医 事 法 山口大法医 藤宮龍也

医 事 法
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医事紛争の現状を概説することができる。
患者と医師の関係の重要性を認識する。
医療事故の予防・対処法や医師の法的責任を理解して行動できるようになる。
医療機関における安全管理のあり方(事故報告書、インシデント・リポート、リスク管理者、事故防止委員会、
事故調査委員会)を概説できる。
医療事故に関連した基本的事項(行政処分、民事責任、刑事責任、司法解剖)を説明できる。
先端医療、安楽死、尊厳死、生殖医療、遺伝子治療などの現代的問題を医事法学的視点から論じられる。
チーム医療の重要性や、組織的なリスク管理について説明できる。
イメージの法則:イメージできなければ、マネージできない(危機管理:医師も、患者も)。
マーフィーの法則: If anything can go wrong, it will. 疑わしきは対応しろ。
Things go wrong in batches. 臨界点後はもはや神の領域。
MiniMax 原則:被害最小の原理:悪い(mini)中の最善(max)策(被害最小)をとること。
楽観でなく、現実的に、最悪を考えながら対処。悪化を避けようとして最悪を為さないために。
【D.医事紛争】
医療事故・医療過誤・医事紛争・医事訴訟(医療過誤訴訟)
={ 1.技術過誤、2.不可抗力事故、3.医療慣行・制度・体制上の事故}
1)刑事責任、 2)民事責任
3)行政処分 cf.医師法7、医道審議会:戒告、業務停止、免許取消
4)社会的・道義的責任
治療(35%)診断(20%)手術(20%)注射(7.5%)麻酔(5%)投薬(3.5%)看護(1.5%)輸血(1%)
外科(32%)内科(23%)産婦人科(22%)耳鼻科(6%)
1.医療と刑法:罪形法定主義
- 業務上秘密漏洩罪(刑 134、135、刑訴 105、149)
1)本人の承諾ある場合。2)伝染病予防法などで届出の規定がある場合。
3)他人への伝染を恐れる衛生上の観点から。(cf.権利の濫用)
cf.各種の調査(興信所、保険会社など)、電話による問い合せ。
- 虚偽診断書作成罪(刑 160)
- 業務上堕胎罪(刑 214) cf.母体保護法
- 業務上過失死傷罪(刑 211、209,210) 予見義務・回避義務、医療水準
- 傷害罪(刑 204)vs 正当業務行為(刑 35)、説明義務と患者の承諾
緊急避難(刑 37)
- 応招義務(医師法 19、刑 217、218[保護責任者遺棄の罪])
- 自殺関与罪・嘱託殺人罪(刑 202、203) cf.安楽死
- 証憑湮滅(ショウヒョウインメツ)(刑 104)
<刑事裁判>
告訴(被害者ら)、告発(第三者)
、警察独自の活動等により捜査
検察庁へ送検:起訴(不起訴処分、起訴猶予):起訴便宜主義・検察官の処分権
裁判:証拠裁判主義、直接審理主義、職権探知主義
高い蓋然性の因果関係、「疑わしきは、被告の利益に」、単純ミスが多い。
故意、過失{予見可能性・結果回避義務;信頼の原則}
個人の対社会的責任追求、主観的意図を重視、過失罰は例外的
- 重過失は別=>医療過誤事件・「業務上過失致死」
cf.「行為なければ責任なし」+「不作為犯の違法性」
医療行為の正当性の3条件:診療予防目的、患者の承諾、医学的に妥当な方法(+医師免許)
cf.ザルソグレラン注射によるショック死事件(神戸地裁 S40.9.30)予見不可能:無罪
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看護師による麻酔チューブの誤接続;麻酔担当医の責任(尼崎支部 S49)有罪
cf.信頼の原則
2.医療と民法:当事者主義、負担の公平分担、過失責任主義
2-1.民事訴訟と医療過誤
1)準委任契約・事務管理:契約不履行(民 643,644,656)
2)不法行為={権利侵害・違法性、故意過失、損害、因果関係、責任能力}
cf.民 709:不法行為「故意叉ハ過失ニ因リテ他人ノ権利ヲ侵害シタル者ハ之ニ因
リテ生シタル損害ヲ賠償スル責ニ任ス」、民 719:共同不法行為
*過失(故意)
−−−−−−−−−−−>
*権利侵害・違法性
(結果予見義務)
*因果関係
(期待権侵害)
(結果回避義務)
(事実的)
*損害(具体的損害)
医療水準
説明義務違反
(法的) 蓋然性
(慰謝料)
相違点
立証責任
But
賠償請求権
債務不履行(民 415)
被告(帰責事由不存在の立証)
履行 or 不履行の不可抗力の証明
因果関係の不存在
原告:善管注意義務違反の証明
直接的損害
不法行為(民 709)
原告(不法行為の立証)
不法行為={権利侵害・違法性、
故意過失、損害、因果関係}
過失の一応の推定 vs 反証
具体的損害・生命侵害に対する慰
謝料、精神的損害に対する慰謝料
3年
時効
10年(cf.カルテ5年)
<主な争点>
1)過失の有無:
善良なる管理者の注意義務、診療当時の臨床医学の実践における医療水準。
統計的危険、不可抗力事故の存在。
作為型・不作為型過失(技術過誤)
- 東大輸血梅毒事件(最 S36.2.16)X 売血者への問診
- インフルエンザ予防接種事故(最 S51.9.30)死亡X 具体的・適切な問診
- 未熟児網膜症事件(最 S54.11.13,S57.7.20)0 医療水準
- 北九州市急患センター誤診事件X 頭蓋骨骨折・急性アルコール中毒、帰宅、植物状態
- 小石川外科医院不完全消毒注射事件X 両肩プロカイン注射、ブドウ球菌侵入・敗血症
a) (悪)結果の発生の可能性を予測認識(予見)すべき義務(結果予見義務)
通常の医師に必要な一般的医学知識(医療水準)に基づいて予見可能か?
a)当時の医療水準 b)専門医としての水準 c)環境的地理的要因(cf.病院規模)
d)取締規則など e)緊急性 f)医療上の慣行
b) 違法な結果を回避すべき義務(結果回避義務)
予見可能な危険の現実化を防止する義務を果たしたか?防止措置の有無
vs.「許された危険」「統計的危険の存在」 不可避か?
cf.特異体質:問診、予備検査、経過観察、応急処置・蘇生術の個々が問われる。
c)監督指導義務(採血ミス空気注入事件、酸素笑気誤接続事件)
d)過失の一応(事実上)の推定:表見証明、間接証明
cf.注射後皮下膿瘍(最 S32.5.10):「注射液が不良であったか、または注射器の消毒
不完全であったかの、いずれかの過誤に基づいて発生したものとの、原審の判示は、
挙示の証拠によりこれを肯認できないことはない。」
e) 説明義務違反:患者自らが「危険の引受け」を自己決定したのか?
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1)同意の有効要件としての説明義務 cf.手術同意書
2)療養指導義務としての説明義務
3)結果回避義務としての説明義務 cf.転医勧告・受診の勧め
-患者の錯誤、合理的医師説->合理的患者説->具体的患者説
a)同意の欠如
b)同意の範囲が異なる:実際の医療行為と異なっていないか
c)説明が不適切:コスト・リスクの説明の欠如
vs. 包括的同意、当時の医師患者関係の慣行、当時の医療水準
f) 病院組織体の過失:使用者責任・共同不法行為・土地工作物責任
使用者責任 vs 信頼の原則(電気メス器誤接続事件)
共同不法行為:(検査センター、血液型判定ミス、医師に担保責任)
施設等の管理責任:(幼児の窓からの転落事故)
安全配慮義務:(精神病院入院患者殺人事件、他の患者より)
業務遂行上の過失 cf.院内感染・院内での自殺
組織上の過失
cf.看護体制・救急体制などの不備
g) PL製造物責任:cf.医薬品、医療器具など
2)因果関係の有無:医療行為上の不手際と障害結果との関係
事実的因果関係と法的因果関係、条件関係 cf.紙のごとき頭蓋骨
高度の蓋然性を有する相当因果関係
東大ルンバール事件:「訴訟上の因果関係の立証は、一点の疑義も許されない自然科
学的証明ではなく、経験則に照らして全証拠を総合検討し、特定の事実が特定の結果
発生を招来した関係を是認しうる高度の蓋然性を証明することであり、その判定は、
通常人が疑を差しはさまない程度に真実性の確信を持ちうるものであることを必要
とし、かつ、それで足りるものである。」(通常人<>平均的専門医)
- 事実上の推定{時間的密接性、医学的説明可能性、他原因の介在なし}
「特段の事情(間接反証)が認められない限り、−−」、反証不提出の法則
不可抗力・特異体質、因果関係不存在・他原因の立証の困難性。
医療慣行上の不可抗力か、医学上の不可抗力か?
cf.民事裁判の目的=負担の衡平分担、私人間の利害関係の調節。当事者主義
- 説明義務違反と損害との因果関係 癌患者への受診勧告->手術の機会喪失
3)損害発生の有無:損害か天災か
被害者側過失:過失相殺、過失の割合的認定
(宗教的理由による輸血拒否事件)
逸失利益:延命利益の侵害
4)違法性・権利侵害:cf.患者の自己決定権・説明義務違反
(ガス壊疽菌右足切断事件、承諾なき乳腺摘出事件、承諾なき舌癌手術事件)
期待権侵害:癌患者の「医療水準にある医療を受ける権利」
5)証明(挙証)責任とその転換、証明妨害、事実上の推定と反証、証明度−蓋然性
負担の公平分担:損害か天災か? 過失責任主義。当事者主義。
6)損害賠償:
cf. ホフマン方式
手取額=(一定期間に被害者が取得する全収入)/(1 + 収入の生ずる期間 x 利息)
cf. ライプニッツ方式
手取額=(一定期間に被害者が取得する全収入)/(1 + 利息)^収入の生ずる期間
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2-2.医療におけるリスク・マネジメント
リスク・マネジメント:安全性、損失防止、損失管理 vs. 不測の損失
ハインリッヒの法則:1つの重大事件の前には 29 の小事故があり、その前には 300 のヒヤッと
したり、ハッとした経験がある。「ヒヤリ・ハット」、インシデントレポート(ニアミス報告書)
1)リスク概念の分析と把握
ヒューマンエラー:人のさが(To err is human.)。 エラーを前提にした対策。
1) 無理な相談・不可抗力的エラー:偶発的接触、人間の能力を超える行為
2) 意図しないエラー:錯誤(し間違い、思いこみ)、失念
3) 必要な知識や技量の不足
4) 違反(初心者の違反、ベテランの違反)
5) チームの意思不疎通:コミュニケーションエラー、相互の人間関係
6) トップの識見による組織の不適切行為:トップの識見と安全文化
エラー分析:連関図・なぜなぜ問答:「ひとつの原因だけでエラーが起こることはまれ」
cf.血液型取り違え:急いでいた−血液庫が遠い。クロスチェック体制がない。
血液型の識別マークが読みにくい。同じ場所に異なる血液バックがあった。など。
2)リスク・マネジメントの目標の設定:
ペリル(素質の原因):人間はミスを犯すものである。ヒューマンエラー
ハザード(損失拡大要因):セフティネット・セフティガードの状態
リスク(損失の可能性):医療訴訟の支払い対策、紛争・訴訟防止
1)医療の質の確保(事故防止・安全管理)、2)組織を損失から守る ことを目的
Risk Management より Patient Safety が適当という考え
3)現在のリスクマネジメント・プログラムの再検討
Damage control: システム・構造・設計・安全配慮、フェイル・セーフ・システム
1)Trouble shooting, 2)Risk-level による予測・対策, 80:20 の法則
リスク・コントロール
4)費用対効果に基づいた計画の立案
リスク・ファイナンス:千3つの法則:0.3%の危険性?と投資?
5)管理者や医療従事者に対するリスク・マネジメントの教育と訓練
注意義務の徹底、インシデント・メモ
安全管理体制の整備:(1)安全管理指針 (2)事故等の院内報告制度
(3)安全管理委員会 (4)安全管理のための職員研修
特定機能病院、臨床研修病院では更に、(1)医療安全管理者(特定機能病院は専任化)
(2)医療安全管理部門 (3)相談窓口
6)リスク・マネジメント能力の改善
職場環境、作業条件、問題要因
7)リスク・マネジャー制度の確立
リスク管理者:状況判断、問題解決のためのデータ提示、意志決定への提案
「ヒヤリ・ハット事例の詳細な把握、検討等を行い、医療事故の防止に資するため」
医療安全支援センター・医療安全推進協議会:患者・家族・医療機関からの苦情・相談
<医療事故の予防> 注意一秒訴訟一生
1)診療業務のマニュアル化(業務の標準化と職務分担の明確化)
<QC>
リスクマネージメント・マニュアル(協力体制)
<病院管理学>
2)職員の教育・訓練、リスク管理者
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医療事故防止対策委員会、連絡・報告体制、事故発生時のチームワーク
3)施設・設備・機器の保守安全管理
点検スケジュール、有効期限、保管場所、転倒予防
4)職員の作業環境の整備: 勤務体制、労務管理
5)ミス対策:「ミスは起こる」が大前提。クロスチェックの習慣。ニアミスの分析・対策。
「読める字」で書く。代名詞は使わない。口頭では単位を最後まで。
患者は誕生日まで確認。名前の表示を隠さない。似たものは近づけない。
一つの異常に気をとられない。チェックリストは簡潔に。確認・ダブルチェックの習慣。
薬・患者・左右の取り違え。女を見たら妊娠を思え(禁 X 線、セクハラ、外妊)。
医療機器の未習熟=聞くは一時の恥、聞かぬは患者の不幸。自己研鑽・研修システム。
安全な医療を提供するための 10 の要点(厚労省ヒューマンエラー部会報告)
(1) 根づかせよう安全文化 みんなの努力と活かすシステム
(2) 安全高める患者の参加 対話が深める互いの理解
(3) 共有しよう 私の経験 活用しよう あなたの教訓
(4) 規則と手順 決めて 守って 見直して
(5) 部門の壁を乗り越えて 意見かわせる 職場をつくろう
(6) 先の危険を考えて 要点おさえて しっかり確認
(7) 自分自身の健康管理 医療人の第一歩
(8) 事故予防 技術と工夫も取り入れて
(9) 患者と薬を再確認 用法・用量 気をつけて
(10) 整えよう療養環境 つくりあげよう作業環境
医療安全対策(厚労省): http://www.mhlw.go.jp/topics/2001/0110/tp1030-1.html#1
6)医師患者関係:患者の立場で
informed consent(特に、後遺症・副作用)、患者の自己決定権、承諾書
女子の身体検査時の立会い。プライバシー保護。期待権の侵害。
不用意な言動は慎む。時に、複数医師・精神科専門医の受診。
患者移送義務、専門医受診勧告義務、紹介義務、療養指導義務。
7) 結果予見義務:cf.問診:アレルギー等
8) 医療機関が安全システムを設計するときの原則(米国医療の質委員会、IOM)
安全システム構築のための5つの原則
原則1:リーダーシップの築く
患者安全を最優先課題とする
患者安全を全従事者の責任とする
安全に関する職務を明確にし、目標を設定する
エラーの分析とシステムの再設計に人的・経済的資源を投入する
安全に問題のある医療従事者を特定し、対応するための仕組みを作る
原則2:プロセス設計で、人間の限界に配慮する
患者安全を目指して職務を設定する
記憶への依存を避ける
制限と強制の機能を活用する
人的監視への依存を避ける
重要プロセスは簡素化する
作業プロセスを標準化する
原則3:有効なチーム機能の強化
チームとして働く人々をチーム・トレーニングする
安全設計と診療プロセスに患者を参加させる
原則4:不測の事態に備える
事前介入:安全を脅かす診療プロセスを検討し、事故発生前にシステムを再設計する
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修復システムの設計する
正確でタイムリーな情報へのアクセスを整備する
原則5:学ぶ環境を創造する
可能な限りシミュレーションを活用する
エラーと危険な事態の発生に関する報告を奨励する
エラー報告に対する無制裁を保証する
組織序列にとらわれない自由なコミュニケーションが行われる職場文化を育成する
エラーから学びフィードバックできる仕組みを確立する
2-3.医療事故・医事紛争のプロセス
<医療事故の発生>http://www.umin.ac.jp/nuh_open/iryoujiko.htm
cf.医療事故防止のための安全管理体制の確立について(中間報告)。
Crisis Management: 決断と行動の Speed、チームワークとリーダーシップ。
、応援を呼ぶ。
1)迅速な事故への最善の処置(結果回避義務)
内密は不可能。責任転嫁・責任回避の発言は慎む。
2)事故に関する記録・報告、リスクマネージャーへ:内部調査、緊急連絡体制
アクシデントレポート(事故報告書)
3)事故の分析(事実と原因の究明)、内部関係者の意見統一:事故調査委員会
4)死因不詳->警察にとどける。警察医「司法・行政解剖」 異状死体。
医療関連死:病死か事故死か? cf.病理解剖(遺族の承諾)<原因究明が大事>
5)患者・家族へ誠実で速やかな説明、病院幹部職員・担当医師・看護師等立ち会い(顛末
報告義務)
「心情」に対する適切な配慮。誤解を招かぬように、特異な発想の家族もいる可能性。
説明内容は記録に残す。カルテの閲覧は医師側の自由ではなくなりつつある。
医師会医事紛争処理委員会に相談・報告
6)事故の患者へのお見舞い、死亡患者の告別式(社会通念上の範囲)
時に、社会への公表:社会に対する説明責任+患者・遺族のプライバシー尊重
7)カルテその他の医療記録の保管
(改ざん・いん滅との疑念に注意、訂正は第三者に判別できるようにし、変に疑われない
ように、裁判官の心証形成に影響) cf.医薬品副作用被害救済基金
8)インシデントレポート・事故報告書の作成・関係機関へ報告
「誤りに学ぶ」「個人の不注意を責めない」「誤りを生み出したシステムのミスを追求する」
自殺・他殺・突然死(含 SIDS)・事故死・災害死等による突然の別れ(共通点あり)。
悲嘆プロセス(死別反応):医療スタッフも巻き込まれる。
初期:衝撃と否認(茫然自失、否認・歪曲、離人感)。
中期:対立と混乱(怒り、孤立感、取り引き、合理化、記憶の加工、不適切な反応、罪責感、抑うつ)。
最終期:再調整と回復(受容・自立):再調整の援助(時間をかけて傾聴・共感、問題の再定義、 解決
への選択肢)。
再調整を失敗し、対立・混乱期の中での医事紛争に飛び火:ドクター・ハラスメントとされる可能性。
危機管理:公正な手続(調査・報告・対策)と、感情への配慮・共感(謝罪・責任)。 一部承認(Yes, but)。
クレームの陰に訴訟・クライシスあり(ポジション・ペーパー、録音)。
問題は原則論か手続き論か?原則論で常識的結果なら、まず戦え。非常識な結果なら覚悟・善後策。
手続き論なら、まず不便を詫び、チェック・調査。報告・(責任)・対策。
クレームには初期の誠心誠意のスピードが大事。次に、調査・権限・組織内手続きとタイミング。
相手の言い分(実害、配慮の欠如、説明不備、感情的対立)を聞き、冷静になるまで待ち、善処・回答。
クレーム処理の 80%は非言語的対応。相性により、担当者を変えたり、第3者に相談。
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クレーム記録(日付つき署名)で、水掛け論に終止符。クレームには守備攻勢 、時熟を待つ根気。
納得の過程としてのクレーム処理:cf. Ross 説:否認→怒り→取引き→抑うつ→死の受容;1∼2 週間
話し合いの可能性の有無。社会的非難の可能性の有無。示談か訴訟か。リーガル・チェック。
クライシス・コミュニケーション:実害以上に、社会的制裁への危機。広報とメディア・トレーニング。
交渉人と証人・当事者で情報の一元管理。「違法性はないが、社会的責任は感じている」
1)謝罪(お騒がせして)、2)調査(委員会究明中)、3)報告(開示予定)、4)処分(責任)、5)対策(応急・今後)。
ポジション・ペーパー:1)交渉の時系列。2)事実に基づいた妥当性。3)相手の論点。4)反論・主張。
<医事紛争の開始>
1)患者側からの苦情:懇切な応接、何度も同じことを聞かない。
(主な理由) 意外な結果からくる疑問
医師の説明不足・不親切からくる憤り
医療の専門性・密室性からの情報不足
2)説明:説明者の設定、一貫した対応、医学的立場からの説明。
3)話し合い、複数であたる:記録をとる <書面で求められたら=!!>
4)証拠保全(裁判所から、申立・決定・送達・検証) cf.5分前
医師会医事紛争処理委員会(医療事故対策委員会)、医師賠償責任保険
弁護士に相談
5)示談交渉(慎重対処、落着いてから)
6)調停(過誤が明確な場合)
7)訴訟
類型:1)診断書作成の虚偽 2)治療方針と死因との不一致 3)安易な予後見通
し、軽易な手術と死亡 4)検査による死亡 5)異物遺残 6)性生活障害を伴うもの
7)幼児外傷・奇形形成後遺症等 8)他の事故の医療への責任転嫁 9)死後の接触
のまずさ
<民事裁判>当事者主義、弁論主義
1)訴状(当事者、法定代理人、請求の趣旨、原因)提出・審査、裁判所からの送達。
2)法定代理人(弁護士)の選定(関係医師などとのスムースな連携)
3)答弁書: −−は認め、他は否認または不知。
争いのない事実:認諾:黙示的なもの含まれる。 cf.自白
4)準備書面
5)準備手続き(抗弁、再抗弁、釈明権・求問権)
6)事実認定、証拠書類等の提出(証拠の申出)
7)証人尋問、陳述
8)和解
9)鑑定
10)結審、判決<裁判官の自由心証>
11)控訴(上告)or 判決の確定
12)医師賠償責任保険
100%安全な医療行為はない。医療慣行に従っていても負けないとは云えない。
医師患者関係が一旦壊れたら、訴訟状態になったら、−−。 証明責任の転換。
医療事故時の救済制度がない。cf.自動車事故、自賠責保険。
2-4.過失の類型(抄)
知識不足・ケアレスミス
(1)注射事故
約1/3の頻度{神経麻痺、ショック、細菌感染}
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大腿四頭筋・三角筋拘縮症、安全な筋肉注射はない。必要最小限に。
a)皮下注射:三角筋部など cf.上腕外側は橈骨神経麻痺の可能性あり
b)筋肉内注射:上臀部半月部の外半部など
c)ショック:アレルギー過敏性体質:問診。安静と経過観察。救急処置と器具・設備
注射速度(静注時)を守る。
d)無菌性膿瘍・硬結:吸収不良・局所刺激性、よく揉む。
滅菌・消毒:
e)静脈注射すべき薬(cf.麻酔薬)を動脈に注射
(2)誤薬・誤用:看護、ラベル・使用法などの再確認のくせ。聞くは一時の恥。
(3)検査:偶発症(合併症)血管撮影、内視鏡 etc
(4)診断書:患者のいいなり、詐病、診断書偽造。
(5)説明と同意:結果回避義務として、承諾要件として(cf.手術範囲)
- 第三者が誰かから病名を聞き、患者に癌を告知し、精神的ショックを与えた:
医師の守秘義務違反不明(他の医療従事者か?)、告知した第三者は不法行為
- カルテの所有権は医師にある。患者に閲覧請求権(コピー)はない。
but 療養指導義務、報告義務、医師患者関係への配慮
(6)救急医療:交通事故、アルコールと外傷
(7)麻酔:執刀医の被用者、誤接続、悪性高熱症、薬物ショック、患者・患部の取り違え。
(8)外科・整形外科:交通事故と後遺症
(9)産婦人科:産科の急死
(10)小児科:外傷・奇形形成、後遺症
(11)輸血事故:不適合輸血
(12)管理・看護事故:「入院中新生児の結核感染」事故:看護師結核・健康診断
院内感染防止体制
- 病院の退院勧告・通告に応じない患者:病室明渡し仮処分申請。
入院契約、医師の指示に従う患者の義務、入院規則の明確化
- 電気あんか火傷事故:手術・腰椎麻酔後の患者で下半身に感覚麻痺。損害賠償
- 入院患児(3 才)転落死亡事故:ベットが窓の近く。安全配慮義務
- 精神病院患者殺害事故:患者同士(精神分裂病 vs.老人性痴呆)
「人手が足りなく気づくのが遅れた」は認められず。
【E.先端医療など現代的課題】
1.死の定義と脳死
(1)死の定義は法律には無い
(2)(医学的な)死の判定:医学の決定すべき問題。
(3)脳死の定義
(4)社会的な死の定義
(5)脳死の判定基準と実施上の問題点:
2.臓器移植
和田心臓移植(昭和43年)溺死(21 才)僧帽弁閉鎖不全(18 才)
脳死判定(検査・移植医による)
、適応の有無、記録不十分
日本人の遺体観、解剖率低い、移植提供率低い。
医学の発達、免疫抑制剤、欧米での移植医療の進展。
(1)「角膜及び腎臓の移植に関する法律」(昭和54年)
死体からの移植 vs 死体損壊罪
1)変死体または変死の疑いのある死体の除外、
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2)遺族の書面による承諾。
を条件とする。
例外:ドナーが生存中に書面により承諾、医師が告知、遺族が拒まない時
ドナーに遺族がいない場合。
- 提供者の生前の意思を尊重するか、遺族の意思を尊重するか?
遺族の意思の優先(日本)
(2)生体からの移植:
傷害罪。目的の社会的相当性、承諾による違法性阻却、
cf.生体肝移植・腎移植
医師の説明義務
(3)脳死体からの移植:
ドナーカード
明示の承諾:contract-in, opt-in: アメリカ、日本(臓器移植法)
提供反対の意思:contract-out, opt-out: フランス
死体の合法的占有者の認許:
イギリス
本人の明示の承諾。(脳死臨調報告・臓器移植法)
- <数の絶対的不足>?移植選定の優先順位と公正さ。移植ネットワークの整備運営。
臓器売買禁止。費用負担。国際協力。
- ドナー・レシピエントへの最高の医療の確保。救急医療、ターミナルケア、移植医療。
医療自体の公正さの検証方法。診療録の閲覧など。
(4)臓器の移植に関する法律(平成9年7月 16 日法律第 104 号)
臓器の移植に関する法律施行規則
「臓器移植に関する法律」の運用に関する指針(ガイドライン)
(5)変死体または変死の疑いのある死体からの移植:
検視・解剖を害さない限りで臓器摘出を許す(EC)。
コロナー(監察医)の承諾を条件とする(イギリス)。
?司法手続きと移植との調和。日本の監察医制度は不十分・縮小方向。公正さの確保
近代ドイツ医学・司法(明治)と現代アメリカ医学・司法(戦後)の不整合性
【臓器移植法第7条(臓器摘出の制限)】刑事訴訟法の検視その他の犯罪捜査に関する手
続きが行われるときは、当該手続きが終了した後でなければ、臓器を摘出してはならない。
脳死判定の対象者が確実に診断された内因性疾患により脳死状態にあることが明らかで
ある者以外の者である時は、下記の手続きをとること(運用に関する指針 11 の5)。
1)当該者に対し法に基づく脳死判定を行う旨を速やかに所轄警察署に連絡する。
2)検死その他の犯罪捜査に関する手続きが行われる時は必要な協力をする。
3)なお臓器摘出は手続き終了後に行う。
<捜査機関に対する協力>
当該捜査機関への連絡
脳死判定予定日時及び場所。連絡責任者の氏名、住所、電話番号、その他必要な事項
書面(写し)の提出
脳死の判定に従い、かつ臓器を提供する意思を表示している本人の書面
脳死判定承諾書(家族)、臓器摘出承諾書(家族)、
脳死判定の的確実施の証明書(脳死判定医)
死亡診断書(主治医)、その他必要な書類(脳死判定記録書(脳死判定医))
検察官・警察官への便宜
待機する場所の提供、患者の病室等へ入室するにあたっての準備、その他必要な便宜
検視等を行うにあたっての補助
検視等への立会い、生命維持装置等の取扱い、脳死した者の身体の移動、その他補助
<その他の臓器移植時に必要となる書類>
臓器摘出記録書(摘出医)。
移植術の実施の説明記録書、臓器移植記録書、不使用臓器記録書(移植医)
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(6)新たな問題。無脳児からの移植。脳死体での実験。国際間の臓器売買。
臓器配分システム、組織バンク。植物状態は死か(大脳死)?
*公正さ(Fair)、最高の医療の保証(Best)、公開性(Open)
3.尊厳死と安楽死
延命優先の現代医療->レスピレータ
cf. ホスピス:生命の質(Quality of life, QOL)
*日本の自殺の実態:老人・中高年に多い。青年は減少傾向代わりに他罰傾向。
病苦が動機の約半数>精神障害・アルコール症(18%)>家庭問題(9%)>経済問題(6%)。
自殺は男が女の2倍。自殺未遂は女に多い。
<安楽死の4タイプ>
1)純粋安楽死 :苦痛の緩和・除去、生命の短縮(−)
2)間接的安楽死:苦痛の緩和・除去 but 生命への危険あり(副作用)
={医学的適応,医療行為としての妥当性,患者の現実的承諾}
3)消極的安楽死:治療打ち切り<不作為>
患者(近親者)の意思による場合、医師には違法性ないと見るのが通説
4)積極的安楽死:致死薬投与など vs 殺人行為(嘱託殺人)
* 尊厳死:回復の見込みのない患者の延命措置の中止(消極的安楽死)
リビング・ウィル(尊厳死の宣言書)、尊厳死立法?日本尊厳死協会。
* DNR(do not resuscitate) : 心肺蘇生術の拒否->living will として明言。
ONTR(order not to resuscitate)
*安楽死の条件:名古屋高裁(昭和37年12月)
末期患者が激痛で苦しんで「殺してくれ」と言い、息子が殺虫剤入り牛乳を用意し、
妻が、飲ませて死亡させた。
1)不治の病で死が目前。
2)苦痛が誰が見ても忍びないほど甚だしい。
3)苦痛緩和が目的であること。
4)患者本人のまじめな嘱託または承諾。
5)医師の手による。
6)方法が倫理的に妥当。
cf.東海大病院安楽死事件(1991):横浜地裁(平成7年)
昏睡状態の末期癌患者に医師が塩化カリウムを注射。本人は意識不明。家族の要請。
1)耐えがたい肉体的苦痛。
2)死期が迫っている。
3)苦痛緩和の代替手段がない。
4)患者の意思表示が存在。
cf.「尊厳死」については、「家族による患者の意思の推定でも許される」とした。
cf.オランダ:検察手続きの簡素化。
「要請に基づく生命の終焉および自殺幇助に関する審査手続き法」H14 年4月施行。(1)患者(12歳以
上)の自発的で熟考された要請がある(2)苦痛が耐えられないもので改善の見込みがない(3)患者に状況
をくわしく説明する(4)ほかに適切な対処方法がない(5)第三者の医師の意見を聞く(6)適切な医療措置に
よって生命の終焉、自殺幇助を行う−の6条件を満たせば、医師は殺人罪や自殺幇助罪に問われない。
12歳以上16歳未満の場合は親権者の同意が必要で、16、17歳の場合は患者の意思決定に親権者も
加わらねばならない。地域評価委員会が個々のケースを審査し、要件を満たしていない疑いがある時は
検察庁に報告する。【安楽死の方法】医師が筋弛緩剤などを患者に注射する「積極的安楽死」と、医師が
死に至る薬剤を患者に処方する「自殺幇助」がある。オランダでは医療措置として行われる。
米国オレゴン州「尊厳を伴う死の法」
ベルギー可決(2002.5)
豪州北部特別区(準州)「末期患者の権利法」連邦議会で無効との議決。
4.生殖医学
古くからの問題:人工妊娠中絶の倫理問題
(1)人工授精
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配偶者間人工授精(AIH)
生物学上の父、配偶者間の同意
非配偶者間人工授精(AID) 法律上の父、提供者(生物学的父)は秘匿
「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。」(民法 772 条1)
cf.養子、夫の同意と取消・撤回。
(2)体外授精
胚移植、授精卵の取扱い、日本産婦人科学会の見解:夫婦間のみ、夫婦の同意。
日本産婦人科学会「体外受精・胚移植に関する見解」
代理母(卵子を貰い、貸し腹)・貸し腹(懐胎母):cf.アメリカ
代理母契約の有効性と倫理性、養子縁組、母子関係、アメリカでは訴訟。
(3)男女産み分け
日本産婦人科学会の見解
重篤な伴性劣性遺伝性疾患を有する児を妊娠することを回避のためのみ
(4)遺伝子スクリーニング、妊娠中絶、避妊手術など
胎児・受精卵の出生前診断:(羊水診断;妊娠 16∼18 週)(絨毛検査;妊娠9∼14 週)
日産婦学会「先天異常の胎児診断、特に妊娠初期絨毛検査に関する見解」
性別は告げず
多胎妊娠時の減数手術:日本では母体保護法上、違法
ロングフル・バース(Wrongful birth)、ロングフル・ライフ(Wrongful life)
子供の人権擁護
(5)胎児の利用、医療資源としての胎児
胎児の人権?(刑法・民法第1条3)
(6)ヒト精子・卵子・受精卵の取り扱い
日本産婦人科学会「ヒト精子・卵子・受精卵を取り扱う研究に関する見解」
精子・卵子・受精卵の取り引き?;凍結保存?;治療目的以外での使用?
権利主体としての「人」か「物」か?
5.遺伝子工学・遺伝子治療・遺伝子操作
遺伝子操作と倫理:研究と倫理
遺伝子治療。IC・自己決定権(代諾)だけでよいのか。
<厚生省の遺伝子治療ガイドライン>
(1)致命的で他に有効な治療法がない病気に限る。
(2)子孫に影響を及ぼす可能性のある生殖細胞には行わない。
(3)動物実験で安全性と有効性が十分に確認されている。
(4)各施設に医師、基礎科学者、倫理専門家からなる審査委員会の設置を義務
づける。そのうえに各施設からの申請を議論する中央評価会議を置く。
(5)インフォームド・コンセントの実行、被験者の人権への配慮。
危険の引き受けは患者個人だけか?人類社会への波及の可能性
クローン人間の問題?:生命の尊厳。人の価値観への挑戦。
科学技術会議「組替えDNA実験指針」
文部省告示「大学等の研究機関におけるDNA実験指針」
遺伝子診断:「無知のヴェール」とエゴイズム、差別・プライバシー
6.医療と強制
(1)母体保護法(旧・優生保護法に比べ遺伝性疾患・らい関係について大幅に削除)
不妊手術:医師の認定による優生手術(本人と配偶者の同意で行われる手術)
母体の生命に危険、母体の健康度を著しく低下
人工妊娠中絶:(<妊娠 22 週)医師会の指定医
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遺伝性疾患、身体的・経済的理由から母体の健康を害する、強姦など
本人と配偶者の同意を得て
(2)精神保健及び精神障害者福祉に関する法律:法による強制的な入院
精神保健指定医、精神医療審査会、自傷他害のおそれ、
保護義務者の同意の有無
措置入院(by 知事、本人・保護者の同意(-))、緊急措置入院(72hr)
医療保護入院(4week、家裁に選任された保護者の同意)、
応急入院(72hr,精神科救急医療,本人の同意(-))、
仮入院(1week,診断目的、保護者の同意)。
(3)エイズなどの感染症。公衆衛生上の問題(公共の利益)と人権・プライバシー。
7.医療保障・社会福祉・社会保障
- 国民皆保険の成功
日本の社会資源は不十分、高度成長社会から安定成長社会への転換
- 医療の普及から医療サービスへ
QOLが求めやすい社会、社会福祉・保障などの社会資源の充実。
- はたして倫理だけの問題か?
医療経済学: 医療は資本主義の中の社会主義、医療の独立採算性と公共性
高齢化社会
8.情報の開示・公開と法的規制
プライバシーを考慮した上での Open:情報公開の基準・範囲・対象(患者 or 社会)
プライバシー保護・守秘義務(刑法)、自己決定権
取り扱い倫理(研究目的とプライバシー)、セキュリティー
大学・学会等による自己規制と法的規制・情報公開
---------------------------------------------------------<参考:医療事故関係の教育目標の一部>
安全性への配慮と危機管理
(1)安全性の確保------------------------------------------------------------------------------------GIO:医療事故は日常的に起こる可能性があることを認識し、事故を防止して安全で信頼される医
療を提供しなければならないことを理解する。
SBOs:1)医療事故はどのような状況で起こりやすいかを説明できる。
2)医療事故を防止するために、組織的なリスク管理の重要性を説明できる。
3)過ちを犯しても、それば重大事故につながらないシステム(フェイル・セーフ・システム)を説
明できる。
4)医療事故や潜在的医療事故(ニアミス)に関する情報を共有し、再発防止に役立てる必要性を説
明できる。
5)医療機関における安全管理体制(事故・ニアミス報告書、リスク管理者、事故防止委員会、事
故調査委員会など)を概説できる。
(2)危機管理------------------------------------------------------------------------------------GIO:実際に医療事故や潜在的医療事故(ニアミス)が発生した場合の対処の仕方について学ぶ。
SBOs:1)医療事故とニアミスの違いを説明できる。
2)医療事故やニアミスの事例の原因を分析し、防止対策を説明できる。
3)医療事故やニアミスの可能性と緊急処置や報告などの対応について説明し、実施できる。
4)医療事故に関連した法律(行政処分、民事責任、刑事責任)の基本的事項を説明できる。
臨床判断------------------------------------------------------------------------------------GIO:臨床的な判断に関する基本的な考え方を学ぶ。
SBOs:1)臨床判断上、考慮すべき要素(病態生理学的論理、臨床疫学的事実、患者の意向、社会的
要因(倫理、費用))を列挙できる。
2)誤診の心理機制(思いこみ、事前確率の無視、記憶の鮮明度、陰性データの無視、集団規範の
影響など)を説明できる。
3)情報管理の原則(情報公開、プライバシー保護、取り扱い倫理、セキュリティー)を説明できる。
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