close

Enter

Log in using OpenID

SESSION2 マスターマインド 他人の協力を得ずして、 永続的な成功は

embedDownload
SESSION2
マスター マ インド
他 人 の 協 力 を得 ず して、
永 続 的 な成 功 は 成 し得 ない 。
SESSION2 マ ス ター マ インド
マスター マ インド
単 独 では 真 の 成 功 者 とは なりえない !
セッション2で体得するノウハウは、PMAプログラムの核心の1つともいうべきものです。
それは願望を実現するために必要な一切の知識を獲得し、それを積極果敢に実践するための成功ノウ
ハウです。
マス ターマ インドとは 、2人 あ るい は それ 以 上 の 、同 じ考 え方 を持 った人 たちが 、信 頼 と完 全 な調
和 をもとに 、お 互 い の 持 つ理 性 や 知 性 をわ か ち合 って 、共 通 の 目 的 を達 成 す るため に 結 成 され た
同 盟 の ことです 。
共通の、はっきりとした目標を持ったアイディアとアイディアが、お互いの欠点と不足を補い合うために手
を結ぶこと、それがマスターマインドです。このマスターマインドという用語は、アンドリュー・カーネギーが彼
の会社の運営ノウハウのひとつとして作り出したものです。
マスターマインドを活用しないで、成功を勝ち得た人は、1人もいません。
それというのも、人間の理性や知性は、単独ではおのずとその力に限界があるからです。偉大な知性と
精神は、他者の心と触れ合うことで高められ、強化されるもので、その成長のためには、豊かで開かれた
人間関係を必要とします。
次の言葉を記憶してください。
「友 好 的 で調 和 の とれ た人 間 関 係 は 、互 い に 与 え合 うことで得 られ る最 良 の 財 産 であ る 」
また、そうした素晴らしい人間関係を維持するためには、当然守らなければならないルールがあります。
ではルールとは何でしょうか。
第 1の ル ール
マス ターマ インドの ノウ ハ ウは、他人の経験、訓練、教育、専門知識、才能といったすべての長所をあ
なた自身のものにするための手段です。
マスターマインドのノウハウは、相手の経験や脳力を、友好的な人間関係を通してあなたの願望や実現
のために役立てる方法です。それを正しく使えばあなたは経験や脳力の限界を克服し、目標の途上に横た
わる障害を乗り越えることが可能です。
他人の協力や援助なしに、サクセスを勝ちとった人はいません。
地質学を例にとれば、私たちは地質学者の研究成果を自分のものにすることで、地球の歴史や構造を知
ることができます。
それは何も、私たち自身が地質学の専門家になることではなく、私たちの目的が必要とする範囲で、地質
学の成果を取りいれて有効に利用することができる、ということです。
有機化学や無機化学などの場合も、まったく同じことが言えます。その経験や知識も、私たちにとっては
必要なものです。
そして物理学や他の分野の科学者、技術者たちの経験、知識、研究も、私たちには必要です。しかもそ
れぞれの分野の専門家にならなくても、エジソンのような発明王になれるのです。エジソンは、その生涯で
わずか3ヶ月の学校教育を受けただけです。それでも、あれだけの業績を上げられたのは、自然科学の偉
大な成果を自分のものにできたからです。
〈人 類 の 積 み 重 ね られ た知 識 〉
人類が獲得し、積み上げてきた経験と知識は、良好な人間関係によってあなたのものにすることができま
す。実際に経験や知識が乏しいために、やりたくてもできない、という場合があるものですが、それを解決
するのがマスターマインドのノウハウです。もしあなたが、あなたの持っているアイディアを実行に移すこと
はできない、と考えているのでしたら、その考えは捨ててください。
〈成 功 者 の ノウ ハ ウ 〉
成功を実現した人々を支えているノウハウを、あなたはマスターマインドのノウハウを知ることによって簡
単に手に入れることができます。
たとえばこのPMAプログラムを実践することで、世界の偉人たちと交流し、彼らの知識を吸収することが
できます。それと同じように、あなたの知らなかった知識を、周囲の人々から直接マスターマインドによって
得ることができるのです。
第 2の ル ール
共通の目的を持つ心と心の出会いは、お互いの心を刺激し、普段とは比較にならない力を発揮します。
それは勇気と信念を生み出すのです。
このプログラムの中には、いくつかのキー・ワードが隠されています。
それは、積 極 性 、調 和 、勇 気 、信 念 、共 通 の 目 標 、という言葉ですが、それはセッション1で説明した、
明確な目標・願望、ということの別の表現です。
共通のはっきりとした目標や願望を持ち、その実現にエンスージアズムを燃やす人間関係の出会いは、
マスターマインドを生み出し、調和、勇気、信念をもたらします。
積極性
ひとたびマスターマインドが形成されれば、人々は一丸となり、積極性が生じます。そしてそのグループは
明確な願望や目標に従い、共通の基盤に立って行動を起こすようになりすまし、またそうするようにしなけ
ればなりません。
ここでは、願望や目標を明確化することによって生まれる利益は、グループ全員のものであり、逆に優柔
不断、消極性、狐疑逡巡は、グループの団結にヒビを入れることになるでしょう。
完 全 なる調 和
心と心がひとつになるには、自信と調和がなくてはなりません。しかもそれは、受身の調和ではなく、不和
の原因を積極的に取り除くことによって得られる前向きな秩序としての調和です。それは事実認識の一致、
目標についての明確な理解を基礎とし、それぞれのメンバーが、グループ全体の利益に従うことが必要で
す。
「豊かな人間関係を作り出す人には、チャンスはどこにでもある」という言葉を肝に命じましょう。
もちろん、複数の人間が集まったからといって、すぐにそうした関係が生じるわけではありません。
たとえ彼らが、共通の、はっきりとした目標を持って集まったのだとしても、「四 つの 要 素 」によってその関
係が培われ、育成されてはじめて、実現されるものです。では、その「四つ」の要素とはどういうものでしょう
か。
その要素は、
1.信 頼 2.理 解 3.公 正 4.正 義 のことです。
〈信 頼 〉
まず信頼とは、事実によって証明された忠実さと、それに基づく信用を意味する言葉です。あなたの対人
関係は、信頼と厚い信任に基づいたものでなくてはいけません。
そして公共事業を行なうのならともかく通常はあなたが結んだ提携やその目標について、部外者に話す
必要はありません。
世間には、見栄や虚栄心からあれこれと吹聴してまわる人もいますが、そういう人達を計画に加えることは
できません。
〈理 解 〉
理解とは、自分たちの置かれた状況、目標、提案について、その意味と性格を熟知すること、そしてさら
に、メンバーの意味や提案に対する共感脳力を意味します。
共同のプロジェクトの場合には、参加者全員がそのプロジェクトに同意することが必要ですが、その土台
となるものは、プロジェクトの意義や性格を理解することです。それがあってはじめて、積極的に推進しよう
とする気持ちが生まれてくるのです。
〈公 正 〉
不公平や偏見がなく、利己主義が排除されているとき、それを公正と呼びます。
一般に異義や反対が唱えられるのは、そこに公正さが欠けているからで、マスターマインドに従って私た
ちが提携を結ぶとき、各自の役割分担と利益の配分は十分に考慮される必要があります。そして全員が合
意してはじめて、プロジェクトはスタートするのです。
〈正 義 〉
正義とは、最高の倫理をもって行なう人間関係のことで、他人の犠牲によって不当な利益をあげるような
行為を許さないものです。
勇気
勇気とは、決意と確信を持って困難に立ち向かうことであり、自己に対する信頼や成功の意識に支えられ
た心の状態であると言えます。
たとえば、バッテリーの内部では正と負のイオンが反応することによって電気的エネルギーが発生します
が、それと同じように、人間の心から発射される思想のエネルギーは、他者の魂と反応し、そこに火花が散
り、より大きな力が生まれます。
勇気には、周囲の人々の心を刺激し、連鎖反応を起こすエネルギーが含まれています。
また、人間の内面的な脳力には各人の関心の深さやヤル気などの点で微妙な意味でも差があり、その
調和のとれた協力や連帯は、確実に個人の力を上回るという事実を知りましょう。
「友 好 的 な助 言 は 、非 友 好 的 な批 判 よりも重 み が あ る 」という言葉があります。
この言葉は、マスターマインドの果たす役割と、集団の内部に調和が生まれるとき、それがいかに大きな
知的エネルギーを生むかを語っています。
マスターマインドとそれを支えるノウハウの有効性を確かめるために、その実例を自然界に求めて見まし
ょう。
動物は自然界では群を作りますが、その群を動かす集団のノウハウに従うとき、勇猛さやパースナル・イ
ニシアティブを発揮します。
たとえば犬は、1匹では決して羊を襲うことはありませんが、羊を襲っている群の中へ投げ入れれば、た
ちまち獰猛になるでしょう。つまり、「犬 は 、群 れ ることで狼 に なる 」というわけです。
信念
信念は、このプログラム全体を貫く1本の赤い糸であり、一切の否定的な考えを追い払い、無限の叡智を
呼び寄せるための心の状態と言えるでしょう。
ひらめきとは、いのちと心との間に散る火花のことです。次はその問題について考えてみましょう。
第 3の ル ール
共 通 の 目 標 を持 った者 同 士 の 連 携は、各自の心を刺激し、エンスージアズムやイマジネーションをか
きたてるため、各自の脳力は高まり、その結果ひらめきが出やすくなります。
あなたの心が、仲間の心に触れるとき、そこには共感と精神の高揚が生まれ、それは何時間も持続しま
す。
調和の精神でよいコンビネーションの状態となった心は、知的脳力を高める効果があります。それは通常
の知識、経験、脳力を上回るもので、頭脳がきわめて鋭敏な状態に達し、無限の叡智との融合を可能にす
るものです。
有能な指導者が主催する販売促進会議では、一人ひとりのセールスパースンは、会議に出席すると、確
実にエンスージアズムを持つようになります。
どのような生き方をするにしても、成功の鍵は、エンスージアズムにあるのです。
すべての人の心は、ソフト・テレパ シ ー の 機 能 を持っていますが、その事実を知っている人は少ないも
のです。
確固たる願望を持つこと、そしてさらにその願望によって心と心が結ばれるとき、人間の知性や感受性は
大いに高められるのです。あなたはその事実を理解したと思います。
あなたの心が相手の考えを映し出す鏡となるように、相手の心は、あなたの考えを映し出す鏡となること
です。
しかしこの人間の持つ力は、他の力と同様、両刃の剣となります。
精神の高揚は素晴らしい瞬間ですが、それだけに誤った考えやムード的に受け入れてしまうこともありま
す。他人の考えを受け入れるためには、それを冷静に判断しなければなりません。
第 4の ル ール
明確な願望や目標の下に精神と頭脳を集結するには、メンバーを相互に接近させるとともに、その潜在
意識にも作用し、持続的な効果を生み出します。
繰り返しになりますが、そこで大切な要素は、何といっても調和と友好であり、それなしには努力や協力を
求めることはできません。
調和の精神の欠けた協力は、利害の一致による通常の共同事業と何ら変わるところはありません。その
場合、うまく行けば知識や体験を持った個人の力が願望や目標の達成に向けられ、利益を生むことも可能
ですが、それは私たちの考えるマスターマインドにとっては、経済的な側面にすぎないのです。もっとも商業
的な成功だけを求めるならそれで充分かもしれません。
かつてエマースンは、
「す べ ての 組 織 は 、個 人 の 伸 び た影 であ る」。
と言いましたが、もし今日の巨大化した企業を見れば、きっと次のように言うでしょう。
「すべての企業は、その経営者の伸びた影である」。
しかしさらに正確に言うならば、今日の企業や法人は、その運命を導くマスターマインドの伸びた影なので
す。
マスター マ インドの 創 造 的 努 力とは、単なる利害の一致や技術協力という純経済的な意義をはるかに
超えた意味を持つもので、潜在意識との融合と思想的エネルギーの分配を可能にします。
ここからは、特に注意してマニュアルを読んでください。PMAプログラムを、あなた自身のものにするため
の鍵が隠されているからです。
ところで現代物理学、特に量 子 力 学 の 最 新 の 成 果 に よれ ば 、物 質 とエネル ギーの 間 に は 互 換 性 が
あ ることが 明 らか に され てい ます。原子は、サイクロトロンの中で高速エネルギーを持つ分子と衝突させ
ると物質性を破壊され、巨大なエネルギーを発射します。つまり、物質がエネルギーに換わった、ということ
です。逆にエネルギーは物質に換わります。このことの意味は重大ですが、少なくとも量子力学の分野で
は、これは原子のレベルで実際に生じていることなのです。実験装置が高度なものとなれば、より驚異的
事実が明らかになるでしょう。もっとも宇宙空間では、これらのことは、より大規模に、かつ日常的に生じて
いるのです。
さて、今述べた実験には、物理学の粋を越えた哲学的な意義があります。それは世界観の変更を迫るも
のです。
生物を含め、自然界の物質を形成するものの本質はエネルギーであり、自然はエネルギーを物質に転
換することもできる、ということを示しています。
ところで人 間 の 思 考 も、エネル ギー以 外 の 何 もの でもあ りませ ん 。とはいえ、思考そのものが、物質
化するポテンシャルを秘めている、というつもりはありません。しかし、この思考エネルギーは無限の叡智
の中に置かれると、とても強い力を発揮します。そしてそれを無限の叡智の中に置くためには、調和の精
神と明確な願望が必要になるのです。
歴史にその名を残した人々はすべて、力の源を無限の叡智の中に求めていました。彼らがその力を意識
するしないにかかわらず、偉大な事業を可能にするような力は、大自然の中から人間に与えられるもので
す。逆にいえば、偉大な事業という「結果」は、思考エネルギーにそもそも端を発しているのです。この思考
エネルギーに明確な願望や目標を与えると、あたかも思考それ自体が「物 質 化 」したがごとく、その思考に
基づく「結 果 」がこの世に現れるのです。
一方、潜在意識が目標と秩序をもって融合するとき、それはこの地上でもっとも輝かしい力を発生し、そ
れが充分に組織されれば、原子核の分裂や融合よりも巨大なエネルギーを生み出します。
これこそ人間が知り得る最も高度なエネルギー、すなわちクリエイティブ・ヴ ィジ ョンです。
こうした巨大な力、巨大なクリエイティブ・ヴィジョンを是非ともあなたのものにしてください。
マスターマインドには、世界平和や人類の問題を解決するための鍵が秘められています。他人の心と調
和し、明確な願望と結合することは、普段にない強い力を人間に与えることだからです。
第 5の ル ール
大きな成功は、すべて協調と明確な目標の産物であり、またほとんどの成功は、秩序ある個人的努力の
成果です。
ここでマスターマインドを実際に適用することで得られた具体的な成功例を紹介しましょう。
それはマスターマインドの適用の仕方と適用の範囲を明らかにし、その現実的な成果を示すものです。
“恐 怖 を信 念 に 置 き換 える ”
1932年、大統領に初当選したフランクリン・D・ル ー ズ ベ ル トは、当時の人々の心を覆っていた恐怖
の念を、信念に置き換えるために、具体的で有効な政策を実施しました。
1932年、アメリカは、世界大恐慌のまっただ中にありました。
財産、株式、社債をはじめ、人々は手に入れた一切の富を失い、失意の底に沈んでいたのです。
そこでルーズベルトは、人心の一新と混乱と停滞を打破するために、その指導力を発揮しました。
彼は、マスターマインドに現れる人間の本質と潜在脳力を把握し、そのうえで混乱と恐怖の時代を、勇気
と信念の時代へと作り変えることを決意しました。
ルーズベルト大統領におけるマスターマインドが、どのように組織されていったか?ここに素晴らしい実話
が展開されるのです。
〈第 1の 事 実 〉
当時、アメリカの議会の上院と下院は、新大統領のもとで政策のちがいを克服し、苦難の時代を乗り越え
るために一致協力して努力しました。
新大統領の個性は、両院を大いに励ましたのです。
〈第 2の 事 実 〉
新聞社は、混乱や恐怖のもととなる見出しを使用せず、未来に対する信頼と希望を表すような表現を使う
ように依頼されました。事業の失敗ではなく、その成功を強調し、掲載される物語では人間の勇気や努力を
表現するように求められたのです。
言論の自由が今ほどではなかった時代だからできたことですが、この方法は、人々の心に灯をともす結
果となりました。
〈第 3の 事 実 )
新聞と同様に、すべてのラジオ放送局は、暗く陰うつなニュースを伝えるのではなく、明るいニュースを伝
えるように依頼されました。
なぜか多くの人々は、悲惨なニュースや、貧困や愛欲、あるいは災害や危険に関するニュースを好みま
すが、1930年代のはじめ、新聞やラジオはこうしたニュースばかりを伝え、そのためにますます人間と社
会が暗いものになってしまい、明るくて前向きなニュースを求めることが非常に難しい状態でした。
新大統領の個性は、その点実に素晴らしいものでした。しばらくすると新聞やラジオは明るさであふれ、
「今日もいいニュースがあります!」
で有名になったアナウンサー、ガブリエル ・ヘ ッター が登場します。これぞまさに、大恐慌に打ちのめされ
たアメリカが待っていたものです。それは国民の感情に直接訴えることで、大きな成果を挙げました。
〈第 4の 事 実 〉
共和党の指導者も、超党派でルーズベルト政権をしじしました。しかも彼らに続いて、多くの党員がルー
ズベルトを支持しました。
もしそうでなかったら、押し寄せる恐怖を打破し、短期間のうちに信頼を回復することはできなかったでし
ょう。
〈第 5の 事 実 〉
圧倒的多数の国民は、政治的および宗教的信条の別なく、ルーズベルト大統領のもとに集結し、ニュー
ディール政策の成功のために大統領を支持しました。
大統領の任期は4年ですが、ひとたび選出された大統領に対しては、批判を浴びせてその足を引っ張る
よりも、彼を支援し、名大統領の高みにまで押し上げるほうが、結局のところ国民にとって有益です。
大統領の職は、新しい仕事に似ています。
もしある会社に入って、他の社員に好かれないようでしたら、その会社はやめた方が良いでしょう。
また逆に、人々に暖かく迎えられ、支持された結果、一段と有能な社員になることもあります。
アンドリュー・カーネギーの 場 合
アンドリュー・カーネギーもまた、マスターマインドのノウハウを誰よりもよく理解し、誰よりも早く実行に
移した人物です。
「鉄鋼王」と呼ばれながら、彼は鉄鋼の製造、流通、販売の詳細についてはそれほど明るいわけではあり
ませんでした。しかし彼は、組織の中にそれぞれの分野のエキスパートを配置していました。
カーネギ ーが鉄鋼業に参入した当時、粗鋼の値段はトン当たり140ドルと高く、そのために鉄の用途は
ひどく限られたものでした。
そこで彼は、値下げに踏み切ったのです。現場と事務を統括する20人ほどの管理者を集め、大いに知
恵を絞った結果、トン当たり120ドルまで値下げすることができました。
これで鉄は高級品から日常の商品になり、都市の外観から国民生活の内部にいたるまで、生活環境全
般に変革をもたらし、“鉄の時代”を作り上げたのです。
カーネギー はまさに、“鉄の時代”の父となったのです。
マスターマインドの活用、という点で、カーネギー はもっとも偉大な人物の1人でした。
彼の幸運と業績は、そのスタッフやブレーンと完全に一体化し、その知識や脳力を自分のものにできたか
らこそのものです。
「私 の 仕 事 は 、完 全 な調 和 の 精 神 で一 人 ひとりの 社 員 と一 体 化 することであ る。しか しどんな小
さな問 題 であ っても、2人 の 協 議 が 合 意 に 達 するに は 、十 分 な時 間 を必 要 とする」
まさにその通りです。
カーネギー はあるとき、優秀な科学者を求めていました。
そこで彼は、ヘッドハンターを世界中に送り込み、優秀な科学者のスカウトを始めました。そしてついにヘ
ッドハンターは、すべての条件を満たす有能な科学者を、ドイツのクルップ製鉄所で発見し、5年間の契約
を結びました。
しかし1年足らずのうちに、カーネギー は彼を解雇してしまいました。
何があったのでしょうか?
その理由は、スカウトされた男が大変に気まぐれな人間であったからです。協調性に欠けた彼は、マスタ
ーマインドのノウハウを踏みにじり、本来、協力者となるべき周囲の人々を混乱させ、職場の秩序と規律に
害を及ぼしたのです。
カーネギー は、たとえ有能ではあってもこのような人間を会社におくことはできない、と判断したのです。
そこで十分な給与を与えたうえで、その科学者を国へ帰しました。
カーネギー は、1,000人の従業員の中にたとえ1人でも否定的な考えを持つ者がいれば、組織全体に
悪影響を与える、と言いました。
なぜそうなってしまうのでしょうか?
たとえ一言も話さなくとも、否定的な態度や考えが伝染するのは、人間には言葉以外にも、考えを伝える
手段があるからです。それはすでに述べたようにソフト・テレパシーの一種と考えてもよいでしょう。つまり身
振り、態度、ちょっとした言葉使い、身のこなし、顔の表情、歩き方、ため息、あくび、暗い声、などなどで
す。
これらは実際、本物の電波のようにその当人から発散されます。他人が発する否定的な強い電波を、あ
なた自身の考えであるかのように錯覚することがあります。
それゆえ、あなたが“否定的な放送局”から流れる強い電波に対し、確実な防御手段を持たない限り、否
定的な考えに染め上げられてしまうのです。
では、“否定的な電波”から身を守るにはどうすれば良いのでしょうか?
ひとつ有効な手段があります。
否 定 的 な影 響 を遮 断 するため に は 、心 に カーテンを引 くことを覚 えると良 い でしょう。
たとえば、ある重大な目的のために外出しようとしていると仮定します。
そのとき、あなたの心は当面する重要な目的のみに専念し、一切の雑音は遠ざけてしまいたい、と思うは
ずです。
このようなとき、あなたの心に正常な感受性と集中力を確保するには、不必要な外界からの悪影響を遮
断してくれるカーテンは非常に有効な働きをします。
周囲の雑音や悪影響から我が身を守ることは、成功のための大切な条件です。
そして集中力と感受性を高めるために、1日 の うちの 一 定 時 間 を、心 の コントロー ル と脳 力 開 発 に 当
てると良いでしょう。
無限の叡智を呼び込むためです。
マス ターマ インドとは 、共 通 の 目 標 を持 って結 集 した人 間 集 団 の 中 に 作 られ る“成 功 回 路 ”の こと
です。
それは確実に個人の力を越え、第3の目や耳とインスピレーションをメンバーに与えるもので、これは秩
序と調和を前提としてはじめて可能になります。
もうすでにあなたは、この集団と組織を導く偉大なノウハウを理解はじめていることでしょう。
マスターマインドが、大いなる精神的価値を持ち、現実の社会でその威力を発揮し、富や報酬という物質
的な価値をもたらすものであるということを指摘し、カーネギー が考えた「集団と組織の人間学」の結びに
したいと思います。
カーネギー の希望は、すべての人々に対し、各人の脳力に応じて、それぞれのペースを尊重しながら、
パースナル・イニシアティブの発揮と成功のチャンスを与えることにありました。それは、すぐに報われる仕
事をするよりも、遠まわりしてでも大きな目標を持って努力する人々に報酬を与え、“努力すれば必ず報わ
れる”という確信を植えつけることを意味していました。豊かな生活は、誰もが望むものです。
しかし、かつては財産を築くことを目的としていたカーネギー の人生も、やがて「人材の育成」を目指すも
のへとかわってきました。
彼の第2の目的である“人 作 り”は、はたしてどんなものであったのでしょうか?
このプログラムが世に出ることとなったのは、私、ナ ポレオン・ヒル が500人を越えるアメリカの指導者
たちと協力し、調和の精神のもとに、彼らの成功の秘訣を分かち合うことができたからで、それ自体がすで
にマスターマインドのノウハウの適用であり、実践であったのです。私1人では、絶対にこのプログラムをつ
くることはできませんでした。
もちろん、そうした偉大な人々との提携は、カーネギー の提案に端を発するものですが、その貴重な時
間を彼らにさいてもらうためには、私と提携することの価値を、彼らが理解し納得する必要がありました。
カーネギー の援助と私自身の明確な願望によって、彼らとの提携は可能になったのです。
私は、通常、インタビューの約束は手紙で取りつけました。一通の見本をお見せしましょう。
『拝啓、日々ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
さて、私は、人生における成功と失敗の原因を突き止めることを目的に、およそ20年間にわたる研究を
アンドリュー・カーネギーより委託された者です。
その巨大な事業においては永年の豊かで深い経験をお持ちのあなた様に、是非ともご支援、ご協力賜り
たく、こうしてペンをとった次第です。
ご協力をいただく場合は、たびたびお会いし、大切なお時間を相当さいていただくことになりますが、それ
にもかかわらず、あなた様が私の申し出をご了解くださるよう切に願うものです。
この申し出は、決して私個人の利益のためではなく、現在と未来の全人類のために行うものです。その点
をご理解していただければ、必ずやご協力いただけるものと確信いたします。
本件に関する協力はあなた様にとって、私が封筒に貼付した切手ほどの価値もないことと存じますが、あ
なた様のご経験に基づいた成功哲学を世に送り出すことは、人々に偉大な真理を伝えることになるでしょ
う。
それは、成功とはいったい何であり、成功と失敗とをへだてるものが何であるかを人々に伝える素晴らし
いメッセージになると思います。ご返事をいただければ幸いです』。
この手紙を受けとったとき、フォードはどんな姿勢を示したのでしょうか?
彼もまた『人類のために』という言葉に心を動かされたのです。
では、こうした協力を得るにはどうすれば良いでしょうか?世の中に出て何をするにしても、私たちは一瞬
たりとも周囲の協力なしではやっていけません。その方法について考えてみましょう。
大 切 なことは 、常 に 人 々 に 何 か を与 える者 であ る、とい うことです 。
ある時、1人の盲目の女性が私を訪ねて来ました。私は盲目の彼女に同情の念を覚え、時間をさいて面
会することにしました。
彼女は、この20年間の人生のあらましを語り始め、以前ある映画会社に勤めていたこと、倒産した企業
に多額の投資をしたこと、そして酒好きの夫の話や母の死、親戚との間に生じたトラブルのことなどを話し
てくれましたが、明るくて建設的な話題はひとつもありませんでした。この20年間彼女の人生は不幸なもの
であったようです。
「ヒル博士、どうして私の目は悪くなったのでしょう?」
私はこう答えました。
「ブランクさん、あなたの気持ちを害するつもりはありませんが、ここはひとつ率直に答えさせてください。
正直なところ、あなたの否定的な態度では何もできないのは当然ですし、あなたの夫が酒を飲むのもわ
かるような気がします。むしろ彼が家を出て行かないのが不思議なくらいだと私は思いますが……」。
すると彼女は、こう言いました。
「彼が酒ばかり飲むのをやめさせることはできません。私に一体何ができるでしょう」。
「今は何もできないでしょう。しかしあなた自身を救うことはできます。あなたは自分が失ったものだけを考
えているのです。心がそこに集中すればするほど、ますます失うものは大きくなるでしょう。
失ったものについて考えるのはやめて、これからのあなた自身の人生から利益を生み出すんだ、というこ
とを決心しなさい。そして人生の目標として、視力の回復を決意しなさい。もう一度目が見えるようになる、
と言う考えで、あなたの頭と心を一杯にすることです。あなたの目は、必ず治るのだと常にそう考えるので
す。
そうすればまず、あなたが変わります。そしてあなたが変わることでご主人はもう一度あなたに関心を持
ち、酒を飲むのをやめるでしょう。親戚の人は、あなたをこき使うのをやめるでしょう。
今、私に言えることはこれだけです。あなたが頑張って積極的な心構えを持つようになったら、もう一度私
のところへ来てください。多分、もっともっと力になれると思います。私が何かをする前に、あなた自身が、
自分を助けることが大切です」。
私はあなたにも、同じことを申し上げたい。あなたのなすべきことは、敗 北 や 失 意 に 負 け ない 積 極 的 な
“もう1人 の あ な た ”を見い出し、そこに自分自身のすべてを賭けることです。そうすれば、このPMAプログ
ラムを身につけることも、あなたの理解者や協力者を得ることも難しいことではありません。
私が援助を要請した人々の場合、彼らがインタビューにのぞむ前から、協力し、必要なものを提供するつ
もりでいることは、私にはわかっていました。
私の意思や心構えが彼らに伝わり、その結果インタビューが可能になったわけですから、それは当然の
ことかもしれません。
したがって誰かに協力を求める場合には、自分には支援や協力を求める権利があるのだと信じることが
大切です。これは本当は大切なことです。
実 際 、人 は 望 み さえすれ ば 、どんなもの でも手 に 入 れ ることが できます。望 まない か ら手 に 入 ら
ない の です。
しかし何を求めるにしても、進んで代償を支払う、という気持ちがなくてはいけません。
また行動を開始するにあたっては、事前の調査がきわめて重要です。場当たり的な行動や猪突猛進はや
めて、事実関係を調べ、周囲や相手の反応を見極めたうえで戦略と方針を立てるのです。そして予想され
る反対や摩擦についても、それを頭に入れておくことが必要です。
たとえばあなたが、銀行から融資を希望する場合、いきなり銀行へ行って名前を告げ、「300万円貸して
ください」と言ってもまともに相手にしてはもらえません。
正当な手順としては、まず銀行の融資係と懇意になり、そのうえで合理的な資金計画を提示するわけで
すが、一番の要点は、計画に信念と魅力が含まれていることです。
その点を十分に踏まえた上で資金を必要とする理由を話し、現実的な返済方法を盛り込めば、その程度
の金額でしたら無担保で融資は実現するでしょう。同様な理由で、身内や友人から何らかの担保を提供す
る人が出てくるかも知れません。そうすれば融資額はもっと大きくなります。
このとき、もしもあなたと銀行の融資係との関係が、“仕事上のつき合い”を越え、融資係を、あなたの計画
の理解者や協力者に変えることができれば、それがまさに私の言うマスターマインドであり、マスターマイン
ドによる連携、ということになります。
そのためには思 考 と感 情 を常 に 前 向 きで明 るい もの に 保 ってお くことが必要です。
そしてあなたの精神が否定的である間は行動を控え、人間関係も制限すべきです。
否 定 的 な感 情 は 伝 染 します 。それは恐ろしいほどです。共通の目標へ向けてダイナミックに前進する
組織や集団の中で、相手の足を引っ張るようなことは絶対にあってはなりません。
あ なたが 人 々 に 伝 える要 素 も、積 極 的 でなけ れ ば い け ませ ん。以心伝心、相手の心はあなた次第
でどのようにでも変わるものです。
事 業 に 成 功 するか 失 敗 するか は 、心 構 えで決 まります 。
あなたは成功を望んでいます。
だから私たちは、成功を支え、成功を可能にするノウハウを与えます。
成功の要因はすべてあなた自身の中にあり、スタート地点は今あなたのいる場所です。そこからありのま
まの状態で旅立つことになります。旅立つのもあなた自身ですから、それをコントロールするのもあなた自
身です。
成功も失敗もその要因はすべて、心の中にあるのです。
成功を可能にする要因を、私たちは「人生の真実」と呼んでいますが、それは次にあげる12の真実のこと
です。
1.積 極 的 な心 構 え を持つこと。
2.健 康 を維 持 すること。
3.友 好 と調 和 に 守 られ た人 間 関 係 を持つこと。
4.不 安 と恐 怖 か らの 解 放 の 方 法 を心 得 てい ること。
5.願 望 実 現 へ の 希 望 を強く持つこと。
6.信 念 を持 つ力 を常にやしなうこと。
7.富 と恩 恵 を分かち合うこと。
8.仕 事 を愛 すること。
9.興 味 と関 心 、そして好 奇 心 を持つこと。
10.自 分 自 身 を常 に 乗 り越 えようとする態 度 を持つこと。
11.人 々 を理 解 する力 を持つこと。
12.財 産 とその 保 全 策 を持っていること。
※現在のあなたに欠けているものがあれば、それをチェックしてください。そうすれば何が欠けているの
か、すぐにわかるでしょう。そしてこれらの12の真実はこの プログ ラム 、そして可能ならHSSプログ ラム
やキ ャリアトラッキング ・プログ ラム 等も合わせて学ぶことにより、必ずあなた自身の血となり肉となりま
す。
ひ とたび 気 持 ちの あ り方 をコントロール す る方 法 を学 べ ば 、目 標 の 達 成 は きわ め て 容 易 に な りま
す。
ごまかしたり、だましたりすることがなければ、必ず協力者は現れます。
このプログラムで私が述べることは、いささか信じ難いことに思われるかもしれませんが、PMAプログラ
ムの真価は、行動を起こし、その理論を実践してはじめて理解することができます。
小さくても大きくてもかまいません。明確な願望を持てば速やかに心は機能を開始し、計画を生み出し、
ゴールへ向かってあなたを導いて行くのです。
ヘ ンリーフォードを挫 折 か ら立 ち直 らせ たもの
最も偉大なマスターマインドの発揮は、ヘ ンリー・フォード夫 妻 の間で行われました。
そのはじまりはフォード家の台所でした。ヘンリー・フォードが、彼にとっては最初のエンジンと取り組んで
いた頃の話です。フォード夫人の愛と献身が、ヘンリー・フォードの必死の努力を支え、ついに自動車用エ
ンジンの開発という大きな成果をもたらしました。その全期間にわたって2人の間にあったものこそ、最も偉
大なマスターマインドの提携です。
エンジンを開発するために必要であった努力と忍耐の数年間、彼らを固く結びつけていた同士的な信頼
や愛情、そして感謝の気持ちは、生涯続くことになります。
フォード夫人は大変地味な人柄でしたから、あまり世間には知られていませんが、彼女を知る少数の
人々は、フォードの偉大な業績は彼女の存在を抜きにしては考えられない、と言い切っています。
夫を勇気づけるやさしい微笑、理解ある敬愛の心、日々新たな希望、慰めと細やかな心遣い、それがヘ
ンリー・フォードを挫折から立ち上がらせ、目標の実現へと押し上げていったのです。
共通の目標に向けて、心を一つにすることができたフォード夫妻の努力は、すべての人々に対する励まし
となるでしょう。
目標に対するパッションと精神の集中、彼らもまた、自分たちの望むものを知っていたのです。
フォードに関しては、もう一つ、マスターマインドのノウハウの適用に関するドラマティックなエピソードがあ
ります。
第一次世界大戦の最中、シカゴ・トリビューン紙 がフォードを「無学な人、無知な平和主義者」と決めつ
ける誹謗記事を掲載しました。フォードはこれを見ると、直ちに新聞社を名誉毀損で告訴しました。論争は
法廷の場に持ち出されたのです。
トリビューン社の弁護士たちは「真実を述べることは侮辱ではない」という格言を土台にして、フォードが
いかに無知な人間であるかを立証しようとしました。そして彼らは、フォードを証言台に立たせ、歴史から技
術にまで広がる広範な質問を浴びせたのです。彼を証言台で立ち往生させ、「無知」を立証しようとする作
戦でした。フォードは1時間以上にわたって忍耐強く質問に答えていました。
しかし、あまりにも愚かな質問に、彼はついに腹を立ててこう言いました。
「オフィスの私のデスクには、押しボタンがいくつも並んでいる。もし私が、いままでの馬鹿馬鹿しい質問
に正確に答えようと思うなら、適当なボタンを押せばよい。そうすれば、いまの君たちの愚かしい質問にも、
正しい答えを出してくれる人間がすぐ飛んでくることになっている。呼べばいつでも、知りたいことを全部知
らせてくれる有能な人間をずらりと私は揃えているのに、どうして私が馬鹿げた質問に答えるために、役に
も立たないような些細なことまで、私の頭に詰め込まなければならないのか?そうしなければいけない、と
いうのなら、その正当な理由を、どうか教えてもらいたいものだ」。
裁判は何ヶ月も続きました。裁判が行われたミシガン州マウントクレメンスの小さなマコム郡の法廷は、大
騒ぎになっていました。フォードの証言は、15,000の週刊誌と2,500の日刊新聞に掲載され、世界中に届い
たのです。
この裁判は、慰謝料100万ドルを要求する訴訟でしたが、フォードは精神的な勝利で満足しなければなり
ませんでした。陪審員たちはフォードの訴えを認めはしましたが、裁判長の認定では、損害はたったの6セ
ントとはじき出されたからです。しかも、それは法廷費用としてです。しかし、フォードの意見は、質問をした
相手側の弁護士を感心させてしまいました。そして、「マスターマインド」のノウハウへの信頼を、法廷記録
にはっきりと記録させたのです。
トーマス・エジソンの場合
エジソンが3ヶ月しか学校教育を受けていないことは前にお話しましたが、その不足を補うために彼が用
いた方法こそ、マスターマインドのノウハウです。自分にないものを外部から導入し、いかにして自分の目
標に役立てていくのか?
発明王エジソンにとって、それが最も核心的な問題でした。
物理、化学、工学のすべての分野にわたって、彼はマスターマインドの方法で最新の理論と技術を導入
し、それを数々の発明品として世に送り出しました。
しかし、それ以上に重要な連携がありました。エジソン夫人です。
エジソンの幸運は、自分の事業を理解し、援助してくれる妻を持ったことです。彼女は、どんな場合にも夫
を信頼し、進んで協力しました。夜遅く実験室から帰るエジソンにとって、眠らずに彼の帰りを待ち、1日の
出来事をすべて聞いてくれる妻の存在以上に大切なものはありませんでした。
エジソン夫人の夫の才能に対する信頼と生涯変わらぬ愛は夫を勇気づけ、時には彼女自身、信念を持っ
て実験の続行を進言することさえありました。
この、2組の夫婦は生き方の中には、重大な真実が隠されています。
男性が成し得る最大の提携、最良の協力関係は、妻との間に結ばれるものです。もし家庭内に調和を欠
き、夫婦の関係がうまくいかないようでしたら、できるだけ早く、関係を改善すべきです。
そしてもちろん、単に妻が夫に奉仕するという一方的な関係ではなく、夫も進んで妻に奉仕するのでなけ
れば、真の協力関係を作り出すことはできません。
では一体、私たちはどのようにして結婚生活を始めていけば良いのでしょうか?
まず未婚の青年の場合、プロポーズするときに自分の人生設計や将来の目標について、相手の女性と
率直に話し合うことが大切です。そして十分な合意に達したうえで、結婚に踏み切るべきです。
新婚旅行が終われば、結婚は夢から現実に変わるものですが、もっとも賢明な方法とは、現実を先取り
することです。夢は夢にすぎません。それは必ずさめるものです。したがって、夢に基づいて結婚後の人生
設計をしたら、その人生設計はいずれ夢とともに消えることになります。
後々まで語りつがれるような夫婦の場合、妻が夫の仕事や目標に対して真の関心を持っており、その結
果夫婦は協同して大事業を成し遂げるわけですが、大部分の結婚生活の場合、その困難は関心の欠如か
ら生まれます。
夫の仕事に対して、見栄や虚栄心からではなく、本当の関心を寄せる妻は、愛情を持って励ますことで夫
の自尊心を育てるのです。
また健全な家計は、夫婦および家庭生活の大前提です。家庭の基盤を保つことで、幸福な生活は可能に
なるのです。
では、既 婚 の 男 性 の 場 合 はどうでしょうか?
この場合は、お互いに夫や妻を再評価し再認識する必要がありそうです。しかし身についてしまった悪い
癖を直すには、いささか時間が必要です。
そこで家庭の中でも、“マ ス ター マ インドの ミーティング ”を開くことをおすすめします。1日のうち、ある
いは1週間のうち、決められた時間に家族全員ガ集まり、家庭内の問題について話し合うのです。それはミ
ーティングですから、全員が率直に自分の意見を発表することが大切で、結論が得られるまで続ける必要
があります。また夫婦いずれかに、問題に対する関心が欠如していれば、ミーティングは再教育と再調整
の場ともなるでしょう。
疑いもなく、性的な感情は男女を結婚へと結びつける大きな力であり、人間の持つ最も大きなモティベー
ションの一つです。
しかし幸福な家庭は、性的な関係だけで作り上げることはできません。愛 と性 とい う両 輪 が 一 体 となっ
て回 転 す ることが なけ れ ば 、家 庭 の 幸 福 を作 り出 す ことは で きませ ん。
性的な感情は、自然が人間に与えた一種のインスピレーションであり、それは男女両性に対して、創り上
げ、導き、指導する力をもたらします。ですから性的な関係は、相手を励まし導くような関係となることが理
想で、2人の関係の中には、常に精神的な要素が含まれていなければなりません。
情熱的な恋の炎を燃やし続けることは、大いなる精神の高揚であり、魂の融合です。
恋は人を単調な仕事から救い出し、平凡な日常生活をドラマティックに変えてしまいます。
恋は人にエンスージアズムを与え、その想像力(イマジネーション)を刺激し、創造的な行為へと駆り立て
ていきます。
ところで理解ある女性というものは、夫の才能を信じ、励ましをもって日々の仕事に送り出し、自分の夫に
失望するようなことはありません。
こうした女性は、夫の意欲を刺激する不思議な力を持っています。
天才の秘密というのも、案外そこにあるのかもしれません。
最 も偉 大 なマスターマインド
マスターマインドの真髄を知りたければ、アメリカ合衆国の各州の間における提携関係を考えてみるのも
一法でしょう。
自由と解放の精神にのっとったこの提携ほど、自発的で調和のとれたものはありません。
この合衆国を構成する各州の間の関係は、世界中のどんな同盟、連合、協力関係よりも自主的であり、
人々の権利の防衛と機会の均等を守る上でもっとも合理的なシステムです。
アメリカの偉大さは、多くの人々が調和を保ちながら生き、そして働き、農業、工業、商業を第一級のもの
にまで高め、フロンティア ・ス ピリットに代表される国家的なヴィジョンを持っていた点にあります。
しかもアメリカの政治体制は、マスターマインドのノウハウを体現したもので、各州政府と連邦政府が、互
いに相手の主権と自治権を認めたうえで連立しています。
この友好的な連携の下で、かつていかなる国民も成し得なかったほどの繁栄を築き上げたのです。
マス ター マインドの 2つの タイプ
マスターマインドには、2つのタイプがあります。
1つは肉親や友人との間に結ばれる純粋に精神的なものであり、もう1つは事業や職業のうえで結ばれ
る経済的なもので、個人の持つ脳力、技術、才能を活かし成功へと導くための提携です。
〈教 育 と学 習 〉
学ぶことに終わりはありません。ましてはっきりとした願望や目標を持って生きているのであれば、役に立
ちそうなことは貪欲に吸収しなければいけません。
あなたがその気になりさえすれば、今日では人類の知的財産を系統的に学ぶチャンスはいくらでもありま
す。
しかもそこで必要なものは、あなたの学習意欲と努力だけです。常に知的興味や好奇心を失わず、あら
ゆる機会を活かして学習を続けようではありませんか!
それから案外見過ごされているのが、「日常生活に学ぶ」という態度です。友人や仲間を選ぶことで、会
話は大変楽しくて有益なものになりますし、それを自己教育の場に変えることもできます。
ただしここでも、あなたと友人や仲間は互いに、“もちつもたれつ”でなければなりません。友人や仲間があ
なたの役に立つように、あなたもまた友人や仲間にとって有益な人間でなくてはなりません。それがマスタ
ーマインドの提携ということです。
〈政 治 活 動 〉
自己決定、という私たちの権利を守る上で、私たちの利益に沿ったかたちで政治を維持することは大変
重要です。
すべての市民は、政治に対する関心を忘れず、必要な情報は逐一確保し、厳粛な態度で選挙にのぞむ
責任があります。
政治的な連帯は、価値ある人間関係の一つです。
〈社 会 活 動 〉
社会活動もあなたが、有益な思想を交換し合える絶好のチャンスです。
輝きを保ち、機敏な感受性をもった精神を維持するには、魂の交流が必要です。
マスターマインド―調和と友愛に支えられた社会活動は、他の何ものにも増してこの要求を満たしてくれ
ます。
〈経 済 的 提 携 〉
単独で偉業を成し遂げた人も数多くいますが、規模が大きくなればなるほど、提携と協力関係は重要なも
のとなります。こうした素晴らしい成功はすべて、提携と協力関係に基づいており、たとえば全国を網羅す
る輸送や通信システムのように、資源や情報の結合があってはじめて、一つの目標の下に数十万、数百
万もの人々を結集しうるのです。
マス ターマ インドを生 み 出 し、それ を維 持 す るため の ポ イント
〈第 1項 〉
手を結ぶことで、達成しようとする明確な目標を持つこと。そしてそのために必要な知識、経験、影響力を
持つ仲間を選びます。
当然そこには、目標に裏付けられた強固なモティベーションがなければなりません。組織や集団を動機づ
けるのも、あなたの務めです。
この組織のメンバーは、脳力と目標意識を基準にして選抜されるべきです。単に好きだから、とか知り合
いだから、という理由で選ぶことは避けるべきです。プライベートな交遊ならともかく、事業を推進する場合
にはやはり脳力や目標意識を第一に考えるべきでしょう。
あなたの目標を入念に検討し、必要事項はすべて書き出し、企画書を作ること。
企画に参加するすべてのメンバーは、それぞれの役割に忠実でなければなりません。
経済活動を組織するにあたっては、情に流されることは禁物です。特に人事や人選については、冷静に
適任者を決めることが大切です。
また出資者を求めるのであれば、出資者に対しては合理的な事業計画を提示し、納得させることができ
なければ、支援や協力を得ることは不可能です。
人選にあたっては、終始慎重でなくてはなりません。脳力や人柄はもとより、あなたの事業に積極的に協
力しようとする人物を選ぶべきでしょう。
また、成功を確信しているのであれば、あまり調和を強調する必要はありません。
〈第 2項 〉
協力に対する見返りとして、各人が受け取る報酬を事前に決めておくようにします。
そして協力者が、“成 功 の ため の 10の モティベ ーション ”すなわち、自己保存、愛、恐怖、性、永遠の
生、自由、怒り、憎しみ、自己表現、物欲のうち、少なくともひとつは持っているか否か、それを確かめましょ
う。
いずれにせよ、人を動かすのはあなた自身のモティベーションです。
人間には、富や利益に対する物欲があります。
利益があがったときは、援助してくれた人々と喜んで分かち合うことが大切です。人々に対しては公正、
かつ寛大になることです。寛大になればなるほど、より多くの援助をあなたは受け取ることができます。そ
れは、“遠まわりをする”ことに見えますが、実際はこれほどの“近道”はないのです。
〈第 3項 〉
メンバーが会合を開くための場所と時間を設定しましょう。
そこでは計画を相互に検討し、意見の交換を行うわけですが、それによってあなたは、新しいアイディア
を得て目標を実現するための計画を練り直し、さらに高めることができます。
すべてのメンバーにとって、願望や目標に対する関心やエンスージアズムを高めるうえで、時間と場所を
定めた会議は大変効果的です。
マスターマインドによって、あなたの心と協力者の心の間に強調が生まれた場合は、お互いのアイディア
がスムーズに流れ込み、相手の考えをまるで自分の考えのように、抵抗なく受け入れることができます。
そして、調和と友好に支えられた知性とそこから生まれるアイディアは、決してあなた1人のものではあり
ません。
メンバーの間では、頻繁に、定期的なコンタクトを保つことが肝心です。この点に手ぬかりがあると、思わ
ぬ破綻が生じます。
もしあなたが、グループから十分な利益を得ようと思うなら、コンタクトを密にすべきです。
そして何か事態に突発的な進展が生じた場合には、ただちに対処できるよう手を打たねばなりません。
〈第 4項 〉
メンバーの間に調和が保たれ、目標を実現するための行動が遅滞なく行われているかどうかを点検する
のは、指導者の責任です。
行動は、目標や願望とその実現とを結ぶ主要な環なのです。
〈第 5項 〉
連帯や提携は、メンバーが心を一つにすることで力を得るもので、メンバーの間に嫉妬や羨望、あるいは
摩擦といった不和が生じた場合は、すみやかに解決しなければなりません。
〈第 6項 〉
提携関係を結んだ各メンバーは、目標や願望の性質と大きさによって、コントロールされなければなりま
せん。
エジソンのような目的を追求するのであれば、集団を構成するメンバーは、特殊技能を持ち、訓練を受け
た人材でなければならず、それによって提携の色合いもおのずから異なるものです。
メンバーの数は、事業の規模によって決まりますが、できるだけ少数の同志で事を起こすのが良いでしょ
う。その方が意見の調整や意思の疎通に便利です。
そして、最小単位の提携は、夫婦、ということになりますが、この二人三脚のによって成功した例は少なく
ありません。
マス ターマ インドの ノウ ハ ウ とPMAプログ ラムで 扱 う他 の ノウ ハ ウ との 関 係
マスターマインドのノウハウと他のノウハウとの5つの関係をお話ししましょう。
〈第 1点 〉
達成と実現の出発点である「目 標 ・願 望 の 明 確 化 」との関係について言えば、願望を明確化することに
よってマスターマインドが生まれ、かつ維持される、ということです。
〈第 2点 〉
あなたは主 導 権 を握るべきです。何事においても率先して行動すべきです。誰かがやって来て、あなた
を救い出してくれるのを待っていては、何もできません。
たとえば、このプログラムを作るために私たちは、有益な知識や体験の持ち主を見極め、それを得るため
に彼らの後を追いました。常に自主的であり、率先して行動しなければなりませんでしたし、時には協力を
得るために多大な労力を費やすことも必要だったのです。
〈第 3点 〉
信 念 を貫くこと。それなしには、言葉の真の意味でのマスターマインドはあり得ないのです。
信念こそが、協調と秩序の基礎となるものです。
願望や目標を実現するためには、不断にあなたの信念を明確にしていかなければなりません。最終的に
成功を収めるためには、そうすることが絶対に必要です。
〈第 4点 〉
“プラスアル ファの 努 力 ”この精神を発揮するとき人々の協力をいかに容易に得られるものか、あなたも
きっと理解することでしょう。
決して項をあせらないこと。そのゆとりある心構えが、人々の共感を呼ぶのです。
〈第 5点 〉
克 己 心 。自分自身を律することを学ぶまでは、マスターマインドを身につけることはできません。他人をコ
ントロールする前に、まず自分をコントロールすることです。
物事に取り組むにあたってもっとも困難なことは、願望や目標に向かって全力を集中することです。
力を分散したり、あるいは器用貧乏では、成功は不可能です。ただ一 つ の 目 標 、ただ一 つ の 願 望 に 向
か って自 分 自 身 を集 中 することです 。
人生は、ただ一つの願望を実現するのにさえ、十分な時間があるとは言い難いのです。
ここでマスターマインド・グループの活動に関して効果的アドバイスをご紹介しておきましょう。
これはジョン・ホプキンス大 学 のシェル ドン・D・グ ラス博士の研究成果です。
博士は、グループの行動の理由を説明しようとしているのではありません。これは夫婦単位から世界的
規模のグループまで、共通の目標を追求していくときの課程を研究したものです。
そこには、4つの発展段階があると博士はいいます。
その第1は、導 入 、つまり目 標 決 定 の 段 階 です。新しい目標を設定して、それに皆が同意をするときで
す。興奮、あるいは幸福感がその特長です。おそらく、あなたにも覚えがあるでしょう。グループの誰かがあ
るアイディアを提案したときのことです。そのときは素晴らしいアイディアだと思ったはずです。しかし、いつ
しかそれは棚上げになり、その後は捨てられてしまったりすることもあります。
第2は、抵 抗 と確 認 の 段 階 です。グループのメンバーは、新しい目標を達成させるために生じる変化に
対して不安を抱きます。グループそのものが、変化に抵抗する要素を内在させていることもあります。ある
いは、リーダーが真剣に取り組むのかどうかの様子を見るだけの場合もあります。どちらにしても、この段
階では、メンバーはアイディア、時期、費用などを受け入れるかどうかの、グループとしての意向に疑問を
投げかけます。あるいは、そのアイディアがうまくいかない理由を持ち出してくる場合もあります。
第3は、生 産 段 階 です。この段階でグループは仕事に取りかかります。抵抗と確認の段階を通り過ぎる
と、予定表が決まり、責任分担も確立し、次回のミーティングの日程も決めることができます。仕事を終わら
せるのに必要な手順は、この段階ですべて決まります。
第4は、終 了 段 階 であり、プロジェクトが完了したときです。
以上の分類は、複雑な主題を単純化したものですが、グラス博士が指摘するポイントは、多くのグループ
は必ずこの課程をたどるものだということです。もしリーダーが、導入段階から一気に生産段階へ急性に事
を運ぼうとすると、グループの誰かが、必ず抵抗・確認の段階に後戻りしようとします。あなたがリーダーを
立派に務めたいのなら、グループの気持ちを汲み取り、共通目標に達するまでの諸段階を、ていねいにた
どっていかなければなりません。
グループが通過する課程を十分認識しておけば、あなたの努力の成果が上がり、反対するメンバーに対
して寛容な気持ちを持つことができるでしょう。抵抗・確認段階が終われば、グループは仕事に取り掛かる
ものです。そのときには、結合力の強いグループになっていることでしょう。
おそらくあなたは、「チームワーク」と「マスターマインド」のノウハウとの間の相似点に気づいていることで
しょう。この2つを1つのノウハウにまとめることができるかもしれない、と考えるかもしれません。しかし、1
つにまとめてしまうと、両者の重要な相違点を見逃してしまうことになります。
「チームワーク」は、個々のメンバーが別々の利害関係を持っている場合でも、成り立つものです。必要な
のは、協力だからです。ここで「心からの」協力と、「やむを得ず」の協力との違いを述べてみましょう。
『心からの協力』は、結果が建設的で、互いに努力し合うので、永続的な力を確保することができます。
『やむを得ず協力』する場合は、メンバーは必要以上に努力を継続しないので、すべてが先細りとなってい
きます。
フレッド・C・リッカー マ ンは、キー ス トン青 少 年 団 体 国 際 連 盟の理事長で、私(W.クレメント・ストー
ン)の古くからの友人です。リッカーマンによれば、チームワークには自発的なものと、雇われたものがある
ということです。自発的なチームワークは、いろいろな理由によってできるもので、必ずしも目標を追求する
必要はありません。そのリーダーが好きだからとか、または義理などによって協力しているだけかもしれま
せん。
また、雇われチームは、高度の技能と勝利への献身で協力はしますが、もし報酬の支払いがなくなれば、
プレーを続ける者はいなくなります。
一方、マス ターマ インド同 盟 は、強い使命感を持つ人々や、目標達成を決意している人々で形成される
ものです。そのようなグループで顕著なのは、利害が一致していること、共通の目標を目指して協力して働
くということです。しかも彼らの努力は、単に協力者というより、創造的なのです。同じ心を持ったグループ
の熱意が最高に集中した状態では、2プラス2は5にもなります。このように心の共同作用は、大きなものを
成就する力を持っているのです。
アーサ ー・E.バ ートレットは、巨大なトウ ェンティー・ワ ン・センチュリー不 動 産 会 社を創立しました
が、マスターマインドのノウハウは、会社の成功に欠かすことのできなかったものだと言っています。
「われわれ全員は、90日ごとに集まりました。まるで、マスターマインドの見本のようなものでした。30人
の事業家たちは、すべて同じプランに従って働き、同じ願望、同じ気持ち、同じ目標、つまり世界最大の不
動産会社を作るという目標に向かって働きました。私たちは調和を保ちながら働きました。大筋は別として、
細かい点ではすべてについて合意したわけではありませんが、お互いを尊重し、お互いを思いやりながら、
問題解決に集中しました」。
「みんなは大変に率直でした。30人が一致して会社の成功のために働いたことは、私の一生にとって忘
れ難い経験の一つでした。彼らなしには、わが『トゥエンティー・ワン・センチュリー社』はできなかったでしょ
う」。と彼はいっています。
マスターマインドについての考察を終えるにあたり、私が何よりも強調したいことは、はかない夢とは根本
的に異なる、真に人間的な願望を実現するインスピレーションの源が、マスターマインドの中に隠されてい
るという真理です。
それを活用するには、どうすればよいでしょうか?
一個人の力を越えた知性の共同体を作り出すために、今すぐ行動を開始しましょう。
「マスターマインド」を作るのに必要なのは、共通の目標に向かって一致して働くという、調和的な複数の
心です。デ ィック・ヒース とジンジャー・ヒース はマスターマインドによって、1981年は赤字だったテキサ
ス州キャロルトンにある「ビュー ティ・コントロー ル 化 粧 品 会 社 」を1986年には純益330万ドルの会社
に成長させました。総売上は2,300万ドルにももぼります。これは記録破りの実績でした。
この会社の成長が近年いくらか落ち込んでいるのは、会社の総収入の36パーセントを占めているテキサ
ス州の景気が、下降気味であることに影響されているからです。そこで会社としては、売上の拡大を図るた
めに、コスト抑制のプログラムを作成し、州外でのマーケットシェアを増やすために、結局的な販売拡張政
策をとりました。新しいマーケティング方法を追求し、全米的な宣伝キャンペーンを張るというものです。
理想的なマスターマインドは夫婦によって作られるものですが、ディック・ヒースとジンジャー・ヒースの夫
婦です。このダイナミックな二人は、共通の目標の追求に彼らの力とエネルギーを結合させたのです。
顧客に無料で、あるサービスを提供しようと考えたのは、妻のジンジャーでした。
つまり、女性の体型、顔形、服装、メーキャップなどによって変わる個性をコンピューターで正確に診断を
して、「ベストイメージを前面に出す方法」をサービスするというアイディアです。
彼女は役員会の議長を務め、製品とコンセプトの開発、製品の品質管理面を担当しました。
ディックは社長であり、最高経営責任者です。妻との共同経営と20年にわたるセールスの経験を生かし
て活躍しています。彼のマーケティング、人材募集、経営戦略によって、「ビューティ・コントロール社」は過
去5年間で急成長を遂げた株式公開100社中の1つに数えられるようになりました。
ヒース夫妻は、毎日、自宅の近くをジョギングします。その家は最近、100万ドルで購入したものです。そ
れから朝食を一緒にとった後、ジンジャーは新車のベンツで子供たちを学校へ送ってからオフィスで夫と合
流します。
以上は、夫と妻によるマスターマインドの活用例です。
マスターマインドの活用は、このようにグループを力強い大きなものへと導く力を持っているのです。
何 よりも尊 い 共 同 体 は 、あ なたの 愛 する人 との 結 びつきです 。それは夫であり、妻であり、恋人です
が、それ以外にも、真の同志となるべき、何人かの候補者がいるでしょう。
もちろんその場合、ただ好きだから、という理由で選んではいけません。その人物があなたの計画に与え
る恩恵、およびあなたの計画から彼が受け取るべき利益を慎重に検討してください。
ありのままのあなたを受け入れ、共に歩んでいける人は必ずいるものです。
あなたのグループは、願望や目標の規模と性格によって決まります。
グループの人選が済んだら、彼らにあなたの計画を打ち明けてください。そして集団の中に調和と秩序が
生まれれば、彼ら1人ひとりは、あなた自身の延長となるでしょう。
そのとき、彼らの意見やアイディアを取り入れ、計画を十分に練り上げ、必要な点には変更を加えます。
グループの中に、はじめから不和が生じた場合は、すみやかにその原因を究明しなければなりません。
もしその原因が、特定の不満分子にあるとすれば、毅然とした態度でのぞむべきです。ただ1人の不満分
子といえども、そのまま放置すれば、グループ全体に悪影響を及ぼし、団結にヒビを入れることにもなりか
ねません。
もちろん、民主主義はどんな場合にも鉄則はありますが、時には全体の調和をはかるために強い権限を
行使することも必要です。
集団の指導者として、あなたは常に積極的な心構えを持ち、豊かな感受性を保持しなければなりません。
あなたがメンバーと共にいるとき、特にそうです。そして興味と関心を忘れず、事業を推進するための意
義と目的を、常にグループ全体に伝えることが、あなたの仕事です。
マスターマインドを、グループ全体のものとするよう、常に努力してください。
グループの調和と秩序を保つうえでも、これは大変有効な手段です。
成功を可能にする提携の第一歩は、“自分自身とうまくやること”です。
もうひとりの自分にマスターマインドを用い、完全にうちとけるようになることです。
これはすべての基本です。
SESSION2
SELF TEST
マ スター マ インド
〈part Ⅰ 〉
※このテストはあなた自身のための自己テストです。
答えを○で囲むか、記入してください。
1.マスターマインドとは、2つ以上のアイディアからくみ合わさり、明確な目標に向けて_______し
ながら機能するものである。
1.完全に調和
2.障害を克服
3.課題を設定
4.チームワークを維持
2.マスターマインドの調和によって、達成された要素でないものが、1つあります。それはどれか?
1.理解力
2.倫理性
3.公平さ
4.自信
3.マスターマインドは、積極的に利用されれば組み合わされた思考の_____をつなぎ、各々の思考
はその脳力のほかに、十分な精神力を備えることができる。
1.理性
2.潜在意識
3.感情
4.判断力
4.ナポレオン・ヒルがヘンリー・フォードに宛てた手紙によって得られた最も重要な結論は___である。
1.研究
2.会話
3.任命
4.協力
5.精神的な態度が、人の成功または失敗を決定づける。思考をコントロールするのは、本人以外にはあり
得ない。成功も________も、その人自身の問題である。
1.ソフト・テレパシー
2.チームワーク
3.失敗
4.指導的精神
6.次の特性の中で、12の真実に該当しないものは?
1.達成への期待
2.信じる脳力
3.積極果敢な精神
4.ソフト・テレパシー
7.マスターマインドの強さは、以下の事実による。
1.自由意思による
2.強制による
3.願望による
4.教育による
8.以下の特性のうち、マスターマインドの形成に関係のないものがある。それはどれか?
1.明確な目標を採用すること
2.合言葉は“警告”である。
3.各メンバーがどのような利益を得ることができるかを決定する
4.時間を確定すること
9.以下のノウハウのうち、一つだけマスターマインドと矛盾するものがある。
1.イニシアティブ
2.より以上に努力すること
3.エンスージアズム
4.明確な目標
10.仕事または専門分野において収益をあげることを可能にするマスターマインドとは何か?
1.教育に関する知性
2.宗教に関する知性
3.経済的な知性
4.社会的な知性
〈part Ⅱ 〉
※質問をよく読んでお答えください。質問の主旨に関することなら、好きなだけ回答していただいて結構で
す。
1.あなた自身が考える「マスターマインド」とは何ですか?
2.(1)マスターマインドを活用することで得られるもっとも重要な利益とは何ですか?
(2)マスターマインドのノウハウによって、正式な教育を十分受けたことのない人でも利益を得ることがで
きるのは、なぜですか?
3.マスターマインドのノウハウが使用される例を、①ビジネス、②政治、③専門分野において、またはあな
た自身の選んだその他の状況においてあげてみてください。
①
②
③
4.(1)最良の結果を得るためには、どのような心理状態が必要でしょうか?
5.マスターマインドを形成し、その状態を維持するために必要な、6つの段階についてできるだけ簡単に
説明してください。
6.今日、もっとも重要視されるマスターマインドの提携とは何ですか?またその理由は?
7.人生における12の真実をすべてあげ、現在あなたが持っているものに印をつけてください。
8.あなたが目標を実現するために必要な人材とその人数を書いてください。
9.自由を守る戦いにおいて力を発揮する知性とは何ですか?
またマスターマインドのノウハウは有効でしょうか?
10.マスターマインドを形成する要素があれば完全に調和していなければならないのは、なぜですか?
11.このセッションを勉強して、どのようなノウハウや発想を学びましたか?
(1)そのノウハウや発想は、あなたにとってどのような意味がありますか?
(2)そのノウハウや発想を、どのように活用するつもりですか?
(3)いつ、活用するつもりですか?
12.このセッションを勉強したことで、あなたは何を始めますか?
「誰もわれわれ全体のように賢くはない」(古語)
Author
Document
Category
Uncategorized
Views
1
File Size
333 KB
Tags
1/--pages
Report inappropriate content