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エコロジーを楽しむ発電デバイスの提案

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プロダクトデザインコース 梅田研究室
Product Design Umeda Lab.
エコロジーを楽しむ発電デバイスの提案
鈴木 啓太 SUZUKI Keita
1.背景と目的
東日本大震災を経験し、国民の間で省エネルギーに
対する意識が高まっている。個人レベルでも、家庭内
の電化製品の待機電力をカットすることや、冷暖房の
温度をより電気のかからないように設定するなど、
様々な取り組みが行われている。
しかしそのような行動の多くは楽しさがなく、ただ
やらされている、という感じを与えるものが多いよう
に感じた。
以上のことを踏まえ、本研修では、
「エコを楽しむ」
と
いうテーマのもと、個人が楽しみながら気軽に電気を
つくっていく社会を実現するための製品を提案するこ
とを目的とする。
2.現状調査
具体的なアイテムのデザイン検討に先立ち、個人が
日常生活のなかで使える発電方法について調査した。
1)バイオ電池
ブドウ糖などの糖類を燃料とし、発電する電池。ス
ポーツドリンクやジュースなど身近なもので発電でき
る。容量40cc、最大出力50mWを確保している。
図3.振動発電機
3.提案内容
調査内容を踏まえ、小型発電デバイスと発電した電
気を使う玄関用ライトを提案することにした。本研修
では日常生活の中で自然に省エネをすることを目標と
しているため発電方法は自らの動きで発電できる「振
動発電」にする。
具体的には、発電デバイスを携帯した状態で、歩い
たり階段を上ったりする際の振動で発電する。発電し
た電気は、帰宅時に玄関の照明を点灯させるのに利用
する。
4.使用の流れ
図1.バイオ電池 図2.バイオ電池の玩具
(ソニー株式会社)
(同左) 2)乾電池型振動発電機
主にテレビのリモコンなどに入れ、振ることで発電
する。振る時間や強さによって発電量が変わり、平均
して10~180mWが得られる。
3)発電繊維
体の動きに反応して発電する繊維。シャツやバック
などに使用される。圧力を加えると電気が発生し、電
気を加えると変形する圧電素子を繊維に使っている。
布1平方メートルあたり、最高で80mW発電される。
4)振動発電機
日常的に存在する環境振動で発電する。環境振動と
は工場の機械や車などの移動体、橋から発生する振動
のことである。力を加えると電力が発生する逆磁歪効
果を利用し発電する。D250mm×W20mm×H20mmのサイズ
で約2W発電する。小さいサイズながら軽く手で叩いた
だけで、50個のLEDランプを点灯させるくらいの能力
を持っている。
図4.使用の流れ
家族それぞれが発電デバイスを持って外出する。一
日の行動で発電された発電デバイスを帰宅時、玄関に
置いてあるライトに差し込むことでデバイス内の電気
がライトに流れ、玄関全体を照らす灯りとなる。
また、デバイスの色
によって灯りの色が変
わるため、家族で使い
分けができる。
図5.灯りの変化
5.デザインの方針
提案内容を形にするにあたり、以下のことを方針と
して定めた。
・楽しさを演出する。
・発電デバイスを持ち歩きやすい形にする。
・発電デバイスとライトの形に統一感を持たせる。
6.デザイン展開
6.1.1.一次デザイン案
発電デバイスをファッションの一部として身に付け
るアイデア展開と、バッテリーを取り外してライトに
装着する形の展開を行った。
発電部
バッテリー部
図6.腕時計型 図7.ネックレス型
バッテリー部
発電部
図8.靴装着型 図9.足首装着型
6.1.2.一次デザイン問題点
ファッションアイテムとして考えると、人々の多様
な好みに対応する必要があるがこれは本提案にはあま
り合わないと思われた。また、ライトと発電デバイス
の形の統一感の追求が、一次案では不十分であった。
1)スタイロフォームで
おおまかな形を切り出
し紙やすりで研磨する。
図12.スタイロフォーム
2)研磨したスタイロフ
ォームに油土を付け、
固定し金型で油土を削
り取る。 図13.油土を削り取る
3)削り出し、形が出来
上がった油土の石膏型
を作り、欠けている箇
所を石膏で補修する。
図14.石膏型
4)ヒーターで塩化ビニ
ール板を熱し、石膏型
を基に真空成型する。
たわんでいる箇所をホ
ットガンで熱し、少し 図15.真空成型
ずつ修正し冷やして、形を整える。 9.最終モデル
差込口の窪みを滑らかにし、脚を透明のアクリルに
することで、ライト自体を浮かせ、際立たせるように
した。ライトとの統一感も出すことができた。
6.2.二次デザイン案
一次デザイン案の問題点を踏まえ、発電デバイスと
ライトに統一感を持たせる形を考えた。
図10.デバイスを差し込んだライト 図11.発電デバイス
基本形状は柔らかい物質に固い棒が突き刺さりへこ
図16.ライトと発電デバイス
んでいるイメージ。ライトの上部中央に窪みがあり、
その窪みにスティック状の発電デバイスを差し込むこ
とでデバイス内の電気がライトに流れ込み、光る。
2次デザイン案を基にサイズとディティールを調整
しながら制作した。
7.発電デバイスの発電性能とバッテリー容量
発電デバイスの発電力を2Wと設定する。一般人の一
日の平均歩行時間を一時間とすると、約2Wh発電す
る。4人家族で使用する場合、発電デバイス4本で1日
に合計8Whの電力を貯めることができる。
バッテリーの容量と大きさは、携帯電話と同じくら
いに設定する。
10.まとめ
当初、発電機をファッションアイテムとして身に付
ける形で進めていたが多様なファッションスタイルに
対応できないことや発電した電気の使い道など様々な
問題が出てきた。本研修では問題点が出たときに、ど
のような方法で改善すべきなのか、という考え方がよ
り深く身についた。振動発電機はまだ研究段階なので
これからどのように普及されていくのか分からないが
個人が楽しみながら発電していく社会が実現したら、
エネルギー問題や地球環境が改善され、私たちの生活
が豊かになるのではないかと思う。
参考文献
株式会社音力発電ウェブサイト
8.モデル制作
乳白半透明の塩化ビニール板での発光部の制作は以
下の手順で行った。
http://www.soundpower.co.jp/index.html
ソニー株式会社ウェブサイト
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200708/07-074/index.html
ニューヨーク大学ウェブサイト
http://www.nyu.edu/
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