目 次 - CERA 地域創造支援センター

7.フォーラム・シンポジウムの記録
目
巻頭言
ポートランド:リベラルアーツの大学と創造都市
1
次
後
藤
康
夫
地域創造支援センター 平成27年度 実施事業
1.CERA 事業活動… ……………………………………………………………………………………………
1
地域フォーラム…………………………………………………………………………………………………
3
国見町地域フォーラム
産学官交流の活動………………………………………………………………………………………………
4
福島県商工会館寄附金による地域活性化活動助成事業報告………………………………………………
6
登録研究会の活動・報告………………………………………………………………………………………
9
資料整備保存事業………………………………………………………………………………………………
20
⑴
松川資料室………………………………………………………………………………………………
20
⑵
常磐炭砿資料……………………………………………………………………………………………
22
第19回福島大学地域創造支援センター地域フォーラム……………………………………………………
24
公開講座・公開授業・地域社会連携事業一覧・実施報告書………………………………………………
52
公開講座・公開授業アンケート調査の実施報告……………………………………………………………
64
2.本学教員の研究・地域連携活動……………………………………………………………………………
71
⑴
平成27年度受託研究及び共同研究………………………………………………………………………
73
⑵
産学官連携コーディネーター及び産学官連携研究員の活動報告……………………………………
77
⑶
連携コーディネーターの活動報告………………………………………………………………………
84
⑷
平成27年度科学研究費助成事業採択課題一覧…………………………………………………………
92
3.資料室の活動…………………………………………………………………………………………………
97
4.各部会の活動記録…………………………………………………………………………………………… 101
センター規程・スタッフ・運営委員名…………………………………………………………………… 106
2
福島大学地域創造支援センター年報
2013
2014年2月
ポートランド:リベラルアーツの大学と創造都市
国立大学法人福島大学
教授
後
経済経営学類
藤
康
夫
年末に、京都にある総合地球環境学研究所(大学共同利用機関法人人間文化研究機構の管轄する研究所
の一つ)の仕事で、アメリカ西海岸にあるオレゴン州の中心地、ポートランドを訪ねる機会があった。ポー
トランドといえば、創造都市、環境・芸術都市、そしてアウトドア・スポーツの聖地として有名である。
他の州では買い物をすれば10パーセント前後の売上税がかかるが、この州にはそれがなく、全米各地のみ
ならずカナダからも、この街に買い物にやってくることでも知られている。それに、つい最近まで、市内
を走る電車は、繁華街の内部では無料となっていて、買い物にこれほど好都合なことはなかった。
最初に、
ポートランド州立大学で毎週末開催されるファーマーズ・マーケットに出かけた。この種のマー
ケットは、アメリカだけでも8 , 000ヶ所あり、世界的にも農家と都市生活者を直接つなげる運動として広
がっている。大学キャンパス内のここは、この街だけでも40ヶ所を越えるマーケットのなかでも、最大規
模を誇る。近郊の有機栽培農家30戸ほどがテントを張り、野菜や果物、花卉、ジャムなどの加工品を並べ
ている。会場の真ん中ではミュージシャンが生演奏をし、訪れた市民は聴きながら、楽しくフード・コー
トで食事をしている。公立大学の広大なキャンパスが農家と消費者・市民に開放され、文字通り「公共空
間」となっている。
旧市街にあるサタディー・マーケットにも足を伸ばした。こちらはアーツ・アンド・クラフツ(手工芸
品)の青空市で、テントは50ほどあり、職人と工芸家の世界一色となっている。実用品から装飾品まで品
揃えも豊富で、しかも美しく、見飽きない。ここでも生演奏とフード・コートがあり、大勢の市民や観光
客が楽しんでいる。
この街はまた、コープ(協同組合)活動が活発で、業種も、印刷、タクシー、自転車の販売・修理など
幅広く、最も多いのは食糧品や日用品を扱う店舗である。その一つ、ピープルズ・フード・コープでは、
組合員は出資するだけではなく従業員として店舗でボランティア活動することが求められる。参加すれば、
「労働の対価としての買い物割引」が受けられる。一種の「互酬経済」の試みと言える。なんにつけても
市民の自律、自己表現や多様性、参加が特徴的なようである。
その典型の一つを、セルフ・エンプロイメント(独立自由業、自営業)の働き方に見ることができ、こ
の街では、全就業人口の15パーセントを占め、全米一を誇る。これを支えるのが、共同オフィスの存在で
あり、
インフラがしっかりしているようだ。その基本は人材育成の高等教育機関であろう。例えば、コミュ
ニティ・カレッジには社会起業家支援プログラムが組まれ、市内には、アート・スクールの看板が至る所
にある。
環境とまちづくりの結合においても先駆的な取り組みが見られる。それは、エコ・トラストという
NGO 活動と、それが運営するビルディングであり、ヒアリングに訪れた。エコ・トラストのメンバーの
話によると、1998年、都市論の先駆者、ジェイン・ジェイコブズの思想と「Conservation Economy」と
7.フォーラム・シンポジウムの記録
3
いう新しい経済学の考え方を、都市空間のなかに具体化しようと、廃れていた鉄道操車場や倉庫群の再開
発・保護再生に取り組む。その中心的建造物が、廃れた倉庫を改造・保護再生したエコ・トラスト事務所
が入っているエコ・トラスト・ビルディングで、その特徴は、次のようなものとなる。
ⅰ
素材:近隣の木工所で建材にされた木材を使用(林業の育成と現地雇用促進)。
ⅱ
自然の利用:自然採光など省エネ設備を完備し、グリーン・ルーフなどの“グリーン・ビルディン
グ”に改造。
ⅲ
テナント:非営利などの多様な社会活動団体をはじめ、カフェや著名なアウトドア・ウェア・ショッ
プが入っている。
ⅳ
一階の公共スペースや二階の会議室:近隣市民のコミュニティ・スペースとして、ワークショップ
や交流の場。
ⅴ
戸外:野外映画の上映会やファーマーズ・マーケットなど、各種イベント会場。
ⅵ
場所貸し:地域コミュニティの公共空間として、ウェデング会場の形で貸し出し、ビジネス営業。
こうした市民の自律と多様性を支える最大のものは、リベラルアーツ大学として全米トップクラスを誇
るリード・カレッジの存在であろう。キャンパスは市内を一望できる郊外の森のなかにあり、学生の自治
管理による寮も完備、少人数教育にぴったりの環境である。4年間みっちり文系と理系、ラテン語から音
楽、数学まで学び、卒業生の大多数は全米各地の専門大学院に進学する。
学生生協の書籍コーナーを探すと、人文・社会科学系が充実しており、プラトンやアリストテレス、そ
してマルクスやレーニンの文献も沢山ある。大学グッズの T シャツのロゴに目が留まった。なんと「自
由恋愛、無神論、コミュニズム」!
リベラルアーツ、ここに極まれり、というべきか。「ヒッピーのイ
ンテリ大学」と称されるところで学ぶ若者がいればこそ、ポートランドのような世界モデル都市が創れる
のかと、しみじみ感じ入った。
*本エッセイは、『福島大学経済経営学類後援会会報』(2016年1月29日発行)に掲載された同名の一文
に、大幅な加筆をしたものです。
**参考文献を3冊挙げておきます。
『創造都市ポートランドガイド』BRIDGE LAB 発行。
ジェイン・ジェイコブズ『アメリカ大都市の死と生』鹿島出版会。
同『発展する地域
衰退する地域
―
地域が自立するための経済学
―
』ちくま学芸文庫。
4
福島大学地域創造支援センター年報
2013
2014年2月
地域創造支援センター 平成27年度 実施事業
平成26年度
3月31日㈫
第12回福島大学出前相談会(コラッセふくしま)*
平成27年度
4月11日㈯
平成26年度文部科学省委託事業「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進
事業」成果報告会(コラッセふくしま)
5月7日㈭
福島大学出前相談会(コラッセふくしま)
5月20日㈬
第1回運営会議
◦事業及び運営体制について
◦26年度決算/27年度予算について
◦福島県商工会館寄附金事業助成活動の決定について
6月16日㈫
福島県しらかわ地域企業展示交流会
他
出展(白河中央体育館)
・17日㈬
7月4日㈯
平成27年度福島大学白河サテライト教室(白河市人材育成センター・白河市立図書館)
~8月23日㈰ 前期5回
7月7日㈫
第31回産学官交流のつどい
出展(ウェディングエルティ)
7月8日㈬
第14回福島県との連携推進会議(福島県庁)
7月13日㈪
第2回運営会議
◦図書館移設後の CERA資料室等の運営体制について
他
福島大学出前相談会(コラッセふくしま)
7月29日㈬
2015年度東北地域リエゾンネットワーク会議(TKP仙台カンファレンスセンター)
8月1日㈯
わくわく Jrカレッジ
8月22日㈯
ふくしま産学官コンソーシアム
サイエンス屋台村(福島市子どもの夢を育む施設こむこむ)
~12月3日㈭ 「再生可能エネルギー関連産業の成長を牽引する中核的専門人材の養成」事業
再生可能エネルギー人材養成講座(福島大学)
8月27日㈭
富岡町と福島大学との歴史・文化等保全活動に関する協定書
締結
7.フォーラム・シンポジウムの記録
8月27日㈭
・28日㈮
5
イノベーション・ジャパン2015(東京ビッグサイト)
出展 「ゼロバックラッシュ・小型・高出力・高精度アクチュエータ 」髙橋隆行
「捨てている希少資源を活かす技術~酸化セリウム系ガラス研磨材のリサイクル~」佐藤理夫
「インクジェット技術を用いた太陽電池製造法」高岸秀行
9月3日㈭
第28回国立大学法人共同研究センター等教員会議(香川大学)
・4日㈮
9月10日㈭
第37回全国国立大学生涯学習系センター研究協議会(金沢大学)
・11日㈮
9月17日㈭
第27回国立大学法人共同研究センター長等会議(電気通信大学)
・18日㈮
10月9日㈮
松川資料展(附属図書館)
~10月11日㈰
10月20日㈫
平成27年度福島市企業立地セミナー
出展(ホテル椿山荘東京)
10月23日㈮
平成27年度産学官連携研究員及び地域創造支援センター連携コーディネーター連絡会議
(ウィズ・もとまち)
10月27日㈫
第3回運営会議
◦年度計画に係る中間報告について
10月28日㈬
他
ふくしま復興・再生可能エネルギー産業フェア2015(ビッグパレットふくしま)
・29日㈭
11月4日㈬
福島大学と棚倉町の相互協力協定書
締結
11月10日㈫
平成27年度東北地区共同研究センター連絡協議会(コラッセふくしま)
12月8日㈫
JST成果発表・展示会
12月9日㈬
産学官連携フェア2015みやぎ
12月12日㈯
平成27年度福島大学研究・地域連携成果報告会(郡山ビューホテルアネックス)
12月21日㈪
福島県商工会館寄附金による地域活性化活動助成事業第3回公開報告会(コラッセふくしま)
1月19日㈫
ふくしまものづくり企業交流会
出展(ビッグパレットふくしま)
出展(仙台国際センター)
出展(コラッセふくしま)
第4回運営会議
◦平成28年度年度計画の作成について
他
6
福島大学地域創造支援センター年報
2月7日㈰
2013
2014年2月
平成27年度福島大学白河サテライト教室(白河市立図書館)後期5回
~3月6日㈰
2月5日㈮
第15回福島県との連携推進会議(福島大学)
2月13日㈯
平成27年度文部科学省委託事業「再エネ中核的専門人材養成事業」成果報告会
(ビッグパレットふくしま)
2月14日㈰
第20回福島大学地域創造支援センター(CERA)地域フォーラム
棚倉町地域活性化フォーラム(棚倉町文化センター「倉美館」)
「生涯健康に向けた町民1スポーツ運動」
3月23日㈬
第5回運営会議
◦年度計画に係る最終報告について
*
2014年の年報に掲載がないため
他
1.C E R A 事 業 活 動
1
CERA事業活動
1
1.C E R A 事 業 活 動
3
▪地 域 フ ォ ー ラ ム
国見町地域フォーラム
日
時
平成27年2月28日㈯
場
所
JA伊達みらい
テ
ー
マ
13:30~16:00
みらいホール国見
「こうだったら良いのにな。くにみ」~キラキラな未来のために~
【 第1部 】 基調講演
テーマ:
「1000年のまち。これから100年のまちづくり基本計画」
講
師:岩崎由美子
福島大学行政政策学類教授
【 第2部 】 ワークショップ発表
「こうだったら良いのにな。くにみ」
【 第3部 】 コメント&意見交換
コメンテーター
桜の聖母短期大学キャリア教養学科長・教授
二瓶由美子 氏
NPO法人うつくしま NPOネットワーク事務局長
鈴木
和隆 氏
国見町長
太田
久雄 氏
福島大学行政政策学類教授
岩崎由美子
福島大学地域創造支援センター長
小沢
喜仁
【 開催趣旨 】
福島大学と国見町は、平成26年9月に相互友好協力協定を締結し、これまでも地域活性化に向け様々
な取り組みを連携して行ってきた。
国見町は、東日本大震災により800棟を超す住家が全半壊するという大変な被害を受けた。さらに、
東京電力福島第1原子力発電所の事故により、福島県全体が健康問題や観光、農産物を中心とした風評
被害に今も苦しんでいる。
国見町はこの大きな災禍を契機と捉え、震災前の課題を解決し100年後にこの地に住む人々に「この
素晴らしい地」を残すため、新たな国見のまちづくりとして「再生」することを掲げている。町の再生
の核となるのが、一つ目は地域の経済循環を再興する「仮称:里まち文化ステーション(道の駅)」で
あり、二つ目はこの地に住む人々に連綿と受け継がれてきた生活文化を再認識し、国見の誇りを取り戻
すための「歴史を活かしたまちづくり」である。
今回、福島大学と国見町は連携し、地域課題の解決について、まずは、地域課題を明らかにし、その
解決を図るための手法を町民と考えていく。このフォーラムで終わりではなく、平成27年度も町民が
主体的にまちづくりに参画し、町民協働による魅力あるまちづくりの推進を継続的に考えていく契機と
する。
4
福島大学地域創造支援センター年報
2015
2016年2月
▪ 産学官交流の活動
1.本学と福島県の間で締結した「連携に関する協定」に基づき、定例の連携推進会議を開催した。本
会議においては、連携事業の進捗状況や相互の連携要望事業等について、具体的な連携協議や情報交
換を行い、連携強化に努めた。
◦平成27年7月8日㈬ (福島県庁)
〈主な協議事項〉
◦農学系人材養成機能のあり方について
◦イノベーションコースト構想について
◦ロボットバレーの形成について
◦COC+の取り組みについて
◦森林整備ボランティアの育成支援等県の要望について
◦平成28年2月5日㈮ (福島大学)
〈主な協議事項〉
◦国際化、グローバル化への対応について
◦FURE について
◦知事と学長の懇談の場の設定について
◦平成28年度福島県予算について
2.CERA連携コーディネーターとの連携を強化するため、連絡会議を開催し、地方創生に取り組む中
で重要性が増している「地域総合戦略策定に資するための地域データの分析」についてのグループ・
ワークを実施するなど、連携・交流を行った。また、同コーディネーターなどが直面している地域ニー
ズの調査と情報提供を行ったほか、協働で産業界等の課題解決のための出前相談、企業支援策の立案
や実施、企業展示交流会への参画などにより産学官連携を推進した。
◦連携CD等連絡会議
平成27年10月23日㈮ (福島市)
◦喜多方市における技術開発事業支援、地方創生の支援など
◦白河市等県南地域における企業展示交流会、出前相談、産業人材育成、起業支援など
◦いわき市におけるいわき産学官ネットワーク協会との技術開発事業支援、起業支援など
◦南相馬市におけるゆめサポート南相馬との産業人材育成支援など
◦田村市、本宮市、国見町、会津美里町、棚倉町、玉川村などに対する地方創生総合戦略策定支援など
3.福島市産業交流プラザとの連携により、コラッセ2階「福島大学展示ブース」において CERA紹介
や研究成果等の展示を行ったほか、産業界等を対象に、技術課題等の解決を目指す出前相談や技術開
発事業支援を行うなど産学官連携を推進した。
4.福島県における産業人材育成を図るため、県や産業支援機関等と連携しながら、地域の産業構造や
企業ニーズに即したプログラム開発を支援するなど、県内各地域において「技塾」等の開催を継続的
に支援し、産業人材の育成に貢献した。
1.C E R A 事 業 活 動
5
5.棚倉町と相互協力協定を締結するとともに、連携をより強固なものとするため、同地域が推進して
いる「生涯健康に向けた1町民1スポーツ運動」をテーマに、総合型地域スポーツクラブの設立に向
けた「第20回地域フォーラム」を開催するなど、地域連携の強化を図った。
◦平成27年11月4日㈬
相互協力協定締結 (棚倉町)
◦平成28年2月14日㈰
地域フォーラム開催 (棚倉町)
6.福島市との連携により「ふくしまものづくり企業交流会」を開催し、研究成果の展示などを行い、
産学官連携、交流を促進した。また、県内関係機関等と連携協力しながら、研究成果の発表、展示や
地域との連携事業を展開し、地域連携の強化を図った。
◦平成27年6月
しらかわ地域企業展示交流会 (白河市)
◦平成27年7月
産学官交流のつどい (福島市)
◦平成27年8月
サイエンス屋台村 (福島市)
◦平成27年8月
イノベーション・ジャパン2015 (東京)
◦平成27年10月
REIF ふくしま2015 (郡山市)
◦平成27年11月
メディカルクリエーションふくしま2015 (郡山市)
◦平成28年1月
ふくしまものづくり企業交流会 (福島市)
7.本学と福島県商工会館との間で締結した「寄附金受け入れに関する協定」に基づき、寄附金による
地域活性化活動助成事業を実施した。学内公募により、教員や学生等が取り組む福島県内の商工業振
興などのための調査研究や地域貢献活動等4件の事業活動に助成を行い、平成27年12月21日㈪には、
福島市で公開報告会を開催し、成果を地域に還元した。
(助成事業)
◦過疎と風評に立ち向かう地域づくり型食農連携ビジョンの構築と実践
◦温泉地を起点とした「まちあるき観光ツール」のフィジビリティスタディ
◦被災地の買い物弱者に対する支援策
◦アートを活かした温泉まちづくり活動
8.平成27年度福島大学研究・地域連携成果報告会を開催し、本学の研究活動や地域連携活動の成果
を産業界、自治体、市民等に発信するとともに、意見交換や交流を促進した。
◦平成27年12月12日㈯
(郡山市)
9.うつくしまふくしま未来支援センターとの情報交換を図りながら相互に連携協力し、各種事業を推
進した。
◦復興庁「被災地域企業新事業ハンズオン支援事業」における福島アドバイザリーボードとして企業
支援(5企業)
◦復興庁「地域復興マッチング
結の場」における企業支援
◦福島県「相双地域営農再開支援事業」におけるプロジェクト選定等支援
6
福島大学地域創造支援センター年報
2015
2016年2月
平成27年度福島県商工会館寄附金による地域活性化活動助成事業報告
◎概
要
「国立大学法人福島大学と一般社団法人福島県商工会館との寄附受け入れに関する協定書」(平成25年
4月1日締結)に基づき、昨年に引き続き300万円の寄附を受け入れ、3年目となる本事業を実施した。
4月1日㈬~5月1日㈮の期間に学内公募を実施した。延べ10件の申請があり、5月8日㈮~5月14日
㈭の期間に審査の上、5月20日㈬の CERA運営会議において助成対象活動を下表の4件に確定した。ま
た、12月21日㈪に公開報告会を実施した。
◎ 平成27年度採択事業一覧
◇ 研究加速枠
活
動
名
申
請
者
助成額(千円)
過疎と風評に立ち向かう地域づくり型食農連携ビジョン
の構築と実践
―
◇公
則
南会津町舘岩地域を食と農でつなぐ
募
孝
志
660
―
枠
活
動
名
温泉地を起点とした「まちあるき観光ツール」のフィー
ジビリティスタディ
被災地の買い物弱者に対する支援策
―
藤
田村市における移動販売の事例
アートを活かした温泉まちづくり活動
申
請
吉
田
藤
本
小
島
者
典
助成額(千円)
樹
688 . 6
嗣
630
彰
625 . 6
1.C E R A 事 業 活 動
7
CERA地域活性化活動助成事業報告書
1.申 請 者 の 所
属・氏名
経済経営学類
則藤 孝志
2.活動メンバー
(教員、学生の
人数)
3.活
動
名
4.活 動 場 所
特任准教授
1.申 請 者 の 所
属・氏名
経済経営学類
吉田
樹
則藤孝志(経済経営学類 ふくしま
未来食・農教育プログラム)
守友裕一(同プログラム 特任教授)
経済学研究科大学院生15名
2.活動メンバー
(教員、
学生の
人数)
経済経営学類吉田ゼミ所属学生32人
過疎と風評に立ち向かう地域づくり
型食農連携ビジョンの構築と実践
― 南会津町舘岩地域を
食と農でつなぐ ―
3.
活
福島県南会津郡南会津町舘岩地域
6月~7月 理論的検討および予備
調査による調査研究計画の策定
8月 合同現地調査の実施:院生を
伴って、2泊3日で舘岩地域に滞
在し、食と農の関係主体をまわっ
5.実施スケジュ
ール
て聞き取り調査を実施した。
9月~3月 地域づくり型食農連携
ビジョンおよびビジネスモデルの
検討(一部、舘岩地域との協働)
と報告書のとりまとめ
6.活動の概要
7.活動の成果
食と農の地域づくりの現場の指針
となるような食農連携ビジョンを示
すことはできないか。地元の農産物
と食文化を生かした6次産業化や地
域ブランドづくりが県内でも盛んに
取り組まれているが、単発的な製品
開発とその販売活動にとどまり、発
展に乏しいケースも少なくない。食
と農の地域づくりを継続・発展的な
ものにしていくためにはどうすれば
いいのか、何をめざせばいいのか、
そのよりどころとなる「地域づくり型
食農連携ビジョン」の構築をめざす。
地域づくり型食農連携ビジョンと
して、食と農で①人と人をつなぐ(地
域づくり)、②産業と産業をつなぐ
(地
域内産業連関)、③地域と地域をつな
ぐ(都市・農村交流/集落間連携)
からなる3つの「つなぐ」を地域の
中に数多くつくり出し、豊かに育ん
でいく方向性を見出すことができた。
一方、現地調査を通じて実感したこ
とは、ビジョンだけでは不足であり、
それに着実に向かっていける実行力
のある連携枠組みと具体的なビジネ
スモデルが必要だということである。
ビジョンの構築と共有、そして地域
ぐるみの実践を進める中で、もう一
つの「つなぐ」、すなわち地域を現在
から未来へとつなぐことができると
考えられる。
准教授
名
温泉地を起点とした「まちあるき観
光ツール」のフィージビリティスタ
ディ
4.
活動場所
経済経営学類棟(交通まちづくりプ
ロジェクト室)
、福島市飯坂町、福島
交通株式会社、会津乗合自動車株式
会社
動
◦27年6~8月:
『飯坂今昔散歩』の
編集作業
◦27年9月:
『飯坂今昔散歩』の完成、
福島交通株式会社とのタイアップ
に関する協議を開始
5.実施スケジュ
◦27年11月21日:モニター調査(飯
ール
坂温泉)
◦27年12月21日:公開報告会での発表
◦28年1月13日:
『(仮称)おちょこ
パス』の商品化に向けた会津乗合
自動車との協議
6.
活動の概要
福島県の有力な観光地点である温
泉地に着目し、温泉地自体の魅力向
上に加え、滞在時間や消費金額を増
やす契機となる「まちあるき」を促進
するためのツールを制作し、社会的実
装に向けた調査活動を行った。まず、
飯坂温泉の「まちあるき観光ツール」
として、
『飯坂今昔散歩』を制作した。
そのうえで、GPSロガーを貸与したモ
ニターツアーを実施し、滞在時間や回
遊行動を計測するとともに、ツールの
効果を計測した。また、会津若松市
街地・東山温泉を対象とした「まちあ
るき観光ツール」として、市内循環バ
スで酒蔵めぐりを行う『
(仮称)おちょ
こパス』を企画し、その商品化に向け
た調査を会津乗合自動車株式会社の
協力を得て実施した。
7.
活動の成果
飯坂温泉における調査では、モニ
ターの通過人数や滞在時間を密度換
算してマッピングした「観光ポテン
シャルマップ」を作成した。その結
果、著名な観光地点に限らず、
『飯坂
今昔散歩』に掲載された街路や建造
物を経由することで滞在時間が増加
する可能性が確認された。また、東
山温泉・会津若松市における調査で
は、会津乗合自動車株式会社の協力
を得て、商品化に向けた課題整理を
行った。
8
福島大学地域創造支援センター年報
2015
1.申 請 者 の 所
属・氏名
共生システム理工学類
藤本 典嗣
2.活動メンバー
(教員、学生の
人数)
川﨑興太(理工学類・准教授)、髙木
亨(FURE・特任准教授)
理工学類学生 4年生5名、3年生
5名、2年生1名
3.活
被災地の買い物弱者に対する支援策
― 田村市における移動販売の事例
動
名
4.活 動 場 所
准教授
田村市やその隣接地域
H27年6-10月 文献や統計資料よる
フードデザート問題の調査、各種委
員会(地域創生関連、
公共交通関連、
地元商工業者との懇談)の参加・
聴講
5.実施スケジュ H27年11月 学生による現地調査と第
ール
1回ワークショップ
H27年12月 公開報告会での発表
H28年1月 学生による現地調査と第
2回ワークショップ
H28年2月 買い物弱者に対するアン
ケート調査
6.活動の概要
7.活動の成果
従来の農山漁村地帯・中山間地域
としての人口減少・高齢化に加え、
平成23年3月以降は東日本大震災・
原発事故により、避難者が発生する
仮設住宅・借上住宅などで、買い物
弱者が発生している。フードデザー
ト問題とも呼ばれる買い物弱者の、
被災地の実態分析や課題解決のため
の実践に向けて、学生が主体となる
文献サーベイ、現地実態調査、ワー
クショップ、アンケート調査をおこ
なった。
商店が成立しにくい地域における、
移動販売車の導入による買い物弱者
対策によって、既存の中心と周辺が
共存した商業立地構造を温存させた
ままで、相互が利益を得る商業まち
づくりができることを、各種統計や
現地調査をもとに提言した。背景に
あるのは、基本的人権としての「買
い物権」であり、その概念を先進的
に提唱・実践する地域として田村市
を位置づけた。課題点としては、移
動販売は、地産地消や運営主体の地
域定着により、商業の金・人・もの・
情報の地域的循環には貢献するが、
車両など設備そのものの導入は、多
アイテム販売のためには行政などの
補助・助成が必要であり、その点で
事業主体の自立・自律をいかに形成
していくか、より詳細な調査が必要
とされる。
2016年2月
1.申 請 者 の 所
属・氏名
人間発達文化学類
小島
教員
2.活動メンバー
(教員、
学生の
人数)
彰
―
2名、小島彰・渡邊晃一
学生・院生
―
湧口晴香、柿沼緋佳里、
曽我郁美、
本宮佑二郎、
橋本香奈子、
関龍之介、菅野真耶加、渡辺千尋、
阿部優人、吉原
雄二、三浦有矢、
他美術科学生7名
3.
活
動
名
4.
活動場所
アートを活かした温泉街づくり事業
~磐梯熱海温泉支援~
郡山市熱海町
6~7月 街づくり推進協議会の設置
8月
萩姫まつり
首都圏留学生の
サポート活動
5.実施スケジュ
9月 おもてなし温楽彩(よさこい祭)
ール
10~11月 観光案内板の設置・俳句
の道アート企画・制作
12月
つるりんこまつり
磐梯熱海温泉街づくり推進協議会
の設置し、観光協会・温泉組合・町
内会・商工会と連携し、様々なイベ
ント・祭りへの学生ボランティアに
6.
活動の概要
よる支援活動。萩姫まつり、おもて
なし温楽彩、
つるりんこまつり。
及び、
熱海町内の観光案内板の企画・デザ
イン、
荒町通りの「俳句の道」のアー
トの企画・デザイン。
☆温泉街づくり推進協議会の設置
☆萩姫まつりでは首都圏留学生とと
もに熱海町へ若者の息吹を吹き込
む。その他、イベント・祭りの支
援活動。
☆熱海町内に設置する観光案内板の
7.
活動の成果
企画デザイン。
☆荒町通りへマニ車風のアート展示
(俳句ストリート)
★事業協力者。菅野豊郡山市観光協
会会長、武田磐梯熱海温泉観光協
会事務局長、栄楽館菅野豊晴、片
桐栄子華の湯社長室長。
1.C E R A 事 業 活 動
9
登録研究会の活動
登録研究会一覧
研究会の名称
代 表 者 名
概
要
紹
介
構成員数
「21世紀の地域づくりを目指し、産官学が相互
経営戦略研究会
西
川
和
明
(経済経営学類)
に創造的な事業の研究および活動を行う」こ
民間企業、自治体、
とを目的として活動を行っている。
市民など約90名
例会開催と部会における研究活動を行う。
国語教育、日本の言語文化及び日本語教育の
各分野に関する研究・支援活動を主たる目的と
福 島 大 学 国語
半
沢
康
教 育 文 化 学 会 (人間発達文化学類)
し、会員の研究発表、学術講演会の開催、学
会機関誌「言文」の発行等を定期的に行ってい
る。また、国語教育の諸問題をテーマにした実
践交流会も開催し、会員相互の情報交換を行う
人間発達文化学類教
員、学生、院生、卒業
生及び本会の趣旨に
賛同するもので構成。
と共に、その成果を教育現場に還元している。
国際経済研究会
箱 庭 研 究 会
後
藤
康
夫
(経済経営学類)
青
木
真
理
グローバリゼーション、地域経済統合、ドル
問題等国際経済に関する研究。『21世紀世界経
経済経営学類教員
9名
済の展望』(八朔社、2004年)を出版。
箱庭療法などの表現方法についての専門書の
(総合教育研究センター) 輪読、事例研究を行う。
小・中・高教員10名
院生
5名
カウンセラー 5名
福島大学が有するスポーツのシーズ(資源)を
有効に活用し、もって福島県のスポーツ振興や
福島大学スポー
白
石
豊
地域振興に貢献することを目的とする。
人間発達文化学類教員
ツ ユ ニ オ ン (人間発達文化学類) スポーツセミナーの開催、地域のスポーツ振興
9名
に関する提言と共同研究の推進、学生アシスタ
ント・コーチャーズの組織化などを進めていく。
マルチメディア
神
長
裕
明
コンテンツ研究会 (共生システム理工学類)
マルチメディアコンテンツの企画立案及びそ
の政策技術の研究を通して、インターネット
を有効に利用するためのアイデアを検討する。
本学教員
民間企業等
2名
約8名
新しい材料の開発とその機能面・安全面での評
価法に関する勉強会・研究会を開催し、研究交 共生システム理工学
材料評価研究会
小
沢
喜
(副学長)
仁
流・地域活性化を図る。特に、新機能性材料の 類教員
開発に関連した研究交流活動を展開する。
県内企業
勉強会・研究会セミナー、講演会などを年数
公設研究機関
13名
回開催する。
約20社
5名
10
福島大学地域創造支援センター年報
研究会の名称
代 表 者 名
2015
2016年2月
概
要
紹
介
構成員数
原材料調達から生産・物流・販売を経て消費
生 産・物 流 支 援
董
彦
者に渡る全体のプロセスを顧客満足度を高め
文
情報システム研究会 (共生システム理工学類)
本学教員
2名
民間企業
15社等
クの実践的理論的学習を行う。学内外の教員・ 本学教員
2名
るという視点から、マネジメントのあり方を
研究し、中小企業への適用の可能性を考えて
ゆく。研究会年8~10回。
特別なニーズをもつ子どもや不登校・非行など
福 島 ス ク ール
ソ ー シ ャ ル
ワ ー ク 研 究会
鈴
木
庸
の問題克服に向けたスクールソーシャルワー
裕
(人間発達文化学類)
民生委員・社会福祉士等による事例検討や学
習会月1回。県社会福祉協議会等と連携。
市民組織と連携しつつ、日独交流事業の企画
日独 交 流 研 究 会
大
黒
太
及びその支援活動を行う。「福島日独協会」と
郎
の協力のもと、ドイツに関心を持つ学内外の
(行政政策学類)
人たちが広く参加できる日独交流事業の発展
行政政策学類
4名
経済経営学類
2名
可能性を研究している。
MCF(Magenetic Compound Fluid(磁気混
合流体)の略称)を活用した応用技術を広く
MCFコンソーシアム
島
田
邦
普及させることによって、経済及び社会活動
雄
(共生システム理工学類)
の発展を促進すると同時に、産官学の連携交
流を通して、研磨、加工、制振、免振、複合
材料などの分野について研究、開発、提案す
る事を目的とする。
共生システム理工学
類教員
3名
他大学
2名
他高専
1名
他公設機関
1名
民間企業
6社
「デンマークの生活と教育を見る旅」に参加し
てデンマークの教育事情等に触れた代表者ら
が、さらにデンマークについて学び、相互交 人間発達文化学類教員
デンマークの生活
谷
雅
泰
5名
流していこうとするもの。
と 教 育 を 学 ぶ 会 (人間発達文化学類) デンマークの生活・教育・福祉などについて 総 合 教 育 研 究 セ ン
の文献収集と共有、デンマーク視察旅行の報
ター教員
1名
告まとめとその公開、デンマークの生活と福祉
についての識者を招いての講演会を行う。
シニアアスリート育成:世界レベルを目指し
たシニア競技者の育成
福
島
大
学
川
本
和
久
ト ラ ッ ク ク ラ ブ (人間発達文化学類)
人間発達文化学類
ジュニアアスリート育成:クラブに所属する
2名
小・中学生に対して、質の高い指導のもとに、 学外
11名
定期的な練習の場を提供する。
その他:ジュニア・
トラッククラブで培ったノウハウをクリニッ
キッズ会員
クやセミナーを通して地域社会に還元する。
1.C E R A 事 業 活 動
研究会の名称
代 表 者 名
概
要
11
紹
介
構成員数
福島県を中心に地域経済の課題や個別産業の
活性化のための方策を研究する。東邦銀行を
含めた地方の金融機関の役割や課題と地元中
小企業のニーズを仲介し、地域全体で戦略的 経済経営学類学生
地域戦略研究会
伊
藤
宏
(経済経営学類)
な解決策を模索することを目的にしている。ま
7名
た、金融機関への就職に興味を持っている福 東邦銀行行員
20名
島大学の学生には、金融機関の役割や地域経 その他企業のビジネ
済との関わりを勉強する機会を提供したい。 スマン
5名
研究会は毎月開催し、その成果を地域に広く 経済経営学類教員
紹介するため、秋にはフォーラムを開催する予
5名
定である。
※平成23年4月名称変更
(旧名称:会計戦略研究会)
声楽を希望する学生の学内での発表の場と幅
広い音楽活動を行うだけではなく、学外との 18名
連携を取り、より高度な芸術活動を周辺地域 教員
1名
で行っていくことを目的にする。学外との連携 学類
14名
声 楽 研 究 会 (人間発達文化学類) に関しては、福島大学の教員、在学生や卒業 院生
2名
福
島
大
学
今
尾
滋
生が多く在籍する福島オペラ協会と連携を取 特別顧問(名誉教授)
り、福島の地に総合芸術であるオペラを根付
1名
かせる活動も行っていく。
本研究会は、福島で開催されてきた現代美術
の展覧会を基に、平成16年に福島大学の学生、
院生諸氏が実行委員の中心となり、始動した。
福島では未だ、インスタレーションやビデオ
福 島 現 代 美術
ビ エ ン ナ ーレ
実 行 委 員 会
渡
邊
晃
一
(人間発達文化学類)
アート等の幅広い現代の表現活動に触れる機 20名
会や、若い美術家を支援する活動がほとんど 主に人間発達文化学
なかった。そのなかで二年に一度開催する福 類
院生、学生
島現代美術ビエンナーレを通して、住民との
協働によって「福島の展望を拓く活動」を築き、
地域文化を活性化させることを目的に活動し
ている。
行政政策学類教員
4名
本研究会では、地域の文化資産・文化装置と
美 術 館 と まち
づ く り 研 究会
田
村
奈保子
(行政政策学類)
しての美術館と、地域コミュニティおよび大学
との連携による創造的まちづくりについて、先
進例や方策を調査研究し実践を試みる。
卒業生
1名
他大学講師
1名
福島県美術館学芸員
6名
商工会議所青年部
1名
地域政策科学研究科
院生
1名
計14名
12
福島大学地域創造支援センター年報
研究会の名称
2015
代 表 者 名
2016年2月
概
要
紹
介
漁業資源・森林資源・水資源などの共有資源
共
有
資
源
管 理 研 究 会
阿
部
高
樹
(経済経営学類)
の持続可能な利用方法について経済学、歴史
学、地理学、生態学など様々な観点から研究
構成員数
経済経営学類3名
人間発達文化学類
2名
を行う。
共生システム理工学類
社会貢献活動の一環として、放射線と被ばくの
4名
問題について研究し、副読本などの媒体を通じ 行政政策学類
5名
副 読 本 研 究 会 (共生システム理工学類) て情報発信することを目的として、福島大学の 経済経営学類
7名
福島大学放射線
後
藤
忍
教員有志により結成されている組織である。
人間発達文化学類
1名
1.C E R A 事 業 活 動
活
動
報
13
告
経営戦略研究会
西
川
半
沢
和
明
〈活 動 報 告〉
1.総会および記念講演会の開催
6月4日
於:福島学院大学駅前キャンパス
16時~17時
演
題:東日本大震災とラジオ放送
講
師:元ラジオ福島アナウンサー
2.研究成果の発表
11月11日
講
11月24日
講
食品の加工と販売にあたっての法令
和則 会員
13時10分~14時10分
師:高宮
新 氏
於:福島県農業総合センター
15時~17時
師:金沢
大和田
最近の農業技術について
文作 会員
国語教育文化学会
康
〈活 動 報 告〉
1.前期学会
2015年5月9日㈯
人文学類大会議室
▪卒業論文紹介
各ゼミ4年生の代表者による卒論紹介
▪教員研究発表
渡邊
州「科目『国語表現』の可能性」
2.運営委員会
2015年6月5日㈮
3.常任委員会
第1回:4月21日㈫、第2回:11月12日㈭
4.後期学会
2015年12月5日㈯
街中ブランチ舟場
人文学類404室
福島大学M 2教室
▪学生研究班研究成果報告
1)近現代文学研究班
2)古典文学研究班
3)漢字・漢文学研究班
4)国語科教育学研究班
5)日本語教育学研究班
6)日本語学研究班
▪院生研究発表
松井
香奈(M 1)「黒田喜夫の詩における〈道〉― 初期詩篇から『不安と遊撃』詩篇まで」
▪教員研究発表
半沢
康「東北方言の実時間変化」
▪学術講演会
元盛岡大学学長、岩手大学名誉教授
望月
善次 先生
「宮澤賢治における<地方>~東日本大震災(2011.3.11)にも触れながら~」
5.学術雑誌『言文』63号発行
2016年3月予定
6.卒業・修了会員卒論修論発表会
7.学生研究班は随時開催
2016年2月16日㈫
14
福島大学地域創造支援センター年報
2015
材料評価研究会
2016年2月
小
沢
喜
仁
〈活 動 報 告〉
材料評価研究会は、機械構造物を構成する機械材料をテーマとして、その材料科学的な物理特性や
化学的性質の評価、および力学的特性などの機械的性質の評価、さらに材料の設計・製造に関わる技
術的な課題を研究・技術開発を目的とする研究会である。学内の教職員ばかりでなく、企業の技術者
や公設試験研究所の研究員を構成員として組織されており、これを専門分野とする地域の研究者、技
術者や市民の多くの参加をお願いしたい。
本年度において、東日本大震災および原子力発電所事故以前より企画・開催してきている南東北原
子力シンポジウムも第6回を迎えた。本学共生システム理工学研究科と東北大学の主催により、廃止
基盤研究産学官連携セミナーも併催して、11月18日コラッセふくしま企画展示室にて開催し、約70名
の参加者があった。両大学が取り組む原子力発電所の廃炉に関わる廃止基盤研究の成果を公表して市
民の科学理解を進めようとするものであり、事故後の原子炉の状況に関する専門家による説明や放射
性物質による環境や農産物への影響、本学における放射線教育の取り組みや微量放射性物質の分析に
関わる研究開発の成果が説明され、質疑応答があった。
東北の7国立大学が「東北放射光施設構想」として提唱している「東北地方への中型高輝度放射光
施設の設置」にむけて協力して取り組んでいる。我が国の科学技術・産業技術の革新的振興が図られ
るだけでなく、東北発のイノベーション拠点として、産業集積、新産業の創出及び雇用創出等の取組
を促進し、震災で疲弊した東北地方の地域経済の再生と持続的発展に大きく貢献するものと期待され
ており、研究会メンバーを中心に協力体制を組織している。
このほか、構成員それぞれの研究や技術開発に加えて、太陽電池パネルの高度利用技術の研究開発、
教職員による技術相談、県北技塾をはじめとする技術高度化研修事業への協力なども行っている。
デンマークの生活と教育を学ぶ会
谷
雅
泰
〈活 動 報 告〉
今年度もメンバーの科研費による出張として9月に現地調査を行った。主な調査項目として、次の
2点がある。第1に、国民学校改革について。2014年8月の新学期から行われた国民学校改革は授業
時間数を大幅に増やしたものだが、その影響がどのようにあらわれているのか、昨年度は移民の多い
地域の国民学校で聞き取り調査を行ったのだが、社会的背景が異なる地域での調査が必要と判断し、
今回は所得が高い層の住む地域の国民学校で調査を行った。2015年8月からの職業教育改革とタイ
アップした改革であるという側面を持つのは確かであるが、今回の学校は進学する生徒ばかりの学校
であるが改革に積極的に取り組んでいることがわかった。また、学童保育の施設、放課後活動する区
立の音楽学校も訪問し、学校滞在時間が長くなることによる影響を知ることができた。第2に、若者
支援の教育機関について。従来からAspIT(アスペルガー症候群の青年に特化したIT教育を行う学校)
に注目してきたが、今回はそれとは異なるタイプの Grennesminde という機関(特別なニーズのある
人への職業教育機関)を訪問調査した。発達障害の青年に IT教育を行い、マイクロソフトをはじめ
とする企業に送り込んでいるとのことであった。また Specialisterne という自閉症者への職業教育機
関や、例年通り西地区若者支援センターを訪問調査した。それ以外に、森の幼稚園も訪れた。
国民学校改革については、日本教育学会で8月に報告し、人間発達文化学類論集の最新号に投稿した。
1.C E R A 事 業 活 動
15
地域戦略研究会
伊
藤
宏
〈活 動 報 告〉
「地域戦略研究会」は福島大学と東邦銀行が産学連携の一環として行っている研究会で今年で8年
目になります。今年は「~ダイバーシティ・マネジメントが組織を変える、地域を変える~」をテー
マに、5回の研究会と公開報告会である「地域戦略フォーラム」を行いました。
第1回
5月14日
基調報告「ダイバーシティ・マネジメントとは何か」/経済経営学類教授伊藤
宏、および「ワールドカフェ方式」によるディスカッション(場所:東邦銀行本店)
第2回
7月8日
研究報告「日本企業のダイバーシティとダイバーシティ教育」/経済経営学類
3年佐藤潤一・高橋俊樹・田勢圭佑・増戸麻有・松倉祐希(場所:東邦銀行本店)
第3回
8月11日
研究報告「東邦銀行女性活躍推進プロジェクトの取り組み状況について」/東
邦銀行女性活躍推進プロジェクト高根典子(場所:東邦銀行本店)
第4回
10月21日
研究報告①「外国人とダイバーシティ」/経済経営学類3年佐藤諒広・曹淦坤・
高橋優里・陳孫浩・若松果歩、研究報告②「福島からダイバーシティ」/経済経営学類3年梅津
拓史・菊地直登・根岸周平・八木直樹(場所:東邦銀行)
第5回
11月17日
研究報告「多様性のある人材育成に向けた取り組みについて」/東邦銀行人事
部職員活躍推進室室長戸田満紀子(場所:東邦銀行本店)
「地域戦略フォーラム」 12月19日(場所:コラッセふくしま)
◦基調報告「ダイバーシティと経営」 東邦銀行常務取締役
阿字
聡
◦第2回目~第5回目までの研究会の報告
◦総括講演「ダイバーシティは何をもたらすのか」 経済経営学類教授
伊藤
宏
16
福島大学地域創造支援センター年報
2015
声楽研究会
2016年2月
今
尾
滋
〈活 動 報 告〉
声楽研究会は、声楽を希望する学生の学内での発表を行うだけではなく、学外との連携を取り、よ
り高度な芸術活動を周辺地域で行っていくことを目的として発足したものである。主眼とするところ
は「学生の技能向上」と「地域文化創造への貢献」であり、手段としては、学内での勉強会と、福島
オペラ協会公演への協力をその主たるものとする。特に後者は公演活動に学生のスキルを提供すると
同時に、スタッフとして参加することで、舞台芸術の運営について実習し、自らの日々の学習にフィー
ドバックすると同時に将来の地域貢献への基礎作りをする絶好の機会となっている。
2015年度は、残念ながら福島オペラ協会のオペラ公演がなかった。従って公演への協力は、ピアノ
伴奏やオブリガート・パートの演奏といったスキルの提供のみにとどまり、運営面の実習の機会に恵ま
れなかったのは残念である。福島オペラ協会のオペラ上演は隔年ということであるので来年度は期待
できそうである。ノウハウを持った既存の公演に参加するよりははるかに効率は悪くなるが、恒常的な
実習の場の確保を目的とした、当研究会として独自の公演をすることができないか現在模索中である。
反対に、学内での発表はここ数年と比べても遜色なく、数においては上回ることができたのは幸い
である。年間3回の勉強会(内1回は予定)に加え、音楽科有志によって11月29日に行われたオータ
ム・コンサート(於テルサ)では、研究会のメンバーによってオペラの重唱を演技付きで発表するこ
とができた。初めてオペラの登場人物となって演技をしたということで、まだまだ課題は山積してい
るが、幸いにも新しい試みとして聴衆への評判は上々であったようである。スタッティックに歌唱技
術を追求するのみでなく、「演ずる」というアクティブな行為を取り入れることで、歌唱にも良い影
響が出ることが改めて確認されたことはうれしい限りである。今後も引き続きこのような研修を行い、
どのような形でより積極的に地域貢献ができるか探求していきたい。
1.C E R A 事 業 活 動
福島現代美術ビエンナーレ実行委員会
17
渡
邊
晃
一
〈活 動 報 告〉
映画美術監督の齋藤岩男氏による特別講演会
「福島ビエンナーレ2016」を開催するにあたり、齋藤岩男氏に、震災後に行われた活動を通して、
美術と映像メディアとの関連、映画にかける今後の可能性について御講演いただいた。
講演後、二本松、磐梯熱海に訪れ、次年度に開催される芸術プロジェクトのご助言を頂いた。
実 施 時 期:平成27年7月9日㈬
実 施 場 所:福島大学
参 加 対 象 者:学生、院生、一般
講演タイトル:『映画と美術』
齋藤岩男氏の主な美術監督作品
◦無能の人(1991)、四万十川(1991)、らせん(1998)、リング(1998)、
◦蕨野行(2003)、ジョゼと虎と魚たち(2003)、THE JUON /呪怨(2004)、
◦カミュなんて知らない(2005)、山形スクリーム(2009)、図書館戦争(2013、2015)、
◦万能鑑定士Q(2014)
美術館とまちづくり研究会
田
村
奈保子
〈活 動 報 告〉
美術館とまちづくり研究会は、⑴アートのある生活の提案、⑵美術館と連携したクリエイティブな
まちづくりを目標に掲げ2009年春に発足し、福島大学教員と学生・院生・卒業生、他大学講師、中学
校教諭、県立美術館学芸員など産官民学のメンバーで活動してきた。大学教育・研究および地域貢献
を連動させ、県立美術館、市立中学の美術教育との連携も保ちつつ、2015年度は以下の活動を行った。
❖親子でアートなワークショップvol . 15 「ゆめ☆かなうかな☆七夕」
恒例の市内中学校の美術部作品展示と子供のための工作ワークショップを行った。展示には5つ
の中学校から50枚余の七夕や夢にちなんだ絵が寄せられた。展示準備には教諭6名と生徒40名ほど
が参加した。作品観覧者は約150名、ワークショップ参加者は約50名で、盛況であった。(コラッセ
福島、平成27年7月6日-7日)
❖
「日本の原風景
会津柳津西山の魅力 ~木島克典色えんぴつ画展・西山中生徒企画品ワークショッ
プ・販売会~」開催
柳津町西山地区の地域紹介の展示とワークショップ等を行った。内容は、柳津町立西山中学校教
頭(美術科)の木島克典氏の同地区風景を描いた色えんぴつ画展示と、西山中学校生が考案し地域
に活動を広げている手作り品「ひし」のワークショップと販売である。木島教諭、西山中学校生徒
とその保護者の協力のもと行われた。2日間で250名強の来場者があり、大盛況であった。(コラッ
セ福島、平成28年2月6日-7日)
18
福島大学地域創造支援センター年報
2015
2016年2月
共有資源管理研究会
阿
部
高
樹
〈活 動 報 告〉
◦漁業資源管理に関連して以下の訪問調査を実施
調査日程
4月3日
訪
問
場
所
◦十三浜
目
的
十三浜の各浜(追波浜、吉浜、月浜、立神浜、
(宮城県石巻市)
長塩谷、白浜、小室、大室、小泊、相川、小指、
大指、小滝)の復旧状況を調査
5月25日
◦宮城県漁協十三浜支所
地区漁業の復旧状況についてのヒアリング
(宮城県石巻市)
5月26日
◦女川町小乗浜
◦漁業権に関する漁師さんからのヒアリング
(宮城県女川町)
◦震災以降の生産組合設立に関するヒアリング
◦宮城県漁協前網寄磯支所
(石巻市寄磯)
9月4日
◦新潟県水産海洋研究所
◦共同研究打合せ
◦新潟漁協南浜支所
◦沿岸漁業の資源管理についてのヒアリング
(新潟県新潟市)
9月10日
◦漁業者グループ「浜十三」
◦協業化以降の取組についてのヒアリング
(宮城県石巻市十三浜)
9月11日
◦女川町指ヶ浜
◦漁業権に関する漁師さんからのヒアリング
◦宮城県漁協女川町支所
◦地区漁業の復旧状況と現在の課題につい
(宮城県女川町)
てヒアリング
◦震災復興に関するシンポジウムに参画
◦阿部高樹「ラウンドテーブルC(半島部:石巻市北上町)」『震災復興シンポジウムみやぎボイス
2015
―
復興で橋渡しするもの
―
』(於:せんだいメディアテーク)、みやぎボイス連絡協議会、
2015年4月11日 .
◦関連研究発表
◦Sarker, A., Ikeda, T., Abe, T. andK. Inoue, Design principles for managing coastal fisheries
commons in present-day Japan, Ecological Economics, Volume117, 32-38, 2015.
1.C E R A 事 業 活 動
19
福島大学放射線副読本研究会
後
藤
忍
〈活 動 報 告〉
【研究発表】
◦國井大祐・後藤忍「教員志望の大学生の放射線教育に関する意識調査~福島大学の学生を対象と
して~」、日本環境教育学会第26回大会研究発表要旨集、p.169、2015年8月
◦野澤樹・後藤忍「福島県内の市町村における放射線教育の特性把握」、日本環境教育学会第26回
大会研究発表要旨集、p.178、2015年8月
【講
演】
(講演者、タイトル、主催団体等、開催地、日付)
◦後藤忍、“Fairness in Public Education and Public Relations on Japan’
s Nuclear Power”
, Third
UN World Conference on Disaster Risk Reduction, Japan CSO Coalition for 2015 WCDRR Field
Exchange 、宮城県女川町、2015年3月15日
◦後藤忍、「放射線と被ばくの問題を考えるための副読本~“減思力”を防ぎ、判断力・批判力を
育むために~」、放射能から子どもを守る
ふるかわ連絡会、宮城県大崎市、2015年9月12日
◦後藤忍、「これからの放射線教育を考えよう」、フクシマ・アクション・プロジェクト、福島県福
島市、2015年11月23日
【シンポジウムでの講演】(講演者、タイトル、シンポジウム名称、開催地、日付)
◦後藤忍、「福島で求められる放射線教育」、「国民的素養としての放射線教育:高校・中学・市民
へのアプローチの展開と課題」、神戸大学(兵庫県神戸市)、2015年1月31日
◦後藤忍、
「原子力に関するリスク・コミュニケーションの教訓と学び」、
「リスク・コミュニケーショ
ン:コミュニケーションの危機を語ろう」、日仏会館(東京都渋谷区)、2015年6月14日
【書
籍】
◦後藤忍、「原発教育において情報の公平性は確保されているか
―
人々の判断力・批判力を育む
教育実践と ESD としての課題」、阿部治編『原発事故を子どもたちにどう伝えるか
―
ESD を
通じた学び』、合同出版、pp.85―106、2015年3月
【新聞・雑誌等】(内容、新聞・雑誌名称、日付)
◦「加害責任、教訓
どう記録。公的施設、チェック必要」(※後藤忍のコラム)、大分合同新聞、
2015年10月16日
◦「副読本作成時の公平性など解説」、朝日新聞福島版、2015年11月24日
20
福島大学地域創造支援センター年報
2015
2016年2月
資料整備保存事業
⑴
松川資料室
1.附属図書館地階への移転
松川資料室は、4年間の準備期間を経て1988年10月に経済学部内に開設されて以来、これまで幾度か移
転を繰り返してきた。その最大の理由は所蔵資料の増加に対応するためであった。そして、経済経営棟の
耐震補強工事に伴って1年8カ月を過ごしたプレハブ仮資料室から、7月初めに大改装を終えた附属図書
館の地階(旧事務室)に移転した。
新しい資料室は安全管理(セキュリティ・チェック)が強化されて、出入りにカギが必要となり、現場
実務者や見学者・来訪者にとっては何かと“不便”になった面は否めない。さらに、移転にともなう室内
レイアウトの変更の結果、改めて資料の配置・棚揃えの変更も必要となっている。
2.東北大学松川資料の受入れ・統合
10月14日、かねて東北大学法学部法政資料調査室にほぼ四半世紀にわたって所蔵されてきた松川関係資
料(18箱相当)が、松川資料室に全面移管された。東北大学がある仙台は、松川裁判の第二審と差戻審が
行われ、被告たちの多くが長らく勾留されていた因縁の地であった。ともあれ、今回の移管は、松川関係
資料の統合の有効性をご理解いただいた東北大学関係者のご高配の賜物である。移管された資料の原提供
者は岡林辰雄弁護士(松川事件主任弁護人の一人)、諏訪親一郎氏(松川事件当時の東芝松川工場事務課
長補佐)
、広中俊雄氏(東北大学法学部教授)の3人である。
松川資料室では、すでにプレハブ仮資料室の時期に大塚一男弁護士(もう一人の主任弁護人)の全所蔵
資料を受け入れており、2人の主任弁護人の合わせて200箱にのぼる基本・関係資料の集積は、松川資料
室の存在価値をさらに高めるものとなっている。また、諏訪氏が事件発生前後の状況を記録した「諏訪メ
モ」
(2冊のノート)は、被告のアリバイを立証する最も重要な証拠として、逆転無罪にいたる松川裁判
に決定的な役割を果たした。このため、マスコミでも「諏訪メモ」の移管が大々的に報じられた。
3.松川資料をユネスコ世界記憶遺産に登録させる運動の開始
今や10万点を数える松川資料の価値を評価する声は、すでに様々な分野から寄せられている。全国の資
料室をくまなく調査してきた資料室問題の専門家からは、松川資料室は質量両面からみて全国屈指の資料
室であるという折り紙をつけていただいている。福島大学の中期目標・中期計画でも松川資料が取り上げ
られ、文部科学省からは、福島大学の社会貢献に関する特筆すべき活動として松川資料室を高く評価し、
その安定した運営の継続に関心を寄せていた。さらに、このところ相次いでいる明治産業革命遺産の世界
記憶遺産登録に重要な役割を担った産業考古学者からは、2013年の松川資料特別展示(松川事件無罪確定
50周年記念行事の一環)を見分して、「これを是非とも世界記憶遺産に」という重要な示唆を与えていた
だいた。そして、上で見たような主任弁護人の資料や「諏訪メモ」の収蔵などの動きと並行して、松川資
料の世界記憶遺産登録を推進する動きが始まった。
その結果、
「松川資料ユネスコ世界記憶遺産登録を推進する会」(略称・松川記憶遺産の会)が、2016年
1.C E R A 事 業 活 動
21
1月25日に正式発足し、様々な活動を本格化させる運びとなっている。そして、この動きはこれまたマス
コミでも大きく報道されている。とは言え、登録すべき資料の重要性・真正性などが問われとともに、各
国からの推薦枠は2年に1度2件までとなっている。つまり、この推薦枠に入ること自体が難関中の難関
と言わねばならない。
ともあれ、この世界記憶遺産登録への挑戦という大きなニュースは、その成否の如何にかかわらず、大
震災・原発災害でとかく沈みがちであった福島県民を勇気づけ、福島大学の存在価値を高め、民主主義と
人権のために闘う人びとに知恵と力を与えることになるはずである。こうして2016年は、記憶遺産登録運
動のための組織化、登録用資料の準備、各種の手続き準備などで、資料室もまた新たな大汗をかく覚悟が
求められるであろう。
4.資料室の日常活動
何はともあれ、松川資料室の資料は、大塚・岡林という2人の主任弁護人の資料の受け入れを中心にして、
この数年間で物量的にはほぼ倍加した。まずはその基本整備を進めなければならない。このうち、全体で
200箱ちかい大塚資料については、単行書の大まかな分類・配架は一応終わった。雑誌・週刊誌の類の分類・
整理・補充もほぼ終わり、従来の松川資料にはなかったものは、そちらにも重複してファイルした。大塚
資料には、
各種の文書資料が膨大な量にのぼり、目下はこれらを慎重に吟味し、まとめる作業を続けている。
その他、20箱ほどがいまだ手つかずの状態にある。新たな岡林資料については、単行書、雑誌・週刊誌の
類は仮の分類・配架を終えて、文書資料、メモ類など細々とした資料の整備に追われている。「諏訪メモ」
とその関連資料はほぼまとまった。
しかし、新しいレイアウト・棚揃えに対応した資料の整備は不十分なままであり、そのためデータベー
ス入力(とくに大塚・岡林資料)は進められずにいるのが実情である。
2015年の資料室見学者は100人ほどにとどまった。理由の一つは見学環境の悪さ(前半はプレハブ仮資
料室、後半は新資料室の未整備状態)のもとで、呼び込みに消極的になったことである。それでも、熱心
に通い続ける女性がいたのは特筆に値する。他方では、例年になく多くのマスコミ取材を受けた。
10月9~11日、附属図書館1階の資料展示コーナーで松川資料特別展示を開催した(150人)。従来の会
場よりもかなり狭いこともふくめて今後の工夫が問われるであろう。
11月1日、
県立図書館で松川事件学習講演会が開かれ、資料室からは『松川事件最高裁調査官報告書』
「諏
訪メモ」
「真犯人からの手紙」を展示して、大いに注目を集めた。
資料室研究員の独自活動としては、新聞論考2本、連載、講演、各種資料メモなど、相変わらずのレベ
ルであったということにしたいが、寄る年並みを感じた1年でもあった。
(研究員:伊部
正之)
22
⑵
福島大学地域創造支援センター年報
2015
2016年2月
常磐炭砿資料
福島大学は常磐炭砿資料を所蔵している。1973年に常磐炭砿が閉山したあと、その経営体(旧常磐炭礦
株式会社、現常磐興産株式会社)より段階的に受け入れてきた膨大な史資料である。会社と労働組合の双
方の史資料がある。広げると小さな部屋の床一面ほどもある地図、会議資料、帳簿類、坑夫名簿、そして
出入りの仕出し屋の弁当の領収書……。その量と多様性において、ひとつの大学が所蔵する個別企業の資
料としては全国有数の規模を誇る。
石炭産業はかつて近代日本の重要産業のひとつであり、日本の経済史、経営史、労働史、社会史のなか
で無視しえない位置を占めてきた。1950年代末頃以降は構造不況産業・衰退産業の代表ともなった。それ
ゆえ石炭産業は日本の産業構造の形成と転換、労働力の集中と移動の主戦場となり、日本の経済や社会の
ありかたにとってきわめて重要な影響をもった。そして福島県と茨城県にまたがる常磐地域は、北海道や
九州北部と並ぶ日本の代表的な採炭地であった。
常磐炭砿資料の学術的・歴史的価値はその意味で計り知れない。惜しむらくは、本学の力量と財政力で
は未だに十全な管理・活用の体制が整っていないことである。そもそも、整理と目録作成も未完である。
2003年10月、センター運営委員会は「常磐炭砿資料整理・保存プロジェクト」を立ち上げた。それは次
の内容からなっている。1未整理資料のファイリングと仮配架、2その電子目録作成、3ファイリングさ
れた全資料の分類・再配架、4資料保存環境の整備。2003年度は学長裁量経費、2004年度は学術振興基金
から資金援助を受けて資料整理作業(1〜3の作業)を再開した。そして2003年11月には資料提供者であ
る現常磐興産から2年間の奨学寄附金という形での資金援助が決定した。さらに2009年秋以降、新たに奨
学寄附金を拝領した。同社のご英断にあらためて敬意と感謝を表するとともに、このプロジェクトに対す
る大学の責任を改めて認識している。
いまのところ、常磐炭砿資料の整理作業は授業期間中の毎水曜日13時から4時間、経済経営学類教員の
熊沢が実働上の中心となって、情報資料部員も加わり、約10人のアルバイト学生諸君の協力を得て少しず
つ続けられている。上記プロジェクト「1」の作業は終わり、同時進行させていた「2」についても、ほ
ぼ完成した状態である。
ただし、2011年3月11日の震災によってピロティ内書架から落下したたくさんの史資料の再整理に着手
するのが遅れた結果、コンクリートをうっただけのピロティ床面からの湿気によって、資料の一部を汚損
してしまった。各大学構成員不測の事態と非常時の多忙ゆえとはいえ、私たちの不手際である。再整理と
汚損資料のリスト化は取り急ぎ進め、完了している。
2013年1月の段階で、ピロティ内移動書架に以前から配架されていたファイルの電子目録完成をさしあ
たりの目標としていた。
「2」の電子目録と移動書架配架分の電子目録化の進んだ部分を統合したうえで一元管理し、管理検索
可能とするデータベース構築がほぼ完成し、順次、新たに電子目録化された分をデータベースに登録する
作業が進められている。このデータベース設計と作成は、東京のケイノット社と同社の西山洋二氏のご尽
力によるところが大きい。記して謝意を表しておく。
2013年10月30日、社会労働関係資料センター連絡協議会一行を福島大学に迎え、熊沢が、福島大学の常
磐炭砿資料の概要とその整理状況についてプレゼンテーションをおこなった。この連絡協議会には熊沢も
個人として参加しており、大阪産業労働資料館(エル・ライブラリー)や法政大学大原社会問題研究所か
1.C E R A 事 業 活 動
23
らの参加者各位とともに意見交換をし、今後の情報交換や資料整理上の協力関係の在り方をさぐることと
した。
2013年秋から、経済経営学類棟の耐震工事が始まり、棟内全室が利用できなくなっていた。常磐炭砿資
料の保管場所である経済経営学類棟ピロティ、整理作業の作業場所である同演習室も、現在立ち入ること
ができなかった。代替の作業スペースを確保し、すでに入力したデータをデータベースに移入する作業だ
けでも進められないかと模索したが、データベースを動かしている PC のスペックの問題もあり、整理作
業はいったん中断することときめた。
2014年秋以降、経済経営学類棟が利用可能となったが、主に整理を担当者している熊沢2014年4月から、
教務委員そのほかの委員に就任して、水曜日の午後に時間が取れなくなっているため、現在、整理作業は
中断したままになっている。2016年度からの作業の再スタートを期している。
今後さらに長期にわたる作業が必要であろうが、倦まず継続していきたい。いつの日かこの史資料の整
理と保存が、福島大学の、目立たないけれども誇るべき存在意義のひとつになるだろう。このプロジェク
トを完遂するため、大学内外各位のご理解とご協力を切望する次第である。
(熊沢
透)
24
福島大学地域創造支援センター年報
2015
2016年2月
第19回福島大学地域創造支援センター
(CERA)
地域フォーラム
1.C E R A 事 業 活 動
25
基調講演者プロフィール
❖氏
名:岩崎由美子(イワサキ
職
出
経
ユミコ)
名:福島大学行政政策学類教授
身
地:埼玉県
歴:平成10年
福島大学着任
現在の主な研究課題は、過疎・中山間地域の活性化・集落再生、女性農業者の経営参画・
社会参画をめぐる課題など。
主 な 著 書:『成功する農村女性起業』(共編著、家の光協会、2001年)
『女性の参画と農業・農村の活性化』(全国農業会議所ブックレット、2005年)
『地域農業の再生と農地制度』(共著、農文協、2011年)
『小さな自治体の大きな挑戦』(共著、八朔社、2011年)
『農と食でつなぐ
福島から』(共著、岩波新書、2014年)など
コメンテータープロフィール
❖氏
職
名:太田
久雄(オオタ
ヒサオ)
名:国見町長
就任年月日:平成24年11月27日(1期目)
経
❖氏
歴:昭和48年
福島県職員
平成18年
郡山市副市長
平成21年
福島県知事直轄理事
平成22年
日本赤十字社福島県支部事務局長
平成24年
国見町長
名:二瓶由美子(ニヘイ
現在に至る
ユミコ)
職
名:桜の聖母短期大学キャリア教養学科教授
出
身:東京都杉並区
主な研究分野:ジェンダー法学、平和学、リスクコントロール教育
経
歴:桜の聖母短期大学生活科学科講師、
桜の聖母短期大学生活科学科准教授を経て、
現在は桜の聖母短期大学キャリア教養学科教授
福島県男女共同参画審議会会長、福島市景観審議会副会長などを歴任
26
❖氏
職
福島大学地域創造支援センター年報
名:鈴木
和隆(スズキ
2015
2016年2月
カズタカ)
名:NPO法人うつくしま NPOネットワーク事務局長
福島県ソーシャルビジネス推進協議会事務局長
出
身:福島県いわき市
経
歴:1950年いわき市生まれ。印刷、情報、デザイン、プランニングなどの会社経営を経て、
1995年にからむし織り事業(昭和村)の診断事業を行い、その後、福島県内各地域の地域
づくり活動に関わる。また、2001年から NPO活動を始める。2011年3月11日から、被災地・
ふくしまの「地域再生」をテーマにした活動を続ける。
主な専門分野:ソーシャル・ファイナンス(SF)、SE(ソーシャル・エンタープライズ(社会的企業)、
SB / CB含む)の起業・経営、マルチ・ステーク・ホルダー(MSH)プロセス、ターン
アラウンド・マネジメント(TAM)
主 な 活 動:地域円卓会議(地域での話し合いと実践の場)構築事業、被災地でのソーシャルビジネス
(SB)立上支援、SE(SB / CB など)へのハンズオン支援事業、6次化産業化調査研究事
業
その他の役職:一般社団法人ふくしま NPOバンク代表理事、東北ソーシャルビジネス推進協議会理事、
県中地域再生可能エネルギー推進協議会事務局長、ふくしま子育て支援ネットワーク事務
局長(2015年2月26日現在)
❖氏
職
名:小沢
喜仁(オザワ
ヨシヒト)
名:福島大学地域連携担当副学長/地域創造支援センター長/国際交流センター長/
共生システム理工学類教授
経
歴:昭和61年
4月
福島大学教育学部助教授
平成11年
4月
福島大学教育学部教授
平成16年
10月
福島大学共生システム理工学類教授
平成18年
4月
福島大学研究担当副学長/附属図書館長
平成24年
4月
福島大学地域連携担当副学長
/地域創造支援センター長/国際交流センター長
現在に至る
1.C E R A 事 業 活 動
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福島大学 CERA 地域フォーラムの記録
第19回福島大学地域創造支援センター(CERA)地域フォーラム
国見町地域活性化フォーラム
『こうだったら良いのにな。くにみ』~キラキラな未来のために~
日
時
平成27年2月28日㈯
13:30~16:00
場
所
JA伊達みらい
次
第
1.主催者・共催者あいさつ
みらいホール国見
2.【第1部】 基 調 講 演
3.【第2部】 ワークショップ発表
4.【第3部】 コメント&意見交換
― 主催者あいさつ ―
福島大学長
中井
勝己
福島大学学長の中井です。本日は年度末のお忙しい中、さらに土曜日というお休みの日の午後、多数の皆さんに、今
回の福島大学地域創造センターの地域活性化フォーラム、国見町地域活性化フォーラムにご参加いただきまして本当に
ありがとうございました。
先ほど司会の方から趣旨説明がございましたように、昨年9月に福島大学と国見町との間で協力協定を締結すること
ができました。提携の一つのきっかけとしては、実は国見町の町の職員に福島大学の卒業生がかなりおられます。そう
いう方々も、実は今回の協定にあたっていろいろとお力をいただいて協定にこぎつけたという事情もございます。そう
いう意味で、今日の福島大学のフォーラムの運営にあたりましても、国見町の町長さんをはじめ町の職員の方々には本
当にいろいろな準備・設営等を含めてご協力いただいております。あらためてこの場を借りて御礼を申し上げたいと思
います。
先ほどお話がありましたように、間もなく東日本大震災と福島原発事故から4年を迎えます。福島の事故というと、
28
福島大学地域創造支援センター年報
2015
2016年2月
どうしても原子力災害のほうに目が向きがちなのですが、実は内陸の国見町もそうですし、あるいは須賀川などにも実
はかなり大きな地震による建物の倒壊等の被害がございました。そういう大きな被害はあったのですけれども、浜通り
の津波の被害あるいは原発事故でずっとこういう状況が続いている中で、なかなか震災の建物等の被害についてはつい
つい後回しというか、目がいかないところがございますが、県内でもかなりの地域においては建物被害を受けてきたと
ころがございます。そういう意味で、国見町もその一つのエリアだということで、本当に多くの方々が被災をされて、
この4年の間にその復旧・復興に向けての取り組みをされてきたことかと思います。
併せて、いわゆる農産物への放射能汚染の問題があって、これは県内全体について言えることだと思いますけれども、
4年がたちますが、一方で風化の問題がある中で、他方で福島県産の産品についてはまだまだ販売が回復しないという
深刻な状況が続いております。その意味でも、全県を挙げて、あるいは大学などでも、風評被害対策についてもさまざ
まな支援を行ってきているところでございます。
本日、地域活性化フォーラムにあたって、先ほどもご紹介がありましたように、国見町の「里まち文化交流都市構想」、
これが一昨年の12月にまとめられておりまして、それに基づくまちづくりをどう進めていくかということで、2つのテー
マでまちづくりを進めることが示されております。1つがまち文化ステーション、道の駅の建設に伴う地域の交流事業、
もう1つが今日のこのあとの岩崎先生の講演にも出てきますが、1000年の歴史のあるまちの100年後のまちを考えるとい
う「歴史を活かしたまちづくり構想」をどう進めていくかということがその都市構想の中でも示されております。それ
をどのような形で今後具体化していくかというのは、おそらく国見町の住民の方一人一人の思いなり力が必要な事業だ
と思います。
そういう意味で、今日、午前中から町の方々がワークショップをやって、その成果も今日の午後でお話をいただける
ということですので、ぜひ記念講演と併せて、住民の皆様方のいろいろなアイディア・考え方を今日のフォーラムで共
有していくことができれば、非常に今後のまちづくりにとっても意義深いものがあるのではないかと思っております。
限られた時間ではございますが、ぜひ有意義なフォーラムにしていきたいと思いますので、ご参加の皆様方のご協力の
ほど、よろしくお願いしたいと思います。
昨年6月に協定を結んで、すぐにこういう形でフォーラムができたのは、本当に国見町の町長さんをはじめ、町の方々
のご尽力によるところが非常に大きいと思います。あらためて御礼申し上げまして開催大学のあいさつとさせていただ
きます。本日は本当にありがとうございました。
― 共催者あいさつ ―
国見町長
太田
久雄 氏
皆さん、大変ご苦労さまでございます。実は福島大学さん主催の地域活性化フォーラムを私ども国見町で開催ができ
ますことは、ごあいさつがありました中井学長をはじめ福島大学の皆様方のご尽力でございまして、心から敬意をまず
申し上げさせていただきたいと思います。またご来場の皆様方には、本当にお忙しい中にもかかわらず、このように多
数のご参加をいただきましたこと、心から感謝を申し上げさせていただきたいと思います。また、日ごろ皆様方には、
それぞれの立場から、震災の復興、そしてまちづくり等、いろいろとご支援をいただいております。あらためて感謝を
申し上げさせていただきたいと思います。
さて、本日はご案内のように「こうだったら良いのにな。くにみ」といったテーマで、福島大学さん主催の地域活性
化フォーラムを本当に国見町で実施できることは、非常にありがたくうれしいことだなと、このように思っております。
特に福島大学さんとは、先ほど学長さんからもお話がありましたように、昨年、域学連携の協定を結ばせていただきま
した。さらにはその後、大学の先生、生徒さんたちが、私どもの国見町の地区に入りまして、さまざまな調査・勉強を
していただきまして、先般、そこでも国見町の活性化の視点からさまざまなご報告などをいただいたところでございます。
これまでの福島大学さんのさまざまなご支援に対しまして、あらためてこの場をお借りし敬意を申し上げさせていただ
きたいと思います。
また、本日ご来場の皆様方には、地域活性化フォーラムということで、これから福島大学の岩崎先生のほうからご講
演がございます。それから、さまざまなワークショップでの報告ならびに意見交換などもございますので、どうぞ皆様
1.C E R A 事 業 活 動
29
方には十分聞いていただき、また意見交換をいただき、今後の未来の国見についていろいろ語っていただきながら、今
後にぜひつなげていただきたいと、このように思うところでございます。
それから、若干、国見の情勢、皆さん、ここにいる方はだいたいの方が知っているかと思いますけれども、再生の関
係で今いろいろ国見町が動いております。役場庁舎が新しく今できています。皆さん、ご覧いただいているかと思うの
ですが、なんとか3月20日ごろ引き渡しをしまして、5月7日に具体的に業務を開始してまいりたいと、このようにま
ず考えております。
それから道の駅の整備につきましても、4号線の上り線、コメリさんとらいふぴあさんの真向かいに、今、約3町歩
のエリアで整備をスタートいたしました。28年度目標でグランドオープンするべく、鋭意これから進めてまいりたい、
このように考えております。
それから本日のテーマにも非常に合致しますけれども、歴史まちづくり計画につきまして、鋭意作業を進めておりま
したが、先般、2月23日、国の3省の認定をいただいたところでございます。オンリーワンの国見町の歴史を将来にぜ
ひつなげてまいりたい、このように考えております。
さらには地域創生の名前がどんどん出てきております。来年4月から、新しい総合政策室というセクションをつくり
まして、今後いろいろと対応していければと、このようにも考えているところでございます。
そのほかいろいろございますけれども、とにかく福島大学さんと十分連携を図りながら、国見町の活性化、本当に将
来に向けて対応していければと、このように考えております。皆様方のいっそうのご支援をよろしくお願い申し上げた
いと思います。
あらためて、本日のこの活性化フォーラムに対しまして、福島大学さんに心から感謝を申し上げるとともに、ご参会
の皆様方のご来場に感謝を申し上げ、私からの御礼を兼ねたごあいさつにさせていただきたいと思います。本日は皆様方、
よろしくお願い申し上げたいと思います。ありがとうございました。
― 第1部
基調講演―
演
題:1000年のまち。これから100年のまちづくり基本計画
講
師:福島大学行政政策学類教授
岩崎由美子
皆さん、こんにちは。ただいまご紹介いただきました福島大学の岩崎と申します。以前からいろいろなところでお世
話になっている方たちの顔がちらほら見えたりして、いつも学生ともども温かく受け入れてくださって本当にありがと
うございます。
今日は「1000年のまち。これから100年のまちづくり基本計画」という、先ほどから何度もこの名前が出てまいりまし
たが、この内容について説明をしてくださいという依頼を受けました。実は、私はその基本計画のまちづくり検討委員
会の副会長だったのです。おととし、月1回ペースぐらいで国見の皆さんといろいろな議論をして、このまちづくり基
本計画をつくり上げました。
実は、その基本計画は、せっかくつくったのだけれども、あまり町民の皆さんはその内容をご存じではない方も多い
のではないかということで、ぜひ、今日こういう機会を使ってこの基本計画の中身を皆さんで共有して、これから先の
国見のまちづくりにみんなで共に歩んでいこう、そういう趣旨で、今日、私は50分ほどお時間をいただいておりますので、
お話をさせていただきたいと思います。
前半は、このまちづくり計画の内容、後半は国見でこの間いろいろな活動をさせていただいておりますので、そのご
報告であるとか、少し道の駅のお話などもできればいいかなと思っています。
皆さんのお手元に資料として、今日のパワーポイントのファイルと、
「1000年のまち。これから100年のまちづくり基
本計画」という概要版があると思うのですが、それを見ていただきながら、この基本計画の中身を確認していきましょ
うということです。
これは計画書の冒頭に書いてあることなのですが、どうしてこの基本計画をつくったかということが書かれておりま
す。将来の国見町のまちづくりの指針である。地域資源を本当に生かし切ろうということです。国見町にはたくさんの、
「キラキラ」というのがキーワードなのですが、キラキラした地域資源、お宝がたくさんあり、それを生かし切ったまち
30
福島大学地域創造支援センター年報
2015
2016年2月
づくりをしていこう。新しい国見町の将来都市像をつくり、そこでまちづくりに取り組む主体は町民と行政が協力して
進めていきましょう、そういったことをこの基本構想にうたっております。
この基本構想は、あとの方にも出てまいりますが、すごくたくさんの町民の皆さんが委員として入ってくださいました。
そこに外部の委員として、会長は杉本先生という東海大学の先生ですが、大学の先生方であるとか、いろいろ外部の方
も一緒に入って議論を進めていったという特徴があります。
私も、実はこのお話に声をかけていただく前は国見町に来たことがなかったのです。それまで全然来たことがなくて、
初めて国見町におじゃまして、すごくすてきなところだなと、外部の者たちはみんなそう思ったんですね。ちゃんと昔
の宿場町の雰囲気が残っていて、商店街があって、そこからちょっと出ると広く桃畑があって、農村が広がっていて、
遠くに山が見えるという、本当にきれいなすてきなところだなというのが、われわれ外から来た者たちの第一印象です。
国見町ならではのすてきさを一言で言い表せないだろうかということで、いろいろ頭を悩ませた結果、出てきたのが
ここにある「里まち」という言葉です。山、川、水田、畑などの自然が豊かな「里」があって、なおかつ住宅や商店が
集中している「まち」がある。これからの国見町は「里」と「まち」が空間を超えて連携し、協力していくことでオリ
ジナルのまちづくりをしていきましょうということで、
「里まち」というのを1つのキーワードにしていました。これは
すごくいい言葉ではないかと、自画自賛ですが、思っています。
実は、私は国見町さん以外にもいろいろこういう基本計画づくりをお手伝いする機会があって、今もそうなのですけ
れども、震災前は飯舘村にも入っていたんですね。飯舘村の総合計画で「までいな村づくり」という計画がつくられた
ときに、そこにも産業振興部会ということで入ったのですけれども、飯舘村と比べると、飯舘村は中山間地域なで山の
中という感じだけれども、ここはやはり違うのです。ちゃんと町がある。町の外側に農地が広がって山が見えるという、
やはりその地域性を存分に活かしたまちづくりと、それを存分に発信していく、そういう取り組みが必要なのではない
かというわれわれ委員の思いで、「里まち文化交流都市構想」という名前が生まれたという経緯になります。
これは文章がいっぱいあって申し訳ないけれども、ぜひ住民の皆さんにも読んでいただきたいという文章があります。
この概要版の1ページになります。構想の役割というページがあると思うのですが、ここには本当に大事なことが書か
れていると思います。つまり、国見町というのは1000年以上の歴史がある町です。この地で暮らす人々の日々の営みか
ら紡ぎ出された知恵や文化が積み重なった1000年の歴史を持つ町なのです。だけれども、昭和の時代になって、非常に
いろいろ便利な時代になって社会環境や生活様式が変わっていく中で、そういった積み重ねの中で育まれてきた知恵や
生活文化が少しずつ失われてしまったわけですよね。
あらためて失われたものの大切さをわれわれに気づかせてくれたのは、実は先ほどからお話が出てきた東日本大震災、
それから原発事故だったのではないかと思います。結局、便利さや快適をただただ追い求めてきた私たちの都市的な暮
らし方のもろさがああいう形で出てきてしまったのではないか。そのことはつまり、本当の豊かさとは何だろうという
ことを自分たち自身がもう一度振り返る、そういう機会になったのではないかと私たち委員は考えました。震災・原発
事故後の町の再生をメッセージとして伝えていく、その拠点として、あるいはそのあとメッセージとして、こういった
まちづくり計画、「里まち文化交流都市構想」を力強く訴えていこう、こういう思いでこの計画がつくられてきました。
この地で1000年培われてきた人々の知恵、文化、技、歴史を受け継ぐ責任はわれわれ世代にあるんですね。今、この世
代に生きる私たちが受け継ぎ、それを次の将来世代の人たちに伝えていく、そのための計画、そのための100年計画です。
そういう意味合いがこの構想に込められているわけです。
その概要ということなのですけれども、震災後、先ほどお話があった風評の問題、いろいろな痛みをわれわれ福島に
暮らす者たちは負いました。そして、現にまだ負っています。多くの分断・分裂が福島に起きてしまいました。生産者
と消費者の間の分断・分裂。あるいは避難した人と避難していない人の間の分断・分裂。避難先の住民と避難した人た
ちの間の分断・分裂、あるいは高齢者と子どもを持つ若い親世代との分断・分裂、非常にたくさんの分断が生まれてしまっ
たわけです。
しかし、その分断・分裂をなんとか乗り越えようではないか。その乗り越え方も、ひとりぼっちで乗り越せるのでは
なくて、単独主体で乗り越えていくのではなくて、みんなで協力して乗り越えていこう、協働的再生を目指していこう
ではないかという思いがこの計画に込められているわけです。単独主体の再生ではなく協働的再生、それによって地域
社会をつくり直し、新しいコミュニティをつくっていこう、そういったことがこの都市構想の中心、私たちの思いの中
心にあったということです。
こういう形で委員が集まって、7回ぐらい議論を重ねて、専門部会でいくつかに分かれてフリートークをしたり、ワー
1.C E R A 事 業 活 動
31
クショップのような形で意見を出し合ったりしてこの計画書をまとめていきました。こういった本格的に住民参加のも
とにボトムアップ型で計画をつくっていくというこの経験は、やはり国見町のこれからのまちづくりにとってすごく大
きな財産になるのではないかと思っています。
これはまちづくり検討委員会の構成です。4つの部会に分かれておりまして、交流の場検討部会というのは、私もこ
こにいたのですが、主に道の駅の話で、道の駅はどういうものをつくっていくかということを主に話し合う部会です。
商工観光の活力部会は、商店街はどうしたら元気になるのだろう、道の駅とどう連携して、商店街をもっともっと活
性化できるだろう、そういうことを話し合う部会です。
それから農産物・ふるさと産品部会。やはり国見は豊かな農村を抱えていて農業の町なんですよね。お話を聞くと、
本当に桃やりんごを専業で頑張っていらっしゃる担い手の方はたくさんいます。お米づくりも法人をつくってものすご
く大規模なお米の経営をされている方もいらっしゃいます。そういった農産物を、今のいろいろ福島に対する逆風を乗
り越えてどういうふうに PR していくか。あるいは加工品ですね。例えば道の駅にしても、やはり農産物以外にも、それ
を使った加工品というのが非常に重要な魅力の一つになります。地元のお母さんたち手づくりのいろいろな加工品が道
の駅にさまざまな種類が並んでいるということが道の駅の魅力をアップさせる重要な要素になりますので、そういった
ふるさと産品をどう開発していくかということを話し合う部会です。
そして、やはり100年のまちづくりですから、子ども部会。子どもたちの心身ともに健康で豊かな成長をどういう形で
国見で実現していくか。この4つの部会に分かれて、住民の方とわれわれ外の者が一緒に入って、いろいろな議論をし
てでき上がったのが皆さんのお手元にある計画になります。
一応、こういう形で、これは役所の方がつくってくれたものですが、基本計画の位置づけはこうなります。マスター
プランや復興計画、振興計画と連動させながら計画が位置づけられますという話ですね。
この「国見町活力あるまちづくり検討部会」というのは、これ以外にも、今、それぞれの地域で、統合した小学校の
校舎をどう活用していくかという議論が進んでいらっしゃる地区もあると思うのですが、そういったところとも連動さ
せてやっていこうと。あるいは地域別計画、おそらく今後、これが本格化していくのかなと思いますけれども、地区ご
とに、これからの地区のまちづくり、地区単位のまちづくり、地区の計画をどうつくっていくか、そういったこととも
連動しながら、このまちづくり検討委員会は動いていくことになります。
まちづくりの基本理念ですが、4つの命題というのがあります。これも皆さんのお手元の1ページの下のほうに書い
てあります。これから取り組むべきこと4つ。「恵まれた資源を生かしきる。キラキラの再発見」
。国見町にはキラキラ
しているものがいっぱいある。でも、実は町民の皆さん自体はそのキラキラ感に気づいていないことが多いのではなか
ろうか。そのキラキラ感を、外の人の目も借りながら再発見して、それを活かし切るということですね。また、
「子ども
たち。人づくり」。さっきの里とまちをどうつないでいくか。里だけでやるのではない。まちだけでやるのではない。ど
うそれが連携して地区ごとの連携を生みながらまちづくりをしていくかということです。
「未来への持続可能性」
、これ
は町民と行政が連携して、行政だけがやるのではなく、町民と行政が対等な立場で連携をしながら「新しい公共の場」
をつくっていく、そういう思いがこのまちづくりの基本理念に込められているわけなのです。
具体的なまちづくりの目標は、この概要版の3ページに具体的に書いてあります。ここもぜひあとでお目通しいただ
ければと思います。
例えば4番の「生活基盤が整備されたまち」です。国見は本当に便利な町なんですよね。インターチェンジがすぐあるし、
東北本線が通っているし、その意味では、すごく恵まれた町です。この恵まれた立地条件を生かさない手はないという
ことです。そういった今持っている資源を最大限にいかしていく、そういったことがこのまちづくりの目標に書かれて
います。
そういったまちづくりの目標を、具体的にどういう形にしていくかということです。ここに書かれているのを簡単に
まとめますと、「まちづくりの目標と七つの政策」があります。
復興のシンボルづくり、さっきも言いました。力強く震災からの復興を訴えかける場として、里まち文化ステーション、
道の駅から発信していきましょう。また、里まち文化ステーションの中も町民参加型のいわゆるコミュニティビジネス、
スモールビジネス、コミュニティビジネスで里まち文化ステーションの魅力を高め、そのことが町民の少しでも所得の
向上や生きがいづくりにつながるといいなということです。里まち文化観光づくり。里まちの物語でまちを巡る。そう
いうルートができないか。
今年度、さっきご紹介がありましたけれども、歴史まちづくり計画の関係で、私たちの大学院の院生が何カ所かに分
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かれて町の中をめぐらせていただきました。そこですごくいろいろなお宝にめぐり合い、これをうまく横につないで
ウォーキングできたり、皆で町の特徴を学びながら楽しめるような、そういうルートがつくれないかという提案をした
院生もいます。そういった町をめぐる里まち文化観光づくりですね。また、商い博物館。手わざとおもてなしの体験「楽
習」ができる、そういう場ができないか。くにみブランドづくり。国見に来ないと食べられない。くにみブランドとい
うのをしっかりつくって、その一品づくりをやろうではないか。交流を育むネットワークづくり。里まち文化ステーショ
ンを拠点としつつも、それぞれ5つの地区がそれぞれこういうエリアを設けて連携をしていくようなネットワークが必
要です。また、タウンマネジメント。こういった政策を具体的に挙げました。それを図にしたものがこれです。
実は私はネットワークづくりがこれからすごくこれから重要になってくるのではないか。これをどう実現していくか
というのが、ある意味、道の駅の成否を決めるすごく重要なキーワードになるのではないかと思っています。
なんでそう思うかというと、ついこの間、湯川と会津坂下で道の駅「あいづ」というのができましたよね。ご存じの
方はいますか。行ったことがある人はいますか。
―
ないですか。私はさっそく行きました。道の駅めぐりが好きなも
のですからあちこち行きました。というのは、私たちのゼミも、国見に入らせていただく前、湯川村に入っていたんです。
その縁もあって、湯川村さんがずっと道の駅の建設計画があって、その話し合いの場に私たちも参加させてもらったり
して、ずっと気になっていたのですが、去年の10月に道の駅「あいづ」
、
湯川村と会津坂下町の共同で建設した道の駅がオー
プンしました。
行ったら大変な人で、日曜日に行きましたけれども、150台ある駐車場が全然とめられず、ずっと車が並んで待ってい
るような状態でした。道の駅の駅長さんも忙しすぎて、あまり詳しい話を聞けなかったのですけれども、オープン当初
の目標をはるかに超える入込客数だとおっしゃっていました。12月、2カ月たって入込客数が30万人かな。入込客数と
いう独特の計算方法があって、レジを通過した人数×2 . 5が入込客数なんですね。そういう計算方式で、それを早くも2
カ月で達成してしまった。30万人。売上金額も当初の目標の倍、2カ月で1億を超えたという話を聞きました。30万人
がとにかく来たわけですね。延べにしても、小さな湯川村にこれまでの歴史上、湯川村に30万人の人が来たという経験
はたぶん初めてだと思います。
道の駅が始まるまでは、それこそ町内に食堂やコンビニがあって、そういうところからお客さんを全部道の駅に取ら
れてしまう、そちらに全部お客さんが流れてしまって、食堂やコンビニに行くお客さんはいなくなってしまうのではな
いかという声があちこちからいわれていたのだけれども、そうではないというんです。30万人来るわけですから、逆に
お客さんは流れていく。コンビニも食堂もお客さんが増えているというのです。とにかく人が来るわけですからね。
やはり、これはまさにこのネットワークづくりにすごく関わるところだと思います。湯川村は、今、2カ月に30万人、
もちろん最初にオープン、スタートダッシュでたくさん人が来て、これからどんどん下がっていって、それぞれのとこ
ろになっていくのでしょうけれども、30万人のうちの1割、3万人はなんとか村の中に滞留してほしい。湯川村もすご
く歴史のある村で、国宝があるんです。すばらしい仏像があったり、あるいはグリーンツーリズムであるとか、いろい
ろな施設がある、すごく頑張っている農家の人がいる。そういうところに30万人のうちの1割になんとか村のほうに入っ
てきてもらって、村全体の活性化につなげていきたい。道の駅だけで終わらせてはだめだということを湯川村の人は真
剣に考えています。
ぜひ国見町もその意味で、道の駅にはお客さんは必ず来ます。それだけたくさんファンもいて、来るのです。その
お客さんたちをいかにまちに、いかに里に、足を延ばしてもらうか、そのための工夫をぜひオープン前の今から考えて
ほしい。そこをつくらないともったいないです。たぶん、今日はそういった話も、このワークショップの中で出てくる
かなと思います。そういったことで、ある意味、道の駅のオープンというのは、国見町のまちづくりをすごく後押しし
てくれる機会になる気もしますので、ぜひこの交流を育むネットワークを意識的につくっていけるといいなと思ってい
ます。
里まち文化ステーションの基本構想ということですけれども、その合い言葉というのでしょうか、スローガンですが、
「国見まるごとショーケース」です。国見の町全体がショーケースだと。町の宝物と暮らしの知恵を発見する、手わざを
はじめとした里まち文化を発展させる、また、そこで、今日もいらっしゃいますけれども、女性の力を活かしてそれを
発信する、それをテーマにしていきたいということです。
「くにみブランド」を実際につくって人を呼び込む拠点にして
いこう。そこで、あくまで人が主役だ。人の中でも特に女性たちに期待したい。雇用が生まれ、また小さくてもコミュ
ニティビジネスが生まれていく。そういったことを契機にして、これまで培われてきた知恵と手わざを次の世代に引き
継ぐことができるだろう。自分たちがすごく頑張っているまちづくりの姿を子どもたちにぜひ見てもらおう。自信を持っ
1.C E R A 事 業 活 動
33
て発信していこう。それがコンセプトになるわけです。
この辺は皆さんのお手元の資料に基本構想が実際に書かれていますので、見ていただければと思います。この計画は、
つくったらつくりっぱなしではなくて、ちゃんと PDCAサイクルの下でやっていきましょうということです。
ここで、国見町の強み。実は私たちはゼミの学生と一緒に2年前から国見町に入らせていただき、フィールドワーク
を一緒にさせていただきました。あんぽ柿づくりをお手伝いしたり、いろいろなフィールドワークに参加させていただ
きました。そこで、学生たちともいろいろ議論して、国見町の強みは何だろうとみんなで考えました。また、この委員
会の中でも、国見町の強みを考えていこうではないかと、ものすごく熱い議論をしました。そこで言えることはこんな
ことではないかと。
さっきから何度も言っていますが、まず自然です。里山と里川という言葉があるのでしょうか。里山と里の川に街道
の町並みが織りなすまち。歴史はいうまでもなく、源義経ゆかりの地であり、歴史文化の町である。交流。1つの町に
3つの宿場町があるところはそうないのではないでしょうか。あまり聞いたことはないですよね。国見は昔から交流の
拠点だった。交通は東北道のインターチェンジ、サービスエリア、JR は2つも駅がある。農業。豊かな水と優れた土壌
を生かし、米栽培、果樹栽培が盛んで、おいしい食べ物を先頭に立ってつくっているまち。6番目、これもほかの町に
あまりない特徴だと思いますが、藤田病院があり、大学病院と連携した藤田病院の立地、長寿と健康のまちである。実は、
このまちづくり計画の議論の中でも、藤田病院の方に委員として入ってもらって、いわゆるヘルスツーリズムのような
もの、健康をコンセプトにしたツーリズムのあり方とか、そういったことも議論してきました。暮らしは、国見らしさ
をつくり出す個性ある5地区が連携し、暮らしやすいまち。
先ほど二瓶先生とお話をしていたら、子育てがとてもしやすい町だ。若いお母さんたちからはすごくそういう声が多い。
やはりそういう強みをどんどん発信していこうではないか。こんな国見町の強みが挙げられるのではないか。もっとこ
れ以上にたくさんあると思いますけれどもね。
特に農業についていうと、実はこの部分が原発事故で非常に大きな傷を負ってしまったわけですね。これは私が今で
もよく覚えているのですが、第1回目の基本構想をつくる委員会、全員が集まった全体会がありました。最初の顔合わ
せのときに、委員の1人の方、桃農家の方だったと思います。その方がいらしていて、その方が、
「今、自分たちは何も
悪いことをしていないのに、放射能が降ってきてひどい目に遭っている。検査をしても ND なのに売れない、買ってくれ
ない。いわゆる風評被害に遭っている。自分としては、農業も忙しくて、本当はこういう委員会に出る暇もないのだけ
れども、頑張って来たのは、ぜひ自分たちは必死の思いで安全な農作物をつくろう。一本一本桃の木を洗って、世界一
厳しい検査をして、安全なものをつくっている。これをぜひ多くの人に知ってほしいから。そういう思いで、この委員
会に出てきたんです」と、その言葉が私は今でも忘れられません。そういう思いを抱えて委員の皆さんたちは必死になっ
て、こういう場をつくりたいという思いで来られていた。ぜひそれを存分に発揮したいという気持ちがあります。
これは国見のそういった農的資源です。藤田の商店街については、皆さんご存じの杉本先生がいろいろ商店街の活性
化の提案をしてくださっています。であるならば、わが岩崎ゼミとしては、農的資源をどういう形で PR していくか、発
信していくかというとで、ちょっといろいろ勉強してみようということで、実は、まちづくりの委員になられた方たち、
農業をやっておられる方、農的なお仕事をされている方にインタビューをして、こういうすごくすてきな人たちがいっ
ぱいいるということを積極的に発信していこうということです。
ここに特産物、歴史資源、自然景観という、いわゆる国見のお宝がある。でも、やはり特産物をつくり、歴史資源をしっ
かり守ってそれを伝え、自然景観を守っているのは人なのです。国見の魅力を創出しているのはまさに人である。それを、
実際に実践している人一人一人の物語、ストーリーを発信していこうと。
「国見の桃は甘くておいしいです」だけではな
くて、その桃をどんな思いで生産者の方がつくっていらっしゃるか、その物語、ストーリーを発信していくのが大事で
はないかと思ったのです。
渋谷さん、今日はいらっしゃっていないですよね。いらっしゃいますか。渋谷さんも委員で本当に議論をしました。
渋谷さんの農園に学生たちと一緒にお邪魔しました。渋谷さんがどういう思いで一生懸命に果樹栽培を行っていらっしゃ
るか、お話を聞きました。畑と相談しながら、手間ひまを惜しまず果物を育てる。15年果物づくりをやっているけれども、
毎日が日々勉強なんですとおっしゃいました。自分のこだわりとしては、自分が納得したものだけを消費者に届けるよ
うにしている。味、見た目、大きさの3拍子がそろったものを収穫する。直接販売の中で、渋谷さん自身が消費者と直
接対面して、消費者から直接お話を聞くことがものすごく勉強になる。すごくいい刺激になる。そういう場がやっぱり
必要ですねとおっしゃいました。
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実は、息子さんも頑張っていらっしゃるのですが、すごくすてきなお父さまがいて、私たちが学生と一緒にご自宅に伺っ
たら、お父さまがリンゴづくりへの思いをとうとうと語ってくれるわけです。果物づくりの達人であるお父さん。お父
さんはもう今は第一線から引かれて息子さんがやっていらっしゃるわけですけれども、そういったお父さんのような方
が果物づくりのおもしろさ、大変さ、大切さを、訪問者に楽しく発信してくれる、発信してもらう、そういう場もステー
ションにつくれるといいよね、なんていうお話もしました。
黒田さん、いらっしゃいますか。黒田さんも非常に若い農業後継者です。黒田さんもいろいろなものをつくっていらっ
しゃって、なんで彼が農業を始めたかというと、自分ができることの中でいろいろ考えた結果、一番いい結果を生み出
せそうなのが農家の仕事だったからというので、おうちの農業を仕事にした。黒田さんの一番の願いは、自分のつくっ
た果物を、この土地に来てもらってこの土地で食べてほしい。それによって、国見の空気とか豊かな土地とか、実際に
つくっている農家の思いをその場で感じてほしいというのが彼の一番の願いです。黒田さんの農業に対する思いとして
は、これまでの農業というのは継ぐ農業だった。親の仕事、親の家業を継ぐ農業だった。でも、これからは継ぐ農業から、
農業がやりたいと思う人たちが集まって、みんなでできる農業にしていきたいというのが黒田さんの思いです。そんな
新しい農業経営を国見の地から発信していけないかと彼は一生懸命考えています。
阿部さん。阿部さんは今日、来ていらっしゃいますか。阿部さん、どうもその節は大変お世話になって。阿部さんも
すてきな方なんです。ご本人を前にしてあれですけれども。阿部さんもすごくたくさんの桃をつくっていらっしゃいま
す。地区の中でも一番若い農業担い手で頑張っておられます。阿部さんが農業を仕事として頑張ろうと思ったきっかけは、
まさに大震災があったからなんですね。おいしい果物で国見を PR して、震災で傷ついた国見町に恩返しをしたいから農
業を始めたとおっしゃいます。震災で町全体が落ち込んでしまった。せっかくものすごく心を込めて、丹精込めてつくっ
た農産物が売れない。みんなが落ち込んでしまっている。そういう状況を見て、自分たちのつくる果物で国見町を PR し
ていくことで、国見町に恩返しをしていきたいということで農業を始めたというんですね。これなんかものすごい一級
のストーリーだと思いますよ。こういう思いで国見の農家はやっているんだということをどんどん伝えていきたいとい
うことです。
さて、時間もあれなので、ここからまたテーマが少し変わっていくのですが、実は私たちのゼミでは、そういった農
業を頑張っていらっしゃる担い手の方々のインタビューに入り、また、今年は地区に入りました。地区に入って、まち
づくりを今、国見全体で頑張っておりますが、地区単位でもこれからの地区計画、地区づくりをどういう形で進めてい
こうかというのを話し合うきっかけになればいいなということで、
今年は内谷です。内谷の方、
今日は何人か来てくださっ
ていますけれども、ついこの間、内谷の報告会を学生たちと一緒にやってきたところなのですが、これはそのときの最
後のみんなの笑顔の写真です。内谷住民と福大生の合同ワークショップというのをやって、
「内谷地区地域づくりカフェ」
というのをついこの間やってきたところです。
今年の夏、ゼミ生が分かれて内谷に入りまして、集落での現在での暮らし、営農、または集落活性化について、一軒
一軒おうちを訪ねて歩いて聴き取り調査をしました。当初は1時間半の予定でしたが、2時間、3時間かかって、もの
すごい時間をかけて学生たちに教えてくださった皆様が本当に協力してくださったのですが、個別の聴き取り調査、20
戸訪問して、また今回まわれなかったお宅には書面のアンケートもお願いして、皆さんから今の国見での暮らし、これ
からのまちづくり、国見の地域づくりのあり方について聴き取りアンケート調査をしました。
それと、あともう一つは、学生たちが地域の方と一緒に町歩きをして、地区の中を歩いて、学生たちの目から見た地
域のお宝発掘、それを地域資源マップとして作成しました。この写真が暗くてあれなのですが、こちらは太々神楽です。
内谷に伝わる太々神楽がありますが、その太々神楽のお稽古をしているところを私たちが見学させていただいて、学生
が、笛を吹いてみないかといわれて、笛は吹けないですよね。すごく難しいんですが、そういった形でお祭りにもちょっ
とだけ参加させていただいて、内谷のよさをみんなで発見していこうという取り組みをやりました。
これは学生たちが考えた内谷地区の強みと弱みです。いわゆる SWOT分析というのがありますよね。この地区をめぐ
る強みと、地区の外の機会と脅威というのかな、そういったものを組み合わせてこれからの地区づくりを進めていこう
と学生たちが SWOT分析なのですが、こういったものを踏まえて学生たちがいろいろな提案をしました。
今日はその提案を一つ一つご紹介する時間的余裕もないのですけれども、その提案をしたあと、まさに今日の午前中、
皆さんがおやりになっていたワークショップを集落の皆さんと一緒にやりました。集落からも30人くらいかな、すごく
たくさんの方が来てくださって、4つのグループに分かれて、こんな形で学生たちがそれぞれグループに入って、これ
からの内谷の地域づくりをどういう方針で進めていこうか、どういう方向でやっていこうかと話し合いをしました。
1.C E R A 事 業 活 動
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様子を見ていると、学生たちはよそ者であり若者ですよね。よそ者であり若者である学生たちの存在が媒介となって、
集落の方同士のコミュニケーションがすごく活発化する、
そういう効果があるのだということに気がつきました。つまり、
集落の方一人一人は、若い者がどんどん出て行ってしまって、空き家もどんどん増えていくし、高齢者だけの世帯も少
しずつ増えている。これからどうしたらいいのだろう。一人一人はなんとなく不安に思っている。でも、それを、みん
なで集まって話し合いをするとかそういう場があまりなかった。だけど、こういうよそ者とか若者である学生が入って
くると、学生に対していろいろなことが言えてしまうんですよね。まさに学生が媒介にとなって、すごくいろいろな意
見が集落の方から出されました。
4つのグループの中の1つのワークショップの結果を整理したものなのですが、テーマを3つに分けていて、1つは
住みよい地区づくり。いろいろなインタビューをしていくと、まだ今は自分で車の運転ができるからいいけれども、年
を取っていざ自分が車の運転ができなくなったらどうしたらいいだろう、それがすごく不安だという声がすごく多かっ
た。住みよい地区づくりのためにどうしたらいいだろう。では、みんなで当番制みたいなものをつくって、運転できる
人が例えば病院に連れていくとか、何かそういう助け合いの仕組みがつくれないかという声が出ていたりしています。
2つ目、まさに太々神楽のような、ものすごくたくさんの由緒ある神社仏閣が内谷にはあるんですね。もちろんその
他の地区にもありますが。地域の資源や伝統芸能の継承のために何ができるか。今、太々神楽も次の後継者がなかなか
見つからなくて困っているのですが、そういった担い手、後継者をどういう形で呼び込めばいいのだろう。また、それ
を地域の元気づくりにつなげていけないだろうか。シーズンイベントマップみたいなものがつくれるといいね。今、内
谷地区では桜の木をたくさん植えていて、桜の山づくりをやっています。そのころにはちょうど太々神楽もやっていて、
お花もきれいで、桜もきれいで、そこにぜひたくさんの人に内谷に足を運んでほしいな、そのためにはシーズンイベン
トマップみたいなものがつくれるといいよねとか、人が毎年来てくれて交流できることが、まさに自分たちの生きがい
や励みになるんだという声であるとか、あるいは木工工芸品が得意なじいちゃんがいるから、それを商品化して道の駅
で売れないかなとか、ごんぼっぱやよもぎを使ったおもちづくり、柿の渋抜き体験をやったらいいのではないかとか、
いろいろな体験をしてもらう柿のオーナー制度とか、こういったようなアイディアが住民の方から出てきたんですね。
実は、ワークショップの学生たちの提案の中で一番褒められたのは福大生がつくった内谷地区の紹介パンフレットで
す。これが現物なのですけれども、こういうパンフレットをつくったわけです。内谷の紹介を書いて、位置とアクセス
と概要を書いて、太々神楽の紹介であるとか、いろいろな地域資源をここにまとめて、裏は学生たちがつくった内谷集
落の地域資源マップです。この手づくり感がいいのではないかと。今、きれいなマップをあちこちでたくさんつくって
います。でも、パソコンを使えば誰でもきれいにつくれる時代だからこそ、この手づくり感がいいと集落の方が褒めて
くださいました。こういういろいろな地域資源、内谷集落にはこういうすばらしいものがありますよと。さっきも鴨田
さんとお話をしたら、いや、これだけではなくて阿弥陀堂というのもあるからぜひ載せてほしいとか、一本杉というの
はこの上のほうにあるから、ぜひ載せて欲しいとか、これをつくるなら、当たり前だけれども、駅の場所やインターの
場所も載せたほうがいいよねと、いろいろな意見やアイディアが住民から出されました。それを受けて、学生たちが今
一生懸命直しています。これをぜひ JR の駅に置こうじゃないかということをひそかに考えているところです。
こういう形で例えばステーションができる。では、ステーションに来たお客さんを地区にどう足を延ばしてもらうか
という仕掛けづくりが、今から少しずつ準備をしていく必要があるのではないかということです。
もう一つは、道の駅と一言でいっても、単に農産物を売るとか、直売所があるとか、休憩施設、トイレがあるとか、
レストランがあるとか、そういう役割だけではなくて、実は非常に多面的な役割、多面的な機能があるということなん
ですね。
例えば人づくり。そのステーションが町民の生きがい、やりがい、また、子どもの学びの場にもなる。一人一人の「一
歩前進」。一歩前進して何か新しいことをやってみようという応援する場にもなる。また、世帯を超えた交流の輪をつく
る拠点、ステーションを拠点にしてそういう役割がある。
暮らしづくりもそうですね。健康に暮らす地域、そのための情報発信、拠点で何かできないか。もちろん災害への備え。
道の駅は震災をきっかけにして、いろいろな備蓄品を置いておく、そういう役割も期待されていますよね。そういう場
にもなる。
また、ふるさとづくり。観光交流により活力あふれるふるさとをつくる。地域の伝統文化を継承する。また環境保全
に貢献する。そんな役割がステーションにはあるのではないかということです。
もう時間ですね。あと3分ぐらいだと思います。事例を少しだけお話しして終わりにします。
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岩手県遠野市に「風の丘」という道の駅があって、このあいだ、モデル道の駅に選ばれましたね。日本で5つ選ばれ
た中の1つなのですが、私はここがものすごく好きです。本当にここに行くために遠野に行くようなものです。なんで
好きかというと、女性が頑張っているから好きなのですけれども。
遠野の「風の丘」という道の駅で、もちろん中に入るとレストランと直売所があるのですけれども、店先に小さな畳
4畳分ぐらいのお店があるんです。だから、そこで買ったものはその中では食べられなくて、外のベンチで皆さん食べ
たりしています。そこで販売したのはおそばとかうどんとかだんごです。昔から「こじはん」とか「こびる」と言いま
すよね。農業の合間にちょっと口にするもの。昔からつくられていた「きりせんしょ」と「かねなり」というこの地区
の伝統食がある。これを今はもうお母さんたちは誰もつくらなくなってしまったのでスーパーに行って買ってくる。私
たちの代でこれをつくる技術を絶やしてしまうのはあまりにもさびしいというので、ちゃんとレシピをつくって、これ
を売りにした特産品を地区の女性たち30人ぐらいが集まって企業組合、協同組合をつくって経営をしています。
彼女たちが活動を始めたのは地区の大区画ほ場整備事業がきっかけで、今でこそいろいろな補助事業があるけれども、
当時は農家もかなり借金をしてやらなければいけなかった。でも、そういう大きな事業をやるにしても、話し合いの場
に出ていくのは地権者の父ちゃんたちだけだ。母ちゃんたちはなかなかそんな大きな事業を借金してまでやっていいの
と心配だけれども、公式に話を聞く場が全然ない。父ちゃんを通じて聞くしかない。だったら、自分たちでつくってし
まおうではないかということで、その地区のJA女性部や生活改善のグループとか、
地区婦人会とか、
そういう会長が集まっ
て、「夢を咲かせる女性の会」という組織をつくった。そこで自分たちでいろいろな勉強会を始めるんですね。
その中で、ある女性が、そんなに田んぼが大きくなるなら、ほ場にトイレが欲しいということをぽつりと言われる。
女性にとってはトイレが遠いと大変だから。では、ほ場トイレをつくってもらおうではないかということで、行政にい
ろいろ言ってほ場トイレをつくってもらいました。
その話の中で、どうやら道の駅ができるらしいというのを小耳に挟んで、母さんたちは自分たちでまさにこういうワー
クショップなどをやって、道の駅に自分たちのお店が欲しい、夢を咲かせる女たちの店が欲しいというのでつくったの
がさっきの小さなお店です。年間売り上げがだいたい5,000万ぐらい。きちんとそこで働いているお母さんたちにも、時
給800円でしたか、お金を渡せている優良経営です。
そこの道の駅は、そういった特産品の物販だけではなくて、子どもたちと連携して、学校農園で収穫した野菜を「夢
咲き茶屋」という道の駅で、量的には大したことはないけれども仕入れて、子どもたちにも農業への関心を持ってもら
おうと。また、職場体験を受け入れたり、そういうことを通じて食の大切さや農業の楽しさを伝えているような、そん
な活動をしています。
もう1つの事例は道の駅で、浜松市の旧天竜市にある、これはものすごい中山間地の道の駅ですが、
「くんま水車の里」
というのがあります。ここもお母さんたちがすごく頑張っています。お母さんたちは最初はみそづくりから始めて、地
域を元気にしたいということで、こういう直販所をつくったり、おそばが食べられる農家レストランみたいなものを併
設しています。
ここの特徴は、NPO法人を住民の皆さんが出資をしてつくって、それぞれ地区ごとに「どっこいしょ」という高齢者
のデイサービスを運営しています。そこに、だいたい一人暮らしの人が多いですから、集会所に集まってもらって、そ
こでミニデイサービスをやったり、一人暮らしのお年寄りに給食サービスを月に5回、お弁当を実費で配ったり、お弁
当を配って歩くときがまさに安否確認になる。そんな取組まで道の駅を拠点にして始まっています。単に特産品を売る、
野菜を売るだけではないのです。工夫次第で本当にまちづくりに関わるいろいろな使い方ができます。
これは子どもたち向けのしめ縄づくり体験。内谷にも名人のお父さんがいますので、こういうものができるといいな
と思います。これはそば打ち体験です。
「くんま」
から育った子どもたちは、
みんなそば打ちができるのが地区の自慢です。
もうこれで私の話は終わりです。あまりまとめにもならないのですが。こういったような、住民の皆さんの土の方と、
われわれのような風の人、2つを合わせて風土だとよく言われますけれども、ともに行うまち歩きや宝探し、また、よ
そ者の目を通してあらためて発見する国見の魅力があって、それがたぶん各地区にいろいろあると思うのです。その点
をつないで面にしまちづくりにまで広げていき、また、それを里まち文化ステーションから発信していくという、この
仕組みを具体的にどうつくっていくかということがこれからすごく大事になっていくのではないかと思います。
ということで、私の講演はここで終わりにしたいと思います。ご清聴ありがとうございました。
1.C E R A 事 業 活 動
― 第2部
37
ワークショップ発表 ―
「こうだったら良いのにな。くにみ」
司会:それでは第2部に移っていきたいと思います。第2部は午前中、若者で意見交換をして、ワークショップをしてい
ただいて、「こうだったら良いのにな。くにみ ~キラキラな未来のために~」ということで話し合いをしていただきまし
た。その発表をお願いしたいと思います。
まず初めは、二瓶先生のグループからお願いをしたいと思います。
参加者:私のほうから午前中のワークショップの発表ということで、まずトップバッターなのですけれども、させていた
だきたいと思います。
まず初めに、テーマを決めるにあたりまして、いろいろ話し合いを持つ中で、全く意見が最初出てこなかったんですね。
ただ、話を進めていく上で、「道の駅」というキーワードが出たときに、突然いろいろな分野の皆さんからいろいろなお
話がわいてきたんです。テーマを「道の駅を核としたまちづくり」ということで進めていきたいというふうに話し合い
が持たれました。
ただ、意見がすごくいっぱい出てきたので、私ではとてもまとめることができないのではないかなというところで、
一人一人、ここで自分が持っている道の駅に関する思いであったりアイディアというのを発表していきたいと思います。
時間も限られているので、1人300字以内で簡潔に発表していただきたいと思いますので、お願いします。
参加者:私は現在、6歳と4歳の子どもがおりますので、子育ての視点から道の駅というものについて考えてみました。
まず1つ目は、自由に利用できる児童館が欲しいという希望を出させていただきました。ということで、まず1つ目
は児童館としての役割です。
現在、町内にはいつでも自由に利用できる児童館がありません。そこで、道の駅の中に子どもたちが遊ぶスペースが
できるということですので、そのスペースに加えて、子育てサポーターのような方が常駐している育児相談ができる場
所があれば、より子育て世代にとって身近な存在になるかと思います。また、レストランの中に離乳食のメニューなど
も加えていただけると、子育て世代のお母さんの息抜きにもなっていいのかなと思います。
2つ目は、世代間交流としての役割です。町には高齢者から子どもたちまで幅広い世代がおりますが、生活スタイル
としては核家族化が進み、ひとり世帯、高齢者のみの世帯も増えておりますので、普段の生活の中ではなかなか世代間
の交流が持てない状況になっていると思います。そこで、体験教室などを開催し、世代間交流を行うことで、知識や文
化の継承が図られ、また、それぞれの生活に潤いや活気、そして人を思いやる心が育ち、より一人一人が元気で温かい
町になるのではないかと考えました。以上です。
参加者:私は幼稚園勤務をしています。どうしても幼稚園だと井の中の蛙になってしまうので、あえて別な分野で話をさ
せていただきました。
今日、この日に至るまで、こんなにたくさんの話し合いとか、皆さんが集まってここまでしてきたということを全然
知らずにいて、今日は午前中で好きなことをお話しさせていただいたので、失礼させていただきます。
農産物ということで、全然畑の違うところのお話なのですけれども、やはり国見を活気づけたいということで、道の
駅が主になってくるかなと。道の駅が重要な役割を果たすのであれば、国見町で一生懸命頑張りましょう。道の駅でつ
くられた桃や干し柿、いろいろなものを販売するのはもちろんなのですけれども、同じ震災に遭われた人たちと協力し
合って、海のほうからの産地からそういう海産物などをこちらの道の駅に持ってきて運んでいただいて、反対に、そち
らの海のほうで桃や干し柿などを売っていただいて、お互いに交流し合って、お互いに助け合っていけたら、なおさら
本当にすてきな国見町になるのではないかなということを思って提案させていただきました。そして、その中でいろい
ろなアイディアも生まれてくると思うし、生き生きと皆さんそれぞれの方たちが知恵を出し合って頑張っていけるので
はないかなと思いました。
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今度は新しい役場もできますし、新しい役場はすばらしい役場で、やはり町の顔になるので、道の駅も充実した、本
当に内容の濃い、道の駅はみんなそれぞれ来ますよとは言うけれども、やはりまた足を運びたいなと、国見町の道の駅
はとてもすてきなところだよと人から人に伝えていただければ、いろいろな方が来られるし、また再度来られる方もい
ると思うし、そうやってくる中で、今度は観光名所とかを歩きたくなったりとか、1回ではわからない、2回ではわか
らない、3回ではわからない国見のよさを知っていってもらうといいかなと思いました。
やはり、国からの補助金はいただいていると思いますけれども、人と人が架け橋になって国見町のよさを生かしてい
けたらいいなと思いました。失礼いたします。
参加者:こんにちは。今回、国見町の道の駅ということで、道の駅、人との交流も図れる場が欲しいなとも思いまして、
そこから国見を発信できるスペースを持ってもらって、人がせっかく来るのであれば、国見に住んでみたいと思うよう
な PR ができるようなスペースもあったらいいのかなと思います。以上です。
参加者:自分が挙げさせていただいたのは、商業・工業の発展だけなのですけれども、人口を増やす、国見に定着しても
らえる人を増やす。人口を増やすのは子ども、子どもは親がいないと生まれませんので、その親は勤める先が国見にあ
れば国見に在住できる。単純な流れなのですけれども、誘致だけでなく、今ある会社さんの代表の方がもう一つ会社を
つくったり、そういう方向の見方はあるかなと思います。道の駅にも役所関連の何かが入るというのはあとで見ました
ので、そこでも国見にある会社の雇用枠、求人などを提示したらいいかなと思います。以上です。
参加者:今、いろいろな意見が出たのですけれども、これは道の駅というワードをきっかけにしてさまざまな意見が出ま
した。それは自分らの分野だけではなくて、ほかの分野の、外から見ていた意見だったりというのもあったと思います。
道の駅というのは、こういう意見を出せるきっかけとなって居続けてほしいなという部分と、あとは今出たアイディア
とアイディア、これをつなぐツールとなっていってほしい。またそれを具現化する場として、道の駅を国見町で活用で
きればいいのかなというふうに思いました。それを持つと、人と人とのつながりなども深まっていくのではないかなと
いうところで、簡単ではありますが、まとめとさせていただいて、私らの発表とさせていただきます。ご清聴ありがと
うございました。
司会:ありがとうございました。
それでは次のグループですね。「人と人とのつながりを実感できる町がいいな」をテーマに選ばれたところです。
参加者:よろしくお願いいたします。私たちは「人と人とのつながりを実感できる町がいいな」ということで、
主に商店街、
商業の部分と、そして農業の部分に着目させていただきました。まず、私から商店街について何点かお話しさせていた
だきます。
私も仕事柄、国見から外に出て、ほかの町の方に「国見町ってどんなとこ?」とよく聞かれます。国見町というワー
ドを聞かれて、自分がそれに答えようとしたときに、一番最初、国見のイメージでわくのは、やはり中心街、商店街をぱっ
と思い浮かべてしまいます。
正直なところ、やはり今、国見町の商店街はどちらかというと元気がないような状況に思えています。休みの日なん
かですと、やはり店が閉まっているところというのも見受けられますし、人通りもあまり多くはないのかなと思ってい
ます。
そんな中で、どのように商店街を盛り上げていくことができるだろうかということで、いくつかの案のほうを出させ
ていただきました。その中で、商店街を一方通行にするのはどうだろうかという案が出てきました。今は道路が二車線
ありまして対面通行になっていますが、そちらを一車線だけにして一方通行化する。そして、空いたスペースをすべて
歩道にするというのはどうだろうかという案が出ました。そうすることによって、多くの人々がその歩道をゆっくり歩
いて商店の中を見て、そして選んで買い物をすることができるのではないか。また、歩道のスペースが広くなりますから、
車もいくぶんとめやすくなります。ですので、駐車場にとめて歩いて商店まで行くのではなく、商店の前に車を止めて、
そこで降りて買い物をすることができるのではないか。そうしますと、ご高齢の方なども商店街に行きやすくなるので
はないだろうか、そのような意見が出ました。
1.C E R A 事 業 活 動
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また、その商店街で何か目玉的なもの、国見町ならではのものをつくることはできないだろうか、そのような案も出
ました。国見町だけあって、ほかの町にないもの。二重堀がいいのではないか。
そして、国見町は歴史の町ですので、それを多くの商店街のほうにいろいろな形でつくることができるのではないだ
ろうか、そのように考えました。例えばですが、今、歴史ブームで「歴女」という言葉もあるほどですので、何か国見
町の歴史に関係する人たちの銅像をつくって、商店街の遊歩道のところになんか置いておく。例えば、義経像であった
り、頼朝像であったり、藤原の何か像であったり、それを、今は歴史ブームで、ちょっとイケメン風につくっているも
のもありますので、アニメのキャラクターのようなものにしてもいいので、そういったものを展示してみる。そうすると、
歴史好きな人たちがそこに集まってきて、国見町ってこういうことをやってるんだ、という、そんな形で、ほかの町に
はない国見町独自のものを展示することができるのではないだろうか、そのような意見が出ました。
続いて農業を説明させていただきます。
参加者:今の方のお話の引き続きになるのですけれども、国見町の特産品というと、先ほどから何度か話が出ているので
すけれども、桃やリンゴというのがあると思います。私も実際、桃とリンゴをつくっていて、お客さんに買ってもらう
ときに、「あかつき」は知っているんだけれども、そのあとの桃は知らなかったり、例えばの話なんですけれども、黄色
い桃なんかはもう安くなってしまって、あまりつくらなくてもいいかなんて思うんですけれども、食ったときがないな
んていうお客さんも結構いらっしゃったりします。よく考えると、いまいち PR しきれてないのではないのかということ
があります。
あと、個人的な話なのですけれども、よく最近思うんですけれども、例えば、私たちにとっては当たり前なのだけれども、
例えば今、桃の剪定の時期なのですけれども、どこでも今は剪定して枝打ちをしてます。あの枝もお客さんにとっては
重要なキーワードで、枝を飾っておくと、
「これ、ちょうだい」といって、リンゴを売りにいくときなのですけれども、
「リ
ンゴを買ったらプレゼントしますよ」なんていうと、
要らないのかなと思うと、
「え、
いいの?」なんていってごっそり持っ
ていってもらったりして、こういうのも何か1つのヒントだなと思っています。
今、義経の話とかが出たので、それにこじつけというわけではないのですけれども、例えば桃の箱なんかも、近くの
資材屋さんで買ってくると「福島の桃」という箱に入っているんですけれども、せっかく国見でつくっているので、義
経が薪に座ったり、二重掘があるのだから二重堀のイメージとか、あとは義経のキャラクターを桃の段ボールに描いて
おいて、今、若者たちによくはやっているスマホとかでピッとやるとその情報が載ってくるやつにする。国見町の紹介だっ
たり、もちろん桃はこうやってつくったんだという熱い思いだったり、二次的な情報というのも加えられたりして、し
かも、その桃も道の駅にでき上がるものと一緒にやるのですけれども、どれもいいものばかりを詰めるわけにもいかな
いから、みんな一生懸命つくって、その箱を買ったときに、噂というか口コミで、
「義経の箱の桃買ったらうまかったね」
なんていうと、「じゃあ、買いいくべ」なんてなったりしていくといいなと思います。
ちょっと見づらいですけれども、人とのつながりという話になると、結局、口コミだったりなんだりで、そうやって
国見町の歴史だったりなんかもうまく、利用というとちょっとあれなんだけれども、うまくしていくといいのかなと農
業サイドとしては話が出ました。
参加者:今のように、商業・農業について私どもはそのような考えを持ちました。商業についても農業についても、特に
そうだったのですが、ずっとは話し合い中で必ず出てきた言葉が、やはりそのためには町民一人一人の意識を変えるべ
きではないだろうか、そういう意見が出てきました。なぜなら、皆様もこのような集まりに来ると、どうしても脇を見
てみると、また同じメンバー、いつもこういう場所に来るのは同じ仲間、同じメンバー、そういったメンバーの人たち
が多いのではないでしょうか。
そこで、国見町民一人一人の意識を変えて、国見町はこれをやるんだと。
「国見町はこれから歴史を推していくんだ」
でもいいですし、「桃を推していくんだ」「果物を推していくんだ」
「米を推していくんだ」と、誰か旗を振った人間がい
れば、その旗を振った旗に向かって町民みんながそっちを向いていく。そして、一人一人が「国見町ってどんなところ?」
と聞かれたときに、胸を張って「国見町はこんなところだよ」と大きく自慢できるような、そんなまちづくりをしてい
くのが必要なのではないだろうか、そういう意見になりました。
ですので、例えばですが、そのためには先ほどから歴史についていろいろ言っていますけれども、学校の授業の中で
国見町の歴史について子どもたちに勉強させてあげて、国見町ではどういう合戦が行われて、どんな武将が来て、ここ
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で実際にどういう歴史が行われたのか、子どもの小さいうちからそういうことを教育で教えていくのも一つの方法では
ないだろうか。そして、一人一人が国見町を自慢できる、それが人と人とのつながりになっていくのではないだろうか、
そういう意見になりました。以上です。
司会:ありがとうございました。最初のグループは浜と里の交流などもキーワードに、子どもたちをどうする、そんなこ
とも出されていましたが、今の発表もすばらしかったですね。私はちょっと感じたのですけれども、商店街を一方通行
にしろというのはなかなかアイディアとして出ないところかなと、そんなふうに思って聞いていました。それでは次の
グループ、お願いをしたいと思います。
参加者:よろしくお願いします。私たちのグループは、女性が輝ける町になったらいいなということで、それをテーマに
意見を出し合いました。皆さんが出された問題としては、やはり年代差とかがあるので、町として、田舎という言葉を
使うとちょっと間違いかもしれないのですけれども、そういう場所によくありがちな閉鎖的なものであったりとか、子
育て世代の方たちが仕事をしたりするのに一生懸命になりすぎて、町のこういう活動に参加しにくかったり、お母さん
たちがサークルをつくったりして自分たちで活動したりする場所が、今は役場が仮庁舎になっているというのもあるの
ですけれども、そういう場所が少ない。そして、農業者などにやはり若者・女性が少ないということで、そういう問題
が多々あるということがわかりました。
それに対して、町としては、参加しやすい開放的な、あしたのフードフェスタのようなイベントであったり、町長と
の意見交換会など、そういうものをやっていただいているので、それはすごく有効ではないかという意見が出たのです
けれども、女性同士でサークルをつくったり、年配の方はされているのですけれども、若い人たちがサークルをつくっ
たり、イベントを自主的に行うということに対して、男性でもそうなのですけれども、女性のリーダー的な方を育成す
るというのを行政で、セミナーなどをやる等の手伝いというか、そういう機会を設けていただければという意見も出ま
した。
そして、そういうことを繰り返していくことによって、国見に長く住んでいる人だけではなく、閉鎖的な問題がある
ので、新しくお嫁に来た方、新しく引っ越してきた家族の方とかも、そういうイベントなどを通してどんどん参加して
いただいて、年代関係なく町に溶け込んでいただくということが大事だと思いました。
そして、ちょっと重なってしまうのですけれども、年齢、性別、そこの垣根のない関係を、5年、10年、何年でもかかっ
てもつくっていくことによって、性別が関係なくなっていくので、女性がそれぞれいろいろな活動をして、子どもたち
と一緒にさらに活動したりということで、女性が輝けることになるのではないかと思いました。以上です。
司会:発表ありがとうございました。まさに女性のリーダーということで発表してくれたような感じになりましたが。そ
れでは最後のグループ、お願いをしたいと思います。
参加者:よろしくお願いします。私たちは、女性が輝ける町になったらいいなというテーマについて話し合いをしました。
まず初めに、ここで指す女性とはどういった立場の女性なのかという話し合いになりまして、まとまった意見が、子
育てをしながら働いている女性、すなわち育児と仕事を両立している女性のことを指すということで定義づけいたしま
した。
それを踏まえて、女性が輝くとはどういったことを指すのかということについてですが、いろいろな意見が出まして、
まとめますと、家事と育児をしながら母親として頑張る一方で、仕事や趣味にも精力的に取り組む女性ということで認
識いたしました。
参加者:よろしくお願いします。このテーマを考え、話し合ったときに、現状として、父親、母親ともに働いている家庭
が多く、役割分担をして、育児にもっと協力してほしいなと思う部分もありますが、すべてを協力してもらうわけには
いかないので、子育ては楽しいと思いながらも、仕事との両立ができ、女性にとって子育てしながらも働きやすい町に
なるような働きかけが必要ではないかという課題になりました。
そして、子どもの遊び場としてももたん広場がありますが、単調で、子どもにとっては遊びに行くと飽きやすいとい
うところもあり、それ以外にも遊び場が必要という課題が出ました。
1.C E R A 事 業 活 動
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最初に挙げられた問題解決のために、現時点で町にないもので、町にあったらいいなと思うものを、まずハードの面、
施設の面からみんなで挙げてみました。そこで出された意見として、
みんなで集まれる居酒屋さんだったり喫茶店がない。
あと、買い物ができるお店が少ないので、お店があったり、アウトレット施設が欲しいという意見。あと、図書館があっ
たらいいという意見や、ももたん広場以外にも子どもが遊べるような施設が欲しいというような意見もあり、現在、町
で道の駅の整備を進めていますが、このような機能を少しでも取り入れてもらえればという意見が出されました。
参加者:女性が来てほしい、女性がぜひ行きたいということを踏まえて、農業の面では、国見町は自然豊かな農業の町と
いうことを掲げており、その中でも果物づくりが盛んです。この果物づくりの管理作業や収穫作業を親御さんに体験し
ていただくことで、おいしいものを直接畑で食べることで喜んでいただけるとともに、親子の関係もより深くなるとい
うことで一石二鳥になるのではないかと思いました。
それで、また歴史の町ということに関しては、昔から続いている祭りが数多くあるので、そこで女性が活躍し、入り
やすい祭りがあればいいのではないかという意見が出されました。この農業と歴史を生かすことによって、女性が興味、
関心が湧くのではないかという意見が出されました。
参加者:ここまでは女性に輝いてもらうための女性にとっての受動的なものでしたが、女性自身が能動的に輝ける仕組み
をつくるよう、考えることも必要ではないかという意見がありました。
3つあります。1つは女性が主体となって女性が町おこしをする仕組みづくり。2つ目が趣味活動、サークル活動の
活発化。特に母親としてではなくて、ひとりの女性としての輝きを出せるような、そういった活動はどうかということ
です。そして3つ目、こちらは先生からの意見があったのですが、転入してきた女性を先輩の女性町民がサポートでき
るような仕組みづくりもよいのではないかという意見がありました。
これからつくられる道の駅のようなハードの資源と、今ある国見町の農業や歴史といった既存の資源、そしてこういっ
た人に対するソフトの面を合わせることによって、10年後には育児をしている女性とか、これから社会進出をしたい人、
あるいはそこから健康的なリスクを抱えている人とか障害がある人、ない人、そういった女性たちも輝ける国見町にな
るのではないかという話になりました。以上です。
司会:ありがとうございました。皆さん、きれいにまとめていただきましたね。本当にありがとうございました。4つの
グループの方に皆さん、拍手で、頑張ったねということで、よろしくお願いします。
― 第3部
コメント&意見交換 ―
コメンテーター
二瓶由美子 氏(桜の聖母短期大学キャリア教養学科長・教授)
鈴木
和隆 氏(NPO法人うつくしま NPOネットワーク事務局長)
太田
久雄 氏(国見町長)
岩崎由美子(福島大学行政政策学類教授)
(進行役) 小沢
喜仁(福島大学地域創造支援センター長)
小沢:皆さん、お疲れさまです。福島大学の地域創造支援センター長をしております小沢と申します。よろしくお願いい
たします。
ここからは今までのワークショップを受けまして、コメンテーターの方にいろいろとコメントをいただきながら、こ
のまちづくりの課題についてお話をさせていただきたいと思います。
先ほどのワークショップは、実は午前中に開催されたわけでございますけれども「こうだったら良いのにな。くにみ
~キラキラな未来のために~」ということで、テーマをいくつか設定しておりました。女性が輝ける町になったらいい
な、もうかる農業の町がいいな、年寄りが元気な町がいいな、人と人とのつながりを実感できる町がいいな、それから、
子どもと一緒に成長できる町がいいな、というようなテーマをあらかじめ設定しまして、それぞれのグループにおいて、
先ほどご紹介のあったようなテーマに基づいてお話がされたわけでございます。
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今回、二瓶先生、それから鈴木先生に加えまして、基調講演を務めていただきました岩崎先生と太田久雄国見町長に
も加わっていただきましてお話をさせていただきたいと思っております。
まず、それぞれのコメンテーターの方に、ワークショップそれから基調講演を聞いていただいた感想も含めまして、
自己紹介とコメントを3分程度でいただいて、それから先、皆様からまたコメントをいただきながら、最後にまとめる
というふうにしていきたいと考えておりますのでよろしくお願いします。
それでは、席がちょっと変わっておりますけれども、まずは太田町長のほうから、皆さんの元気なことをいただいて、
また町の取り組みとしてもご紹介いただきながら、ごあいさついただければと思います。よろしくお願いします。
太田:それでは1番にご指名いただきましたので、私のほうから、コメントといいますか、先ほどごあいさつ申し上げま
したので、ベースはそんなところにあるかなというように思いますが。
まず、岩崎先生から非常にすばらしいお話をいただきまして、私自身も、1000年の歴史のまち、そして100年の今後を
どうするかという議論ですね、この計画について、私なりに読んだり見たり意見を言ったりしてまいりましたけれども、
あらためて本当にすばらしくうまくまとめていただいたなと、このように思っておりまして、まず心から感謝を申し上
げさせていただきたいと思います。
その中で、特に私が意識したのは、やはり「里とまち」
。国見町はまさにまちであり、里であるという連携をどうする
のかという議論、これは当たり前の話でありますけれども、このことがやはりまちのベースにあるのかなということを
あらためてまず感じました。
それから、道の駅のネットワークですかね。お互いにどういうふうに交流しネットワークを図るのかということですね。
湯川では2カ月で30万人ですか、すごいですね。うちは50万人にしたいと思っていますけれども、そのくらいの気持ち
でやはりやらないとだめかなと思っています。やはりネットワークをどうつくるか。今、まちづくり会社をつくりなが
らいろいろやっていますので、これはそういう思いで私もやっています。絶対、黒字、黒字というふうに言っています
ので、そんなことでぜひやってまいりたいと思います。非常にありがたいお言葉をいただいたなと。
あとは、藤田病院との連携の話ね。これは本当にありがたいことですね。まさにこの1万人の人口の国見町に300床を
超える病院がある。このこと自体、非常に私はすばらしいことだと思っていますよ。これはどこにもあまりないですよ。
ですから、これをいかに大切にするか。あることの大切さをお互いにやはり感じ合わないといけないと思います。ここ
は大切です。今、黒字を出すべくばんばんやっていますので、
なるべく今年は黒字を出します。そういう思いを込めてやっ
ていますので、そういったことで、これもいいご指摘をいただいたかなと思っております。
あと、いろいろとフィールドワークをありがとうございました。私は中身はあまり聞けなかったのですが、パンフレッ
トはすばらしいですね。本当に。あれだけのパンフレットをつくるなんてなかなかないことではないですかね。ありが
とうございました。感謝申し上げたいと思います。
それから、それぞれ皆様方が思いを込めて発表をいただきましたが、だいたい私の思いとオーバーラップすると思い
ました。だいたい私もそういうことは思っていましたね。そういうことを思いながら、今、道の駅を含めやっています
ので、なるべくそこに近づくように頑張っていきたいと思っています。
ただ、3つだけ「おっ?」というのがありました。1つは、一方通行を町中でしようぜ、そして銅像を建てようぜ、
ということを言いましたね。あれは私は考えていませんでした。そういう発想もあるかなということがまずわかりました。
それともう1つ、桃の箱。義経とかをやったらいいだろうという話がありましたね。あれも私は考えていなかったで
すね。やはりこれもひとつのいいアイディアだなというふうに思います。これはやはり今後、十分検討する必要がある
かなと。
それからもう1つ、女性の関係、女性が輝く観点で、女性のサークルのリーダー育成、そういったものを町でやるべ
きだと言いましたね。町だと言いました。そこもちょっと認識していませんでした。これは民間型かなという意識は強
く持っていたので、そこをどうするかは、これはやはり民間と行政がどういうふうに連携するのかという観点からいく
必要があるかなと思いますけれども、その辺がちょっと私と違ったところかなと思います。それ以外は、皆さん、本当
にご発言いただいて、それは私、今後、十分意識をして、今後の道の駅を含むまちづくりに生かしてまいりたいなと、
このように思っております。
以上です。ちょっと長くなりました。ごめんなさい。
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小沢:ありがとうございます。それでは二瓶さんのほうから。
二瓶:皆さん、あらためましてこんにちは。私のグループでは、まずはやはり、とても皆さんが道の駅に期待していると
いうことにとてもびっくりしました。いっそのこと道の駅をキーワードにして、そこに何が欲しいかということを話す
ことが、町の側で出してくださった細かいテーマに結局はつながるのではないかということでお話をしましたら、全く
そのとおりになりました。
私自身、さっき岩崎先生もおっしゃっていましたけれども、なかなか国見町にご縁がなくて、思い返してみると、国
見町には花粉症によく効く薬を売っている漢方薬の薬局があるというのを昔聞いたことがあって、もう1つはサバのみ
そ煮が有名ですね。そんな感じだったのですけれども。
今、少子化対策の協議会のほうをお手伝いさせていただいて、今日もメンバーの方が何人かいらっしゃっていて、今
日はスーツだなと見ていましたけれども、その会の中でとても強く実感したのは PR不足でした。皆さんがおっしゃった
のは、国見町ほど子育てしやすい場所はない。なぜかというと保育料が安い。これは確かに周囲に聞くと、延長保育の
お金というのは結構ばかにならなくて、本当に皆さん苦労していらっしゃいます。その中で国見町は、特筆できるくら
い子育てしやすいのだということで、これは売りになるんですね。
あと、果物がおいしいのは福島全般に言えるのですけれども、いろいろお聞きしていると、本当に国見の桃のおいし
さとかいろいろなことがわかります。うちの短大の食物栄養専攻の学生もいろいろお手伝いしていて、あしたのフード
フェスタにも参加しますので、ぜひ皆さん、桜の聖母の学生のコーナーに行ってみてほしいと思います。こんなふうに
PR するといいですね。どんどんと遠慮しないで PR していくということがすごく大事だなと思いました。たくさんのい
い点を PR するための発信の方法というのを、インターネットとかいろいろな SNS などを使いながらしていく必要がある
のかなと思いました。
それから、皆さんの道の駅へのさまざまな期待を聞いていると、ここにもキーワードがありました。交流です。他の
地域との物流、物々交換をして売ったらどうかというのはすごくいいアイディアだと思いました。
それから異年齢交流です。家の中だと、やはりお姑さんに何か言われたら嫌だなというのがあるかもしれないけれども、
他人だったら子育てのアドバイスも素直に聞き取れるのではないかとか、こういう異年齢交流というさまざまな交流が
キーワードだと思いました。
子育ての少子化対策の中でも出てきた出会いの場のない国見町という国見町の欠点もありました。これも道の駅が解
消してくれるのではないかなと思います。居酒屋をつくるとか、カラオケボックスをつくるとか、そこまではなくても、
若者サークルの居場所をつくれば、そこで月に1回でも集まって何かをする。あるいは若いママさんたちが子どもをど
こかへ預けてネイルのアートでも楽しむ時間をつくる。今の若い人たちが欲するいろいろなものを、道の駅を拠点にし
て何か提供することによって、新しい出会いの場とか、新しい発想も生まれてくるのではないかな、そして、それを全
国的に PR するぐらいの勢いで宣伝していくということが大事なのかなということを思いました。
言っているだけでは簡単すぎるので、私はぜひ桜の聖母短期大学一丸となって、みんなで取り組みたいと思います。
例えば1日カフェやりたいから聖母の学生を派遣してくださいといったら学長に交渉します。そんなことをして、ご一
緒に国見町の活性化に力を合わせていけたらいいなというのが私の今日の率直な感想です。
小沢:ありがとうございます。鈴木さん、お願いします。
鈴木:第4グループの人たちと一緒に今日は勉強し、いろいろ発表ができました。あんなに上手にまとまるとはちょっと
びっくりで、うちのメンバーは頑張っているなと。機会をつくって、これからもそこに座っている5人とは付き合って
いきたいなというふうに思っています。
われわれの専門は NPO活動の支援ということに尽きるのですが、そういう中で、こういう場合の私たちの立ち位置と
いうのは、こういう構想や考えを具体的な形にする具現化というところに一番力を入れています。大学の先生や行政の方、
地域の方がいろいろ考えてくれたことを、実際に形にしていくところに力を入れていきます。
例えば、この10年間くらいでも、福島県内で48くらい会社をつくっています。その支援活動をしています。ですので、
会社をつくるのが最終的に一番いいというわけではありませんけれども、具現化の一つの方法だと。
今回の「里まち文化交流都市構想」という構想に「1000年」というキーワードがあったので、1時間くらい早く国見
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町に来て自動車でずっと回りましたら、1000年がいっぱい残っているんですね。ところが、その脇にゼロ年のようなの
も結構あるので、そこをどういうあんばいにするかと。
そして、これからの100年をつくるために、今日、キーワードになっている道の駅というのがあれば、道の駅にさまざ
まな機能をつけることは当然なのですが、そういう道の駅にヒトやモノやカネを集め、制度をつくり、仕組みをつくり、
今日の私の言葉でいえば、会社をつくり、地域の方がそこの中で、女性も農業の方も輝いていくような仕組みをどうつ
くるのかと。
では、そういう手法はあるのかないのかとなれば、いろいろな手法はあります。そういう手法の中で、最近、いろい
ろな形で注目されていて、先ほどの岩崎先生の事例の NPO法人などのような仕組みというのは、覚えていってほしいの
ですが、コミュニティビジネスという手法です。なんで日本でやるのに横文字なのかというふうにはなりますが、あと
で機会があればもう少し説明しますが、コミュニティビジネスという手法があります。この手法を正しく使えば、新し
い制度をつくることができ、ヒトやモノやカネ、あるいは行政との協働なども前に進んでいきますし、既存の組織であ
る商工会や自治会などとの手のつながりも、もちろん大学やそういうところとの手のつながりも、十分やっていくこと
ができるので、コミュニティビジネス、略して CB ですが、なんとなくニュアンスをつかまえてほしいのは、地域の課題を、
以前は補助金とか行政で任せるので済んだのですが、これからは行政や商工会などと連携し、力を合わせながら、地域
の課題を解決していくための1つの手法が CB 、コミュニティビジネスだということです。もう一回まわってきたら、具
体的なことをお話しします。
小沢:それでは岩崎先生、お願いします。
岩崎:ありがとうございます。ワークショップのお話を、私も本当に共感できるな、納得、納得というふうに聞かせても
らいました。
道の駅のお話の中でも、震災で被災された浜通りの人と連携して海産物を売ったり、相互に交流し合って物産をお互
いに売っていこうよというアイディアは本当にいいと思いますし、それが本当に実現できればいいと思いますね。
西会津町に「よりっせ」という道の駅があるのですが、そこは姉妹都市交流を沖縄とやっているんですね。沖縄県の
石垣島とやっていて、なぜかあそこへ行くと、沖縄の石垣島の「ちんすこう」などのお菓子とか、いろいろなものが売っ
ています。道の駅は、もちろん地産地消の拠点としても大事なのですけれども、その町との関わりのあるさまざまな交
流の拠点として PR していくのはすごくいいと思うし、まさに、さっき私がお話しした震災からの協働的再生という視点
からも、浜通りの人と連携して励まし合いながらやるということを PR していくというのは、多くの消費者の共感を得る
ことができるのではないかなという気もしました。
道の駅のお話と、商店街と農業のお話もありました。これも本当にユニークなアイディアがいっぱいありました。渋
谷さんもおっしゃっていましたが、消費者はもちろん桃を買いに来るのだけれども、その枝をあげると喜ぶという。そ
れも、私もいろいろなところで聞くんですよ。消費者に直接販売している農家の方が、注文が来たときに、桃だけでは
なくて、ちょっと葉っぱを何枚か入れてあげるとすごく喜ぶとか、自然の香りを少し箱の中に詰めて送ってあげると、
本当にそんなことでも喜んでくれて、リピーターになってくれるという話はすごくよく聞きます。だから、そういった
発想も、まさにこれまでずっと消費者とおつき合いされてきた農家の方が持っているノウハウのひとつかなと思うので、
そういう温かい交流ですね、本当に等身大のサービスが提供できるような道の駅になると本当にいいなと思いました。
あと、2つのグループは女性が輝く町ということで、お母さんたちのサークルの話もありましたけれども、そういう
拠点にも道の駅というのはなり得ると思うんですよ。実際、さっき湯川の話をさせてもらったのですが、湯川でも、道
の駅の施設の近くに、町民が集まる集会所、ごく簡単な会議室が何個かある集会所みたいなものをつくって、そこに登
録サークル制で、そこを利用できるサークルが格安で部屋を使える、そういう仕組みをつくっているんですね。道の駅
に出荷している若い農業者の方たちが新しいサークルをつくって、そこで勉強会をしたり、そういう拠点ができることで、
あそこで集まって何かやろうかという住民の中から内発的に仲間づくりをしていく動きは、もしかしたら後押しができ
るのではないかという気がします。
そんなことで、日ごろなかなか横のつながりがあまりないお母さん方、若いお母さんたちが集まれる拠点として道の
駅を存分活用して、そういう楽しいサークル、たぶん「仲間づくり」と「発信」がキーワードになると思うので、そういっ
たことに道の駅をどんどん使ってほしいなと思います。
1.C E R A 事 業 活 動
45
最後のグループの方がおっしゃったように、女性自身が能動的に動ける。今のアベノミクスの女性の活躍促進は、「女
性の活用」と言ったり、女性をいかに経済成長に使っていくかという受動的な位置づけが目立つなというところが私な
んかはやや気にしているのですが、そうではなくて、女性自身が主体的に動いて、自分自身の幸せのために、あるいは
地域をより元気にしていくために、自分たちに何ができるだろうという、そういう動き方、そういう発想、そういうも
のがこの拠点の中でいろいろな形で実現していくと本当に私もいいと思いました。
小沢:ありがとうございます。いろいろとコメントを伺ってまいりましたけれども、やはり私は、先ほどのワークショッ
プの皆さんの発言のまとめで一番びっくりしたのは、皆さん、自分の言葉で語っていらっしゃるというところです。課
題に基づいて、いろいろな問題意識をきちんと皆さん自身の中で取り込んでいて、それに対する解決策のようなところ
まで考えられている部分がたくさん見えるなということで大変感心をいたしました。
ここから先、皆さんにこの会場に多くお集まりになっていらっしゃいますので、岩崎先生にこれまでに地域の中でも
いろいろと仕掛けづくりをしていただいてきています。またそのところも含めて、会場の中の皆さんからご意見をいく
つかいただきたいと思います。また、こういうところは賛成だとか、若い人たちのところにエールというようなところ
でもぜひいただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
フロア:先ほどちょっと岩崎先生とお話ししたのですけれども、そちらにいらっしゃる方は皆さん学識高い方たちがずっ
と並んでいらっしゃる。私は大きな意味で、われわれの時代というのは都会、都会と、ずっと出ていった時代でしたね。
今それがピークになって問題になってきているんですね。
私は最近、発想を変えてほしいと思うんですね。学生を集めるのでもなんでも、都会とかに行って集める手段と同時に、
同時にそうなっていますから行ってしまうのですけれども、逆にそちらにいらっしゃる方が出てくるという。地方へ発
想を、子どもたちが実際に行動として出す方法を、むしろ僕はこれだけ考えてほしいと思うんですよ。行きすぎですか
らね。ものごとというのは行きすぎたら、また戻すということ。あまりにも都会、都会と、みんな行きすぎてしまうから、
それを少し、学識経験者というか、行政の立場も含めて、少し展開してほしいですね。地方へ出なさいと。
僕が政治家に言いたいのは、これだけ道路が便利になって、どうして企業は集中しなくてはいけないのか。私から言
わせるとですね。この辺にあったって2時間もあれば東京に行ってしまうわけですよ。こちらに来て誘致してもいいわ
けですよ。ところがやっている本人は意外と見えないのです。僕はそうだと思うんですよ。人間の性みたいなものでね。
あそこにあんなにいいところがあるではないかと。交通の便はどうなのかというところから発想してやったら、いくら
でも僕は、日本の交通網がこれだけ発達しているのを出し切っていないですよ。要するに国見と一緒ですよ。国見もこ
れだけ交通の要点にいながら、それを出し切っていないということです。ということは、皆さんがそういう発想をして
いるからです。僕は今、先生方に申し上げている。子どもたちに、地方に行ってみなさい、そこにいっぱいあるよと。
可能性もあるし、地方もいいところがあるんだよという、本当にむしろ少しやってほしいと私は願いたいですね。総合
的にいうとそういうことです。
小沢:はい、ありがとうございます。今、高校3年生はだいたい福島県には2万人おります。そのうちの6,000人が東京と
いう名の関東平野に出てまいります。県内の大学で受け入れている1学年当たりの人数は2,000人ぐらいになります。そ
れ以外の方はそれ以外のところに散らばっていく。でも、福島県は就職率が四十何パーセントと高いので、外のところ
に学生としていらっしゃっているのは2,000人程度かというふうに思われますけれども、こういうような状況で、私たち
が例えば地域回帰というふうに言ったときには、かなり情報発信をしないといけないと思いますし、また、そういう情
報発信がきちんとわれわれができているかというところもまた課題になろうかと思います。またここら辺の知識はあと
でパネラーの方のお聞きしながら進めたいと思います。ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。お願いします。
フロア:番外編かもしれないのですけれども、キラキラな未来のためにということで、キラキラは輝く人ということでい
うと、今やはり桃畑とか柿の畑とか、もう木が切られて寝ている畑がたくさん見受けられるのですけれども、私もそう
いう農家に嫁ぎながら全然やっていない立場なのですけれども、お父さんがやはり、その柿の木の写真を撮って、毎年、
国のほうに納める補助はいただいていると思うのですけれども。だから、一概にこうしてほしいとは言えないのですけ
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福島大学地域創造支援センター年報
2015
2016年2月
れども、畑を見ると悲しいなと。
今、現に、桃畑とか柿の畑で、一生懸命作業をされている方たちは本当に一生懸命されていると思うんです。でも、
その寝ている畑を見ると悲しいなと思うと、これは何か利用できないものかなと思うと、風評被害で食べ物がだめだと
いうのだったら、花畑を。何だかわからないけれども花を咲かせましょうという方法もあるし、
白石でいうと菊畑をつくっ
ているところもあるけれども、そこそこではあるけれども、でも、その畑でも田んぼでも、いっぺんに貸し出ししてもらっ
たら困るけれども、家庭菜園というか、何反分というのかわからないですけれども、いっぺんにたくさんよこされても
困るけれども、貸し出しではないけれども、何坪でいくらですよ、みたいな感じで、家庭菜園みたいな感じで貸し出し
たら、農家までいかないけれども、ちょっと家庭菜園をやりたいなという人が生き生きとやっていけるのかなと。あと、
震災でこっちにこられた方たちで何かをやりたいという方たちなんかは、そういうのを利用できるとどうなのかなと。
でも、国からの補助金というのと兼ね合うと、儲けというとおかしいですけれども、どんなもんなのかなと思ってしま
うのですけれども、寝ている畑を見るたびに胸が痛むなということでお話しさせていただきました。すみません。
小沢:ありがとうございます。本当に活性化ということからすると、休んでいる土地やそういうところを見ると、また工
場を閉じなければいけないなんていうところを見ると胸が痛みますけれども、そういう企業さんやいろいろな商店のお
店が次代につながっていくというところは非常に大事ではないかと私も思います。
そういうところで、先ほどの議論の中にも、実は官と民が何をやるかというところが出てきていまして、官の役割と
民の役割というのは、またあとで少しパネラーの方にもコメントをいただきたいと思いますけれども、今のことでしたら、
町の中で投資を動かす仕組み、民間企業の方として企業化する場合には投資が容易になるような仕掛けが必要かもしれ
ませんし、民間レベルで土地を使ったりする場合には、そういういろいろな制度の工夫というところがあると、うまい
こと動いていくのではないかなと。そういう皆さんの意識をぜひまた、もうちょっと聞かせていただければと思ってい
ますけれども。
先ほどリーダー育成のところでも、町長さんのほうから、民がやることなのか官がやることなのか非常に悩ましいと。
今までは官は考えてこなかったというようなお話がございましたけれども、この辺のところについてご意見をいただけ
たらと思いますが、いかがでしょうか。ぜひ皆さんの考えているところをお願いします。
フロア:今日の「1000年のまち。これからの100年のまちづくり基本計画」ということで、非常に参考になりました。なか
なかここまで町民の皆さんの理解はほど遠いのではないかなと思っていたのですが、本当にわかりやすく説明いただき
ましてありがとうございました。
私は、この町には、先ほどフォーラムあるいはディスカッションの中にもあったのですが、実は結構、国見町には歴
史があるという各人の意見がいっぱいありました。ただ、残念ながら、その歴史を十分に理解されていないのかなとい
うところが大きい課題だと思います。私も郷土史研究会に入っていまして、地域の郷土の歴史ということについて関心
がありましてやっているのですが、確かに人口減少で三百何十人いた会員が、今は200人くらいになっております。なか
なか郷土史会のほうも機関誌をつくるだけが精いっぱいでありまして、ただ、機関誌も、郷土史会の菊池利雄先生がい
らっしゃるということで、阿津賀志山防塁で問題とか、あるいは、今日も文化センターでは藤田城についての第2弾を
やっておりますし、それから昨年は塚野目城ということもやっております。非常に、いわゆる阿津賀志山古戦場以外にも、
こういった隠れた貴重な文化遺産がいっぱいあります。そして、近代遺産としては西根堰、こういったものがありまして、
本当に国見町というのは多くの遺産のある町なのだなというふうに理解はしますが、残念ながら町民の皆さんはあまり
関心がないのかなと。
ただ、こういう場において、あるいは歴史のまちづくりどうだこうだというのですが、本来ならば、町の歴史をもっ
と理解してほしいなと思います。例えば、庚申といういわゆる石碑がございますよね。こういった碑があちこちに点在
しております。これは江戸時代が非常に盛んでして、
昭和の初期あたりまで非常にこの町でも盛んに行われておりまして、
神社とかお寺さんの境内には結構な庚申の碑が祀ってあります。残念ながら、この碑は何のための碑だとか、こういっ
たことがほとんどわかっていないんですよね。ですから、それをやはり考える場として、もう少し歴史ということにつ
いての関心を深めてもらいたいなというのが私は課題だと思います。ぜひ郷土史会のほうに参加いただきまして、国見
町の歴史についてもう少し詳しくご理解いただければ、ありがたいなと思います。
それから、国見町は文化センターという立派な殿堂がございます。こういったものが、今回、役場が新築されますと
1.C E R A 事 業 活 動
47
またまた復活できまして、この県北地区では有数の私は文化の殿堂だと思っております。ですから、非常にこういった
ものを施設を利用して、大いなる文化の活性化を行っていければいいのかなと思います。
それから、それにプラスアルファ、スポーツ施設が多いのです。これは上野台運動公園もありますし、いろいろな体
育館もございます。町を絡めますと非常にこういった運動施設が多いということで、この利活用がやはり必要なのかな
と思います。例えば、農家民宿でもなんでも結構です。先ほど地産地消というふうに言っていました。ですから、農家
の方はつくったものを農家民泊でもなんでもいいです。こちらで合宿をさせて、この施設を利用していただいて、国見
町との交流を行ってもらえればつながりができるのではないのかなと思います。
それからもう1つ、国見町は奥羽山系ということで、南に面した、あるいは東に面した山が多いところでございます。
ですから、そういう意味では、いわゆる太陽光発電ですね、こういったものの利活用が私は大いにできるのではないか
なということで考えておりまして、飯館村でも今回、皆さんの出資によって太陽光発電も行いましたし、そういう意味
では、これからの課題としてこういったことも含めて、民間も、あるいは官も含めて、検討いただければありがたいな
と思っております。以上です。
小沢:いろいろとご提案をいただきました。繰り返しませんけれども、あとでまたコメントをコメンテーターのほうから
いただきたいと思います。もう一人、手が挙がっていらっしゃいましたので、お願いします。
フロア:私も今の方の発言と似たような感想を持っているわけですけれども、国見町の住民が約1万を切った中で、やはり、
こうして大学の支援を受けながら、いろいろと国見町の立地条件等を生かした活性化に向けたお話を聞かせていただき
ましたが、一番は現場にいる私たち住民がいかに行動を起こすかということが大きな課題であり、キーワードではない
かと私は思っています。
私も以前からいろいろこういうことに関心も若干ではありますが関心を持ってきました一人ですが、こうして今日こ
のフォーラムの内容を聞かせてもらいながら、若い方々が前向きにやる気を持って頑張ろうとしている姿に本当に感激
しました。ぜひ町長さんにも町長さんとしての執行権を大いに発動していただきまして、こうした光が無にならないよ
うに、そして、ほかに勝る国見町にしていってほしいなと、そんなふうに思っております。よろしくお願いしたいと思
います。
小沢:ありがとうございます。まだいろいろとあろうかと思いますけれども、時間が実は押しておりまして、大変申し訳
ございません。今のご意見を踏まえながら、コメンテーターの方に少し、時間は押してしまいますけれども、3分から
5分ぐらいでお願いしたいなと。町長さんに一番最後に。よろしいですか。たぶん、いろいろな方からお答えが出たり
して、それで町長さんにまとめていただければと。
鈴木さん、先ほどいろいろな地域のビジネスというところで、官と民というようなところも踏まえまして、お話をい
ただきたいと思います。
鈴木:実は、福島県で道の駅がつくられ始めたころ、道の駅の経営診断というのを国交省から5カ所くらい受けて2年間
ほどやりました。ですから、決算書も含めて全部見た上でやった経験があるのですが、どの場所かは言いませんけれども、
福島県の中通りとか、その辺のところでいくつかやりました。
ざっくり感想を言えば、農家の庭先や畑にある売りたいようなものとかを並べている道の駅はほとんどうまくいって
いないですし、今現在も悪戦苦闘はしています。細かいことは言えませんが、いろいろな仕掛けをつくらないと進まな
いということですね。売る専門家はたくさんいるわけですから、売る場所ではもちろんなくて、さまざまな方から出て
いるいろいろな仕掛けが必要かと思います。
そういう中で、コミュニティビジネスという表現を先ほど言ったのですが、コミュニティビジネスがすべてではない
のですけれども、今、国などで論議されている「まち・ひと・しごと事業」とか、
「地方創生」とかというキーワードの
陰には、自助と共助と公助という3つの言葉があります。自助は自分が助ける、共助は共に助ける、公序が公の助けと。
これをあまり厳密にすると人に優しくなくなってしまうので、あいまいにしながら、全体をうまくバランスとる必要が
あるのですが、自助、共助、公助の中で、自助という部分で自分たちの町を考えたときにコミュニティビジネスという
手法が出てくるということです。自分たちのところを、自分たちの課題でやろうと。
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福島大学地域創造支援センター年報
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2016年2月
先ほどフロアの方から「1000年のまち」らしいいろいろなものがあるのだと。それで郷土研究会へと。そこはちょっ
とコミュニティビジネスとは若干違っていて、それはそれでもちろん大事なことなのですが、コミュニティビジネスの
場合には、1000年の歴史のいろいろなものがあるんだと。では、どうするか。商工会青年部が集まって地元の旅行会社
をつくるか。あるいは地元に旅行会社があるなら、その旅行会社の定義をもう一回やり直すか。そうすると、旅行会社
が国見町の歴史的なものを情報的に管理して、旅行のコンテンツをつくって、中央の JTB とか近畿日本ツーリストにそ
れを売るということなんですよ。それを売ると、福島まで桃狩りに来ている人たちが、福島では味わえない歴史的なこ
とを、国見にちょっと14から15キロ足を運ぶことができるという、そういう発想がコミュニティビジネスなんですよね。
ビジネスだからといって、別に金もうけではないのですよ。金を絡ませながら、そういうふうに考える。
では、次のステップはどうなのかとなると、歴史的遺産を利用したコミュニティビジネスが成立した。その事業所は
駅の道にあるねと。危ういけれども若い人たちがトライアルで社長をやっているのでみんなで応援しようねという人も
だんだんできてくるかもしれない。そうすると、バスが道の駅に何台かとまり始めると、当然、このバスの5台のうち
1台くらいは地元にとまってくれるといいのだけれどもな。でも、4号線のあのホテルではないよなと。では、どうし
たらいいのかな。古民家がある。では、古民家の再生もこの旅行会社が受け持ってやるかというように、次々考えてい
くと、これ以上は時間の関係で言いませんが、私的にはさまざまな農業体験であるとか地域での体験ができるし、10年後、
20年後を考えたときには、国見町にある工業団地はかなり、歴史的ではないですが、国見町の工業団地は10年後、20年
後はかなり悲惨だと思うんですね。特色ある企業群に再編成していけば、働く場も出てきます。関係者がいたらごめん
なさい。あのままではなくて、10年後、20年後、30年後に続ける国見町に必要な企業に再編していく。これを再立地と
いう専門用語でいいます。立地させるのではなくて再立地というやり方があるのではないかと。一応、コミュニティビ
ジネスというのはそういう考え方です。お伝えできましたでしょうか。
小沢:ありがとうございます。二瓶先生、お願いします。
二瓶:皆様のフロアからのご意見をお聞きしていて私が実感したことは、私たち一人一人が常に当事者であることが大事
だなと思いました。批評家になるのは簡単なのですけれども、当事者として何ができるか。
ふっと思い出したのですけれども、まだ私が専業主婦で、PTA代表として国の、当時まだ文部省だった審議会の委員
として出ていたときに、文部官僚がこういうことを言ったんですね。学校週5日制の導入とかいろいろなことをめぐっ
て全国的な教育の改革といったときに、ふっと思ったので、若かったので率直に言ってしまったんです。
「そういうこと
をおっしゃっているけれども、皆さん、文部官僚は、自分のお子さんは四谷大塚とかいろいろ塾に入れて、土曜日も勉
強させて、格差が生まれるだけじゃないんですか」と言ったら、そのとおりになっているのですけれども。そのときに
京都大学の学長とか上智大学の学長とか偉い方たちが「よくぞ言った」といって褒めてくださったのですけれども、そ
んなことも思い出しました。
そういうことから脱却していくために、先ほどとてもいいご意見がありました。東京へ、東京へと出していたこと。
私は地元の短大で働いていますから本当に苦労しております。もう疲れ切っております。今の時期までも高校をまわっ
ております。「ぜひとも地元の短大へ」というふうに言っていますが、相手にされません。先生方は、
「目指せ東大、目
指せ早稲田」とかといっているので相手にされないんですね。
ですから、皆さん、ニーチェの言葉にあるのですが、
「汝の足元を掘り起こせ。そこに泉あり」なのです。近くの神様
はありがたくないとかと言いますけれども、やはり私たち一人一人が当事者になって、地元をよくしていくために何が
自分にできるだろうかと考えていくところから始まるのかなというふうに思っています。一人一人が努力することによっ
て、この前も役場の皆さんに申し上げたのですけれども、こんなにすてきな方たちがいっぱいいたら、皆さんが広告塔
ですよ、なぜ地元で働いているのかを動画を撮って発信したらどうですかと。今日も若いお母さんたちがたくさんいらっ
しゃって、皆さん、キラキラしていますよね。こういう女性たちを動画に撮って、国見町はこんなにすてきな女の人がいっ
ぱいいるということを PR するのもいいのかなというふうに思いました。
あまりまとまりのない話ですが、私は一貫して皆さんと一緒にいろいろなことを頑張ってみたいなと思っております。
小沢:ありがとうございました。それでは岩崎先生、お願いします。
1.C E R A 事 業 活 動
49
岩崎:今の二瓶先生の言葉はすごくいいなと、当事者としてまちづくりに関わろうよというのはすごくいいなと思ってい
ます。確かに批評家はたくさんいます。うまくいくのかなと遠巻きにして見ているような人たちがたくさんいるのだけ
れども、そういう中で、やれる人、やりたい人、思いがある人だけでもまず始めて、一点突破で何かやろう。そうしたら、
何かそこからまた新しいつながりが生まれてくるのではないか、そんな気がするんですね。
さっきの地方回帰のお話もそうですけれども、最近、若い人たちの目線というのが地方に向いているというのをもの
すごく感じます。つい昨日、長野県に講演に行ってきたのですけれども、そこで出てきたパネルディスカッションのパ
ネリストの皆さんは、みんな一度、東京なりで大学のすごい有名大学を出ているんですよ。有名な大学を出ていたり、
あるいは外国へ留学してキャリアを積んで、東京のメルキュールというホテルで勤めていたのだけれども、やはり農業
がしたくて長野へ帰ってきましたとか、4年間ずっと自衛隊で働いていましたけれども、自衛隊の大きな組織の一つの
部品になるのが嫌で、やはり農業がやりたくて帰ってきましたとか、そういう人が結構たくさんいて、それぞれの人が
ものすごい力とネットワークを持ってふるさとへ帰ってきてくれている。その人たちがまたふるさとで新しい仲間をつ
くって、自分たちの農業の魅力、地域の魅力を発信していく、そういう動きが最近、各地で生まれていると思います。
福島は震災・原発事故を経て、世界のフクシマになってしまった一方で、逆に福島がすごく有名になって、全世界か
ら福島を応援したいという動きが出ているんですよね。この好機をうまく、さっき危機を好機にという話がありました
けれども、若者たちが地方に向いている目を、ぜひこちらの国見も、子育てがすごくしやすい町だよとか、そういった
ことでいろいろ PR をしていくことで関心を持ってもらう、目を向けてもらう。そういうことは決して不可能ではないの
ではないかと。
さっきの寝ている畑、私も非常に寝ている畑の話に共感して、内谷でも学生たちと一緒に、内谷に残した耕作放棄地
がどのくらいあるか調査をしたんです。やはり結構、サルとかイノシシが山から下りてくるという畑が結構あるんです
よね。内谷では、そこの木を抜いて、桜の木を植えてきれいに整備をしたりとか、その耕作放棄地をなんとかしようね
という動きが出てきた。でも、そういう取り組みをするのは、やはり集落の中でみんなと話し合って、こういうことは
大事だよねとみんなで合意をつくって、じゃあ、耕作放棄地のここだけきれいにしてみようか、そのためには今こうい
う補助金があるから、こういうのを入れてみようかと、まず話し合いから始まる。そういう場をいかに集落につくって
いけるかということがすごく大事なのかなと思います。
さっき、歴史の話が出ました。これも本当に大事なことだと思っていて、たくさんの人が歴史に関心を持つには、楽
しくないとやはり参加できないと思うんです。楽しく参加する。これは今回の委員会の会長の杉本先生が小田原で実践
されているのですが、小田原では小田原歴史検定といって、小田原に関するいろいろな歴史に関するクイズをつくって、
それで検定を受けて、あなたはプロ級の歴史家何級とか、そういう非常に楽しい仕組みをつくって、町民、子どもたち、
それから外から来た旅行者も巻き込みながら、楽しく歴史を学ぶ場をつくる。
その話を聞いて、私も学生と一緒に「内谷検定」をつくったんです。この間、内谷で発表しました。何かそういう楽
しい仕掛け。さっきコミュニティビジネスの話もありましたけれども、楽しくみんなが参加できる工夫というのがやは
り必要なのではないかな。みんな楽しく笑顔で参加しようよと、そういう場を国見の至るところにつくっていく、それ
が基本になるかなと思いました。
小沢:ありがとうございます。それでは最後のところを太田町長にまとめていただきたいと思います。よろしくお願いい
たします。
太田:では、最後に私のほうからですね。まず3人の先生方には、私ども国見町に対しましていろいろとアドバイス、あ
るいはその方向づけをいただいたということで、まず感謝を申し上げたいと思います。
私のほうから、官民の役割といいますか、その話が出ましたので、それについて基本的に私の考えを申し上げたいと
思いますけれども。実は、私も37年間、県職員をやっていまして、官民の役割をどうするのかという議論は常にやって
まいりました。特に法律に抵触する問題とかがいろいろありますよね。これは絶対に官でやってはだめだというのがあ
るんですよ。そういうところを十分意識をしながらここまでやってきましたし、あとは、官と民というのはなるべく連
携を図る、お互いに支援し合えるという立場をどうするのかということ、このことを念頭に今まで私自身はやってまい
りました。
皆さん、大震災が発生しました。ここで官民の役割はかなり変わってきています。逆に法律が変わったりもしていま
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福島大学地域創造支援センター年報
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すし、今までだめだったものが法律改正してできますよということもどんどんできています。したがって、やはり大震
災後の今、復旧・復興のまっただ中でありますから、実は私が町長になって2年ちょっとたちましたが、やはりこれは、
先ほど誰かが旗を振らないと動かないと言いましたけれども、まさにそのとおりだと思います。私はそういう意味を込
めて、今、世の中で旗を振らせていただいています。これが果たしてすべてがいいかどうか、これから検証を自分もし
ながら今やっていますけれども、やはり旗の部分、誰かがやらないとものが進まないということがあるんです。そこを
やはり、今、官民の関係はかなりいろいろなところで出てきていますので、そこが変わってきています。ですから、しっ
かりと今の状況を踏まえながら、旗を振るということが私は非常に大切かなというように思っています。
ただ、旗を振るだけではだめなのです。先ほど言いましたように、町民が当事者にならなければだめです。旗を振っ
たものにみんなでやっていくというスタンスをつくらなければだめだと思うのです。私は「オール国見」という表現で
これを表現させていただきました。まさにみんなでこの震災復旧・復興、一番小さい国見町が、旗を振った中にみんな
で一緒に方向づけをしましょう、みんなで進めましょうということが、私のいう「オール国見」が込められています。
ですから、そこはみんなで、お互いに当事者になりながら、その方向が間違っていれば変えながら、間違っていなけ
ればそういう方向にお互いに進みながら、一番小さい国見町であります、復興もありますが、そういったものを進めて
いくということで、私はこの官民というものを捉えています。もちろん旗を振る。
そして、官民ということは、ある意味で一体になっていいのではないでしょうか。法律に抵触してはだめですよ。こ
れはだめですということはありますけれども、やはり官民一体となって「オール国見」で進めているということ。この
ことが、私は今、大震災のまっただ中のベースだと思います。ここをやらなければだめです。
役場はなぜできないのか。私は放射能対策をいろいろやっています。今、課長2人いますけれども、どんどんやらせ
ています。教育長もいます。なるべくやはりそういう方向づけをする。間違っている方向はだめです。法律に抵触する
のはだめです。しかし、お互いに連携しながら、民間がやれるものは連携しながらやっていこうではないかと旗振りを
して、そこについてきてもらう。そしてまちおこしを進める。こういうことをやらないと、今は進まないと私は思って
います。
特に震災の復旧・復興、心の元気を取り戻すさまざまなイベント、それから、道の駅の整備、そして「歴まち計画」、
これは非常に重要な課題のところばかりであります。今が旬なのです。今やるのです。今やることによって、小さい国
見町、本当に小さい国見町です。1万ですよ。福島市は30万あります。1万の国見町が、これから維持・発展できるのは、
やはり今がベースなのです。今が旬なのです。今しっかりやることによって、私は国見町の将来が維持・発展できるなと、
こんな思いをいたしておりますので、本日ご来場の皆様方、そして先生方のアドバイスを得ながら、そういった思いを
込めて、今後、町政をやってまいりたいなと、こういうふうに思っておりますので、先生、よろしくまたおまとめいた
だきたいと思います。ありがとうございました。
小沢:私は町長さんにまとめていただいたつもりでおりましたけれども、いろいろなお話を伺ってきますと、皆さんの中
に地域に対する共通認識といいますか、アイデンティティーやその歴史的な史物に関する誇り、そういうところから出
てくる共通認識があるのかなと感じております。これは地域の哲学というところにもつながるものではないかなという
ふうに思っております。
私は今回、いろいろな震災がありまして「レジリエンス」という言葉がいろいろ出てきました。直訳すると「復活力」
のような意味を持ちますけれども、ある災害ですとか悪い状況になったときに、そこからむくむくとまた立ち直る力と
いうのが、それぞれの地域の人がそれぞれの地域の哲学、それぞれの人が人生的な哲学をある部分共有しているという
ことが大きいのではないかなと考えているところです。
グローバル化とよくいわれますけれども、グローバル化の本質は多様性なんですね。それぞれのところがそれぞれの
よさを持っているという、こういうところを共通認識してグローバル化は進んでまいります。したがって、先ほどから
国見町は一番小さな町ですというふうに町長さんはおっしゃっていますけれども、こういうところで皆さんが地域のよ
さを認識するということがグローバル化の第一歩になる、基礎になっているのではないかと考えています。
それが地域におけるいろいろな取り組みを進めていく上で、いろいろなことが仕掛けづくりとしてやられることにな
るわけですけれども、今日のこういうような会議というのはきっかけであり、先ほど二瓶グループの方が一番最後におっ
しゃっていた言葉ですけれども、こういうような道の駅とか、いろいろなこういう話し合いというきっかけが、またツー
ルになるのだというお話をされていました。
1.C E R A 事 業 活 動
51
地域が大事に考えられるということが日本が発展していくところの一番の基本になると思いますし、またそのときに
は、皆さんの町にある歴史的ないろいろなものが次世代に向けて共通認識として子どもたちに伝えられていく、また若
い世代に伝えられていくということが何よりも大切だと思っています。そういう仕掛けづくり、また皆様が当事者とし
て課題意識を持って、それを当事者として実施していこう、解決に向けて動いていこうという息吹は大変尊重されるべ
きものだと思いますし、ぜひ、そういう場に桜の聖母短期大学さまも、私たち福島大学も加えていただいて、また大学
全体のアカデミアコンソーシアムということで県内の大学がコンソーシアムを組んでおりますので、このように近くに
専門家がおります。遠くの帝大よりも近くの地方大学ということで、今後も距離感の近い連携を進めていけたらと思っ
ておりますのでよろしくお願いします。
ともに発展していくということをお互いに祈念しまして、
この会を閉じさせていただきます。ありがとうございました。
52
福島大学地域創造支援センター年報
2015
2016年2月
平成27年度 福島大学公開講座一覧
講
座
名
障害者就労の現状と課題
担当講師
人間発達文化学類准教授
髙橋
純一
日常生活と心理学との接点:
知覚と記憶編
地域創造支援センター准教授
楽しい運動プログラム
〜身体のほぐし方と鍛え方〜
人間発達文化学類教授
歴史小説への誘い
福島大学名誉教授
木暮
照正
鈴木裕美子
九頭見和夫
会
場
受講者数
5月13日㈬
5月20日㈬
18:30〜20:00
12
郡山市労働福祉
会館
5月13日㈬
5月20日㈬
5月27日㈬
18:30〜20:00
10
福島テルサ
5月18日㈪
5月25日㈪
19:00〜20:30
※
コラッセふくしま
他
5月23日㈯
5月30日㈯
6月6日㈯
6月13日㈯
14:00〜16:00
壽一
山形大学名誉教授
早川
間
福島大学街なか
ブランチ舟場
福島大学名誉教授
勝倉
期
20
正信
福島県文学賞審査委員
高見沢
心をつなぐ国際交流
〜イギリス、ベトナム、オース
トラリア、アメリカとの交流〜
功
福島大学人間発達文化学類
特任教授
野崎
修司
福島大学街なか
ブランチ舟場
シ ャ ア・ラ ブ・チ ャ リ テ ィ の
6月13日㈯
6月20日㈯
6月27日㈯
13:30~15:00
会代表
菅野
6
良二
福島大学非常勤講師
林
由美子
福島大学人間発達文化学類教授
鈴木裕美子
『大鏡』の逸話から生きた王朝
歴史を学ぶ
日常生活と心理学との接点:
社会と行動編
福島大学名誉教授
勝倉
壽一
地域創造支援センター准教授
木暮
照正
共生システム理工学類特任教授
楽しい染色-その1:
金澤
等
染色の基礎を学んで自由製作
「電子レンジで省エネ染色、絞
り、ロウケツで、のれん、シャ
ツ、絹のスカーフ、など」
郡山市労働福祉
会館
6月20日㈯
7月4日㈯
7月18日㈯
14:00〜16:00
10
郡山市労働福祉
会館
7月1日㈬
7月8日㈬
7月15日㈬
18:30〜20:00
15
福島大学金谷川
キャンパス
7月8日㈬
7月22日㈬
8月5日㈬
8月19日㈬
18:00〜20:00
13
1.C E R A 事 業 活 動
講
座
名
脳の不思議をさぐる
担当講師
共生システム理工学類教授
小山
純正
53
会
場
福島テルサ
共生システム理工学類准教授
高原
ドイツ語入門
世界の文学、日本の文学
円
福島大学名誉教授
齊藤
寛
福島大学名誉教授
九頭見和夫
コラッセふくしま
郡山市労働福祉
会館
山形大学名誉教授
早川
正信
前日本大学教授
佐藤
期
間
受講者数
7月9日㈭
7月16日㈭
7月23日㈭
7月30日㈭
18:30〜20:00
8
9月6日㈰
9月13日㈰
9月20日㈰
9月27日㈰
13:00~14:30
14:40~16:10
※
9月19日㈯
9月26日㈯
10月3日㈯
10月10日㈯
14:00〜16:00
13
彰
ヘブライ文学研究所代表
椚山
「Life Drawing 人体素描」コー
ス:1部
義次
福島大学金谷川
キャンパス
9月26日㈯
9月27日㈰
10:00〜12:00
13:00〜16:00
12
「Life Drawing 人体素描」コー 人間発達文化学類教授
ス:2部
渡邊 晃一
福島大学金谷川
キャンパス
9月28日㈪
9月29日㈫
10:00〜12:00
13:00〜16:00
9
共生システム理工学類特任教授
楽しい染色-その2:
さらに楽しく、達人をめざそう:
金澤
等
「オリジナルのワンピース他、
柿渋染めでパラソル、バッグ、
ポリエステルも染色できる」
福島大学金谷川
キャンパス
9月30日㈬
10月7日㈬
10月14日㈬
10月28日㈬
18:00~20:00
7
ドイツ語学習でドイツ人の生活 福島大学名誉教授
を知る (Ⅰ)
齊藤
寛
コラッセふくしま
他
10月4日㈰
10月11日㈰
10月18日㈰
13:00~14:30
14:40~16:10
※
自己表現の心理学
郡山市労働福祉
会館
10月6日㈫
10月20日㈫
10月27日㈫
18:30〜20:00
13
福島大学街なか
ブランチ舟場
10月7日㈬
10月14日㈬
10月21日㈬
18:30〜20:00
6
人間発達文化学類教授
渡邊
晃一
地域創造支援センター准教授
木暮
照正
日常生活と心理学との接点:組 地域創造支援センター准教授
織行動編(夜間開講)
木暮 照正
54
福島大学地域創造支援センター年報
講
座
名
2015
担当講師
日常生活と心理学との接点:組 地域創造支援センター准教授
木暮 照正
織行動編(昼間開講)
『大鏡』の逸話から生きた王朝
歴史を学ぶ(第2回)
福島大学名誉教授
勝倉
壽一
2016年2月
会
場
期
間
受講者数
福島大学街なか
ブランチ舟場
10月8日㈭
10月15日㈭
10月22日㈭
14:00〜15:30
※
ラコパふくしま
10月10日㈯
10月24日㈯
11月7日㈯
14:00〜16:00
10
10月17日㈯
10月31日㈯
11月14日㈯
14:00〜16:00
8
10月24日㈯
11月7日㈯
11月21日㈯
12月5日㈯
12月19日㈯
10:30〜12:00
18
太宰治の世界 ― 外国文学と 福島大学名誉教授
九頭見和夫
の関係を中心として ―
ラコパふくしま
比較経済史からみる現在の日本 経済経営学類准教授
菊池 智裕
と世界
福島大学街なか
ブランチ舟場
ドイツ語学習でドイツ人の生活 福島大学名誉教授
齊藤
寛
を知る (Ⅱ)
コラッセふくしま
他
10月25日㈰
11月1日㈰
11月8日㈰
13:00~14:30
14:40~16:10
※
日常生活と心理学との接点:消 地域創造支援センター准教授
木暮 照正
費者行動編(夜間開講)
福島大学街なか
ブランチ舟場
11月11日㈬
11月18日㈬
11月25日㈬
18:30〜20:00
7
日常生活と心理学との接点:消 地域創造支援センター准教授
木暮 照正
費者行動編(昼間開講)
福島大学街なか
ブランチ舟場
11月12日㈭
11月19日㈭
11月26日㈭
14:00〜15:30
※
あまんきみこの名作童話を読み 福島大学名誉教授
勝倉 壽一
深めよう
コラッセふくしま
11月14日㈯
11月28日㈯
12月12日㈯
14:00〜16:00
9
自己表現の心理学:実践編
地域創造支援センター准教授
郡山市労働福祉
会館
11月17日㈫
11月24日㈫
18:30〜20:00
10
睡眠学入門
共生システム理工学類准教授
コラッセふくしま
平成28年
2月4日㈭
2月18日㈭
2月25日㈭
18:30〜20:00
※
木暮
高原
照正
円
共生システム理工学類教授
小山
純正
計
※受講者数の欄が※の講座は都合により開講をとりやめた
216
1.C E R A 事 業 活 動
55
平成27年度 福島大学公開授業一覧
授
業
名
担
当
講
師
生物多様性概論
共生システム理工学類教授
ドイツ語中級A
経済経営学類教授 ぐんすけふぉんけるん・まるてぃーな
黒沢
高秀
学期
受講者数
前期
0
前期
1
前期
0
前期
3
(GunskevonKölln・Martina)
ドイツ語中級B
人間発達文化学類准教授
心理学特殊講義(基礎)
地域創造支援センター准教授
生物資源開発
共生システム理工学類教授
杉森
大助
前期
1
脳神経科学
共生システム理工学類教授
小山
純正
前期
2
法社会学Ⅰ
行政政策学類教授
前期
7
心理学Ⅰ02
共生システム理工学類准教授
前期
3
絵画Ⅱ
人間発達文化学類教授
前期
1
ドイツ語中級D
経済経営学類教授 ぐんすけふぉんけるん・まるてぃーな
前期
1
高橋
塩谷
優
木暮
照正
弘康
高原
渡邊
円
晃一
(GunskevonKölln・Martina)
フランス語上級A
経済経営学類教授
佐野
敦至
前期
3
中国語上級A
経済経営学類教授
池澤
實芳
前期
2
企業と簿記会計
経済経営学類准教授
前期
2
生態学入門
共生システム理工学類教授
前期
0
スポーツ社会学
行政政策学類特任教授
前期
1
中高年の心理学
総合教育研究センター教授
前期
4
ドイツ語上級A
経済経営学類教授 ぐんすけふぉんけるん・まるてぃーな
前期
2
前期
3
後期
0
後期
1
貴田岡
信
黒沢
新谷
高秀
崇一
五十嵐
敦
(GunskevonKölln・Martina)
倫理学
人間発達文化学類教授
小野原
雅夫
共生システム理工学類教授
樋口
良之
生物化学工学
共生システム理工学類教授
杉森
大助
ドイツ語中級E
経済経営学類教授 ぐんすけふぉんけるん・まるてぃーな
(GunskevonKölln・Martina)
56
福島大学地域創造支援センター年報
授
業
2015
名
2016年2月
担
当
講
師
学期
受講者数
後期
0
後期
2
手代木有児
後期
1
渡邊
後期
2
後期
5
後期
2
後期
1
ドイツ語中級F
人間発達文化学類准教授
絵画Ⅰ
人間発達文化学類教授
アジアの社会と思想(中国)
経済経営学類教授
美術解剖学
人間発達文化学類教授
法社会学Ⅱ
行政政策学類教授
心理学特殊講義(応用)
地域創造支援センター准教授
ドイツ語中級H
経済経営学類教授 ぐんすけふぉんけるん・まるてぃーな
高橋
渡邊
塩谷
優
晃一
晃一
弘康
木暮
照正
(GunskevonKölln・Martina)
フランス語上級B
経済経営学類教授
佐野
敦至
後期
2
中国語上級B
経済経営学類教授
池澤
實芳
後期
2
戦争と平和の倫理学
人間発達文化学類教授
小野原雅夫
後期
0
簿記原理
経済経営学類准教授
後期
3
精神生理学
共生システム理工学類准教授
後期
3
ドイツ語上級B
経済経営学類教授 ぐんすけふぉんけるん・まるてぃーな
後期
1
敦
後期
0
純正
後期
1
貴田岡
信
高原
円
(GunskevonKölln・Martina)
職業心理学
総合教育研究センター教授
五十嵐
システム生理学
共生システム理工学類教授
小山
計
62
1.C E R A 事 業 活 動
57
平成27年度 地域社会連携事業一覧
事 業 名
担当教員
「願いのボラード整備事業」 人間発達文化学類
新井
浩
対象・連携先
二本松市商工会
議所
亀谷まちづくり
協議会
概
要
二本松市亀谷地区のシン
実施日
10月~2月
ボルである「亀谷坂」の
街路景観整備として、景
観整備調査研究およびボ
ラードに設置する土人形
の作成を行う。
わくわく Jr.
カレッジ
「身近な生活の科学」⑴
~「水」と「油」なかよ
し大作戦!~
人間発達文化学類
小学4~6年生 地域の子ども達に、普段
中村 恵子
千葉 養伍
千葉 桂子
7/18㈯
の生活の中から身近に科
学を感じてもらう科学コ
ミュニケーション活動の
一つ。
わくわく Jr.
カレッジ
「身近な生活の科学」⑵
~手作りクリスマスを楽
しもう!~
人間発達文化学類
わくわく Jr.
カレッジ
「身近な生活の科学」⑶
こども料理教室
(小学1~3年生対象)
人間発達文化学類
小学4~6年生 クリスマスにちなんだ料
中村 恵子
千葉 桂子
12/12㈯
理と小物づくりを通し
て、調理の基本と素材の
使い方等を学ぶ。
小学1~3年生 簡 単 な 調 理 実 習 を 通 し
中村 恵子
2/11㈭
て、食品素材の取り扱い、
包丁技能や調理技術、か
たづけの仕方など、料理
の基本と食材の不思議に
ついて学ぶ。
人間発達文化学類
わくわく Jr.
カレッジ
渡邊 晃一
「現代美術クリニック
コース」
中学生及び高校生
美 術に関する実 技講習、
ワークショップ及び講演
会等を行う。実技講習で
は、実際にモデルを見な
10/17㈯
18㈰
12/16㈬
2/3㈬
がら、人体を描く際に必
要な基礎技能を修得する。
わくわく Jr.
カレッジ
「サイエンス屋台村」
共生システム理工学類
小沢 喜仁 他
福島市子どもの 福島市内のこむこむ館を
1日全館借り切って、本
夢を育む施設
学の教職員や学生を中心
こむこむ
8/1㈯
に、たくさんの「科学実
験屋台」を企画し、体験
型科学実験等を地域の子
どもたちに提供する。
わくわく Jr.
カレッジ
「夢のキッズアスリート
プロジェクト」
人間発達文化学類
川本 和久
郡山市立富田東 福島大学トラッククラブ
に所属する陸上競技者
小学校
(日本トップアスリート)
が、小学校に出向いて行
き、陸上競技を実演・指
導する。
2/8㈪
58
福島大学地域創造支援センター年報
事 業 名
「バスケットボール」
わくわく Jr.
カレッジ
2015
担当教員
人間発達文化学類
杉浦 弘一
2016年2月
対象・連携先
要
小学生初心者・ 小学生初心者・初級者を
対象にバスケットボール
初級者
「バスケットボールの基
本を学ぼう!」
「バスケットボール」
バスケットボール指導者
講習会
概
実施日
11/21㈯
22㈰
の基本技術の修得をねら
いとした講座を実施する。
人間発達文化学類
杉浦 弘一
バスケットボー バスケットボールを初め
ル指導初心者の て指導する、または指導
中学校・高等学 を 始 め て 間 も な い 中 学
校教員
3/6㈰
校・高等学校教員を対象
に、バスケットボールの
指導の方法を伝える。
わくわく Jr.
カレッジ
「ロボット工作教室」
共生システム理工学類
高橋 隆行
小学校5、6年 自分でロボットを工作す
ることにより、ロボット
及び中学生
工作の基礎を学び、その
面白さを体験してもらう
場を、地域の子どもたち
に提供する。
3/19㈯
1.C E R A 事 業 活 動
59
平成27年度 「地域社会連携事業」実施報告書
※ 今回掲載していない実施報告書は、次年度(CERA年報2016)に掲載する予定です。
事 業 名 二本松市
担当教員 新井
願いのボラード支援事業
担当教員
浩
日
時
平成27年7月
設置実態調査
平成27年10月〜平成28年1月 制作
平成28年3月
引き渡しおよび設置実態調査
場
所
彫刻実習室
得られた
成果及び
特記事項
二本松商工会議所のまちづくり協議会
の依頼に基づき、ボラード(車止め)に
設置する彫像を5点制作した。今回の制
作で9回目となる。
昨年度までの彫像は、1.まちづくり
協議会の本事業の趣旨であるスローライ
フを表現したゆっくりと動く動物、2.二
本松市とゆかりのある事物と動物の組み
合わせ、3.大震災や原発災害からの復
興及び福島に再び福を招こうという願い
を込めた福々しい顔立ちをした動物、4.
二本松市の活気ある提灯祭りを表現した
鳥獣戯画の動物達、5.二本松市にある温
泉と関係のある動物たち、6.二本松市の
特産物と関連付けた動物、であった。
今年度は日々の暮らしの中での身近な
幸せを動物と組み合わせて制作を進めた。
この作品が二本松のみなさんに暮らしの
中にある身近な幸せを再発見してもらえ
るきっかけになって欲しいと考えている。
数回にわたる検討を経てから制作に取り
掛かり、平成28年2月に完成作品を商工
会議所に収める予定である。
二本松市まちづくり協議会の事業を支
援する本事業は今年で9回目となり、各年
度での成果は新聞にも大きく取り上げられ
ている。まちづくり協議会からは毎年大き
な期待が寄せられ、学生が制作した作品に
出会うことを楽しみにされている。
今回の作品は彫刻的魅力に重点を置き
ながらも、デフォルメやキャラクター性
を取り入れることで制作者それぞれの思
いをより強調することができた。またこ
れらを通して、二本松の方々を始めとす
る多くの人たちに作品を介して思いを伝
えるための工夫について思考し、そして
実践することができた。
実際のまちづくりの現場に触れ、人々
の身近に置かれる作
品を制作できたこと
は学生指導の観点か
らも有意義な機会で
あった。今後も本事
業に積極的に取り組
んでいきたいという
学生からの希望も寄
せられている。
千葉養伍、千葉桂子、中村恵子
日
平成27年7月18日㈯
「「水」と「油」なかよし大作戦!」
平成27年12月12日㈯
時
「手作りクリスマスを楽しもう!」
平成28年2月11日㈭
「お菓子作り教室」実施予定
場
所
及び二本松市亀谷坂
参加人数 5名
実施内容
事 業 名 「身近な生活の科学」
参加人数
調理実習室、衣服デザイン実習室
平成27年7月18日㈯
平成27年12月12日㈯
平成28年2月11日㈭
20名
17名
15名
「
「水」と「油」なかよし大作戦!」
◦
「水と油の混ざり方で違うものになる!?」
生クリームを氷水で冷やしながら泡
立ててホイップクリームを、温湯で温
めて撹拌しバターを作らせた。
◦
「油からせっけんを作ってみよう!」
食用油に水酸化ナトリウムを反応さ
せて、せっけんを作らせた。
◦
「せっけんで、ふわふわの羊毛をかため
てみよう!」
せっけんの成分で、羊毛をかためて
ペーパーウェイトを作らせた。
実施内容 「手作りクリスマスを楽しもう!」
◦
「クリスマス料理を作ろう!」
スパゲティーミートソース、サラダ、
ポタージュスープ、ロールケーキを作
らせた。
◦
「クリスマスをもりあげるグッズを作ろう!」
フェルトや毛糸、小枝を使って、ク
リスマスのトレー・オーナメント・ガー
ランドを作らせた。
「お菓子作り教室」
バター、砂糖、卵、小麦粉から、クッキー
2種類を作らせて、プレゼント用にラッ
ピングさせる。
60
福島大学地域創造支援センター年報
2015
「「水」と「油」なかよし大作戦!」
◦「水と油の混ざり方で違うものになる!?」
2016年2月
事 業 名
水と油を容器に入れて激しく振ると、
色が変化する(微小な油滴が生じて白
濁する)実験をさせたところ、子ども
担当教員
人間発達文化学類
渡邊晃一
日
時
①大学での作品制作
「身体(からだ)」の見方、描き方
平成27年10月17日㈯・18日㈰
10:30〜15:30
②外部講師による特別講座
第1回 平成27年12月16日㈬
14:40〜16:10
宮永美知代(東京芸術大学大
学美術解剖学研究室助教)
第2回 平成28年2月3日㈬
14:40〜16:10
浅尾芳宣(大阪芸術大学映像
学科准教授、福島ガイナッ
クス代表取締役)
場
所
福島大学美術棟
たちからは驚きの声が聞かれた。また、
同 じ 生 ク リ ー ム で あ っ て も、 撹 拌 に
よって水中油滴型(ホイップクリーム)
あるいは油中水滴型エマルション(バ
ター)になり、食感も変化することを
体験させた。
◦「油からせっけんを作ってみよう!」
身近にある食用油に水酸化ナトリウ
ムを反応させると固まってくることを
体験させ、せっけんが作られる過程を
理解させた。ただ、せっけんとして使
用できるまでに日数がかかるので、そ
の場ではせっけんになっていることが
確認できず、配慮が必要であったと思
われる。
◦「せっけんで、ふわふわの羊毛をかため
てみよう!」
ほとんどの子どもたちは、羊毛の原
参加人数
毛に触れるのが初めてのようだった。
得られた
成果及び
特記事項
やわらかい原毛が、せっけん水をつけ
6名
48名
31名
員の実技講義と特別企画の外部講師によ
いていた。自由にイメージをふくらま
る特別講座で構成された。
せ、色の組み合わせを考えることによっ
実技講義では、高等学校生を対象に、
て、オリジナル作品を作る楽しさを体
人物モデルを見ながら制作する講義を通
験できたと思われる。
◦「クリスマス料理を作ろう!」
①
②(12/16)
②(2/3)
本講座は作品制作を中心とした担当教
てこすると固まり、風合いの変化に驚
「手作りクリスマスを楽しもう!」
わくわく Jr . カレッジ
「現代美術・クリニック」コース
実施内容
して、
美術を通した様々な「身体(からだ)」
にたいする見方、考え方を伝えた。
子どもたちだけで、材料から料理を
特別企画では、中学、高等学校生を対
仕上げ、盛りつけやデコレーションも
象に宮永美知代氏よる「
『美女の骨格』に
させたので、こんなにうまくできて嬉
ついて」
、浅尾芳宣氏による「アニメと身
しかった、みんなと協力してできた、
とても楽しかった、全部おいしかった
という感想が得られた。家族にも教え
てあげたい、食べさせたいという感想
も得られ、料理にチャレンジするきっ
かけ作りになった。
◦「クリスマスをもりあげるグッズを作ろう!」
身近な材料を使用して3種類の小物
作りを行うことにより、製作のための
道具の扱い方やコツを学んだ子どもが
多かったように思われる。基本的な作
り方はシンプルなものであったが、一
人ひとりの子どもの個性によりいろい
ろなアレンジがみられた。題材の設定
においては、子どもの創造力を引き出
せるようにすることの重要性が再認識
できた。
体」という二つのテーマで、身体に関わ
る特別講座を開催した。
本講座では、将来、美術学校に進学を
希望している子どもたちや、漫画やイラ
ストなどを学びたい者、さらには医学や
得られた
人間工学、ファッションなど様々な視点
成果及び
から「美術」と「からだ」
「環境」に興味
特記事項
ある者が参加した。
美術や身体観が変わったという意見が
多数を占めた。
1.C E R A 事 業 活 動
事 業 名
わくわく Jr . カレッジ
「サイエンス屋台村」
担当教員
共生システム理工学類
小沢 喜仁 他9名
日
時
平成27年8月1日㈯
9時30分から15時30分まで
場
福島市子どもの夢を育む施設
所
「こむこむ」
参加人数 約1 , 400名
「科学ってオモシロイ! みんなで楽し
く体験しよう!」をキャッチフレーズに、
わくわく Jr.カレッジ「サイエンス屋台村」
を開催し、福島市子どもの夢をはぐくむ
施設こむこむの協力と、コスモバイオ株
式会社公開講座応援団の協賛を得た。例
年のように、たくさんの体験型実験や身
近な素材を使ったものづくりや体験ブー
スを屋台のように並べて、お祭りのよう
な演出によりにぎわいを創り出し、まず
は科学を楽しんでもらおうと計画した。
入戸野館長(元福島大学長)による「科
学マジック」と、共生システム理工学類
教員10名、化学研究会学生、こむこむ館
職員が実施する13の屋台で構成した。
「科
学おもちゃ作り(入戸野)」、
「水の世界(山
実施内容
口)」、「音のしくみ(田中)」、「化学で遊
ぼう!(佐藤理夫・化学研究会)」、
「つくっ
て遊べるスライム屋さん(佐藤理夫・化
学研究会)」、「『軽さ』か『強さ』か、そ
れが問題だ!(小沢)」、「体験!楽しいバ
イオ実験(杉森)」、「知覚とあそぼ(高
原)」、「脳の世界をのぞいてみよう(小
山)」、
「モーションキャプチャー(増田)
」
、
「UVチェックストラップ(こむこむ館)
」
、
及び事前募集を行った「ロボット工作教
室(高橋)」、「色って何??色で物を見分
けよう!(金澤)」の13屋台が館全体に配
置され、会場内に通過ポイントを設けて
スタンプラリーも行い、本学オリジナル
グッズをプレゼントするなど楽しんでも
らった。
得られた
成果及び
特記事項
この事業は、教職員ばかりでなく学生
らにもこのような取り組みの必要性を知
らせ、体験させる場でもあるが、一方で、
多くの来場者がある事業であり、リピー
ターとしての子どもたち、そしてその保
護者の存在への配慮も必要となっている。
子どもたちの科学への興味関心を引きつ
けることには工夫が必要であり、間口を
広くしていろいろなことを体験しながら、
多様な視点で感じてもらえるような取り
組みとなるように常に新しさを意識して
計画する不断の努力が求められている。
61
「バスケットボール」
1.わくわく Jr .カレッジ「バスケッ
事 業 名
トボールの基本を学ぼう!」
2.バスケットボール初心指導者講
習会
担当教員
杉浦弘一
日
時
1.平成27年11月21日㈯〜22日㈰
2.平成28年3月6日㈰
場
所
福島大学
参加人数
1.34名
2. 名
1.わくわくJr.
カレッジ
「バスケットボー
ルの基本を学ぼう!」
小学生初心者・初級者を対象にバス
ケットボールの基本技術の修得をねら
いとした講座を実施。
特にワンハンドシュート技術および
レイアップシュート系シュート技術の
普及(指導)
、ドリブル技術の広がりと
向上を中心に実施した。
実施内容
2.バスケットボール初心指導者講習会
バスケットボールを初めて指導する、
または指導を始めて間もない中学校教
員を対象に、バスケットボールの指導
の方法を伝えた。
午前中の講義では、練習プログラム
の立て方や練習方法の概略を解説、午
後の実技では福島大学バスケットボー
ル部の学生に模範を示してもらいなが
ら練習のポイントを実際に動きの中で
見ていただいた。
1.わくわくJr.
カレッジ
「バスケットボー
ルの基本を学ぼう!」
主たる目的であるファンダメンタル
(シュート、ドリブル、パス)について
は十分に子供達に伝えることができた。
得られた
成果及び
特記事項
学生たちも子供達への指導を経験し、
伝え方の難しさと共にスポーツを行う
ことの喜びについて再確認していた。
2.バスケットボール初心指導者講習会
現場ですぐに求められる練習方法や
試合時の対応などについて伝えること
が出来た。練習方法については学生に
よるデモンストレーションも提示する
ことが出来た。
62
福島大学地域創造支援センター年報
2015
2016年2月
※ なお、以下の地域社会連携事業は平成26年度に実施した。
わくわく Jr . カレッジ
事 業 名 夢のキッズアスリートプロジェクト
in 飯豊
担当教員 川本和久
日
時
平成27年2月27日㈮
場
所
小野町
事 業 名
担当教員
共生システム理工学類
高橋隆行
日
時
平成27年3月14日㈯
9:30~18:00
場
所
共生システム理工学類
基礎物理学実験室
町民体育館
68名
参加人数
(小野町立飯豊小学校
1年~6年)
1.陸上競技を知る:トップアスリート
わくわく Jr . カレッジ
「ロボット工作教室」
参加人数
32名
高橋研究室で開発したライントレース
によるデモンストレーション
A:ハードル
ロボット、ライトくん9号のキットを用
B:20m走
いた、ロボット製作教室を開催した。本
C:バウンディング
ロボットは、理工学類人間支援システム
D:バトンパス技術
専攻で3セメに開講されている「創造工
E:走り高跳び
房ゼミ」という講義の中で、学類2年生
F:ハンマー投げ
の学生4名が主体となって開発したキッ
トであり、当日はゼミで学生の指導を担
2.トップアスリートにチャレンジ ! !:
当した先輩学生とともに、教室の運営を
トップアスリートと児童の競走
A:ダッシュ競走:児童は学校代
表の6年男女
実施内容
作するうえでの諸注意について説明した
後、配付したマニュアルに沿ってロボッ
競 走 す る。選 手 は、 数m後 ろ
トの制作を行った。製作を完了した参加
からスタートする。
者は、会場に設けた試験動作スペースで
ロボットを動かして楽しんだ。
教室指導学生:渡邊悠太(B2)
・竹内健
学校代表の5年男女
小学校代表の児童と選手が
太(B2)
・古宮佐希子(B2)
・吉井貴大(B
競走する。児童は、ハードル
2)
・棚木瑞輝(B3)
・北島諒一(B4)
・
なし。
安西香保里(B4)
・ルイス
C:チーム対抗折り返しリレー!
チームにアスリートが入っ
て、リレー形式で競走する。
◦参加競技者
麻美・青木沙弥佳・渡辺
吉田真希子・佐藤
田嶋
行った。まず、担当学生からキットを製
小学校代表の児童と選手が
B:ハードルダッシュ競走:児童は
千葉
実施内容
真弓・
若菜・武石この実・
和也
福島大学陸上競技部
子どもたちは、陸上競技を実演、実技、
得られた
成果及び 競走というプログラムを通して楽しさ、
特記事項 またより身近に感じることができた。
カニエテ(D
3)
参加者14組のうち、13組が当日中にロ
得られた
成果及び ボットを完動させて帰宅した。前回から
特記事項 連続で参加するリピート組も2組あった。
1.C E R A 事 業 活 動
わくわく Jr . カレッジ
事 業 名 発想と「数学」
~ハイレベル「中学数学」に挑戦~
担当教員 笠井博則
日
時
平成27年2月21日㈯
場
所
共生システム理工学類
後援募金記念棟 会議室3
参加人数 20名
中学生、高校生を対象にした講座として
開講した。全国の「腕におぼえのある(数
学に興味がある)
」中学生向けに行われて
きた数学コンテスト「数学ジュニアオリン
ピック」
「広中杯数学チャレンジ」の問題
実施内容 を題材に、発想力が必要な「難しい問題」
を解説付きで解いてもらいながら、難しい
問題を解く楽しみ・感動に触れてもらった。
また、
「中学生でもわかるけど、大学で
の研究にもつながる話題」
として
「整数」
「論
理」についてのミニレクチャーも行った。
今回取り扱った問題は、中学校の授業
では通常扱われない考え方や「発想力」
を必要とするもので、高校入試などで扱
う問題より高度なものが多かったが、参
加者は難しい問題に取り組む意欲のある
生徒がほとんどだったので、こちらが用
意した問題に意欲的に取り組んでいた。
参加者の感想には「難しかった」という
得られた 意見も多かったが、全国の意欲的な中学
成果及び 生が解いている難しい問題に触れたことが
特記事項 「よい刺激になった」という感想もあった。
なお、今回は高校生の参加がなかった。
高校生の数学に興味を持つ生徒に対して、
ハイレベル「中学数学」という名称が問
題であったかもしれない。今後、意欲的
な高校生にも魅力のある講座を開講して
いくためには、内容・日程についての検
討とともに、継続的な企画の提示が必要
と考える。
63
64
福島大学地域創造支援センター年報
2015
2016年2月
平成27年度 公開講座・公開授業アンケート調査の実施報告
1.は じ め に
本稿では、平成13年度より継続して実施してい
る公開講座・公開授業の受講者アンケートの年度
難易度(問3-2、5件法)、満足度(問3
-3、「講座で何か得たものはあったか」と
いう形式で5件法)、講座の感想(問3-4、
自由記述)をそれぞれ尋ねた。
内集計の結果概要を報告する。(これまでのアン
問4は福島大学公開講座に対する要望を問
ケート実施報告は旧生涯学習教育研究センター年
う質問項目群であった。次回福島大学公開講
報及び地域創造支援センター年報の該当記事等を
座を受講するとしたら、今回の内容やレベル
参照のこと。
)なお、公開授業については調査の
と比べて、どのような内容(同・異)やレベ
タイミングの関係で、毎年度昨年度後期分(今回
ル(高・同・易)の講座を希望するか質問し
は平成26年10月〜平成27年2月)及び今年度前期
た(問4-1、複数回答可)。続いて、どの
分(平成27年4月〜8月)のデータを報告する。
ような種別の講座を希望するか尋ねた(問4
-2、複数回答可、選択肢は「教養を重視し
2.調査1:公開講座アンケート調査
調査1では、平成27年度公開講座の受講者を対
た講座」「資格取得を目指した講座」「趣味を
充実させる講座」、具体的に希望するテーマ
がある場合には自由記述欄に記載を促した)。
象としたアンケートの結果概要を報告する。
最後に全般的な要望について自由記述形式で
2.
1.調査方法
尋ねた(問4-3)。
2.
1.
1.調査対象者
調査対象者は、平成27年度公開講座(計20
講座)の受講者のうち、調査票に回答した
なお、実際に使用した調査票(平成27年度
版)は本稿末尾に付録として掲載した。
2.1.3.手続
158名(延べ数)であった。なお、一人で複
調査対象者の便宜を考慮し、各講座が終了
数の講座を受講した者もおり、データには重
する1つ前の回でアンケート用紙を受講者に
複がありうるので、データの解釈には注意が
配布し、終了回に受付に提出を求めた。調査
必要である。
票は無記名式であった。
2.
1.
2.調査票の構成
2.2.結果
初めに、調査対象者の個人属性について尋
データ総数は158であるが、項目によって欠
ねた(問1)。年代(問1-1)・性別(問1
損値があったため、合計がデータ総数にならな
-2)
・市町村レベルの住所(問1-3)に
い箇所もあった。なお自由記述部分の報告は割
ついて回答を求めた。
愛した。
問2(生涯学習講座参加経験)では、過去
問1の回答に基づき、調査対象者の個人属性
に福島大学の公開講座等に参加したことがあ
の分布について概観する。表1-1に年齢と性
るか、ある場合には今年度何講座目の参加に
別の分布を示した。やや男女比の女性優位が緩
なるのか、その回数を尋ねた。
和したものの、一昨年・例年と同様の傾向で、
問3は今回受講した公開講座に関する質問
年齢では60歳代以上が40% を占め、性別では男
項目群であり、まず講座を知った情報源につ
性:女性=45%:55% であった。男性は60歳代
いて複数選択式で尋ねた(問3-1、選択肢
と70歳代超(合わせて65%)、女性では50歳代
は「リビング新聞折込広告」「新聞記事・テ
と60歳代(57%)でそれぞれ過半数を占めてい
レビ・ラジオ」
「インターネット」
「福島大学『市
た。表1-2に市町村レベルの住所の回答分布
民のための講座セミナー案内』」「知人・友人」
を示した。例年通り、本学の立地する福島市居
「その他(自由記述)」)。続いて、受講講座の
住者が46% と半数近くを占めていた。県中地区
1.C E R A 事 業 活 動
65
の郡山市開催講座が増えたことから(昨年度(平
受講講座の難易度評価の傾向について概観す
成26年度)は追加開講を含めて2講座、今年度
る。表1-4に講座を知った情報源の回答分布
(平成27年度)は6講座)、郡山市を始めとした
を示した。例年通り「講座セミナー案内」で講
県中地区の参加者比率が伸びていた(今年度
座を知ったという回答が6割強、新聞折込広告
36% 、昨年度は20% であった)。
が2割であった。但し、男性の新聞折込の回答
比率が少なかった。これは今回リビング新聞と
表1-1
公開講座アンケート:年代と性別の分布
年齢範囲
全体
男性
いう主に女性をターゲットとしたフリー地域
誌に折込チラシを入れた関係であると思われ
女性
10歳代
1
0
1
20歳代
6
2
4
30歳代
14
8
6
40歳代
16
6
10
50歳代
28
9
19
60歳代
61
31
30
70歳代以上
31
15
16
を示した。「ちょうどよかった」という回答が
157
71
86
65% 、「やや難しかった」という回答が15% で
計
る。今後予算の関係で新聞折込広告が難しくな
ると、新規受講者の獲得が難しくなる可能性が
あり(とくに男性ターゲット層への周知が困難
になる等)、この問題は検討を要するであろう。
表1-5には受講講座の難易度評価の回答分布
あったが、大学の公開講座としては適切なレベ
表1-2
ル設定であったといえよう。表1-6に受講講
公開講座アンケート:住所の分布
住所
全体
男性
座の満足度評価(「公開講座で何か得るものは
女性
福島市
郡山市
72
57
37
18
35
39
大玉村
6
5
1
須賀川市
4
0
4
伊達郡
5
1
4
あったか」という形式)の回答分布を示した。
「大
表1-3 公開講座アンケート:過去の福島大学公開
講座受講の有無
全体
伊達市
2
2
0
あり
川俣町
2
1
1
なし
二本松市
2
2
0
三春町
2
0
2
本宮市
1
0
1
田村市
1
1
0
矢吹町
1
1
0
会津若松市
1
1
0
山形県米沢市
1
1
0
宮城県亘理町
1
1
0
158
71
87
計
問2の回答に基づき、福島大学公開講座の参
加傾向を概観する。表1-3に結果を示した。
昨年度と同様に、(アンケート集計上は)2 /
3が過去の福島大学主催公開講座等に参加した
ことがあると回答していた(上述の通り、アン
ケート回答には同一人物の重複がありうるの
計
男性
女性
109
53
56
49
18
31
158
71
87
表1-4 公開講座アンケート:講座を知った情報源
(延べ数)
情報源
新聞折込広告
新聞記事・テレビ・ラジオ
全体
34
男性
6
女性
28
6
1
5
15
4
11
101
57
44
知人・友人
8
4
4
その他
6
3
3
インターネット
講座セミナー案内
表1-5
公開講座アンケート:受講講座の難易度
講座の難易度
易しすぎた
全体
男性
女性
7
3
4
やや易しかった
22
7
15
で、実際のリピーター率自体ではないことには
ちょうどよかった
98
47
51
留意を要するが、リピーター層が重要な顧客層
やや難しかった
23
9
14
になっていることは明らかであろう)。
難しかった
1
0
1
151
66
85
問3の回答に基づき、講座を知った情報源と
計
66
福島大学地域創造支援センター年報
2015
表1-6 公開講座アンケート:満足度(受講講座で
得たもの)
講座で得たもの
全体
男性
女性
2016年2月
表1-7 公開講座アンケート:福大講座に期待する
内容・レベル(延べ数)
内容・レベル
全体
男性
女性
全くなかった
0
0
0
同テーマ・高レベル
38
20
18
あまりなかった
0
0
0
同テーマ・同レベル
53
25
28
どちらともいえない
3
2
1
同テーマ・易レベル
6
2
4
まあまああった
59
24
35
異テーマ・高レベル
30
16
14
大いにあった
88
38
50
異テーマ・同レベル
78
33
45
150
64
86
異テーマ・易レベル
9
4
5
計
いにあった」と「まあまああった」を合わせた
回答が98% であった。
問4の回答に基づいて、福島大学の公開講座
に対する要望を概観する。表1-7に今後期
待する講座の内容とレベルの回答分布を示し
た。内容(テーマ)に着目すると、同テーマを
希望しているのは97件(回答者総数(158)の
表1-8 公開講座アンケート:福島大学に希望する
生涯学習内容(延べ数)
タイプ
全体
男性
女性
教養型
116
56
60
資格型
25
10
15
趣味型
58
21
37
61%)
、異なるテーマを希望しているのは117件
(74%)であった。一昨年度は「同テーマ」=「異
テーマ」
、昨年度は「同テーマ」>「異テーマ」
の傾向であったが、今年度は「同テーマ」<「異
テーマ」の傾向であった。これまでの調査動向
3.調査2:公開授業アンケート調査
調査2では、公開授業受講生を対象としたアン
ケートの結果概要を報告する。
を鑑みると、テーマ選択に大きな傾向はないと
上述の通り、前年度(平成26年度)後期科目と
思われるが、これは受講した講座の特徴に依存
今年度(平成27年度)前期科目の受講生を対象と
した傾向である可能性もあり、今後も継続的に
した調査結果を報告する。公開講座と同様、一人
聴取し、他の回答傾向との関係性とも合わせて
で複数の講座を受講した者もおり、データには重
註1。
丁寧に見ていく必要があろう
またレベル(専門性)に着目すると、これは
昨年度までと同様に、同レベル(131件、83%)
が、高レベル(68件、43%)や易レベル(15件、
複がありうるので、データの解釈には注意が必要
である
3.1.調査方法
3.1.1.調査対象者
10%)よりも回答総数が多かった。最後に、表
平成26年度の後期科目及び平成27年度の
1-8に福島大学に希望する生涯学習内容の回
前期科目の公開授業を受講した者のうち、調
答分布を示した。例年と同様に、回答総数に対
査票に回答した34名分(延べ数)を対象とし
して7割強が「教養型」を、3割強が「趣味型」
た。なお、公開講座と同様に、一人で複数の
を選択しており、「資格型」は16% の選択に留
講座を受講した者もおり、データには重複が
まった。この傾向は調査開始以来、大きな変化
ありうるので、データの解釈には注意が必要
はなく、大学主催講座の内容・形式(教養型の
である。
講座が主体で、資格型のものはほとんどない)
3.1.2.調査票の構成
に負うところが大きいのであろう(受講経験者
公開授業受講生を対象とした調査票は、調
は自分が受講してきた講座に類するものを選好
査1とほぼ同じ形式であったが、「今回受講
する傾向があるため)。
された公開講座」という表現は「今回受講さ
れた公開授業」という表現とした。
なお、実際に使用した調査票は本稿末尾(平
成27年度版)に付録として掲載した。
1.C E R A 事 業 活 動
3.
1.
3.手続
67
問2の回答に基づき、福島大学公開講座の参
公開授業の担当講師に受講生用のアンケー
加傾向を概観する。表2-3にその結果を示し
ト調査票を事前に配布し、実施を依頼した。
た。公開講座と同様に(解釈に留意は必要であ
調査票は無記名式であった。
るが)2 / 3の者が受講経験ありと回答してお
3.
2.受講生の結果
り、男性に限ると3 / 4であった。
データ総数は34であるが、項目によって欠損
問3の回答に基づき、講座を知った情報源と
値があったため、合計がデータ総数にならない
受講講座の難易度評価の傾向について概観す
箇所もあった。なお自由記述部分の報告は割愛
る。表2-4に講座を知った情報源の回答分布
した。
を示した。公開講座と同様に、「講座セミナー
問1の回答に基づき、調査対象者の個人属性
案内」という回答が回答者総数の65% 、「新聞
分布について概観する。表2-1に年齢と性
折込」が32% であったが、次いで「知人・友人」
別の分布を示した。一昨年・昨年度と同様に、
の比率も24% と比較的高かった。表2-5には
男女比はおおよそ半々であった(男性:女性
受講講座の難易度評価の回答分布を示した。6
=47%:53%)。年齢分布では、60歳代が5割
割が「ちょうどよかった」、25% が「やや難しかっ
で、男性は60歳代と70歳代超が中心であり(合
た」と回答していた。大学の正規授業の一般公
わせて93%)、女性では50歳代と60歳代で過半
開という性質上、適切な難易度であったといえ
数(64%)を占めていた。表2-2に市町村レ
よう。表2-6に受講講座の満足度評価の回答
ベルの住所の回答分布を示した。本学の立地す
分布を示した。「大いにあった」が88%、「まあ
る福島市居住者が約7割を占め、次いで郡山市
まああった」が12% であった。
(18%)の比率が高かった。
表2-1
表2-3 公開授業アンケート:過去の福島大学公開
講座受講の有無
公開授業アンケート:年代と性別の分布
年齢範囲
全体
男性
女性
10歳代
0
0
0
20歳代
1
0
1
30歳代
3
0
3
40歳代
1
0
1
50歳代
5
1
4
60歳代
16
9
7
6
5
1
70歳代以上
計
表2-2
32
15
17
全体
男性
女性
男性
女性
21
11
10
なし
11
4
7
32
15
17
計
表2-4 公開講座アンケート:講座を知った情報源
(延べ数)
情報源
新聞折込広告
全体
男性
女性
11
3
8
新聞記事・テレビ・ラジオ
0
0
0
インターネット
1
0
1
講座セミナー案内
公開授業アンケート:住所の分布
住所
全体
あり
22
12
10
知人・友人
8
3
5
その他
3
0
3
福島市
23
11
12
郡山市
6
2
4
本宮市
2
0
2
伊達市
1
1
0
易しすぎた
1
0
1
国見町
1
1
0
やや易しかった
2
1
1
計
33
15
18
19
7
12
やや難しかった
8
4
4
難しかった
2
2
0
32
14
18
表2-5
公開授業アンケート:受講講座の難易度
講座の難易度
ちょうどよかった
計
全体
男性
女性
68
福島大学地域創造支援センター年報
2015
表2-6 公開授業アンケート:満足度(受講講座で
得たもの)
講座で得たもの
全体
男性
2016年2月
表2-8 公開授業アンケート:福島大学に希望する
生涯学習内容(延べ数)
女性
タイプ
全体
男性
女性
全くなかった
0
0
0
教養型
26
13
13
あまりなかった
0
0
0
資格型
8
0
8
どちらともいえない
0
0
0
趣味型
13
4
9
まあまああった
4
3
1
29
12
17
33
15
18
大いにあった
計
4.最
後
に
問4の回答に基づいて、福島大学の公開講座
以上の通り、今年度(平成27年度、公開授業に
に対する要望を概観する。表1-7に今後期待
関しては昨年度後期と今年度前期)の公開講座・
する講座の内容とレベルの回答分布を示した。
公開授業のアンケート結果の概要を報告した。例
内容(テーマ)に着目すると、同テーマを希望
年までの傾向との共通点や相違点は本文中に記載
しているのは31件(回答者総数(34)の91%)、
したコメントの通りである。これまでの実施報告
異なるテーマを希望しているのは19件(56%)
では当該年度のデータ・パターンから特徴的なも
であった。公開講座には一定の傾向が見受けら
のを2-3点取り上げて、若干の議論を行ってき
れていないが、公開授業については一昨年・昨
たが、ここ数年は主要なデータ・パターンに安定
年度と同様に「同テーマ」>「異テーマ」の傾
した特徴が認められることから、本稿では記述統
向が認められた。レベル(専門性)に着目する
計レベルの報告に留める。なお今後、生涯学習事
と、昨年度と同様の傾向であり、同レベルが29
業立案等に参考となるデータ・パターンの詳細な
件(85%)と、高レベル(20件、59%)や易レ
分析等については、折を見て別の媒体で報告をす
ベル(1件、3 %)よりも回答総数が多かった。
る予定である(例えば、註1等)。
最後に、表1-8に福島大学に希望する生涯学
習内容の回答分布を示した。教養型講座の希望
謝
辞
福島大学公開講座及び公開授業の受講者(生)
が回答総数(34)の77% であり、次が趣味型で
38% 、資格型を希望する人は24% に留まった。
の方々と担当講師の方々及び関係各位に、この場
公開講座と同様に、この傾向は調査開始以来、
を借りて感謝を申し上げます。
大きな変化はなく、大学主催講座の内容・形式
註1
に負うところが大きいのであろう。
木暮照正(2015).大学公開講座における
地域成人学習者のニーズ把握に関する一考察~
学習の方向性に関する動機の視点から~
表2-7 公開授業アンケート:福大講座に期待する
内容・レベル(延べ数)
内容・レベル
全体
男性
福島
大学地域創造,27⑴,29-36.を参照のこと
女性
同テーマ・高レベル
14
4
10
同テーマ・同レベル
17
8
9
同テーマ・易レベル
0
0
0
異テーマ・高レベル
6
3
3
異テーマ・同レベル
12
4
8
異テーマ・易レベル
1
1
0
(地域創造支援センター准教授
木暮
照正)
1.C E R A 事 業 活 動
69
公開講座アンケート(受講者用)
公開授業アンケート(受講者用)
福島大学地域創造支援センター生涯学習部
福島大学地域創造支援センター生涯学習部
福島大学公開講座を受講いただき,誠にありがとうございます。
今後,福島大学において企画・実施する公開講座や生涯学習支援事業を発展させていく
上での参考資料とするために,みなさまからのご意見をいただきたく,アンケート調査へ
のご協力をお願い申し上げます。よろしければ以下の問いにお答えください。
福島大学公開授業を受講いただき,誠にありがとうございます。
今後,福島大学において企画・実施する公開講座や生涯学習支援事業を発展させていく
上での参考資料とするために,みなさまからのご意見をいただきたく,アンケート調査へ
のご協力をお願い申し上げます。よろしければ以下の問いにお答えください。
あなた自身についてお尋ねします。
あなた自身についてお尋ねします。
問 1-1. あなたの年代をお答えください。当てはまる項目の数字に○をつけてください。
1. 10 歳代
2. 20 歳代
3. 30 歳代
5.
6.
7.
50 歳代
60 歳代
問 1-1. あなたの年代をお答えください。当てはまる項目の数字に○をつけてください。
4. 40 歳代
70 歳代以上
問 1-2. 性別をお答えください。当てはまる項目の数字に○をつけてください。
1. 男
2. 女
2. 20 歳代
3. 30 歳代
5.
6.
7.
50 歳代
1. 男
問 1-3. お住まいはどちらですか?市町村名(例:福島市,郡山市)でお答えください。
(
1. 10 歳代
60 歳代
4. 40 歳代
70 歳代以上
問 1-2. 性別をお答えください。当てはまる項目の数字に○をつけてください。
2. 女
問 1-3. お住まいはどちらですか?市町村名(例:福島市,郡山市)でお答えください。
)
(
)
過去のあなたの公開講座への参加状況についてお尋ねします。
過去のあなたの公開講座への参加状況についてお尋ねします。
問 2-1. 過去に福島大学が開講した生涯学習事業(公開講座・公開授業等)に参加されたことはあります
問 2-1. 過去に福島大学が開講した生涯学習事業(公開講座・公開授業等)に参加されたことはあります
か?当てはまる項目の数字に○をつけてください。
1. ある
(→「1.
か?当てはまる項目の数字に○をつけてください。
2. ない
1. ある
ある」場合は,今年何講座目の参加ですか?
(
)講座目)
(→「1.
2. ない
ある」場合は,今年何講座・科目目の参加ですか?
(
)講座・科目目)
今回受講された公開講座についてお尋ねします。
今回受講された公開授業についてお尋ねします。
問 3-1. 今回,この公開講座をどのような情報源からお知りになりましたか?当てはまる項目の数字すべ
問 3-1. 今回,この公開講座をどのような情報源からお知りになりましたか?当てはまる項目の数字すべ
てに○をつけてください。「その他」の場合は「6.」に○をつけた上で括弧内に具体的にお書き
てに○をつけてください。「その他」の場合は「6.」に○をつけた上で括弧内に具体的にお書き
ください。
ください。
1.
リビング新聞の折込広告
2.
新聞記事・テレビ・ラジオ
3.
インターネット
4. 福島大学「市民のための講座セミナー案内」
5.
知人・友人の紹介
6. その他(
)
問 3-2.
1.
リビング新聞の折込広告
2.
3.
インターネット
4. 福島大学「市民のための講座セミナー案内」
新聞記事・テレビ・ラジオ
5.
知人・友人の紹介
6. その他(
)
今回受講された公開授業の難しさの程度はいかがでしたか?当てはまる項目の数字に○をつけ
てください。
1
2
3
易しかった やや易しかった
4
5
ちょうどよかった やや難しかった 難しかった
【裏面へ続きます】
問 3-2.
今回受講された公開講座の難しさの程度はいかがでしたか?当てはまる項目の数字に○をつけ
【裏面へ続きます】
問 3-3.
てください。
1
3
易しかった やや易しかった
問 3-3.
4
5
1
ちょうどよかった やや難しかった 難しかった
今回受講された公開講座で何か得るものはありましたか?当てはまる項目の数字に○をつけて
2
3
4
2
3
4
5
全くなかった あまりなかった どちらともいえない まあまああった 大いにあった
問 3-4.
今回受講された授業の感想を下の欄内に自由にお書きください。
[
ください。
1
今回受講された公開授業で何か得るものはありましたか?当てはまる項目の数字に○をつけて
ください。
2
5
]
全くなかった あまりなかった どちらともいえない まあまああった 大いにあった
問 3-4.
今回受講された講座の感想を下の欄内に自由にお書きください。
福島大学が行う生涯学習事業全般についてお尋ねします。
[
]
問 4-1. もしも次に福島大学公開講座や公開授業等を受講するとしたら,どのような内容・レベル(専門
性の程度)の講座をご希望されますか?当てはまる項目の数字すべてに○をつけてください。
1.
今回と同じテーマで,レベルの高い
4.
今回とは異なるテーマで,レベルの高い
講座
講座
2.
福島大学が行う生涯学習事業全般についてお尋ねします。
問 4-1. もしも次に福島大学公開講座や公開授業等を受講するとしたら,どのような内容・レベル(専門
性の程度)の講座をご希望されますか?当てはまる項目の数字すべてに○をつけてください。
1.
今回と同じテーマで,レベルの高い
4.
今回とは異なるテーマで,レベルの高い
2.
今回と同じテーマで,レベルも同程
5.
今回とは異なるテーマで,レベルは同程
6
今回とは異なるテーマで,レベルをもう少
今回と同じテーマで,レベルをもう
問 4-2. 今後,福島大学が行う生涯学習事業(公開講座・公開授業等)で,どのような内容の講座なら受
講したいと思いますか?○をつけた上で,具体的なテーマがある場合には,括弧内にお書きく
1.
教養を重視した講座
(
)
2.
資格取得を目指す講座
(
)
趣味を充実させる講座
(
し易しくした講座
少し易しくした講座
)
]
このアンケート用紙はお帰りの際に受付にお渡しください。以上の回答データは
すべて統計的に処理いたします。個人データが取り扱われるようなことはありませ
んのでご安心ください。ご協力ありがとうございました。
教養を重視した講座
(
)
2.
資格取得を目指す講座
(
)
3.
趣味を充実させる講座
(
)
問 4-3. 福島大学の生涯学習事業に対するご要望がございましたら,下の欄内に自由にお書きください。
]
以上で質問は終わりです。
問 4-3. 福島大学の生涯学習事業に対するご要望がございましたら,下の欄内に自由にお書きください。
[
1.
[
ださい。なお,○はいくつつけても構いません。
3.
今回とは異なるテーマで,レベルをもう少
ださい。なお,○はいくつつけても構いません。
し易しくした講座
少し易しくした講座
今回とは異なるテーマで,レベルは同程
6
講したいと思いますか?○をつけた上で,具体的なテーマがある場合には,括弧内にお書きく
度の講座
度の講座
3.
5.
度の講座
今回と同じテーマで,レベルをもう
問 4-2. 今後,福島大学が行う生涯学習事業(公開講座・公開授業等)で,どのような内容の講座なら受
講座
講座
今回と同じテーマで,レベルも同程
度の講座
3.
記入漏れの項目がないかどうかご確認ください。
このアンケートは公開授業担当講師まで提出してください。以上の回答データは
すべて統計的に処理いたします。個人データが取り扱われるようなことはありませ
んので,ご安心ください。その他,担当講師の指示に従ってください。
ご協力ありがとうございました。
問い合わせ先:福島大学地域創造支援センター生涯学習部
2.本学教員の研究・地域連携活動
2
本学教員の研究・地域連携活動
71
2.本学教員の研究・地域連携活動
73
⑴ 平成27年度受託研究及び共同研究
所
属
研究代表者
研
究
究
課
題
共生システム理工学類
黒沢
高秀
【三井物産環境基金2012年度研究助成東日本大震災復
興助成】警戒区域および計画的避難区域内の植物相の
解明と生育する絶滅危惧種および保護上重要な地域の
特定のための植物資料および標本の収集、整理、デー
タベース化
うつくしまふくしま
未来支援センター
小山
良太
平成27年度風評被害払拭に向けた放射性物質分布マッ
プ作成並びに再生可能エネルギー活用促進に関する研究
共生システム理工学類
大橋
弘範
触媒の構造解析
行 政 政 策 学 類
丹波
史紀
【三井物産環境基金2014年度研究助成】原子力災害から
の復興と長期避難者のコミュニティ再建にむけた研究
共生システム理工学類
杉森
大助
【研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラ
ムフィージビリティスタディステージ探索タイプ】
鉛中毒の診断に有効な新規酵素の開発
経 済 経 営 学 類
吉田
樹
南相馬市における特定被災地域公共交通調査事業に係
る研究
人間発達文化学類
川本
和久
環境放射能研究所
奥田
圭
行 政 政 策 学 類
千葉
悦子
行 政 政 策 学 類
金
炳学
【平成27年度二国間交流事業共同研究・セミナー】
日本と韓国における民事手続法の展開に関する二国間
史的考察 ― 現行法制定を中心に ―
共生システム理工学類
小沢
喜仁
【平成27年度科学技術試験研究委託事業】「廃止措置の
ための格納容器・建屋等信頼性維持と廃棄物処理・処
分に関する基盤研究および中核人材育成プログラム」
共生システム理工学類
渡邊
明
環境放射能研究所
難波
謙二
環境放射能の動態と影響を解明する先端的研究
環境放射能研究所
塚田
祥文
農業用貯水池へ流入・流出する放射性セシウムの予測
技術の開発
共生システム理工学類
柴崎
直明
地下水モデルの監修
子ど もの メンタル
ヘルス支援事業推進室
黒田
美保
臨床発達心理学からの保健指導のモデル開発の検討
環境放射能研究所
塚田
祥文
野生動物の胃内容物等に含まれる放射性セシウム存在
形態調査手法の開発
共生システム理工学類
山口
克彦
【平成27年度科学技術試験研究委託事業】原発事故に
対応した教育行政・教育現場におけるリスク管理・リ
スク教育とグローバル人材育成
受
託
研
【女性アスリートの育成・支援プロジェクト】
女性アスリートの戦略的強化に向けた調査研究
天然記念物「駒止湿原」におけるニホンジカの生息状
況調査
会津美里町地域創生総合戦略策定に関する調査研究
気候変動に伴う福島県の温暖化影響評価
74
福島大学地域創造支援センター年報
所
属
共生システム理工学類
2015
研究代表者
斉藤
公彦
2016年2月
研
究
課
題
(変更契約)「太陽光発電多用途化実証プロジェクト/
太陽光発電高付加価値化技術開発事業/グリーン晴耕
雨読型分散サーバーの開発」における「電力制御ハー
ドウェアの開発」及び「太陽電池実証サイトB の構築
と実証」
共生システム理工学類
柴崎
直明
冬水田んぼによる地下水かん養調査
うつくしまふくしま
初澤
敏生
南相馬市原町区における事業所の実態調査
高橋
隆行
未来支援センター
共生システム理工学類
【平成27年度科学技術試験研究委託事業】
遠隔水中活動機器の要素技術開発と人材育成プログラ
ムの作成
共生システム理工学類
樋口
良之
水素を活用した CO2フリーの循環型地域社会における
水素需要に関する研究
受
共生システム理工学類
高貝
慶隆
マルチフェーズ型研究教育による分析技術者人材育成
と廃炉措置を支援加速する難分析核種の即応的計測法
の実用化に関する研究開発
共生システム理工学類
難波
謙二
発電所隣接サイト外領域における放射性核種の環境動
態特性に基づくサイト内放射性核種インベントリ評価に
託
関する研究(表土深部・樹木内部における放射性核種
分布特性評価と物質循環挙動に基づく移行挙動の解明)
共生システム理工学類
川越
清樹
湖沼上流域における積雪・降雪に関する微機構形成の評価
共生システム理工学類
柴崎
直明
キューバ国地下帯水層への塩水侵入対策・地下水管理
研
能力強化プロジェクト
共生システム理工学類
川越
清樹
古地図から最新空間情報を統合化した水域環境遷移
マップの開発
うつくしまふくしま
究
吉田
樹
未来支援センター
うつくしまふくしま
旧警戒区域内一時帰宅交通支援事業マネジメント業務
委託
仲井
康通
平成27年度福島県復興支援専門員設置業務委託
小山
良太
伊達市復興支援員設置業務委託
人間発達文化学類
川本
和久
二本松市川本元気塾市民の健康づくり事業
総合教育研究センター
岡田
努
未来支援センター
うつくしまふくしま
未来支援センター
震災後のレジリエンス教育プログラム開発と教育資源
の保存・活用事業
うつくしまふくしま
(変更契約)地域雇用再生・創出モデル事業「避難地
未来支援センター
うつくしまふくしま
域市町村帰還サポート業務」
瀬戸
真之
山田町震災記録伝承事業関連データ収集業務委託
小沢
喜仁
福島県緊急雇用創出事業「科学コミュニケーションに
未来支援センター
共生システム理工学類
おける人材育成事業
―
科学イベント企画者養成
―
」
2.本学教員の研究・地域連携活動
所
共
同
研
属
研究代表者
研
75
究
課
題
共生システム理工学類
高橋
隆行
クラウン減速機構及び立体カム機構製品の樹脂素材又
は最適素材による適合性検証並びに実用化用途開発
共生システム理工学類
高橋
隆行
立体カムならびにクラウン減速機の性能・信頼性向上、
応用機器開発ならびに小型化に係る共同研究
共生システム理工学類
杉森
大助
プラズマローゲンの分析方法の開発
共生システム理工学類
長橋
良隆
LA―ICP―MS による新生代超巨大噴火火山灰の微量元
素データベース作成と噴火過程の解明
環境放射能研究所
青山
道夫
福島第一原子力発電所事故によって放出された放射性
核種の海洋における挙動に関する研究
共生システム理工学類
渡邊
明
(変更契約)公共インフラを気象災害から守るための
気象レーダ等利活用に関わる研究
共生システム理工学類
石川
友保
稼働データのクレンジング及び機械学習機能の実用化
に関する研究
共生システム理工学類
大山
大
イオン液体中における金属錯体を用いた二酸化炭素の
反応に関する研究
共生システム理工学類
高橋
隆行
樹脂系圧電素子を応用した触圧覚および位置検知セン
サーの開発
共生システム理工学類
佐藤
理夫
廃棄物の処理と再資源化に関する研究
共生システム理工学類
高橋
隆行
バックラッシュレスクラウン減速機構の実用化に向け
た研究開発
共生システム理工学類
齊藤
公彦
次世代太陽電池デバイスに関する研究
共生システム理工学類
高橋
隆行
モータ内蔵型ミリサイズ・バックラッシュレス関節ア
クチュエータの開発
共生システム理工学類
杉森
大助
アミノ酸測定に使用する酵素のスクリーニング
共生システム理工学類
佐藤
理夫
発泡ゴム素材を活かした防寒着・安全保護具の研究開発
共生システム理工学類
中村
和正
大学連携研究設備ネットワークによる設備相互利用と
共同研究の促進共同事業
環境放射能研究所
難波
謙二
東京電力第一原子力発電所沖沿岸域における人工放射
性元素の動態と生態系の影響調査・研究
人間発達文化学類
川本
和久
パプリカキサントフィルのスポーツにおける有効性に
関する研究
うつくしまふくしま
未来支援センター
石井
秀樹
資源作物の生産とバイオマスエネルギー化技術開発
共生システム理工学類
柴崎
直明
(変更契約)会津盆地における第四紀地質構造解析お
よび水理構造解析(期間短縮)
共生システム理工学類
柴崎
直明
福島県内における第四紀地質構造解析および水理構造解析
共生システム理工学類
島田
邦雄
MCF技術の立体研磨への応用
共生システム理工学類
筒井
雄二
福島県における原発事故が乳幼児とその保護者の精神
的健康に与える影響に関する研究
共生システム理工学類
田中
明
究
心房細動(Af)中の CVHR の検出手法に関する研究
76
福島大学地域創造支援センター年報
所
共
同
研
究
属
研究代表者
大助
2015
2016年2月
研
究
課
題
共生システム理工学類
杉森
微細藻類に含まれる酵素に関する研究
人間発達文化学類
内山登紀夫
共生システム理工学類
高橋
隆行
環境放射能動態研究に関わる部材の精密測定に関する研究
人間発達文化学類
川本
和久
高齢者を対象としたパプリカキサントフィルの有効性
に関する研究
共生システム理工学類
樋口
良之
特定小電力通信を用いた GPS+Beacon機能付き徘徊見
守りシステム開発と実証試験
人間発達文化学類
川本
和久
日本トップアスリートの競技力向上に関する研究
共生システム理工学類
樋口
良之
水素を活用した CO 2フリーの循環型地域社会における
交通需要に関する研究
共生システム理工学類
小山
純正
ケタミンによる血圧変化の中枢性機序について
共生システム理工学類
島田
邦雄
(変更契約)東日本大震災後の福島県における乳幼児
と保護者に関するメンタルヘルスの現状調査と支援
ニーズの把握に関する研究
(変更契約)カエデ型風車の開発
2.本学教員の研究・地域連携活動
77
⑵ 産学官連携コーディネーター及び産学官連携研究員の活動報告
1)産学官連携コーディネーター(4月~7月7日) 森本
進治
1.地域創造支援センター(CERA)業務関係
⑴
CERA運営委員会ならびに CERA企画管理部会に参加(2回/年、2回/月)
◦CERA関連イベントの企画、展示会での説明や相談対応
◦環境・エネルギー分野の御用聞きなどで地域企業等のニーズ把握・シーズ紹介対応
◦再生可能エネルギー中核的専門人材養成事業(以下、再エネ中核人材養成事業)の企画
2.技術相談、研究開発関係(中小企業等を対象)
⑴
技術・経営等の相談件数:17件
⑵
環境・エネルギー分野等の研究開発補助事業等申請支援:申請4件(採択4件)
3.再生可能エネルギー中核的専門人材養成の体制整備(4月~7月7日)
⑴
平成26年度文科省委託事業「再エネ中核的専門人材養成事業」の成果報告会開催
4月11日㈯14:00~17:00 「コラッセふくしま」にて、小沢喜仁総括責任者の開会挨拶のあと、
基調講演(服部靖弘氏:福島県における再生可能エネルギー関連産業を取り巻く状況)、平成26年度
事業概要説明(森本)、受講生活動報告(板鼻幸作氏、長澤裕子氏、中野朗宏氏)、パネル討論(パネ
ラー;服部靖弘氏、奥地誠氏、柿崎隆夫氏、ファシリテーター;小沢喜仁氏:再生可能エネルギー関
連事業と人材養成について)、話題提供(仁志宏氏:ふくしま産業人材育成コンソーシアムについて)、
丹治惣兵衛氏の閉会挨拶で報告会を終えた。再生可能エネルギー関連人材養成に関するこのような報
告会がこれまでなかったことから、約80名の参加者があり、パネル討論等でパネラー間および聴講者
との間で熱く意見交換が行われるなど盛会であった。
写真1.開会挨拶
写真2.報告に聞入る参加者
⑵ 「平成27年度再エネ中核人材養成講座」の8月開講に向けた準備(3月~7月7日)
◦地域ニーズに応える地域版モデル・カリキュラム(案)の作成(4月末完了)
◦6地域のカリキュラム開発協力者との調整(4月末完了)
◦文部科学省委託事業応募に向けた企画提案書の作成(5月中旬完了)
78
福島大学地域創造支援センター年報
2015
2016年2月
4.地域との連携
⑴
福島県との連携
◦福島県と福島大学の連携推進会議に出席(会場:福島県庁)(7月8日)
◦平成27年度再エネ中核人材養成実証講座(県内開催4講座)受講生募集案内の研究会・会員企業等
への配信依頼(9/3)
◦福島県再生可能エネルギー関連産業推進研究会(事務局:産業創出課)
◦福島県輸送用機械関連産業協議会(事務局:産業立地課)
⑵
福島市商工観光部産業交流プラザとの連携
◦平成27年度第2回産学交流セミナーに参加(7/2)
◦平成27年度再エネ中核人材養成実証講座(県内開催4講座)受講生募集案内の福島市内企業への配
信依頼(9/3)
⑶
県内市町村や企業との連携
◦一般社団法人産業サポート白河・白河市主催「福島県しらかわ地域企業展示交流会」に福島大学ブ
ース出展(6/16)
◦平成27年度再エネ中核人材養成実証講座(県内開催4講座)受講生募集案内の県内企業等への配信
を下記機関・団体に依頼
◦福島県中小企業団体中央会(9/3)
◦郡山地域テクノポリス推進機構(郡山市経由)(9/3)
◦いわき産学官ネットワーク協会(9/3)
◦福島大学地域創造支援センター委嘱連携コーディネーター(20名)(9/6)
◦福島県中小企業家同友会(9/8)
5.産学官連携機関との交流、セミナー参加など
⑴
福島県電子機械工業会・福島県中小企業団体中央会主催「第31回産学官交流のつどい」に参加(7
/7)
⑵
福島県中小企業家同友会福島支部第3グループ定例会議に参加(情報交換)(7/16)
⑶
福島県・(公財)福島県産業振興センター主催「ふくしま復興・再生可能エネルギー産業フェア
2015」に参加(10/28、郡山市)
◦本フェアには、再エネ関連企業等136社および43団体・機関が出展。その内訳は、太陽光・太陽熱(33
社)
、風力(12社)、水力・バイオマス(12社・1団体)、水素・電池・スマートエネルギー・EMS(1社・
1団体)、地熱・地中熱・温度差(9社・1団体)、省エネルギー(17社・1団体)、関連ものづく
り産業(9社)、その他(3社・1団体)、複合(40社・2団体)、高等教育機関・自治体・支援機
関(36)と全ての分野で昨年度を上回り(県外・海外からの参加など)、来場者6 , 369名と質・量と
もに過去最高の盛況ぶりであった。
◦文部科学省委託事業「再生可能エネルギー関連産業の成長を牽引する中核的専門的人材の養成」の
周知と企業ニーズを把握するため、平成27年度実施6講座案内チラシを主だった企業等ブースを訪
れ、カリキュラムの普及と再エネ人材養成に関わる企業ニーズの聞き取りを行った。
2)文部科学省委託事業スーパーコーディネーター(7月8日~2月) 森本
進治
1.委託事業について
⑴
委託事業名:H27年度「成長分野等における中核的専門人材養成等の戦略的推進事業」
⑵
採択事業名称
2.本学教員の研究・地域連携活動
職域プロジェクトA(事業責任者:福島大学副学長
小沢
79
喜仁)
「再生可能エネルギー関連産業の成長を牽引する中核的専門人材の養成」
⑶
構成機関:教育・研究機関(福島大学、会津大学、いわき明星大学、日本大学工学部、静岡大学イ
ノベーション社会連携推進機構、北陸先端科学技術大学院大学、福島工業高等専門学校、学校法人小
山学園、専門学校国際情報工科大学校、産総研福島再生可能エネルギー研究所)、関連団体(福島県
産業振興センター、福島県中小企業団体中央会、福島県再生可能エネルギー関連産業推進研究会、福
島県輸送用機械関連産業協議会、福島県職業能力開発協会)、行政(福島県)の16機関
2.本年度事業の特徴
⑴
経
緯
文部科学省委託事業「再生可能エネルギー関連産業の成長を牽引する中核的専門人材の養成」に取
り組み、3年目を迎えた。この間に84名の受講生を育成し、受講生の中から中小企業庁「ものづくり
補助金」、産総研「被災地企業のシーズ支援プログラム」、福島県産総研連携再エネ等研究開発補助
事業等に続々と採択され、第61回福島県発明展で福島県知事賞を受賞するなど着実に実力をつけて
いる。
⑵
本年度の取り組みと今後の展開について
これまでの「再エネを広く浅く学ぶ講座」から本年度はそれぞれの地域のニーズに応える「再エネ
の実用的なカリキュラム」を開発し、県内4ヵ所、県外2ヵ所で8月から12月の間に短期実証講座を
開催した。本年度受講生は県内116名、県外60名で、太陽光発電システム施工技術者、地中熱利用技術者、
蓄電池関連産業人材、エネルギーマネジメント推進支援者、再エネを事業化する人材、地域型事業創
出人材の養成講座を開講した。本講座は、講義で学んだことをグループワークで講師を交え議論する
ことで、講義の理解を深めている所に特徴がある。数式では戸惑っていた受講生も、グループワーク
では現場体験を熱っぽく語る。アカデミアの「形式知」と現場の「暗黙知」の融合する場としてこの
講座を活用し、新規事業の創出に挑戦する人材養成から地方創生を先導する人材養成に発展させてい
きたいと考えている。
⑶
講座の紹介(表1参照)
◦実用的な太陽光発電パネル施工技術者養成実証講座
◦会場:郡山市市民交流プラザ、福島空港ビル、空港北発電所実習場、郡山市中央公民館
◦受講対象者:住宅用太陽光発電(PV)システムの「PV施工技術者認定」取得者及びこれから受験
される方、システム設計の基礎から設計・施工のポイントを深く学びたい方、低圧連系PVシステ
ム技術講習を受講し更に詳しく学びたい方、PV施工技術に関心のある方
◦受講生:31名(定員20名)
◦講座概要:再生可能エネルギーの研究開発及び将来展望から太陽光発電システムの設計から施工ま
での実務。太陽光発電システムの施工実習。架台にかかる荷重評価、材料と構造力学、腐食と防食
について、この業界でトップクラスの講師が分かりやすくて実践的な講義・実習を実施。
◦地中熱利用技術者養成実証講座
◦会場:日本大学工学部、郡山市・日本大学工学部再生可能エネルギー共同研究施設(赤津)
◦受講対象者:再生可能エネルギー熱利用事業に関心のある方、ECO検定・ビルの省エネエキスパ
ート検定・エネルギー管理士を目指す方
◦受講生:27名(定員20名)
◦講座概要:地中熱利用を正しく理解するとともに、実際の装置の見学を通じて、ユーザー視点に立
ってどのように設計していくのが地中熱利用の特長を生かせるのかを考え、事例研究を通じてシス
テム設計の考え方を身につける。
80
福島大学地域創造支援センター年報
2015
2016年2月
◦蓄電池関連産業人材養成実証講座
◦会場:いわき産業創造館、福島工業高等専門学校
◦受講対象者:企業経営者・企業や自治体産業支援機関の企画担当の方、自社技術・経営力を活かし
蓄電池関連の商品開発に挑戦したい方、蓄電池を利用したビジネス動向を知りたい方、蓄電池と関
連産業に関心のある方
◦受講生:35名(定員25名)
◦講座概要:「いわきバッテリーバレー構想」の概要、我が国の蓄電池戦略、多種多様な蓄電池の特
長と特性、産業用蓄電池システムや大容量電力貯蔵用蓄電池システムの現状と動向。蓄電池の応用
例として、再生可能エネルギーを活用したスマートコミュニティ、日産自動車㈱リーフを中心にし
た電気自動車の現状と将来動向。福島工業高等専門学校の「スマートグリッド実規模実験装置」の
見学を行った。
◦企業利益に貢献できるエネルギーマネジメント推進支援者養成講座
◦会場:学校法人小山学園東京テクニカルカレッジ(東京都中野区)
◦受講対象者:エネルギーマネジメントに関心のある方、ECO検定・ビルの省エネエキスパート検定・
ガラス用フィルム施工技能検定・電気工事士・エネルギー管理士を目指される方
◦受講生:25名(定員25名)
◦講座概要:省エネルギーを事例として、「現場」「現物」「現実」に主眼を置き、受講生にも試行可
能で実生活にも近い(理解しやすい)切り口から講義を進めます。入門編としての省エネ等に関す
る知識の取得にとどまらず、ビジネススキルとして素養を身につけ実践力の向上を図る。
◦2015ビジネス講座:再生可能エネルギーを事業化する
◦会場:静岡市産学交流センター・ビネスト
◦受講対象者:太陽光、木質・畜産系バイオマス、小水力などの再生可能エネルギーを活用した発電
事業に興味関心のある事業者、NPO 、地域活動者等の方
◦受講生:36名(定員20名)
◦講座概要:再エネ固定価格買取制度の見直し、電力事業法等の一部改正、温暖化ガス削減の対応に
向けて、再生可能エネルギーへの期待と課題が山積している。小規模太陽光発電事業者、木質バイ
オマス活用熱電供給事業者、畜産系バイオマスに詳しい実践型研究者、全国規模で小水力発電の導
入を支援するアドバイザー等の有識者5名の「講義とグループワーク」をセットにして、5回にわ
たり再生可能エネルギー事業化の可能性を徹底的に議論した。
◦地域型事業創出人材養成実証講座
◦会場:福島大学
◦受講対象者:再生可能エネルギーの利活用による起業を考えている方、再生可能エネルギー関連機
器のメンテナンスやリサイクル・リユースを考えている方、再生可能エネルギー関連ビジネスに関
心のある方、新規ビジネス立ち上げのヒントが欲しい方
◦受講生:23名(定員15名)
◦講座概要:再エネ関連事業を立ち上げた経営者の成功・失敗談から、再エネ事業で効果的に“稼
ぐ”考え方を学ぶ。且つ、経験豊富な経営者やインキュベーションマネジャーと再エネ関連機器等
のメンテナンスやリサイクルなど今後成長が期待できるビジネスにつきディスカッションを行なっ
た(自社に不足する人・物・金をどのように獲得するか)。
2.本学教員の研究・地域連携活動
81
写真3.黒川先生特別講義(受講生16名 + 聴講13名)
写真4.太陽光パネル施工作業
写真5.グループワーク
写真6.グループワーク(まとめ)
82
福島大学地域創造支援センター年報
2015
2016年2月
表1.平成27年度再エネ中核的専門人材養成実証講座科目一覧
開催
月日
科目
番号
講
義
等
科
目
名
時間(hr)
講
師(所属)
1.実用的な太陽光発電パネル施行技術者養成講座(郡山市)
11/11
11/12
11/28
(敬称省略)
101
地域再生可能エネルギーの研究開発とスマートコミュニティの構築
1.5
黒川 浩助(東京工業大学ソリューション研究機構 特任教授)
102
太陽光発電システム設計の概論
1.5
黒川 浩助
103
低圧連系太陽光発電システム:設計・施工の留意点
3
野立て太陽光発電パネル施工実習(1、2)
4
伊藤 博史、岩崎 政義(奥地建産㈱ 取締役、課長)
106
太陽光発電設備設計のポイント(風・雪の荷重評価)
2
植松
107
太陽光発電設備設計のポイント(材料と構造力学)
108
太陽光発電設備設計・施工のポイント(腐食と防食)
104、
5
1.5
松田 高明(京セラ㈱)
康(東北大学大学院工学研究科 教授)
小沢 喜仁(福島大学共生システム理工学類 教授)
2
押川
渡(琉球大学工学部 准教授)
2.地中熱利用技術者養成講座(郡山市)
10/31
11/14
11/21
201
地中熱利用とは?(その有益性と解決すべき課題)
2
小熊 正人(日本大学工学部 特任教授)
202
地中熱交換器の特長と設計手法
2
小熊 正人
203
ヒートポンプの原理とその特性
2
小熊 正人
204
地中熱利用のシステムの事例紹介
2
小熊 正人
205
地中熱利用システム実機見学
2
小熊 正人
206
地中熱利用システム事例を用いたディスカッション
2
小熊 正人
207
地中熱利用システム設計論
2
小熊 正人
208
地中熱利用システム設計演習1
2
小熊 正人
209
地中熱利用システム設計演習2
2
小熊 正人
3.蓄電池関連産業人材養成講座(いわき市)
10/6
10/13
10/20
301
蓄電池業界と「いわきバッテリーバレー構想」
2
庄司 秀樹(東洋システム㈱ 代表取締役社長)
302
蓄電池戦略について
2
豊川 竜太(経済産業省 資源エネルギー庁)
303
多種多様な蓄電池の特長と特性
2
阿部 英俊(古河電池㈱ 研究部長)
304
再生可能エネルギーを活用したスマートコミュニティ
2
多田 尚人(富士通㈱ シニアエキスパート)
305
産業用蓄電池システムの現状と将来動向
2
西貝 定勝(東芝ITコントロールシステム㈱ 主幹)
306
グループワーク(蓄電池を利用したビジネスを考える)
2
西貝 定勝
307
電気自動車の現状と将来動向(リーフを中心に)
2
打山 文雄(日産自動車㈱ 主管)
308
大容量電力貯蔵用NAS電池システムの現状と動向
309
スマートグリッド実規模実験装置の視察研修
1.5
2
伊藤 良幸(日本ガイシ㈱ 主任)
樋口
登(福島工業高等専門学校 特命教授)
4.企業利益に貢献できる「エネルギーマネジメント」推進支援者養成講座(東京中野区)
401
8/24
9/26
10/24
402
創エネルギー・省エネルギーの概論
「現場」
から学ぶ省エネ推進の理想と現実~ビジネスソリューションとしての省エネ技術
2
佐藤 理夫(福島大学共生システム理工学類 教授)
2
鈴木 伸隆(
(一社)省エネルギーセンター専門職)
403
エネルギーの「見える化」に関する解説と「見せる化」演習
2
鈴木 伸隆
404
空調設備の省エネ技術概論と実演(事業用施設向け)
2
鈴木 伸隆
405
電気設備の省エネ技術概論と実演(事業用施設向け)
2
鈴木 伸隆
406
事業用施設の省エネネタ簡易探索演習
2
鈴木 伸隆
鈴木 伸隆
407
エネルギーマネジメント提案
(プレゼン)作成演習
(2日目の宿題を基にして)
2
408
エネルギーマネジメント提案演習(技術・スキルに応じてグループで)
2
鈴木 伸隆
409
新・省・再生可能エネルギーシステム導入の計画と評価
2
高仲日出男(新エネルギー経済性研究センター 所長)
5.2015ビジネス講座:再生可能エネルギーを事業化する(静岡市)
10/8
10/22
10/29
11/20
12/3
501
502
503
504
505
506
507
508
509
510
地域参加型太陽光発電事業の実践
(講師を交えた)ディスカッション
木質バイオマス活用による地域電熱併給事業
(講師を交えた)ディスカッション
畜産系バイオマス・食品残渣活用によるバイオガス発電事業
(講師を交えた)ディスカッション
水力発電の開発ステップ
(講師を交えた)ディスカッション
静岡発!市民ファンドを活用した再生エネルギー事業
(講師を交えた)ディスカッション
1.5
2
1.5
2
1.5
2
1.5
2
1.5
鈴木 俊雄(白河エナジー㈱ 代表取締役社長)
鈴木 俊雄
白石 昇央(福島ミドリ安全㈱ 代表取締役社長)
白石 昇央
佐藤 理夫(福島大学共生システム理工学類 教授)
佐藤 理夫
松尾 寿裕(全国小水力利用推進協議会 理事)
松尾 寿裕
服部乃利子(しずおか未来エネルギー㈱ 代表取締役社長)
2
服部乃利子
6.地域型事業創出人材養成講座(福島市)
10/5
10/16
10/30
11/16
11/24
601
風力発電設備のメンテナンス事業
2
吉田
悟(㈱北拓 取締役副社長)
602
(講師を交えた)ディスカッション
2
吉田
悟
2
野田 松平(北九州産業学術推進機構 ものづくり革新センター長)
603
604
太陽光発電パネルのリサイクル事業化
2
野田 松平
605
(講師を交えた)ディスカッション
再生可能エネルギー事業の投資効果計算~いかに稼ぐか~
2
奥地
606
採算の仕組みと演習
2
馬渕 義弘(奥地建産㈱ 取締役)
607
組織マネジメントとは~わくわくからはじまるビジネスの本質~
2
奥本 英樹(福島大学経済経営学類 教授)
608
ビジネスプラン作成研修(講義)
2
佐藤 利雄(JSTイノベーション拠点推進部マッチングプランナー)
609
ビジネスプラン作成研修(グループワーク)
2
佐藤 利雄
誠(奥地建産㈱ 会長)
2.本学教員の研究・地域連携活動
2)産学官連携研究員
新城
83
榮一
産学官連携事業
1)福島県街なか産業人材育成事業(福島県):基本構想の策定、都市型産業人材育成の企画・立案、
実施と取りまとめ、座学および OJT における指導(昨年度継続)
県内各地で情報サービスなどの都市型のビジネスを行う新規事業者は、起業後数年を経過し、認
知度の向上により事業拡大の機会があっても、経営戦略・営業企画・財務労務管理などの面で重要
な役割を担うビジネスパートナーとなる人材が確保できないため、その機会を生かせない状況にある。
そこで県内各地でこれらの事業拡大を目指す事業者がビジネス展開を図る上で必要なサポートを
行える人材を育成し、供給することにより、県内の都市型産業を振興し、その事業拡大を通して雇
用吸収力を向上させ、もって街なかの就業人口拡大により、街なかの再生を図る。
本事業においては、都市型産業人材育成の企画・立案、実施を行なう。都市型産業人材を育成す
るために、実際に都市型産業新事業者の経営課題に対応する実地訓練(OJT)と必要な知識を習得
する講義等の座学研修(OFF―JT)を組み合わせた人材育成計画を作成し、計画に沿った研修事業
を実施する。
また、実施結果のとりまとめと報告を行う。
2015年5月1日~2016年3月31日
事業実施期間(担当講義等は割愛)
2)シニア世代の人材発掘・情報共有事業(会津若松市):基本構想策定、事業内容指導
潜在的なシニア世代の力(知識・ノウハウ・経験・人脈・コミュニケーション能力等)を、会津
若松市のまちづくり、ひとづくりに活かす仕組みを構築することで、シニア世代がやりがい・生き
がいを見出し、地域との交流・世代間交流、自身の健康維持、文化の継承、郷土愛の醸成が期待で
きると共に、青年・壮年・中年期の希望になり、新しい地域活性化・市民協働の取り組みに繋がる
事業を展開した。
「シニア世代等の活力活用に向けた情報提供や仕組みづくりの方策」検討委員会を発足させ、地
域貢献活動等に興味は持ちつつも、なかなか実践に移すことのできないシニア世代やリタイアした
方と当団体のコーディネーターが中心となり、「シニア世代等の活力活用に向けた情報提供や仕組
みづくりの方策」を話し合った。
また、実際に地域貢献活動等を行っている方々との交流・意見交換会やセミナー等を開催した。
2015年5月1日~2016年2月29日
事業実施期間
(注)◦報告期限の関係で平成27年4月1日~12月31日の活動について報告しています。
84
福島大学地域創造支援センター年報
2015
2016年2月
⑶ 連携コーディネーターの活動報告
鈴
木
耕(役職:福島市政策推進部企画経営課 主査)
1.連 絡 会 議
⑴ 福島大学地域創造支援センター連携コーディネーター等連絡会議への参加
平成27年10月23日㈮
2
委員の派遣
福島市が設置する下記委員会の委員委嘱に関する連絡調整の実施
◦福島市公共施設等総合管理計画等支援業務委託プロポーザル方式事業選定委員会
行政政策学類
3
准教授
西田奈保子 氏
そ
⑴
の 他
本市の実施事業における福島大学との連携
「ずっと福島市応援プロジェクト」
市内の大学生が、卒業後も本市へ定住・定着することを目的とした当該事業の実施にあた
り、ふくしま未来学(COC)推進室に、参加学生の募集や指導教員選出について協力を要請。
① 指導教員 行政政策学類 准教授 丹波 史紀 氏
② 参加学生 29名中 福島大学生18名
③ 実施期間 平成27年7月26日~9月30日のうち6日間
⑵ 福島大学研究・地域連携成果報告会
成果報告会の後援、及び庁内への周知
⑶ その他福島大学から依頼のあった各種講座・イベントの周知
2.本学教員の研究・地域連携活動
木
村
篤
85
史(役職:二本松市産業部商工課 主査)
①
企業への PR
二本松市内の企業訪問時に、センターの PR を図った。
誘致促進企業に対しても、訪問時に PR を行なった。
②
機関・団体への PR
二本松商工会議所、あだたら商工会に対してセンターの PR を図った。
③
二本松市産業活性化セミナー
10月15日に二本松御苑において「二本松市産業活性化セミナー」を開催。セミナーでは、市内
企業経営者等を対象に、福島県地域産業復興支援アドバイザーの堀切川一男先生を講師に迎え、
産学官が連携して中小企業のニーズをもとに商品化、実用化を進める活動やその成功の秘訣につ
いて講演をいただき、各企業の投資意欲を喚起させ、活性化につなげてきた。また、市内の企業
活動、製品開発を紹介する機会を作り、ビジネスマッチングを図るとともに、企業間の情報交換、
研究機関・金融機関・自治体など人的ネットワークの構築を図ることができた。
④
二本松市企業懇談会in東京
平成28年1月29日に東京都千代田区のホテルモントレ半蔵門において開催予定。内容は、本市
の産業振興の復興・発展に向けて、新規の企業誘致及び立地企業の増設の促進と、市外への流失
防止を図る企業留置に努める。また、経営コンサルタントショーン・マクアードル川上氏を招き
「地方創生『地方から変革をもたらすグローカル・イノベーション力とは?』」の演題で講演をい
ただく。
⑤
そ の 他
5/21
企業立地フェア2015(東京都:ビックサイト)参加
5/28
地方創生施策説明会(郡山市)出席
6/2~4 産業立地実務研修会(東京都)出席
7/1
雇用実践セミナー(郡山市)出席
7/17
津波補助金事業者等雇用確保セミナー(郡山市)出席
7/25~26 KOMA夏2015(長野県駒ケ根市)出展
10/15
二本松市産業活性化セミナー(二本松市)開催
10/29
ふくしま復興・再生可能エネルギー産業フェア2015(郡山市)出席
11/5
ビジネスマッチ東北2015(仙台市)出席
11/10~11 第121回産業立地研修会(東京都)出席
12/12
福島大学研究・地域連携成果報告会(郡山市)出席
1/29
二本松市企業懇談会(東京都)開催予定
2/12
平成27年度福島県企業立地セミナー(東京都)出展予定
86
福島大学地域創造支援センター年報
吉
2015
2016年2月
敢(役職:南相馬市復興企画部企画課 副主査)
川
1.連 携 事 業
平成27年8月19日㈬
平成27年度原町成人大学 第4回講座
「睡眠改善学」
講師:福島大学共生システム理工学類
准教授
高原
円 氏
2.連 絡 会 議
平成27年10月23日㈮
平成27年度福島大学連携研究員及び地域創造支援センター
連携コーディネーター連絡会議 出席
3.公開報告会
平成27年12月21日㈪
平成27年度福島大学地域創造支援センター
福島県商工会館寄附金による地域活性化活動助成事業
第3回公開報告会 出席
中
寿(役職:会津美里町まちづくり政策課 主査)
村
1.連絡会議等参加
◦平成27年10月23日㈮
福島大学産学官連携研究員及び連携コーディネーター連絡会議
2.委員の派遣
会津美里町が設置する下記審議会等の委員委嘱に関する連絡調整の実施
◦会津美里町町民参加推進会議委員
行政政策学類 准教授 西田奈保子 氏
3.そ の 他
◦会津美里町地域創生総合戦略策定にかかる調査研究の委託
研究担当副学長 千葉 悦子 氏
行政政策学類 教授 塩谷 弘康 氏
教授 中川 伸二 氏
准教授 西田奈保子 氏
◦集落(自治区)聞き取り調査を中心とした調査研究の連絡調整を行った。
◦随時、地域創造支援センターの PR を行った。
新
保
雅
樹(役職:本宮市市長公室政策推進課 主事)
1.連絡会議参加
平成27年10月23日㈮
平成27年度福島大学産学官連携研究員及び地域創造支援センター連携コーディネーター連絡会議
2.委員の派遣
本宮市が設置する下記審議会等の委員委嘱に関する連絡調整の実施。
◦本宮市まち・ひと・しごと創生有識者会議委員
共生システム理工学類 准教授 川﨑 興太 氏
2.本学教員の研究・地域連携活動
鈴
木
俊
87
栄(役職:田村市総務部協働まちづくり課 主査)
1.協働のまちづくりワークショップの開催
◦平成27年9月29日㈫
福島県県中地方振興局により「福島県地域創生総合支援事業(サポート事業)」等の勉強会
を実施した。また、市内のまちづくり団体を一堂に会し交流座談会を実施した。
◦平成27年11月24日㈫
ふくしま地域活動団体サポートセンター・認定特定非営利活動法人ふくしま NPOネットワー
クセンター齋藤美佐氏により「NPO法人とまちづくり」をテーマに講演会を実施した。また、
NPO法人蓮笑庵くらしの学校鎌田千瑛美氏により活動報告を実施した。
2.委員の派遣
◦田村市地域創生総合戦略有識者会議委員・田村市公共交通活性化協議会委員
共生システム理工学類産業システム工学専攻
◦田村市復興応援隊運営委員会委員
うつくしまふくしま未来支援センター
3.そ
の
准教授
特任准教授
藤本
小松
司
知未 氏
他
◦福島大学研究・地域連携成果報告会に出席
平成27年12月12日㈯
◦買い物弱者支援に係るワークショップを開催
(共生システム理工学類産業システム工学専攻 准教授
平成28年1月15日㈮
◦平成27年度田村市復興応援隊活動報告会開催予定
都路会場:平成28年3月12日㈯
船引会場:平成28年3月13日㈰
郡
典嗣 氏
兼
藤本
典嗣 氏)
介(役職:郡山市産業観光部産業創出課 主任主査)
1.企業等への PR
市内企業・団体等に対する地域創造支援センターの PR
2.各種講座等の共催による開催支援
⑴ 「再生可能エネルギー関連産業の成長を牽引する中核的専門人材養成講座」
①
②
実用的な太陽光発電パネル施工技術者養成実証講座
地中熱利用技術者養成実証講座
③ 地域型事業創出人材養成実証講座
⑵ 「ふくしま未来 食・農教育プログラム公開講座」
農業と食品産業の一層の発展を目指し、震災からの復興と風評の払しょくを図るため、福島
県の現状と未来を様々な角度から考える公開講座(対象:農業関係者、一般)
平成27年6月29日から平成27年12月21日まで 計5回開催
場所:郡山市役所内 特別会議室
3.平成27年度福島大学研究・地域連携成果報告会の開催支援
日時:平成27年12月12日㈯ 午後1時30分~午後5時20分
場所:ホテルハマツ
88
福島大学地域創造支援センター年報
小
澤
伸
2015
2016年2月
行(役職:西会津町商工観光課)
◦福島大学 行政政策学類
岩崎由美子ゼミ 町内フィールドワークサポート
日 時:12月1日㈫
場 所:西会津国際芸術村
内 容:移住定住、空き家活用政策に関する調査
6次化、加工品開発に関する調査
地域おこし協力隊に関する調査
車
田
沙
織(役職 国見町企画情報課総合政策室 主事)
1.連 絡 会 議
◦平成27年10月23日㈮
福島大学産学官連携研究員及び地域創造支援センター連携コーディネーター連絡会議
2.域学連携事業
以下の事業について、連絡調整や当日のコーディネートを行った。
⑴ 行政政策学類岩崎由美子ゼミによる「内谷集落活性化事業」
① 平成27年7月21日㈫ 【予備調査】
② 平成27年10月24日㈯~25日㈰ 【本調査】
学生が内谷集落を訪問し、地元老人クラブとの懇談(集落のたからもの探し調査)、神社
での神楽体験、伝統工芸や郷土食作り体験などを2日間にわたり行った。
③ 平成27年9月~11月 【フィールドワーク】
9月5日、12日、19日、26日㈯ 内谷春日神社太々神楽体験
9月27日㈰ 小坂地区大運動会参加
10月17日㈯ 内谷東地区・西地区芋煮会参加
11月17日㈫ あんぽ柿農業体験
④ 平成28年2月28日㈰ 【成果発表会】
内谷地区の魅力や課題、今後の地域活性化の取り組みについての提案等を発表。
⑵ 行政政策学類博物館実習受講生による「貝田宿まるごと博物館事業」(担当:阿部浩一教授)
① 平成27年4月~10月 【フィールドワーク】
4月19日㈰ 秋葉神社例大祭「貝田宿さくらまつり」参加
9月14日㈪~15日㈫ 貝田地区フィールドワーク
10月11日㈰ 水雲神社例大祭「貝田宿あきまつり」参加
② 平成27年12月22日㈫・26日㈯ 【本調査】
③ 平成28年1月24日㈰、2月28日㈰ 【成果発表会】
貝田地区の祭礼、交通、産業、宿場について報告後、「貝田宿見学ツアー」を行った。
⑶ 人間発達文化学類鵜沼秀雅ゼミによる「阿津賀志山防塁の教材化」
平成27年5月14日㈭、10月26日㈪ 【現地ヒアリング】
⑷ 学生ボランティア
① 少年仲間づくり教室(小学4~6年生対象)
平成27年5月~平成28年2月まで毎月開催
② 学習会(小学6年生対象)
夏期休暇期間…5日間、冬季休暇期間…3日間
③ 中学校吹奏楽部への演奏指導
平成27年10月~
3.委員の派遣
国見町振興計画審議会委員(国見町人口ビジョン・総合戦略有識者会議委員)
行政政策学類 教授 岩崎由美子 氏
経済経営学類 特任准教授 則藤 孝志 氏
2.本学教員の研究・地域連携活動
鈴
89
忠(役職:会津信用金庫お客様支援 課長)
木
1.連 絡 会 議
平成27年10月23日㈮
平成27年度福島大学産学官連携研究員及び地域創造支援センター
連携コーディネーター連絡会議出席
2.そ
の
他
企業訪問時に地域創造支援センターに関する PR活動を実施
遠
藤
英
周(役職:郡山信用金庫審査管理部 副部長)
1.連絡協議会
◦平成27年12月21日㈪
平成27年福島県商工会館寄附金による地域活性化活動助成事業
第3回公開報告会
出席
2.そ の 他
◦企業訪問の際に地域創造支援センターの PR を行った。
伊
東
貴
之(役職:白河信用金庫 業務統括部)
◦平成27年5月15日
自金庫職員の融資・営業専担者ミーティングにて新技術・新事業及び創業支援先への仲介案件
発掘を指示
◦平成27年10月23日
福島大学地域創造支援センター連携コーディネーター会議に出席
◦平成27年4月~
前年度より仲介の棚倉町の菓子製造小売業者の仲介案件を支援
◦平成27年12月
東白川郡の菓子製造業者の商品開発案件発掘
平成28年3月まで仲介予定
伊
藤
文
勝(役職:須賀川信用金庫 経営支援課長)
1.連絡会議等
⑴ 平成27年度産学官連携研究員及び連携コーディネーター連絡会議出席
平成27年10月23日 ウィズもとまち4階 大会議室
⑵
◦講義「地域戦略策定のための地域データの分析について」
◦グループ・ワーク(テーマ:地域データからの地域の強みと課題を検討する)
福島県商工会館寄附金による地域活性化活動助成事業 第3回公開報告会出席
平成27年12月21日 コラッセふくしま3階 企画展示室
2.そ の 他
⑴ 当金庫営業店および取引先企業への福島大学地域創造支援センター事業内容のPR、支援ニー
ズ等情報収集活動実施
90
福島大学地域創造支援センター年報
齋
2015
2016年2月
修(役職:福島信用金庫営業推進部相談統括課 課長)
藤
1.連 絡 会 議
平成27年10月23日㈮
福大連携コーディネーター連絡会議 於:ウィズもとまち
地域戦略策定のための地域データの分析について
2.そ の 他
「ビジネスマッチ東北2015」への出展勧誘
平成27年11月5日㈭
会 場:夢メッセみやぎ(仙台市)
猪
俣
浩
行(役職:大東銀行営業企画部 主任調査役)
1.連絡会議等
◦福島大学連携研究員及び地域創造支援センター連携コーディネーター連絡会議
「地域戦略策定のための地域データの分析について」
日時:平成27年10月23日㈮
場所:ウィズもとまち 4階 大会議室
◦
「平成27年度福島大学 研究・地域連携 成果発表会」出席
日時:平成27年12月12日㈯
場所:郡山ビューホテルアネックス
2.産学官連携への取組等
◦福島県及び公益財団法人福島県産業振興センター主催「第4回
ルギー産業フェア2015(REIF ふくしま2015)」 へ出展。
日時:平成27年10月19日㈬~20日㈭
ふくしま復興・再生可能エネ
場所:ビックパレットふくしま
◦メディカルクリエーションふくしま実行委員会主催「メディカルクリエーションふくしま2015」
へ出展。
日時:平成27年11月11日㈬~12日㈭
場所:ビックパレットふくしま
3.そ の 他
◦当行の各営業店を通じ、取引先企業へ福島大学地域創造支援センターの PR活動を実施。
2.本学教員の研究・地域連携活動
金
幸
91
子(役職:一般社団法人産業サポート白河 相談員)
1.連 絡 会 議
平成27年度福島大学産学官連携研究員及び地域創造支援センター連携コーディネーター連絡会
議に出席。
日 時:平成27年10月23日㈮ 13:30~17:00
場 所:ウィズもとまち 4階 大会議室
2.相 談 会 等
① 福島大学出前相談。丹治惣兵衛特任教授に企業を訪問していただいた。
日 時:平成27年5月18日㈪、11月26日㈭
訪問先:地元企業2社
② 福島県県南地域企業展示交流会に出展していただき、出展企業及び来場者(高校生を含む)
に向けて PR 、相談等をお願いした。
日 時:平成27年6月16日㈫~17日㈬
場 所:白河市中央体育館
3.そ の 他
① 地域創造支援センターの PR を図った。
② 福島大学から依頼のあった各種講座・イベントの周知を行った。
③ 「ふくしまサイエンスぷらっとフォーム」の諸活動に参加した。
④ その他、産学官連携に関する情報収集及び周知活動を行った。
中
城
孝
司(役職:株式会社ゆめサポート南相馬 テクニカルアドバイザー)
1.産業人材の育成活動
◦
「相双地域ものづくり人材育成講座」の開催
平成27年9月30日~平成27年11月20日 全6講座を開催する。
◦
「新産業分野技術者養成講座」の開催
平成27年11月4日~平成28年2月25日 全8講座を開催する。
2.連携コーディネート活動
◦企業の持つ技術的な課題や問題の発掘のため企業を訪問し、解決のためコーディネート活動を
行う。
◦地域産業復興支援事業(ふくいろキラリプロジェクト)の地元支援活動
地域企業の技術を活かした製品の商品化に向け地元での支援を行う。
◦企業マッチング活動
県内外からのビジネスに関する問合せに対し、地域の企業を紹介しビジネスチャンスの創出
を図る。
3.その他、地元企業支援活動
◦地域企業PR のため展示会への出展サポート
地元企業の医療福祉機器分野への進出のため、「メディカルクリエーションふくしま2015」
への出展を支援する。
◦地域への貢献のため地元で開催の各種イベントの参加支援
「南相馬 復興あきいち2015」、「そうそうこども科学祭」の開催にあたり、南相馬機械工業
振興協議会、南相馬ロボット産業協議会に加盟の企業を中心として積極的な参加を支援する。
◦工業製品放射線測定サービスの実施
風評を払拭するため、中小企業の工業製品放射線無料測定サービスの実施
(*活動期間:平成27年4月~平成28年1月)
92
福島大学地域創造支援センター年報
2015
2016年2月
⑷ 平成27年度科学研究費助成事業採択課題一覧
平成27年11月1日現在
研究区分
研 究 代 表 者
所
属
職名
新学術領域研究 環境放射能研究所 特任教授
(研究領域提案型)
(公募研究)
氏
Yoschenko Vasyl
基盤研究S うつくしまふくしま 客員教授 山川
未来支援センター
基盤研究A
〃
基盤研究B
研
名
究
課
題
Study of stable cesium for the long-term prognosis
of radiocesium cycling in forest ecosystems after
Fukushima NPP accident
充夫 東日本大震災を契機とした震災復興学の確立
人間発達文化学類 教
授 生島
浩 触法発達障害者の地域生活支援プロジェクトの評価に
関する実証的研究
行政政策学類
授 加藤
眞義 東日本大震災と日本社会の再建 ― 地震、津波、原発震
災の被害とその克服の道
教
人間発達文化学類 教
授 内山登紀夫 福島県の乳幼児を支援する ― 東日本大震災後のメンタ
ルヘルスに関する介入研究
〃
人間発達文化学類 准教授 中村
〃
行政政策学類 教
授 坂本
恵 福島原発事故の教訓をベトナム原発輸出に活かす日越
両政府への政策提言策定研究
〃
行政政策学類 教
授 塩谷
弘康 原発事故からの被災者と地域の再生に関する総合的研究
〃
行政政策学類 教
授 千葉
悦子 原発被災当事者のエンパワメントのための地域社会教
育システムに関する実践的研究
〃
経済経営学類
特任教授 守友
裕一 原子力災害被災地における「帰還と復興をめざす地域
づくりモデル」の構築
〃
共生システム理工学類 特任教授 金澤
等 繊維の有効利用による環境浄化材料の設計および放射
性セシウム吸着粉塵の対策
〃
共生システム理工学類 教
授 高橋
隆行 信号の時間遅延現象を用いるコーティング式触覚センサ
〃
共生システム理工学類 教
授 筒井
雄二 放射線被ばくに対する不安が心理的健康と発達に及ぼ
す影響のメカニズムの解明
教
授 小山
良太 食料循環系の把握に基づいた持続可能な放射能汚染対
策の確立
基盤研究C
人間発達文化学類 教
授 相原
義弘 有理型写像の値分布論、特に一意性問題と除外因子の
集合の構造についての研究
〃
人間発達文化学類 教
授 小川
宏 小学生の体力・運動能力を向上させる運動プログラム
の普及方策と効果の検証
〃
人間発達文化学類 教
授 小野原雅夫 定言命法を実現するための技術的仮言命法の可能性
― その理論と実践 ―
〃
人間発達文化学類 准教授 角間
〃
人間発達文化学類 教
授 川田
〃
人間発達文化学類 教
授 佐久間康之 外国語としての英語情報処理におけるワーキングメモ
リの構成要因に関する基礎研究
〃
人間発達文化学類 教
授 佐藤
佐敏 東日本大震災後の福島における国語科教育モデルの構築
〃
人間発達文化学類 教
授 鈴木
庸裕
基盤研究B 経 済 経 営 学 類
(特設分野研究)
洋介 文理融合・教科連携に基づく創造的復興教育モデルの
構築
陽子 家庭科教育において生活経営力の育成を評価するパ
フォーマンス課題の開発
潤 初期近代における原子論の受容と科学言説とユートピ
ア言説の変容に関する学際的研究
貧困・ネグレクトをめぐる学校におけるソーシャルワー
ク実践の実証的研究
2.本学教員の研究・地域連携活動
研究区分
研 究 代 表 者
所
属
職名
氏
研
名
93
究
課
題
基盤研究C
人間発達文化学類 教
授
住吉
チカ 統合失調症患者の就労の予測因の解明:機能転帰の連
続性に基づく検討
〃
人間発達文化学類 教
授
初澤
敏生 東日本大震災による被災地域の水産業・水産加工業の
復興に関する研究
〃
人間発達文化学類 准教授
濱野佐知子 リーマン面のモジュールと再生核の複素多変数的変動
についての研究
〃
人間発達文化学類 教
授
半沢
康 福島県相双方言の記録と継承を目的とした調査研究
〃
人間発達文化学類 教
授
森本
明 具体と抽象の往還の具現化を図る聴覚障害児のための
算数・数学の授業過程の解明
〃
行政政策学類 教
授
今井
照 広域・長期避難者の市民権保障に向けた政策・制度開
発に関する領域横断的研究
〃
行政政策学類 教
授
今西
一男 都市縮減社会における区画整理と新たな市街地整備手
法の開発検討
〃
行政政策学類 教
授
岩崎由美子 震災・原発事故が農村女性起業活動に及ぼした影響と
今後の復興に関する調査研究
〃
行 政 政 策 学 類 准教授
川端
浩平 〈原発被災地〉における多文化的実践に関する研究調査
〃
行政政策学類 教
授
菊地
芳朗 阿武隈川流域における古墳時代首長層の動向把握のた
めの基礎的研究
〃
行 政 政 策 学 類 准教授
大黒
太郎 過疎地域における「生活」をめぐるガバナンス ― 日独
地域比較研究
〃
行政政策学類
教
〃
行政政策学類
准教授 西﨑
伸子 アフリカの環境ガバナンスにおける国際環境NGO の役
割に関する研究
〃
行政政策学類
准教授 橋本
摂子 原発事故後の被災地における「復興」と社会階層に関
する計量社会学的研究
〃
行政政策学類
特任教授 安田
〃
経済経営学類
教
〃
授 富田
哲 被災地の視点での原子力災害に対する補償問題
尚
福島県における「原発問題」と新聞との関係に関する
基礎的研究
授 阿部
高樹
震災後三陸沿岸漁業における新たな秩序形成に関する
研究
経済経営学類
准教授 井本
亮
〃
経済経営学類
准教授 衣川
修平
税効果会計における保守主義の適用
〃
経済経営学類
准教授 熊本
尚雄
開発途上国、新興市場国における通貨代替の包括的経
済分析
〃
経済経営学類
教
授 小山
良太
放射能汚染・風評対策としての検査態勢の体系化に関
する研究
〃
経済経営学類
教
授 佐野
孝治
持続可能な外国人労働者受入れシステムに関する日本・
韓国・台湾の国際比較研究
〃
経済経営学類
教
授 松浦
浩子
多様な英語に対するコンプリヘンシビリティを高める
ための教材開発に関する研究
〃
共生システム理工学類 教
授 大山
大 水素化反応をグリーン化する有機・金属複合型ヒドリ
ド錯体の創成
〃
共生システム理工学類 教
授 小沢
喜仁 バクテリアセルロースを用いたナノC / Cコンポジッ
ト機能性皮膜の形成と特性評価
〃
共生システム理工学類 准教授 川崎
興太 東日本大震災と福島第一原発事故の被災地域における
環境復興まちづくりに関する研究
語彙意味論を活用した日本語情態修飾関係の研究
94
福島大学地域創造支援センター年報
研究区分
2015
研 究 代 表 者
所
属
職名
基盤研究C 共生システム理工学類 教
氏
2016年2月
研
名
究
課
題
授 黒沢
高秀 多回型同調的雌雄異熟性に注目した杯状花序の機能の
解明
〃
共生システム理工学類 教
授 島田
邦雄 磁気混合流体による新しい導電性を有するゴムを使っ
た液体触覚センサの開発研究
〃
共生システム理工学類 教
授 杉森
大助 エーテル型リン脂質特異的ホスホリパーゼD の基質認
識メカニズムと反応機構の解明
〃
共生システム理工学類 教
授 董
彦文 セル生産における人的要因に関する実験研究
〃
共生システム理工学類 准教授 永幡
幸司 人々が健康に過ごせる健康な音環境の創造に向けた音
環境の公正なあり方の検討
〃
共生システム理工学類 教
授 二見
亮弘 皮膚表面からの末梢神経電気刺激におけるバースト内
高周波刺激効果の理解
〃
共生システム理工学類 教
授 増田
正 リハビリテーション評価のための無拘束自動化動作計
測システムの開発
〃
総 合 教 育 研 教
究 セ ン タ ー
授 青木
真理 発達障害者の就労支援 ― デンマークの自閉症スペクト
ラム者への IT教育の試みに学ぶ ―
〃
総 合 教 育 研 教
究 セ ン タ ー
授 岡田
努 被災地の放射線教育と地域教育資源活用システムの構
築に関する基礎的研究
〃
うつくしまふくしま 特 任 髙木
未来支援センター 准教授
亨 災害復興段階にあわせた生活再建過程のモデル化に関
する学際的研究
〃
環境放射能研究所 特任教授
〃
子どものメンタルヘルス 特任教授 黒田
支 援事業推進室
美保 自閉症スペクトラムのある女性のための自己マネジメ
ント・プログラムの開発
基盤研究C うつくしまふくしま 特 任 大瀬
(特設分野研究) 未来支援センター 准教授
健嗣 農業生産環境中に存在する「有機態」放射性セシウム
の化学形態の解明
挑戦的萌芽研究
Yoschenko Vasyl
Development and application of the flux approach
for modelling of the long-term radiocesium cycling in
Fukushima forests
人間発達文化学類 教
授 鶴巻
正子 特別支援学校教員志望学生を対象とした学校防災教育
プログラムの開発的研究
〃
行政政策学類
師 阪本
尚文 丸山眞男の憲法思想と法学的世界観 ― 東京女子大学所
蔵の未公開資料を活用して
〃
共生システム理工学類 特任教授 金澤
等 現在の機器分析で困難な分析を可能とする簡単な新繊
維鑑別法
〃
共生システム理工学類 准教授 高貝
慶隆 ナノ構造変換を伴う金属ナノ粒子のマイクロ抽出シス
テムの創出
〃
共生システム理工学類 教
授 高橋
隆行 湖沼の放射能動態解明のための小型水中ロボットを用
いた層構造保存型底質柱状採泥手法
〃
共生システム理工学類 准教授 中村
勝一 聴衆視線とスライド構成特徴のハイブリッド分析によ
るプレゼンテーション推敲支援
若手研究A
准教授 吉田
樹 地域住民の包括的な生活保障におけるモビリティと生
活支援サービスの連携に関する研究
〃
共生システム理工学類 准教授 中村
勝一 研究活動における推敲能力育成のための試行錯誤文脈
の積極的抽出戦略とその組織化手法
若手研究B
人間発達文化学類 准教授 阿内
春生 市町村教育政策の形成過程におけるガバナンスと政策
決定の影響力に関する研究
〃
経済経営学類
講
人間発達文化学類 准教授 鍵和田
賢 近世神聖ローマ帝国の宗派問題 ― 複数宗派併存社会に
おける帝国国制の機能の研究 ―
2.本学教員の研究・地域連携活動
研究区分
研 究 代 表 者
所
属
職名
氏
研
名
95
究
課
題
若手研究B
人間発達文化学類 准教授
佐藤
元樹 削除に課せられる形態・統語的同一性条件の理論的・
実証的研究
〃
人間発達文化学類 准教授
中田
文憲 非リーマン型接続の幾何へのツイスター的アプローチ
〃
人間発達文化学類 准教授
髙木
修一 新しい英文読解テスト開発に向けた基礎的研究:字義
的理解を超えた深い内容理解の測定
〃
人間発達文化学類 准教授
髙橋
純一 自閉症傾向者における物体認知特性の解明
〃
人間発達文化学類 准教授
高橋
由貴 1960年代の文学と視覚メディアの交錯についての文体
論的研究
〃
人間発達文化学類 准教授
中川
祐治 地域のネットワークを活用した実践的な日本語教育プ
ログラムの構築
〃
人間発達文化学類 准教授
平中
宏典 小学校理科を対象とした教員養成ブレンド型学習カリ
キュラムの構築
〃
行 政 政 策 学 類 准教授
金
炳学 原子力災害事例における救済執行手続としての間接強
制の弾力的活用
〃
行 政 政 策 学 類 准教授
黒崎
〃
行 政 政 策 学 類 准教授
西田奈保子 東日本大震災後の住宅復興に関する行政学的研究
〃
経 済 経 営 学 類 准教授
荒
〃
経 済 経 営 学 類 准教授
稲村健太郎 相続税法における災害時の財産評価に関する研究
〃
経 済 経 営 学 類 准教授
中村
陽人 構成概念妥当性の検証を中心とした尺度開発法の確立
〃
経 済 経 営 学 類 准教授
沼田
大輔 リユース・デポジットの世界モデルの構築
〃
経済経営学類 特 任
准教授
林
薫平 震災後の福島県漁業の復興に向けた最適な放射性物質
リスク管理手法の構築に関する研究
〃
経済経営学類 講
渡邉万里子 海外子会社の企業家活動を促進するマネージャーの行
動と内外制度の共進化に関する研究
〃
共生システム理工学類 准教授 浅田
隆志 ボールミル法により金属複合した木質バイオマスの炭
素化における生成物の特性
〃
共生システム理工学類 准教授 大橋
弘範 硫化金を利用した新規担持金ナノ粒子触媒のキャラク
タリゼーションと触媒活性
〃
共生システム理工学類 准教授 兼子
伸吾 クローナル植物を用いた低線量放射線被曝の遺伝的評価
〃
共生システム理工学類 准教授 後藤
忍 エコロジカル・タイム・ロス指標の開発とESDでの活用
〃
共生システム理工学類 准教授 中村
和正 環境負荷を考慮した多孔性と磁性のハイブリッド吸着
能を有する環境浄化材料の開発
〃
共生システム理工学類 准教授 馬塲
一晴 拡張された重力理論における宇宙の加速膨張機構と三
大物質組成の起源の研究
〃
共生システム理工学類 特任助教 藪崎
志穂
福島県北部沿岸地域の地下水流動と滞留時間の解明
〃
うつくしまふくしま 特 任 石井
未来支援センター 准教授
秀樹
全袋検査と環境モニタリングによるセシウム吸収リス
クの地理的解明と福島稲作復興
〃
うつくしまふくしま 特 任 小松
未来支援センター 准教授
知未
原子力災害後の果樹産地における担い手育成と農業経
営支援システムの構築
研 究 活 動 行政政策学類
スタート支援
〃
経済経営学類
師
輝 日本の「非核」政策の形成過程における政治・外交・
社会運動の相互作用の実証研究
知宏 国際貿易における契約と制度に関する研究
准教授 高橋
有紀 更生保護制度における「当事者団体」に対する役割期
待の多面的考察
特 任 則藤
准教授
孝志 地域内食料産業連関の再構築に向けたフードシステム
的研究
96
福島大学地域創造支援センター年報
研究区分
研 究 代 表 者
所
属
職名
氏
研 究 活 動 共生システム理工学類 特任助教 内藤
スタート支援
〃
2015
共生システム理工学類 研究員 中山
名
2016年2月
研
究
課
題
裕一 花粉化石の炭素同位体比から読み解く第四紀の気候変
動と人口動態の関連
祐貴 協調探索における戦略理解・考察能力育成のための探
索コンテクスト抽出・視覚化手法
特別研究員 共生システム理工学類 博士後 首藤光太郎 従属栄養的な進化を遂げたイチヤクソウ属植物の進化
奨 励 費
期課程
過程の解明
3.資 料 室 の 活 動
3
資 料 室 の 活 動
97
3.資 料 室 の 活 動
地域創造支援センター(CERA)資料室
本センターは、1989年に経済学部(現経済経営
99
〈 定期刊行物の紹介 〉
2015年度の刊行物
学類)の東北経済研究所(1949年設置~)を改組
紀要『福島大学地域創造』第27巻第1号
して設立された地域研究センターを母体として
2001年4月に発足しました。
紀要『福島大学地域創造』第27巻第2号
資料室では、地域の様々な資料の収集をはじめ
2015年9月
2016年2月
として下記のような資料を所蔵し、一部貴重資料
CERAレター
№29
2015年7月
を除き広く学内外のみなさんに利用されており
CERAレター
№30
2016年1月
ます。
『福島大学地域創造支援センター年報』2015
〈 資料室の資料紹介 〉
主な受入資料
2016年2月
なお、紀要は『福島大学地域研究』第1巻第1
①
中央省庁で刊行している各種年報、統計書
号(1989年7月刊)から現在の『福島大学地域創
②
各都道府県の自治体発行の統計書・計画書
造』第27巻第1号(2015年9月刊)までの目次を
③
福島県内の自治体資料
ホームページで公開、CERAレターは№7~№ . 30
福島県各機関発行の統計書・計画書、市町村
をホームページで公開しています。
発行の計画書、広報誌
④
福島県内市町村発行の『市町村史』
⑤
金融機関の統計資料
⑥
〈 特殊資料について 〉
『松川事件資料』、
『常磐炭砿資料』、
『古文書』(県
日本銀行発行の月報類、
民間金融機関の月報類
歴史資料館へ寄託中)などがあります。なお、松
その他の民間機関発行の統計、調査報告書類
川事件資料、常磐炭砿資料については20~23頁を
ご参照ください。
また、下記アドレスから資料室所蔵の「資料目
録」
「福島県史・県内市町村史所蔵目録」がご覧
〈 資料室は現在、準備中です。整理が完
になれます。
了しましたら順次、開室いたします。〉
http://www .cera .fukushima-u .
ac . jp/welcome/booklet_example_
TEL
024-548-8358
list
FAX
024-548-5244
4.各 部 会 の 活 動 記 録
4
各部会の活動記録
101
4.各 部 会 の 活 動 記 録
103
6)田村市等の要請に基づく地方創生総合戦略
リエゾン部会の活動報告
策定に関する研究者派遣等の支援
リエゾン部は、自治体や産業界等との連携窓口
として、うつくしまふくしま未来支援センターと
も連携しながら、主に次の事業を実施しました。
3.関係団体等との各種連携事業
1)産学官交流のつどい:平成27年7月7日㈫
(福島市)
大学や CERA事業および研究成果の紹介
2)イノベーション・ジャパン2015:平成27年
1.福島県との各種連携事業
1)連携推進会議:平成27年7月8日㈬(福島
県庁)
、平成28年2月5日㈮(福島大学)
イノベーションコースト構想やロボットバ
レー形成COC+等に関する本学の取り組み、
県が抱える連携要望などについての情報交
研究成果プレゼンテーションと展示
3)REIF ふくしま2015:平成27年10月28日㈬
~29日㈭(郡山市)
地域イノベーション戦略支援プログラムや
大学等の紹介
換、協議など
2)地域イノベーション戦略支援プログラム、
うつくしま次世代医療産業集積プロジェクト
の各種会議、復興に向けた協働推進戦略会議、
ふくしま産業人材育成コンソーシアム及び農
学系人材養成機能のあり方に関する検討会等
4)メディカルクリエーションふくしま2015:
平成27年11月11日㈬~12日㈭(郡山市)
大学や CERA事業および研究成果の紹介
4.うつくしまふくしま未来支援センターとの各
種連携
両センター間の情報交換を図りながら相互に
についての連携、協力
3)特定非営利活動法人
超学際的研究機構と
の連携による地域課題解決の取り組み
2.市町村との各種連携事業
1)福島市産業交流プラザにおける出前相談:
市の要請により随時実施
2)福島市産業交流プラザにおける研究成果等
の展示:常設展示ブースに展示
3)ふくしまものづくり企業交流会:平成28年
1月19日㈫(福島市)
大学や CERA事業および研究成果の紹介、
出前相談など
4)しらかわ地域企業展示交流会:平成27年6
月16日㈫~17日㈬(白河市)
大学やCERA事業および研究成果の紹介など
5)棚倉町との相互協力協定締結及び地域フォ
ーラム開催
相互協力協定締結:平成27年11月4日㈬
(棚倉町)
地域フォーラム開催:平成28年2月14日㈰
(棚倉町)
8月27日㈭~28日㈮(東京)
連携協力し各種事業を推進しました。
1)復興庁「被災地域企業新事業ハンズオン支
援事業」における福島アドバイザリーボード
への参画と企業支援
2)復興庁「地域復興マッチング
結の場」へ
の参画と企業支援
3)福島県「相双地域営農再開支援事業」にお
けるプロジェクト選定等支援
5.CERA独自の連携事業
1)産学官連携研究員および産学官連携コー
ディネーター連絡会議:平成27年10月23日㈮
(福島市)
地方創生において重要な「地域総合戦略」
策定に資するための地域データ分析について
のグループ・ワークなど
2)福島県商工会館寄附金による地域活性化活
動助成事業:平成27年12月21日㈪(福島市)
福島県商工会館からの寄附金を基に地域活
性化活動助成事業を実施し、4件の事業に助
成を行うとともに、その成果を地域に還元す
るための公開報告会を開催
104
福島大学地域創造支援センター年報
2015
2016年2月
3)平成27年度東北地区共同研究センター連絡
ため、大学の人的・知的財産を還元する支援
協議会:平成27年11月10日㈫(福島市)
事業です(公開講座等では対応しにくい企画
本学を当番校として開催し、各大学共同研
はこちらの枠組で実施しています)。平成27
究センターの地域連携、知的財産活用および災
害復興支援活動等についての情報交換、交流
4)平成27年度福島大学研究・地域連携成果報
年度は7企画を実施しました。
2.講師の派遣
⑴
告会:平成27年12月12日㈯(郡山市)
白河市教育委員会との連携:「福島大学白
河サテライト教室」を共催しました(白河市
本学の研究、地域連携活動の成果を産業界、
教育委員会主催・福島大学共催)。前期教室(7
自治体、市民等に発信、連携、交流
-8月)は「農村地域における担い手育成:
6次化産業の視点から」をテーマに計5回、
また、CERA登録研究会やプロジェクト研究
後期教室(2-3月)は「東北・福島・白河
所の研究活動、復興支援活動を支援するため、
県をはじめとする関係機関等の研究発表会、展
示会、セミナー等への参加やプレゼンテーショ
ンの機会などを通じて、研究成果等の周知と地
域連携の拡大強化に努めました。
の自然」をテーマに計5回開講しました。
⑵
その他:地域からの出前講座講師派遣要請
を受けて、随時、講師を派遣しました。
3.生涯学習関連会議への参加
全国国立大学生涯学習系センター研究協議会
(担当校:金沢大学)が9/10㈭〜11㈮に金沢
6.次年度の課題
1)連携協定締結自治体や企業等との連携事業
の創出による地域連携の強化
2)うつくしまふくしま未来支援センターなど
との連携による長期的な視点からの地域連携
機能の整備
市(KKRホテル金沢、金沢大学角間キャンパス)
にて開催され、木暮副センター長と渡邉地域連
携課主査が参加しました。来年度の同協議会は
香川大学の担当の元、香川県で開催される予定
です。
4.全国生涯学習ネットワークフォーラム2015福
島大会への協力
生涯学習部会の活動報告
全国規模の生涯学習関連会議である「全国生
涯学習ネットワークフォーラム2015福島大会」
生涯学習部会は地域の生涯学習のニーズに応え
が11月8日㈰〜10日㈫に福島市(会場:コラッ
るべく、様々な学びに関する企画をとりまとめ、
セふくしま)
で開催されました
(実行委員会形式、
地元の皆さんに学習の場を提供しています。
事務局は福島県生涯学習課)
。小沢地域連携担
当副学長が同フォーラムの実行委員長、丹波史
1.主 催 事 業
⑴
公開講座:広く地域市民を対象に開催する
紀行政政策学類准教授が実行委員、木暮副セン
ター長が企画実施委員長としてそれぞれ企画に
講座(原則有料)です。平成27年度は27講座
関わりました。また、本学の「ふくしま未来学」
を計画し20講座を開講しました。受講者数(延
コア科目である「むらの大学」を受講している
べ数)は216名でした。
学生3名が一日目のグループワークで事例報告
公開授業:正規授業の一部を一般開放して
を行いました。三日目のフィールドワーク・ラー
います。平成27年度は前期科目(18科目)で
ニングでは、開沼博うつくしまふくしま未来支
は延べ36名、後期科目(17科目)では延べ26
援センター特任研究員が講師を務めました。
⑵
名、合計62名の受講生を受け入れました。
⑶
地域社会連携事業:地域づくりに貢献する
5.次年度の課題
予算の関係で、今年度末に実施する来年度の
4.各 部 会 の 活 動 記 録
公開講座や公開授業の広報(新聞折込)につい
105
3.次年度の課題
ては昨年度と同様に例年と比べて規模を縮小し
一昨年度・昨年度に引き続き、今年度も論集
て実施する予定としております。今後、効果的
『福島大学地域創造』の編集方針について部会
な広報体制の構築が必要であると考えられます。
内で議論が行われました。その結果として、福
島大学の学術的な地域貢献を社会に広く公表す
情報資料部会の活動報告
る雑誌として、現在の発行状況(現行のページ
数(120〜150ページ程度)で年2回発行)の堅
1.貴重資料の管理
持を最優先とし、今後予算縮減で刊行に影響が
1)常磐炭砿資料
及ぶことが懸念される場合には、センター内の
資料目録データベースの検索システムに、
諸経費のやり繰り(例えば、CERA年報の WEB
現在までに整理済みの目録データを投入しま
化等)や論集の別刷部数の縮小や無料掲載ペー
した。引き続き、まだ登録されていない資料
ジ数の圧縮などの著者への負担の拡大によって
の電子化作業を、経済経営学類教員及び学生
対処することとしました。
のみなさんのご協力のもと進めています。
2)松 川 資 料
附属図書館の改修が終了し、センター所蔵の
資料類のうち、CERA資料(統計資料中心)と
資料のデータベース化システムに、現在ま
松川事件資料は附属図書館地下1階の閉架書庫
でに整理済みの資料目録・内容等を入力する
フロアに移設されました。松川資料の管理運営
作業を行っています。入力済みの情報は松川
は上述の1、2)のとおりですが、CERA資料
資料室ホームページから検索できるように
については管理をしている地域連携課(経済経
なっています。
営学類3 F)と閉架書庫が物理的に離れてしま
また、松川資料の整備・活用を進めるため
いますが、原則として資料の貸し出し時には地
の募金「松川資料研究基金」は、現在も随時
域連携課にて受付をしていただくこととなりま
受け付けております。
す(閉架書庫には人員を常置できないため、資
2.機関誌の発行
料散逸を防止する上でもこのような対応となっ
今年度発行した機関誌は、CERAレター№29
ております)。資料利用者の方々にはご不便を
(2015年7月発行)、№30(2016年1月発行)と
おかけするかもしれませんが、何卒よろしくお
『福島大学地域創造』27巻1号(2015年9月発
願い致します。
行)
、27巻2号(2016年2月発行)及びこの年
報です。
CERAレターは、読者を企業、自治体、住民
組織など福島大学の研究教育に関心をもつ個人
や団体を対象としており、共同研究の概要や産
学連携に関する情報、東日本震災・原発災害に
対する本学の取り組み、書籍や研究室紹介をコ
ンパクトな形で掲載しています。
『福島大学地域創造』27巻1号には論文2本、
研究ノート1本、調査報告3本、資料3本、同
27巻2号には論文2本、研究ノート1本、調
査報告2本、翻訳1本、資料2本が掲載され
ました。
106
福島大学地域創造支援センター年報
2015
2016年2月
○福島大学地域創造支援センター規則
改正
平成21年3月3日
平成22年3月16日
平成24年3月6日
制定 平成20年3月18日
平成26年1月14日
(趣
旨)
第1条 この規則は、福島大学学則(昭和24年6月1日制定)第4条の2第2項の規定に基づき、福
島大学地域創造支援センター(以下「センター」という。)の組織及び運営について必要な事項を
定めるものとする。
(目
的)
第2条 センターは、地域の経済・社会等及び生涯学習に関する調査研究を行い、産官民学連携事業
の実施及び生涯学習機会を提供することにより、福島大学(以下「本学」という。)の教育研究の
活性化・高度化を図るとともに、地域社会の多様なニーズに対し、研究成果及び知的財産等の知的
資源を還元して地域社会の産業及び文化の進展に寄与することを目的とする。
(業
務)
第3条 センターは、次の各号に掲げる業務を行う。
一 地域の経済・社会等に関する調査研究及び資料収集に関すること。
二 生涯学習の基礎的・応用的研究に関すること。
三 民間等外部の機関・研究者(以下「民間機関等」という。)及び地方自治体等からの研究開発
等に係る相談に関すること。
四 民間機関等及び地方自治体等との共同研究及び受託研究に関すること。
五 外部競争的研究資金(各種補助金を除く。)に関すること。
六 地域社会との産官民学連携事業に関すること。
七 知的財産の管理・活用及び技術移転によるイノベーション創出に関すること。
八 大学発ベンチャー起業創設の相談及び支援に関すること。
九 地域社会における人材育成に関すること。
十 公開講座・公開授業の企画及び実施に関すること。
十一 生涯学習に関する情報の提供及び相談に関すること。
十二 機関紙・図書・雑誌等の刊行及び広報に関すること。
十三 その他センターの目的を達成するために必要な業務
(事 業 部 等)
第4条 センターに、次の各号に掲げる事業部を置く。
一 企画管理部
二 リエゾン部
三 生涯学習部
四 情報資料部
2 前項に定めるもののほか、学内外の各種研究会等を登録することができる。
(職
員)
第5条 センターに、次の各号に掲げる職員を置く。
一 センター長
二 副センター長
三 専任教員
2 センターに、次の各号に掲げる職員を置くことができる。
一 特任教員
二 客員教授又は客員准教授(以下「客員教授等」という。)
三 連携コーディネーター
四 その他必要な職員
(センター長)
第6条 センター長は、センターの業務を掌理する。
4.各 部 会 の 活 動 記 録
107
2 センター長の選考については、別に定める。
(副センター長)
第7条 副センター長は、センター長を補佐する。
2 副センター長は、センターの専任教員、特任教員及び福島大学地域創造支援センター運営会議規
程(平成20年3月18日制定)第3条第1項第4号に規定する委員のうちから、第12条第1項に規定
する福島大学地域創造支援センター運営会議(以下「運営会議」という。)の議を経てセンター長
が指名する。
3 副センター長の任期は、1年又は2年とし、再任を妨げない。ただし、辞任したとき又は欠員と
なったときにおける後任者の任期は、前任者の残任期間とする。
(専 任 教 員)
第8条 専任教員は、センターの業務を行う。
2 専任教員の選考については、別に定める。
(特 任 教 員)
第9条 特任教員は、センターの業務に従事する。
2 特任教員の選考については、別に定める。
(客員教授等)
第10条 客員教授等は、センターの業務に従事する。
2 客員教授等の選考は、福島大学客員教授等選考規則(平成8年3月19日制定)の定めるところに
よる。
(連携コーディネーター)
第11条 連携コーディネーターは、センターの連携協力業務に従事する。
2 連携コーディネーターに関する必要な事項は、別に定める。
(運 営 会 議)
第12条 センターの運営に関する事項の審議及びセンターの業務を実施するため、運営会議を置く。
2 運営会議に関する必要な事項は、別に定める。
(事
務)
第13条 センターに関する事務は、地域連携課において処理する。
(雑
則)
第14条 この規則に定めるもののほか、センターに関する必要な事項は、別に定める。
附 則
この規則は、平成20年4月1日から施行する。
福島大学生涯学習教育研究センター規則(平成7年3月22日制定)及び福島大学地域創造支援セ
ンター規則(平成13年3月26日制定)は、廃止する。
1
2
附 則
この規則は、平成21年4月1日から施行する。
附 則
この規則は、平成22年4月1日から施行する。
附 則
この規則は、平成24年4月1日から施行する。
附 則
この規則は、平成26年1月14日から施行し、平成25年10月1日から適用する。
108
福島大学地域創造支援センター年報
2015
2016年2月
◦福島大学地域創造支援センター資料の利用細則
制定
(趣
平成20年3月31日
旨)
第1条
この細則は、福島大学地域創造支援センター(以下「センター」という。)が所蔵する資料
の利用に関し、必要な事項を定めるものとする。
(用語の定義)
第2条 この細則において「資料」とは、センターが所蔵する次の各号に掲げるものをいう。
一
逐次刊行物及び図書
二
常磐炭礦資料
三
松川事件関係資料
四
古
五
その他の資料
2
文
書
この細則において「利用」とは、学術研究を目的とした資料の閲覧・貸出及び参考調査をいう。
(利用者の範囲)
第3条 資料を利用することができる者は、本学に所属する次の各号に掲げる者とする。
一
本学役員及び職員並びに名誉教授
二
客員教授等
三
本学大学院生及びこれに準ずる者
四
本学学生及びこれに準ずる者
五
その他センター長が適当と認めた者
(利用可能日及び時間帯等)
第4条 センターにおける資料の利用日及び時間は、次のとおりとする。ただし、センター長が必要
と認めたときは、変更することができる。
月曜日から金曜日
2
午前9時から午後4時30分まで
前項に規定するもののうち、次の各号に規定する日は利用することができない。
一
国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日
二
12月29日から翌年1月3日までの期間
(利用手続き等)
第5条 資料を利用しようとする者は、所定の手続きによりセンター長の許可を得なければならない。
2
センターの資料室に入室しようとする者は、第3条第1項第1号に規定する者を除き、センター
長の許可を得なければならない。
(利 用 制 限)
第6条 公開することにより、センターの管理運営に支障が生ずる恐れ、及び他の権利を侵害する恐
れのある資料は、利用させないことができる。
2
前項に規定するもののほか、センター長が指定する資料は、利用方法を制限することができる。
(資料の閲覧)
第7条 資料は、指定された場所で閲覧しなければならない。
(資料の貸出し)
第8条 貸出しできる資料の件数及び期間は、次のとおりとする。
4.各 部 会 の 活 動 記 録
区
分
件
数
109
期
間
第3条第1項第1号から第3号までに
規定する者
20件以内
1ヵ月以内
第3条第1項第4号及び第5号に規定
する者
5件以内
1週間以内
(資料の特別貸出し)
第9条 第3条第1項第4号に規定する者(準ずる者を除く)は、次の各号に掲げる期間においては、
前条に規定するもののほか、特別に資料を貸出しすることができる。
一
春季、夏季及び冬季の各休業期間
二
卒業研究等の作成期間
三
教育実習期間
2
第3条第1項第1号に規定する者が研究上特に必要とするときは、前条に規定するもののほか、
特別に資料を貸出しすることができる。
3
前2項に規定する貸出件数及び期間は別に定める。
(資料の返却)
次の各号の一に該当した場合は、第8条及び第9条の規定に基づき貸出した資料を直ちに
第10条
返却しなければならない。
所定の貸出期間が経過したとき。
二
第3条第1項各号に規定する身分を失ったとき。
2
一
前条第1項及び第2項の規定により貸出した資料を閲覧しようとする者があるときは、当該資料
を貸出した者の研究に特に支障のある場合を除き、速やかに返却させるものとする。
(利用の取消)
センター長は、利用者がこの細則に違反したとき、又はその他センターの運営に重大な支
第11条
障を与えたときは、資料の利用を停止させることができる。
(資料の弁償)
第12条 資料を汚損し、又は亡失した者はその損害を弁償しなければならない。
(そ
の
第13条
他)
この細則に定めるもののほか、資料の利用に関し必要な事項は、センター運営会議の議を
経てセンター長が定める。
附
則
1
この細則は、平成20年4月1日から施行する。
2
福島大学地域創造支援センター資料の利用細則(平成13年3月26日制定)は、廃止する。
110
福島大学地域創造支援センター年報
2015
2016年2月
地域創造支援センター・スタッフ
副学長(地域連携)センター長
副センター長(専任教員)
特任教員
地域連携課長
研究振興課長
地域連携課
小沢 喜仁
木暮 照正
丹治惣兵衛
三本木勝則
荒木 正寛
渡邉 弘利
岩崎友基子
齋藤 恵美
松本
徹
小野寺裕之
齋藤あずさ
研究振興課
木村 勝典
佐藤 雄一
大河原正良
金谷 光泰
熊谷三四郎
大野由香里
横島 善子
高橋 美都
バロリ・ブレンディ
持田 夏海
山下 美樹
産学官連携コーディネーター 森本 進治
産学官連携研究員 新城 榮一
(㈱ニセンエックス
代表取締役)
2016年2月29日
2015年度 運営委員
連携コーディネーター
山口
弘
<人間発達文化学類>
鈴木
耕
生島
浩(情報資料部)
(喜多方市産業部商工課) (福島市政策推進部企画経営課)
木村
篤史
吉川
敢
深倉
和明(生涯学習部長)
中村
寿
二瓶
敏郎
牧田
実(リエゾン部)
新保
雅樹
鈴木
俊栄
三瓶
真
吉田
紀之
富田
大場
祐一
郡司
兼介
浅野かおる(生涯学習部)
小澤
伸行
木村
恒夫
車田
沙織
米本
憲司
鈴木
忠
遠藤
英周
伊東
貴之
伊藤
文勝
榊原
正多
高橋
貞夫
佐藤
淳史
齋藤
修
黒沢
高秀(情報資料部長)
猪俣
浩行
三瓶
洋一
石岡
賢(生涯学習部)
佐藤
俊光
菅野
賢一
大山
大(リエゾン部長)
福島
昌彦
金
幸子
中城
孝司
(二本松市産業部商工課) (南相馬市復興企画部企画課)
(会津美里町まちづくり政策課) (会津若松市観光商工部企業立地課)
(本宮市市長公室政策推進課) (田村市総務部協働まちづくり課)
(飯舘村総務課)
<行政政策学類>
(福島県会津地方振興局地域連携室)
(湯川村地域振興課) (郡山市産業観光部産業創出課)
(西会津町商工観光課) (国見町企画情報課)
今井
(郡山信用金庫)
(白河信用金庫)
(須賀川信用金庫)
(ひまわり信用金庫)
(あぶくま信用金庫)
(二本松信用金庫)
(福島信用金庫)
(大東銀行)
(東邦銀行)
(東邦銀行)
吉川
宏人(情報資料部)
後藤
康夫(生涯学習部)
西川
和明(リエゾン部)
<共生システム理工学類>
(福島銀行)
(商工組合中央金庫福島支店) ((一社)産業サポート白河)
五十嵐哲矢
(喜多方市ふるさと振興㈱) (㈱ゆめサポート南相馬)
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2016年2月29日
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『 福島大学地域創造支援センター年報 2015 』
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沢
喜
仁
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TEL 024-548-8358
FAX 024-548-5244
印
刷
所
株式会社 プ ロ セ ス 印 刷
(〒960-8003)福島市森合字屋敷下6-1
TEL 024-559-1991
照(リエゾン部)
<経済経営学類>
(国見町企画情報課) (いわき市商工観光部産業・
港湾振興課)
(会津信用金庫)
哲(情報資料部)