2015.6.3 13:00(1/2 ページ) 【球界ここだけの話(195)】 ノムさんが城友博氏 の依頼で就活学生 に金言連発 特集:サンスポ記者の球界ここだけの話 野村克也氏(左)と城友博氏=5月29日・東京・浜松町の東京都立貿易センター【拡大】 師弟コンビが復活した。野村克也さん(79)が5月29日に東京・浜松町で、大学の 野球部員を対象とした就活イベント「野球人就活ミーティング」に参加し、トークショー を行った。 このイベントを主催した「J.C.O.S 野球の力」でキャリアアドバイザーを務めるの が、ヤクルトで俊足のイケメン外野手として3度の日本一に貢献した城友博さん(46)。 「講演は苦手」と最近はこういう仕事はあまり引き受けていないノムさんだが、まな弟 子からの依頼に重い腰を上げた。しかも大学生を相手に話をするのは、異例中の異 例だ。 会場にやってきたノムさんは、J.C.O.Sの取締役に「城はちゃんと会社の役に立 っているんですか?」と聞く場面も。引退してから15年経っても、教え子のことは心配 なのだろう。 ところが約60歳下の学生を前にすると「ここに来て後悔している。私は野球バカの 典型ですから。タメになる話など、とてもできない。期待されると困る」といきなりボヤ キ。これで場を和ませると、さすがの切れ味で、金言を連発した。 「一生懸命やっていれば、見ている人は必ずいる。それを頭の片隅に入れながら、 人生を歩んできた。若さとは何だと考えると、いっぱい夢、希望がある。好きなことを やれる。いろんな可能性がある。この世に『オギャー』と生まれたら、間違いなく何らか の才能を持っている。才能に気がついた人が、幸せをつかむ。人の歩んだ道を行くの ではなく、自分で探す」 こんな“ノムラ節”の数々に、学生は目を輝かせ、ノートいっぱいにメモを取った。 2015.6.3 13:00(2/2 ページ) 【球界ここだけの話(195)】 ノムさんが城友博氏 の依頼で就活学生 に金言連発 特集:サンスポ記者の球界ここだけの話 トークショーを行った野村克也氏=5月29日、東京都立貿易センター【拡大】 「当たり前のことを、当たり前にやることは難しい。『敵は我に在り』で敵は相手では なく、自分自身に勝てるか勝てないか。努力したらすぐに結果がついてくると錯覚しが ちだが、努力に即効性はない。個人差はあるが、努力の差は必ず1年後、2年後に出 てくる。すぐに結果を求めちゃいけない」 学生からの質問も受け、約1時間のトークショーは盛況のうちに幕を閉じた。 城さんは「野村さんは経営者の方の前で話すことはあるけど、学生に話をする機会 は、なかなかない。学生はタメになったと喜んでいた。僕もうれしかったし、元気そうで よかった」と恩師に感謝。 29日に、ついに80歳の誕生日を迎えるノムさんは「ゾッとするわ。これで最後かも しれないな。ちゃんと線香あげに来いよ」と言い残して会場を後にしたが、まだまだ伝 えていかなければいけないことはたくさんある。(塚沢健太郎)
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