第8号 - 埼玉工業大学

学習支援室ニューズレター
第8号
発行:平成 22 年 4 月 1 日 埼玉工業大学学習支援室運営委員会
第 8 号 目次
巻頭言・大学生活を有意義に過ごすための 2 つのヒント… 1
SIT 自由な学びのためのワークショップ 今年度はのべ約 400 人の学生が参加… 2
コラム・数学を学習するコツ… 3
学習支援室のご案内… 4
巻頭言
大
学生活を有意義に過ごすための
2つのヒント
斎藤昭二(基礎教育センター工学部会)
今年の、ある大学の入試問題(英語)を見ていたら、大学生活をいかに過ごすかに関する
インタヴュー記事が素材として取り上げられていた。テーマがテーマなだけに、何らかの参
考になるかと思い、以下に内容を簡単に紹介する。
インタヴューを受けていたのは、ハーバード大学の Richard J. Light 教授で、氏は自ら
の指導経験と調査に基づき、以下の2点を学生に対して勧めているという。
1. 自分を支援してくれる先生を見つける
2. 時間を有効に使っているかを見直す
第1の点に関して言えば、学生は学習面のみならず生活面も含めて4年間を大学で過ごす
わけで、その間には助言を必要とするような数々の問題に直面するだろうし、進学・卒業時
には自分を推薦してくれる人物が必要になるだろう。Light 教授は、そうしたことをして
くれる先生を半期に1人の割合で見つけよ、そうすれば卒業時には8人、成功率半ばとして
も4人は自分を支援してくれる先生ができることになる、と勧める。本学には担任制度やゼ
ミを通し、少人数で先生と接する機会があるので、懇意の先生を見つけ易い環境にあるが、
学習支援室も皆さんの来室は大歓迎である。学習面でも生活面でも少しでも疑問を抱いたら、
遠慮せずに学習支援室を訪ね、定期的に顔を出してみよう。次第に顔と名前を覚えられ、先
生との懇意な関係が始まるはずである。そしてそれは楽しく有意義な学生生活につながるこ
とになると思う。
第2の点について Light 教授は、時間をどのように使っているかを週単位で、いや日単
位で絶えず見直し、自分にとって最も有効なスケジュール管理をすることの大切さを強調し
ている。その際に気をつけるポイントは、1日にどれくらい勉強するかではなく、いつ、何
を勉強するのかを具体的に明らかにしておくことだという。私事になるが、私もある本に紹
介されていた車中語学独習法というものを学生時代に実践したことがある。第2外国語でフ
ランス語を学び始めていた私は Teach Yourself Series 中のフランス語の独習本を手に入
れ、電車に乗ったら必ず開く、電車を降りたら1ページも開かないという誓いを立て、外出
するときはいつもその本を持ち歩くようになった。各章は先ずフランス語の初等文法に関す
る説明が英語でなされ、
次に簡単な仏文英訳と英文仏訳の問題がそれぞれ15~20題ずつ
並ぶという構成であった。小さな新書版ほどの大きさであったので、どんなに混んだ満員電
車の中でも開くことができた。片道1時間、往復で2時間の電車通学をしていた私は半年も
するとその本に書かれていた初等文法と語彙をほぼ完璧にマスターし、学年末試験でも満点
に近い得点を取ることができた。電車に乗ったら必ず開く、電車を降りたら1ページも開か
ない、という自らに課した誓いは毎日1~2時間を語学学習にあてるという形で具体性を帯
びていたのだと思う。皆さんもこうした観点からご自分のスケジュールを具体的に見直した
ら如何であろう。
ぜひこの2つのヒントも頭の片隅に置いて、この4月から始まる新学期を楽しく充実した
ものとなるように頑張ってほしい。4 年間の学生生活に幸多からんことを!
たのしいこと、いっぱい!
S
IT 自由な学びのためのワークショップ
今年度はのべ約 400 人の学生が参加
学習支援室では昨秋に「SIT 自由な学びのためのワークショップ」と題して 9 講座を企
画・開講し、のべ約 200 人の学生が参加しました。
ワークショップでは学習系 3 講座、教養系 4 講座、資格系 2 講座を平成 21 年度後期に
開講しました。その内容は、学習の基礎的な部分を復習するものや資格取得のための実用的
なもの、さらに映画鑑賞やサーキットでのスポーツ走行など多岐にわたるもので、それぞれ
工学部・人間社会学部の学生が参加しました。
前期(学習系 4、教養系 7、合計 11 講座)とあわせ、約 400 人の受講者がワークショ
ップに参加しました。今後の学習支援室の企画にご期待ください。
昨年度のワークショップの様子(左:電子ブロック組立講座〔西先生〕、右:「マイ・フ
ェア・レディ」に学ぶイギリス〔浜名先生・坂梨先生〕、より)
学習支援室ニューズレター第 8 号
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支援室コラム
数学を学習するコツ
…式変形の動機まで理解しよう
渡部大志(工学部情報システム学科)
新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。在学生の皆さん、こんにちは。学習支援
室で数学の相談を受けている渡部です。今日は、日ごろ相談にこられた方や私の授業中に皆
さんにお伝えする努力をしている勉強法についてお話しします。
私が学生時代に先生方から学んだ数学の勉強法の中で一番役にたったものはおそらく「式
変形の動機まで含めてきちんと理解すること」ではないかと思っています。ここでいう式変
形の動機とは、結論を導くために邪魔な変数は何か、邪魔な変数はどうやったら消せるかと
いった判断に基づいた、目標に到達するために式を変形していく動機です。この式変形の動
機が何か考えることは、
皆さんが自分自身で同じ変形を思いつけるようになるために重要で
す。この変形動機を自分で持てるようになると、多くの問題を自分でも解けるようになり数
学が楽しくなります。また動機まで含めて理解するのはとても気持ちがよいものです。
公式の数に比べると動機の数はそれほど多くありません。
数多くの公式を覚え公式の当て
はめ方に慣れることを中心にした学習方法ではなく、変形の動機まで含めてきちんとわかる
こと、解けることを楽しむことに軸足をおいた学習方法を目指してみると、今までと違った
観点から数学を楽しめると思います。ですから、勉強の際に、どうして著者はそのように式
を変形したいと考えたのか、自分で考える時間をとってみることを、学習支援室や授業では
お勧めしています。この自分で考える時間は、式の変形に誤りがないことを確認するよりも
長くかかることもありますが、問題を解けるようになるためにとても大切な時間です。なん
となくわかるものを増やしても問題は解けるようになりません。
場合によっては試験の範囲を全部学習することをあきらめてでも、幾つかの範囲できちん
と変形動機まで含めて理解することは大切ではないかと思っています。変形の動機が自分で
納得できなければ先生に聞いてみてください。
そのためにも学習支援室の利用は効果的だと
思います。
幼少期には数学に限らず、ありとあらゆることに「なんで」と聞きたくなる時期がありま
す。これは子供ばかりでなく、大人である私たちでも、初めて何かを学習するときには湧き
起こる自然な発想です。
「こういうものだ」とか、
「公式だから覚えよ」と頭ごなしに押し付
けるのではなく、このような「なぜ」
と聞く気持ちを奪うことは決してしないようにしたい、
この「なんで」という皆さんの発想を、皆さんと一緒に大切にしたいと思っています。
最後に、私の好きな詩の一節をご紹介します:
「何という習慣に、お父さんは、取りつかれていたのだろう!
叱ってばかりいる習慣-まだほんの子供にすぎないお前に、お父さんは何ということを
してきたのだろう!
決してお前を愛していないわけではない。お父さんは、まだ年端もゆかないお前に、無
理なことを期待しすぎていたのだ。お前を大人と同列に考えていたのだ。」
「父は忘れる(リビングストン・ラーネット)
」『人を動かす(D.カーネギー)』より。
誰にも習い初めの時期があることを忘れずに、皆さんが素敵な 4 年間を過ごせるよう少
しでも多くサポートできれば幸せだと思っております。
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学習支援室ニューズレター第 8 号
学習支援室のご案内
・学習支援室は 21 号館(図書館のある建物です)の 1 階にあります。図書館を入ると、
右側にすぐ学習支援室があります。
・時間は、昼休み(12:15-13:10)および夕方(16:20-17:20)です。
26 号館
21 号館
(図書館)
ロータリー
学習支援室
(1 階)
正門
学習支援室 MAP
・予約は不要です。下の担当表を参考に質問したい先生を気軽に訪ねてください。
・もちろん、支援室にいる先生の専門に関係なく利用できます。
・誰に相談したらよいかわからないときは、どの時間でもかまいませんので、来室して相
談してください。適切な先生を紹介します。
・TA の時間には、コンピュータの操作やプログラミングについて相談できます。
・授業の復習の相談場所、あるいはちょっと便利な自習室として、学習支援室を利用して
ください。
・学習支援室は 4 月 9 日(金)より、授業期間に開室します。
平成22年度前期 学習支援室担当表
曜日
月
火
水
木
12:15-13:05
江原(化学)
斉藤(英語)
田中(化学)
松川
(人生相談)
林(物理)
情報社会
(各教員)
(情シ・電子)
TA
高橋優(教職)
12:20-13:10
16:20-17:20
渡部大(数学) 松田(物理)
浜名(化学)
山路(英語)
関口(資格)
金
(プログラミング)
西
ver. 1.0 (2010/3/19)
詳細については、学習支援室の web サイトをご覧ください。
http://www.sit.ac.jp/shienshitsu/
学習支援室ニューズレター第 8 号
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