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〝北朝鮮、ミサイル発射と開城(ケソン)工業団地〟5月29日

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写真は韓国・金型企業の工場風景(中央左は上田会長・右は金社長)
〝北朝鮮、ミサイル発射と開城(ケソン)工業団地〟
5月29日、上田金型工業会長・訪問記
平成18年5月19日に開催された(社)日本金型工業会・東部支部の総会に上田会長は挨拶の中で、
北朝鮮問題に触れ、ベルリンの壁が崩壊する1年前の1988年に東ドイツのライプチヒで行われた社
会主義国が中心の機械展示会に行き、東ドイツ製の治具ボーラを買い付けた話や、北朝鮮展示ブースを
覗いた折に、そこに居合わせた北朝鮮幹部に38度線近くに広がる世界的名勝地“金鋼山”の開放や世
界各国と交流をする様、当時の金日成閣下にメッセージを送った。結果的に10年後に金鋼山観光が韓
国経由で開放されたとのエピソードを披露した後、更に今、北朝鮮がソウルに近い開城市に広大な工業
団地を開発して、すでに平成17年9月より韓国企業に開放しており11社が進出稼動している。その
中に金型メーカーの韓国金型協同組合理事長の金学権氏の工場があり、同氏の案内で5月29日に訪問
する旨を明らかにした。そこで、当社(IDO デジタル出版)は上田会長の訪問記を以上の通り寄稿して
もらったので記載します。
開城工団訪問記
韓国から11社が進出中
北朝鮮がミサイル発射の動きがあるとの報道がされていた最中であったが4月に申請していた入国
VISA が発給されたので、ソウルより自家用車で板門店を通過して入国した。
ソウルの北方にある都羅山(トラサン)入出国管理事務所から30分ごとに、韓国軍隊の案内で出発
をする約20台の車は全部、開城工団と書かれているが、ナンバー・プレートをマスキングされ、どこ
の車かわからないように目隠しされていた。所々に立つ韓国国境警備兵の顔色はまさに栗色である。眼
光は鋭く、まるで獲物を狙う鷹の眼の様であったが、38度線に来ると韓国軍は U ターンして帰ってし
まった。
38度線から北へは北朝鮮軍の案内で北朝鮮入管事務所へ向かうが、韓国軍隊とは一転して北朝鮮の
入管事務所の職員は穏やかで韓国側と談笑している。何回も往来するうち、顔見知りになったのだろう。
きわめて和やかな雰囲気だ。ソウルから約1時間の距離の開城工業団地は約800万坪。その内、韓国
側が100万坪を開発中で、現在11社が稼動している。業種は自動車部品、電機部品の組立やゴム靴
の加工、又、化粧品の容器を生産している。韓国側11社を管理する韓国側管理センターがあり、食堂
や管理者の宿舎も用意されているが、現在ホテルを建設開始中である。又、北朝鮮の社員を教育する職
業訓練センターも建築が着工され、更に本格的な工場管理センターも2009年完成の予定とのことで、
工場はすべて韓国から資材を持ち込んで韓国側が建設する。
人件費は1人平均60米ドル
もちろん電気も韓国から送電をしているが、水だけは北朝鮮により提供されているが、韓国側の水道
料金よりも高いので、将来的には地下水を掘削するとの事であった。11社で3,000人余が働く工
場では守衛から管理職まですべて北朝鮮の労働者で占められており、パソコンで事務管理を行うものの、
インターネットや携帯電話は使用出来ない。やっと3月に本社と開城工団工場との専用電話開通し、金
社長の工場にも3本設置された。もちろん軍事転用の懸念からコンピューター制御の機械の持ち込みは
禁止されており、すべて金型の補修用の機械はマニュアル機のみである。
但し射出成形機は自由であり、化粧品容器成形のメーカーも自動車部品製造メーカーも、プラスチッ
ク成形はフル稼働していた。金型補修部品は毎日運行しているトラックに託し、韓国内で製作して搬入
しているが簡単なメンテナンスは指導した北朝鮮の作業者が熱心にやっている。北朝鮮側に支払う1ヶ
月の人件費は1人平均60米ドル。但し個人払いではなく北朝鮮側の窓口に一括払いをしているので個
人に渡るのは、1人1ヶ月3,000円位ではないかと想像していた。昼食時にはかねて韓国側から予
約してあった工団から少し離れた、北朝鮮レストランへ。出てくる料理は平壌(ピョンヤン)、大同江
ビールやキムチ、冷麺、又、大同江でとれたという「天然うなぎの天ぷらです」と、理知的な容姿のサ
ービス係りのお姉さんが説明してくれる雰囲気は韓国のレストランと変わりはない。開城市内の見学を
希望したが当日、金大中前大統領の北朝鮮訪問の打ち合わせを同市内でやっているとの理由で拒否され
た。
進出企業の責任者の話によると「アメリカとの緊張関係が続く中、もし仮に戦争状態にまで関係が悪
化すれば、おそらく板門店は封鎖される可能性があり、そうなれば大変な事になる。これが一番のカン
トリーリスクである。しかしながら、日本はミサイルや拉致問題等で騒いでおり、北朝鮮側の印象は悪
く理解度も少ない」という。北朝鮮とは、同民族である韓国は民間レベルで着々と経済交流が深まって
いる。今回は日帰りの訪問であったが思い出に残る。
北朝鮮訪問後に、7月5日、当社の韓国合弁会社理事会のために、再び韓国訪問したが、7発のミサ
イル発射の NHK 臨時ニュースを韓国のホテルで見る。韓国の一般市民の感覚では北朝鮮のミサイル発射
は、実験位の感覚である様に思える。ここに韓国と日本の温度差を感じざるを得ない。政治の未来はわ
からないが、もし緊張関係がほぐれて交流が一層深くなれば、北朝鮮が2,000万坪まで土地を提供
出来ると言っている。仮にそうなれば世界一の工業団地になるのではないかと言われているが、それは
どうかわからない。何が起きるかが想像出来ない世界政治の流れだが、とりあえず6ヶ国協議に北朝鮮
が参加すること。すべてはそこから始まると思う。
社団法人
日本金型工業会
会長
上田
勝弘
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