2
問題24
4
問題5
4
問題25
3
問題6
5
問題26
3
問題7
2
問題27
5
問題8
1
問題28
1
問題9
3
問題29
1
問題10
4
問題30
4
問題11
3
問題31
1
問題12
5
問題32
5
問題13
3
問題33
4
問題14
2
問題34
2
問題15
5
問題35
3
問題16
2
問題36
4
問題17
5
問題37
4
問題18
3
問題38
5
問題19
5
問題39
2
問題20
2
問題40
5