客 (1)目 室 清 掃 管 理 業 務 的 ホテルにとって客室は主要商品の一つです。 客室を商品として売るには、物と違いお客様は手に取って良し悪しを判断する事なく購入するサー ビス商品ですから、お客様が満足するか否かは最良で快適な居住性です。 「客室創り」はホテルにと ってホテルたるホテルの最高のもてなしであるので、客室整備の重要性は測り知れません。 ホテルをご利用のなる不特定多数のお客様に対し「安全」 「清潔」 「快適」で且つサービスの行き届 いた空間づくりへの協力を心掛けます。 (2)基 本 事 項 A 業務の実施に当り、ホテルの社会性・公共性・地域性を充分に踏まえ、ホテルの品格を保ち お客様へのサービス第一とする。 B インスペクションを通じてより品質の高い商品として「客室創り」を目指します。 C ホテルの建物の各材質を見極め各設備・備品等を破損せぬ様、充分な注意をはらい最適の清 掃・資器材、最適の方法をもって業務を遂行する。 D 客室メイドは常に清潔な身だしなみを心掛け、笑顔で挨拶(会釈)する教育・訓練・徹底す る。 E 用水・電力の使用については、必要最低限に止め節減に留意する。 (3)客 室 整 備 清掃する客室の状況を下記のように分け、清掃の方法も適時適所で多少変えて作業を進める。 客 室 の 状 況 チェックアウトルーム (出 立 部 屋) 清 掃 の 方 法 日常の清掃・定期清掃を行う。 (但し、長期滞在客の出立後については、 大掃除を行う。 ) ステイルーム (滞 在 部 屋) 通常の清掃を行う。 (宿泊客の荷物・衣類等の取扱い、 最善の配慮をする。 ) ベイカントルーム 空拭きとクリーナーの簡易清掃を行う。 (未 使 用 部 屋) VIPルーム (特に重要な お客様の部屋) 細心な注意で特別な清掃を行う。 大掃除を行う場合もある。 (4)清 掃 手 順 A. お客様ご出発後の点検 ・ 忘れ物がないか。 ・ 部屋の備品を持ち出されてないか。 ・ 備品で壊れた物、汚れた物はないか。 ① 机の引出しを全開し、隅々迄調べる。 忘れ物があれば直ちにフロントへ届ける。 (ワードローブ、ナイトテーブル、ライティン グテーブル、バスルーム、ベッド上下も調べる。 ) ② リネン類、グラス、スリッパ等の定数を調べ、持ち去り、破損品があれば、メモに記入しフ ロントかチェッカールームに報告する。 ③ リネンサプライの品物の破損、再洗、特殊な汚れ等は所定の入れ物に入れる。 B. ベッドメイク ① ベッドを作業しやすい位置迄引出す。 ② ピロケースを外しながら、ピロの間や下を点検する。 ③ シーツ、ベッドスプレッドを一枚ずつ取り出す。 ④ 宿泊客の衣類を巻込まない様に注意する。 ⑤ 使用済みのシーツ類を室外へ出す。 この時、客のスリッパや小物類を巻込む事があるので注意する。 外したベッドスプレッドは、休載よくたたんで椅子等の上に置く。 (直接床に置かない様に注意する) ⑥ マットレス、ベッドパッドの位置を正す。ベッドバッドに汚れがあれば交換する。 ⑦ アンダーシーツはマットレスにしっかり挟み込む。 ⑧ ビロケースにピロを挿入し、閉じ口を壁側にしてセットする。 ⑨ オーバーシーツ及びベッドスプレッドを掛け、形を整える。 ⑩ 浴衣のセットをする。 C. バスルーム ① 客の忘れ物や紛失リネン類を点検する。 ② 使用済みタオル類の回収と点検。 ③ 不要物の処理。 (使用済の石鹸・紙屑・吸殻・使用済の剃刀・汚物等) ④ 備品の洗浄。 ⑤ バスタブの洗浄 タブと周辺の壁面、シャワーの噴射状態を調べながら、洗剤を洗い流す。 ⑥ シャワーは水を出してから湯を混ぜ、次に湯水がタブ側に出るようにコックをセットする。 ⑦ バスタブを拭き上げ、水滴を除去する。 ⑧ ベーシン(洗面器部分)を洗浄する。 ストッパー、蛇口コックの具合を調べる。 ⑨ 便器の洗浄 内側・裏側(便器・便蓋・腰掛板)消毒済を使用して清掃する。 便器の清掃が終わったら、消毒済みのテープを付ける。 ⑩ 床の洗浄 特に排水溝は髪の毛、紙、石鹸屑等がつきやすいので注意して洗う。 ⑪ 最後にから拭きをする。 金属部分は常に光沢があるように、鏡はくもりが残らない様にする。 床面は奥から入口方向に、靴跡や髪の毛を残さない様に拭き取る。 << から拭きの順序 >> ・ ミラー ・ 照明器具 ・ パイプラックとタオル掛け ・ 壁廻り ・ ベーシン(洗面器部分) ・ シャワーカーテン ・ バスタブ ・ トイレットボール(便器) ・ 床 ⑫ 備品、消耗品の補充 << 注意点 >> ・お客様がバスタブに身を沈めた時、1 番目に付きやすいのが、天井及び目の高さの位 置である洗面台の下部等も充分注意して清掃し、金属類はいつも光っていると感じの 良いものである。 ・ 水の節約と洗剤の浪費には充分注意をはらう。 D. 室内清掃 ――――― 客室清掃作業の 3 つのポイント ――――― (1) 上から下へ左から右へ (2) 奥から手前の入口方向へ (3) 見えにくい所を忘れず、部屋の隅々迄 ① 湯茶セット(ポット、湯呑み、グラス、茶托、茶の葉、トレイ)は、毎日洗浄し新たに所定の セットをする。 ② タバコの吸殻は、完全に火が消えている事を確認の上、定められた缶に捨てる。灰皿はバスル ―ムに運び良く洗う。 ③ ヘッドボード、ライティングデスク、テレビ、照明器具等はダスターで拭き上げる。この場合 動線の手順を決めてもれなく行う。埃の有無は客室の評価につながるので注意する。 ④ 引出しの内部は拭き上げ、窓ガラスや鏡の掌紋、電話の発信音、ラジオ、テレビ、目覚し時計、 ランプ類の点検も併せて行う。 ⑤ ワードロープ内部の空拭きの際には、コートハンガー、コートブラシ、靴ベラ、ランドリーバ ック等は、各々の定められた位置にセットしながら、空拭きする。 ⑥ カーペット(床面)の清掃 奥から入口方向へ下がりながら掃除機をかける。 ジュータンのシミは、スポットオフの専用の洗剤で手軽に行う。特に落ちないシミは上司に報 告する。 客室の維持管理の為に、清掃中にクリーナーをベッドのボトムや壁に強くぶつけない様注意す る。 ⑦ カーペットのバキュームクリーナーの清掃を終えたら、客室の家具等を元の位置に戻し、 ライティングデスクや整理ダンスの上に置くステーショナリー類及び、備品を元の位置に 戻す。 ⑧ 目覚しを遮断し、内装や家具の褐色、くるいを少なくする為に、レースカーテン、ドレーブカ -テンはひだを揃えて閉める。 << 注意点 >> ・ 備品の整備、消耗品のセット、掃除具の置き忘れ等に注意する。 ・ 入口に立ち、ドアを閉める前にもう一度奥から順に作業の後を点検する。 ・ 全てに異常がなければ、消灯を確認しドアを閉めて施錠する。 E. 滞在客の客室清掃 滞在している客室の清掃は、通常お客様が外出している間に清掃するが、ノブに「メイクアッ プカード」が掛かっている滞在客室は優先して掃除する。 また、VIPルーム等、フロントから清掃を指示されている客室は、ハウスキーパーの指示 により順序良く行う。 << 注意点 >> ・ ドアノブに「清掃中」の札を掛けておく。 ・ ゴミ箱の中の物以外は絶対に捨てない。 ・ お客様の荷物がデスク、テーブルの上に置いてある品物には、なるべく手を触れない 様に掃除し、リネン類を荷物の上に絶対に載せないようにする。 ・ お客様の衣類が、ベットの上やテーブルの上に置かれたままの時は、ハンガーに掛け、 ワードローブに入れておく。 F. 使用されていないお客様の清掃 空き部屋になって 3 日間位の清掃作業は以下の通りです。 ・ 毎日客室内の点検をして異常の有無を調べる。 ・ 丁寧に窓ガラス、家具類、テレビ、電話機等を空拭きする。 (5)点 検 業 務 ルーム. インスペクション(点検)は、ホテルの商品である客室管理上、重要な事である。また、 客室係りの責任者は、任務の重要性を充分に認識して、客室の商品価値の維持向上を常に留意する よう心がける。 (6) 物 品 管 理 ホテルは、お客様に 24 時間の生活空間を与えるという商品内容の為、特にハウスキーピングでは、 快適に過ごして頂く為に、多種多様の物品を扱う。 備品を最良の状態で維持管理し、リネン類、消耗品(トイレットペーパー、石鹸、歯ブラシ、ボー ルペン等)を定数通り補充し、次のお客様をお迎えしなければならない。 この為、ハウスキーピングでは、日々チェックの他に定期的にインベントリー(棚卸し)を実施 し、これを基に計画発注出庫管理を行う。
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