1 2 (57)【特許請求の範囲】 【0001】 【請求項1】 交流電力を直流電力に変換する電源シス 【産業上の利用分野】本発明は、例えば核融合や加速器 テムに使用される交流GTOスイッチを保護するための 等の高周波真空管、イオンビーム装置あるいはジャイロ アブソーバ回路において、 トロン発振器等の直流高圧電源のような交流電力を直流 前記交流GTOスイッチの両端子にそれぞれ接続された 電力に変換する電源システムにおける交流1次側に交流 2端子と他の2端子とを有するブリッジ回路であって1 GTOスイッチを使用したときのその保護用アブソーバ 対のダイオードと1対の自己消弧機能手段とを含むブリ 回路に関する。 ッジ回路と、 【0002】 前記ブリッジ回路の前記他の2端子間に接続された電荷 蓄積手段及び電荷放電手段とを備える交流GTOスイッ 【従来の技術】図4は、ジャイロトロン発振器用電源に 10 適用した、交流GTOスイッチとその保護用のアブソー チ保護用アブソーバ回路。 バ回路とを含む交流電力を直流電力に変換する従来の電 【請求項2】 請求項1記載のアブソーバ回路におい 源システムを示す。なお、交流は3相の場合であり、図 て、前記自己消弧機能手段はGTOであることを特徴と 4はその結線図のみについて示す。図4において、10 する交流GTOスイッチ保護用アブソーバ回路。 は、三相交流電源に接続され適当な電圧に変換する変圧 【発明の詳細な説明】 器を示す。12は、変圧器10の出力に接続され入力電 −1− (2) 特許第3227240号 3 4 流を制御信号に基づいてオン−オフ導通させるため、逆 流を交流GTOスイッチ12で点弧位相制御してジャイ 並列接続(または相方性接続)された交流GTOスイッ ロトロンの所望の直流電圧を得る動作を行うが、本発明 チを示す。14は、交流GTOスイッチの出力に接続さ と直接関係ないのでこれ以上の説明を省略する。 れ適当な電圧に再度変換するための変圧器を示す。16 【0005】図5を参照して、交流GTOスイッチ12 は交流電圧を全波整流する整流器を示す。18は整流器 の動作モードとサージ電圧の発生について以下に説明す の出力側の一端に接続されたリアクトルを、20はリア る。なお、図5は、交流GTOスイッチ12の動作モー クトル18の出力側と整流器16の出力側の他端との間 ドとサージ電圧の発生の関係の理解を容易にするために にコンデンサ22を介して直列接続された直列抵抗を示 のみ示した図であり、その尺度は直接大きさを示すもの す。リアクトル18、直列抵抗20およびコンデンサ2 ではない。図5において、横軸は時間を示し、(A) 2は公知のように整流器16で整流されて得られた出力 10 (C)および(D)においては、横軸より上側は正を、 電圧を平滑化する作用をする。24は、リアクトル18 下側は負を示す。交流GTOスイッチ12には、図5の の出力側に接続された直流制御真空管を示し、上記のよ (A)に示す電圧波形を有する交流相電圧が入力され うに平滑化された直流電圧を安定化するためのものであ る。その状態で、交流GTOスイッチ12は、ジャイロ る。26は、そのカソードが抵抗28を介して直流制御 トロン26の所望の直流電圧が得られるようにオン時間 真空管24の出力に接続され、かつそのコレクタが整流 が設定され、図5の(B)に示されるようなオン−オフ 器16の出力側の前記他端に接続されているジャイロト ・モードで動作させられる。なお、図5の(B)の横軸 ロンを示す。30は、直列接続されている抵抗28とジ より上側のオン状態のときに図4の交流GTOスイッチ ャイロトロン26とに並列に接続されジャイロトロン2 12のGTO 12aがオンとなり、下側のオン状態の 6のアノード電圧を安定化する回路であって、複数のト ランジスタとダイオードと抵抗とからなり、抵抗32を ときにGTO 12bがオンとなる。交流GTOスイッ 20 チ12が上述のように動作させられると、GTO 12 介して得られた安定化電圧をジャイロトロン26のアノ a、12bがオンのときのみ電流を通し、図5の(C) ードに付与するアノード電圧安定化回路を示す。34 に示すような波形の交流電流が整流器16に入力され は、ジャイロトロン26や直流制御管24の管内アーキ る。このとき、GTO 12a、12bがオフとなり電 ング等による負荷短絡の保護のための公知のクローバ回 流を遮断すると、交流GTOスイッチ12の出力側から 路を示す。 ジャイロトロン26側をみた負荷側のリアクトル(主と 【0003】36は、交流GTOスイッチ12が電流を してリアクトル18)に蓄えられたエネルギーにより図 遮断したとき、交流GTOスイッチ12の出力から見て 5の(D)に示されるような波形のサージ電圧が誘起さ 負荷側の回路中のリアクトルを主としてリアクトル18 れる。なお、このサージ電圧は単発の電流遮断でもまた に蓄えられたエネルギーにより発生するサージ電圧で交 毎サイクルの電流遮断によっても発生するものである。 流GTOスイッチ12が破壊されるのを保護するため、 30 このサージ電圧は、アブソーバ回路36が設けられてい 交流GTOスイッチ12の両端に接続されたアブソーバ ないと、交流GTOスイッチ12に印加され、GTO 回路を示す。アブソーバ回路36は、4つのダイオード 12a、12bを破壊する。 38、40、42および44と、電荷蓄積用コンデンサ 【0006】次に、アブソーバ回路36の動作を以下に 46と、コンデンサ46に直列接続されたインピーダン 説明する。図5の(D)に示される正のサージ電圧が発 ス整合抵抗49と、直列接続されたコンデンサ46と抵 生すると、交流GTOスイッチ12の出力側が入力側よ 抗49とに並列接続され、蓄積された電荷を放電する放 り電位が高くなるため、アブソーバ回路36のダイオー 電抵抗48とを有する。4つのダイオードはブリッジ構 ド44とダイオード38とがオンとなり、交流GTOス 成となるように接続され、ダイオード38のカソードと イッチ12の出力側と入力側間にダイオード44、コン ダイオード40のアノードとが接続され、ダイオード4 2のカソードとダイオード44のアノードとが接続さ デンサ46およびダイオード38を介するパスができ、 40 コンデンサ46はサージエネルギーを吸収する。電流を れ、ダイオード38と42のアノード同士が接続され、 遮断した後、次にGTOがオンするまでにコンデンサ4 ダイオード40と44のカソード同士が接続され、ダイ 6の充電電荷を放電する必要があるので、コンデンサ4 オード38と40の接続点は交流GTOスイッチ12の 6はサージ電圧がなくなると、充電した電荷を放電抵抗 入力側に接続され、ダイオード42と46の接続点は交 48に交流GTOスイッチ12のオフモード(図5の 流GTOスイッチ12の出力側に接続されている。前記 (B)参照)の間に放電する。図5の(D)に示される コンデンサ46は、ダイオード38と42の接続点と、 負のサージ電圧が発生した場合も、類似の態様で、即ち ダイオード40と44の接続点との間に並列接続されて 交流GTOスイッチ12の出力側が入力側より電位が低 いる。 くなるため、アブソーバ回路36のダイオード40とダ 【0004】上述のように構成されているジャイロトロ イオード42とがオンとなり、交流GTOスイッチ12 ン用電源システムは、公知のように、入力された交流電 50 −2− の入力側と出力側間にダイオード40、コンデンサ46 (3) 特許第3227240号 5 6 およびダイオード42を介するパスができ、コンデンサ により、サージ電圧が生じているときのみ該自己消弧機 46はサージエネルギーを吸収する。電流を遮断した 能手段がオンとなるように制御して、電荷蓄積手段にサ 後、次にGTOがオンするまでにコンデンサ46の充電 ージ電圧による電荷のみを充電し、該サージ電圧による 電荷を放電する必要があるので、コンデンサ46はサー 充電電荷のみを電荷放電手段に放電させる。 ジ電圧がなくなると、充電した電荷を放電抵抗48に交 【0011】 流GTOスイッチ12のオフモードの間に放電する。 【実施例】実施例について図面を参照して以下に説明す 【0007】 る。図1は、図4に示されるのと同様のジャイロトロン 【発明が解決しようとする課題】上記のような構成にお 発振器用電源であって交流GTOスイッチを含む交流電 いては、コンデンサ46が放電抵抗48に放電を完了し 力を直流電力に変換する従来の電源システムに本発明の た後であって、かつ交流GTOスイッチ12がオフモー 10 アブソーバ回路を適用した一実施例を示す。図1におい ドの期間では、交流GTOスイッチ12の入出力間には て、図4の示される構成要素と構成とその機能とが同一 図5の(A)に示されるような交流相電圧が印加されて あるいは類似のものは同一の参照番号を付してあり、そ いる。そのため、例えば、正の交流相電圧が印加されて の構成要素については説明を繰り返さない。 いる場合には、ダイオード40および42がオン状態と 【0012】図1に示す本発明の一実施例である交流G なり、コンデンサ46にはほぼ上記正の交流相電圧が常 TOスイッチ保護用アブソーバ回路50と、図4に示す に印加されていることになる。また、負の交流相電圧が 従来の交流GTOスイッチ保護用アブソーバ回路36と 印加されている場合には、逆に、ダイオード44および の相違点は、従来の4つのダイオードの代わりに2つの 38がオンとなり、コンデンサ46にはほぼ上記負の交 ダイオードに自己消弧機能手段である自己消弧機能素子 流相電圧が常に印加されていることになる。従って、コ ンデンサ46には上述のサージ電圧による充電電荷以外 の一つGTOを用いた点にある。即ち、図1の実施例で 20 は、図4に示すダイオード42と44がそれぞれGTO に、コンデンサ放電後の交流GTOスイッチ12のオフ 52と54とに置換されている。なお、GTOの導通 モード間に印加される交流相電圧によっても充電される 方向はダイオードの導通方向と同一になるように接続す ことになる。そのため、コンデンサ46の容量は、ジャ る。 イロトロン発振器用では大容量のものが従来必要であっ 【0013】なお、図1において参照番号56と58は た。それに伴い、放電抵抗の容量も大容量のものが必要 分圧用抵抗である。分圧抵抗56と58は直列接続さ となり、例えば上記ジャイロトロン発振器用では交流G れ、分圧抵抗56はGTO 52に、また分圧抵抗58 TOスイッチ12の入力電圧が線間1300V相電圧7 はGTO54に、それぞれ並列接続されている。これら 50V、導通電流が約1800Aと大きいため放電抵抗 の分圧抵抗は、GTO 52と54がオフ時にGTO 48の容量は30kW以上となり、効率が悪くなり、か 52と54の全体にかかる電圧がGTOの一方のみにか つ電源装置も大型化してしまうという課題があった。 30 かる弊害を阻止するためのもので、GTOがオフ時にそ 【0008】本発明は、上記課題を克服するためになさ の両端間のインピーダンスが動作上影響を与えない程度 れたものであり、交流電力を直流電力に変換する電源シ に極めて高い抵抗値に設定されるものである。上記弊害 ステムに使用される交流GTOスイッチを保護するため が生じない場合には、これらの分圧抵抗はなくてもよい のアブソーバ回路であって、従来のサージアブソーバ回 ものである。 路と同様にサージ電圧を抑制すると同時に電源の運転効 【0014】図2を参照して、本発明の交流GTOスイ 率を向上させるアブソーバ回路を提供することを目的と ッチ保護用アブソーバ回路の動作を以下に説明する。図 する。 2の(A)から(D)に示される図形は、図4に示され 【0009】 るものと同一ゆえ、説明を繰り返さない。図2の(E) 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため に、本発明の、交流電力を直流電力に変換する電源シス は、(D)に示すようなサージ電圧が発生している間ア 40 ブソーバ回路50内のGTO 54または52をオンさ テムに使用される交流GTOスイッチを保護するための せるアブソーバ回路50のGTOのオン−オフ・モード アブソーバ回路は、前記交流GTOスイッチの両端子に を示す。なお、図2は、本発明の交流GTOスイッチ保 それぞれ接続された2端子と他の2端子とを有するブリ 護用アブソーバ回路の動作を容易に理解できるようにの ッジ回路であって1対のダイオードと1対の自己消弧機 み示したもので、その尺度は直接大きさを示すものでは 能手段とを含むブリッジ回路と、前記ブリッジ回路の前 ない。また、図2において、横軸は図4と同様に時間を 記他の2端子間に接続された電荷蓄積手段及び電荷放電 示す。交流GTOスイッチ12に図2の(A)に示すよ 手段とを備えることを特徴とする。 うな正の交流相電圧が印加されている状態で、(B)に 【0010】 示されるように交流GTOスイッチ12のGTO 12 【作用】上記のように構成された交流GTOスイッチ保 aがオンして所定時間後にオフとなると(D)に示され 護用アブソーバ回路は、自己消弧機能手段を用いること 50 −3− るような正のサージ電圧が発生する。そこで、交流GT (4) 特許第3227240号 7 8 Oスイッチ12のGTO 12aがオフとなる同時に ブソーバ回路と、図4に示す従来のダイードを用いたア (E)に示されるようにアブソーバ回路50のGTO ブソーバ回路とを比較すると、図4における漏れ電力 54をオンさせると、GTO 54にはこのとき順方向 分、即ちほぼ相電圧の2乗を抵抗48の抵抗値で除した に電圧が印加されているので導通し、その結果GTO 値分小さくできる。 54は図4のダイオード44と同様の動作を行い、それ 【0017】なお、GTO 52と54のオン時間は、 によりサージエネルギーを吸収するためコンデンサ46 前述のようにサージ電圧が発生し続け該サージエネルギ に充電される。サージ電圧が生じている間即ちコンデン ーによるコンデンサ46の充電が完了するまでの時間で サ46に充電が続く間アブソーバ回路50のGTO 5 あるので、電源システムの構成と負荷が決まればそれら 4をオンさせて置き、充電完了と共にオフさせる。コン に基づく時定数として定められる。従って、理論的にあ デンサ46に充電された電荷は、従来例において述べた 10 るいは実験的にオン所要時間を求め、後述するようにG のと同様の動作により、交流GTOスイッチ12のその TOオン後、タイマーを用いて所定時間オンにすればよ ときのオフ・モード(図2の(B)参照)の間に放電抵 い。 抗48に放電される。従って、放電が完了するとコンデ 【0018】また、アブソーバ回路50内でGTOを設 ンサ46には電荷はなくコンデンサ46の両端子間は同 ける位置は、発生サージエネルギーをコンデンサ46に 一電位となる。アブソーバ回路50のGTO 54がオ 吸収するときに導通できるような位置にあればよいの フの状態を保つので、従来例の動作とは異なり、交流G で、図2においてダイオード38、40とGTO 5 TOスイッチ12の図2の(B)に示すオフ・モードの 6、58とを置換してもよく、GTO 54とダイオー 間にコンデンサ46に図2の(A)に示す交流相電圧が ド38を置換してもよく、またGTO 52とダイオー 印加されないため、交流相電圧の印加による電荷の蓄積 は生じない。 ド40とを置換してもよい。 20 【0019】さらに、上述の動作から、GTOに相当す 【0015】交流GTOスイッチ12に図2の(A)に る構成要素はそれに限定されず、、いずれかの自己消弧 示すような負の交流相電圧が印加されている状態での動 機能素子あるいは自己消弧機能を有するデバイスであれ 作も前述の正の交流相電圧が印加されている場合と同様 ばよい。 であり、(B)に示されるように交流GTOスイッチ1 【0020】図3は、本発明のアブソーバ回路50を用 2のGTO 12bがオンして所定時間後にオフとなる いた電源システムの制御回路を概略的に示すブッロク図 と(D)に示されるような負のサージ電圧が発生する。 である。図3において、図1と同一の参照番号を付した そこで、交流GTOスイッチ12のGTO 12bがオ 構成要素は図1のものと同一又は類似の構成と機能を有 フとなると同時に(E)に示されるようにアブソーバ回 し、その説明は繰り返さない。図3において、60はジ 路50のGTO 52をオンさせると、GTO52には ャイロトロン発振器の所望の直流電圧を設定するための このとき順方向に電圧が印加されているので導通し、そ 30 ポテンショメータを、62はジャイロトロン発振器に初 の結果GTO52は図4のダイオード42と同様の動作 期期間に急激に電圧が印加されないようにするためのソ を行い、それによりサージエネルギーを吸収するためコ フトスタート回路を、64は所望の設定電圧を表す信号 ンデンサ46に充電される。アブソーバ回路50のGT とジャイロトロンに実際に印加されている電圧を表す信 O52は、サージ電圧が生じている間即ちコンデンサ4 号との差を計算する減算器を、66は減算器の出力電圧 6に充電が続く間オンさせて置き、充電完了と共にオフ からシステム全体の出力である抵抗20とコンデンサ2 させる。コンデンサ46に充電された電荷は、従来例に 2間の出力を補償する回路を、70は、上記差の電圧に おいて述べたのと同様の動作により、交流GTOスイッ 応じたパルスを生成するゲートロジックを、72はゲー チ12のそのときのオフ・モード(図2の(B)参照) トロジック70の電気的出力信号を交流GTOスイッチ の間に放電抵抗48に放電される。従って、放電が完了 するとコンデンサ46には電荷はなくコンデンサ46の 12のGTO 12a、12bのオン−オフ制御の光信 40 号に変換する変換器を、74は変圧器10に接続された 両端子間は同一電位となる。アブソーバ回路50のGT 変圧器を、76は変圧器74の電圧に基づいてそれに同 O 52がオフの状態を保つので、従来例の動作とは異 期した電圧を生成する同期電源回路を、78および80 なり、交流GTOスイッチ12の図2の(B)に示すオ はジャイロトロン発振器に印加される電圧を分圧して検 フ・モードの間にコンデンサ46に図2の(A)に示す 出するための分圧抵抗を、82は検出された電圧をさら 交流相電圧が印加されないため、交流相電圧の印加によ に設定電圧を表す信号とレベルを合わせるための変換器 る電荷の蓄積は生じない。 を、それぞれ示す。これらの構成要素とその制御の構成 【0016】従って、放電抵抗の容量について、交流G は図3の従来例の電源システムに用いられている制御回 TOスイッチ12に入力される交流相電圧が約750V 路であり、また通常の制御であるので動作の詳細は省略 で、その周波数が50ないし60Hz、GTOを通る電 する。 流が約1800Aの同一条件で、図1に示す本発明のア 50 −4− 【0021】本発明のアブソーバ回路50を制御する系 (5) 特許第3227240号 9 10 として、上記の構成に次のものが付加されている。即 にGTOを用いているので、交流GTOスイッチを使用 ち、ゲートロジック70の出力に応答して動作するタイ した電源システムで発生するサージエネルギーのみをコ マー84と、タイマー84からの電気信号を光信号に変 ンデンサに吸収するため、コンデンサに吸収されるエネ 換して該光信号をアブソーバ回路50のGTO 52、 ルギーが従来のダイードのみを用いたアブソーバ回路よ 54に付与する変換器とである。 り小さく、従ってそのエネルギーを放電させる放電抵抗 【0022】本発明のアブソーバ回路50に関連するこ の容量は従来の漏洩電力分小さくすることができる。そ れらの制御系の動作は次の通りである。即ち、交流GT のため、電源システムの運転効率を向上させることがで Oスイッチ12のGTO 12aのゲート制御信号のオ き、しかも電源装置を小型化できるという効果を奏す ンからオフへの立ち下がり(図2の(A)参照)に対応 る。 したゲートロジック70からの出力信号に応答してタイ 10 【図面の簡単な説明】 マー84は、該立ち下がりと同時に立ち上がる信号を生 【図1】ジャイロトロン発振器用電源であって、交流G 成して、変換器86を介してアブソーバ回路50のGT TOスイッチを含む交流電力を直流電力に変換する電源 O システムに本発明のアブソーバ回路を適用した一実施例 54のゲートをオンする光制御信号(図2の(E) 参照)を出力する。タイマー84は、前述のようにサー を示す図。 ジ電圧によるコンデンサ46への充電に要する時間であ 【図2】交流GTOスイッチの動作モード、サージ電圧 って予め設定された時間だけオンの状態の信号を出力 の発生、およびアブソーバ回路のGTOの動作の関係を し、当該設定時間後にオフとなる。次に、交流GTOス 示す図であって、(A)は交流GTOスイッチに入力さ イッチ12のGTO 12bのゲート制御信号のオンか れる交流相電圧波形を、(B)は交流GTOスイッチの らオフへの立ち下がり(図2の(A)参照)に対応した ゲートロジック70からの出力信号に応答してタイマー オン−オフ・モードを、(C)は図1に示す整流器に入 20 力される交流電流波形を、(D)は負荷側で発生するサ 84は、上記の場合と同様にして、該立ち下がりと同時 ージ電圧波形を、(E)は図1に示すアブソーバ回路内 に立ち上がる信号を生成して、変換器86を介してアブ のGTOのオン−オフ・モードをそれぞれ示す。 ソーバ回路50のGTO 52のゲートをオンする光制 【図3】本発明のアブソーバ回路を用いた電源システム 御信号(図2の(E)参照)を出力する。タイマーは、 の制御回路を概略的に示すブッロク図。 前述のようにサージ電圧によるコンデンサ46への充電 【図4】ジャイロトロン発振器用電源に適用した、交流 に要する時間であって予め設定された時間だけオンの状 GTOスイッチとその保護用のアブソーバ回路とを含む 態の信号を出力し、当該設定時間後にオフとなる。 交流電力を直流電力に変換する従来の電源システムを示 【0023】以上、ジャイロトン発振器電源用の交流G す図。 TOスイッチを含む交流電力を直流電力に変換する電源 【図5】図4に示す交流GTOスイッチの動作モードと システムに本発明のアブソーバ回路を適用した例につい 30 サージ電圧の発生の関係を表す図であって、(A)から て説明したが、本発明のアブソーバ回路はジャイロトン (D)は図2の(A)から(D)にそれぞれ対応する。 発振器用電源への適用に限定されるのものではなく、一 【符号の説明】 般的に交流電力を直流電力に変換する電源システムにお 38、40 ダイオード いて交流GTOスイッチを用いる全てのものに適用可能 46 コンデンサ である。 48 放電抵抗 【0024】 50 交流GTOスイッチ保護用アブソーバ回路 【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され 52、54 GTO ているので、交流GTOスイッチ保護用アブソーバ回路 56、58 分圧抵抗器 −5− (6) 【図1】 【図4】 −6− 特許第3227240号 (7) 【図2】 −7− 特許第3227240号 (8) 【図3】 −8− 特許第3227240号 (9) 特許第3227240号 【図5】 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−202220(JP,A) 特開 昭52−120669(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7 ,DB名) H02M 1/06 H02H 7/12 H03K 17/08 H03K 17/16 H03K 17/725 −9−
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