「敬地愛人-地域発展のために」 - 高知大学 地域連携推進センター

ごあいさつ
「敬地愛人-地域発展のために」
高知大学副学長 国際・地域連携センター長
受田 浩之
平成17年7月1日に発足した高知大学国際・地域連携センターは、この7月で7年目に入りまし
た。国立大学法人の中期目標・中期計画の1タームに相当する期間を、センタースタッフを始め皆
様のお陰で、無事に乗り越えることができました。
この6年間、私たちは「地域の大学」を標榜する高知大学の営業窓口として、大学の敷居を下
げ、できる限り地域の皆様に身近な存在になるよう努力をしてきたところです。その成果は、10
自治体との連携協定の締結とその後の活発な連携事業の実施、「土佐フードビジネスクリエーター
(FBC)」人材創出事業に代表される、地域産業の中核人材育成プラットフォームの構築、さら
にはセンターメンバーと自治体や金融機関、産学連携機関などの県内外部機関メンバーが一堂に会
した定例(月一回)のセンター連絡会の開催を通じて、地域との「信頼と絆」を強めているところ
です。さらにこのうねりを加速するために、ちょうど7年目に入る7月1日付けで、旧の「生涯学
習部門」を「地域連携・再生部門」に(併せて「産学官民連携部門」を「産学官連携部門」に)
改組し、地域、特に自治体との連携強化を図ると共に、地域中核人材創出事業の新規企画と運営
(「土佐FBC」の実施を先行事例として)を担っていくことに致しました。
それぞれの自治体との連携事業は、地域的特性や自治体の思いの強さによって、その展開やアウ
トカムが劇的に異なってまいります。これまでの経験から、自治体が具体的な目標を掲げている場
合や、特定の課題の克服を明確に重点化している場合に、大学との連携が有効に機能するように感
じています。一例として、大豊町の特産物である「碁石茶」の付加価値創出と産業振興への活用に
関する連携事業や、黒潮町との「日本カツオ学会」の立ち上げなどが挙げられます。碁石茶は一
時、生産者が途絶える危機的な状況にありましたが、その後、町の重点施策により、大学との連携
を通じて、付加価値を解明し、併せて生産方法の高位平準化、並びに生産拠点の整備を進めた結
果、地域の産業振興の中核へと育ちつつある状況です。また黒潮町では、カツオ資源の枯渇を懸念
して、漁師の方々の現場の声を国内及び国際的にも発信していく必要に迫られていたことを受け
て、その情報発信の拠点として本学会を協働して立ち上げたものです。まさに「啐啄同時」のタイ
ミングと相互の意識が、連携のカギであると考えられます。今後も、限られた大学の経営資源をで
きる限り有効に活用できるよう、連携のノウハウを積み上げ、組織的な経験知として蓄積していき
たいと存じます。
私たちは、これからも「敬地愛人-地域を敬い、人を愛する」精神を持ち続け、地域発展のため
に邁進してまいります。様々な課題に対して、高知大学を積極的にご活用頂きますよう、併せてそ
の窓口として、国際・地域連携センターをお気軽にご利用下さいますようお願い申し上げて、ご挨
拶とさせて頂きます。
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