2010年度高2 3学期進学講座 世界史 第3回 ~イスラーム文化~

2010年度高2 3学期進学講座 世界史 第3回 ~イスラーム文化~
(ケ)
ホラーサーンの(9)ニーシャープール出身とされ,セルジューク朝に仕えた数学者,天文学者,暦法家。ジャラリー暦の制
定に尽力し,そのかたわら詩作をたしなんだ。代表的詩集『ルバイヤート』は,酒と美女をたたえるなどイスラーム法に反
した内容さえも含み,ペルシア文学史上に特異な作品となっている。
イスラーム史上に活躍した人物(ア~コ)に関する次の文章を読んで,問(1~9)に答えなさい。
08 上智大 法 改題
問1 人物(ア~ケ)の名前を,それぞれの選択肢(a~d)から1つ選びなさい。
(ア)
チュニス出身の歴史家であり,都市と遊牧民の関係を軸に王朝の盛衰に関する歴史法則を論じた『実例の書』を著した。
(1)
(ア)
a ジャーヒズ b イブン=ハルドゥーン
c タバリー
d フワーリズミー
(イ)
a ガザーリー b イブン=シーナー
(ウ)
a イブン=バットゥータ b イブン=ハズム c タバリー d イブン=ルシュド
(エ)
a イブン=ハルドゥーン b ジャーヒズ
(オ)
a ラシード=アッディーン b シャー=ジャハーン c フィルドゥシー d ガザーリー
(カ)
a ガザーリー
(キ)
a フィルドゥシー
(ク)
a ミマーリ=シナン b フィルドゥシー
c イブン=ハズム
(ケ)
a ガザーリー
c ウマル=ハイヤーム
その序章は『世界史序説』の名で知られる。
(イ)
c イブン=ルシュド d フィルドゥシー
コルドバ生まれの哲学者で,法学,医学,天文学にも通じた。アリストテレスのほとんどの著作に対する注解を施し,
(2)
それらはヘブライ語,ラテン語に訳されて,中世のユダヤ教哲学,キリスト教哲学に多大な影響を与えた。
(ウ)
タンジールに生を受け,メッカ巡礼を手始めに,東ヨーロッパから中国,内陸アフリカまで旅した大旅行家。その著作
(3)
c フワーリズミー d ラシード=アッディーン
『都会の新奇さと旅路の異聞に興味をもつ人びとへの贈り物』は,『三大陸周遊記』の通称で知られてきた。
(エ)
ホラズム出身を意味する名前を持ち,(4)バグダードでアッバース朝第7代カリフであるマアムーンに仕えた数学者,天文
学者。彼が残した著作のラテン語訳は,500 年近くにわたってヨーロッパの大学で教えられ,その書名は「代数学」そのも
b フィルドゥシー c イブン=ハズム
d ニザーム=アルムルク
のを意味するようになった。
(オ)
b イブン=シーナー
c ウマル=ハイヤーム d フワーリズミー
タブリーズに拠ったイル=ハン国にあって,ガザン=ハン,オルジェイトゥの2代にわたり仕えた名宰相だったが,政
(5)
争に敗れ処刑された。ペルシア語で書かれた著作『集史』の第1巻はモンゴル史の貴重な史料とされる。
d ラシード=アッディーン
(カ)
セルジューク朝のスルタンであるアルプ=アルスラーンとマリク=シャーを補佐する宰相として辣腕をふるい,行政や軍
事制度の整備,学芸の奨励に努め,後にはサファヴィー朝の都ともなる(6)イスファハーンを根拠地に,セルジューク朝の黄
金期を演出した。彼が著した『統治の書』はペルシア的伝統に則った政治指南書の傑作である。
(キ)
ブハラ近郊に生まれ,イラン各地の宮廷に医師として仕え,しばしば宰相としても活躍した。主著である『治癒の書』
(7)
の他,膨大な数の著作を残し,『医学典範』はラテン語訳されて,17 世紀ころまでヨーロッパの大学で使用された。
(ク)
ホラーサーンの裕福な家庭に生まれ,40 代の半ばから民族叙事詩『シャー=ナーメ』の執筆にとりかかった。30 年の歳
月をかけてこれを完成させ,(8)ガズナ朝のスルタンであるマフムードに献上したが認められず,失意のうちに没したもの
の,同書は後にペルシア語文学の最高傑作の1つと認められるようになった。
-1-
b ニザーム=アルムルク
d タバリー
問2 下線(1~3)はどこか。地図<1>上の選択肢(a~f)から1つ選びなさい。
問4 下線(6~9)はどこか。地図<3>上の選択肢(a~f)から1つ選びなさい。下線(8)は王朝名だが,同時にその王朝の
都の名前でもある。
ウズベキスタン
イラン
アフガニスタン
パキスタン
問3 下線(4~5)はどこか。地図<2>上の選択肢(a~f)から1つ選びなさい。
問5 イスラーム諸学に通じた知識人の総称を,選択肢(a~d)から1つ選びなさい。
a ウラマー
b カーディー
c スーフィー
d カーリミー
問6 イスラーム世界の学問のうち「固有の学問」として適当でないものを,選択肢(a~d)から1つ選びなさい。
a 文法学
b 法学
c 哲学
d 神学
問7 イスラーム諸学の出発点ともいうべき六信五行のうち,五行として適当でないものを,選択肢(a~d)から1つ選び
なさい。
a 信仰告白
-2-
b 断食
c 喜捨
d 布教